【発明の詳細な説明】
ヒドロキサム酸をベースとするCD23およびTNF形成の阻害剤
本発明は可溶性ヒトCD23の形成の新規な阻害剤および可溶性CD23(s
−CD23)の過剰産生に伴う病態、例えば、自己免疫疾患およびアレルギーの
治療におけるその阻害剤の使用に関する。本発明の化合物は腫瘍壊死因子(TN
F)の放出の阻害剤でもある。
CD23(低親和性IgEレセプターFceRII、Blast2)は、BおよびT−リ
ンパ球、マクロファージ、天然キラー細胞、ランゲルハンス細胞、単球および血
小板を含む、種々の成熟細胞の表面上で発現される、45kDaのII型細胞膜内
タンパク質である(Delespesseら、Adv lmmunol,49[1991]149-19
1)。また、好酸球上にはCD23様分子がある(Grangetteら、J Immunol,1 43
[1989]3580-3588)。CD23は免疫反応の調節に関与してい
る(Delespesseら、Immunol Rev,125[1992]77-97)。ヒトCD2
3は、細胞内N−末端のアミノ酸だけで異なる、2種の特異的に調節されるイソ
型、aおよびbとして存在する(Yokotaら、Cell,55[1988]611-6
18)。ヒトにおいては、構成的aイソ型はB−リンパ球でのみ見られるのに対
して、IL4で誘発可能なbイソ型はCD23の発現能を有する細胞すべてにお
いて見られる。
無傷の細胞結合したCD23(i−CD23)は、細胞表面から切断され、そ
の機構もまだあまり解明されていない、複雑な一連のタンパク質分解性事象の結
果として産生される、多数の明確な可溶性フラグメント(s−CD23)を形成
することが知られている(Bourgetら、J Biol Chem,269[1994]692
7-6930)。未だ実証されてはいないが、これらのタンパク質分解性事象の
主な可溶性フラグメント(分子量37、33、29および25kDa)は、その
すべてがi−CD23に共通のC−末端レクチン領域を保持しており、最初の3
7kDaフラグメントの形成を介して連続的に起こると仮定されている(Letelli
erら、J Exp Med,172[1990]693-700)。別の細胞内切断経路に
より、i−CD23
とC−末端領域で異なる安定した16kDaフラグメントが得られる(Grenier-
Brosetteら、Eur J Immunol,22[1992]1573-1577)。
いくつかの活性はヒトにおける膜結合i-CD23に起因するものであり、そ
のすべての活性がIgE調節にて役割を果たすことがわかっている。個々の活性
として:a)抗原表示、b)IgE介在の好酸球細胞毒性、c)B細胞のリンパ
節および脾臓の胚中心への帰巣、およびd)IgE合成のダウンレギュレーショ
ンが挙げられる(Delespesseら、Adv Immunol,49,[1991]149-19
1)。3つの高分子量の可溶性CD23フラグメント(分子量37、33および
29kDa)は多機能性サイトカイン特性を有し、IgE産生にて主な役割を果
たすと思われる。かくして、s−CD23の過度の形成は、IgEの生産過剰、
外因性喘息、鼻炎、アレルギー性結膜炎、湿疹、アトピー性皮膚炎およびアナフ
ィラキシーなどのアレルギー疾患の顕著な特徴に関連付けられる(SuttonおよびG
ould、Nature,366,[1993]421-428)。s−CD23が原因の他
の生物学的活性として、B細胞の増殖を刺激すること、メディエーターの単球か
らの放出を誘発することが挙げられる。かくして、高レベルのs−CD23が、
B−慢性リンパ球白血病の患者の血清中で観察され(Sarfatiら、Blood,71[
1988]94-98)、慢性リウマチ関節炎の患者の滑液中で観察される(Chom
aratら、Arthritis and Rheumatism,36[1993]234-242)。CD2
3が炎症において役割を果たすということは、多くの供給源で示唆されている。
第1に、sCD23は、活性化されると、炎症の細胞介在事象に関与する細胞外
レセプターに結合すると報告されている。すなわち、sCD23は単球、TNF
、IL−1およびIL−6放出を直接活性化すると報告されている(Armantら、
vol 180,J.Exp.Med.,1005-1011(1994))。CD23は、単球/
マクロファージ上でB2−インテグリン吸着分子、CD11bおよびCD11c
と相互作用し、NO2 -、過酸化水素およびサイトカイン(IL−1、IL−6お
よびTNF)放出を作動させると報告されている(S.Lecoanet-Henchozら、Immu
nity,vol 3;119-125(1995))。最後に、IL−4またはIFNは
ヒト単球によるsCD23のようにCD23の発現およびその放出を誘発する。
膜結合CD23レセプターとIgE/抗−IgE免疫複合体
または抗CD23mAbとの連結は、炎症におけるCD23のレセプター介在の
役割を説明する、cAMPおよびIL−6産生およびトロンボキサンB2形成を
活性化する。
CD23のこれらの種々の特性のため、s−CD23の形成を阻害する化合物
は、a)B細胞の表面にあるi−CD23のレベルを維持することによりIgE
合成の負のフィードバック阻害を強化し、b)s−CD23の高分子量(分子量
37、33および29kDa)の可溶性フラグメントの免疫刺激性サイトカイン
活性を阻害する、二面的な作用を有するはずである。加えて、CD23切断の阻
