JP2000509618A - 微弱電位の検出による心臓不整脈の予知 - Google Patents

微弱電位の検出による心臓不整脈の予知

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Abstract

(57)【要約】 心電図信号の収集と分析は、心臓病の危険状態にある患者における異常心臓状態パターンの存在を非侵襲的に検出し定量する。直交(X、Y、Z)表面リードからの信号を増幅し(44、36、48)、ディジタル化(40)して、後で処理するために記憶するかまたは直接処理する。入ってくる鼓動で、心室病理学的危険状態にある患者については、R波を誘発させ、整合し、全体平均することができ、または心房病理学的危険状態にある患者については、P波を誘発させ、整合し、全体平均することができる。QRSオンセットおよびオフセットと、P波オンセットおよびオフセットを、それぞれ心室および心房の分析後の適用のために計算する。信号平均化されたECGの二次導関数(加速度)のウィンドウ表示されたフーリエ変換を、各リードの関心のある領域について計算する。各リードのために「加速度スペクトル」から計算されたスペクトル変化指数は、所定の帯域幅内のスペクトル***度合いの定量に役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】 微弱電位の検出による心臓不整脈の予知 発明の背景 本発明は、心電図記録(ECG)に関し、さらに詳しくは、心電図記録におい て選択された信号成分のコンピュータ支援分析を使用して、ECGセグメントと 間隔のすべてを分析することによって、可能性のある心室性頻拍症およびその他 の形態の心臓不整脈を予知するための、改善された心電図装置および方法であっ て、事前増幅とインピーダンス変成を行った後に、信号を増幅し、正規化し、ア ナログディジタル変換し、記憶機構に記憶し、コンピュータによって操作して、 信号の選択された成分に関する周波数情報を提供する、心電図装置および方法に 関する。 心筋梗塞(M.I.)の後、患者は、心律動の危険な障害の発生によって、心 室性頻拍症の危険状態にある。急性心臓不整脈、特に心室性頻拍症による急死は 、心筋梗塞の後の最初の数時間における主な危険性である。心筋梗塞の後の最初 の数日中では、心室性不整脈の発病率は約90%である。最初の数日後に、不整 脈の発病率は著しく減少するが、心筋梗塞の患者にとっては依然として実質的な 危険性がある。梗塞後の患者の5〜10%は、1年以内に突然の律動に起因する 心臓死によって死亡する。統計的には、心筋梗塞患者の全体の50%が治療を受 けずに心室性頻拍症によって死亡する結果となる。 この危険群を確認するための、例えば長時間またはホルターECG、運動テス ト、安静ECGといった以前の方法は、感度が不十分または特効性が不十分かの いずれかである。1970年代に、(約1〜5μV振幅の)微弱な信号変動が、 静脈洞律動中にQRS群の端部でECG表面において発見された。これらのいわ ゆる遅延電位が、律動障害の恐れのある梗塞後の患者において、予後が良好な患 者におけるよりも頻繁に発生することは有意である。 Simsonに付与された米国特許第4,422,459号は、一連の継続的なEC G波形を捕えてディジタル形式に変換し、(異常波形または一般的でない波 形を除去した後に)全体を平均して、比較的ノイズのない複合波形を提供するこ とを教示している。Simsonは、この平均化された波形を、25Hzの折点周波数 を有する高域フィルタによる逆転または双方向ろ過法を使用してろ過した。それ からSimsonは、QRS群のろ過された後尾セグメントにおける電圧の二乗平均( RMS)値を計算した。さらにSimsonは、患者が心室性頻拍症にかかる可能性が あるは否かの指標として、RMS電圧測定とQRS幅測定とを使用した。 Simson法は、脚ブロックにかかった患者に対しては適用できないようである。 この方法は、心室性頻拍症の素因を示すことのあるQRS群の後縁における意味 のある高周波成分と、送電線の障害または骨格筋または平滑筋などに起因するノ イズとの間を、常に区別することはできない。 ECG信号からさらに有用な診断に関する情報を引き出すために、研究者たち はフーリエ変換を利用してECG波形を処理した。例えば、M.E.Cain他の「Qu antification of Differences in Frequency Content of Signal-Averaged Elec trocardiograms in Patients With Compared to Those Without Sustained Vent ricular Tachycardia」(American Journal of Cardiology、第55巻、150 0、1985年6月1日)を参照されたい。これには、心室性頻拍症患者とそう でない患者からのECGのX、Y、Zリード信号の周波数領域表示が掲載されて いる。 電圧の二乗で示されたエネルギーが、周波数に対してプロットされている。Ca in他の分析は、QRS群の40ミリ秒末端部分と、スペクトル漏洩を最小限にす るためにBlackman-Harrisウインドウ関数によって事前処理された平均ECG波 形のST部分全体との両方を含めた長いセグメントの、単一のフーリエ変換に限 られた。周波数領域データのCain他の分析は、20Hz〜50Hzの周波数範囲 に限られた。このような長いセグメントを単一の単位として取り扱うフーリエ分 析を実施するためのCain他の原理は、「周波数解像度を強化すること」であった 。 小さな電位を位置決めするための周波数領域法は、ECG波形におけるQRS 群の相対サイズによるあいまいな電圧を含むことが多い。フーリエ変換法によれ ば、ほとんど情報を含まない小さなセグメントさえもウィンドウ表示しなければ ならず、さらに情報内容を減少し、選択された周波数範囲の微弱電位の存在また は不在の決定に役立つには低すぎる解像度を有する周波数領域表示をもたらす。 周波数パワースペクトルを計算するための適合した自己回帰数学モデルが、EC G信号周波数分析のために使用された。これらの数学モデルは、いわゆる「最大 エントロピー法」(MEM)を使用して、またはいわゆる「高速適応フォワード /バックワード最小二乗法」に関連するいわゆる「適応フィルタ決定」(AFD )を使用して、分析の実施を可能にする。Haberl他の米国特許第5,211,1 79号を参照されたい。このような方法は、自己回帰モデルの最適位数を計算す るため、および妨害低周波基本振動を除去するために開発されたものである。前 述の信号処理法は特にECGの分析によく適合する。 Kelen他に付与された米国特許第5,109,862号は、X、Y、Zリード 心電図信号を受信し、信号をディジタル化し、信号を平均化することのできるシ ステムを開示している。それから、信号の二次導関数すなわち「加速度」が導か れ、結果として得られたベクトルにBlackman-Harrisウィンドウが適用され、次 いでこのベクトルは高速フーリエ変換(FFT)がなされて、スペクトルを生じ させる。Kelen他は、遅延電位を見つけるためにQRS信号の末端部分を処理し 、オーバーラップ時間セグメントのサンプルをあてにした。ある意味では疑似三 次元スペクトルプロットのトポグラフィに関連する「スペクトルエントロピー」 計算を実施した。しかしながらKelen他の教示は、QRS間信号自体を測定する ことを対象とはしていない。 Kelenに付与された米国特許第5,092,341号は、上記のKelen他が開示 したシステムに関係するシステムを開示している。Kelenシステムは、従来の遅 延電位分析システム、特にSimsonのシステムなどの時間領域システムの限界を取 り扱うことを対象としている。Kelenは、不整脈に起因する異常は、QRS波面 速度の周波数スペクトルが異常伝導領域の周りの心室全体にわたって伝播し、こ れによって結果的に高度なスペクトルの乱れが生ずるので、QRS波面速度の周 波数スペクトルの頻繁な突然の変化によって示される、と開示している。静脈洞 律動中におけるQRS信号全体の高度なスペクトルの乱れは、ディジタル化され 平均化された心電図信号の末端QRS領域における遅延電位の検出とは関係な く、再入する心臓頻拍症のための解剖電気生理学的基質を示すものと考えた。観 察、測定、および計算を全体としてQRS群について一般に行い、一時的な周波 数特性または振幅特性によって任意に識別される部分については全く行わなかっ た。 