JP2000509093A - 業務用食器洗浄機のための圧縮洗剤 - Google Patents
業務用食器洗浄機のための圧縮洗剤Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、アルカリ水酸化物、好適には水酸化ナトリウムをベースとするアルカリ性洗浄物質を用いる、業務用食器洗浄機用の圧縮洗浄組成物の製法に関し、この洗浄組成物は、一方で粉末/液体の利点および他方でタブレット/溶融ブロックの利点を組み合わせたものである。
Description
【発明の詳細な説明】
業務用食器洗浄機のための圧縮洗剤
本発明は、強度を制御可能に変化させうる、アルカリ水酸化物系水含有洗浄組
成物に関する。必要な固体コンシステンシーを達成するため、本発明の洗浄組成
物は、グリコール、グリコール誘導体および/またはアルカノールアミン、およ
び固体形態のアルカリ水酸化物を含む。
現在、高アルカリ性洗浄組成物は、種々の形態、例えば粉末、粒状、液体、溶
融ブロック、圧縮成形法で製造されるタブレットなどの形態で市販されている。
各形態は、具体的な用途に関し、特定の利点と欠点を有している。粉末形態、
粒状形態および液体形態は、繊維表面の洗浄または硬質面の手動機械洗浄に好適
に使用される一方、圧縮成形で製造されるタブレットおよび、溶融してその後に
冷却して得られるブロック形洗浄組成物(溶融ブロック)は、粉末形態や粒状形
態や液体形態の組成物に加えて、食器の機械洗浄のような硬質面の機械洗浄用と
してその使用が増大している。タブレットおよび溶融ブロックは、粉末に比し、
その計量が簡易で正確であり、ダストの発生を排除でき、またその取り扱いが容
易である。
これらの利点は、例えば、家庭用食器洗浄機に適用でき、とりわけ食器類が種
々の洗浄域を通過する連続的な業務用食器洗浄機に適用することができる。
現在、あまりにも硬いタブレットや溶融ブロックは、不利であることがわかっ
ている。例えば、タブレットは、破損によって損傷しうるが、このように損傷し
たタブレットでは、正確な計量についての利点がもはや得られないことは明白で
ある。タブレットに関する別の問題は、必要な水溶解度が必ずしも保証できず、
場合によりタブレットの溶解が速すぎたり、遅すぎたりする。溶融ブロックは、
輸送の間の破壊に対し高い耐性を示すが、このような非常に硬い洗浄組成物は、
比較的大きい容器内に包装されている場合に、計量上、問題がある。加えて、タ
ブレットも、また溶融ブロックも、非常に複雑な製造工程を伴い、これにより、
使用される材料および選択される処理、特にアルカリ金属の処理に対し、非常に
厳格な条件が課せられる。
得られる洗浄組成物は、高い均一性を示すことが期待されているが、これは、
圧縮洗浄組成物の場合に達成するのがしばしば困難である。この問題は、撹拌が
容易な液体洗浄組成物には影響がない。したがって、液体、粘稠な液体または撹
拌可能なペーストの均一性を利用し、次いで、これらを制御可能に変化しうる強
度を示す固体に硬化させ、この段階で貯蔵や輸送や計量のためにその利点を利用
することが望ましい。特に、耐熱性を欠く成分でも混入することができるため、
約40℃までの温度で撹拌できれば、この点で特に望ましい。
本発明が解決しようとする課題は、アルカリ水酸化物、好適には水酸化カリウ
ムまたは水酸化ナトリウム、より好適には水酸化ナトリウムをベースとする、繊
維表面用高アルカリ性洗浄組成物、好適には食器のような硬質面洗浄用の高アル
カリ性洗浄組成物、特に、一方で粉末および液体の利点と他方でタブレットおよ
び溶融ブロックの利点とを組み合わせたような業務用食器洗浄機用の洗剤を提供
することである。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、種々の使用条件
下に所定の溶解性を示す一方、輸送や貯蔵の間に安定性を示し、迅速で容易でか
つ正確に分散でき、ダストが発生せず、高価な機械を用いることなく製造でき、
しかも容器内に容易に包装しうるような洗浄組成物を提供することである。製造
の間に洗浄組成物を撹拌できること並びに製造および貯蔵の間に強度を制御可能
に変化させることができることは、大きな利点が得られるため、考慮すべきであ
