JP2000509255A - 感覚神経障害と関連した遺伝子ファミリー - Google Patents

感覚神経障害と関連した遺伝子ファミリー

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Abstract

(57)【要約】 網膜および脳において発現される哺乳動物蛋白質ファミリーをコードする核酸組成物を提供する。遺伝子ファミリーのメンバーは一般に、蝸牛変性、周辺網膜変性および錐体-杆体網膜ジストロフィーを含む種々の感覚神経障害と遺伝的に連鎖している。本核酸組成物は、相同的または関連した蛋白質をコードするDNA配列の同定、コードされた蛋白質の生産、および関連した生理的経路の検討に用いられる。さらに、インビボでの遺伝子活性の調節が、感覚神経障害の治療、発現に基づく網膜細胞の同定などの予防的および治療的な目的のために使用される。本DNAはさらに、連鎖した感覚神経障害に対する遺伝的素因に関する診断薬としても用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】 感覚神経障害と関連した遺伝子ファミリー 導入 感覚ニューロンは、光および音などの現象を脳が受容および認識しうる信号に 変換することによって我々に外界の知覚をもたらす。しかし、ニューロンは同時 に脆弱でもあり、遺伝性および/または加齢に関連した多くの変性疾患に対する 感受性が高い。感覚神経シグナル伝達経路を構成および制御する遺伝子および遺 伝子産物を理解することにより、この領域における今後の医学的進歩のための基 礎が提供されると考えられる。 神経変性疾患は脳および脊髄における神経細胞の早期死滅に起因しており、例 えば変性性聴覚疾患は聴覚系経路のそれに起因する。このような神経変性は、遺 伝的欠損、伝染性感染因子、毒物、免疫系疾患およびその他の未解明の機序に原 因があることが指摘されている。最近の仮説は、これらの遺伝的に明確に異なる 諸疾患の特徴である活性視細胞死(active photoreceptor cell death)が共通 してアポトーシス誘発を介するというものである。 遺伝性眼疾患は、発展途上国における小児失明の主な原因である。これらの多 くは網膜ジストロフィーである。網膜は眼の知覚性被膜であり、光感受性受容体 、ニューロン集合体および色素上皮が明瞭な層を形成して配列している。ヒトで は、黄斑は水晶体の真後ろに位置する網膜の一部である。中心視を担う光受容細 胞である錐体は黄斑内に高度に密集している。周辺網膜は周辺視および暗視視力 を担う杆体によって主に構成される。 網脈絡膜のジストロフィーおよび変性は、そのすべてが現在は不治および治療 不能であり、網膜ジストロフィーの頻度の高い形態である。錐体-杆体網膜ジス トロフィー(CRD)は重症度の高い一例であり、早期失明に至ることが特徴的で ある。色覚および視力の喪失は、中心部および周辺部の網膜での広範にわたる進 行性の網膜色素沈着および網脈絡膜萎縮に伴って生じる。常染色体優性CRDの大 規模な家系の連鎖解析により、本疾患は多型マーカーD19S47と連鎖した第19q染 色体にマッピングされている。中心部とともに周辺部の網膜も侵されるCRDに関 する疾患遺伝子座は、加齢性黄斑変性症(ARMD)にも関与することが示唆されて いる。 遺伝性の周辺網膜症も比較的頻度が高い。例えば、色素性網膜炎(RP)には世 界中でほぼ150万人が罹患している。本疾患には高度の遺伝的不均一性が認めら れ、20カ所を超える染色体座が同定されている。色素性網膜炎に対する素因は、 常染色体優性、常染色体劣性、X連鎖性または二遺伝子性の様式で遺伝しうる。 原因の不均一性にもかかわらず、RPのサブタイプには有意な臨床的類似性がみら れる。共通した徴候および症状には、網膜電図検査での早期の異常、検眼鏡所見 、およびトンネル視の進行性悪化が含まれる。 興味深いことに、マウス変異体であるtubbyは網膜および蝸牛でともに変性を 生じ、このことから両方の感覚経路に共通の要素が存在することが示される。ま た、稀な単遺伝子形態のヒト重症肥満にはしばしば失明および難聴が付随するこ とが観察されているが、その中で特徴が最も詳しく記載されているものはバーデ ット・ビードル症候群(Bardet-Biedl syndrome)およびアルシュトレーム症候 群(Alstrom syndrome)である。これらの疾患の研究を行うことは、それ自体重 要なことであるが、肥満状態をもたらす分子的機序に対する重要な手がかりが得 られる可能性もある。 感覚神経障害の有病率の高さおよび臨床的結末からみて、視覚および聴覚障害 と関連すると考えられるtubbyおよび関連した遺伝子の特徴を分析することには 興味が持たれる。 関連文献 視細胞ジストロフィーに関する概要は、コトリエ(Cotlier)ら(1995)Surv. Ohthalmology 40:51〜61;バード(Bird)(1995)Am.J.Ophtal.119:543〜562お よびアドラー(Adler)(1996)Arch Ophtal. 114:79〜83に見ることができる 。エバンス(Evans)ら(1994)Nature Genetics 6:210〜213は、錐体-杆体網 膜ジストロフィーの遺伝的マッピングに関して記載している。シュガルト(Shug art)ら(1995)Am J Hum Genet. 57:499〜502は、常染色体劣性色素性網膜炎 に関する遺伝子が第6p21染色体上にあるとの詳細な遺伝子マッピングを開示して いる。ベルソン(Berson)(1996)Proc Natl Acad Sci USA 93:4526〜4528は 、色素性網膜炎の文献的考察を行っている。 オーレミラー(Ohlemiller)ら(1995)Neuroreport 6:845〜9およびヘッケ ン リブリー(Heckenlively)ら(1995)P.N.A.S. 92:11100〜11104は、tubbyマウ スにおける聴覚喪失および進行性網膜変性を記載している。この網膜変性は視細 胞の喪失を特徴とし、3週齢までに異常な脳波を生じるようになる。ジョーンズ (Jones)ら(1992)Genomics 14:197〜9は、tubの遺伝子座が第7染色体の特定 の領域に位置し、それがインスリン-2の遺伝子座とは異なることを示している。 サミュエルソン(Samuelson)ら(1995)Genome 6:242〜6には、コレシストキ ニン受容体遺伝子がtub遺伝子座と強く連鎖していることが示されている。コー ルマン(Coleman)およびアイヒャー(Eicher)(1990)J Hered 81:424〜7に は、マウスのtub変異が第7染色体に位置する常染色体劣性変異であり、それによ って発症は緩徐であるが最終的には重症となる肥満が引き起こされることが記載 されている。 ベネット(Bennet)ら(1996)Nature Medicine 2:649は、βPDEをコードす る野生型cDNAを含む組換え複製欠損アデノウイルスをrd/rdマウスに注入するこ とによって視細胞死が遅延することを示している。アデノウイルスベクターは、 エングレハート(Englehardt)ら(1993)Nature Genetics 4:27〜34ならびに ワング(Wang)およびファイナー(Finer)(1996)Nature Medicine 2:714に 記載されている。 発明の概要 網膜および脳において発現される哺乳動物蛋白質ファミリーをコードする核酸 組成物が提供される。この遺伝子ファミリーのメンバーは、蝸牛変性、周辺網膜 変性および錐体-杆体網膜ジストロフィーなどの種々の感覚神経障害と遺伝的に 連鎖している。本核酸組成物は、相同的または関連した蛋白質をコードするDNA 配列の同定、コードされる蛋白質の生産、および関連した生理的経路の検討に用 いられる。さらに、インビボでの遺伝子活性の調節が、感覚神経障害の治療、発 現に基づく網膜細胞の同定などの予防的および治療的な目的のために使用される 。本DNAはさらに、連鎖した感覚神経障害に対する遺伝的素因に関する診断薬と しても用いられる。ファミリーメンバーの一つであるtubは、動物モデルにおけ る成熟期発症型肥満と関連しており、肥満の予防または治療を指向するアッセイ および治療において用いられうると考えられる。図面の簡単な説明 図1は、ヒトおよびマウスTUB遺伝子座でのN末端スプライシングを示している 。 図2Aおよび図2Bは、TULPI[配列番号:12]およびTULP2[配列番号:14]に関 するイントロン/エキソン境界を示している。配列行の上にある矢印はスプライ ス部位を示す。 特定の態様の説明 そのメンバーが感覚ニューロンの種々の障害に関連している、遺伝子ファミリ ーが提供される(TULPファミリー)。連鎖した疾患の中には、蝸牛障害、色素性 網膜炎(RP-14)および複合型錐体-杆体ジストロフィー(CRD)がある。ファミ リーメンバーの一つであるtubも成体発症型肥満に対する遺伝的素因と関連して いる。ヒトおよびマウスcDNAのヌクレオチド配列およびゲノム領域が提供される 。ファミリーメンバー間でコード領域配列はカルボキシ末端では高度に保存され ており、アミノ末端ではさまざまである。 本核酸組成物は、相同的または関連した蛋白質をコードするDNA配列の同定、 コードされる蛋白質の生産、ならびにインビボおよびインビトロでの関連した生 理学的経路の検討に用いられることが判明している。本核酸は、感覚神経障害の 治療、発現に基づく網膜細胞の同定などの診断的、予防的および治療的な目的の ために遺伝子活性を調節する際に有用である。本DNAはさらに、特定の遺伝的に 連鎖した障害に対する遺伝的素因に関する診断薬としても用いられる。 コードされる蛋白質は、TULP発現細胞を特異的に同定する抗体を産生させるた めの免疫原として、感覚神経障害を指向する薬物スクリーニングアッセイにおい て、および治療目的のために有用である。TUB[配列番号:10、1〜139位]のア ミノ末端ドメインは、蛋白質の核局在化を指向することが示されている。 本明細書で用いられる包括的用語である「TULP」または「TULPファミリー」と は、配列表中に提供され、表1において命名される特定の配列を含む遺伝子ファ ミリーを指す。ファミリーとは、TUB、TULP1、TULP2、TULP3およびTULP4までを 含む、1つまたはそれ以上の遺伝子または遺伝子産物を意味する。1つのファミリ ーメンバーとは、TULPファミリーに属する任意の1つの遺伝子である。別に指示 しない限り、配列は哺乳動物由来であり、一般的にはヒト配列を指す。TULP機能 に関す るいくつかの動物モデルでは、例えば線虫(C.elegans)、ショウジョウバエ( D.melanogaster)などの非哺乳動物の相同体に興味が持たれる。種の内部では ファミリーメンバー間での蛋白質のカルボキシ末端部における配列類似性は高く 、アミノ酸レベルでの一致率は通常少なくとも約50%である。tubおよびtulp4で は遺伝子の5'端における選択的エキソンスプライシングによってさまざまな転写 産物が形成される。TULPファミリーのすべてのメンバーは網膜で発現されるが、 すべてのスプライス変異体がそうであるとは限らない。ある場合には、遺伝子は 他の組織中でも発現される。 TULP遺伝子ファミリーのメンバーの例は以下の通りである: 表1 TULPファミリーのメンバー 配列番号 配列 分子 サイズ 1 マウスtub I型のcDNA dsDNA 2119bp 2 上記の翻訳物 アミノ酸 459aa 3 マウスtub II型のcDNA dsDNA 2434bp 4 上記の翻訳物 アミノ酸 505aa 5 tub変異 dsDNA 480bp 6 上記の翻訳物 アミノ酸 33aa 7 ヒトTUB 6型のcDNA dsDNA 1426bp 8 上記の翻訳物 アミノ酸 460aa 9 ヒトTUB 1型のcDNA dsDNA 3060bp 10 上記の翻訳物 アミノ酸 561aa 11 ヒトTUB 5'領域 ゲノムDNA 5995bp 12 ヒトTULP1のcDNA dsDNA 2115bp 13 上記の翻訳物 アミノ酸 542aa 14 ヒトTULP2のcDNA dsDNA 1734bp 15 上記の翻訳物 アミノ酸 520aa 16 ヒトTULP3のcDNA dsDNA 1482bp 17 上記の翻訳物 アミノ酸 442aa 18 マウスTULP4のcDNA dsDNA 1743bp 19 上記の翻訳物 アミノ酸 506aa 56 ヒトTUB 1型;5'RACE ds cDNA 2112bp 57 ヒトTUB 2型;5'RACE ds cDNA 2368bp 58 上記の翻訳物 アミノ酸 518aa 59 ヒトTUB 3型;5'RACE ds cDNA 1936bp 60 上記の翻訳物 アミノ酸 512aa 61 ヒトTUB 4型;5'RACE ds cDNA 1890bp 62 上記の翻訳物 アミノ酸 506aa 63 ヒトTUB 5型;5'RACE ds cDNA 2109bp 64 ヒトTUB 6型;5'RACE ds cDNA 2088bp ヒトおよびマウスtub cDNAの配列ならびにコードされる蛋白質の配列は配列番 号:1から10として提供される。ヒトTUB座の5'側に位置するゲノム領域は配列番 号:11として提供される。ヒトTUB座のスプライス変異体のcDNAおよびコードさ れる蛋白質の配列は配列番号:56から64として提供される。TUBのcDNAスプライ ス変異体は6種類が同定されており、1型から6型と命名される。コードされる蛋 白質は共通のカルボキシ末端配列[配列番号:8]を有するが、アミノ末端配列 はさまざまである。1型から4型は固有のアミノ末端を有し、5型および6型は非翻 訳cDNA配列のみが互いに異なる。 本明細書で用いられるtubとは、コールマンおよびアイヒャー、前記によって 記載されているtub変異の正確な染色***置にマッピングされているコード領域 、遺伝子または遺伝子産物、およびそれらの哺乳動物、特にヒトでの相同体を指 す。ヒトtub遺伝子座は第11染色体の多型マーカーD11S909とD11S1331との間にマ ッピングされている。これは脳、眼および精巣では高レベルに発現されており、 小腸および大腸、卵巣ならびに脂肪組織を含む種々の成体および胎児組織におけ る発現は低レベルである。遺伝子の5'端における選択的エキソンスプライシング によってさまざまな転写産物が形成される。 「tub」または「tubby」という用語は、正常な哺乳動物配列、およびtub表現 型に寄与する変異配列の両方を包含する。tub変異はマウスにおける成熟期発症 型肥 満に対する遺伝的素因をもたらす。また、tub変異は網膜および蝸牛の成体発症 型変性とも関連がある。