JP2000357814A - 半導体基板の前処理方法及び赤外線検出器の製造方法 - Google Patents

半導体基板の前処理方法及び赤外線検出器の製造方法

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JP2000357814A
JP2000357814A JP11169113A JP16911399A JP2000357814A JP 2000357814 A JP2000357814 A JP 2000357814A JP 11169113 A JP11169113 A JP 11169113A JP 16911399 A JP16911399 A JP 16911399A JP 2000357814 A JP2000357814 A JP 2000357814A
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semiconductor layer
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hgcdte layer
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Tetsuya Miyatake
哲也 宮武
Kenji Arinaga
健児 有永
Hajime Sudo
元 須藤
Koji Fujiwara
康治 藤原
Nobuyuki Kajiwara
信之 梶原
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Hgを含有する化合物半導体層中の不純物を
低減し、検出効率が高い赤外線検出器の製造方法を提供
する。 【解決手段】 p型HgCdTe層21に対しプラズマ
エッチング処理を施し、p型HgCdTe層21の表層
部を約2μmの厚さだけエッチングする。このとき、エ
ッチングガスとしては、水素、アルゴン及び窒素の混合
ガスを使用する。HgCdTe層21の全域にわたって
存在するLi及びNa等の不純物、並びにHgCdTe
層21の表面付近に存在するAg等の不純物は、プラズ
マエッチング時にHgCdTe層21の極めて表面に近
い領域に引き寄せられ、エッチングに伴って除去され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にp型HgCd
Te半導体層を有する半導体基板のデバイス形成前の前
処理方法及びp型HgCdTe半導体層を有する赤外線
検出器(IRFPA:InfraRed Focal Plane Array)の製造に
関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、光起電力型pn接合フォトダイ
オードアレイタイプの赤外線検出器の構造を示す断面図
である。CdZnTe基板30上にはp型HgCdTe
層31が形成されており、HgCdTe層31の表層部
には例えばB(ボロン)が導入された複数のn型不純物
領域33が一次元アレイ状あるいは二次元アレイ状に配
列して形成されている。
【0003】また、HgCdTe層31の上には絶縁性
の表面保護膜32が形成されている。この保護膜32に
は、n型不純物領域33に通じるコンタクト孔32aと
p型HgCdTe層31に通じるコンタクト孔32bと
が形成されている。電極34はコンタクト孔32aを介
してn型不純物領域33に電気的に接続されており、電
極35はコンタクト孔32bを介してp型HgCdTe
層31に電気的に接続されている。これらの電極34,
35は、例えばインジウム(In)等の金属からなる。
【0004】この光起電力型pn接合フォトダイオード
アレイをSi信号処理回路(図示せず)とIn等の金属
のバンプで貼り合わせることにより赤外線検出器が構成
される。ところで、シリコン半導体では一般的に半導体
層中に不純物を均一にドーピングした後、活性化処理を
施してキャリア濃度を調整しているが、HgCdTe半
導体では、そのようにしてキャリア濃度を調整すること
は困難である。通常、光起電力型pn接合フォトダイオ
ードに使用されるp型HgCdTe半導体層は、気相H
g雰囲気中において200〜400℃の温度で一定時間
熱処理し、HgCdTe層中にHg空孔を所定量形成し
ている。これらのHg空孔がアクセプタとして作用す
る。
【0005】p型HgCdTe層の形成方法としては、
液相エピタキシー法(LPE:Liquid Phase Epitax
y)、有機金属気相成長法(MOCVD:Metalorgamic
Chemical Vapor Deposition)及び分子線エピタキシー
法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)等が知られてい
る。例えば、特開平10−163517号及び特開平1
0−190020号には液相エピタキシー法によるp型
HgCdTe層の製造方法が記載されており、特開平6
−125119号には有機金属気相成長法によるp型H
gCdTe層の製造方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
赤外線検出器では、検出効率が十分でないという欠点が
ある。これは、以下の理由によると考えられる。液相エ
ピタキシー法、有機金属気相成長法又は分子線エピタキ
シー法等により形成されたHgCdTe層中には、Ag
(銀)、Li(リチウム)及びNa(ナトリウム)等の
不純物元素が混入している。p型HgCdTe半導体層