Ripley他に付与された米国特許第5,271,411号は、早期心室収縮を検 知して心臓不整脈を定量するためのシステムを開示している。Ripley他のシステ ムは、フィルタバンクにアナログ心電図信号を供給するマルチプレクサに接続さ れた複数のチャネルコネクタを含む。一般に、心拍動を類似の等級に分類するた めに心電図信号から形態情報を抽出することによって、形態的に類似の拍動の情 報を使用して、早期心室収縮などの、所定の拍動が正常なものであるか異常なも のであるかを判定する場合の助力とすることができた。 Pearlmanに付与された米国特許第5,199,438号は、心臓の力を測定す るためのマイクロコンピュータをベースとしたシステムを開示している。Pearlm anは、人間の心臓の左心室によって発生する機械的エネルギーの時間的変化速度 によって、心臓のポンプ力を測定した。システムは、閉鎖加圧帯式血圧監視シス テム、ガンマカメラ、超音波心臓検査システム、心電図システム、およびすべて の信号をマイクロコンピュータに供給するドップラー超音波血流センサを含む。 Pearlmanは、心臓の力を、心臓の容積と心圧すなわち大動脈圧との積の時間に対 する導関数として定義した。心臓力指数は、時間対力曲線における心収縮期の開 始から最大力が発生した瞬間までの部分の勾配である。心臓力指数は、心周期の 拍出部分における心室性能を測定するために使用される。 Ambos他に付与された米国特許第4,680,708号は、末端QRS領域に おける信号セグメントに対してフーリエ変換を使用する、遅延電位分析のための 周波数領域法を開示している。高周波帯域と低周波帯域との下にある面積を、結 果として得られたスペクトル曲線から計算し、面積比を測定した。 Ambos他およびCain他は、もっと最近になって、心周期全体からの選択的に帯 域ろ過フィルタで平均化された心電図(SAECG)信号の単一セグメントFF T結果を研究しようと試みた。彼らは、比較的かなり広くて高い旋回速度のQR S形態によって一般的にあいまいになるQRS群内部の微弱電位に関する情 報を抽出するという問題に、ディジタル帯域フィルタを適用することによって対 処した。しかしながら、彼らが問題とする周波数範囲は70〜128Hzおよび もっと低い周波数に限られた。 Haberl他に付与された米国特許第5,215,099号は、末端QRSのオー バーラップセグメントについてのウィンドウ表示されたフーリエ変換のスペクト ル時間マッピング(STM)と、周波数領域における遅延電位分析のための早期 ST領域とを教示している。結果は、疑似三次元時間−周波数−力スペクトル密 度(PSD)の表示であった。STMが標準時間領域法すなわちSimson法と共に 使用されるときには、STMはSAECGの感度と特異性とを向上させることが わかった。しかしながら、STMは、高いノイズ感度と結果的に得られるSTM の正確なQRS終末部測定に対する依存性のために、再現性が低くなることもあ る。 スペクトル乱れ分析(STA)において、Kelenは、SAECGデータの速度 を計算し、それからQRS群の中のセグメントを含む複数のオーバーラップセグ メントに対して短時間フーリエ変換を使用した。HaberlのSTM法におけるよう に、結果はやはり三次元時間−周波数−力スペクトル密度(PSD)の表示であ った。しかしながら、この技法は、特にウィンドウ機能による増倍の後に、短い 時間長によって周波数解像度が限られる、という点で不利である。さらにまた、 「スペクトルの乱れ」を定量するために必要な計算は比較的複雑であり、結果と して得られる指数は、結果として得られる三次元マップを目視するときに理解困 難である。 QRS群中のスラーや結節は、心筋梗塞や冠状動脈疾患の存在と強く相関する ことがわかった。Flowers他はこの関連性を、QRS結節記録と梗塞瘢痕の解剖 学的確証とを相関させることによって強化した。例えばFlowers他の「The Anato mic Basis of High Frequency Components in the Electrocardiogram」(Circu lation,1969;39:531)およびFlowers他の「Localization of the Site of Myoc ardial Scarring in Man by High-Frequency Components」(Circulation,1969 ;40:927)を参照されたい。歴史的には、正常で結節のあるQRS群の周波数帯 域を特徴付けるための試みにおいて、狭帯域アナログフィル タが使用されていた。 心房細動は、心房への再入経路によるものと考えられる。心房粗動または心房 細動をもつ患者は、障害を与えるかまたは死に至ることもある脳血管の障害また は発作が起こる恐れがある。心房細動を起こすためには、心房収縮基質が、再入 回路を開始させ維持するために遅い伝導区域も必要とする。心房細動の非侵襲性 危険評価が、最近P波で誘発または整列されるSAECGを使用して検査された 。P波の周波数領域分析のための市販の信号処理パッケージがないために、時間 領域の研究方法のみを利用した。主な判断基準は、GuideraとSteinberg、Fukuna mi他、ならびにその他の別々の研究者たちによって、延長され信号平均された全 ろ過P波持続時間であることが報告されている。例えば、S.A.GuideraとJ.S .Steinbergの「The Signal-Averaged P Wave Duration:A Rapid and Noninvasi ve Marker of Risk of Atrial Fibrillation」(J Am Col Cardiol,1993;21:164 5-51)およびM.Fukunami他の「Detection of Patients at Risk for Paroxysma l Atrial Fibrillation During Sinus Rhythm by P Wave-Triggered Signal-Ave raged Electrocardiogram」(Circulation,1991;83:162-169)を参照されたい 。これらの著者によって提唱された時間領域判定基準は、使用された彼らの技法 に特有のものであるから、フィリタリングの標準はまだ確立されていない。時間 領域における延長P波持続時間は、心房における遅延活性化の存在の非侵襲性指 標であると考えられる。 僧帽弁狭窄症またはウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の患者では、時 間領域分析のためのP波終末部を判定することは困難である。したがって、Yama daおよびFukunami他は、CainとAmbosが遅延電位分析のために使用した方法と類 似の、面積比を使用するP波分析のためのスペクトル法を報告している。T.Yam ada他の「Characteristics of Frequency Content of Atrial Signal-Averaged Electrocardiograms During Sinus Rhythm in Patients with Paroxysmal Atria l Fibrillation」(J Am Col Cardiol,1992;19:559-63)を参照されたい。彼ら は50Hz以上の分析は実施しなかった。しかしながら、彼らの技法は広範囲に は使用されず、感度も特異性も時間領域P波分析結果より低かった。 遅延電位分析の本方法は、時間領域法と周波数領域法の両方を利用する。既存 の周波数領域法は、QRS終末部の感度の高い敏感な測定、または「スペクトル の乱れ」情報の複数スライス間相関統計を含む複雑な数学アルゴリズムから導か れたいくつかの統計的指数の導関数を必要とする。しかしながら、このような技 法はすべて、結果の再現性、感度、および特異性を比較するとき、通常の時間領 域Simson法と同様にうまくは受け入れられない。この時間領域法にも限界がある 。これは伝導遅延の問題を持つ患者におけるSAECG信号を分析するためには 使用することができず、陽性予言的な精度は低い。 遅延活性化と異常回復は「遅延電位」の検査の中にうまく記録される。これら は、突然の心臓死の恐れのある心筋梗塞後の患者における壊疽性または繊維症の 心臓組織を通じた、伝導パターンにおける変化の表面明示として説明される。