tub/tubマウスにおける変異は、スプライシング欠損お よび切断型蛋白質を引き起こす1704位でのGからTへの塩基転換である。 ヒトTULP1遺伝子およびその予想される蛋白質産物の配列は配列番号:12〜13 として提供されている。TULP1遺伝子座はRP-14型の色素性網膜炎に対する素因と 関連している。TULP1はヒト第6p21染色体に位置する。TULP1に隣接するD6S439お よびD6S291という2つのマーカーはRP14遺伝子座と組換えを生じないことが、あ るヒト家系において報告されており(Shugartら(1995)Am J Hum Genet. 57:4 99〜502)、このことからTULP1がRP14遺伝子座と強く連鎖していることが示され る。TULP1の発現は網膜に限定される。 家系調査では、TULP1における機能喪失変異が色素性網膜炎と共分離されるこ とが示されている。このような変異には、アミノ酸420位でのArgからProへのア ミノ酸置換を引き起こすエキソン11の点変異[配列番号:13]、およびアミノ酸 491位でのPheからLeuへのアミノ酸置換を引き起こすエキソン12の点変異[配列 番号:13]が非制限的に含まれる。失明と関連する現在知られている多型は、蛋 白質の保存的カルボキシ末端部に位置する。 ヒトTULP2遺伝子およびその予想される蛋白質産物の配列は、配列番号:14〜1 5として提供されている。TULP2の発現は網膜および精巣に限定されている。成体 組織における網膜での発現は比較的軽度である。TULP2遺伝子座は、中心および 周辺網膜の早期網脈絡膜萎縮を引き起こす疾患である複合型杆体錐体ジストロフ ィーに対する遺伝的素因と関連している。TULP2は、CRDに関して報告されている 連鎖区間内部にマッピングされている第19q染色体上のフレームワークマーカーW I-9028と強く連鎖している。杆体錐体ジストロフィーに関する遺伝子座はD19S21 2とD19S214との間にマッピングされている。 ヒトTULP3およびその予想される蛋白質産物の配列は配列番号:16〜17として 提供されている。ヒトTULP3遺伝子は、染色体12p13.2〜12p13.3にマッピングさ れている。この遺伝子は網膜で発現する。 マウスtulp4およびその予想される蛋白質産物の配列は配列番号:18〜19とし て提供されている。遺伝子の5'端での選択的エキソンスプライシングによってさ ま ざまな転写産物が形成される。ヒト染色体上でのTULP4のシンテニーの位置は19q である。 TULP 核酸組成物 TULP蛋白質をコードする核酸は、cDNA、mRNAもしくはゲノムDNA、またはそれ らの断片でありうる。「遺伝子」という用語は、表1に例示したような特定のTUL Pポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームのほかに、いずれか の方向に転写された隣接5'および3'非コードヌクレオチド配列も意味するものと する。遺伝子にはさらに、転写領域に隣接した非転写調節領域も含まれうる。染 色体外での維持のため、または宿主に組み込むために遺伝子を適当なベクター中 に導入してもよい。 本明細書で用いられる「cDNA」という用語は、天然型の成熟mRNA種において認 められる配列要素の配列を共有するすべての核酸を含むものとし、ここで配列要 素とはエキソン、5'非コード領域および3'非コード領域である。通常、mRNA種は 介在するイントロンが除去された隣接したエキソンを有し、連続したオープンリ ーディングフレームが形成されている。 ゲノムTULP配列は、イントロンによってコード領域が分断された非連続的なオ ープンリーディングフレームを有する。関心対象のゲノム配列は、一覧に示した 配列中に規定されている通り、開始コドンと終止コドンとの間に、天然の染色体 に通常存在するすべてのイントロンを有する核酸を含む。これはさらに、成熟mR NA中に認められる3'および5'非翻訳領域を含んでもよい。これはさらに、コード 領域の5'または3'端のいずれかに約5kbの隣接ゲノムDNAを含む、プロモーター、 エンハンサーなどの特定の転写および翻訳の調節配列を含んでもよい。ゲノムDN Aは、50kbpまたはそれ未満の断片として単離することができる。好ましいゲノム 配列は、天然の染色体中ではTULPと連鎖しているもののTULP遺伝子の生物学的機 能には寄与しない配列を欠失していると考えられる。 関心対象のゲノム領域には、TULPファミリー遺伝子に対して5'側に位置する、 通常は約1000から6000bpの配列である非転写配列が含まれる。DNAのこの領域は 、連鎖したTULP遺伝子の発現を指向する天然のプロモーター要素を含む。ヒトTU B遺伝子座に対して5'側に位置する非転写領域は配列番号:11に提供されている 。こ の配列の3'部分[配列番号:11のnt.5535からnt.5995まで]は転写されるが、翻 訳はされない。この'5領域の配列は、TUBが発現される組織中での発現を提供す る、エンハンサー結合部位を含むプロモーター要素のために利用される。この組 織特異的発現は、発現パターンを決定するため、および天然型の発現パターンを 模倣するプロモーターを提供するために有用である。転写因子の結合に関与する 特異的なDNAモチーフを同定するための方法は当技術分野で公知であり、例えば 既知の結合モチーフとの配列類似性、ゲルシフト(gel retardation)試験など がある。例えば、ブラックウェル(Blackwell)ら(1995)Mol Med1:194〜205 ;モルトロック(Mortlock)ら(1996)Genome Res. 6:327〜33、ならびにジ ョーリン(Joulin)およびリチャード-フォイ(Richard-Foy)(1995)Eur J Bi ochem 232:620〜626を参照されたい。 本発明の核酸組成物は、主題ポリペプチドの全体または一部をコードする。DN A配列の断片は、従来の方法に従ったオリゴヌクレオチドの化学合成、制限酵素 による消化、PCR増幅などによって入手することができる。DNA断片は概ね少なく とも25ntであり、通常は少なくとも30ntであり、より一般的には少なくとも約50 ntであると考えられる。このような小さなDNA断片は、PCR、ハイブリダイゼーシ ョンスクリーニングなどのためのプライマーとして有用である。より大きなDNA 断片、すなわち100ntを超えるものは、コードされるポリペプチドの断片を産生 するために有用である。 遺伝子ファミリーの中の1つのメンバーを他のメンバーと区別するためのプロ ーブまたはプライマーを作製することが望ましい場合には、配列は遺伝子のうち 保存度が低い領域に由来するものであってもよい。このような配列は、TULPファ ミリーcDNA配列のそれぞれの約1000bpの3'端を含む。相同遺伝子または複数のフ ァミリーメンバーを同定するために有用なプローブは、TULPファミリーcDNA配列 のそれぞれの5'側のおおよそ500〜1000bpを含む、遺伝子の保存領域に由来する ものでよい。 PCRなどの増幅反応に用いるためには、一対のプライマーが用いられると考え られる。プライマー配列の正確な組成は本発明にとって極めて重要ではないが、 大部分の用途に関して、プライマーは当技術分野で既知のストリンジェントな条 件 下で本配列とハイブリダイズすると考えられる。少なくとも約50nt、好ましくは 少なくとも約100ntの増幅産物を生じると思われる一対のプライマーを選択する ことが好ましい。プライマー配列を選択するためのアルゴリズムは一般的に知ら れており、市販のソフトウエアパッケージとして入手可能である。増幅プライマ ーはDNA相補鎖とハイブリダイズし、互いの方向への起始点となる。 DNA配列は、一般的には完全な哺乳動物染色体の配列以外の配列として、かな り高い純度で得られる。通常、このDNAは、一般には少なくとも約50%、通常は 少なくとも約90%純粋であって典型的には「組換え体」である、すなわち天然の 染色体には通常は付随しない1つまたはそれ以上のヌクレオチドが隣接したもの であって、TULP配列またはその断片を含まない他の核酸配列を実質的に含まずに 得られると考えられる。 本DNA配列は種々の方式において用いられうる。それらを、新規ファミリーメ ンバー、相同体およびシンテニー相同体(syntenic homolog)を含む他のTULP遺 伝子を同定するためのプローブとして用いてもよい。TULP相同体の同定は、配列 の類似性、染色体シンテニーまたはその両方に基づく。相同性という用語は、構 造が類似しており、生物機能が保存されていることを示すために用いられる。核 酸またはアミノ酸の配列の同一性の算出により、以下に記載する通り、本明細書 で「相同体」と記される相同的または関連した遺伝子を同定するための簡便な方 法が提供される。このような相同体は、同一ゲノム中に存在する遺伝子ファミリ ーのメンバーであってもよく、異なる種に由来する対応する遺伝子であってもよ い。比較するゲノム間、例えば哺乳動物種の間などに十分な進化的保存性がみら れる場合には、染色体シンテニーを用いて相同遺伝子同士をさらに区別すること もできる。「シンテニー相同体」は、参照遺伝子との配列同一性を有し、かつ密 接に連鎖した遺伝子との関連からみて対応する染色体上の位置に存在する。シン テニー相同体は、遺伝子発現の空間的および時間的局在性、ならびに等価な生物 学的役割を満たすコード蛋白質を共有している可能性が高い。 哺乳動物相同体は、本配列とのかなり高い配列類似性を有しており、すなわち 、表1に一覧を示した本TULP配列のアミノ酸またはヌクレオチド配列との配列同 一性が50%を超える。配列類似性は、保存的モチーフ、コード領域、隣接領域な ど のより大きな配列のサブセットであるような参照配列に基づいて算出される。参 照配列の長さは通常は少なくとも約18ntであり、より一般的には少なくとも約30 ntであり、比較される完全な配列の長さを有していてもよい。配列解析のための アルゴリズムは、当技術分野で公知であり、アルトシュル(Altschul)ら(1990 )J Mol Biol 215:403〜10に記載されているBLASTなどがある。 配列類似性を有する同一でない核酸は、例えば50℃および10×SSC(0.9M生理 食塩水/0.09Mクエン酸ナトリウム)で処理し、55℃で1×SSCでの洗浄を行って 結合が残存するような、ストリンジェンシーの低い条件下でのハイブリダイゼー ションによって検出される。プローブ、特に標識されたDNA配列のプローブを用 いることにより、相同的または関連した遺伝子を単離することができる。相同遺 伝子の供給源は、例えば霊長類種、特にヒト、ラットおよびマウスなどのネズミ 類、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマなどの任意の哺乳動物種であってよい。 ハイブリダイゼーション用プローブには、安定性および結合親和性を改善する ために核酸類似体を用いることが望ましいと考えられる。ホスホジエステル骨格 、糖または複素環式塩基の化学構成を変更するための多くの修飾が記載されてい る。 骨格の化学面における有用な変化の中には、ホスホロチオエート、非架橋性酸 素が両方とも硫黄で置換されたホスホロジチオエート、ホスホロアミダイト、ア ルキルリン酸トリエステルおよびボラノリン酸(boranophosphate)がある。非 キラル性リン酸誘導体には、3'-0'-5'-S-ホスホロチオエート、3'-S-5'-0'-ホス ホロチオエート、3'-CH2-5'-0-ホスホネートおよび3'-NH-5-0-ホスホロアミダイ トが含まれる。ペプチド核酸は、ホスホジエステル骨格のすべてをペプチド結合 によって置換する。 安定性および親和性を高めるためには糖修飾も用いられる。天然のb-アノマー に関して塩基が転化している、a-アノマー型のデオキシリボースを用いてもよい 。リボース糖の2'-OHを変化させて、親和性を生じさせずに分解に対する耐性を 提供する2'-0-メチルまたは2'-0-アリル糖にしてもよい。 複素環式塩基の修飾では、適当な塩基対形成を維持する必要がある。いくつか の有用な置換には、デオキシウリジンによるデオキシシチジンの置換、5-メチル -2'-デオキシシチジンおよび5-ブロモ-2'-デオキシシチジンによるデオキシシチ ジンの置換が含まれる。それぞれ5-プロピニル-2'-デオキシウリジンおよび5-プ ロピニル-2'-デオキシシチジンによってデオキシチミジンおよびデオキシシチジ ンを置換した場合には、親和性および生物活性が高まることが示されている。 核酸プローブを、例えば網膜細胞などの生物標本における遺伝子発現を同定す るために用いることもできる。ゲノムDNAまたはRNAのような特定のヌクレオチド 配列の存在に関して細胞を探索する際の様式は文献中に明確に記載されており、 本明細書で詳細に記載するには及ばない。生物標本はmRNAの供給源として用いら れる。逆転写酵素を用いて相補的DNA鎖を形成し、続いて本DNA配列に対して特異 的なプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応による増幅を行うRT-PCRによって mRNAを増幅してもよい。または、mRNA試料は、例えばキャピラリー電気泳動また はゲル電気泳動などの電気泳動によって分画し、ニトロセルロースなどの適当な 支持体に移行させ、続いて本DNAの断片をプローブとして用いて探索される。オ リゴヌクレオチド連結アッセイ、固相アレイに対する結合などを含むその他の技 法も用いられる。本配列を有するmRNAが検出されることは、試料中にTULP遺伝子 が発現していることの指標となる。 多くの正常細胞種では転写の基礎レベルが低いこと、または比較的稀な細胞種 で高レベルの発現が生じていても全組織から調製されたmRNAでは容易に検出しえ ない可能性があることは、当業者には理解されると思われる。特異的な発現とは 、mRNAレベルがその他の細胞で認められる基礎レベルの少なくとも約100倍、よ り一般的には少なくとも約1000倍に増加することを意味する。さらに、悪性また は形質転換した細胞が遺伝子を異常な様式で発現することも理解されると思われ る。 TULP 蛋白質の合成 本遺伝子を、TULP蛋白質の全体または一部を製造するために用いることもでき る。発現のために、コード領域が転写開始領域の転写制御下にあるような誘導性 または構成性のいずれでもよい転写および翻訳開始領域、ならびに転写および翻 訳終結領域が提供されるような発現カセットを用いてもよい。発現宿主において 機能的なさまざまな転写開始領域を使用することができる。例えば遺伝子治療ベ クターなどのいくつかの場合には、上記のような天然型プロモーター配列を用い ることが望ましいと考えられる。 