JP2000500483A - 6―o―メチルエリスロマイシンd及びその製造方法 - Google Patents

6―o―メチルエリスロマイシンd及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 構造式(II)(式中R1は低級アルキルである。)を有する抗菌性化合物又は医薬上許容される該化合物の塩、エステル、若しくはプロドラッグ、該化合物の製造に有用な製法又は中間体及び該化合物を含む組成物とその使用方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 6−O−メチルエリスロマイシンD及びその製造方法 技術分野 本発明は抗菌活性を有し、細菌感染に対する治療と予防に有用な新規半合成6 −O−アルキルマクロライドに関する。特に、本発明はエリスロマイシンDの6 −O−メチル誘導体、その製造方法、該化合物を含む組成物及びその利用方法に 関する。本発明の背景 エリスロマイシンA乃至Dは以下の構造式(I)で表わされ、 周知の強力な抗菌剤である。エリスロマイシンAは特に細菌感染の治療と予防に 広く利用されている。しかし、その他の抗菌剤と同様に、エリスロマイシンに対 し耐性のある、又は感受性 の乏しい細菌の菌株が確認されている。その結果、多くの研究者が抗菌活性に変 化又は改善がみられる類似化合物を得ることを計画して、エリスロマイシンの化 学誘導体を合成してきた。 エリスロマイシンAの6−O−メチル誘導体は米国特許第4331803号( 1982年5月25日に公開された)に開示され、該特許は参照により本明細書 に組み込まれるものとする。米国特許第4672109号(1987年6月9日 に公開された)には、9−オキシム誘導体を経由したエリスロマイシンAの6位 のヒドロキシ基を選択的にメチル化して6−O−メチルエリスロマイシンA 9 −オキシムを得る方法が開示されている。6−O−メチルエリスロマイシンA 9−オキシムの製造は米国特許第4670549号(1987年6月2日に公開 された)においても開示された。6−O−メチルエリスロマイシンA 9−オキ シムから6−O−メチルエリスロマイシンAへの変換は日本国特許第95055 958号(1995年6月14日に公開された)に開示された。発酵によるエリ スロマイシンDの製造は米国特許第4496546号(1985年1月29日に 公開された)に開示され、該特許は参照により本明細書に組み込まれるものとす る。本発明の概要 本発明は、以下の構造式を有するエリスロマイシンDの新規な6−O−アルキ ル誘導体又は該化合物の医薬上許容される塩、エステル又はプロドラッグを含む 。 [式中、R1は低級アルキルである。] 構造式IIの好ましい実施態様においてR1はメチルである。 本発明はまた本発明の化合物の製造方法及び以下の構造式を有する、該製造方 法に有用な新規中間体を含む。[式中、Rは好ましくは同じヒドロキシ保護基であり、R1は水素又は低級アル キルである。] 以下の構造式を有する化合物の好ましい製造方法は、 [式中、R1は低級アルキルである。] 以下の構造式を有する化合物を、 典型的には水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又はピリジンな どのI族金属若しくはII族金属の水酸化物若しくは炭酸塩又は有機塩基から選 択される塩基の存在下で、 典型的には無水酢酸又は塩化プロピオニルなどの酸無水物若しくは酸塩化物又は 臭化ベンジルから選択するヒドロキシ保護試剤で処理して以下の構造式の化合物 を得る工程、 [式中、Rはアセチル、プロピオニル又はベンジルである。] 該化合物を典型的にはヨウ化メチル、臭化メチル、p−トルエンスルホン酸メチ ル、メタンスルホン酸メチル、硫酸ジメチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、p− トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸エチル及び硫酸ジエチルからなる 群から選択したアルキル化試剤で処理し、以下の構造式の化合物を得る工程、 [式中、R1はメチル又はエチルであり、Rはアセチル、プロピオニル又はベン ジルなどのヒドロキシ保護基である。] 及び、該化合物をエタノール性若しくはメタノール性の炭酸カリウム、水酸化ナ トリウム、水酸化リチウム若しくは水酸化カリウムで処理するか、又はベンジル 保護基の場合には接触水素化する工程を含む。 より好ましい方法ではR1は水素又はメチルである。 より好ましい方法ではRはそれぞれアセチルである。 より一層好ましい方法ではR1は水素又はメチルであり、Rはアセチルである 。 本発明はさらに6−O−低級アルキルエリスロマイシンAの製造において6− O−低級アルキルエリスロマイシンDを中間体として利用することを含む。 該化合物の抗菌活性のために、本発明は医薬剤又は工業用殺菌剤として有用で あることが予想される。従って、本発明はまた、医薬上許容される担体との組み 合わせで治療上有効な量の構造式(II)の化合物を含有する、細菌感染の治療 と予防に有用な組成物をも含む。 本発明はさらにヒトとその他の動物における細菌感染の治療 方法と予防方法であって、治療上有効な量の本発明の化合物を所望の治療効果を 達成するのに必要な期間だけ、そのような処置が必要な患者に対して投与するこ とを特徴とする該方法を含む。