健 康な心臓組織は障害を受けた組織と比較してより均質な伝導基質を形成するので 、以前に心筋障害のない患者から得られたSAECG信号では、断片的な伝導パ ターンは明示されないはずである。障害を受けた組織の場合には、障害を受けた すなわち壊疽性組織の層は、伝導波面を崩壊すなわち「分散」させ、伝導経路に 沿って小振幅高周波「干渉パターン」を形成する。この形式の組織基質を有する ことは、患者を再入心室性梗塞の危険性のある生活を送らせることになりかねな い。心房の粗動または細動も、再入経路の基質支援に由来する。このような患者 は、脳血管の閉栓症すなわち脳卒中の発病率が高い。 過去10年間、SAECGは、心室性不静脈にかかっているかその疑いのある 患者を鑑定するための、価値を高めている非侵襲性の道具となってきた。最初に Simsonは、遅延電位の存在をSAECGの末端QRSと早期STセグメントにお ける小振幅、高周波の信号として判定するための、SAECGの使用を記載した 。これらの信号は、遅延心臓活性化に一致すると考えられ、再入心室性不静脈の ための根底をなす心筋基質の存在を示すものと信じられる。最初にSimsonは、持 続性心室性頻拍症の心筋梗塞後の患者において遅延電位を見つけた。遅延電位の 存在が、電気生理学的検査中の誘発可能な心室性頻拍症、ならびにその他の心筋 不整脈後の事象を示すものであることがわかった。信号の平均化は、原因不明の 失神を示す患者の検査にも使用された。さらに信号の平均化は、急性心筋梗塞 の生存者を管理するために、左心室拍出比(LVEF)検査と共に使用された。 患者のLVEFが40%以上であり、SAECG時間領域結果が陰性である場合 には、さらなる高価な電気生理学的検査は患者には薦められない。SAECG検 査が陽性である場合には何が起こるか、すなわち患者の突発性、誘発可能性、持 続性のいずれかの心室性頻拍症の発生危険性を予知する場合に、この検査がいか に正確であるかが問題である。SAECG時間領域結果は非常に高い陰性予測値 を有するが、これらの結果値はまた残念ながら陽性予測値が低い。 発明の概要 損傷した心筋基質が存在する場合には、微弱電位が、末端QRSと早期ST領 域すなわち遅延電位におけるのみならず、心室脱分極の初期段階中すなわちQR S群全体にわたって検出されるはずである、と自明のこととして仮定することが できる。ECGセグメントと間隔のすべての高周波微弱電位の検出および分析は 、有用であることが証明されているが、波形における非常に小さな電位の確認は 、技術的可能性の限界に達している。QRS波形形態の急な上り傾斜と下り傾斜 が、従来の周波数領域法によるQRS信号全体の精密な検査を妨げてきた。末端 QRSと早期STセグメントの分析に限られる技法は、QRS群自体内部の信号 など、他のECG間隔における診断上重要な信号を検出しない。このため、現在 の周波数領域法における弱点に対処し、同時に遅延電位領域のみならず心室の脱 分極と再分極に対応する他のECGセグメントの分析もできるようにする、頑丈 であるが簡単な周波数領域方法の必要性が存在する。QRS内領域の分析を可能 にする課題が満たされると、これに続いて、P波内領域などの他のECGの分析 が同じ基礎的方法を使用して行われる。 この問題への上記の従来技術によるアプローチは両方とも、ECG波形のさま ざまな部分における高周波成分の存在が心臓不整脈に罹りやすい患者を識別でき ることを確認するが、これらのアプローチは、理解と利用が簡単な形で示される 明確であいまいでない再現性のある情報を医師に提供するという実際的な問題に は、適切に対処しない。こうして、脚ブロックの患者も含めて、死に至る可能性 のある心房不整脈および心室不整脈の危険状態にある心臓病患者を選別し識別す るために、ECGセグメントと間隔のすべてを分析して微弱電位を検出すること により、心臓不整脈を指示することが望まれよう。 本発明の一態様は、遅延電位のために末端QRSと早期ST領域のみならず、 高周波微弱電位の存在のためにR波誘発SAECGのQRS内領域も分析できる 、装置と方法とを提供することである。これらの信号は、心筋における電気的分 裂の存在を示し、心室性頻拍症またはその他の不整脈の危険状態にある患者を示 すものとなる。 本発明のさらなる目的は、心房の細動および粗動の危険状態にある患者を検査 するために、P波誘発SAECGの取得とP波の周波数領域分析とを可能にし、 こうしてSAECGのR波領域に限定されず、代りにQRS領域のスペクトル透 視と分析とを可能にすることである。さらに、この装置と方法は、HIS束(P −R間隔)とT波の領域を含む他のSAECG領域すべての分析に有用である。 50Hzおよびそれ以上の周波数が有用であり意味があるという認識の他に、 このような高周波成分の分析は、このような成分の背景レベルの決定と、これら の背景レベルの、QRS群の追従部分とこれらの存在が頻拍症を示すものとなり 得るST部分との比較を使用する。医師への情報の表示は、広範な訓練を必要と することなく容易に理解できて使用できるように準備される。 本発明による一実施形態は、QRS群全体を通じて損傷した心筋の高周波信号 「サイン」を引き出す。Cainによるようなスペクトル曲線に下にある面積の測定 と面積比の計算、またはHaberlによるような正常性係数の計算、またはKelenに よるようなスライス間相関の代りに、これは、「スペクトル変化指数」を使用し て50〜300Hzの範囲におけるスペクトルピークの存在の増減を定量する。 これは精密な終末部またはその他の基準点の決定も、粗信号の事前フィルタリン グも必要とせず、それゆえにP波内およびQRS内両方の分析のための必要な道 具を提供する。これは、フーリエ変換の性能を最適化する大きなウィンドウサイ ズ(例えばQRS内分析のために300点)を使用する。 心筋***の非侵襲性検出と分析のための新規の周波数領域法は、特定のECG セグメントにおけるディジタル化された信号の大きなスパンを検査するために、 FFTなどの信号平均化された一時的信号の二次導関数(加速度)を使用し、こ れによって変換の周波数解像度を保持する。したがって、この技法はSAECG の遅延電位領域に分析を限定せず、QRS内領域、P波内領域、およびその他の ECG間隔のスペクトル透視と分析を可能にする。スペクトル変化指数と呼ばれ るスペクトル***の度合いの指数は、整数k=50〜299例えば50〜300 Hzとして、k周波数点における絶対スペクトル振幅(SA)からk+1周波数 点におけるSAを引いたものの総和を、問題とする帯域における最大SAで割り 算し、それから100を乗ずることによって導かれる。P波分析のために周波数 領域法を持つことの利点は、心房の細動と粗動の傾向のある患者の危険階層分類 の改善のために、時間領域測定、特にろ過されたP波持続時間と共に使用できる ことである。 簡単に要約をすると、本発明は、心電図信号を取得し分析して、心臓病の危険 状態にある患者における異常心臓伝導パターンの存在を非侵襲的に検出して定量 するための装置と方法とに関する。信号平均ECGの二次導関数(加速度)のウ ィンドウ表示されたフーリエ変換を、QRS内領域、ST領域、T波領域、P波 領域を含む、各リードのために特定の関心領域について計算する。定量指数、す なわちスペクトル変化指数を、各リードについて結果的に得られる「加速度スペ クトル」ならびに複合(X+Y+Z)リードから計算し、スペクトル「***」を 定量して、致死的心臓病状の潜在的危険性のある患者を階層分類する。 本発明の好ましい実施形態のさらに詳細な説明、本発明のさらなる目的、およ び利点を、図面と下記の詳細な説明と添付の特許請求の範囲の中で示し、これら は本明細書の一部を構成する。本発明自体を請求の範囲の中で詳細に定義する。 図面の簡単な説明 図1は、本発明を実施し、人体からECG信号を収集するための信号収集装置 と、これらの信号を処理するコンピュータとを有する装置の、総括ブロック図で ある。 図2A〜図2Fは、図1に示す方法と装置の操作を説明するための、ECG波 形とくに単一QRS群の属性を示す図である。 図3Aと図3Bは、図1に示すコンピュータによって実施されるいくつかの操 作の流れ図である。 図4Aと図4Bはそれぞれ、健康な心臓を持った人について、正常なXリード ECG時間・周波数プロットを示す図である。 図5Aと図5Bはそれぞれ、心筋梗塞後の患者、すなわち致死的心臓不整脈の 潜在的危険性のある患者について、異常なXリードECG時間および周波数プロ ットを示す図である。 