発現の目的に応じて、従来の方法に従って、原核生物または真核生物において ペプチドを発現させることもできる。蛋白質の大規模生産のためには、大腸菌、 枯草菌、酵母などの単細胞生物、または例えばCOS7細胞などの、脊椎動物、特に 哺乳動物などの高等生物の細胞を発現宿主細胞として用いることもできる。多く の状況では、蛋白質が天然型の折りたたみおよび翻訳後修飾により有益となるよ うな遺伝子を哺乳動物細胞において遺伝子を発現させることが望ましいと考えら れる。低分子ペプチドを研究室で合成することも可能である。 発現宿主を用いて蛋白質を大量に入手しうる場合には、従来の方法に従って蛋 白質を単離および精製することもできる。溶解物は発現宿主から調製することが でき、溶解物はHPLC、排除クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、アフィニティク ロマトグラフィー、または他の精製法を用いて精製される。精製された蛋白質は 一般に少なくとも約80%の純度を有し、好ましくは少なくとも約90%の純度を有 し、100%の純度までを含むことが可能である。純粋とは、その他の蛋白質や細 胞片を含まないことを意味するものとする。 宿主は、感覚神経および/または肥満に関連した疾患を調節または軽減するた めに、完全なTULP蛋白質またはその活性断片で処理することができる。望ましく は、ペプチドは、免疫応答、特に抗体産生応答を誘導しないものである。免疫応 答を引き起こさずに治療効果を提供する能力に関して異種類似体をスクリーニン グしてもよい。蛋白質またはペプチドをインビトロ細胞培養物に投与してもよい 。 投与には種々の方法が用いられうる。ポリペプチド製剤を経口投与してもよく 、静脈内、皮下、腹腔内などに注入してもよい。治療用製剤の用量は、疾患の性 質、投与の頻度、投与の様式、薬剤の宿主からの排出などに応じてさまざまに変 更しうると考えられる。初回用量を増やして、その後の維持用量を減らすことも できる。薬剤の投与は週1回または隔週1回のように時折でもよく、有効用量レベ ルを維持するために低用量に分割して毎日、週2回などの形で投与してもよい。 多くの場合、経口投与では静脈内投与の場合よりも高用量が必要である。経口投 与 時の安定性をさらに高めるために、アミド結合のほか、アミノ末端およびカルボ キシ末端を修飾してもよい。 本ペプチドを、例えば生理食塩水、PBSなどの薬学的に許容されうる媒体中に 薬理学的有効量を含む製剤として調製することもできる。添加剤には殺菌剤、安 定剤、緩衝液などを含めてよい。本ペプチドまたは本ペプチド複合体の半減期を 延長させるために、ペプチドをカプセル内に封入する、リポソーム内に導入する 、コロイドとして調製する、またはペプチドの寿命を延長させるような別の従来 の技法を用いることができる。 ペプチドを他の薬理学的に活性な薬剤とともに併用療法として投与してもよい 。追加する薬剤は、別々に投与することも、ペプチド組成物と同時に投与するこ ともでき、同一製剤中に含めることもできる。 本ポリペプチドは、短い断片が特定モチーフに特異的な抗体を提供し、長い断 片または蛋白質全体がポリペプチドの表面全体にわたる抗体の産生を可能にする ような抗体の製造のために用いられる。抗体は野生型または変異型のTULP蛋白質 に対して産生させることができる。例えば、TULP遺伝子を発現している細胞によ る免疫化、膜内に挿入されたTULP蛋白質を有するリポソームによる免疫化などに よって、これらのドメインに対応する単離ペプチドまたは天然型蛋白質に対する 抗体を産生させてもよい。 発現されたポリペプチドまたは蛋白質が、それ自体または例えばKLH、pre-S H BsAg、他のウイルス性もしくは真核生物性の蛋白質などの既知の免疫原性担体と の複合体の形成によって免疫原として用いられるような、従来の方法に従って抗 体を調製する。一連の注射が行われるような、種々のアジュバントを適宜用いる ことができる。モノクローナル抗体については、1回またはそれ以上の追加免疫 注射を行った後に、牌臓を単離して、細胞融合によってリンパ球を不死化し、続 いて高親和性の抗体結合に関してスクリーニングを行う。続いて、所望の抗体を 産生する不死化細胞、すなわちハイブリドーマを増殖させてもよい。より詳細な 記載については、モノクローナル抗体:実験マニュアル(Monoconal Antibodies :A Laborarory Manual) 、ハーロウ(Harlow)およびレーン(Lane)編、Cold Spring Harbor Laboratories、Cold Spring Harbor、New York、1988を参照され た い。必要に応じて、抗体の親和性をさらに高めるために、重鎖および軽鎖をコー ドするmRNAを単離し、大腸菌内でのクローニングによる変異誘発を施して重鎖お よび軽鎖を混合してもよい。抗体産生のための方法としてのインビボ免疫化に対 する代替法には、通常はインビトロ親和性成熟(affinity maturation)ととも に行われる、ファージ「ディスプレイ」ライブラリーに対する結合が含まれる。 診断的用途 本組成物は、単離されたファミリーメンバーとして、または一連の異なる配列 として、数多くの診断的用途を有する。TULP遺伝子およびそれらの断片、コード される蛋白質、ならびに抗TULP抗体は、蝸牛変性および聴覚喪失、色素性網膜炎 、複合型杆体錐体ジストロフィーなどの感覚神経変性疾患に対する素因を持つ個 体の同定に有用である。この特徴分析は、患者に対する今後の治療を決定する際 に有用である。診断目的のために関心が持たれる配列には、上記の分子の保存さ れた部分が非制限的に含まれる。保存領域は、配列の類似性およびイントロン/ エキソン構造の保存によって同定される。 具体的には、TULP1は周辺網膜ジストロフィーと関連している。ヒトでは、TUL P1はRP-14遺伝子座と強く連鎖している。動物モデルでは、TUBは網膜変性および 蝸牛変性と関連している。TULP2は複合型錐体-杆体ジストロフィーと関連してい る。ヒトではTULP2はCRD遺伝子座と強く連鎖している。 家系調査では、TULP1における機能喪失変異は色素性網膜炎と共分離されるこ とが示されている。このような変異には、第420アミノ酸のArgからProへのアミ ノ酸置換を引き起こすエキソン11の点変異[配列番号:13]、および第491アミ ノ酸のPheからLeuへのアミノ酸置換を引き起こすエキソン12の点変異[配列番号 :13]が非制限的に含まれる。 TUB核酸および蛋白質は、肥満に関連した診断的用途のためにも有用である。t ubby変異を有するマウスでは、食物摂取の増加よりもむしろ代謝速度の加齢に伴 う低下が体脂肪の蓄積をもたらす。体脂肪の蓄積、ならびに糖尿病および動脈硬 化症などの合併症の重症度は、遺伝的および環境的な因子によって改変すること ができる。この遺伝子は視床下部で発現し、脳の満腹中枢におけるシグナル伝達 の構成要素であると考えられている。肥満に対する遺伝的素因をもたらすTUB変 異 は、本TUB配列の使用によって決定しうると考えられる。 1つまたはそれ以上の感覚神経陣害を有する患者から得たDNAを、TULP遺伝子に おける素因となる変異の有無に関して分析する。診断は、関心対象の変異が家族 における疾患表現型と共分離されるか否かを決定するための家系調査とともに実 施してもよい。 コードされた遺伝子産物の活性または発現に影響を及ぼす変異型TULP配列の存 在により、疾患に対する感受性が増加する可能性がある。関心対象の特定の変異 には、例えば網膜変性などの感覚神経障害につながる、コード領域配列、スプラ イシングに影響を及ぼすイントロン、蛋白質の活性および発現に影響を及ぼすプ ロモーターまたはエンハンサーにおける挿入、置換および欠失を含むあらゆる変 異が含まれる。 比較のため、およびアッセイ対照として、表1に記載された通りの「正常」TUL P配列を配列表中に提供する。正常配列には、例えば「第3ポジション(third po sition)」変化などの遺伝子の発現レベルに影響を及ぼさない非コード領域にお ける配列変異体、アミノ酸配列を変化させないコード領域変異体、およびアミノ 酸配列の変化は生じるものの正常蛋白質の機能の実質的にすべてが維持される変 化が含まれることが理解される必要がある。 コード領域または対照領域における候補となる変異が疾患に対する素因となる か否かを決定するために生化学試験を実施することもできる。例えば、候補とな るTULP蛋白質の活性を野生型蛋白質の活性と比較してもよい。発現をダウンレギ ュレートするようなプロモーターまたはエンハンサー配列における変化も感覚神 経障害に対する素因をもたらす。候補となる変異型対立遺伝子と正常対立遺伝子 の発現レベルの比較は当技術分野で既知の種々の方法によって行われる。プロモ ーターまたはエンハンサーの強さを決定するための方法には、発現された天然の 蛋白質の定量化、好都合な定量化が提供されるβ-ガラクトシダーゼ、クロラム フェニコールアセチルトランスフェラーゼなどのレポーター遺伝子を有するベク ターへの変異型調節要素の挿入などが含まれる。 関心対象の網膜ジストロフィーには、色素性網膜炎、複合型錐体杆体ジストロ フィー、加齢性黄斑ジストロフィー、スタルガルト黄斑ジストロフィー、ベスト 病、色素模様ジストロフィー(pigment pattern dystrophy)、中心輪紋状脈絡 膜ジストロフィー、優性ドルーゼン、遺伝性出血性黄斑ジストロフィー、ノース カロライナ(North Carolina)黄斑ジストロフィー、中心周囲脈絡膜ジストロフ ィー、成人性中心窩黄斑ジストロフィー(adult foveomacular dystrophy)、良 性同心性輪状黄斑ジストロフィー、中心乳暈性色素上皮ジストロフィー(centra l aureolar pigment epithelial dystrophy)、先天性黄斑欠損症、優性遺伝型 嚢胞状黄斑浮腫、家族性中心窩網膜分離症、有窓光沢性黄斑ジストロフィー(fe nest rated sheen macular dystrophy)、進行性中心窩ジストロフィー、緩徐進 行性黄斑ジストロフィー、ソールズビー(Sorsby)偽炎症性ジストロフィー、進 行性錐体ジストロフィー、レーバー(Leber)先天性黒内障およびゴールドマン- ファーブル(Goldman-Favre)症候群が含まれる。 個体における素因となる変異の存在を決定するためには多くの方法が用いられ る。検査を受ける個体または複数の個体の血液、毛幹、唾液、粘液、生検材料、 大便などの任意の有核細胞供給源からゲノムDNAを単離する。大量のDNAが入手可 能である場合には、ゲノムDNAをそのまま使用してよい。または、関心対象の領 域を適切なベクター中にクローニングして、分析のために十分な量になるまで増 殖させるか、従来の技法によって増幅する。TULP遺伝子を発現する網膜細胞など の細胞をmRNAの供給源として用いることもでき、それを直接アッセイするか、ま たは分析のためにcDNAに逆転写することもできる。 少なくとも約105個の細胞を用いることが好都合であるが、PCR増幅を用いる方 法を単一細胞からのDNAに対して実施することも可能である。増幅反応に検出可 能な標識を含めてもよい。適切な標識には、例えばフルオレセインイソチオシア ネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン、アロフィコ シアニン、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)、2',7'-ジメトキシ-4',5'-ジ クロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX )、6-カルボキシ-2',4',7',4,7-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、5-カル ボキシフルオロセイン(5-FAM)またはN,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシロ ーダミン(TAMRA)などの蛍光色素、例えば32P、35S、3Hなどの放射性標識など が含まれる。標識は、増幅されたDNAを例えばアビジン、特異的抗体などの高親 和性結合 の相手を持つビオチン、ハプテンなどと結合させ、結合相手が検出可能な標識と 結合しているような2段階系であってもよい。標識を一方または両方のプライマ ーと結合させてもよい。または、増幅産物に標識が組み込まれるように、増幅に 用いるヌクレオチドの集団(pool)に標識が施される。 その存在を明らかにするために、サザンブロット法、ドットブロット法などに よって変異型配列とのハイブリダイゼーションを用いてもよい。対照および変異 型の配列の、米国特許第5,445,934号または国際公開公報第95/35505号に記載さ れている固体支持体上に固定されたオリゴヌクレオチドプローブのアレイに対す るハイブリダイゼーションパターンを、変異型配列の存在を検出するための手段 として用いることもできる。本発明の1つの態様において、アレイ上の離散的位 置が、1つまたはそれ以上のTULP蛋白質をコードするmRNAまたはゲノムDNAの少な くとも一部に対して相補的であるようなオリゴヌクレオチドのアレイが提供され る。このようなアレイは、そのそれぞれがTULPファミリーメンバーの1つに由来 するmRNA、cDNA、ゲノムDNAなどの核酸と特異的にハイブリダイズする一連のオ リゴヌクレオチドを含むことができる。完全なアレイは、TUBのスプライス変異 体を含むTULPファミリーメンバーのすべてを含むと考えられる。野生型の配列お よび多型を提示してもよい。例えば、ハシア(Hacia)ら(1996)Nature Geneti c s 14:441〜447;ロックハルト(Lockhart)ら(1996)Nature Biotechnol. 14 :1675〜1680、およびデ・リシ(De Risi)ら(1996)Nature Genetics 14:457 〜460を参照されたい。 DNA配列の変化によって生じるコンフォメーション変化を電気泳動移動度の変 化として検出するためには、一本鎖コンフォメーション多型(SSCP)解析、変性 勾配ゲル電気泳動法(DGGE)およびゲル基質中でのヘテロ二本鎖解析が用いられ る。ジデオキシ法または他の方法によって増幅またはクローニングされた断片の 配列を決定することもでき、塩基配列を正常配列と比較することもできる。変異 を検出する手段としてオリゴヌクレオチド連結を用いる種々の方法が当技術分野 では既知であり、これについてはライリー(Riley)ら(1990)N.A.R. 18:2887 〜2890およびデラハンティ(Delahunty)ら(1996)Am .J.Hum.Genet. 