害は、sCD23誘発の単球活性化およびメディエーター形成を緩和し、それに
より炎症応答は軽減されるはずである。
TNFαは、不活性前駆体中の76−アミノ酸シグナル配列を特異的に切断し
、成熟形態を生成することにより刺激細胞から放出されるプロー炎症性サイトカ
インである。TNFαの切断はメタロプロテアーゼによりなされると報告されて
いる(Gearing,A.J.H.ら、(1994)Nature 370,555-557;McGeehan
,G.M.ら、(1994)Nature 370,558-561;Mohler,K.M.ら、(199
4)Nature 370,218-220)。TNFαのTNF処理酵素による切断を
阻害すると報告されている化合物は、概して、特にヒドロキサム酸種のマトリッ
クス・メタロプロテアーゼ阻害剤であると記載することができる。
TNFαは、TNFαに起因する一の生理学的機能が細菌、寄生体などの急性
感染に対する炎症性応答に貢献するように、細菌、エンドトキシン、種々のウイ
ルスおよび寄生体に応答して、種々の細胞型にて誘発される(Dinarello,C.A.
(1992)Immunol.4,133-145)。TNFαの過剰産生は慢性リウマ
チ関節炎、敗血症性ショック、クローン病およびカヘキシーなどの病態に関与す
る(Dinarello,1992)。したがって、TNFαの成熟活性形態へのプロセッ
シングを阻害することはこのような炎症性障害の治療にて効果的であろう。TN
Fαはまた、自己免疫疾患における開始因子ではないが、この疾患における組織
破壊の原因であるかもしれない。慢性リウマチ関節炎におけるTNFαの重要性
を確認すると、TNFα抗体は慢性リウマチ関節炎実験の短期間の研究にて疾患
の重篤度を減少させること
が明らかにされた(Elliott,M.J.ら、(1993)Arthrit.Rheum.12,16
81-1690;Elliottら、(1994)Lancet 344,1125-1127)
。
国際特許出願番号WO96/02240(スミスクライン・ビーチャム・パブ
リック・リミテッド・カンパニー)は、マトリックス・メタロプロテアーゼ(例
えば、コラゲナーゼ、ストロメリシンおよびゲラチナーゼ)の作用を阻害する化
合物が、哺乳動物細胞培養系にトランスフェクトされたヒト可溶性CD23の放
出の効果的な阻害剤であることが見出された。
英国特許出願番号9601041.8(スミスクライン・ビーチャム・パブリ
ック・リミテッド・カンパニー)は、式(I):
で示される特定の化合物が、哺乳動物細胞培養系にトランスフェクトされたヒト
可溶性CD23の放出の効果的な阻害剤であると開示している。
本発明によれば、前記した式(I):
[式中、
Rは(C2-6)アルケニルチオメチルまたは(C2-6)アルキニルチオメチルで
あり;
R1はアルキルまたはアルケニルであり;
R2はアルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキルまたはシクロアルケ
ニルであり;および
R3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールを意味する]
で示される化合物が提供される。
Rについての適当な基は、R4CH=CHCH2SCH2−およびR4C≡CCH2
SCH2−であり、ここでR4は(C1-3)アルキルまたは水素である。
本明細書でいうアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、6個までの炭素
原子を含有する直鎖および分岐鎖基を包含し、それらは、所望により、アリール
、ヘテロサイクリル、(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、アリール
(C1-6)アルコキシ、アリール(C1-6)アルキルチオ、アミノ、モノ−または
ジ−(C1-6)アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、カルボキシ
およびそのエステル、ヒドロキシおよびハロゲンからなる群より選択される1ま
たはそれ以上の基により置換されていてもよい。
本明細書にいうシクロアルキルおよびシクロアルケニルは、3ないし8個の環
炭素原子を有する基を包含し、それらは所望によりアルキル、アルケニルおよび
アルキニル基について前記したように置換されていてもよい。
本明細書にて用いる場合、「アリール」なる語は、各環において、適当には、
4ないし7個の、好ましくは5または6個の環原子を含有する単環または縮合環
であり、その各々が非置換であるか、例えば、3個までの置換基で置換されてい
てもよい環を意味する。縮合環系は脂肪族環を有していてもよく、一つだけの芳
香族環を有する必要がある。
適当なアリール基は、フェニルおよび1−ナフチルまたは2−ナフチルなどの
ナフチルを包含する。
適当には、フェニルおよびナフチルを含む、いずれのアリール基も、所望によ
り、5個までの、好ましくは3個までの置換基により置換されていてもよい。適
当な置換基は、ハロゲン、(C1-6)アルキル、アリール、アリール(C1-6)ア
ルキル、(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アルキル、ハロ
(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シア
ノ、アジド、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、