本発明の詳細な説明 本発明は以下の構造式を有するエリスロマイシンの新規誘導体、又は該化合物 の医薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを含む。 [式中、R1は低級アルキル、好ましくはメチルである。] 本発明の第二の態様は本発明の化合物の製造方法及び該化合物の製造に有用な 中間体を含む。そのような中間体(化合物、及び)を反応式I及び IIに示す。 本発明の更に別の態様は6−O−低級アルキルエリスロマイ シンAの製造において中間体として6−O−低級アルキルエリスロマイシンDを 利用すること、特に6−O−メチルエリスロマイシンAの製造において中間体と して6−O−メチルエリスロマイシンDを利用することを含む。 本明細書中に用いられる「ヒドロキシ保護基」又は「O−保護基」の用語は、 参照により本明細書に組み込まれる、Green,“Protective Groups In Organic Synthesis”(John Wiley & Sons,New York(1981))に開示されているO−保 護基などの、合成手順中の望ましくない反応からヒドロキシ基を保護する置換基 をいう。O−保護基は、置換されたメチルエーテル、例えば、メトキシメチル、 ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル )エトキシメチル、t−ブチル、ベンジル及びトリフェニルメチル;テトラヒド ロピラニルエーテル;置換されたエチルエーテル、例えば、2,2,2−トリク ロロエチル;シリルエーテル、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチル シリル及びt−ブチルジフェニルシリル;並びにヒドロキシ基をカルボン酸と反 応させて合成したエステル、例えば、アセテート、プロピオネート、ベンゾエー トなどである。 本明細書中に用いられる「ヒドロキシ保護試剤」の用語はヒドロキシ官能基と 反応して上記のヒドロキシ保護基を与える試剤をいう。例えば、ヒドロキシ保護 試剤である無水酢酸はアセチルヒドロキシ保護基を与える。これらの試剤はGree n,“Protective Groups In Organic Synthesis”(John Wiley & Sons,New Y ork(1981))に記載されている。 本明細書中に用いられる「低級アルキル」又は「アルキル」の用語は、メチル 、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチルなど(しかし、これら に限定されるわけではない)を包含する、1から4の炭素原子を含む直鎖又は分 岐アルキル基をいう。 本明細書中に用いられる「アルカノイルオキシ」の用語は、カルボニル基(− C(O)−O)を介して親分子の部分に結合した上記定義のアルキル基をいう。 本明細書中に用いられる「医薬上許容される塩、エステル、プロドラッグ」の 用語は、正しい医学的判断において、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応など を示すヒト及びヒトより下等な動物の組織に接触させて利用するのに好適であり 、合理的な利得/リスク比を満たしており、所期の用途に有効な本発明 の化合物のカルボン酸塩、エステル及びプロドラッグ、並びに可能な場合には、 本発明の化合物の両性イオンの形態をいう。医薬上許容される塩は当業界では周 知であり、比較的無毒性の、本発明の該化合物の無機酸又は有機酸付加塩をいう 。例えば、S.M.Bergらは、本明細書中に参照により組み込まれる、J.Pharmac eutical Sciences,66:1−19(1997)の中で医薬上許容される塩を詳細に記載し ている。該塩は本発明の化合物の最終的な単離、精製の工程中in situで、又は 別個の工程で遊離塩基性官能基を好適な有機酸と反応させることによって製造し 得る。医薬上許容される無毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、 硫酸及び過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、ク エン酸、コハタ酸若しくはマロン酸などの有機酸によって、又はイオン交換など の当業界で使用されるその他の方法によって生成するアミノ基の塩である。その 他の医薬上許容される塩には、アジペート、アルギネート、アスコルベート、ア スパルテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビスルフェート、ボレー ト、ブチレート、カンホレート、カンホルスルホネート、シトレート、シクロペ ンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エ タンスルホネート、ホルメート、フマレート、グルコヘプトネート、グリセロホ スフェート、グルコネート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエー ト、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクトビオネート、 ラクテート、ラウレート、ラウリルスルフェート、マレート、マレエート、マロ ネート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニ トレート、オレエート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ペクチネー ト、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレー ト、ピバレート、プロピオネート、ステアレート、スタシネート、スルフェート 、タルトレート、チオシアネート、p−トルエンスルホネート、ウンデカノエー ト、及びバレレートの塩などが含まれる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ 土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム などが含まれる。