好ましい実施形態の詳細な説明 図面、特に図1を参照すると、本発明を実施する装置が全体的に示され、番号 10で示されている。装置10は、IBM PC互換のディジタルコンピュータ 12を含み、それに心電図信号収集装置14が接続されている。コンピュータ1 2は、コンピュータ12のさまざまなモジュールの間でデータ、アドレス、制御 、およびタイミングの信号を搬送するためのシステムバス16を含み、これらの すべては当業者には公知である。マイクロプロセッサ18が、システムバス16 による通信のためにシステムバス16に接続されている。キーボード装置20と マウス装置21が、システムバス16との通信のためにシステムバス16に接続 され、同様に記憶機構22も接続され、記憶機構22は、読取専用メモリ(RO M)とランダムアクセスメモリ(RAM)の両方、ビデオディスプレイカードま たはグラフィックスアダプタ23と表示装置24、およびプリンタ26を含む。 ディスクコントローラ28がシステムバス16との通信のために接続され、フロ ッピーディスク30、光ディスク31、およびハードディスク32が、記憶装置 としてディスクコントローラ28との通信のためにディスクコントローラ28に 接続されている。これら上記のエレメントのすべては、従来型のマイクロコンピ ュータシステム12を構成する。 さらにシステムバス16には、着脱可能なシリアル並列PCMCIAデータリ ンク入出力ポート35を通じて、可搬式信号収集装置14も接続され、信号収集 装置14は、実時間収集モジュール、例えばモデル1200EPXまたはコンピ ュータ周辺カード、例えばテキサス州オースチンのArrhythmia Research Techno logy,Inc.から入手できるモデルLP-Pac Q、PredictorIおよびPredictor IIc号 平均化システムにすることができる。別法として、信号収集装置14は、オフラ インモードのアナログまたはディジタル記憶装置、例えばHolterレコーダデータ 再生装置を含むこともできる。信号収集装置14はマイクロプロセッサ41を含 み、マイクロプロセッサ41は、記憶装置と、バッテリを動力として記憶装置の 内容を長期間保持するためのRAMメモリ43とを有する。装置14はまた、マ ルチプレクサ42に接続されたアナログディジタル変換器40も含み、両方とも マイクロプロセッサ41によって制御される。マルチプレクサ42は、Xリード バイポーラ心電図増幅器44、Yリードバイポーラ心電図増幅器46、およびZ リードバイポーラ心電図増幅器48に接続されており、これらの増幅器は、EC G技術の当業者には公知のように、患者の身体から心電図信号を感知するために 患者にそれぞれのバイポーラリード線X、Y、Z、および接地リード線Gを介し て接続されるようになっている。 実際には、看護婦が装置14を患者に運び、患者のECGを記録し、それから 、装置14をコンピュータの入出力ポート35に差し込み、2つのマイクロプロ セッサ18、41に指令して、ディジタル化されたECG信号をRAM43から メモリ22のRAM部分に、最後にソフトウェア制御下でハードディスク32に 転送させることによって、装置14をコンピュータ12に接続させる。 各増幅器44、46、48は、(サンプリング速度の半分またはそれ以下で) 直流近くから約300〜500Hzの範囲内にある上限までの信号を増幅して通 過させる、低騒音心電図増幅器である。これらの増幅器44、46、48はまた 導線X、Y、Zをすべての電源から、また互いに電気的に絶縁するように設計さ れている。 マルチプレクサ42とアナログディジタル変換器40は、3つの増幅器44、 46、48すべての出力側における電圧レベルを毎秒1000〜2000回サン プリングして、3つの増幅器44、46、48の各々の出力側からディジタル信 号サンプルを作り出すことができる。上記の実施形態で使用されるような信号収 集装置14、例えば前記のLP−Pac Qでは、0.625μV LSB、解 像度16ビット、ダイナミックレンジ+/−20.28mV(アナログディジタ ル変換)となる。 こうして収集されたディジタルサンプルは、連続したECG波形を示す。これ らのサンプルは先ずRAMメモリ43の中に記憶される、Simsonに付与された米 国特許第4,442,459号に完全に記載されたものと同様な方法で、連続E CG波形の各々をQRSテンプレートに合わせることができ、テンプレートに合 わない波形またはその他の異常な波形に該当するサンプルは保持されない。次い で、入力ECG波形の連続を示す残りの複数ディジタルサンプルは、複数のディ ジタル化された信号アレイに分割され、各アレイは1つのECG波形のためのサ ンプルを含む。これらのアレイの各々におけるディジタル化された信号は、他の アレイからの信号と同位相に置かれ、それから、アレイ中の(QRS波形に対し て)該当する時点における波形振幅を表す信号値の振幅を、多くの波形にわたっ て(例えば200波形にわたって)平均化し、筋肉電位や電力線などからのノイ ズを最小に抑える。この平均化過程は、少なくとも12データビットの解像度で 実施することが好ましい。結果的に得られる平均化された信号の単一アレイを、 最終的にRAM43から転送して入出力ポート35を通して光ディスク31また はハードディスク32の表面に記憶する。 平均化された信号のアレイは、単にXリード波形、または単にYリード波形、 または単にZリード波形の平均のみを含んでもよく、あるいは、これらの個別の 監視されたX波形、Y波形、およびZ波形のすべての合計を含んでもよい。次い で、一人の患者から取られた一連のECG波形の時間平均を示すアレイを、本発 明の教示にしたがって分析する。 平均化された信号のアレイは、例えば800個の12ビットサンプルを含み、 各サンプルは互いに時間的に1ミリ秒の間隔で離間している。この好ましい形式 の実施形態は、(低騒音増幅器を使用した)増幅、(300Hz〜500Hzの 範囲にあるカットオフ周波数を有する低域フィルタによる)フィルタリング、( 毎秒12ビットディジタルサンプル1000個の速度で)ディジタル化、および 多数(100個など)のECG波形を平均化し、異常な波形を排除することに よって始まる。 採用されるデータ収集法は、信号平均心電図データ収集のための信号を供給す るバイポーラ直交XYZリードシステムを使用する。SAECGデータ収集には 、従来型のバイポーラ直交XYZ(Prank)リードシステムが使用される。しか し別のリード配置も有利であり、例えば「Lewisリード」を把握しにくい小さな 振幅のP波を検出するために使用することもできる。信号を、信号平均化のため にディジタル化し合計して、X、Y、Z方向のために時間的に変化する信号平均 電気双極信号を提供する。電気ベクトルの各々の変化速度は、各成分の時間に対 する一次導関数に等しい。信号平均化された電界ベクトルの「加速度」は、各成 分の時間に対する二次導関数に等しい。1kHzのサンプリング速度を採用した 場合には、一般的にはQRS内領域は、QRSオフセット前約150ミリ秒の下 限とQRSオフセット後約150ミリ秒の上限とによって画定され、約300ミ リ秒のウィンドウ幅を作る。各リード信号の時間に対する二次導関数にフーリエ 変換を適用することによって、関係する時間ウィンドウ内部に加速度スペクトル を見ることができる。512個のサンプルすなわち点にわたって、ゼロパッド点 とともにフーリエ変換を適用する。Blackman-Harrisテーパ窓を使ってスペクト ルの漏れを減らすことができる。スペクトル加速度が計算されると、開示されて いないアルゴリズムが50Hzから300Hzまでの関係する帯域幅を検査する 。 下記のステップが信号収集を構成する。 a.X、Y、Z直交リード事前増幅およびECGの増幅、結節のフィルタリング はない。 b.12、14、または16ビット解像度のいずれか1つのアナログ/ディジタ ル変換器による信号のディジタル化。データをHolterテープに記憶し、次いで増 幅器に再生して、ディジタル化することができるか、またはディジタルHolter装 置にディジタル化された信号として記憶するか、または読取り書込み可能な光デ ィスクまたはハードディスクなどの非可搬式ディジタル保管装置に記憶すること ができることに、再度注目されたい。 c.エンドユーザが心室不整脈の分析を望むか、心房不整脈の分析を望むかに応 じて、それぞれR波またはP波のいずれかを誘発させること。