58:12 39〜1246を参照されたい。または、素因となる変異が制限酵素のための認識部位 を 創出または破壊する場合には、断片をエンドヌクレアーゼによって消化し、その 断片が消化されたか否かを決定するために産物サイズを分画する。分画は、ゲル 電気泳動、特にアクリルアミドまたはアガロースゲルによって実施される。 スクリーニング用イムノアッセイにおいて、TULP多型に特異的な抗体を用いる こともできる。TULP蛋白質の減少もしくは増加および/または疾患に関連した多 型の存在は、候補となる感覚神経障害がTULPに関連していることの指標となる。 TULPに関連した感覚神経障害を有する疑いのある患者から採取した患者試料をイ ムノアッセイに用いることもできる。本明細書で用いられる試料には、血液、脳 脊髄液、涙液、唾液、リンパ液、透析液などの生物体液、臓器または組織培養物 に由来する液体、および生理的組織から抽出された液体が含まれる。また、この 用語には、このような液体の誘導体および分画も含まれる。 診断は多くの方法によって実施しうる。さまざまな方法はいずれも、素因とな る多型を有する疑いのある患者細胞における正常もしくは異常なTULP蛋白質の有 無または量の変化を決定するものである。例えば、検出には、従来の方法に従っ て実施される細胞または組織切片の染色を用いてもよい。関心対象の抗体を細胞 試料に添加し、エピトープと結合するために十分な期間、通常は少なくとも約10 分間にわたってインキュベートする。抗体に、放射性同位体、酵素、蛍光剤、化 学発光剤または直接検出のためのその他の標識物による標識を施してもよい。ま たは、シグナルを増幅するために第2段階の抗体または試薬が用いられる。この ような試薬は当技術分野では周知である。例えば、一次抗体をビオチンと結合さ せて、西洋ワサビペルオキシダーゼと結合したアビジンを第2段階の試薬として 添加することもできる。最終的な検出には、ペルオキシダーゼの存在下で色調が 変化する基質を用いる。抗体結合の有無は、解離細胞のフローサイトメトリー、 顕微鏡、X線撮影、シンチレーション計数などを含むさまざまな方法によって決 定することができる。 診断のための代替的な方法は、溶解物中での抗体とTULP蛋白質との結合のイン ビトロ検出に依存する。試料またはその分画におけるTULP蛋白質結合の濃度の測 定は種々の特異的アッセイによって達成される。従来のサンドイッチ型アッセイ を用いてもよい。例えば、サンドイッチアッセイでは最初にTULP特異的抗体を不 溶性の表面または支持体に対して付着させる。その他のイムノアッセイも当技術 分野で既知であり、診断法として用いうる。オクタロニープレートは抗体結合の 簡便な決定手段を提供する。望ましいTULP蛋白質に特異的な検出系を用い、好都 合にはサンドイッチアッセイに関して記載されているような標識法を用いて、蛋 白質ゲルまたはフィルター上の蛋白質スポットに対してウエスタンブロット法を 実施することもできる。 TULP 遺伝子発現の調節 TULP遺伝子は、例えば発生的および組織特異的な発現パターンの決定における 発現の解析のため、ならびにインビトロおよびインビボでの発現の調節のために 有用である。発現の調節(modulation)は、網膜、視床下部などの特定の標的組 織において、所望のTULP遺伝子をアップレギュレートするため、または例えば疾 患に関連するような望ましくないTULP遺伝子をダウンレギュレートするために用 いることもできる。 特に関心が持たれるものは、例えば網膜下注射、眼内インプラントなどの眼内 への遺伝子送達である。治療用遺伝子は、例えばプラスミドまたはウイルスベク ターなどの適切なベクターを介して送達される。当技術分野で既知のウイルスベ クターには、モロニー白血病ウイルスおよびヒト免疫不全症ウイルスなどの改変 されたレトロウイルスゲノムが含まれる。典型的には、レトロウイルスベクター には、挿入されたTULP遺伝子のパッケージング、組み込みおよび発現のために必 要なウイルス配列が含まれる。ベクターは、ウイルス産生性感染のために必要な ウイルス蛋白質をコードする能力において「欠損性」である。複製のためには、 感染サイクルの完了に必要なgag、polおよびenv蛋白質を提供するパッケージン グ細胞系における増殖が必要である。また、リー(Li)ら(1994)Invest .Opht halmol.Vis.Sci. 35:2543〜2549およびベネット(Bennet)ら、前記に記載さ れているようなアデノウイルスベクターにも関心が持たれる。適切な宿主細胞へ の遺伝子の導入のために、マイクロインジェクション、融合などを用いることも できる。例えば、ダーワン(Dhawan)ら(1991)Science 254:1509〜1512およ びスミス(Smith)ら(1990)Molecular and Cellular Biology 3268〜3271を参照さ れたい。 発現ベクターは、機能的mRNAを産生するように配向した転写開始領域を有する と考えられる。天然の転写開始領域を用いることも、または外因性の転写開始領 域を用いることもできる。インビトロ組換え法により、または配列の染色体への 相同的組み込みの結果として、プロモーターを導入することもできる。b-アクチ ンプロモーター、SV40初期および後期プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス プロモーター、レトロウイルスLTR、メタロチオネイン反応要素(MRE)、テトラ サイクリン誘導性プロモーター構築物などを含む多くの強力なプロモーターが当 技術分野では既知である。 発現ベクターは一般に、核酸配列を挿入するためにプロモーター配列の付近に 配置された好都合な制限部位を有する。転写開始領域標的、標的遺伝子またはそ の断片、および転写終結領域を含む転写カセットを調製してもよい。転写カセッ トは、通常は少なくとも約1日の期間、より一般的には少なくとも約数日から数 週間の期間にわたって、ベクターが一時的または安定的に細胞内で維持されるよ うな、例えばプラスミド、レンチウイルスなどのレトロウイルス、アデノウイル スなどのさまざまなベクター中に導入することができる。 アンチセンス分子は、細胞内でのTULP遺伝子の発現をダウンレギュレートする ために用いられる。アンチセンス試薬は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(OD N)、特に天然型核酸からの化学修飾を有する合成ODN、またはそのようなアンチ センス分子をRNAとして発現する核酸構築物でありうる。アンチセンス配列は標 的遺伝子のmRNAに対して相補的であり、標的遺伝子産物の発現を阻害する。アン チセンス分子は、例えば翻訳に利用しうるmRNAの量の減少、RNAse Hの活性化、 または立体障害などのさまざまな機序を介して遺伝子発現を阻害する。1つのア ンチセンス分子、または2つもしくはそれ以上の異なる配列を含むようなその混 合物を投与することができる。 アンチセンス分子は、アンチセンス鎖がRNA分子として産生されるように転写 開始が配向されている適切なベクター中での、標的遺伝子配列の全体または一部 の発現によって産生されうる。または、アンチセンス分子は合成オリゴヌクレオ チドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは一般に少なくとも約7、 通常は少なくとも約12、より一般的には少なくとも約20ヌクレオチドであり、か つ約 500ヌクレオチド以下、通常は約50ヌクレオチド以下、より一般的には約35ヌク レオチド以下の長さであり、その長さは阻害効率、特に交差反応性がないことな どを含む特異性などによって規定される。長さ7〜8塩基の短いオリゴヌクレオチ ドは、遺伝子発現の強力かつ選択的な阻害剤となりうることが明らかになってい る(Wagnerら(1996)Nature Biotechnology 14:840〜844)。 内因性センス鎖mRNA配列の特定の1つの領域または複数の領域が、アンチセン ス配列によって相補されるように選択される。オリゴヌクレオチドに関する特異 的な配列の選択には、いくつかの候補となる配列がインビトロまたは動物モデル で標的遺伝子の発現を阻害することに関してアッセイされるような経験的な方法 を用いてもよい。mRNA配列のいくつかの領域がアンチセンス相補性に関して選択 された、配列の混合物を用いてもよい。 アンチセンスオリゴヌクレオチドを、当技術分野で既知の方法によって化学合 成することもできる(Wagnerら(1993)前記、およびMilliganら、前記を参照) 。好ましいオリゴヌクレオチドは、細胞内での安定性および結合親和性を高める ために天然のホスホジエステル構造に対して化学修飾を施されたものである。こ のような修飾については、プローブの使用に関してすでに考察している。 遺伝子発現を阻害するために、アンチセンス阻害剤の代替物として、例えばリ ボザイム、アンチセンス複合体などの触媒性核酸化合物を用いてもよい。リボザ イムはインビトロで合成して患者に投与してもよく、発現ベクター上にコードさ れていて標的細胞内でそれからリボザイムが合成されてもよい(例えば、国際特 許出願・国際公開公報第9523225号、およびBeigelmanら(1995)Nucl .Acids Re s 23:4434〜42を参照)。触媒活性を有するオリゴヌクレオチドの例は国際公開 公報第9506764号に記載されている。mRNA加水分解を媒介する能力を有する、例 えばテルピリジルCu(II)などの金属複合物とアンチセンスODNとの複合体は、バ シュキン(Bashkin)ら(1995)Appl Biochem Biotechnol 54:43〜56に記載され ている。 TULP の生物機能に関するモデル 本核酸は、遺伝的に改変された非ヒト動物、または細胞系列における部位特異 的遺伝子改変を作製するために用いられる。「トランスジェニック」という用語 は、TULP遺伝子の欠失もしくはその他のノックアウトを有する、または宿主細胞 内に安定的に伝達された外因性TULP遺伝子を有するような、遺伝的に改変された 動物を包含するものとする。TULP遺伝子座が変化する相同組換えによってトラン スジェニック動物を作製することもできる。または、核酸構築物がゲノム中に無 作為に組み込まれる。安定的組み込みのためのベクターには、プラスミド、レト ロウイルスおよびその他の動物ウイルス、YACなどが含まれる。特に関心が持た れるのは、例えばウシ、ブタ、ヤギ、ウマなど、および特にラット、マウスなど の齧歯類といったトランスジェニック哺乳動物である。 遺伝子機能の検討に、特に、生物的および遺伝的に詳しく特徴が示されている 線虫、ショウジョウバエおよび酵母などの生物体を用いる非哺乳動物モデルを使 用してもよい。例えば、TULP遺伝子の線虫相同体、例えばtub(f10b5.4)へのト ランスポゾン(Tcl)挿入が行われる。TULPの機能に関与する生理的および生化 学的経路を明らかにするために、本遺伝子配列を用いて既定の遺伝的障害をノッ クアウトまたは相補してもよい。多くのヒト遺伝子が、下等真核生物における変 異を相補することが示されている。相補性試験と組み合わせて薬物スクリーニン グを行ってもよい。多くの哺乳動物遺伝子には酵母および下等動物における相同 体が存在する。このような相同体の生理的役割および他の蛋白質との相互作用を 検討することにより、生物機能の理解促進が可能となる。遺伝的相補性に基づく モデル系に加えて、酵母は、チエン(Chien)ら(1991)P.N.A.S. 88:9578〜95 82に記載されたツーハイブリッドシステムを介して蛋白質-蛋白質相互作用を検 討するための強力なツールであることが示されている。 改変された細胞または動物は、TULPの機能および調節の研究において有用であ る。例えば、さまざまなドメインの機能的役割を決定するために、一連の小さな 欠失および/または置換をTULP遺伝子内に作成することができる。関心対象の特 定の構築物には、TULPの発現、ドミナントネガティブTULP変異の発現、およびTU LP遺伝子の過剰発現を遮断すると考えられるアンチセンスTULPが含まれうる。TU LP発現のアップレギュレーションが表現型において容易に検出される変化を引き 起こすように、lacZなどの検出可能なマーカーをTULP遺伝子座に導入してもよい 。 これらの動物は、例えば優性または劣性のいずれであるか、異なる対立遺伝子 の相対的効果、ならびにTUB、TULP1、TULP2およびTULP3ならびにゲノムの他の位 置にある他の疾患遺伝子の間の相乗効果などのような、感覚神経および肥満に関 連した障害の遺伝に関するモデルを開発するためにも有用である。 通常は発現されない、または発生の異常な時期に発現されるような細胞または 組織におけるTULP遺伝子もしくはその変異体の発現を提供することもできる。さ らに、通常は産生されないような細胞内でのTULP蛋白質の発現を提供することに より、細胞の挙動における変化を誘発させることが可能となる。 相同組換えのためのDNA構築物は、所望の遺伝的改変を施されたTULP遺伝子の 少なくとも一部を含み、標的遺伝子座に対して相同的な領域を含むと考えられる 。ランダム組み込みのためのDNA構築物は、組換えを媒介するための相同的な領 域を含む必要はない。陽性および陰性選択のためのマーカーを含めることが好都 合である。標的遺伝子の改変を有する細胞を相同組換えによって作製するための 方法は当技術分野では公知である。哺乳動物細胞のトランスフェクションのため の種々の技法については、ケオウン(Keown)ら(1990)Methods in Enzymology 185:527〜537を参照されたい。 胚幹(ES)細胞については、ES細胞系を用いることも、または例えばマウス、 ラット、モルモットなどの宿主から新たに胚細胞を採取することも可能である。 このような細胞は、適切な線維芽細胞の支持細胞層上で増殖させるか、または白 血病阻害因子(LIF)などの適切な増殖因子の存在下で増殖させる。ES細胞が形 質転換すれば、それらはトランスジェニック動物を作製するために用いることが できる。形質転換の後に、細胞を適切な培地中の支持細胞層上に平板培養する。 構築物を含む細胞は、選択培地を用いることによって検出することができる。コ ロニーが増殖するための十分な時間をおいた後に、それらを採取して、相同組換 えまたは構築物の組み込みの出現に関して分析する。陽性のコロニーは、続いて 胚操作および胚盤胞への注入に用いることができる。胚盤胞は4〜6週齢の過*** 性の雌から入手する。ES細胞にトリプシン処理を行い、改変された細胞を胚盤胞 の胞胚腔内に注入する。