JP2000516850A - フィルタカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に内燃機関の吸込空気フィルタに用いられるフィルタカートリッジが記載される。このフィルタカートリッジは中空円筒状のフィルタ本体（１０）から成っており、このフィルタ本体（１０）は少なくとも一方の端面側に端板を備えており、この場合、この端板はシールエレメント（１２）を有している。このシールエレメントは支持材とシール材（１５）とから成っており、シール材は有利にはシリコーンまたはシリコーンフォームから成っている。

Description

【発明の詳細な説明】 フィルタカートリッジ 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の、特に内燃機関の吸込空気フ ィルタに用いられるフィルタカートリッジに関する。 このような形式のフィルタカートリッジは、ドイツ連邦共和国実用新案第８８ ０５０４９号明細書に記載されている。しかし、このような公知のフィルタカー トリッジには、極端な負荷が加えられた場合に支持・シールリングの外縁部がフ ィルタペーパウェブから剥がれてしまうという欠点がある。なぜならば、支持・ シールリングの外縁部とフィルタペーパウェブとの間には単に摩擦接続的な結合 しか存在していないからである。支持・シールリングの外縁部がフィルタペーパ ウェブから剥がれてしまうと、粗空気入口と清浄空気出口との間に直接的な接続 が生まれてしまう。このような直接的な接続部の流過横断面はたしかに小さいけ れども、後置された内燃機関の故障や、高められた摩耗を招いてしまう恐れがあ る。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第２７３８０８６号明細書に開示されているフ ィルタカートリッジは、フィルタ材料と、このフィルタ材料に流込み成形された フランジ部分とから成っている。このフランジ部分は 流込み成形可能でかつ硬化性の材料、たとえばプラスチックまたはゴムから成っ ており、この材料は硬化した後もフレキシブルな状態のままとなる。フィルタ材 料は端部範囲でフランジ材料に埋め込まれている。フィルタ材料とフランジ材料 との間に確実な結合を形成するためには、フィルタ材料に穿孔を施すことが提案 されている。これにより、フランジ部分の流込み成形時に液状の材料が、フィル タ材料に設けられた複数の孔を通って流れ、こうしてフィルタ材料とフランジ材 料との間に一種のほぞ結合を形成する。 この公知のフィルタカートリッジにおいて欠点となるのは、フランジ部分を流 込み成形するために流込み成形型が必要となることである。このことは比較的緩 慢な硬化と関連して長いサイクル時間を生ぜしめ、ひいては低い生産性をもたら す。 さらに別の欠点としては、フィルタペーパ本体に穿孔が施されなければならな いことが挙げられる。このような穿孔は付加的な作業工程で導入され、しかも孔 への完全な流込みが行われないと、粗空気側と清浄空気側との間の短絡を招いて しまう。 さらに、ドイツ連邦共和国特許第３８３８５４０号明細書に基づき公知のフィ ルタカートリッジは、シール材料から成る端板を有している。この端板は特殊な 接着剤を用いてフィルタペーパ本体に結合される。さらに、この端板は、接着剤 と端板自体との間で噛合い が行われるように形成されている。しかし、これによって既に大きな欠点が明ら かとなる。すなわち、この端板は複雑でかつ製造に手間のかかる構成部分である 。 フィルタカートリッジを内燃機関の吸込空気のために使用する場合には、さら に別の問題が生じる。すなわち、シールエレメントが如何なる形状を有している のかとは関係なく、このシールエレメントは最適な長時間耐久特性を有しなけれ ばならない。すなわち、自動車では通常、長期間のサービスインターバルが存在 しており、このような場合でも、脆性化または亀裂形成が行われないことが保証 されなければならず、しかも長い期間にわたっても良好なシール特性を保証する ような、ある程度の残留ひずみが維持されなければならない。 本発明の課題は、上で述べた不都合を回避して、少数の構成部分もしくは少数 のコンポーネントから成ると同時に、粗空気側と清浄空気側との間に信頼性の良 いシールを保証するようなフィルタカートリッジを提供することである。 この課題は、請求項１の上位概念部に記載の形式のフィルタカートリッジにお いて、請求項１の特徴部に記載の構成により解決される。 本発明の大きな利点は、シールエレメントが支持材とシール材とから成ってい る点に認められる。これに よって、支持材とシール材とをそれぞれ固有の役目に最適に適合させることがで きる。たとえば、支持材をポリウレタンフォーム、つまりポリウレタン発泡体か ら製造し、この支持材にシリコーンまたはシリコーンフォームから成るシール材 を配置することが可能となる。