心房病状の存否に ついてP波を検査する場合には、P波トリガ・P波テンプレート法を使用してS AECGを収集すべきである。これは心房の微弱電位を保存するために必要であ り、保存しなければ微弱電位を、P波の分析をR波を並べた信号平均化されたE CGについて実施する場合には、P−Rジッタによって消してもよい。 d.最初のいくつかの到来鼓動から最良のテンプレートを形成する。 e.突合せ(例えば相互相関)技法を使用して、後続の到来鼓動を選択し整合さ せる。 f.停止判断基準に合うまで、すなわちノイズレベルが十分に低くなるか、また は一定数の鼓動が平均化されるまで、集団平均化を実施する。 g.望みの集団平均がR波で誘発された場合には、QRSオンセットおよびオフ セットが見つかる。集団平均がP波で誘発された場合には、P波オンセットおよ びオフセットが見つかる。このようなアルゴリズムは、QRSオンセットおよび オフセットを見つけるために使用されるアルゴリズムの変形として開発された。 h.次いで、集団平均された患者データ、オンセットおよびオフセットパラメー タ、およびその他の患者情報は、パーソナルコンピュータにおける記憶装置に記 憶される。 コンピュータ12が信号収集装置14と共に使用される図1に示すハードウェ ア構成は、本発明を実施する場合に利用できる多くの可能な構成の中のただ1つ であることに留意されたい。例えば、上述のすべては装置14によってではなく 、コンピュータ12によって実施できたもので、装置14をコンピュータ12の 簡単な付属品とすることもできる。信号アレイを装置14からコンピュータ12 のフロッピーディスク上へ移送することができ、または平行データ伝送チャネル 、赤外線光リンク、または無線または磁気結合リンクを通して送ることができた 。信号収集装置14が残りのステップを実行するために十分に精巧であって、適 当なプリンタまたは表示装置もしくはその両方を有するとすれば、コンピュータ 12を完全に削除できたであろう。 ここで図2A〜図2Fに移ると、心筋の活動が、ECG波形の属性とくにQR S群の属性を示して図示され、損傷した心臓組織の心筋活動から結果的に生ずる QRS内微弱電位を図2Eによって示す。図2Aと図2Bは、それぞれ、血液が 心臓を交互に流入・流出するように電気的刺激によって始動される心筋収縮によ り起こされる、心房の収縮と心室の収縮とを示す。 図2Cは、心筋すなわち心臓壁の中部筋肉層を、心臓壁を下方へ移動する活動 電位の概略図として示し、心臓壁は、イオン流の円によって示されるイオン流の いくつかを示し、イオン流は、心臓壁における矢印で示した方向への脱分極を引 き起こす。こうして心臓壁における活動電位の伝播は、図示するように、電気的 刺激を通じて心筋の収縮をもたらす。活動電位の動きは、心臓組織を通る循環経 路を流れる電流を構成し、図示した極性による電圧低下を引き起こす。伝播する 活動電位の先の領域は、後方の領域に対して正であり、この結果として組織の中 に電位差が生ずる。こうして電流が流れると同時に、活動電位は主にECGのQ RS波のときに、またはT波の回復期間中に伝播する。よく理解されるように、 従来のECG装置は、このような電位を身体の表面の上で測定する。図2Dは、 一心臓周期中の波形周期のECGセグメントと間隔とを示し識別する。図示の目 的で、P波(心房脱分極)とQRSセグメント(心室脱分極)は、上の図2Aと 図2Bによって説明した心房の収縮と心室の収縮とを含む。 図2Eは、単一心臓鼓動についてのECG波形を示す。しかしながら、ここで はECG波形は、心律動の危険な乱れの発生(心室性頻拍症)の危険状態にある 患者を暗示する発現を表す。ここで、そのように示されるものと理解される遅延 電位(L.P.s)は、QRSセグメントの心室脱分極後に見つかるSTセグメ ントの中に示されている。上述の実施形態に関連して特に興味深いことであるが 、QRS内微弱電位が図2Eに示されるQRS群にも示されており、またノッチ およびスラーとして表されている。基礎となるQRS信号は低い周波数を有する が、微弱電位信号よりもはるかに高い規模/振幅を有する。さらに検討されるよ うに、これらの相対規模は、関連するQRS内微弱電位を見分ける能力を覆い隠 したり、または阻害することが多い。 図2Fに移ると、心臓組織を示す健康な組織80と損傷した組織82とを通る 電気伝導を、概略ブロック図で示している。モデル化されているように、健康な 心臓組織を通る電気伝導は、組織を通じて非減衰信号をもたらすが、損傷した組 織を通る電気伝導は、結果的に微弱電位、例えば振幅がより小さくて周波数がよ り高い信号になる。上述のように、遅延活性化と異常回復は結果的に、心筋梗塞 後の患者または突発的心臓死の危険状態にある患者における、壊疽性または繊維 性組織を通じた伝導パターンにおける変化の表面発現となる。これは、損傷した 組織を通る電気伝導の分解すなわち回折によって、代表的な周波数スペクトルに おける断片化した伝導パターンとしての発現である。こうして、このスペクトル 断片化の度合いの定量化は、致死の可能性のある心臓病的危険性をもつ患者を等 級分類するのに役立つことができる。 説明した実施形態の信号処理法と装置は、心臓周期の脱分極段階ならびに再分 極段階の両方における様々な信号人工構造物による壊疽性または繊維性組織にお ける伝導パターンの断片化を検出する。小振幅高周波のQRS内信号を抽出する ことが望ましく、このような信号は、比較的大きなQRS形態、過去においてQ RS内信号の綿密な検査を従来の周波数領域法によって妨げたQRS波形の急な 上り傾斜、および下り傾斜によって、不明瞭になることが多く、したがって50 〜300Hz範囲におけるスペクトルピークの存在の増減を、スペクトル変化指 数を使用して定量する。この方法は、正確な終末部すなわち基準点の決定を必要 とせず、粗信号の事前フィルタリングも必要としない。この方法論は、伝導経路 に沿った小振幅高周波「干渉じま」の形でそれ自体発現する回折すなわち分解し た伝導波先を検出するという原理によって実施される。微弱電位は、損傷したま たは壊疽性の心臓組織において発生する回折または遅延の結果生ずる。 QRS内分析領域またはP波内領域のスペクトル分析は、一般的には、QRS オフセット前150ミリ秒で開始しQRSオフセット後150ミリ秒で終了する 300ミリ秒時間セグメントによって、システム省略時解釈モードで定義される 。エンドユーザは、装置との簡単なキーボード対話によって分析ウィンドウの位 置と持続時間を再定義することができる。 同じ方法で、P波とSTセグメント分析のための省略時解釈値があるが、エン ドユーザには常にこれらの設定を変更する自由がある。この技法は後で検討する ようにうまく確立された数学的原理しだいで決まるので、これを、P波領域とT 波領域とを含む、すべてのECG分極の周波数分析のための「万能ツール」とし て使用することができる。この装置によって、ユーザは「開始」および「終了」 電子カーソルを動かして、分析すべき分極を境界画定することができる。当然、 こうしてスペクトル変化指数は、正常なデータを異常なデータから分離すること を、さまざまな分析領域について特徴とする。 どの瞬間においても、身体表面上で記録された心臓の信号平均化された電気ベ クトルE(t)は、3つの信号平均化有向性電気双極子の合成結果として表すこ とができる。 これは、従来のSAECG分析において「複合リード」を呼ばれたものと電気 的に等価である。この信号平均化された電気ベクトルの変化速度(速度)は次の 通りである。 したがって、この信号平均化された電気ベクトルの加速度は次の通りである。 本SAECGシステムでは、1kHzまたは2kHzのいずれかのサンプリン グ速度を使用する。この実施形態の信号平均化されたECGファイル様式の80 0ミリ秒および1kHzサンプリング速度では、QRS内領域は一般的には、先 に検討したように、600ミリ秒の上限と300ミリ秒の下限とによって、例え ばQRSオフセット前150ミリ秒における開始とQRSオフセット後150ミ リ秒における終了とによって画定される。次いで、この加速度ベクトルの周波数 スペクトルすなわち「加速度スペクトル」は、関心のある時間ウィンドウによっ て制限される複合リードのフーリエ変換を計算することによって見つけることが できる。したがって理論では、離散フーリエ変換の演算は次のように表現するこ とができる。 実用面では、各直交リードならびに複合リードについて加速度スペクトルを計 算し分析を実施する。