る。この目的のため、本発明は、添加される他の溶液に悪影響を与えることなく
、要すれば42℃未満の温度で、耐熱性を欠如するような物質を混入しうるような
方法の開発に着手した。
高洗浄力や脂肪溶解力の形成のような、通常の洗浄組成物が充足すべき要件も
、もちろん同時に充足する必要がある。
比較的高粘度ないしペースト状の洗浄組成物およびタブレットまたはブロック
形の圧縮洗浄組成物は、両者とも、この分野で公知である。
例えば、DE-OS 31 38 425記載の洗浄組成物は、ゲル状ペーストの形態で
あり、このペーストは、振とうや、変形性貯蔵ボトルまたは管への加圧や、計量
ポ
ンプによるような機械力の作用によって液体にして噴霧ノズルから容易に放出し
うるようなレオロジー挙動を示すと、称している。
US-3,607,764は、希釈によって噴霧可能な溶液を形成しうる圧縮形態のガラ
ス用洗浄剤を記載する。この洗浄組成物は、とりわけ水酸化ナトリウムまたはカ
リウム、トリポリリン酸ナトリウムまたはカリウム、ピロリン酸ナトリウムまた
はカリウム、ヒドロキシカルボン酸ビルダー、水溶性非イオン性界面活性剤、ア
ルキレングリコールエーテルおよび所望により炭酸ナトリウムを含む。しかし、
本発明によって達成されるような粘度または強度の制御について、全く記載がな
い。
JA 84-182870は、グリコールまたはアルコール中のアルカリ水酸化物溶液を
開示し、この溶液は、長鎖カルボン酸による中和によって粘稠になり、シリコー
ン油の添加によってペースト状コンシステンシーを示し、これにより革の加脂に
ペーストとして使用することができる。
JA 86-296098は、水酸化アルカリをベースとする、水非含有圧縮(コンパク
ト)洗浄組成物を開示する。この場合、アルカリ担体をアルカノールアミンおよ
び水溶性グリコールエーテルと混合すると、圧縮洗浄組成物が得られる。可変的
な強度低下が得られることについて、技術的な教示は、全く開示なされていない
。
本発明は、強度を制御可能に変化させうる水含有圧縮洗剤であって、
ISO 2137に従う針入度試験において、25mmまでの数値、好適には0.1〜25
mmの数値(20℃)を示すこと、および以下の製法:
a)洗剤基準で21〜70重量%、好適には35〜55重量%のアルカリ水溶液、好適
には水酸化カリウム(苛性カリ)および水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)水溶液
、より好適には水酸化ナトリウム水溶液、特に42〜55重量%の水酸化ナトリウム
水溶液、および
b)洗剤基準で、合計0.5〜40重量%、好適には1〜10重量%の式:
HOCH2CH(R1)OR2 (I)
〔式中、R1は、水素原子またはメチル基、
R2は、R1から独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、CH2CH(R3
)
OR4またはCH2CH(R5)OCH2CH(R6)OR7、
R3、R5およびR6は、水素原子またはメチル基、
R4およびR7は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を意味する。〕
で示される化合物、および/または式:
[HOCH2CH(R8)3-xNHx (II)
〔式中、R8は、水素原子またはメチル基、
xは、0、1または2の数を意味する。〕
で示される化合物
を混合して高粘度を形成し、次いで、固体形態のアルカリ水酸化物を、洗剤基準
で35重量%までの量で添加することによって得られる
ことを特徴とする洗剤を提供する。
実施例に記載のように、ISO 2137は、針入度(針入深さ)を測定する目盛
付金属シリンダーによる針入度測定法である。この試験法は、用いた最も細い金
属シリンダーが被験物質中に針入しうる場合に実施することができる。本発明を
制限する意図はないが、これは、制御可能に変化しうる強度を反映する、ある種
の比較可能なコンシステンシーを意味する。
従って、本発明の洗浄組成物(洗剤)は、20〜40℃において、反転した開放グ
ラスのような容器から流出することができない。しかしながら、本発明の洗浄組
成物のコンシステンシーは、例えば切断耐性の形態で示すこともできる。本発明
