JP2000508422A - 特に比率計としての電磁制御駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は特に比率計としての電磁的制御駆動装置に関し、この装置は一組の制御コイル（１０，２０）と、これら一組のコイル（１０，２０）を担持するフレーム（５０）と、前記一組の制御コイル（１０，２０）によって枢動される磁石を含む構体と、前記一組のコイル（１０，２０）及び前記フレームを少なくとも部分的に囲む磁気遮蔽体（１００）とを備え、磁気遮蔽体（１００）が非円筒形状の環状スカート部（１１０）を含むことを特徴している。

Description

【発明の詳細な説明】 特に比率計としての電磁制御駆動装置 本発明は電磁制御駆動装置、特に「比率計」として知られている装置に関する ものである。 本発明の特別な適用は自動車のダッシュボード用ダイアル指示器にある。 一般に、比率計は、 二つの交差配置された制御コイル、 前記両コイルで画定される内部チャンバー内に回転可能に配置された径方向 に磁化された一つの磁石、 前記磁石に同心状に設けられ、ダイアル針のボス部を受け入れるよう適合され た軸、および 少なくとも部分的に前記両コイルを囲む磁気遮蔽体、 を備えていることが知られている。 上記両制御コイルは、通常はプラスチック材料製の支持フレームで担持されて いる。 針の指す方向は、前記両コイルにより作り出される磁場の作用に依存する。 従って、両コイルに入力振幅の正弦／余弦又は正接に相当する信号が供給され れば、基準位置に対する磁石の振れ角は前記入力振幅を直接示すことになる。 従来、磁気遮蔽体は円筒形の金属製カップの形で提供されてきている。 又、今迄のところ、このような電磁制御駆動装置における可動構体の静止位置 は、補助磁石又はばねを付加することにより設定されており、これにより結果と して構造が複雑になっていた。 ドイツ特許公開第３５４１３９５号公報には、金属箔の螺旋巻きからなる磁気 遮蔽体が開示されている。 またイギリス特許公開第５６４１８１号公報には、各一つの磁石とコイルとを 備えた指示器が述べられており、この指示器は、外部遮蔽体の内側に装置の静止 位置のセットのために調節可能に配置された二つのネジを含んでいる。 本発明は、この公知の電磁制御駆動装置を改良しようとするものである。 本発明によれば、この目的は、 一組の制御コイル（１０，２０）と、 この一組の制御コイル（１０，２０）を担持する支持フレーム（５０）と、 前記一組の制御コイル（１０，２０）によって枢動される磁石を含む構体と、 前記一組の制御コイル（１０，２０）及び前記支持フレームを少なくとも部分 的に囲む磁気遮蔽体（１００）とを備えた電磁制御駆動装置により達成され、こ の装置は、前記磁気遮蔽体（１００）が軟磁性金属材のプレス成型品からなると 共に該磁気遮蔽体が非円筒形状の環状スカート部（１１０）を備えていることを 特徴としている。 本発明の有利な特徴によれば、前記磁気遮蔽体は、ほぼ円筒体であるが円筒体 周面よりも内側に入り込んだ少なくとも一つの後退面形状部を有する環状スカー ト部を含んでいる。 変形例としては、円筒体よりも内側に入り込んだ後退面形状部を二つ備えたも のが提供される。これら後退面形状部は平面で構成することができる。勿論、こ れら後退面形状部は互いに異なる形状であってもよい。また、これら二つの後退 面形状部は本装置の軸心を間にして径方向に対面していてもよい。但し、別の変 形例として、これら二つの後退面形状部が対面していない場合もある。 本発明の有利な特徴によれば、磁気遮蔽体は非円筒形状の環状スカート部を備 えると共に、この環状スカート部は、装置回転軸心上で互いに直交する二つの対 称面をなす筒形状である。 本発明の別の変形例においては、磁気遮蔽体の環状スカート部がほぼ楕円形状 になっている。 本発明の別の有利な特徴によれば、この環状スカート部は軸心対称に対面する 二つの部分円筒面セクターを備え、これらセクター間はそれぞれ一つずつの平面 部で接続され、両平面部は互いに平行に対面している。 本発明の上記以外の特徴と目的及び利点は、本発明の限定を意図しない実施例 を示す添付図面を参照した以下の詳細な説明から明らかである。 