アリールカルボニルアミノ、アシルオキシ、カルボキシ、カルボキシ塩、カルボ
キシエステル、カルバモイル、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルカルバ
モイル、(C1-6)アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ウレイ
ド、グアニジノ、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C1-6)アルキルチ
オ、(C1-6)アルキルスルフィニル、(C1-6)アルキルスルホニル、ヘテロサ
イクリルおよびヘテロサ
イクリル(C1-6)アルキルを包含する。加えて、2つの隣接する環炭素原子が
(C3-5)アルキレン鎖により連結され、炭素環式環を形成してもよい。
本明細書にて用いる場合、「ヘテロサイクリル」および「ヘテロサイクリック
」なる語は、適当には、特に限定されない限り、各環中に4個までの、その各々
が酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を適宜含有し、環
が置換されていないか、例えば3個までの置換基により置換されている、芳香族
または非芳香族の単環または縮合環を包含する。ヘテロサイクリック環は、各々
、適宜、4ないし7個の、好ましくは5または6個の環原子を有する。ヘテロサ
イクリック縮合環系は炭素環式環を有していてもよく、1つだけのヘテロサイク
リック環を有することを必要とする。
好ましくは、ヘテロサイクリル基についての置換基は、ハロゲン、(C1-6)
アルキル、アリール(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アル
コキシ(C1-6)アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ
−およびジ−N−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ塩、カ
ルボキシエステル、カルバモイル、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル、(C1-6)アルコキシカルボニル(C1-6
)アルキル、アリール、オキシ基、ウレイド、グアニジノ、スルホニルアミノ、
アミノスルホニル、(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルスルフィニル、
(C1-6)アルキルスルホニル、ヘテロサイクリルおよびヘテロサイクリル(C1 -6
)アルキルから選択される。
本発明の特に好ましい態様において、Rはプロパルギルチオ、2−ブチニルチ
オまたはアリルチオにより置換されたメチルであり;および/またはR1はイソ
ブチル基であり;および/またはR2はベンジル基であり;および/またはR3は水
素またはメチルである。本発明のさらに別の態様において、RないしR3は、各
々、以下の実施例においてその置換基について記載されているものからなる群よ
り選択される。好ましくは、本発明の式(I)の化合物は、以下の実施例に記載
されている化合物からなる群より選択される。
さらなる態様によれば、本発明は、アレルギー、炎症障害および自己免疫疾患
な
どの、s−CD23の過剰生産が関与する障害の治療または予防用の医薬の製造
における式(I)の化合物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、アレルギー、炎症障害および自己免疫疾患
などの、s−CD23の過剰生産が関与する障害の治療または予防方法であって
、式(I)の化合物をその治療または予防を必要とするヒトまたはヒト以外の哺
乳動物に投与することからなる方法を提供する。
本発明はまた、アレルギー、炎症障害および自己免疫疾患などの、s−CD2
3の過剰生産が関与する障害の治療または予防用の医薬組成物であって、式(I
)の化合物と、所望により医薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供す
る。
さらなる態様によれば、本発明は、限定されるものではないが、炎症、発熱、
心血管作用、出血、凝固および急性期応答、カヘキシーおよび食欲不振、急性感
染、ショック状態、対宿主移植片反応および自己免疫疾患を含む、TNFにより
介在される症状を治療または予防するための医薬の製造における式(I)の化合
物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明はTNFにより媒介される症状の治療または予
防方法であって、式(I)の化合物をその治療または予防を必要とするヒトまた
はヒト以外の哺乳動物に投与することからなる方法を提供する。
本発明はまた、TNFにより介在される症状の治療または予防用の医薬組成物
であって、式(I)の化合物と、そのための医薬上許容される担体とからなる組
成物を提供する。
特定の炎症障害として、アルツハイマー病、多発性硬化症および多梗塞性痴呆
症などのCNS障害、ならびに発作および頭部外傷の炎症介在性続発症が挙げら
れる。
式(I)の化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物および他の医薬上許容され
る誘導体もまた、本発明に含まれることは明らかである。