の洗剤の多くは、処理および貯蔵の間に圧縮成形によって成形することができる
。
本発明は、また上記洗剤の製法および食器洗浄機用洗剤としての使用に関する
。
本発明全ての成分および特徴相互の調整は、必要なコンシステンシーを達成す
るのに制限がない。
例えば、US-3,607,64記載の固形混合物は、単に水で徐々に希釈することに
よって所望の制御可能なレオロジー特性を示す本発明の圧縮洗剤に変換できない
ことが判明した。
また、水酸化ナトリウム(液体)をアルコールまたはグリコールに導入すると
、
より固形状の水酸化ナトリウムを添加しても均一な洗剤が形成されないことが判
明した。
しかしながら、これとは反対に、洗剤の組成が本発明に従い選択される限り、
水酸化ナトリウム水溶液において必要な固化作用を得るには、増粘剤および、例
えば固体形態のアルカリ水酸化物、好適には水酸化カリウムまたは水酸化ナトリ
ウム、より好適には水酸化ナトリウムを除き、添加剤は全く不要である。この事
実は、驚くべきことである。加えて、制御可能な必要な強度を達成するには、式
(I)および式(II)の化合物を、アルカリ水溶液、好適には水酸化カリウムお
よび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水溶液ナトリウム水溶液と一緒に添
加することで、十分であることに注目すべきである。
最後に、水分含量は、他の臨界的パラメーターであって、10〜35重量%、有利
には20〜30重量%である。
本発明の洗剤は、水酸化ナトリウム含量が高いため、そのpHは、13を超える
。
加えて、本発明の洗剤は、その有用な強度を失うことなく、他の成分と組み合
わせて使用することができる。この観点から、洗剤のアルカリ水溶液、好適には
水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水酸化ナトリウム
水溶液、化合物(I)および/または(II)および固体形態のアルカリ水酸化物
、好適には水酸化ナトリウムは、洗剤中に通常存在する他の成分のための担体相
として作用する。
従って、洗剤は、さらにビルダーを、60重量%までの量、好適には15〜40重量
%の量で所望の成分として含む。
原則として、本発明の洗剤中に存在するビルダーは、広範な意味で洗剤に適し
たビルダーとして、この分野で知られたいずれの物質であってもよいが、水溶性
ビルダーが好適である。
好適なビルダーは、例えばアルカリ金属リン酸塩であり、これは、ナトリウム
塩またはカリウム塩の形態で存在することができる。このようなビルダーの例は
、二リン酸五ナトリウム、三リン酸五ナトリウム、いわゆるヘキサメタリン酸ナ
ト
リウムおよび対応するカリウム塩、またはヘキサメタリン酸ナトリウムと対応す
るカリウム塩との混合物である。
錯生成剤、例えばニトリロトリアセテートまたはエチレンジアミンテトラアセ
テートも、ビルダーとして挙られる。本発明に用いることができる他のビルダー
は、ソーダおよびホウ砂であってよい
他の可能な水溶性ビルダー成分は、例えば天然源または合成源の有機ポリマー
、特にポリカルボキシレートである。この種の好適なポリマーは、例えばポリア
クリル酸および無水マレイン酸とアクリル酸のコポリマーおよびこれらポリマー
酸のナトリウム塩である。市販の製品は、例えばSokalan(登録商標)CP5およ
びPA30(BASF)、Alcosperse(登録商標)175および177(Alco)、LMW(登
録商標)45NおよびSPO2ND(Norsohaas)である。好適な天然ポリマーには
、例えば酸化デンプン(例えばDE 42 28 786)およびポリアミノ酸、例えばポ
リグルタミン酸またはポリアスパラギン酸、例えばCygnus,Bayer,Rohm&Hass,Rh
one-PoulencまたはSRCHEMから市販の製品である。
他の可能なビルダー成分は、天然のヒドロキシカルボン酸、例えばモノヒドロ
キシおよびジヒドロキシコハク酸、α-ヒドロキシプロピオン酸、クエン酸、グ
ルコン酸およびそれらの塩である。クエン酸塩は、好適にはクエン酸三ナトリウ
ム二水和物の形態で使用される。
他の好適なビルダーは、無定形メタ珪酸塩または層状珪酸塩である。結晶性層
状珪酸塩も、十分なアルカリ安定性を示す限り、好適なビルダーである。結晶性