図１は、本発明による比率計用の支持フレームを軸心方向から見た平面図であ る。 図２は、本発明による磁気遮蔽体の上面図である。 図３は、図２のIII−III矢視断面における磁気遮蔽体の第１断面図である。 図４は、図３のIV−IV矢視断面における同磁気遮蔽体の第２断面図である。 図５は、本発明による比率計の模式的分解図である。 この比率計はコイル１０と２０、磁石２００及び指示針担持軸２１０を備えて おり、その全般的内部構造自体は公知であるので、以下の説明では詳述しないこ とのする。 二つのコイル１０、２０は、図１に示すように支持フレーム５０上に配置され ている。 支持フレーム５０は、好ましくはプラスチック材料の成型品である。支持フレ ーム５０は、可動構体の回転軸心Ｏ−Ｏに芯合わせされた中心ハブ５２と、それ ぞれ交差配置された二対の突部５４、５５、５６及び５７を画定している。各対 における突部５４と５５、及び５６と５７は互いに対向配置されており、第１の 対の突部５４と５５に対して第２の対の突部５６と５７は軸心Ｏ−Ｏ上で直交し た位置にある。これら突部５４、５５、５６及び５７は、それぞれ軸心Ｏ−Ｏに 関してほぼ径方向に延在している。これらの間で二対の突部５４と５５及び５６ と５７は、それぞれコイル１０と２０を受け入れるのに適した二つの環状ハウジ ング６０と６２を画定しており、これらコイル自体は、軸心Ｏ−Ｏを横切る方向 に向いた二つの軸線１２及び２２に対してそれぞれ芯合わせされている。 ハブ５２は、磁石２００と指示針担持軸２１０を備えた可動構体２０２を回転 案内するよう適合されている。 第１の対の二つの突部５４と５５は、それぞれの外周縁部において、それぞれ 軸線Ｏ−Ｏ上に芯合わせされた同一径の部分円筒キャップ面７０、７２を画定し ている。第２の対の二つの突部５４と５７も、同様にして同一径の部分円筒キャ ップ面７４、７４を画定している。但し、図１に示したように、この後者の二つ の突部５６と５７はまた、それぞれの外周縁部において、軸心Ｏ−Ｏを中心にし て互いに対面する互いに平行な各面７６と７８をも画定している。 支持フレーム５０はまた、内側当接部（図示を簡略化するため図１には示して いない）も画定しており、この内側当接部は、可動構体、例えば磁石と機械的に 相互作用して、可動構体が枢動できる角度を規制するように構成されている。 図１に示した例においては、二つのコイル１０と２０が成す角度は１１０°で ある。述べるまでもなく、この角度は限定的なものとして考えるべきではない。 この角度は、適用対象の機能に応じて容易に適合可能である。 本発明に従って、この比率計は、図２〜図４に示した形式の磁気遮蔽体１００ を含んでおり、この磁気遮蔽体は環状の周縁スカート部１１０を備え、該環状ス カート部は回転軸心Ｏ−Ｏと同心で、その一端が軸心Ｏ−Ｏに直交したディスク 形状の底壁１２０で閉じられている。本発明に従って環状スカート部１１０は二 つの対称面ＡとＢをなす形状をもち、これら対称面は装置回転軸心Ｏ−Ｏ上で互 いに直交して交差する。 磁気遮蔽体１００は、好ましくはプレス成形により軟磁性金属材から作成され る。更に正確には、この磁気遮蔽体１００は、好ましくは鉄−ニッケル合金、例 えば鉄６４％とニッケル３６％の板材を使用して作成される。 磁気遮蔽体１００の底壁１２０には、コイル１０及び２０に結線されたピンの 挿通孔を設けることができる。述べるまでもなく、各コイル１２及び２０は、図 １に示したように各コイル端をピン９０、９１及び９２に電気的に接続して突部 ５７上に延在する張出部５９上に支持されるようにし、また張出部５９は磁気遮 蔽体１００の開口端側で輪郭に近設して外側に配設するように構成することが好 ましい。 図２〜図４に示した実施例では磁気遮蔽体１００の特別の態様を示しており、 この場合、磁気遮蔽体１００の環状スカート部１１０は軸心Ｏ−Ｏと同心形状で あり、その周壁は、相互に及び軸心Ｏ−Ｏに対してほぼ平行で且つ軸心を間にし て対面する二つの平面部１１６と１１８によって相互接続された二つの対向する 部分円筒面セクター１１２及び１１４を含んでいる。平面部１１６と１１８は対 称面Ａにほぼ平行で且つ対称面Ｂとは直角になっている。 セクター１１２及び１１４の中心角度範囲は約１５０°が有利である。 