注入の後、その胚盤胞を、偽妊娠の雌の子宮角に戻す。 続いて雌に出産させ、結果として得られた同腹仔を、構築物を有する変異細胞に 関 してスクリーニングする。さまざまな表現型の胚盤胞およびES細胞を提供するこ とにより、キメラ性の子孫を容易に検出することができる。 キメラ動物を改変遺伝子の有無に関してスクリーニングし、改変された雄と雌 とを交配させてホモ接合型子孫を作出する。遺伝子の変化が発生中の何らかの時 点での致死性をもたらす場合には、組織または臓器を同種異系または共通遺伝子 系のグラフトもしくは移植組織として、またはインビトロ培養において維持する ことができる。例えば網膜疾患に対する候補薬物の効果を判定するために、トラ ンスジェニック動物を機能試験、薬物スクリーニングなどに用いることもできる 。 薬物スクリーニングアッセイ TULP蛋白質の大量生産が提供されることにより、TULP蛋白質と結合するか、そ の作用を調節もしくは模倣するリガンドまたは基質を同定することができる。蛋 白質は、野生型蛋白質に伴う生物活性を有していても、または上記のようなスキ ャニング(scanning)変異を含む、コード配列における点変異、置換、挿入、欠 失などに起因する機能喪失変異を有していてもよい。 調査する領域は、感覚神経障害または肥満の治療の開発にある。薬物スクリー ニングでは、罹患細胞におけるTULP機能に関する置換または増強を提供する薬剤 が同定される。特に関心が持たれるのは、ヒト細胞に対する毒性の低い薬剤に関 するスクリーニングアッセイである。この目的には、標識下でのインビトロ蛋白 質-蛋白質結合アッセイ、蛋白質-DNA結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッ セイ、蛋白質結合に関するイムノアッセイなどを含む、極めてさまざまなアッセ イを用いることができる。精製された蛋白質を、分子間相互作用、転写調節など のモデル化のために用いうる三次元結晶構造の決定のために用いてもよい。 本明細書で用いられる「薬剤」という用語は、例えば蛋白質または医薬品など の、TULP蛋白質の生理的機能を変更または模倣する能力を有する任意の分子を指 す。一般的には、種々の濃度に対するさまざまな反応を得るために、複数のアッ セイ混合物がさまざまな薬剤濃度で平行して検討される。典型的には、これらの 濃度のうち1つが陰性対照、すなわちゼロ濃度または検出レベル未満の役割を果 たす。 候補となる薬剤は、典型的には有機分子、好ましくは分子量が50を超えて約25 00ダルトン未満である低分子有機化合物であるが、多くの化学的分類のものが含 まれる。候補となる薬剤は、蛋白質との構造的相互作用、特に水素結合のために 必要な官能基を含み、典型的には少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシル またはカルボキシル基を、好ましくは少なくとも該官能化学基のうちの2つを含 む。候補となる薬剤はしばしば、上記の官能基の1つまたはそれ以上が置換され た、環状炭素もしくは複素環式構造および/または芳香族もしくは多環芳香族の 構造を有する。また、候補となる薬剤は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド 、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、構造類似体または配合物を非制限的に 含む生体分子中にも見いだされる。 候補となる薬剤は、合成または天然の化合物のライブラリーを含む、極めて多 岐にわたる供給源から入手されうる。例えば、無作為化されたオリゴヌクレオチ ドおよびオリゴペプチドの発現を含む、極めて多岐にわたる有機化合物および生 体分子のランダムまたは指向された合成のためには、多くの手段が利用可能であ る。または、細菌、真菌、植物および動物抽出物の形態にある天然化合物のライ ブラリーが利用可能または容易に作成しうる。そのほかにも、天然または合成的 に作製されたライブラリーおよび化合物は、従来の化学的、物理的および生化学 的手段によって容易に改変され、コンビナトリアルライブラリーを作製するため に使用することもできる。構造類似体を作製するために、既知の薬理作用物質に 対してアシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの指向された、または ランダムな化学修飾を施すこともできる。 スクリーニングアッセイが結合アッセイである場合には、標識が直接的または 間接的に検出可能な信号を提供するように、1つまたはそれ以上の分子を標識と 連結させてもよい。種々の標識には、放射性同位体、蛍光剤、化学発光剤、酵素 、特異的な結合分子、例えば磁性粒子のような粒子などが含まれる。特異的な結 合分子には、ビオチンおよびストレプトアビジン、ジゴキシンおよびアンチジゴ キシンなどの対が含まれる。特異的な結合メンバーについては、通常は相補的メ ンバーに対して、既知の手順に従って、検出が提供される分子による標識が施さ れる。 さまざまな他の試薬をスクリーニングアッセイに含めてもよい。これらには、 最適な蛋白質-蛋白質結合を促進するため、および/または非特異的もしくは背 景的な相互作用を低減させるために用いられる、塩、アルブミンなどの天然蛋白 質、界面活性剤などのような試薬が含まれる。プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアー ゼ阻害剤、抗菌剤などのアッセイ効率を改善する試薬を用いてもよい。必要とな る結合を提供するためには、構成要素の混合物が任意の順序で添加される。イン キュベーションは、任意の適した温度、典型的には4℃と40℃との間で実施され る。インキユベーション期間は最適な活性に関して選択されるが、迅速な高速ス クリーニングが促進されるように最適化することもできる。典型的には、0.1時 間から1時間の間で十分であると考えられる。 望ましい薬理活性を有する化合物は、生理学的に許容されうる担体中にて、TU LP遺伝子または蛋白質の機能における欠陥に起因する感覚神経障害または肥満の 治療のために宿主に投与することができる。本化合物を、TULP機能を増強するた めに用いてもよい。治療用薬剤は、経口的、局所的、皮下、腹腔内、ウイルス感 染によるもの、静脈内などの非経口的なものなど、様々な方法で投与することが できる。吸入投与には特に関心が持たれる。導入の様式に応じて、本化合物は様 々な方法で製剤化することができる。製剤中の治療的活性を有する化合物の濃度 は重量にして約0.1〜100%の範囲で変更しうる。 この薬学的組成物は、顆粒剤、錠剤、丸剤、坐剤、カプセル剤、懸濁剤、軟膏 剤、ローション剤などのさまざまな形態で調製することができる。治療的に活性 な化合物を含む組成物を構成するために、経口的または局所的使用に適した医薬 品級(pharmaceutical grade)の有機または無機担体および/または希釈剤を用 いることができる。当技術分野で知られている希釈剤には、水性媒体、植物性お よび動物性の油ならびに脂肪が含まれる。補助剤としては、安定化剤、湿潤剤お よび乳化剤、浸透圧を変化させるための塩、または適切なpH値を確保するための 緩衝液、ならびに皮膚浸透促進剤を用いることができる。 特に関心が持たれる経路は、感覚ニューロンのアポトーシスである。cGMPホス ホジエステラーゼのbサブユニットにおける変異は、rd1変異を有するマウス、お よびヒトにおける網膜変性の原因となっており、rd1/rd1マウスではcGMPの異常 な蓄積が視細胞のアポトーシスの誘因になると考えられる。 TULPの機能を模倣する、またはそのアゴニストもしくはアンタゴニストとして 作用する薬剤を検出するために、変異型および野生型のTULP蛋白質を用いる薬物 スクリーニングアッセイを実施してもよい。これらの経路におけるTULP蛋白質と 他の蛋白質との相互作用には特に関心が持たれ、それらは例えば酵母ツーハイブ リッド系、インビトロ蛋白質-蛋白質結合アッセイ、遺伝的相補性などのさまざ まなアッセイにおいて検出することができる。アポトーシスを調節する、または それに影響を及ぼすように働く、特徴付けが成されている遺伝子および遺伝子産 物は数多くある。 動物および酵母モデルにおける相補は、アポトーシスの試験において特に有用 である。プログラム細胞死の遺伝学は、いくつかの動物モデルにおいて詳細に記 載されている。線虫およびショウジョウバエはいずれも、それぞれced-3およびc ed-9、ならびにrprおよびhidという2つの遺伝子産物の発現を介してアポトーシ スを調節する。これらの経路が比較的単純であることは生化学的および遺伝学的 分析のためには魅力的である。いずれの動物も、本遺伝子配列とともに、および それらの対応するTULP相同体とともにスクリーニング用ツールとして用いられる 。 ニューロンおよび視細胞では多くのアポトーシス性および抗アポトーシス性遺 伝子が発現しており、網膜変性に関与している可能性がある。これらの細胞は、 生存のために神経成長因子および脳由来神経栄養因子などの因子に依存しており 、因子またはその受容体が変異を起こした場合にはアポトーシスが生じる可能性 がある。関心が持たれる抗アポトーシス性遺伝子の中にはbcl-2、bcl-xLおよびm cl-1がある。アポトーシスの誘導因子には、fas(CD95)、myc、bax、bcl-xs、T NF受容体、およびインターロイキン1b-変換酵素を含むシステインプロテアーゼ ファミリーが含まれる。 本遺伝子配列を利用可能であることは、上記の通り、インビトロおよびインビ ボでの薬物スクリーニングを介して特定の神経変性の生物学的および生化学的機 序を分析する手段、トランスジェニック動物の使用、特異的な遺伝的障害の相補 などを提供する。 実験 以下の実施例は、本発明の作成および使用の仕方に関する完全な開示および説 明を当業者に対して行うことが目的であり、本発明者らが発明とみなしている内 容の範囲を制限するものではない。使用する数字(例えば、量、温度、濃度など )に関して正確であるように努力は払っているが、実験的誤差および偏差が含ま れている可能性は考慮する必要がある。別に特記しない限り、各部分は総重量に 占める部分であり、分子量は加重平均された分子量であり、温度は℃であり、圧 力は大気圧またはその近傍圧である。 マウスtubby遺伝子の同定 tubby変異はC57BL/6Jマウス系統で自然発生した。同型接合体は雄では3〜4カ 月、雌では4〜6カ月で体重が増加することによって認識しうる。両性とも生殖可 能である。体重の増加は過剰な脂肪組織による。血糖は正常であるが、血漿中イ ンスリンは肥満の明らかな徴候が出現する前に上昇しており、6カ月までに正常 値の20倍となることもある。ランゲルハンス島は活動亢進の徴候を有し、中程度 に肥大しており、マウスは最終的に失明にいたる早発性網膜変性を呈する。材料および方法 tub遺伝子座の遺伝子マッピング C57BL/6-tub/tub、CAST/Ei、AKRまたは NOD.NON-H2Kbの間の交配で得られた子孫から単離したDNA試料の遺伝子型を、単 純な配列長多型に関して分類した(Dietrichら(1994)Nature Genet. 7:220 〜245)。すべての組換え体は、表現型の分類を確認するために最低20世代に関 して検討された子孫である。ナガート(Naggert)ら(1995)Nature Genet. 10 :135〜141に記載された通りにPCR増幅を実施した。使用した増幅プライマーは 以下の通りである: YACクローンは、リサーチジェネティクス社(Research Genetics,Inc.)(Hu ntsville,AL)のマウスYAC DNAプールのPCRスクリーニングによって入手した。 簡潔に示すと、YACまたはP1プールからのDNAを、上記の特異的なプライマー対を 用いるPCRにおけるテンプレートとして用いた。このプライマー対によって既定 される配列タグを含むYACまたはP1を含むプールのみから増幅産物が得られると 考えられる。続いて、陽性スーパープールに対応するサブプールを用いてこの過 程を繰り返す。YACでは、単一な陽性YACを同定しうるまでこの過程を続ける。P1 の場合には、二次プールのためのサブプールはないため、二次プールを平板上に 播き、ナイロンフィルターに移行させた後に、特異的なプライマリー対によって 得られた標識された配列タグを用いてスクリーニングを行う。続いて陽性P1プー ルを単離する。 付加的なP1およびコスミドクローンは、最小遺伝区間の大部分に及ぶYAC967d4 から作製し、C57BL/6マウスの成体精巣、脳および眼由来のcDNAに対する直接的 cDNA選択に用いた。cDNA選択には、10種の無作為に選択したコスミドを用いた。 用いたP1には、3636、1848、2617、Y、14.6、4171、17.12、4154および24.2が含 まれる。選択用のcDNAは、精巣、脳および眼のmRNAから得られた混合物である。 選択は、ロベット(Lovett)、ヒト遺伝学における最近の手順(Current protoc ols in Human Genetics)(Dracopoliら編)6.3.1〜13(Current Protocols、NY 1994)およびセグレ(Segre)ら(1995)Genomics 28:549〜559によって記載さ れている通りに実施した。 mRNAの調製 C57BL/6JおよびC57BL/6J-tub/tubから採取した全臓器を液 体窒素中で急速冷凍し、500mM NaCl、10mM Tris pH7.2、10mM EDTA、2%SDS中に てホモジェネート化し、250μg/mlのプロテイナーゼK(EM Sciences、Gibbstow n、NJ)とともに37℃で2時間インキュベートした。ホモジェネートにオリゴ-dT セルロース(Pharmacia、Piscataway、NJ)を添加して、振盪培養器に装填して 数時間処理し、PolyPrepクロマトグラフィーカラム(BioRad、Richmond、CA)上 に載せた。100mM NaCl、10mM Tris、pH7.2、0.1mM EDTAで洗浄した後、10mM Tri s、pH7.2、10mM EDTA中にポリA+RNAを溶出させた。 ノーザンブロット分析 2〜5μgのポリA+RNAを1%アガロース-ホルムアル デヒドゲルにて画分し、Hybond N+膜(Amersham)に移行させ、指示されたプロ ーブとともに500mM NaPO4、7%SDS、1mM EDTAの存在下にて65℃でハイブリダイ ゼーションを行わせた。ブロットを65℃の40mM NaPO4、1%SDS、1mM EDTA中で洗 浄し、続いて68℃の0.1%SDS、0.1×SSC中にて厳密な洗浄を行った。