層状珪酸塩は、市販されている(HoechstAG(ドイツ)、商標名:Na-SKS
、例えばNa-SKS-1(Na2Si22O45・xH2O、ケンヤイテ(kenyaite))、
Na-SKS-2(Na2Si14O29・xH2O、マガダイテ(magadiite))、Na-S
KS-3(Na2Si8O17・xH2O)、Na-SKS-4(Na2Si4O9・xH2O)マ
カタイテ(makatite))、Na-SKS-5(μ-Na2Si2O5)、Na-SKS-7(β-
Na2Si2O5、ナトロシライテ(natrosilite))、Na-SKS-11(t-Na2Si2
O5)およびNa-SKS-6(δ-Na2Si2O5))。
特に好適なビルダーは、三リン酸五ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、ニト
リロアセテート、エチレンジアミンテトラアセテートおよびそれらの混合物から
なる群から選ばれるものである。
洗浄組成物中に通常存在する漂白剤も、本発明の洗剤に存在させることができ
る。漂白剤は、酸素系漂白剤、例えば過ホウ酸ナトリウム、その水和物形態、過
炭酸ナトリウムなどからなる群から選ばれ、また塩素系漂白剤、例えばN-クロ
ロ-p-トルエンスルホン酸アミド、トリクロロイソシアン酸、アルカリ金属ジク
ロロイソシアン酸塩、アルカリ金属次亜塩素酸塩および漂白剤放出型アルカリ金
属次亜塩素酸塩から選ばれるが、アルカリ安定型漂白組成物が特に好適である。
アルカリ安定型漂白組成物は、アルカリ安定型の物質を含んでもよく、また表面
被覆や不動体化のような好適な方法によって安定化した成分のいずれであってよ
い。
また低発泡性界面活性剤、とりわけ非イオン性界面活性剤は、10重量%までの
量、好適には5重量%までの量で存在することができる。発泡性が非常に低い化
合物も、通常使用される。この種の好適な化合物は、分子中に8モルまでの酸化
エチレン単位および8モルまでの酸化プロピレン単位を含む炭素数12〜18のアル
キルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールエーテルである。しかし
ながら、低発泡性挙動が知られている他の非イオン性界面活性剤、例えば、分子
中に8モルまでの酸化エチレン単位および8モルまでの酸化ブチレン単位を含む
炭素数12〜18のアルキルポリエチレングリコールポリブチレングリコールエーテ
ルも、使用することができる。これに関し、本発明の洗剤は、以上の成分を添加
せずに前記問題を解決したことに、特に注目すべきである。しかしながら、以上
の成分は、洗剤の洗浄特性を支持することができる。
本発明の洗剤中の他の可能な成分は、消泡剤である。選択した界面活性剤が所
定の条件下にあまりにも激しく発泡する場合、消泡剤を使用して、食器洗浄機に
残留した発泡性の食品に対し泡沫抑制作用を示すことができる。混合助剤、例え
ばパラフィン油は、存在させることもできるが、この混合助剤を添加しなくとも
、本発明の洗剤は、その特性を保持することができる。
所望により存在する成分は、他の代表的な洗剤成分、例えば染料またはアルカ
リ安定型芳香剤である。
研磨成分は、一般に存在することができるが、本発明の洗剤は、好適にはこの
ような成分を含まない。
増粘剤、例えばモンモリロナイト型の膨潤性層状シリケート、ベントナイト、
カオリン、タルクまたはカルボキシメチルセルロースは、所望により付加的な成
分として使用して、圧縮洗剤の強度を変化させることができるが、本発明の洗剤
に必要な制御可能な強度特性およびコンシステンシーを達成するのに、不要であ
る。すなわち、増粘剤は使用する必要がない。
本発明は、アルカリ水溶液、好適には水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム
水溶液、より好適には水酸化ナトリウム水溶液に対する、固体形態のアルカリ水
酸化物、好適には水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム、特に水酸化ナトリウ
ムと組み合わせた式(I)の化合物および/または式(II)の化合物についての
固化作用を提供する。
一方では、本発明は、固体水酸化ナトリウムと組み合わせた式(I)および/