さらに医薬上許容される塩には、適当な場合には、無毒性のア ンモニウム、4級アンモニウム、並びにハライド、ヒドロキシド、カルボキシレ ート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネート、 及びアリールスルホネートなどのカウンターイオンによって生 成するアミン陽イオンが含まれる。 医薬上許容される無毒性の、本発明の化合物のエステルの例にはC1からC6ま でのアルカノイルエステルが含まれ、該アルカノイル基は直鎖又は分枝を有する 鎖である。本発明の化合物のエステルは従来の方法によって製造され得る。 本明細書中で用いられる「医薬上許容されるプロドラッグ」の用語は、正しい 医学的判断において、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応などを示すヒト及び ヒトより下等な動物の組織に接触させて利用するのに好適であり、合理的な利得 /リスク比を満たしており、所期の用途に有効な本発明の化合物のプロドラッグ をいう。「プロドラッグ」の用語は、例えば、血液中での加水分解によって、in vivoで急速に変化し、上記構造式の親化合物を生成する化合物をいう。詳細な 議論はT.Higuchi and V.Stella,Pro-drugs as Novel Delivery Systems,Vol .14 of the A.C.S.Symposium Series、及びEdward B.Roche,ed.,Bioreversi ble Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Per gamon Press,1987で行われており、両文献ともに参照により本明細書中に組み 込まれるものとする。 適当な場合には、本発明の該化合物の誘導体のプロドラッグは任意の好適な方 法で製造され得る。プロドラッグ部分がアミノ酸又はペプチド官能基である化合 物においては、アミノ基のアミノ酸及びペプチドとの縮合はアジド法、混合酸無 水物法、DCC(ジシクロヘキシル−カルボジイミド)法、活性エステル法(p −ニトロフェニルエステル法、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル法、シア ノメチルエステル法など)、Woodward試薬K法、DCC−HOBT(1 −ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール)法などの従来の方法によって達成し得る。 アミノ酸縮合反応の古典的な方法はM.Bodansky,Y.S.Klausner,and M.A.O ndetti,Peptide Synthesis,Second Edition,NY,1976に記載されている。 本発明の別の態様には1種類以上の無毒性の医薬上許容される担体と一緒に製 剤された、治療上有効な量の本発明の化合物を含む医薬製剤が開示されている。 本明細書中で用いられるように、「医薬上許容される担体」の用語は、無毒性で 不活性の固体、半固体若しくは液体の充填剤、希釈剤、カプセルの原料又はあら ゆるタイプの製剤補助剤を意味する。医薬上許容される担体として利用される原 料の例はラクトース、ブドウ糖、シ ヨ糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのでんぷん;セルロー ス及び、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、及び酢酸 セルロースなどのセルロース誘導体;トラガカント粉末;麦芽;ゼラチン;タル ク;ココアバター及び坐薬用ロウなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバ ナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油などの油;プロピレングリコ ールなどのグリコール;オレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル; 寒天;水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸、発 熱性物質を含まない水;等張性のサリン;リンガー溶液;エチルアルコール及び リン酸緩衝溶液、並びに、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウ ムなどのその他の無毒性且つ相溶性の潤滑剤、着色剤、放出剤(releasing agen t)、コーティング剤、甘味料、着香剤や香料、保存料並びに酸化防止剤もまた 製剤者の判断により組成物中に含まれ得る。 