部分円筒面セクター１１２と１１４の内径は、部分円筒キャップ面７０、７２ 及び７４の外径に対応してこれを受け入れる相補寸法となっている。また、平面 部１１６又は１１８と軸心Ｏ−Ｏとの間の距離は、支持フレーム５０上に形成さ れた平面部７６又は７８と軸心Ｏ−Ｏとの間の距離に対応してこれを受け入れる 相補寸法となっている。 従って当業者であれば、例えば接着剤、超音波接合、熱嵌め、或いはその他、 磁気遮蔽体１００の変形を起こさない任意の固定手段を利用することによって、 磁気遮蔽体１００を支持フレーム５０に容易に固定できることが理解できよう。 本発明の別の有利な特徴は、コイル１０と２０の軸線１２と５２が磁気遮蔽体 の平面部１１６および１１８に対して直交していないことにある。本発明を限定 するものではないが、一例として、コイル１０、２０の軸線１２、２２は、磁気 遮蔽体の平面部１１６、１１８に直角の対称面８０即ちＢに対し、約３５°傾い ている。 以上の特徴により、軸心Ｏ−Ｏ周りでの可動構体の枢動角度範囲を、磁気遮蔽 体１００が円筒形の場合にコイル１０と２０で発生される磁界を制御することに より得られる角度よりも大きい角度範囲とすることができる。 ここで、磁気遮蔽体１００が円筒形の場合は、コイル１０が励磁されると、可 動構体の磁石はそれ自身の軸線をコイル１０の軸線１２上に揃えるのが通常であ る。しかしながら、遮蔽体１００に平面部１１６及び１１８が存在する場合は、 可動構体に担持されている磁石の軸線は、コイル１０の軸線１２と平面部１１６ 及び１１８に直交する対称軸線８０との間の位置に向く傾向を示す。 これにより、コイル１０によって磁石自身に与えられる制御に関して可動構体 の位置に反時計方向の遅角が生じる。 コイル２０が励磁された場合は上述と逆の効果が得られる。即ち、磁気遮蔽体 が円筒形の場合、コイルが励磁されると可動構体の磁石の軸線はコイル２０の軸 線２２上に揃えるのが通常であるが、これに対して本発明による磁気遮蔽体１０ ０の場合は、可動構体の磁石の軸線はコイル２０の軸線２２と遮蔽体の平面部１ １６及び１１８に直交する対称軸線８０との間の位置を取ることになる。したが って、これにより、コイル２０の軸線２２に関して可動構体に反時計方向の進み が与えられる。 図５には、磁石２００に固定された軸２１０の一端の支持体として機能するよ う支持フレーム５０の端部における中央チャンバー内に配置される玉２２０と、 軸２１０の他端部を回転案内するために支持フレーム５０に固定される軸支部材 ２３０が更に示されている。 添付図面に示した比率計の全般的な動作は以下の通りである。 コイル１０、２０は、従来と同様に、コイルの幾何形状、更に正確にはコイル 間の相対的傾き及び磁気遮蔽体１００のリラクタンスを考慮に入れた信号によっ て励磁される。 二つのコイル１０、２０は、磁石２００がコイル位置から偏位する際にトルク を与えるような磁界を発生する。磁気遮蔽体１００も円形対称ではないのでトル クを発生する。これら二つのトルクの安定位置は一致していない。磁石２００で 占められる角度は、これら二つのトルクの合計がゼロになる角度である。 励磁が断たれると、磁気遮蔽体１００が円形対称性を欠いていることに基づい て磁気遮蔽体のリラクタンスに異同が存在しているため、可動構体の磁石はそれ 自身で平面部１１６及び１１８に直交する対称面８０上に向きを揃えようとし、 従って、比率計内に設けられている機械的当接部分での跳ね返りを伴うこと無く 支承されることになる。 本発明による比率計は、従前から公知の装置に対して以下のように多くの利点 をもたらすものである。 第１に、本発明による比率計は対称面８０に関して完全に対称的構造になって いることが明らかである。その結果、互いに逆向きの二方向の回転のどちらにも 難なく駆動することができ、この駆動を回転方向とは無関係に制御信号の関数と して同一の角度応答特性で達成することができる。このことは、磁石又は螺旋ば ねによる復帰機能を備えた従来の比率計に比べて大きな利点をもたらすものであ り、というのも、従来の比率計では回転方向に依存した非対称の応答特性を示す からである。 更に加えて、本発明による比率計はコイル１０と２０による制御量のみから生 み出される枢動の振幅と比べて可動構体の枢動振幅を増加させることができると いう利点も有している。 