向上した方向性感度のために、X、Y、Zリードのいずれ にも記録されたこれらの高周波微弱電位の振幅と周波数は、特定方向における組 織損傷の範囲に依存する。 各リードのために、フーリエ変換の前に下記のステップを行う。 1.E”(t)のDCバイアスを調整する。 2.次いで、結果として得られたゼロ平均データセグメントを、Blackman-Harri sウィンドウなどのウィンドウ関数によって掛け算する。このウィンドウイング 過程は、打ち切られたデータセグメントをテーパ化するのに役立ち、これによっ てフーリエ変換を行うときに「漏れ」を最小にする。次いで、 3.結果として得られたゼロ平均のウィンドウ表示されたデータを正規化する。 したがって、DCバイアス調整、テーパ化ウィンドウ関数による掛け算、および 正規化の後に、Xリードの加速度スペクトルは下記のように計算される。 ただしT=512である。フーリエ変換されたアレイの残りの点はゼロが当てら れていることを留意されたい。したがって、エンドユーザが分析用に300点を 選択した場合には、最後の212点は0にセットされる。XリードとYリードの 加速度スペクトルも同様に計算される。 加速度スペクトルを計算すると、アルゴリズムは、50〜300Hzに事前設 定されている関心のある帯域幅を自動的に検査する。こうして、スペクトル「分 裂」度合いの指数すなわちスペクトル変化指数は、離散的数学を使用して定式化 される。 分子は、絶対スペクトル勾配の総和の計算であり、分母SA,maxは、関心のある 帯域幅におけるすべてのスペクトルピークの最大振幅である。 スペクトル変化指数の決定は、付録Aとして後で述べるソフトウェアリストの 一部として具体化される。スペクトル変化指数を実施する方法を、次のようにB ASICプログラム言語で書かれたコードの中にさらに詳しく述べる。 CHANCALC: CHANO=0 FOR QQ=25 TO 150’FROM 50 to 300 Hz YYI=FFTOUT(QQ,FFTN) YY2=FFTOUT(QQ+1,FFTN) grad=ABS(YY2−YY1) CHANO=grad+CHANO NEXT QQ CHANO=100*CHANO/MAXVEC したがって、スペクトル変化指数は、スペクトル電圧によって偏位されない特 定の帯域幅内のスペクトル成分における変化尺度である。例えば、特定の帯域幅 内の比較的「平坦な」加速度スペクトルは、結果的に小さな値の指数となり、多 くの異なった周波数スペクトル成分を有する加速度スペクトルは、結果的に大き な値の指数となる。 スペクトル変化指数の他に、関心のある帯域幅内のスペクトルピークの数も( 人力でまたは自動的に)カウントされる。これは、この検査のために診断上重要 となる可能性のあるさらに別の定量的価値を加える。 次に図3Aと図3Bとを見ると、プログラムの流れ図が、(1)スペクトル変 化指数、および(2)関心のある帯域幅内のスペクトルピークの数のピークカウ ントを得るために実施する、操作のいくつかを示している。図示した流れ図の実 行は、関心のある帯域幅内のスペクトル***の度合いを定量することによる微弱 電位の検出を通じて、患者が危険状態にあるか否かを判定するための、医者が解 釈することのできる指標を提供する。図3Aにおいて最もよくわかるように、マ イクロプロセッサ18は開始ステップ100で開始し、最終的に図3Bに示すス テップ130または132において提供される情報から、医者は患者が危険状態 にないかあるかの判定を行うことができる。 ステップ102で、R波またはP波の検出と誘発のために、波検出・誘発ブロ ックを使用する。検出と誘発は、テンプレート鼓動形成を使用して準備され、E CG波形のR波または代りにP波について検出と誘発を行う。こうして、本実施 形態による微弱電位の検出によって1つの心臓鼓動の心電図信号の関心のある領 域が選択される。また、このためにステップ104で、選択、整合、および信号 平均化を記載したように実施し、ノイズを平均して収集したデータのための信号 雑音比を高める。信号平均化の停止判断基準は、ステップ106で、ノイズレベ ルが十分に低いか、ある一定数の鼓動が平均されたかのいずれかによって決定さ れる。ステップ106の停止判断基準が合わない場合には、プログラムの流れは ステップ102の波検出・誘発ブロックに戻る。ステップ106の停止判断基準 が合った場合には、プログラムの流れはステップ108に進んで、関心のあるセ グメントを選択する。R波が誘発されると、関心のあるセグメントの画定におい てオンセットとQRSオフセットが決定される。P波が誘発されると、関心のあ るセグメントを得るときにP波のオンセットとオフセットが見られる。この時点 で、ECGデータを後の使用のためにステップ110において記憶することがで きる。 ステップ112に進み、セグメントの二次導関数を出して、関心のあるセグメ ントの時間的属性を示すプロファイル波形を発生させる。時間的属性、すなわち 二次導関数の必要性は、低い周波数を有するが微弱電位信号よりも大きな規模を 有する基調QRS信号に由来し、したがって、QRS群の中の低周波成分を強調 せず高周波成分を強調する技術を必要とする。時間領域方法論、例えば経過時間 やRMS値などの測定は、QRSの急速な上り下り勾配から微弱電位に「焦点を 合わせる」すなわちこれを「抽出」することはできないので、周波数領域法によ るアプローチが好ましい。それでもなお、QRS群自体は周波数変化の急速な旋 回速度を示し、さらに周波数領域において困難性を生じさせ、こうして、関心の あるセグメントの時間的属性を示すプロファイル波形の発生は、周波数領域分析 を容易にする。 波形およびそれらのスペクトルのために開発された定理のいくつかを引き合い に出して、二次導関数のフーリエ変換関係は、周波数の関数としてスペクトルの 規模を効果的に増加させる。したがって、スペクトルの規模は周波数の関数とし て増加する。一定の乗数と周波数可変乗数とが「増幅項」として準備され、した がって周波数の上昇とともに増加し、プロファイル波形の周波数領域スペクトル 表示を誘導し、このようにして、周波数領域表示は、高周波微弱電位がその中で 増幅される関心のあるセグメントを示すものとなる。こうして、より高い周波数 におけるスペクトルエネルギーを選択的に強調すなわち高める。 周波数領域変換のための「微分」(一次導関数)定理は下記の通りである。 ただしV’(t)は、時間tの関数としての信号電圧の時間導関数、S(f)は 、周波数fの関数としての該当する周波数領域表示、式(7)および続く式にお ける定数は、虚数iと定数piを含む。こうして式(7)は、時間的属性のため の「加速度」に対抗するものとして、関心のあるセグメントの時間的属性として の速度を表す。さらなる導関数はもちろん、より高い周波数を増加すなわち高め る。しかしながら加速度スペクトルは、より高い周波数の微弱電位をこの検出の ために適切に高めることがわかった。二次導関数のフーリエ変換を行うと次のよ うになる。 したがって「加速度スペクトル」は、より高い周波数において高められ、より 低い周波数を減衰し、ゼロ周波数すなわち直流成分を抑制する。このようにして 、QRSのより低い周波数成分は抑制され、微弱電位の高い周波数成分は大幅に 高められる。 ステップ112において二次導関数を実施して、本実施形態における使用のた めにプロファイル波形を発生させた後に、先に検討したように正規化されたセグ メントデータを得るために設けられた直流バイアス調整・正規化ブロックによっ て、ステップ114において直流バイアス調整、例えば平均除去が準備される。 ステップ116で、加速度スペクトルを、フーリエ変換法またはその他の周波 数変換、例えば適応フィルタ決定(AFD)、最大エントロピー法(MEM)、 自己回帰(AR)法、移動平均(MA)法、または自己回帰移動平均(ARMA )法を使用して決定する。フーリエ変換法を利用する場合には、データセットを ウィンドウ表示するために適正なウィンドウ関数を使用すべきである。加速度ス ペクトルが計算されると、スペクトル表示における周波数帯域幅は画定される。 好ましい実施形態では50Hz〜300Hzが利用されるが、この帯域を変えた り、またユーザによる入力のために可変にすることもできる。 