式(I)の化合物の塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、
プロピオン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク
酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩および安息香酸塩などの無機または有機酸
より誘導
される酸付加塩を包含する。
また、塩基と塩を形成していもよい。かかる塩は、無機または有機塩基から由
来の塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、およびモ
ルホリン、ピペリジン、ジメチルアミンまたはジエチルアミン塩などの有機アミ
ン塩を包含する。
意外にも、本発明の化合物は、CD23プロセシングおよびTNF放出の強力
な阻害剤であることが見出された。本発明の特定の化合物は前記した先行文献の
化合物と比較して、低コラゲナーゼ阻害活性を示す。
本発明の化合物は、適当な慣用的方法、例えば、特許公報WO90/0571
6、WO93/24475、WO94/21625、WO95/19956、W
O90/05719、WO91/02716、WO92/13831、WO93
/20047、EP−A−0214639、EP−A−0236872、EP−
A−0274453、EP−A−0489577、EP−A−0489579、
EP−A−0497192、EP−A-0574758およびUSP45993
61に記載されている方法と類似する方法を用いることにより調製することがで
きる。
したがって、本発明のさらなる態様は、前記した式(I)の化合物の製法であ
って、
(a)式(II):
〔RないしR3は前記と同意義であり、Xはトリメチルシリルなどの保護基を意
味する]
で示される化合物を脱保護するか、または
(b)式(III):
[RないしR3は前記と同意義である]
で示される化合物を、ヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させるか、または
(c)式(IV)
[R1ないしR3は前記と同意義である]
で示される化合物を、式:R5X
(式中、R5は(C2-6)アルケニルまたは(C2-6)アルキニルであり、Xは臭
素またはヨウ素などの脱離基である)
で示される化合物と反応させるか、または
(d)式(I)の化合物を前記した式(I)の別の化合物に変換する
ことからなる方法を提供する。
式(II)および(III)の化合物は新規であり、本発明のさらに別の態様を形
成する。
式(II)の化合物は、保護ヒドロキシルアミンとの反応により式(III)の化
合物より調製することができる。式(III)の化合物は、式(V):[式中、R1ないしR3は前記と同意義である]
で示される化合物を、前記の式:R5Xの化合物と反応させることにより調製す
ることができる。
ヒドロキサム酸についての適当な保護基は当該分野にて周知であり、トリメチ
ルシリル、t−ブチルおよびt−ブチルジメチルシリルが挙げられる。
式(V)の化合物は、式(VI):
〔式中、R1ないしR3は前記と同じであり、Yはアルカノイルまたはアロイルな
どの保護基である〕
で示される化合物を加水分解することにより調製することができる。
式(VI)の化合物は、式(VII):
〔式中、R1ないしR3は前記と同じである〕
で示される化合物を、式:YSHの化合物と反応させることにより調製すること
ができる。式(VII)の化合物は、式(VIII):〔式中、R1は前記と同じであり、R6はt−ブチルなどのカルボキシの保護基で
ある〕
で示される化合物を、式(IX):
〔式中、R2およびR3は前記と同じであるか、その活性化誘導体である〕
で示される化合物と反応させ、その後、カルボキシ保護基を除去することにより
調製することができる。
出発物質および他の試薬は市販されているか、あるいは周知かつ慣用的方法に
より合成することができる。式(VIII)の化合物は、WO94/21612(Otsuk
a)の70頁に記載されているように調製してもよい。
立体異性体を含め、本発明の化合物の異性体は、そのような異性体の混合物と
して、または個々の異性体として調製できる。個々の異性体は、いずれか適当な
方法により調製してもよく、例えば、個々の立体異性体はキラル基質より開始す
る立体特異的化学合成により調製してもよく、または公知手段によりジアステレ
異性体の混合物を分離することにより調製してもよい。好ましい態様において、
本発明は、式(IA):
で示される化合物を提供する。
化合物は実質的に純粋な形態にて単離されることが好ましい。
本明細書中に記載したように、可溶性ヒトCD23形成の阻害剤は有用な医薬
特性を有する。その有効化合物を医薬上許容される組成物として投与することが
好ましい。
該組成物は経口投与に適していることが好ましい。しかし、該組成物は、気道
障害を治療するために、例えば、スプレー、エアロゾルまたは他の慣用的な吸入
方法の形態にて;または心不全を患っている患者のために、非経口投与の形態に
て投与する他の方法に適していてもよい。他の投与方法として、舌下または経皮
的投与が挙げられる。
組成物は、錠剤、カプセル、散剤、顆粒、ロゼンジ、坐剤、復元可能な散剤ま
たは液体製剤、例えば経口または滅菌非経口溶液または懸濁液の形態であっても
よい。
投与に一貫性をもたすために、本発明の組成物は単位用量の形態であることが
好ましい。
経口投与用単位投与形は錠剤およびカプセルであってもよく、結合剤、例えば
シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニル
ピロリドン;充填剤、例えばラクトース、ショ糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カ
ルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤化滑沢剤、例えばステアリン酸マ
グネシウム;崩壊剤、例えば澱粉、ポリビニルピロリドン、澱粉グリコール酸ナ
トリウムまたは微結晶セルロース;または医薬上許容される湿潤剤、例えばラウ
リル硫酸ナトリウムなどの通常の賦形剤を含有してもよい。
固形経口用組成物は、通常の混合、充填または錠剤化方法により調製すること
ができる。繰り返し混合操作を用いて、活性剤を多量の充填剤を用いる組成物全
体に分配させることができる。そのような操作は、もちろん、当該分野にて慣用
的である。錠剤は、製薬慣習に周知の方法に従って、特に腸溶性コーティング剤
で被覆してもよい。
経口用液体製剤は、例えば、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態
であってもよく、あるいは使用前に水または他の適当なビヒクルで復元する乾燥
品として提供することもできる。そのような液体製剤は、沈殿防止剤、例えばソ
ルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、硬化食用
脂;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水
性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、例えばアーモンド油、分別ココヤシ
油、グリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコールのエステルなど
の油性エステル;保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピル
あるいはソルビン酸;および要すれば、通常のフレーバーまたは着色剤などの通
常の添加剤を含有してもよい。
非経口投与の場合、化合物と滅菌ビヒクルを用いて流状単位投与形を調製し、
使用濃度に応じて、ビヒクルに懸濁させるかまたは溶解させることができる。溶
液を調製するにおいては、化合物を注射用水に溶かし、滅菌濾過し、適当なバイ
アルまたはアンプルに充填して密封することができる。有利には、局所麻酔薬、
保存剤および緩衝剤などのアジュバントをビヒクルに溶かすことができる。安定
性を高めるために、組成物をバイアルに充填した後に凍結し、真空下で水を除去
することができる。非経口用懸濁液は、化合物をビヒクルに溶かす代わりに懸濁
させること、滅菌処理を濾過により行うことができないことを除いて、実質的に
同じ操作にて調製する。化合物は、滅菌ビヒクルに懸濁させる前に酸化エチレン
に曝すことにより滅菌処理することができる。有利には、界面活性剤または湿潤
剤を組成物に配合し、化合物の均一な分散を容易にする。
本発明の組成物はまた、適当には、嗅剤または噴霧器用のエアロゾルもしくは
溶
液として、あるいは通気用の微細粉末として、単独でまたはラクトースなどの不
活性担体と組み合わせて、気道に投与するように付与することができる。そのよ
うな場合、活性な化合物の粒子は、径が50ミクロン以下、好ましくは10ミク
ロン以下、例えば1−50ミクロン、1−10ミクロンまたは1−5ミクロンの
範囲の径を有する。適当ならば、少量の他の抗喘息薬および気管支拡張剤、例え
ば、イソプレナリン、イソエタリン、サルブタモール、フェニレフリンおよびエ
フェドリンなどの交感神経興奮作用性アミン;テオフィリンおよびアミノフィリ
ンなどのキサンチン誘導体;およびプレドニソロンなどのコルチコステロイドお
よびACTHなどの副腎刺激剤が含まれていてもよい。
組成物は、投与方法に応じて、0.1ないし99重量%、好ましくは10−6
6重量%の活性物質を含有してもよい。吸入投与の場合の好ましい範囲は、10
−99%、特に60−99%、例えば90、95または99%である。
微細粉末処方は、適当には、計量した用量のエアロゾルにてまたは適当な呼吸
活性化装置を用いて投与することができる。
適当な計量した用量のエアロゾル処方は、通常の噴射剤、エタノールなどの共
溶媒、オレイルアルコールなどの界面活性剤、オレイルアルコールなどの滑沢剤
、硫酸カルシウムなどの乾燥剤および塩化ナトリウムなどの比重調節剤を含んで
なる。
噴霧器に適する溶液は、標準的噴霧装置で用いるための、所望により、例えば
pH4−7に緩衝化されていてもよく、20mg/mlまでの、より一般には0
.1ないし10mg/mlの化合物を含有する、滅菌等張溶液である。
有効量は、本発明の化合物の相対的効能、治療すべき障害の重度および患者の
体重に依存するであろう。適当には、単位投与形の本発明の組成物は、0.1な
いし1000mgの、より一般には1ないし500mg、例えば、1ないし25
または5ないし500mgの本発明の化合物(吸入では、0.001ないし10
mg)を含有する。かかる組成物を、一日にないし6回、より一般には一日に2
ないし4回、70kgの成人で一日の用量が1mgないし1g、さらには5ない
し500mgであるように投与してもよい。この用量は約1.4x10-2mg/
kg/日ないし14mg/kg/日の範囲にあって、さらには約7x10-2mg