このような配置には、廉価な支持材料を高価なシ ール材料と組み合わせることができるという利点がある。さらに、支持材料の特 性を剛性の点でフィルタ本体に最適に適合させ、他方ではシール材の特性をシー ル構造に最適に適合させることが可能となる。すなわち、たとえばシールエレメ ントに複数のシール溝を設けることができ、これらのシール溝は一種のリップパ ッキンまたはラビリンスパッキンとして良好なシール作用を発揮する。さらに、 これらのシール溝の配置により、弾性特性を正確に調節することも可能となる。 本発明の有利な構成では、端板を「２コンポーネント法」、つまり「２成分法 」で製造することができる。すなわち、互いに異なる特性の２種のプラスチック が唯１つの作業工程で互いに結合されるわけである。 本発明の別の有利な構成では、支持材が、シール材で被覆された金属薄板であ る。このような金属薄板は、たとえばエラストマ材料で既に予め被覆されていて 、この被覆体と共に打抜き成形されるか、もしくは成形される。このことには、 シール材を支持材である金属薄板にあとから塗布することがもはや必要とならな くなる、という利点がある。金属薄板には環状のエンボス加工部を設けることが 可能であるので有利である。このようなエンボス加工部は特に対応するシール構 造と相まってシール特性を改善する。 本発明のさらに別の有利な構成では、シール材が軸方向もしくは半径方向に配 置されている。フィルタカートリッジを軸方向でシールすることは従来汎用のシ ール形式であるのに対して、フィルタカートリッジを半径方向でシールする場合 には、フィルタカートリッジの長さ誤差を簡単に補償することができるという利 点が得られる。 上記構成および本発明のその他の有利な構成は請求の範囲の他に明細書および 図面からも明らかである。この場合、個々の構成はそれぞれ単独で実現されるか 、あるいは互いに組み合わされた形で、かつ別の分野においても実現され得る。 第１図は円形フィルタカートリッジを部分的に断面して示す図であり、 第１ａ図は第１図の範囲Ａを拡大した、第１変化実施例を示す断面図であり、 第１ｂ図は第１図の範囲Ａを拡大した、第２変化実施例を示す断面であり、 第２図は方形のフラットフィルタカートリッジの概略図であり、 第２ａ図は第２図の範囲Ｂの拡大図であり、 第３図は別の円形フィルタカートリッジを部分的に断面して示す図であり、 第３ａ図は第３図の範囲Ｃの拡大図であり、 第４ａ図、第４ｂ図および第４ｃ図は円形フィルタカートリッジの部分拡大図 である。 第１図には円形フィルタカートリッジが部分的に断面されて図示されている。 この円形フィルタカートリッジはジグザグ状に折られた濾材１０、特にフィルタ ペーパから成っている。この濾材１０は両端面側にそれぞれ１つのシールエレメ ント１１，１２を備えている。このシールエレメント１１，１２は通常、ＰＵＲ フォーム、つまりポリウレタンフォームから成っており、このＰＵＲフォームは 一方では濾材１０の端面縁部をカバーし、ひいては端面縁部を閉鎖し、他方では フィルタカートリッジ１３をケーシング（図示しない）内に固定してシールする 。このためには、シールエレメント１１，１２がそれぞれビード状の環状***部 １４，１５を有しており、この環状***部１４，１５がケーシング壁に接触する 。 第１ａ図には、第１図に示した範囲Ａが拡大して図示されている。シールエレ メント１２に設けられたビード状の環状***部１５は、極めて良好なシール特性 を有する材料から成っており、この場合、この材料は長時間安定性をも有してい る。このような材料は有利にはシリコーン材料もしくはシリコーンフォームであ る。しかし当然ながら、テフロン材料またはセルロース材料を使用することも可 能である。 ビード状の環状***部１５はポリウレタンフォームから成るシールエレメント １２と接着または凝集により結合されている。 第１ｂ図には、第１ａ図に示した構成の変化形が図示されている。この場合、 ビード状の環状***部１５はシールエレメント１２内に埋め込まれている。また 、シールエレメント１２にアンダカット部を設けて、環状***部をこのシール部 材１２に押し込んで結合することも可能である。いずれにせよ、シールエレメン ト１２に環状***部１５を組み付けることは、環状***部の不本意な脱落が阻止 されることを確保していなければならない。 第２図には、方形のフラットフィルタカートリッジ１６が示されている。この フラットフィルタカートリッジ１６はやはりジグザグ状に折られたフィルタペー パ１７から成っている。フラットフィルタカートリッジ１６は矢印１８で示した ように上方から粗空気によって流過される。ジグザグ状に折られたフィルタペー パ１７は側面１９，２０で閉じられており、したがって複数のフィルタポケット を形成している。粗空気中に存在するダスト粒子は、これらのフィルタポケット 内に沈積する。清浄空気は矢印２１で示した方向でフィルタカートリッジから流 出する。 粗空気室と清浄空気室との間のシールは環状のシールエレメント２２を介して 行われる。