本発明の医薬組成物はヒトやその他の動物に対して経口で、直腸内に、非経口 で、槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(粉末、軟膏なたは滴剤よって)、若 しくは口内に、又は経口スプレー若しくは鼻内スプレーとして投与することがで きる。 経口投与用の液体投与剤形には医薬上許容されるエマルション、ミクロエマル ション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルが含まれる。活性化合物に加 えて液体投与剤形には、例えば水やその他の溶媒などの当業界で一般に用いられ る不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢 酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1 ,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(とくに綿実油、落花生 油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、 テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタン の脂肪酸エステルなどの可溶化剤及び乳化剤、ならびにそれらの混合物が含まれ る。不活性希釈剤のほかに、経口用組成物には湿潤剤、乳化・懸濁剤、甘味料、 着香剤、及び香料などの補助剤も含み得る。 注射用製剤、例えば滅菌された注射用水性懸濁剤又は油性懸濁剤は、好適な分 散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて既知の方法で製剤され得る。滅菌された注射 用製剤は、また、無毒性の非経口用として許容される希釈剤又は溶媒に含まれる 滅菌処理された注射用の溶液、懸濁液又はエマルションであり得、例え ば、1,3−ブタンジオール溶液がある。許容される利用可能なビヒクル又は溶 媒の中には、水、リンガー溶液、U.S.P.及び生理食塩水溶液がある。更に、 溶媒又は懸濁媒体として滅菌した固定油が都合良く用いられる。本発明において 、合成モノグリセライド又は合成ジグリセライドなどの刺激性の少ない任意の固 定油が利用できる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製剤に使用される 。 注射用製剤は、例えば細菌濾過器によって濾過するか、又は使用前に滅菌処理 された水又は他の滅菌処理された注射用媒体に溶解又は分散可能な滅菌した固体 組成物の剤形の滅菌剤を混合することによって滅菌が可能である。 薬剤の効果を持続させるために、皮下注射からの薬剤の吸収を遅延させること が望ましい場合もある。これは、水に対する溶解度の低い結晶性又は無定形の原 料を含む液体懸濁剤を使用することによって実現し得る。薬剤の吸収速度は薬剤 の溶解速度に依存し、溶解速度は結晶のサイズ及び結晶形に依存する。他方、非 経口投与剤形の吸収速度の遅延化は薬剤の油状ビヒクルへの溶解又は懸濁によっ て実現される。注射用デポー剤形はポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解 性ポリマー中に薬 剤のマイクロカプセル用マトリックスを形成することによって製造する。薬剤の 放出速度は薬剤対ポリマーの比と使用される特定のポリマーの性質によって制御 できる。他の生分解性ポリマーの例にはポリオルトエステルとポリ無水物が含ま れる。注射用デポー製剤は生体組織に適合したリポソーム又はミクロエマルショ ンに薬剤を閉じ込めて製造することもできる。 直腸内又は膣内投与のための組成物としては、本発明の該化合物をココアバタ ー、ポリエチレングリコール、又は坐薬用ロウなどの、周囲温度では固体である が体温では液体となり、その結果直腸内又は膣腔内で溶けて活性化合物を放出す る、刺激性の無い適切な補助剤又は担体と混合して製造し得る坐薬が好ましい。 同様のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレン グリコールなどの補助剤を使用する軟充填又は硬充填ゼラチンカプセル内の増量 剤としても利用され得る。 活性化合物は一種類以上の上記補助剤とともにマイクロカプセル化された剤形 とすることもできる。錠剤、糖衣錠剤、カプセル、丸剤及び粒剤の固体投与剤形 は腸溶剤皮、放出調節剤皮及びその他の製薬業界で周知の剤皮などの剤皮や外皮 とともに 製造し得る。このような固体投与剤形中において、活性化合物を、ショ糖、ラク トース、又はデンプンなどの少なくとも一種類の不活性な希釈剤と混合し得る。 このような投与剤形は、通常実施されているように、不活性な希釈剤以外の物質 、例えば、ステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロースなどの錠剤化潤滑剤 や他の錠剤化助剤等も含み得る。カプセル、錠剤及び丸剤の場合、投与剤形は緩 衝剤も含む。それらの剤形は、場合によっては不透明化剤(opacifying agents) を含み得、及び、有効成分のみを、又は有効成分を優先的に、腸管内の特定の部 位で、場合によってはゆっくりと放出する組成をもとり得る。利用可能な包埋用 組成物(embedding compositions)の例には、重合性物質とロウが含まれる。 