組み込み、 負荷量の等しさ、および移行効率は、ラットGAPDHプローブを用いた対照ハイブ リダイゼーションによって評価した。 オリゴヌクレオチドプライマーC13F3およびC13R3を用いてのC13F2およびC13R のゲノムPCR産物の増幅により、イントロン特異的プローブを作製した。クリー ナープローブ(cleaner prpbe)を得る目的で、イントロン特異的断片を作製す るために入れ子PCR(nested PCR)を用いた。プローブC15は、cDNA選択によって 得たcDNAクローンc15のEcoRI消化によって入手した。プローブには32P[αdCTP ](Amersham、Arlington Heights、IL)によるランダム標識を施した。ゲノムD NAを、スプライス供与部位に隣接するオリゴヌクレオチドプライマーであるC13F 2およびC13Rを用いるPCRによって増幅し、ゲル精製を行ってジデオキシサイクル 塩基配列決定法(Sequitherm、Epicentre Technologies、Madison、WI)によっ て徒手的に配列を決定した。プライマー2.61F1をC13Rとともに用いてcDNAを増幅 することによってノーザンブロット法のためのプローブDNA断片を得た。増幅産 物の標識には、サムブルックら、前記に記載された通りのランダムヘキサマープ ライマー法を用いた。 プライマー 逆転写PCR RT-PCRは、生体組織から得たRNAとともに、プライマー2.40Rお よび2.40FまたはGAPDHを用いて実施した。tub遺伝子特異的マーカーは2つのイン トロンにまたがり、合わせた長さは約1kbにわたる。2μgのポリA+RNAをDNAアー ゼI(Boehringer Mannheim、Indianapolis、IN)で処理し、Superscript(登録 商標)前増幅システム(Gibco/BRL、Gaithersburg、MD)を用いて逆転写した。 PCRは、1〜10ngのsscDNA、プライマー2.40F[配列番号:31]GATGGCAAGAAGGTGTT CCおよび2.40R[配列番号:32]TCATTGCGGGGGCGGATAC、ならびにAmplitaq(登録 商標)(Perkin Elmer、CA)を用いて以下の条件下で実施した:95℃で1分間の 変性、94℃で20秒、58℃で20秒、72℃で30秒を49サイクル行った後に72℃で2分 間。順方向および逆方向のGAPDHオリゴマーはそれぞれ[配列番号:33]ATGGTGA AGGTCGGTGTGAAおよび[配列番号:34] ACCAGTAGACTCCACGACATとした。増幅産 物を1%アガロースゲル中での電気泳動にかけ、Hybond N+(Amersham)に移行さ せ、エキソンまたはGAPDH cDNAプローブのいずれかとハイブリダイゼーションを 行わせた。 cDNAライブラリーのスクリーニング ラムダUNI-ZAP XR中に挿入した、マウ スCD-1系統からのマウス精巣cDNAライブラリー(Stratagene、La Jolla、CA)を 、製造者の指示に従って、1.6kbの2.61F-C13R PCRプローブによってスクリーニ ングし、24個のプラークを同定し、そのうち2つを精製して自動シークエンサー (Prism、Applied Biosystems、Foster City、CA)により塩基配列を決定した 。クローン長は1kbと2.5kbとの間であった。I型のコード領域cDNA配列は、配列 一覧の配列番号:1に記載されている。推定アミノ酸配列は配列番号:2である。 II型のコード領域cDNA配列は、配列表の配列番号:3に記載されており、推定ア ミノ酸配列は配列番号:4である。結果 遺伝子マッピング tubbyはすでに(CS1BL/6-tub/tub×CAST/Ei)F1とい う種間の交雑雑種において、Hbbから2.4±1.4cMの位置にあることがマッピング されている。組換え領域の同定および最小tub領域のより厳密な定義のために、 上記の交雑種から得たDNAを用いて、Hbbを包含する20cM区間にまたがるマーカー を検討した。マーカーD7Mit94とD7Mit325との間に遺伝子を含む最小領域に限定 するために、3つのマッピング用交雑種を用いた。 CAST/Eiとのマッピング用外交配種において、合計1468件の減数***を検討し た。60個のマイクロサテライトマーカーを用い、そのうち91%でB6とCASTとの間 に多型が認められた。CAST/Ei外交配種によって同定されたtubを含む最小領域 はマーカーD7Mit127とD7Mit328との間にあり、遺伝的距離は0.27±0.14cMであっ た。 NOD.NON-H2KbのC57BL/6tub/tubとの交雑種において、マウス820匹すなわち1 640件の減数***を検討した。最初に、D7Mit185の近位およびD7Mit130の遠位に 関して680件の減数***を検討した。より狭い領域が同定されるに伴い、近位マ ーカーD7Mit126およびD7Pjn2をそれぞれ用いて458件および502件の減数***を検 討した。検討した最大区間内に含まれた44個のマーカーのうち、34個(77%)は C57BL-tub/tubとNOD.NON-H2Kbとの間に多型が認められた。全体的には、この交 雑種において20種の組換えマウスが同定された。tubを含む最小領域はマーカーD 7Mit219とD7Mit130との間にあり、遺伝的距離は0.18±0.11cMであった。 (C57BL/6-tub/tub×AKR)F1交雑種における隣接マーカーとしてD7Mit126お よびD7Mit130を用いて、775匹のF2子孫すなわち1550件の減数***を検討した。 この領域にマッピングされた34個のマーカーのうち、これらの親の間で多型が認 められたのは9個のみであった。tubを含む最小遺伝子区間は、D7Pjn12とD7Mit32 8との間であり、これは0.19±0.11cMの距離に該当する。 物理的マッピング 組換えによって分離されていないマーカーに関する順序 および距離に関して確立された、最小遺伝子領域にまたがったYACコンティグを 確立した。最小遺伝区間は、P1クローン中ではそれぞれ524および242位にマッピ ングしうるD7Mit94とD7Mit325との交差部に隣接していることが示された。それ ぞれ の交差部からみたtub遺伝子の位置を、子孫検査によって明確に決定した。領域 内に交差部を有する動物をtub/tub同型接合体と交配させ、子孫をtubby表現型 に関して検討した(交差染色体がtubby遺伝子を含んだままである場合には50% がtubbyとなり、交差染色体がtubby遺伝子を喪失した場合にはtubbyは0%である )。 両方の隣接マーカーがYAC67d4内にマッピングされ、650kbという最大の物理的 間隔が得られた。YAC132b11(1Mb、非キメラ性)に由来するコスミドプールのサ ブクローニングおよび塩基配列決定ならびに公的データベースの探索によって、 P1のエンドシークエンシング(end sequencing)に由来するSTSを用いてのP1、B ACおよびコスミド集合体により、この領域の高分解能の物理的マップが作成され た。 選択された0.6〜1.5kbのcDNAクローンの塩基配列決定を行い、ジェンバンク( GenBank)における既知の配列との類似性についてはBLASTNプログラム(Altshul ら(1990)J .Mol.Bio. 215:403〜410に記載されている)を用い、重複部につ いてはAssemblyLIGNプログラム(Kodak、NY)を用いて解析した。重複するクロ ーン群から得られたユニークなcDNAクローンおよび単クローンを、EcoRIで消化 したP1 DNAのサザンブロットに対してハイブリダイズさせた。最小領域にマッピ ングされた陽性クローンを、サザンおよびノーザンブロット分析により、C57BL /6とC57BL/6-tub/tubマウスとの間のゲノム変化および異常発現に関して分析 した。 重複する配列を有する12種のDNAコンティグから得られた1つのcDNAであるc33 は、C57BL/6と比較した際にtubby由来のmRNAにおいて異なるハイブリダイゼー ションパターンを示した。tubbyマウスは脳および精巣内で、6.3kbに対して6.6k bというやや長い転写物を発現した。さらに、クローンc33はtubby由来のmRNAに おいてC57BL/6では認められない2.1kbの転写物を同定した。 これらの差の分子的基盤を明らかにするために、重複クローンのコンティグか ら得たcDNA配列に従ってオリゴヌクレオチドプライマーを作製し、これを用いて cDNAおよびゲノムDNAからの遺伝子特異的断片をPCR増幅した。上記のような遺伝 子のカルボキシ末端部に由来するいくつかのオリゴヌクレオチドの組み合わせに より、C57BL/6のcDNA由来のものよりも300bp長い、tubby由来のcDNAからの増幅 産物が生じた。ゲノムのヌクレオチド配列を比較したところ、野生型のスプライ ス供与部位の共通配列であるGTGAGTからTTGAGTに変化するような、GからTへの塩 基変換がtubbyのスプライス供与部位にあることが明らかになった。tubにおいて 認められた長い転写物がこの非スプライス性カルボキシ末端イントロンの存在に 起因することを確かめるために、PCRで生じたイントロンに特異的なプローブを ノーザンブロットに対してハイブリダイズさせた。このプローブではtubby mRNA のみに転写物が検出され、野生型のものには検出されなかった。歴史的に独立し た系統であるAKR/J、BALB/cJ、DBA/2J、2つの野生由来系統であるCZECHII/E iおよびSKIVE/Eiのほか、ウサギおよびラットからの標準的な近交系におけるこ のスプライス供与部位の周囲の配列の比較により、C57BL/6配列が保存されてい ることが示され、このことからヌクレオチド変化は正常の対立遺伝子型ではなく 、異常な転写物につながる変異であることが示唆された。2.1kb転写物は、非ス プライス性イントロンに含まれるポリアデニル化部位の導入による完全長転写物 の切断によって生じた可能性が高い。これは、非スプライス性イントロンの3'側 に位置する配列とのハイブリダイゼーション分析で2.1kb転写物とハイブリッド を形成しなかったことによって裏づけられた。 成体組織のノーザンブロット分析では、脳、眼および精巣におけるtubbyの高 度の発現が示された。より感受性の高いRT-PCRアッセイを用いた場合には、成体 マウスの小腸および大腸、卵巣ならびに脂肪組織においても遺伝子発現が検出さ れた。 完全長cDNAを構築するために、マウス精巣オリゴ-dT付加cDNAライブラリー(S tratagene、La Jolla、CA)から24種のクローンを単離した。2つの型が同定され た。I型(配列番号:1)のnt 393〜2579の配列は、II型(配列番号:3)のnt 24 8〜2434の配列と同一であった。コード領域の5'端は異なり、このためにI型蛋白 質の長さはII型よりも46アミノ酸だけ短い。 推定アミノ酸配列は非常に親水性が高く、シグナル配列が欠失していることか ら、この蛋白質が細胞質ゾル内に位置することが示唆される。カルボキシ末端の 260アミノ酸には、推定上のマウス精巣特異的ホスホジエステラーゼ(ジェンバ ンク(GenBank)寄託番号、第X69827号)と高度の類似性が認められ(一致率62 %)、線虫48.2K蛋白質とも同様であった(GenBank第Q09306号、一致率59%)。 tubb y遺伝子のアミノ末端部は、データベース(BLASTP)で検索したいずれの既知の 蛋白質とも類似性は全く認められなかった。 ヒトtubby遺伝子の特徴分析 ヒトtubby遺伝子は、以下の方法によってヒトcDNAライブラリーから単離した 。 ヒトtubby遺伝子の単離には、ヒト脳mRNAから作製され、ラムダgt11中にクロ ーニングされたcDNAライブラリー(Clontech、Palo Alto、CA)を用いた。標準 的な細菌用培地中の大腸菌Y1090に対して、ファージライブラリーを1.2×106pfu /プレート1枚の密度で播いた。プレートを37℃で9時間インキュベートした。2 枚のニトロセルロースフィルターにより、サムブルックら、前記、pp.2.114に記 載された通りに各プレートからのリフト処理を行った。フィルターには、10%デ キストラン硫酸、1%SDS、1M NaCl、100μg/mlサケ精巣DNAおよび以下に記載 する32P標識プローブ中にて65℃で16時間ハイブリダイゼーションを行った。 ハイブリダイゼーション用プローブは、実施例1に記載したP1クローン3636を 用いるエキソントラッピングによって単離されたcDNA配列のPCR増幅産物である 。cDNA配列をpSPL3bベクター(BRL、Bethesda、MD)中にクローニングし、製造 者の指示に従って増幅した。配列番号:35の配列を有する171bpのプローブを作 製し、配列番号:36の配列を有する99bpのプローブを作製した。DNAには、実施 例1に記載した通りにランダムヘキサマープライム法によって標識を施した。 ハイブリダイゼーションの後に、フィルターを65℃の2×SSC、0.1%SDS中にて 45分間洗浄し、続いて0.2×SSC、0.1%SDS中にてそれぞれ45分間、2回洗浄した 。陽性プラークを分離して、再スクリーニングを行った。合計18個の陽性プラー クを同定した。 陽性プラークからのcDNA挿入物をPCRによって増幅し、サブクローニングを行 った。簡潔に示すと、陽性ファージプラークを含む寒天栓(agar plug)を採取 し、ファージを溶出させるために10mM Tris、1mM EDTA中に再懸濁した。ファー ジ溶出物および挿入物に隣接するラムダgt11の領域に対して特異的なプライマー を用いるPCR反応を設定した。個々の増幅産物をEcoRIで消化し、ゲル電気泳動お よびQIAEX II(登録商標)ゲル抽出キットによって精製し、pUC9中のEcoRI部位 に挿入した。サブクローニングされた挿入物のサイズは1.0〜3.3kbの範囲であっ た。 プラスミドのうち9種は、製造者の指示に従ってQIAEX IIプラスミドキットを 用いて精製し、自動シークエンサー(Prism、Applied Biosystems、Foster City 、CA)を用いて配列を決定した。BLASTNプログラム(Altshulら(1990)J .Mol .Bio. 215:403〜410)を含む一連のプログラムを用いて配列を集合化、編集お よび分析し、重複部についてはAssemblyLIGNプログラム(Kodak、NY)を用いた 。ヒトI型cDNA配列は配列番号:7に示されている。推定アミノ酸配列は配列番号 :8に示されている。 