/kg/日ない
し7mg/kg/日の範囲にある。
以下の実施例を用いて本発明を説明するが、何ら本発明を制限するものではな
い。
生物学的試験方法
操作1:試験化合物の可溶性CD23の放出を阻害する能力を以下の方法を用い
て試験した。
RPMI8866細胞膜CD23切断活性アッセイ:
高レベルのCD23を発現するRPMI8866細胞、ヒトEpstein−Barrウ
イルス形質転換B−細胞系(Sarfatiら、Immunology 60[1987]539-
547)からの原形質膜を水性抽出法を用いて精製する。均質化緩衝液(20m
M HEPES pH7.4、150mM NaCl、1.5mM MgCl2、1m
M DTT)に再び懸濁させた細胞をParrボンベでのN2キャビテーションにより
破壊し、他の膜と混合している原形質膜フラクションを10000xgで遠心分
離に付すことにより回収する。比重の小さいペレットを1−3gの湿った細胞当
たり2mlの0.2Mリン酸カリウム(pH7.2)に再び懸濁させ、核ペレット
を捨てる。その膜を、膜タンパク質10−15mg当たり合計16gの0.25
Mシュークロースで、デキストラン500(6.4%w/w)とポリエチレング
リコール(PEG)5000(6.4%w/w)(ref)の間に分配してさらに
分画する[MorreおよびMorre、BioTechniques 7,946-957(1989)]
。短時間、1000xgで遠心分離に付して相を分離し、PEG相(上相)を収
集し、20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)で3ないし5倍に希釈し、
100000xgで遠心分離に付し、その相中の膜を回収する。ペレットを再び
リン酸緩衝化セイラインに懸濁させる。それは3ないし4倍豊富な原形質膜なら
びに他の細胞膜(例えば、リソソーム、ゴルジ(Golgi))を有している。膜を
アリコートし、−80℃で貯蔵する。6.6%デキストラン/PEGで分画し、
10倍豊富な原形質膜を得る。
分画した膜を37℃で4時間までインキュベートし、CD23のフラグメント
を得、その検体をP30994の調製例1(5μM)を用いてクエンチした後、
それを0.2ミクロンのDuraporeフィルタープレート(Millpore)で濾過して膜
から分
離する。膜より放出されたsCD23を、The Binding Site(バーミンガム、U
K)からのEIAキットまたはサンドウィッチEIAにて捕獲抗体としてMHM
6抗-CD23 mAb[Roweら、Int.J.Cancer,29,373-382(19
82)]もしくは他の抗-CD23mAbを利用する同様のキットを用いて測定
する。総容量50μlのリン酸塩緩衝化セイライン中、0.5μg膜タンパク質
を用いて製造した可溶性CD23の量をEIAで測定し、種々の濃度の阻害剤の
存在下で得られた量と比較する。阻害剤を水またはジメチルスルホキシド(DM
SO)の溶液に調製する。最終のDMSO濃度は最大2%である。IC50を、
sCD23産生の50%阻害が阻害剤不在の下でインキュベートされた対照との
間でsCD23の相違に関連して観察される場合の濃度として曲線適合により決
定する。
操作2:試験化合物のコラゲナーゼを阻害する能力を以下の操作を用いて試験し
た。
コラゲナーゼ阻害アッセイ
化合物のコラゲナーゼ阻害剤として作用する強度を、出典明示により本明細書
の一部とする、CawstonおよびBarrett(Anal.Biochem.99,340-345,
1979)の方法により測定した。すなわち、試験する阻害剤の1mM溶液また
は希釈体を、コラーゲンおよびイー・コリよりクローンし、発現させて精製した
滑液繊維芽細胞からのヒト組換えコラゲナーゼと37℃で18時間インキュベー
トした(15mM塩化カルシウム、0.05%Brij35、200mM塩化ナトリ
ウムおよび0.02%ナトリウムアジドを含有する150mM Tris(pH7.6
)を用いて緩衝化した)。コラーゲンはCawstonおよびMurphyの方法(Enzymolog
y 80,711,1981の方法)により調製したアセチル化3H1型ウシコラ
ーゲンであった。試料を遠心分離に付して未消化コラーゲンを沈殿させ、放射活
性な上清のアリコートを取り出し、加水分解測定手段としてシンチレーションカ
ウンターでアッセイした。1mM阻害剤またはその希釈体の存在下にあるコラゲ
ナーゼ活性を阻害剤を欠く対照の活性と比較し、その結果をコラゲナーゼの50
%を阻害する濃度(IC50)として報告した。
操作3:試験化合物のTNF放出の阻害能を以下の方法を用いて試験した。
TNFαの、リポ多糖類(LPS)エンドトキシンによって刺激されたヒト単球
からの放出の阻害についてのアッセイ
10%ウシ胎児血清を補足したRPMI1640培地中で培養したヒト単球を
1000xgで5分間遠心分離に付し、ついで培地に2x106細胞/mlで再
び懸濁させる。その細胞懸濁液を24ウェルプレートに1ml/ウェルでアリコ
ートする。試験すべき化合物を純粋なジメチルスルホキシド(DMSO)に溶か
し、0.1%の最終DMSO濃度で培養液に加える。化合物を3重ウェルで細胞
に加える。LPSを200ng/mlの最終濃度で細胞に添加することによりT
NFα放出を刺激する。適当な対照培養液も3重ウェルで試験する。プレートを
37℃、5%CO2で18−20時間インキュベートし、ついで1000xgで