本発明の化合物の局所的投与又は経皮的投与の剤形には軟膏、ペースト、クリ ーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入薬、又は膏薬が含まれる 。有効成分は滅菌条件下で医薬上許容される担体及び、必要に応じて、任意の必 要な保存剤又は緩衝剤と混合される。眼用製剤、耳用滴剤、眼用軟膏、粉末、溶 液もまた本発明の範囲内にあると考えられる。 軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルには本発明の活性化合 物に加え、動物性脂肪、植物性脂肪、油、ロウ、パラフィン、デンプン、トラガ カント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイ ト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛又はそれらの混合物等の賦形剤が含まれ得る。 粉末とスプレーには、本発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸 、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末又は当該物質の混 合物等の賦形剤も含まれ得る。スプレーには、さらにクロロフルオロハイドロカ ーボンなどの通常の噴射剤が含まれ得る。 経皮的膏薬には身体への化合物の投与を調節できるという付加的利点がある。 このような投与剤形は適当な媒体に化合物を溶解させ、又は分散させることによ って製造され得る。吸収エンハンサー(absorption enhancers)も皮膚を通した化 合物の流入を増加させるために使用し得る。流入速度は速度調節膜(ratecontrol ling membrane)を利用するか、又はポリマーマトリックス中若しくはゲル中に該 化合物を分散させるかのいずれかによって調節され得る。 本発明のさらに別な態様には、ヒトとヒトより下等な動物の細菌感染を治療又 は予防する方法であって、治療上有効な量の 本発明の化合物をそのような治療又は予防が必要な患者に対して、治療効果を達 成するのに必要な期間だけ投与することを含む方法が開示されている。本発明の 化合物の「治療上有効な量」は、任意の医学的治療に適用可能な合理的な利得/ リスク比で、細菌感染を治療するのに十分な化合物の量を意味する。しかし、本 発明の化合物及び組成物の一日の合計使用量は、正しい医学的判断において担当 医が決定するものと理解されよう。特定の患者に対する特定の治療上有効な投与 レベルは治療する疾患、疾患の重篤度、使用する特定の化合物の活性、使用する 特定の組成物、患者の年齢、体重、全般的な体調、性別、規定食、投与時間、投 与の経路、使用する特定の化合物の排出速度、治療期間、使用する特定の化合物 と組み合わせて、又は同時に使用する薬剤、医学界では周知のその他の同様な要 因を含む様々な要因に依存する。 ヒトやその他の動物に一回はたは複数回に分けて投与する本発明の化合物の一 日の総投与量は、例えば体重1kg当たり0.001〜50mg、より一般的に は体重1kg当たり0.01〜25mgの量である。一回に投与する組成物は、 上記一日の投与量か、又は一日の投与量を複数回に分けた分量を含有する。 一般に本発明を用いる治療計画は約10〜1000mgの本発明の化合物を一日 に複数回に分けて、又は約10〜1000mgを一回でその治療が必要な患者に 投与することを含む。 本発明のさらに別の態様は反応式I乃至IIIで示す上記化合物の製造に有用 な方法を開示する。 反応式IではエリスロマイシンD()を塩基(例えば、水酸化カリウム、水 酸化ナトリウム、水酸化リチウム又はピリジンなどのI族若しくはII族の水酸 化物、炭酸塩又は有機塩基)の存在下でヒドロキシ保護試剤(例えば、無水酢酸 、塩化プロピオニルなどの酸無水物若しくは酸塩化物又は臭化ベンジル)で処理 して、カラムクロマトグラフィーで分離可能な化合物及び(式中、Rはヒド ロキシ保護基、例えばアセチル、プロピオニル又はベンジルである)の混合物を 得る。必要でないが、9−オキソ基は、例えばオキシムとして保護し得る。化合 物を塩基(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム)の 存在下でアルキル化剤(例えば、ヨウ化メチル、臭化メチル、p−トルエンスル ホン酸メチル、メタンスルホン酸メチル、硫酸ジメチル、ヨウ化エチル、臭化エ チル、p−トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸エチル、硫 酸ジエチル)で処理し、6−O−アルキル化合物(式中、R1は低級アルキル である)を得る。化合物のヒドロキシ保護基の除去(例えば、メタノール性炭 酸カリウム又はメタノール性水酸化ナトリウム、リチウム又はカリウムによる加 水分解、又はベンジルエーテルの場合には水素化分解)により所望の化合物( 式中、R1は低級アルキルである)が得られる。9−オキシイミノ保護基を用い たときは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などの酸 を含む極性溶媒中で、例えば亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チ オ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸 ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、チオ硫酸カリウム又はメタ重亜硫酸カリウム を用いて9−オキシミノ保護基は除去できる。