または式(II)の化合物についての、アルカリ水酸化物、好適には水酸化ナトリ
ウムを含む水含有食器洗浄機用洗剤における固化剤としての使用を提供する。
他方では、本発明は、42〜55重量%のアルカリ水溶液、好適には水酸化カリウ
ムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水酸化ナトリウム水溶液を増粘
する方法を提供する。この方法は、式(I)の化合物および/または式(II)の
化合物を撹拌下に上記水酸化ナトリウム水溶液に添加してペーストを形成し、次
いでこのペーストに、ビルダーおよびアルカリ水酸化物、好適には水酸化カリウ
ムまたは水酸化ナトリウム、特に水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる固体
を添加して、制御可能に変化しうる強度を達成することを特徴とする。この方法
は、一般に20〜50℃、好適には30〜48℃、より好適には38〜42℃で実施される。
水酸化ナトリウムの水溶解度は、温度の上昇につれて増加するため、水溶液中
の水酸化ナトリウム含量は、55重量%を超えることができる。これに対応して、
低温での水酸化ナトリウム含量は、42重量%未満であってよい。したがって、水
酸化ナトリウム水溶液の42〜55重量%という範囲は、温度20〜25℃の温度
範囲に実質的に限られる。
本発明の著しい利点は、室温のように低い温度で存在でき、かつ撹拌できるこ
とである。場合により、例えば増粘したアルカリ水溶液、好適には水酸化カリウ
ムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水酸化ナトリウム水溶液が非常
に高い粘度を有する場合、固体成分の添加前に温度をわずかに上昇させて粘度を
低下させることが有利である。しかしながら殆ど全ての場合、本発明のコンシス
テンシーは、42℃未満の温度、好適には38〜42℃の温度で達成することができ、
これにより、耐熱性を欠如する物質、例えば塩素含有漂白剤を本発明の洗剤に混
入することができる。
好適な一具体例によれば、ペーストは、式(I)および/または式(II)の化
合物の添加後であって固体形態の水酸化ナトリウムの導入前に、少なくとも3分
間撹拌される。
増粘した組成物がビルダーを含むならば、ビルダーは、増粘されるアルカリ水
溶液、好適には水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水
酸化ナトリウム水溶液中に当初から存在させることができる。しかしながら好適
には、ビルダーは、アルカリ水溶液、好適には水酸化カリウムおよび水酸化ナト
リウム水溶液、より好適には水酸化ナトリウム水溶液および式(I)および/ま
たは式(II)の化合物および固体水酸化ナトリウムからなる既に増粘したペース
ト状組成物に、高温で添加する。所望により存在する他の成分は、好適には、ア
ルカリ水溶液、好適には水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好
適には水酸化ナトリウム水溶液および式(I)および/または式(II)の化合物
および固体水酸化ナトリウムからなる既に増粘したペースト状組成物に高温で添
加する。
本発明の圧縮洗剤は、例えば、容器(収納重量:例えば0.5〜10Kg)に収納
した制御可能な強度を示す洗剤を水によって噴霧することによって使用すること
ができ、このようにして溶解した洗剤は、例えば食器洗浄機に導入される。これ
は、例えば市販のディスペンサーTopmate(登録商標)P40(Henkel Hygiene G
mbH)またはV/VT2000(固体ディスペンサー、Henkel Ecolab)によって実
施することができる。
洗剤は、例えば撹拌したタンク反応器において、温度20〜50℃、好適には30〜
48℃、より好適には38〜42℃で製造することができる。次いで洗剤は、販売用容
器中に約40℃で充填し、冷却トンネルにおいて約20℃に冷却して、本発明のコン
システンシーを達成する。
しかしながら、他の方法を用いて、洗剤を充填し、室温に戻すことができる。
本発明の洗剤は、部分的に徐々に硬化させることができ、これは、時間依存測