最後に、本発明の比率計は製造と組み立てが簡単であり、製造ライン又は据え 付けラインに対して基本的変更は何ら必要としないという利点もある。 本発明は前述の特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想 の範鴫における種々の変形を包含するものであることは述べるまでもない。 前述のように、更に一般的な形態では本発明による磁気遮蔽体１００は円筒体 に対して円筒面から後退した形状部（例えば、平面又は他の多くの形状の面）を 少なくとも一つ有する非円筒形の環状スカート部１１０を含んでいる。この磁気 遮蔽体は、好ましくは互いに対面する二つの後退面形状をもつことができる。 別の変形態様では、磁気遮蔽体１００はほぼ楕円形のセクター部分を有するこ ともできる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 この。 １．特に比率計としての電磁制御駆動装置であって、 一組の制御コイル（１０，２０）と、 この一組の制御コイル（１０，２０）を担持する支持フレーム（５０）と、 前記一組の制御コイル（１０，２０）によって枢動される磁石を含む構体と、 前記一組の制御コイル（１０，２０）及び前記支持フレームを少なくとも部分 的に囲む磁気遮蔽体（１００）とを備えたものにおいて、 前記磁気遮蔽体（１００）が軟磁性金属材のプレス成型品からなると共に該磁 気遮蔽体が非円筒形状の環状スカート部（１１０）を備えていることを特徴とす る電磁制御駆動装置。 ２．前記磁気遮蔽体（１００）が、ほぼ円筒体であるが円筒周面よりも内側に 入り込んだ少なくとも一つの後退面形状部（１１６，１１８）を有する環状スカ ート部（１１０）を備えていることを特徴とする請求項１に記載の電磁制御駆動 装置。 ３．前記磁気遮蔽体（１００）が、円筒周面よりも内側に入り込んだ後退面形 状部（１１６，１１８）を二つ備えていることを特徴とする請求項２に記載の電 磁制御駆動装置。 ４．前記後退面形状部（１１６，１１８）が平面で形成されていることを特徴 とする請求項３に記載の電磁制御駆動装置。 ５．前記二つの後退面形状部（１１６，１１８）が装置軸心を間にして径方向 に対面していることを特徴とする請求項３又は４に記載の電磁制御駆動装置。 ６．前記二つの後退面形状部（１１６，１１８）が装置軸心を間にして径方向 に対面していないことを特徴とする請求項３又は４に記載の電磁制御駆動装置。 ７．前記磁気遮蔽体（１００）が非円筒形状の環状スカート部（１１０）を備 えると共に、該環状スカート部が可動構体の回転軸心（Ｏ−Ｏ）上で互いに交差 する二つの直交対称面（Ａ、Ｂ）をもつ筒形状であることを特徴とする請求項１ 〜６のいずれか１項に記載の電磁制御駆動装置。 ８．前記環状スカート部（１１０）が、軸心対称に対面する二つの部分円筒面 セクター（１１２，１１４）を備え、これらセクター間がそれぞれ一つずつの平 面部（１１６，１１８）で相互に接続されていることを特徴とする請求項１〜５ 及び７のいずれか１項に記載の電磁制御駆動装置。 ９．各コイル（１０，２０）の軸線（１２，２２）が、磁気遮蔽体（１１０） の平面部（１１６，１１８）に対して直交していないことを特徴とする請求項１ 〜８のいずれか１項に記載の電磁制御駆動装置。 １０．各コイル（１０，２０）の軸線（１２，２２）が、磁気遮蔽体（１００ ）の平面部（１１６，１１８）と直角な対称面（８０）に対して約３５°の角度 で傾いていることを特徴とする請求項１〜９のいずれか１項に記載の電磁制御駆 動装置。 １１．両コイル（１０，２０）が相互に約１１０°の角度で傾いていることを 特徴とする請求項１〜１０のいずれか１項に記載の電磁制御駆動装置。 １２．前記磁気遮蔽体（１００）が軟鋼製であることを特徴とする請求項１〜 １１のいずれか１項に記載の電磁制御駆動装置。 １３．前記磁気遮蔽体（１００）の部分円筒セクター（１１２，１１４）の角 度範囲がそれぞれ約１５０°であることを特徴とする請求項１〜１２のいずれか １項に記載の電磁制御駆動装置。 １４．前記磁気遮蔽体（１００）がほぼ楕円面形状のセクターを含む環状スカ ート部を備えたことを特徴とする請求項１〜１３のいずれか１項に記載の電磁制 御駆動装置。