好ましい実施態様ではR1はメチ ル又はエチルである。 本方法の好ましい実施態様を反応式IIに示す。エリスロマイシンDを水酸化 ナトリウム又はピリジンの存在下で無水酢酸で処理して、カラムクロマトグラフ ィーで分離可能な化合物及び(式中、Acはアセチルである)を得る。化合 物を水酸化ナトリウムの存在下ヨウ化メチルで処理して6−O−メチ ル化合物を得る。化合物をメタノール性炭酸カリウム中で加水分解して、所 望の化合物を得る。化合物は記載された方法により途中で精製又はクロマト グラフィーによる分離を行わずに、化合物からも製造し得る。 反応式I 反応式II 本発明は6−O−メチルエリスロマイシンA(10)の製造において中間体と して6−O−メチルエリスロマイシンD()を利用することを含む。この変換 を反応式IIIで示す。中間体としてのエリスロマイシンDの利用には、エリト ロマシンDが12−ヒドロキシ基を持たず、この分子の保護を単純にし、また穏 和な条件下ではエリスロマイシン誘導体の自動ケト化反応(autoketalization)を 回避するという利点がある。これらの副反応は望ましくない副反応の大半を占め る(Kirst,H.A.and Sides,G.D.,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,3 3,1413(1989))。 反応式III 本発明の化合物を製造する上記方法は以下の実施例と関連付けることによって 、よりよく理解されるであろう。ただし、実施例は本発明を例示することを意図 し、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。以下の略語:ジメチ ルホルムアミドに対してDMF、トリエチルアミンに対してEt3N、 酢酸エチルに対してEtOAC、エタノールに対してEtOH、ヨウ化メチルに 対してMeI、メタノールに対してMeOH、テトラヒドロフランに対してTH Fを用いた。 実施例12’,4”−O−ジアセチル−エリスロマイシンD 1.25g(1.77mmol)のエリスロマイシンDと1mL(12.4mm ol)のピリジンを含む13mLのアセトニトリル懸濁液に4℃で1.17mL (12.4mmol)の無水酢酸を加えた。氷浴を取り除き、反応混合物が周囲 温度まで温まるのを待った。45時間攪拌した後、0.4のNaOH(100 mL)で反応を停止した。得られたエマルションを50mLのEtOAcで2回 抽出した。合わせた有機抽出液を0.4のNaOH(50mL)と蒸留水(5 0mL)で洗浄し、脱水し、真空下で濃縮した。得られた残渣を600:300 :12(v/v)のヘキサン−アセトン−トリエチルアミンを溶離液としてシリ カゲルのフラッシュクロマトグラフィーにかけて、622.4mg(44%)の 標題化合物を得た。融点118−119℃。1H NMR(CDCl3、300M Hz)δ 5.33(ddd, 1H,J=9Hz,5Hz,0.8H z),5.07(br d,1H,J=3.1Hz),4.75(dd,1H, J=11.1Hz,7.5Hz),4.63(d,1H,J=10.5Hz), 4.47(d,1H,J=7.5Hz),4.25(dd,1H,J=9Hz, 0.8Hz),4.16(m,1H),3.75(br d,1H,J=9.2 Hz),2.27(s,6H),2.13(s,3H),2.07(s,3H) ,1.46(s,3H)。13C NMR(CDCl3)δ 220.4,175 .7,170.5,170.0,101.2,98.7,82.6,82.5, 77.1,75.5,75.4,71.6,69.4,69.2,68.6,6 3.8,62.9,44.7,44.6,41.0,40.5,39.7,39 .3,38.8,37.7,30.7,27.5,25.4,25.3,21. 3,21.2,20.8,18.3,18.0,15.6,11.2,10.2 ,9.1。MS(DCI/NH3)m/e 788(M+H)+。IR(CDCl3 ) 3510,2970,1735,1695,1458cm-1。HRMS C4070NO14に対する計算値:788.4796。測定値:788.4800 。 実施例2 2’,4”−O−ジアセチル−6−O− メチルエリスロマイシンD 実施例1で得られた化合物(468mg、0.59mmol)を含む6mLの DMFに4℃で、MeI(77.6μL、1.25mmol)を加え、次に粉末 状のKOH(70mg、1.25mmol)を加えた。反応混合物を4℃で20 分間攪拌し、その後に2のNaOH(20mL)と10mLのEtOAcの混 合物を加えて反応を停止した。水相と有機相を分離し、得られた有機相を10m Lの蒸留水で洗浄し、真空下で濃縮した。得られた残渣を、600mLのヘキサ ンと300mLのアセトンと12mLのEt3Nの混合物を溶離液としてシリカ ゲルのフラッシュクロマトグラフィーにかけ、294.5mg(62%)の標題 化合物を得た。融点220−221℃。1H NMR(CDCl3,300MHz )δ 5.38(ddd,1H,J=10.5Hz,4.8Hz,0.8Hz) ,5.13(d,1H,J=3.8Hz),4.72(dd,1H,J=10. 