TULP1 cDNA の単離 網膜変性に関与するtubby関連遺伝子を同定するために、ヒトtubby遺伝子の保 存された3'コード領域をプローブとして、厳密性の低い条件下でヒト網膜cDNAラ イブラリーのスクリーニングを行った。このスクリーニング法によってTULP1遺 伝子が同定された。TULP1とTUBとの間で保存領域におけるアミノ酸一致率は77% であった。TUBとは対照的に、TULP1を用いるノーザンブロットで種々の組織を探 索した場合にはハイブリッドバンドは全く認められなかった。したがって、TULP 1の発現は網膜に限定される。 スタンフォード(Stanford)G3放射線照射ハイブリッドパネルを用いて、染色 体上の位置を決定するために、TULP1に関する遺伝子特異的PCRプライマーを用い た。TULP1は第6p21.3染色体に位置している。TULP1に隣接するD6S439およびD6S2 91という2つのマーカーは、ヒト家系においてRP14遺伝子座と組換えを生じない ことが報告されており(Shugartら(1995)Am J Hum Genet. 57:499〜502)、 このことからTULP1がRP14遺伝子座と強く連鎖していることが示される。 成体ヒト組織のノーザンブロット分析では、曝露48時間後に、心臓、脳、卵巣 、甲状腺および脊髄において、TUBが高度に発現したほぼ7〜7.5kbの転写物とハ イブリッドを形成することが示された。また、骨格筋、前立腺、小腸、気管およ び副腎においても検出された。2.4kbのTUB転写物は肝臓および甲状腺にて認めら れた。同じノーザンブロットに対してTULP1プローブを用いてハイブリダイゼー ションを行った場合にはバンドは全く認められなかった。方法 成体脳cDNAの単離 TUB遺伝子を単離するために、約1.2×106プラーク形成 単 位のヒト成体脳cDNAラムダgt11ライブラリーを、製造者(Clontech)の指示に従 って平板上に播いた。ET-3636.p01.a04(nt1422〜1593、171bp)GenBank寄託番 号第U52433号)およびET-3636.p01.d01(nt1323〜1421、99bp)という2つのTUB 配列から、以前に記載された通り(Sambrookら、分子クローニング:実験マニュ アル(Molecular Cloning:Laborarory Manual)第2版(Cold Spring Harbor La boratory Press、Cold Spring Harbor、1989)のランダムヘキサマープライム法 によって、32P標識したハイブリダイゼーションプローブを調製した。 ファージプレートからのリフト処理を行ったフィルターに対して、10%デキス トラン硫酸、1%SDS、1M NaCl、100μg/mlサケ精巣DNA中にて65℃で16時間、 標識プローブとのハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション後 に、フィルターを65℃の2×SSC、0.1%SDS中にて45分間洗浄し、続いて0.2×SSC 、0.1%SDS中で45分間、さらに0.2×SSC、0.1%SDS中で45分間洗浄した。プラー ク精製の後に、ラムダgt11プライマー(BRL)を用いてcDNA挿入物をPCR増幅し、 製造者(Invitrogen)の指示に従って、配列決定のためにpCR2.1中に直接クロー ニングした。自動蛍光シークエンサーも用いた(Prism、Applied Biosystems) 。 網膜cDNAの単離 TULP1を同定するために、約1×106pfuのヒト網膜cDNAラム ダgt11ライブラリー(Clontech)を、製造者の指示に従って、上記の通りに、Im age ESTクローン221670(Research Genetics、genbank寄託番号第H92408号)の3 2 P標識したEcoRI/SacII断片(1〜962bp)と65℃で一晩ハイブリダイゼーション を行わせた。膜を、それぞれ50℃の2×SSC、0.1%SDS、50℃の0.1%SDS中にて1 時間、および0.5×SSC、0.1%SDSによって60℃で連続的に洗浄した。陽性プラー クを精製し、上記の通りに処理した。 完全長cDNA 隣接した5'配列を単離するために、製造者の手順書に従って、 マラソン-レディ(Marathon-Ready)cDNAキット(Clontech)を用いた。増幅産 物にはゲル精製(Quiagen)および自動シークエンサー(Prism、Applied Biosys tems)による配列決定を行うか、またはジデオキシサイクル塩基配列決定法(Se quitherm、Epicentre Technologies、Madison、WI)によって徒手的に配列を決 定した。または、製造者(BRL)の指示に従って、ゲル精製産物をTAクローニン グベクター中にサブクローニングし、電気穿孔によってDH10B細胞に導入して増 殖させた 後に、塩基配列を行う前に標準的な手順に従ってプラスミドを単離した(Ausube lら、分子生物学における最近の手順(Current Protocols in Molecular Biolog y) 、Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience、New York、1995 年改訂版)。 サザン分析 多くの動物種に由来するゲノムDNAをEcoRIによって消化し、標 準的な手順によってDNAをナイロン膜(Clontech)に移行させた。膜を32P標識し たTUB cDNAのHindIII断片(281〜1833bp)、およびTULPIの3'端を含むImage EST クローン221670の5'側の365bpを含む32P標識したEcoRI/BstX I断片とハイブリ ダイズさせた。ブロットを2×SSC、0.05%SDS中にて室温で2回×10分間、60℃で 20分間洗浄し、続いて0.2×SSC、0.1%SDSを用いて60℃でそれぞれ20分間、計2 回洗浄した。 ノーザン分析 ヒト多組織ノーザンブロットMTN I、IIおよびIII(Clontech )を、32P標識したTUB cDNAのHindIII断片(281〜1833bp)、およびImage ESTク ローン221670の32P標識したEcoRI/BstX I断片と、5×SSPE、10×デンハート液 、2%SDS、100μg/mlのサケ***分断DNAおよび50%ホルムアルデヒド中にて42 ℃で18時間ハイブリダイズさせ、続いて2×SSC、0.05%SDSを用いて室温で3回× 10分間、0.1×SSC、0.1%SDSを用いて50℃で2回×20分間洗浄した。 放射線照射ハイブリッドマッピング(radiation hybrid mapping)PCR増幅の ためのオリゴヌクレオチドプライマーをTUBの新規5'端を材料として作製し、cDN Aのための225bpの産物およびゲノムDNAのためのほぼ850bpの産物を得た: 221bpの産物が生じる、TUBに関する3'非コード領域のための増幅プライマーを作 製した: TULP1のためには、92bpの産物が生じる以下のプライマーを作製した: プライマーセットの設計にはMacVectorコンピュータプログラムを用いた。適切 な産物が増幅されたことを配列決定によって確認した後に、スタンフォード(St anford)G3放射線照射ハイブリッドパネル中でのPCRアッセイによって、各オリ ゴヌクレオチド対に関する保持パターンを得た(Coxら(1990)Science 250:24 5〜250)。オンラインデータベースに入力したデータを、ベーンケ(Boehnke) ら(1991)Am J Hum Genet 49:1174〜1188によって開発されたRHMAPソフトウエ アによって解析した。以上の結果から、TULP1が網膜組織中で特異的に発現され る新規ヒト蛋白質であることが判明している。TULP1の染色体上の位置は、色素 性網膜炎に対する遺伝子座と強く連鎖していた。 家系調査において、TULP1における機能喪失変異は色素性網膜炎と共分離され ることが示されている。このような変異には、第420アミノ酸のArgからProへの アミノ酸置換を引き起こすエキソン11の点変異[配列番号:13]、および第491 アミノ酸のPheからLeuへのアミノ酸置換を引き起こすエキソン12の点変異[配列 番号:13]が非制限的に含まれる。 TULP2 cDNA の単離 ヒトTULP2遺伝子は、以下の方法によってヒトcDNAライブラリーから単離した 。 TULP2は、tubbyファミリー遺伝子のメンバーとして同定されている。TULP2のc DNAは、マウスp46配列からのプローブとヒトcDNAライブラリーとの厳密性を低下 させた条件下でのハイブリダイゼーションによって単離された。マウスp46遺伝 子はすでにcDNA配列として同定されて公的データベースにあり、tubbyとの相同 性がある。TULP2はp46よりも5'端が約700bp長く、遺伝子の全長にわたって多く のヌクレオチドの相違点がある。p46配列はGenBank寄託番号第X69827号である。 K802を細菌宿主として用いて、ラムダDR2中に構成した約1×106pfuのヒト精巣 cDNAライブラリーを製造者の指示に従って平板上に播いた。37℃で一晩インキュ ベートした後に、2枚の膜によって各プレートからのリフト処理を行った。これ らの膜に、10%デキストラン、1%SDS、1M NaCl、100μg/mlのサケ精巣DNAお よび32P標識プローブ中にて65℃で16時間ハイブリダイゼーションを行った。 標識プローブは、刊行されたマウスP46遺伝子配列を用いて設計されたプライ マーMP46.1(配列番号:43)5’-TCTACAGAGACAAACTATGCCC-3'、およびMP46.2( 配列 番号:44)5'-GGAAATGTGCTACACCATC CTC-3'を用いて得られた、マウス精巣cDNA ライブラリーのPCR増幅産物である。ハイブリダイゼーションの後に、55℃で2× SSC、0.1%SDSを45分間、0.2×SSC、0.1%SDSを45分間、0.2×SSC、0.1%SDSを4 5分間という3回の洗浄を行った。X線フィルムへの一晩の曝露により、34個の陽 性プラークが検出された。3回のスクリーニングの後に28種の陽性クローンを単 離した。陽性TULP2クローンを、製造者の指示に従ってプラスミドDNAに変換し、 標準的な手順に従って配列を決定した。 プライマーHP46.F1(配列番号:45)5'-CCACTAAATGAACAGGAGTCGC-3'、およびH P46.R1(配列番号:46)5'-GAAACTGGACAAGCAGATGCTG-3'を用いて、ヒト多組織ノ ーザンブロットMTN I、IIおよびIII(Clontech)を、32P標識したTULP2のPCR増 幅産物とハイブリダイズさせた。本プローブはTULP2のnt1360〜1650(配列番号 :14)に対応する。ハイブリダイゼーションは、製造者の指示に従って、Expres sHyb溶液(Clontech)中で実施した。ブロットは2×SSC、1%SDS中に室温で3回 洗浄し、続いて0.1×SSC、0.1%SDSにて55℃で2回×40分間、0.1×SSC、0.1%SD Sにて65℃で40分間洗浄した。TULP2の転写物は精巣のみで検出され、大まかなサ イズは1.8kbであった。 網膜での発現を検出するために、上記の通りに、ヒト網膜cDNAライブラリー( Clontech)を平板上に播き、フィルターによるリフト処理を行った。同一のTULP 2プローブおよびハイブリダイゼーション条件を用いたところ、1/プラーク106 個の頻度で陽性プラークが同定され、このことから成体網膜組織中での発現はわ ずかであることが示された。 TULP2のゲノムでの位置を、ジーンブリッジ(Genebridge)放射線照射ハイブ リッドパネルを用いてマッピングした。PCR増幅のためのオリゴヌクレオチドプ ライマーは、TULP2の第2エキソンからの3’端から作製し(1360〜1521位)、cDNA およびゲノムDNAの両方において162bpの産物を得た。用いたプライマーは以下の 通りである: PCR条件は、94℃で45秒、55℃で45秒、72℃で60秒を合計30サイクルとした。適 切 な産物が増幅されたことを配列決定によって確認した後に、Genebridge放射線照 射ハイブリッドパネル中でのPCRアッセイによって、各オリゴヌクレオチド対に 関する保持パターンを得た(Walterら(1994)Nature Genetics 7:22〜28を参 照)。オンラインデータベースに入力したデータを、ベーンケ(Boehnke)ら(1 991)Am J Hum Genet 49:1174〜1188によって開発されたRHMAPソフトウエアに よって解析した。公有マッピングデータを、ホワイトヘッド研究所(Whitehead Institute)/MITゲノム研究センター(MIT Center for Genome Research)、ヒ トゲノムマッピングプロジェクト(Human Genome Mapping Project)、データ公 開第10号(1996年5月)から入手することもできる。このデータは、ハドソン(H udson)ら(1995)Science 270:1945〜1954にて発表された組み込みマップに対 応する。ハドソンらは、これらのマップを作成するために用いた材料および方法 に関する詳細な記載を提供している。より詳細なマッピング情報はディブ(Dib )ら(1996)Nature 380:152〜154に見ることができる。 TULP2およびWI-9028に関するGenebridgeのマッピングデータは以下の通りであ る: これらのデータは、TULP2遺伝子が、19qの錐体杆体網膜ジストロフィーに関する 連鎖が報告されている区間内にマッピングされているフレームワークマーカーWI -9028と3.0cRで最も強く連鎖している(lod>3で)ことを示す。杆体錐体網膜ジ ストロフィーに関する遺伝子はD19S212とD19S214との間にマッピングされている 。 以上の結果から、tubbyファミリーの新規メンバーの特徴が示されたことは明 らかである。TULP2は精巣および網膜内では発現されるが、他の生体組織では発 現されない。ゲノムマッピングデータからは、本遺伝子が、中心および周辺の網 膜の 早期網脈絡膜萎縮を引き起こす疾患である錐体杆体網膜ジストロフィーと密接に 関連していることが示されている。 図2は、ヒトTULP1およびTULP2のイントロン-エキソン構造の比較を示したもの である。イントロンとエキソンの境界は、cDNA配列を、TULP2またはTULP1の遺伝 子座を含む細菌の人工的染色体の直接的配列決定によって得られたゲノム配列に 対応させることによって決定した。