ステップ118でピークカウントを実施し、関心のある帯域幅におけるスペク トルピークの数をカウントするが、このスペクトルピークの数を、心電図信号の 関心のあるセグメントにおける微弱電位を検出して、関心のある前記の帯域幅内 のスペクトル***の度合いを定量するために、前記スペクトル表示における周波 数の関心のある前記帯域幅内の変化度合いを特徴付けるために使用できることは 有利である。関心のある帯域幅内の周波数のスペクトル表示から複数のスペクト ルピークを識別する場合、ピークと谷を判定するための最大偏差と最小偏差、例 えば65%〜70%の偏差のための判定基準を使用して判定を行う。ピークが識 別されると、ピークをカウントし、スペクトルピークのカウントを使用して心電 図信号の関心のある領域における微弱電位を検出して、関心のある帯域幅内のス ペクトル***の度合いを定量する。 ステップ120、122は、ステップ124におけるスペクトル変化指数の計 算を簡単にする。ステップ120で、関心のある複数の帯域幅におけるスペクト ル曲線の勾配を、関心のある帯域幅内の各周波数のスペクトル表示から決定する 。この実施形態では、先に示したように50Hz〜300Hzの各周波数表示を 使用して、スペクトル曲線の絶対勾配を総計する。ステップ122で、関心のあ る帯域幅でのスペクトルピークにおける最大振幅として「MAXVEC」をプロ グラムによって決定し、関心のある帯域幅内の周波数のスペクトル表示の代表的 最大振幅を求める。それからスペクトル変化指数(CI)は、代表的最大振幅と 勾配すなわち絶対勾配の総和(SAG)との比較を、複数の周波数の各々のスペ クトル表示から行い、心電図信号の関心のある領域における微弱電位を検出して 、関心のある帯域幅内のスペクトル***の度合いを定量する。先に検討したよう に、スペクトル変化指数によれば、絶対勾配の総和をMAXVECで割り、10 0を掛けて、スペクトル変化指数を決定する。説明した実施形態では、スペクト ル変化指数しきい値15を使用して、異常属性から正常属性を見分け、低いスペ クトル変化指数は正常な患者の状態を示す。 ステップ126で、スペクトル変化指数をしきい値と比較して、検査中の患者 が危険状態にあるか否かを確かめ、ステップ130は患者が危険状態にないこと を示し、ステップ132は患者が危険状態にあることを示す。同様に、ステップ 128でピークカウントをしきい値と比較して、患者が危険状態にあるか否かを 判定する。スペクトル変化指数のしきい値をユーザの制御によって固定または変 えることもでき、代りに2つのしきい値を利用して、中間のスペクトル変化指数 カウント、例えばさらなる検査を必要とする境界線の場合を示す指標として16 〜20を準備することによって、境界線にある患者と異常状態にある患者を見分 けることもできる。 実施例: 例えば持続する心室性頻拍症の患者などの、侵された心筋の証拠をもつ患者か ら予め収集したデータを使用して、装置をテストした。ここで検討したパイロッ トスタディは2つの事例の結果を示したが、さらなる検査が適切であろう。心臓 病のない被験者は一般的に、例えば図4Aと図4Bに見られるように低いスペク トル変化指数を示し(健常者ではスペクトル変化指数=4)、時間領域Simson法 によって検出される遅延電位を有する患者などの、心筋障害を示す患者は、例え ば図5Aと図5Bに見られるように、15以上の高いスペクトル変化指数を示す (異常な患者については、スペクトル変化指数=39)。 例における結果は、持続する心室性頻拍症の患者などのように、患者が侵され た心筋の証拠をもつときには、加速度スペクトルの帯域幅50〜300Hz内で 多くの個別のスペクトルピークが存在することを示す。図5Bを参照されたい。 これらの高周波スペクトル成分の増加は、損なわれた梗塞後の心筋における電気 活性化の波の***に起因する。この例は、心臓病のない被験者は一般的に、低い スペクトル変化指数(C.I.)を有するが、時間領域Simson法によって見つけ られる遅延電位を有する患者などの、心筋障害を示す患者は、15以上のC.I .を有することを示している。この調査は、突発性持続心室性頻拍症(VT)の 心筋梗塞後の患者26人(6人は脚ブロックを有する)と、VTのない対照被験 者20人について分析した。突発性VT群では、26人の患者中19人が電気生 理学的検査(EPS)を受け、全員が持続VTに誘引可能であった。C.I.の 再現性(R)は、被験者からの各時間データが収集され分析される度に、「正常 」(または「異常」)状態にある被験者として定義された。Rを、全集団からの 8人の被験者について調査した。(1)突発性持続VTの危険がある患者と(2 )EPS中の誘引可能VT患者の識別におけるC.I.の結果を表Iに総括する 。 表I:MI後の患者26人と対照被験者20人との初期集団における、スペクト ル変化指数の感度、特異性、肯定および否定予知精度、および再現性。 これらの結果は、装置と方法の実施形態が、心臓電気生理学原理に基づく堅固 な技法、ならびに直接的であるが良く確立された数学的な信号処理技法を有する こと示している。この方法論は、時間領域法の結果と一致した結果を出し、すぐ れた再現性を提供する。 MI後の患者に関する調査は、この新しい方法が、VTの傾向のあるMI後の 患者の危険階層分類のため、また脚ブロックの患者のそれにも、高い特異性と肯 定的予知精度、およびすぐれた再現性を有することを示している。時間領域SA ECG試験の否定的予知値は非常に高いが、肯定的予知精度は低いので(Simson 法)、この新しい方法の使用は、信号平均化ECGの領域における必要性を満た すために役立つ。 本発明の好ましい実施形態を、微弱電位の検出とECGセグメントと間隔すべ ての分析による心臓不整脈を予知するための装置と方法のために図示し説明した が、ここに開示する本発明の明細書と実施の考察から、当業者には本発明の他の 実施形態も容易に認識されよう。この明細書と実施例は、下記の請求の範囲によ って示される本発明の真の範囲と意図によって、単なる例示であると考えられる ことを意図する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.心臓不整脈を識別するために微弱電位を検出するための方法であって、 一心臓周期の心電図信号の関心のあるセグメントを選択するステップと、 関心のある前記のセグメントの時間的属性を示すプロファイル波形を発生させ るステップと、 前記プロファイル波形の周波数領域スペクトル表示を導出するステップであっ て、前記周波数領域表示は、その中で増幅される高周波微弱電位を有する関心の ある前記セグメントを示すステップと、 前記スペクトル表示における周波数の関心のある帯域幅を画定するステップと 、 関心のある前記帯域幅内の複数の周波数の各々について、前記スペクトル表示 から勾配を決定するステップと、 関心のある前記帯域幅内の周波数の前記スペクトル表示の代表的最大振幅を取 得するステップと、 前記の代表的最大振幅と、複数の周波数の各々の前記スペクトル表示からの前 記勾配とを比較して、心電図信号の関心のあるセグメントにおける微弱電位を検 出するステップと、 関心のある前記帯域幅内のスペクトル***度合いを、前記の代表的最大振幅と 前記勾配とを比較することから定量して、心臓不整脈を識別するステップ とを具えたことを特徴とする方法。 2.前記の選択ステップが、代表的波形におけるノイズレベルを減少するための 、複数の心臓周期の信号平均化を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.前記の発生ステップが、時間的属性を示す前記プロファイル波形として、心 電図信号の関心のある前記セグメントの二次導関数を取るステップをさらに具え たことを特徴とする請求項2に記載の方法。 4.フーリエ変換を使用して周波数領域変換を実施するときに、前記の導出ステ ップが前記プロファイル波形のウィンドウイングステップをさらに具えたことを 特徴とする請求項3に記載の方法。 5.前記の画定ステップが、関心のある前記帯域幅を約50Hz〜約300Hz として画定することを特徴とする請求項4に記載の方法。 6.前記の決定ステップが、関心のある前記帯域幅内の複数の周波数の各々の前 記スペクトル表示から勾配を決定することを含むことを特徴とする請求項4に記 載の方法。 7.前記の決定ステップが、関心のある前記帯域幅内の前記スペクトル表示の前 記勾配の絶対値を総計することを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。 8.