8Hz、7.5Hz),4.63(d,1H,J=10.5Hz),4.49( d,1H,J=7.5Hz), 4.16(m,1H)、3.90(br d,1H,J=9.2Hz),3.5 5(br d,1H,J=9.5Hz),3.05(s,3H),2.26(s ,6H),2.12(s,3H),2.04(s,3H),1.39(s,3H )。13C NMR(CDCl3)δ 219.9,175.8,170.3,1 70.1,100.8,97.9,80.8,79.7,78.8,77.3, 75.2,71.7,69.6,69.2,68.0,64.0,62.7,5 0.7,45.2,44.9,40.9,40.6,40.1,38.9,38 .4,37.8,31.0,25.6,21.5,20.9,20.2,18. 3,18.2,15.9,10.5,9.8,9.2,9.0。MS(FAB, ニトロベンジルアルコール)m/e 802(M)+。IR(CDCl3)349 5,2970,2940,1735,1690,1459 cm-1。元素分析 C4171NO14に対する計算値:C,61.40;H,8.92;N,1.75 。測定値:C,61.41;H,8.74;N,1.79。 実施例3 6−O−メチルエリスロマイシンD 実施例2で得られた化合物(425mg、0.53mmol) を含む10mLのメタノールと2.5mLの蒸留水の混合物にK2CO3無水物( 168mg、1.22mmol)を加えた。周囲温度で19時間攪拌した後、反 応混合物を10mLの蒸留水で希釈し、MeOHを真空下で除去した。得られた 残渣を25mLのEtOAcで2回抽出し、合わせた有機抽出液を真空下で濃縮 し、374.8mg(99%)の標題化合物を得た。融点137℃(エタノール と水から結晶化した試料の融点)。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ 5.38(dd,1H,J=10.6Hz,3.5Hz),5.06(d,1 H,J=3.1Hz),4.27(d,1H,J=7.2Hz),3.91,3 .88(d,1H,J=9.1Hz),3.69,3.64,3.19,3.5 1,3.10(s,3H),2.99,2.92,2.62,2.44,2.2 7(s,6H),2.23,2.02,1.90,1.84,1.72,1.7 1,1.67,1.64,1.47,1.46(s,3H),1.37,1.2 7,1.25,1.22,1.12,1.10,0.98,0.89,0.83 。13C NMR(CDCl3)δ 219.6,175.9,104.4,98 .7,82.3,82.1,79.0,76.4,75.2,70.9, 69.6,69.4,66.3,65.5,50.9,45.2,45.1,4 0.4,40.3,40.2,39.2,39.0,37.8,28.4,25 .6,25.5,21.4,19.9,18.6,18.4,16.0,10. 5,9.8,9.1,9.0。MS(DCI/NH3)m/e 718(M+H )+。IR(CDCl3)3510,2970,1721,1688,1454 cm-1。HRMS:C3768NO12に対する計算値:718.4741。測定値 :718.4737。 実施例46−O−メチルエリスロマイシンDの別の製造方法 エリスロマイシンD(1.0g、1.18mmol)を含む20mLの無水ピ リジンの溶液に無水酢酸(2mL)を加えた。うす茶色の溶液を周囲温度で2日 間攪拌した後、200mLのジエチルエーテルで処理した。希釈した溶液に50 gの砕氷と2のNaOH(10mL)を加えた。有機相を分離し、MgSO4 で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた油状物を10mLのトルエンで 3回抽出し、抽出液を合わせて、真空下で濃縮して2’,4”−O−ジアセチル −エリスロマイシンDの粗生成物を得た。上記の通り製造された2’,4”−O − ジアセチル−エリスロマイシンDの粗生成物(0.9g)を11mLのDMFに 溶解させ、4℃に冷却して、ヨウ化メチル(0.3g、2.1mmol)を加え 、次に粉末状のKOH(0.1g、1.8mmol)を加えた。15分間の攪拌 の後、反応混合物を50mLのジエチルエーテルで希釈し、2のNaOH(1 0mL)で反応を停止した。有機相を10mLの蒸留水で2回洗浄し、MgSO4 で脱水し、真空下で濃縮して700mgの2’,4”−O−ジアセチル−6− O−メチルエリスロマイシンDの粗生成物を得た。 20mLのメタノール中の、上記の通り製造された2’,4”−O−ジアセチ ル−6−O−メチルエリスロマイシンDの粗生成物を周囲温度で5%K2CO3( 5mL)によって処理した。5時間後反応混合物を50mLのジエチルエーテル で希釈し、2のNaOH(10mL)で処理した。有機相を15mLの蒸留水 で2回洗浄し、MgSO4で脱水し、真空下で濃縮して480mgの標題化合物 の粗生成物を得た。 実施例5 6−O−エチルエリスロマイシンD 実施例2に記載の方法において、ヨウ化メチルの代りにメタ ンスルホン酸エチルを用いて、実施例1で得られた化合物を反応させる。得られ た6−O−エチル化合物の保護基を実施例3に記載の方法により外し、標題化合 物を得た。 