5分間遠心分離に付す。ヒトTNFαに特異的なELISA(SmithKline Beech
am)を用いて無細胞培養上澄中のTNFレベルを測定する。
実施例1
N-[(4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブチル-3-(S)-プロパルギルチオメチ
ル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニン-N'-メチルアミド
a)N-[(3-(S)-アセチルチオメチル-2-(R)-イソブチル)スクシニル]-(S
)-フェニルアラニン-N'-メチルアミド
N-(2-(R)-イソブチル-3-メチレンスクシニル)-(S)-フェニルアラニン-
N'-メチルアミド(1g、2.99ミリモル)のチオール酢酸(6ml)中溶液を
20℃で16時間攪拌した。過剰なチオールを蒸発させて、トルエン(x2)と
共に蒸発させた。得られた固体をエーテルでトリチュレートし、白色固体として
アセチルチオ化合物を得た(990mg、81%)。
b)N-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-メルカプトメチル)スクシニル]-(S)-
フェニルアラニン-N'-メチルアミド
N-[(3-(S)-アセチルチオメチル-2-(R)-イソブチル)スクシニル]-(S)-フ
ェニルアラニン-N'-メチルアミド(850mg,2ミリモル)のメタノール(
50ml)中溶液を1M水酸化ナトリウム溶液(4ml)と反応させ、その溶液
にアルゴンガスを2時間通しながら攪拌した。該溶液を2M塩酸で酸性化し、白
色固体にまで蒸発させた。水およびエーテルでトリチュレートし、白色固体とし
てチオールを得た(690mg、90%)。
c)N-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-プロパルギルチオメチル)スクシニル]
-(S)-フェニルアラニン-N'-メチルアミド
N-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-メルカプトメチル)スクシニル]-(S)-フェ
ニルアラニン-N'-メチルアミド(440mg、1.04ミリモル)のメタノール
(20ml)中溶液に、アルゴン下20℃で1M水酸化ナトリウム(2.1ml
、2.1ミリモル)および臭化プロパルギル(0.17ml、1.14ミリモル)
を加えて3時間攪拌した。該溶液を2M塩酸で酸性化して蒸発させた。残渣をエ
ーテルでトリチュレートし、白色フレークの酸を得た(230mg、75%)。
d)N-[4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブチル-3-(S)-プロパルギルチ
オメチル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニン-N'-メチルアミド
N-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-プロパルギルチオメチル)スクシニル]-(S
)−フェニルアラニン-N'-メチルアミド(105mg、0.25ミリモル)のN,
N-ジメチルホルムアミド(5ml)中溶液を1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリ
アゾール(44mg、0.33ミリモル)および1-(3-ジメチルアミノプロピル)
-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(63mg、0.33ミリモル)と反応させ、
アルゴン
下20℃で2時間攪拌した。該溶液をN-メチルモルホリン(31μl、0.28
ミリモル)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(20mg、0.28ミリモル)と
反応させ、つづいて該反応物を20℃で16時間攪拌した。反応物を蒸発させ、
残渣を酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム溶液の間に分配した。有機層を10%ク
エン酸およびブラインで連続して洗浄し、乾燥(MgSO4)させた。蒸発後の
残渣をエーテルでトリチュレートし、白色固体としてヒドロキサム酸を得た(3
0mg、28%)。融点222−224℃。
実施例2
N-[(4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブチル-3-(S)-プロパルギルチオメチ
ル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミド
a)N-[(3-(S)-アセチルチオメチル-2-(R)-イソブチル)スクシニル]-(S
)-フェニルアラニンアミド
標記化合物を実施例1a)にあるようにN-(2-(R)-イソブチル-3-メチレン
スクシニル)-(S)-フェニルアラニンアミドを用いて調製し、53%収率にて単
離した。 b)N-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-メルカプトメチル)スクシニル]-(S)-
フェニルアラニンアミド
標記化合物を実施例1b)にあるようにN-[(3-(S)-アセチルチオメチル-2
-(R)-イソブチル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミドを用いて調製し、