イントロン-エキソン構造は、これらの分子 のカルボキシ末端部をコードする配列の部分で高度に保存されており、アミノ末 端部をコードする配列については極めて多様であった。これらは、多様な種を通 じてTULPファミリーにおいて高度に保存されている配列である。TULP1において 同定されている機能喪失変異は、保存領域にマッピングされる。 TULP3 cDNA の単離 ゲノムDNAからTULP3に関する配列タグ部位を単離するために、TULPファミリー の高度に保存されたC末端から変性プライマーを調製し、アノニマス性ヒトゲノ ムDNAを増幅するために用いた。プライマーMand-F[配列番号:66](5’-GCITC IGTIAAGAACTTYCAGMT-3')およびMand-R[配列番号:67](5'-CTKSWIAIISMIATIG CRAAIGCYTG-3')を標準的な反応条件下で用いた。 傾斜式(ramping)のPCR条件を用いた:95℃で2分間、次に95℃で5秒間、40℃ で10秒、72℃で40秒間を5サイクル、続いて95℃で5秒間、50℃で10秒間、72℃で 40秒間を30サイクル、さらに72℃で7分間の最終伸長を行わせた。この反応によ って得られた産物をサブクローニングし、標準的な手順に従って塩基配列を決定 した。続いて、新たなTULPファミリーメンバーに対応する新たな配列を用いて、 網膜cDNAのRACE(cDNA末端部迅速増幅)による増幅に関するプライマーを以下の ようにして設計した。 網膜での発現を検出するために、アダプターを連結させたヒト網膜二本鎖cDNA ライブラリー(Marathon-Ready cDNA、Clontech)を、5'-および3'-RACEのため のMarathon cDNA増幅用キット(Clontech)を用いて増幅した。増幅のためには 、プライマーAp-1[配列番号:49](5'-CCATCCTAATACGACTCACTATAGGGC-3'、Clo ntech)およびh5.7R1プライマー[配列番号:50](5'-AATCCAGTGTGAACACGTCAT- 3')とともにTth-XL増幅キット(Perkin-Elmer)を用いて、0.2ngのcDNAを5'Mar ath on RACEによって処理した。PCR反応にはMJ Research社製PTC-100サイクラーを用 い、以下のプログラムに従って実施した:94℃で5秒間、54℃で10秒間、72℃で2 分間を37サイクル、続いてさらに72℃で7分間の最終伸長を行った。 二次的な入れ子PCR反応のためには、第1の5’RACE反応の1/50希釈物を調製し て、希釈した産物の2μl、Ap2[配列番号:51](5'-ACTCACTATAGGGCTCGAGCGGC -3'、Clontech)およびh5.7R2[配列番号:52](5'-CACGTCCAAACTGCATGACT-3' )プライマーを代用するTth-XL増幅キット(Perkin-Elmer)を用いてMarathon R ACE反応を再度実施した。 PCR反応にはMJ Research社製PTC-100サイクラーを用い、以下のプログラムに 従って実施した:94℃で5秒間、54℃で10秒間、72℃で2分間を27サイクル、続い てさらに72℃で7分間の最終伸長を行った。その結果得られた産物を1.2%アガロ ースゲルに通過させ、EtBrで染色した後に、ほぼ1.3kbのバンドが分離された。Q IAquickゲル抽出キット(Quiagen)を用いて、このDNAをアガロースから単離し 、50μl TE緩衝液中に回収した。 3’RACE反応も同様にして実施した。すなわち、Tth-XL増幅キット(Perkin-El mer)を、Ap1プライマー[配列番号:51](5'-CCATCCTAATACGACTCACTATAGGGC-3 '、Clontech)およびh5.7-F5プライマー[配列番号:53](5'-GCCCCCGTCTGGAAC AGTG-3')とともに用いて、0.2ngのcDNAに対して3’Marathon RACE反応を実施し た。PCR反応にはMJ Research社製PTC-100サイクラーを用い、以下のプログラム に従って実施した:94℃で5秒間、54℃で10秒間、72℃で2分間を37サイクル、続 いてさらに72℃で7分間の最終伸長を行った。二次的な入れ子PCR反応のためには 、反応1の1/50希釈物を調製し、Ap2プライマー[配列番号:54](5'-ACTCACTAT AGGGCTCGAGCGGC-3'、Clontech)およびh5.7-f5プライマー[配列番号:55](5' -GCCCCCGTCTGGAACAGTG-3')プライマーとともに、Tth-XL増幅キット(Perkin-El mer)の20μlの反応物中に入れた希釈産物の2μlを用いて3’Marathon RACE反 応を実施した。MJ Research社製PTC-100サイクラーを用い、以下のプログラムに 従ってPCR反応を再度実施した:94℃で5秒間、54℃で10秒間、72℃で2分間を27 サイクル、続いてさらに72℃で7分間の最終伸長を行った。その結果得られた産 物を1.2%アガロースゲルに通過させ、EtBrで染色したところ、ほぼ500kbのバン ドが分離 および計量された。QIAquickゲル抽出キットを用いてDNAを単離した。 h5.7 F5およびh5.7 R2プライマーを用いてのABI 480シークエンシングシステ ムによる自動塩基配列決定により、5'および3’RACE産物の直接シークエンシン グを行うことによってDNA配列を得た。 TUB スプライス変異体の特徴分析 ウエスタン分析では、TUB蛋白質が、脳、大腸、心臓、骨格筋および胃を含む 各種のヒト組織中で発現することが示された。このため、TUBの機能は神経組織 には限定されない。蛋白質の発現パターンは、ノーザンブロット分析によって認 められたmRNAの発現パターンと一致している。ウエスタンブロット分析でも、複 数の蛋白質産物が神経および非神経組織中に認められ、サイズが36kDaから98kDa の範囲であることが示されている。5’RACE PCRを用いて、選択的スプライシン グを受けた一連の型のヒトtubbyが同定されており、それがこれらの選択的(alt ernative)蛋白質産物の原因となり、異なる生化学的活性を有する可能性がある 。 TUB転写物については6種類の選択的な5'端があり、それがN末端での異なるア ミノ酸配列をもたらす。それぞれの型のTUB蛋白質に関して推定アミノ酸のサイ ズを、適切な5’RACE産物の配列番号とともに一覧に示す。 1〜4型は第69から561残基までの3'端配列[配列番号:10]は同一であり、5' 配列は示した通り異なる。5型および6型は、翻訳開始が第102残基の内部メチオ ニンで起こり[配列番号:10]、460アミノ酸の予想される蛋白質[配列番号:8 ]を生じるようなスプライシングを受けている。選択的スプライシングの型は、 マウス(tub)およびヒト(TUB)転写物の両方において認められている。 TUB の選択的スプライシングによって指向される細胞内配置 クローンテク(Clontech)社のベクターpEGFP-Cを、グリーン蛍光蛋白質(GFP )の材料として用いた。本明細書に記載されたすべての構築物において、GFP蛋 白質がキメラ蛋白質のアミノ末端にタグ付加される。電気穿孔法を用いて、これ らの発現プラスミドによる一時的トランスフェクションをCOS7細胞に施した。ト ランスフェクションから8〜24時間後に、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定 し、構築物の細胞内配置を明らかにするために、蛍光顕微鏡を用いて検査した。 以上のデータを総合すると、核局在化が可能である139アミノ酸からなる配列 (配列番号:10、残基1〜139)が規定される。本ドメインはTUB 561およびTUB N に共通しており、TUB del3およびTUB Cでは欠失している。核局在化のために必 要なこのドメイン内の特定のアミノ酸はまだ規定されていないが、モチーフ[配 列番号:65]KKKRQはすでに核への輸送を指向することが示されている。 TUB 506[配列番号:62]が明瞭に(主に)細胞質に位置することは、上記のG FPアッセイ、および核染色よりも細胞質染色の方が明瞭であるとのマウス脳切片 における免疫組織化学的検討の結果によって示されている。成体脳におけるマウ スtubby蛋白質の主要な形態は配列番号:62と相同であることがすでに示されて いる。 免疫組織化学的方法: 成体マウス脳切片は、標準的手順を用いて採取した。組織切片の脱パラフィン 化および水和後に、スライドを3%正常ヤギ血清によってブロックした。本試験 のためにウサギから得た一次抗血清を、組換えヒトTUB断片(エキソン7〜12)に 対して産生させた。一次抗体とともに4℃で一晩インキュベートした後、スライ ドを数回洗浄し、ビオチン標識した抗ウサギIgGとともに室温で30分間インキュ ベートした。スライドを再度洗浄し、蛍光ストレプトアビジンとともにさらに30 分間、室温でインキュベートした。その後、スライドを洗浄し、200ng/mlのDAP Iを含む抗退色マウント用培地によってマウントした。 本明細書に引用したすべての刊行物および特許出願は、それぞれの独立した刊 行物または特許出願が参照として組み込まれることが特別かつ個々に示されてい るのと同様に参照として本明細書に組み込まれる。あらゆる刊行物の引用は、本 出願日より以前の開示のものであり、本発明が、先行発明に基づいて、本開示が 成された日付を早める権利がないと自認したと解釈されるべきではない。 上記の本発明は、理解しやすいように図面および実施例を用いてある程度詳細 に記載されているが、当業者には、本発明の教示に鑑みて、その精神または添付 した請求の範囲を逸脱することなく特定の変更および改変が可能であることは容 易に認識されると思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7088 A61K 31/70 623 38/00 45/00 45/00 C07K 14/47 C07K 14/47 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/00 C12Q 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 C12N 5/00 33/566 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 08/706,292 (32)優先日 平成8年9月4日(1996.9.4) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/714,991 (32)優先日 平成8年9月17日(1996.9.17) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP,M X (72)発明者 ノベン―トラウス コンラッド アメリカ合衆国 メイン州 バー ハーバ ー メイン ストリート 600 ザ ジャ クソン ラボラトリー (72)発明者 ナガート ジョルゲン アメリカ合衆国 メイン州 バー ハーバ ー メイン ストリート 600 ザ ジャ クソン ラボラトリー (72)発明者 ノース マイケル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ラ ジョラ ノース トリー パインズ ロー ド 11099 スート 160 セクアナ セラ ピューティクス インク.

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.蛋白質の重量にして少なくとも50%を哺乳動物TULP蛋白質またはその断片と して含む、精製されたポリペプチド組成物。 2.ポリペプチドが機能喪失変異を含む、請求項1記載の精製されたポリペプチド 。 3.哺乳動物TULP蛋白質が、配列番号:10、配列番号:13、配列番号:15、配列 番号:17、配列番号:19、配列番号:58、配列番号:60および配列番号:62から なる群より選択される、請求項1記載の精製されたポリペプチド。 4.請求項1〜3のいずれか一項記載の蛋白質またはそれらの相補物をコードする 配列を含み、天然の染色体以外の部分として少なくとも約18ヌクレオチドを有す る、DNA分子またはその断片。 5.配列番号:9、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、 配列番号:56、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63およ び配列番号:64からなる群より選択されるDNA配列を含む、請求項4記載のDNA分 子。 6.DNA分子が、哺乳動物TULP蛋白質をコードする配列に対して5'側に位置する転 写開始領域を含む、請求項4〜5のいずれか一項記載の単離されたDNA分子。 7.請求項4〜6のいずれか一項記載のDNA組成物を含む細胞。 8.請求項4〜6のいずれか一項記載の1つまたはそれ以上の配列を含む、一連のオ リゴヌクレオチド。 9.哺乳動物TULP遺伝子に対して5'側に位置する配列を含み、さらに転写調節領 域を含む、単離されたDNA。 10.ポリペプチドが核局在化を指向する能力を有する、請求項1〜3のいずれか一 項記載のポリペプチド断片。 11.個体における感覚神経障害に対する素因を検出するための方法であって、 素因となる多型の存在に関して請求項4〜6のいずれか一項記載のTULP配列の存 在について該個体の核酸を分析する段階であって、該素因となる多型の存在が該 感覚神経障害に対する感受性の増加の指標となるような分析段階を含む、方法。 12.(a)TULP遺伝子のノックアウト、または (a)外因性で安定的に伝達された、請求項4〜6のいずれか一項記載のTULP遺伝 子配列 の1つを含む、TULP遺伝子機能に関する非ヒトトランスジェニック動物モデル。 13.TULP機能を調節する生物活性を持つ薬剤のスクリーニングの方法であって、 生物活性を持つ薬剤の候補と、 (a)請求項1〜3のいずれか一項記載のポリペプチド、 (b)請求項7記載の細胞、または (c)請求項12記載の動物 のいずれか1つとを混合する段階、 およびTULP機能に対する該薬剤の効果を決定する段階を含む方法。 14.請求項4〜6のいずれか一項記載のDNA分子と検出可能な標識とを含むプロー ブ。 15.細胞内でのTULP蛋白質の発現を低下させる方法であって、 該細胞と、請求項1〜3のいずれか一項記載のポリペプチドをコードする核酸に対 して相補的であるアンチセンス核酸とを接触させる段階を含む、方法。
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