このシールエレメント２２は第２ａ図に示した拡大図から判るように 、２つのコンポーネントから形成されている。上側の部分は支持材２３であり、 下側の部分はシール材２４である。このシール材２４は有利にはシリコーンから 成っている。支持材２３はポリウレタンフォームまたは熱可塑性材料であってよ い。当然ながら、シール材２４に適当なジオメトリを付与し、このジオメトリに より高いシール作用を得ることも可能である。すなわち、シール材２４に、良好 なシール特性を有するシールリップを設けることが可能である。 第３図には、フィルタケーシング２６内の円形フィルタカートリッジ２５が示 されている。フィルタケーシング２６はカバー２７によって閉じられていて、粗 空気入口２８と清浄空気出口２９とを有している。円形フィルタカートリッジ２ ５はこの場合にも、ジグザグ状に折られた濾材３０から成っている。この濾材３ ０は端面側にそれぞれシールエレメント３１，３２を有している。このシールエ レメント３１，３２は第３ａ図に示したように２つのコンポーネントから形成さ れている。このコンポーネントの１つは支持材であるプラスチックシート３３で ある。このプラスチックシート３３には、シリコーンシール材３４の形のシール 材が被着され、両部分は互いに結合され、引き続き濾 材３０との接触面の範囲で加熱され、そして圧力の作用を受けて濾材３０に固定 される。プラスチックシート３３は、たとえば熱可塑性材料である。この熱可塑 性材料は、たとえば赤外線放射線による熱の作用を受けて部分的に加熱され得る 。しかし当然ながら、支持材を紙、厚紙または金属から製造することも可能であ る。 第４ａ図、第４ｂ図および第４ｃ図には、たとえば第３図に示したフィルタケ ーシング内で使用することのできるような円形フィルタカートリッジの拡大図が 示されている。支持材３５は金属薄板から成っている。この金属薄板は接着結合 部を介して濾材３０に固定されている。金属薄板から成る支持材３５には、シー ル材としてエラストマ３６から成る被覆体が設けられている。 第４ｂ図に示した実施例では、金属薄板である支持材３５が環状のエンボス加 工部３８を備えていてよい。この場合にも、金属薄板にはエラストマが全面に配 置されている。エンボス加工部はフィルタケーシングと接触してシール作用を増 幅させる。 第４ｃ図には変化実施例が示されている。この変化実施例では、金属薄板３５ が単に小幅の縁範囲においてのみ、自由に発泡したシール材３７を備えている。 この場合にも当然ながら、シール材にシールリップを設けるか、または任意のシ ール形状を設けることも可 能である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年８月１日（１９９８．８．１） 【補正内容】 請求の範囲 １．特に内燃機関の吸込空気フィルタに用いられるフィルタカートリッジであ って、濾材、特にフィルタペーパウェブから成る中空円筒状のフィルタ本体（１ ０）が設けられていて、該フィルタ本体（１０）が、少なくとも一方の端面側に 端板を備えており、該端板がシールエレメント（１２）を有している形式のもの において、シールエレメント（１２）が、支持材とシール材（１５）とから成っ ており、支持材がポリウレタンフォームであり、シール材（１５）がシリコーン またはシリコーンフォームから成っていることを特徴とするフィルタカートリッ ジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．特に内燃機関の吸込空気フィルタに用いられるフィルタカートリッジであ って、濾材、特にフィルタペーパウェブから成る中空円筒状のフィルタ本体（１ ０）が設けられていて、該フィルタ本体（１０）が、少なくとも一方の端面側に 端板を備えており、該端板がシールエレメント（１２）を有している形式のもの において、シールエレメント（１２）が、支持材とシール材（１５）とから成っ ていることを特徴とするフィルタカートリッジ。 ２．支持材がポリウレタンフォームであり、シール材（１５）がシリコーンま たはシリコーンフォームから成っている、請求項１記載のフィルタカートリッジ 。 ３．端板が、２コンポーネント射出成形法で製造されている、請求項２記載の フィルタカートリッジ。 ４．支持材が、シール材（３６）で被覆された金属薄板（３５）である、請求 項１記載のフィルタカートリッジ。 ５．前記金属薄板が、環状のエンボス加工部（３８）を備えており、かつ／ま たはシール材（３６）が、環状のエンボス加工部の形で前記金属薄板（３５）に 配置されている、請求項４記載のフィルタカートリッジ。 ６．シール材が、軸方向および／または半径方向に作用するシール部材である 、請求項１から５までのいずれか１項記載のフィルタカートリッジ。 ７．シール材が、複数のシール溝を有するリップ形シール材である、請求項１ から６までのいずれか１項記載のフィルタカートリッジ。