収率72%にて単離した。
c)N-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-プロパルギルチオメチル)スクシニル]
-(S)-フェニルアラニンアミド
標記化合物を実施例1c)にあるようにN-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-メ
ルカプトメチル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミドを用いて調製し、収
率45%にて単離した。 d)N-[4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブチル-3-(S)-プロパルギルチ
オメチル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミド
標記化合物を実施例1d)にあるようにN-[(2-(R)-イソブチル-3-(S)-プ
ロパルギルチオメチル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミドを用いて調製
し、収率77%にて単離した。融点228−231℃。
実施例3
N-[(3-(S)-(2-ブチニルチオメチル)-4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブ
チル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミド
a)N-[(3-(S)-(2-ブチニルチオメチル)-2-(R)-イソブチル)スクシニル
]-(S)-フェニルアラニンアミド 標記化合物を実施例2c)にあるように調製し、40%収率にて単離した。
b)N-[(3-(S)-(2-ブチニルチオメチル)-4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-
イソブチル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミド
標記化合物を実施例2d)にあるように調製し、収率75%にて単離した。融
点209−212℃。
実施例4
N-[(3-(S)-(アリルチオメチル)-4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブチル)
スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミド a)N-[(3-(S)-(アリルチオメチル)-2-(R)-イソブチル)スクシニル]-(S
)-フェニルアラニンアミド
標記化合物を実施例2c)にあるように調製し、収率29%にて単離した。
b)N-[(3-(S)-(アリルチオメチル)-4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブ
チル)スクシニル]-(S)-フェニルアラニンアミド
標記化合物を実施例2d)にあるように調製し、86%収率にて単離した。融
点230−232℃。実施例5
N-[(3-(S)-(アリルチオメチル)-4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブチル)
スクシニル]-(S)-フェニル-N'-メチルアミド
a)N-[(3-(S)-(アリルチオメチル)-2-(R)-イソブチル)スクシニル]-(S
)-フェニル-N'-メチルアミド
標記化合物を実施例1c)にあるように調製し、収率66%にて単離した。
b)N-[(3-(S)-(アリルチオメチル)-4-ヒドロキシアミノ-2-(R)-イソブ
チル)スクシニル]-(S)-フェニル-N-メチルアミド 標記化合物を実施例2d)にあるように調製し、81%収率にて単離した。融
点228−230℃。
活性データ
*比較例はWO90/05719の実施例2の化合物であり、式:
[式中、RはCH2S-(2-チエニル)であり、R1はメチルである]
で示される。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/165 A61K 31/165
(72)発明者 ベイリー,スチュアート
イギリス、シーエム19・5エイダブリュ
ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ
ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ
エンス・パーク・サウス、スミスクライ
ン・ビーチャム・ファーマシューティカル
ズ
(72)発明者 ファラー,アンドリュー
イギリス、シーエム19・5エイダブリュ
ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ
ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ
エンス・パーク・サウス、スミスクライ
ン・ビーチャム・ファーマシューティカル
ズ
(72)発明者 バックル,デレク・リチャード
イギリス、シーエム19・5エイダブリュ
ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ
ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ
エンス・パーク・サウス、スミスクライ
ン・ビーチャム・ファーマシューティカル
ズ