定法によって測定され、混合物の特定組成によって大きく影響される。その結果
、数日ないし数週間後に、ISO 2137に従う針入度計試験においてコーン針入
を全く示さない混合物が得られる。したがって、示した針入度値は、洗剤の製造
後、直ちに、数時間後ないし数日後に測定した。
実施例
以下に示す組成1〜8を有する洗剤1Kgを製造した。50%アルカリ水溶液を2
1容ガラスビーカーに導入した。1,2-プロピレングリコールを撹拌下に(プロペ
ラ付撹拌機、100r.p.m.)40℃で添加した。添加後、混合物を5分間撹拌した。
その後、水酸化ナトリウムを固体アルカリ水酸化物として添加した。次いで、他
の固体物質(ビルダー)を撹拌下に添加した。添加後、混合物を約5分間撹拌し
た。ISO 2137による針入度測定を、標準コーンを用い、室温(22℃)で洗剤
の製造後約5時間、24時間および48時間の後に行った。示した値は、3回の測定
値の平均である。種々の粒径の未溶解成分がペースト状洗剤中に存在するため、
測定値は、±約20%の誤差がありうる。
以下の表に示した量は、種々の成分および処理工程の影響を考慮に入れた場合良
好な比較を保証するため、gで混合物を表示した。 全ての混合物は、均一に撹拌でき、容器中に充填することができる。しかしな
がら、それらの硬化速度は、異なる。
種々の成分は、強度およびその制御に対し異なる作用を示す。これを、以下に
簡単に説明する。
実施例E1と実施例E2とを比較すると、特性の観点から好適である混合物の場
合、固体アルカリ水酸化物の量が強度の変化に対し影響を与えることがわかった
。固体アルカリ水酸化物の添加量を増加すると、強度の増加(針入度計試験では
針入度がより小さい)につながる。
実施例E3と実施例E2との比較は、所望により添加したビルダーの影響を示す
。この場合、ビルダーの添加は、強度の増加につながるが、本発明のコンシステ
ンシーは、ビルダーを使用せずに達成することができる。
固体アルカリ水酸化物の影響は、実施例E4と実施例E2とを比較すると、より
明確に示される。
実施例E5において、混合物の製造に際し、ニトリロ酢酸および固体水酸化ナ
トリウムを、実施例2とは異なる順序で添加したが、本発明の特性は、明白であ
る。
実施例E6、E7およびE8において、水酸化ナトリウム水溶液に代えて、水酸
化カリウム水溶液を用いた。
これらの実施例において、固体水酸化ナトリウムの含量が非常に高いため、撹
拌可能時間は、非常に短い。硬化工程は、非常に急速であって、わずか5時間後
であるため、針入度試験において針入は生じなかった。しかしながら、本発明の
特性は、混合後に短い時間間隔で針入度を測定することによって、観察すること
ができる。
式(I)および(II)の化合物を添加しない比較例としての洗剤の製造は、式
(I)および式(II)の化合物および固体水酸化ナトリウムを添加しないことを
除き、本発明の洗剤について前記したと同じ方法で実施した
C1では、均一な洗剤ではなく、湿潤性塊状粉末が製造された。
C2、C3およびC4では、25℃でわずか1日の貯蔵後に層分離、即ち水性層の
分離が生じた。
C5およびC6では、特に、固体アルカリ水酸化物添加の大きい利点が示される
。なぜなら、多量のグリコールを用いて本発明のコンシステンシーがやっと得ら
れるにすぎず、また、少なくとも、固化の間の強度変化が大きく制限されるから
である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C11D 17/06 C11D 17/06
(72)発明者 ヴィルバート,クラウス
ドイツ連邦共和国デー―40627デュッセル
ドルフ、アム・シュヴァルベンベルク70番