抗菌活性のin vitroでのアッセイ 本発明の化合物6−O−メチルエリスロマイシンDは以下のように抗菌活性に ついてin vitroでアッセイを行つた:10mLの滅菌したブレインハートインフ ュージョン(Brain Heart Infusion:BHI)寒天培地(Difco0418− 01−5)と混合した被験化合物を水性逐次希釈液(successive aqueousdiluti ons)を含む12個のペトリ皿を用意した。各皿にはSteersレプリケータ ーブロックを用いて32以下の異なる微生物の1:100(又はMicrococcus又 はStreptococcusなどの成長の遅い菌株に対しては1:10)希釈液を接種した 。接種された皿は35−37℃で20〜24時間培養した。さらに、被験化合物 を含まないBHI寒天培地を用いた対照の皿を用意し、各試験の開始時と終了時 に培養した。 被験微生物に対し既知の感受性パターンを有し、被験化合物と同じ抗生物質の クラスに属する化合物を含む別の皿も用意し、別の対照として培養して、各試験 間の比較を行った。エリスロ マイシンAをこの目的で用いた。 培養した後に各皿を読み取った。最少阻害濃度(MIC)は増殖対照(growth control)と比較して、全く増殖しないか、かすかな混濁を示すか、又は、接種材 料のスポット上にまばらに単離されたコロニーを生じる薬剤の最低濃度として定 義する。以下の表1に示すように、このアッセイの結果は本発明の化合物6−O −メチルエリスロマイシンDは有効な抗菌剤であるという結論を支持する。6− O−メチルエリスロマイシンDはPseudomonas aeruginosa K799/61 及び Mycoba ceteriumsmegmatis ATCC 114に対し明らかにより有効な薬剤である点で特別な有 用性を備えている。 上記の実施例は本発明を単に例示するにすぎず、本発明の範囲を開示した化合 物に限定することを意図するものではない。当業者に明らかな変形や変更は添付 した請求の範囲に定義された本発明の範囲と本質に含まれることを意図している 。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 以下の構造式: [式中、R1は低級アルキルである。] を有する化合物又は医薬上許容される該化合物の塩、エステルもしくはプロドラ ッグ。 2. R1がメチルであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。 3. 以下の構造式: [式中、Rはヒドロキシ保護基であり、R1は水素又は低級アルキルである。] を有する化合物。 4. R1がメチルであることを特徴とする請求項3に記載の化合物。 5. Rがアセチル、プロピオニル又はベンジルであることを特徴とする請求項 3に記載の化合物。 6. Rがアセチルであり、R1が水素であることを特徴とする請求項3に記載 の化合物。 7. Rがアセチルであり、R1がメチルであることを特徴とする請求項3に記 載の化合物。 8. 6−O−低級アルキルエリスロマイシンDの製造方法であって、エリスロ マイシンDの2’位と4”位をヒドロキシ保護基で保護する工程、6−ヒドロキ シ基をアルキル化する工程、及び2’位と4”位を脱保護する工程を含むことを 特徴とする方法。 9. 以下の構造式: [式中、R1は低級アルキルである。] を有する化合物の製造方法であって、以下の構造式: を有する化合物を、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムから なる群から選択した塩基の存在下で無水酢酸、塩化プロピオニル及び臭化ベンジ ルから選択したヒドロキシ保護試剤で処理して、式:[式中、Rはアセチル、プロピオニル又はベンジルである。] の化合物を得る工程;該化合物をヨウ化メチル、臭化メチル、p−トルエンスル ホン酸メチル、メタンスルホン酸メチル、硫酸ジメチル、ヨウ化エチル、臭化エ チル、p−トルエンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸エチル及び硫酸ジエチ ルからなる群から選択されるアルキル化剤で処理して以下の構造式: [式中、R1はメチル又はエチルであり、Rはアセチル、プロピオニル又はベン ジルである。] の化合物を得る工程:及び、該化合物をエタノール性若しくは メタノール性の炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム若しくは水酸 化カリウムで、又は接触水素化により処理する工程を含むことを特徴とする方法 。 10. ヒドロキシ保護試剤が無水酢酸であり且つ塩基が水酸化ナトリウムであ ってR=アセチルを得、アルキル化剤がヨウ化メチルであってR1=メチルを得 、及び、メタノール性炭酸カリウムで脱保護することを特徴とする請求項9に記 載の方法。 11. 6−O−低級アルキルエリスロマイシンAの製造中間体としての、以下 の構造式: [式中、R1は低級アルキルである。] を有する化合物の使用。 12. 治療上有効な量の請求項1に記載の化合物及び医薬上許容される担体を 含む医薬組成物。 13. ヒト又はその他の動物における細菌感染を治療又は予 防する方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を、治療効果を達 成するのに必要な期間だけ、当該治療又は予防が必要な患者に投与することを特 徴とする方法。
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