前記の取得ステップが、関心のある前記帯域幅内の周波数について前記スペ クトル表示から複数のスペクトルピークを識別すること、および前記スペクトル 表示の前記代表的最大振幅を、識別された最大スペクトルピークとして認識する ことを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。 9.前記の比較ステップが、前記スペクトル表示の前記勾配の絶対値を総計する 前記決定ステップにおいて決定された総和を、前記代表的最大振幅によって割り 、関心のある前記帯域幅内のスペクトル***度合いを定量する指数を計算するこ とを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。 10.微弱電位を検出して心臓不整脈を識別するための方法であって、 一心臓周期の心電図信号の関心のあるセグメントを選択するステップと、 関心のある前記のセグメントの時間的属性を示すプロファイル波形を発生させ るステップと、 前記プロファイル波形の周波数領域スペクトル表示を導出するステップであっ て、前記周波数領域表示は、その中で増幅される高周波微弱電位を有する関心の ある前記セグメントを示すステップと、 前記スペクトル表示における周波数の関心のある帯域幅を画定するステップと 、 前記スペクトル表示における周波数の関心のある前記帯域幅内の変化度を特徴 づけて、心電図信号の関心のあるセグメントにおける微弱電位を検出するステッ プ とを具え、 前記の特徴づけステップは、関心のある前記帯域幅内のスペクトル***度合い を定量して心臓不整脈を識別することを特徴とする心臓不整脈を識別するための 方法。 11.前記の発生ステップが、時間的属性を示す前記プロファイル波形として、 心電図信号の関心のある前記セグメントの二次導関数を取るステップをさらに具 えたことを特徴とする請求項10に記載の方法。 12.前記の特徴づけステップが、前記スペクトルピークをカウントして、心電 図信号における約50Hz〜約300Hzの周波数領域に含まれる微弱電位を検 出し、その中のスペクトル***度合いを定量することを特徴とする請求項11に 記載の方法。 13.前記の特徴づけステップが、 関心のある前記帯域幅内の周波数について前記スペクトル表示から複数のスペ クトルピークを識別するステップと、 前記スペクトルピークをカウントして、心電図信号の関心のあるセグメントに おける微弱電位を検出し、関心のある前記帯域幅内のスペクトル***度合いを定 量するステップ とを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 14.前記の画定ステップが、関心のある前記帯域幅を約50Hz〜約300H zとして画定することを特徴とする請求項13に記載の方法。 15.心臓不整脈を識別するために微弱電位を検出するための装置であって、 コンピュータと、 前記コンピュータによって取り扱うことのできる信号記憶装置と、 一心臓周期の心電図信号の関心のあるセグメントを選択するため、関心のある 前記セグメントを前記信号記憶装置に保管するため、および関心のある前記セグ メントの時間的属性を示すプロファイル波形を発生させるために、前記コンピュ ータによって操作できる信号収集モジュールと、 前記スペクトル表示における周波数の関心のある帯域幅内の変化度を特徴づけ て、心電図信号の関心のある前記セグメントにおける微弱電位を検出するために 、関心のある前記帯域幅内で増幅される高周波微弱電位によって、関心のある前 記セグメントを示す前記プロファイル波形のスペクトル表示を導出するために、 前記コンピュータによって利用される周波数領域変換プログラム とを具え、 前記周波数領域変換プログラムは、心臓不整脈を識別するために関心のある前 記帯域幅内のスペクトル***度合いを定量することを特徴とする微弱電位を検出 するための装置。 16.前記コンピュータによって利用される前記周波数領域変換プログラムが、 関心のある前記帯域幅内の複数の周波数の各々について、前記スペクトル表示 から勾配を決定するための手段と、 関心のある前記帯域幅内の周波数の前記スペクトル表示の代表的最大振幅を取 得するための手段と、 前記の代表的最大振幅と、複数の周波数の各々の前記スペクトル表示からの前 記勾配とを比較して、心電図信号の関心のあるセグメントにおける微弱電位を検 出して、関心のある前記帯域幅内のスペクトル***度合いを定量する手段 とを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。 17.前記コンピュータによって操作できる前記信号収集モジュールが、時間的 属性を示す前記プロファイル波形として、心電図信号の関心のある前記セグメン トの二次導関数を取る手段を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。 18.前記比較手段が、前記スペクトル表示の前記勾配の絶対値を決定し、関心 のある前記帯域幅内の前記勾配の前記絶対値を総計し、前記スペクトル表示の前 記勾配の絶対値の総和を前記代表的最大振幅によって割り、関心のある前記帯域 幅内のスペクトル***度合いを定量する指数を計算するための手段を含むことを 特徴とする請求項16に記載の装置。 19.前記コンピュータによって利用される前記周波数領域変換プログラムが、 前記スペクトル表示における周波数の関心のある前記帯域幅内変化度合いを特徴 づけ、心電図信号の関心のあるセグメントにおける微弱電位を検出して、関心の ある前記帯域幅内のスペクトル***度合いを定量するための手段を含むことを特 徴とする請求項15に記載の装置。 20.特徴づけるための前記の装置が、 関心のある前記帯域幅内の周波数について前記スペクトル表示から複数のスペ クトルピークを識別する手段と、 前記スペクトルピークをカウントして、心電図信号の関心のあるセグメントに おける微弱電位を検出し、関心のある前記帯域幅内のスペクトル***度合いを定 量する手段 とを含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。 21.心臓不整脈を識別するために微弱電位を検出するための方法であって、 一心臓周期の心電図信号の関心のあるセグメントを選択するステップと、 関心のある前記セグメントの時間的属性を示すプロファイル波形を発生させる ステップと、 前記プロファイル波形の周波数領域スペクトル表示を導出するステップであっ て、前記周波数領域表示は、その中で増幅される高周波微弱電位を有する関心の ある前記セグメントを示すステップと、 前記スペクトル表示における周波数の関心のある帯域幅を画定するステップと 、 関心のある前記帯域幅内の複数の周波数の各々について、前記スペクトル表示 から勾配を決定するステップと、 関心のある前記帯域幅内の周波数の代表的スペクトル変化指数を取得するステ ップと、 前記の代表的スペクトル変化指数と、複数の周波数の各々の前記スペクトル表 示からの前記勾配とを比較して、心電図信号の関心のあるセグメントにおける微 弱電位を検出するステップと、 関心のある前記帯域幅内のスペクトル***度合いを、前記の代表的スペクトル 変化指数と前記勾配との前記比較から定量して、心臓不整脈を識別するステップ とを具えたことを特徴とする方法。 22.前記の選択ステップが、代表的波形におけるノイズレベルを減少するため の、複数の心臓周期の信号平均化を含むことを特徴とする請求項21に記載の方 法。 23.前記の発生ステップが、時間的属性を示す前記プロファイル波形として、 心電図信号の関心のある前記セグメントの二次導関数を取るステップをさらに含 むことを特徴とする請求項22に記載の方法。 24.フーリエ変換を使用して周波数領域変換を実施するときに、前記の導出ス テップが前記プロファイル波形のウィンドウイングステップを含むことを特徴と する請求項23に記載の方法。 25.前記の画定ステップが、関心のある前記帯域幅を約5O0z〜約300H zとして画定することを特徴とする請求項24に記載の方法。 26.前記の決定ステップが、関心のある前記帯域幅内の複数の周波数の各々の 前記スペクトル表示から勾配を決定することを含むことを特徴とする請求項24 に記載の方法。 27.前記の決定ステップが、関心のある前記帯域幅内の前記スペクトル表示の 前記勾配の絶対値を総計することを含むことを特徴とする請求項24に記載の方 法。
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