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.強度を制御可能に変化させうる水含有圧縮洗剤であって、 ISO 2137に従う針入度試験において、25mmまでの数値、好適には0.1〜25 mmの数値(20℃)を示すこと、および以下の製法によって得られることを特徴 とする洗剤: a)洗剤基準で21〜70重量%、好適には35〜55重量%のアルカリ水溶液、好適 には水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水酸化ナトリ ウム水溶液、特に42〜55重量%の水酸化ナトリウム水溶液、および b)洗剤基準で、合計0.5〜40重量%、好適には1〜10重量%の式: HOCH2CH(R1)OR2 (I) 〔式中、R1は、水素原子またはメチル基、 R2は、R1から独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、CH2CH(R3 )OR4またはCH2CH(R5)OCH2CH(R6)OR7、 R3、R5およびR6は、水素原子またはメチル基、 R4およびR7は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を意味する。〕 で示される化合物、および/または式: [HOCH2CH(R8)3-xNHx (II) 〔式中、R8は、水素原子またはメチル基、 xは、0、1または2の数を意味する。〕 で示される化合物 を混合して高粘度を形成し、次いで、固体形態のアルカリ水酸化物、好適には水 酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム、より好適には水酸化ナトリウムを、洗剤 基準で35重量%までの量、好適には2〜25重量%の量で添加する。 2.さらに、ビルダーを、洗剤全量を基準に50重量%までの量、好適には15〜4 0重量%の量で導入した請求項1記載の洗剤。 3.ビルダーは、三リン酸五ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、ニトリロト リアセテート、エチレンジアミンテトラアセテート、ソーダ、アルカリメタ珪酸 塩およびそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項2記載の洗剤。 4.式(I)の化合物は、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ブ チルグリコールおよびブチルジグリコールからなる群から選ばれる一方、式(II )の化合物は、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールア ミンからなる群から選ばれる請求項1〜3のいずれかに記載の洗剤。 5.式(I)の化合物は、1,2-プロピレングリコールで、式(II)の化合物は、 ジエタノールアミンである請求項1〜3のいずれかに記載の洗剤。 6.アルカリ水酸化物、好適には水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム、好 適には水酸化ナトリウムを含む、食器洗浄機用圧縮洗剤の製法であって、 a)洗剤基準で21〜70重量%、好適には35〜55重量%のアルカリ水溶液、好適 には水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水酸化ナトリ ウム水溶液、特に42〜55重量%の水酸化ナトリウム水溶液、および b)式: HOCH2CH(R1)OR2 (I) 〔式中、R1は、水素原子またはメチル基、 R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、CH2CH(R3)OR4またはC H2CH(R5)OCH2CH(R6)OR7、 R3、R5およびR6は、水素原子またはメチル基、 R4およびR7は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を意味する。〕 で示される化合物、および/または式: [HOCH2CH(R8)3-xNHx (II) 〔式中、R8は、水素原子またはメチル基、 xは、0、1または2の数を意味する。〕 で示される化合物 を混合して高粘度を形成し、次いで、固体のアルカリ水酸化物、好適には水酸化 カリウムまたは水酸化ナトリウム、より好適には水酸化ナトリウムを、洗剤基準 で35重量%までの量、好適には2〜25重量%の量で添加する ことを特徴とする方法。 7.前記アルカリ水酸化物として、部分的には42〜55重量%の溶液形態であ って部分的には固体形態である水酸化ナトリウムを用いる請求項6記載の方法。 8.42〜55重量%水酸化ナトリウム水溶液を固化する方法であって、 式(I)の化合物および/または式(II)の化合物および固体形態のアルカリ 水酸化物、好適には水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム、特に水酸化ナトリ ウムを、水酸化ナトリウム水溶液に撹拌しながら添加する ことを特徴とする方法。 9.42〜55重量%水酸化ナトリウム水溶液を固化する方法であって、 式(I)の化合物および/または式(II)の化合物および固体形態の0.1〜35重 量%水酸化ナトリウムを、水酸化ナトリウム水溶液に撹拌しながら添加すること を特徴とする方法。 10.前記溶液は、式(I)および/または式(II)の化合物の添加後に、少な くとも3分撹拌する請求項6〜9のいずれかに記載の方法。 11.42〜55重量%水酸化ナトリウム水溶液は、ビルダーを含む請求項6〜10の いずれかに記載の方法。 12.ビルダーは、式(I)および/または式(II)の化合物の42〜55重量%水 酸化ナトリウム水溶液への添加後に添加する請求項9〜11のいずれかに記載の方 法。 13.強度を制御可能に変化させうる水含有圧縮洗剤の洗浄表面への使用であっ て、 上記洗剤は、 ISO 2137に従う針入度試験において、25mmまでの数値、好適には0.1〜25 mmの数値(20℃)を示すこと、および以下の製法: a)洗剤基準で21〜70重量%、好適には35〜55重量%のアルカリ水溶液、好適 には水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム水溶液、より好適には水酸化ナトリ ウム水溶液、特に42〜55重量%の水酸化ナトリウム水溶液、および b)洗剤基準で、合計0.5〜40重量%、好適には1〜10重量%の式: HOCH2CH(R1)OR2 (I) 〔式中、R1は、水素原子またはメチル基、 R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、CH2CH(R3)OR4またはC H2CH(R5)OCH2CH(R6)OR7、 R3、R5およびR6は、水素原子またはメチル基、 R4およびR7は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を意味する。〕 で示される化合物、および/または式: [HOCH2CH(R8)3-xNHx (II) 〔式中、R8は、水素原子またはメチル基、 xは、0、1または2の数を意味する。〕 で示される化合物 を混合して高粘度を形成し、次いで、固体形態のアルカリ水酸化物、好適には水 酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム、より好適には水酸化ナトリウムを、洗剤 基準で35重量%までの量、好適には2〜25重量%の量で添加することによって得 られる ことを特徴とする使用。 14.業務用および家庭用食器洗浄機のための請求項13記載の使用。 15.ビルダーは、洗剤全量を基準に50重量%までの量、好適には15〜40重量% の量でさらに存在する請求項13または14記載の使用。 16.ビルダーは、三リン酸五ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、ニトリロト リアセテート、エチレンジアミンテトラアセテート、ソーダ、アルカリメタ珪酸 塩およびそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項13〜15のいずれかに記載 の使用。 17.式(I)の化合物は、エチレングリコール1,2-プロピレングリコール、ブ チルグリコールおよびブチルジグリコールからなる群から選ばれる一方、式(II )の化合物は、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールア ミンからなる群から選ばれる請求項13〜16のいずれかに記載の使用。 18.式(I)の化合物は、1,2-プロピレングリコールで、式(II)の化合物は 、ジエタノールアミンである請求項13〜17のいずれかに記載の使用。
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