では、アクセプタとして作用するHg空孔が不純物元素
を取り込みやすいという性質があり、上記の不純物元素
は容易にHg空孔を埋めてしまう。多くのHg空孔が上
記の不純物元素により埋められたHgCdTe半導体層
を用いて光起電力型pn接合フォトダイオードを作製す
ると、エネルギーギャップ内に形成された不純物に起因
する深い準位が光励起されたキャリアの再結合中心とな
るため、量子効率の低下を引き起こす。これがpn接合
フォトダイオードの性能劣化の原因となる。
【0007】なお、LiやNaはHgCdTe層形成時
の原料中に不純物として含まれる元素である。また、N
aは人間の汗などにも含まれている。これらの比較的質
量が軽い元素は、イオン化してHgCdTe層中を移動
する性質がある。Li及びNaは、HgCdTe層の深
さ方向に比較的均一に分布している。また、HgCdT
e層をエピタキシャル成長させた後、HgCdTe層の
表面を研磨するが、研磨剤中に不純物として含まれるA
gがHgCdTe層の表面に付着し、それが深さ方向に
拡散してHgCdTe層中にAgが混入すると考えられ
る。AgはHgCdTe層の表面から10μm程度の深
さまでの領域に偏在している。
【0008】以上から本発明の目的は、半導体層に混入
して特性劣化の原因となる不純物を除去できる半導体基
板の前処理方法を提供することを目的とする。また、本
発明の他の目的は、Hgを含有する化合物半導体層中の
不純物を低減し、検出効率が高い赤外線検出器の製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、デバイ
ス形成前の半導体層に対しプラズマエッチング処理を施
し、前記半導体層中に存在する不純物を前記半導体層の
表面近傍に集め、前記半導体層の表層部とともにエッチ
ング除去することを特徴とする半導体基板の前処理方法
により解決する。
【0010】上記した課題は、基板上にHgを含有する
第1導電型化合物半導体層をエピタキシャル成長させる
工程と、前記化合物半導体層をプラズマエッチング処理
して前記化合物半導体層の表層部を除去する工程と、前
記化合物半導体層に第2導電型不純物を選択的に導入し
て不純物領域を形成する工程とを有することを特徴とす
る赤外線検出器の製造方法により解決する。
【0011】以下、本発明の作用について説明する。本
発明においては、半導体層の表面をプラズマエッチング
処理することにより、Ag等のII族の不純物元素、並び
にLi及びNa等のI族の不純物元素などを半導体層か
ら除去し、これらの不純物元素の濃度を減少させる。例
えば、液相エピタキシー法により形成されたp型HgC
dTe半導体層では、Ag等の比較的重い不純物原子は
HgCdTe基板表面から10μm程度の深さまでの領
域に偏在しており、Li及びNa等の比較的軽い不純物
原子はHgCdTe層の全域に均一に分布している。こ
のHgCdTe半導体層に対しプラズマエッチング処理
を実施すると、プラズマエッチング時のいわゆるゲッタ
リング効果により、HgCdTe層中のLi及びNa等
の不純物元素がHgCdTe層の表面近傍(最表面から
1〜2μm程度の領域)に集まってくる。また、HgC
dTe層の表面から10μm程度の領域に偏在するAg
も、プラズマエッチングのゲッタリング効果により表面
から1〜2μm程度の領域に集まってくる。そして、こ
れらの不純物原子は、HgCdTe層の表層部のエッチ
ングにともなってHgCdTe層から除去される。これ
により、赤外線検出器の特性劣化の原因となるAg、L
i及びNa等の不純物元素のHgCdTe層中の濃度が
著しく低減される。
【0012】プラズマエッチング処理としては、例えば
水素及びアルゴンの混合ガスを用いたECR(電子サイ
クロトロン共鳴)プラズマエッチングがある。水素及び
アルゴンの混合ガスに窒素を添加することにより、プラ
ズマエッチングによるHgCdTe層のn型反転ダメー
ジを低減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して説明する。図1(a)〜図1
(c)は、本発明の実施の形態に係る半導体基板の前処
理方法を工程順に示す模式図である。図1(a)は、C
dZnTe基板10上に、例えば液相エピタキシー法に
よりp型HgCdTe層11を形成し、表面研磨した後
の状態を示す。
【0014】このようにして形成したp型HgCdTe
層11の表面近傍にはAgが偏在している。Agは主に
HgCdTe層11を形成後に実施する研磨工程におい
て、研磨剤に不純物として含まれているAgがHgCd
Te層11の表面に付着し、その後HgCdTe層11
の内部に拡散したものと考えられる。以下、HgCdT
e層11のうち、Agが偏在されている領域を不純物偏
在層11aという。不純物偏在層11aは、表面から約
10μmの深さまで達する。
【0015】また、p型HgCdTe層11中には、L
i及びNa等の元素が存在している。これらのLi及び
Naは、HgCdTe層11を形成する際に原料中に不
純物として存在するこれらの元素がHgCdTe層11
の成長に伴ってHgCdTe層11中に混入したと考え
られる。図1において、○印はこれらの不純物を示して
いる。
【0016】本実施の形態においては、図1(b)に示
すように、HgCdTe層11に対し、プラズマエッチ
ング(「プラズマドライエッチング」ともいう)による
前処理(デバイス形成前の処理)を施す。具体的には、
ECRプラズマエッチング装置内にHgCdTe層11
を有する基板10を載置し、装置内に水素(H2 )、ア
ルゴン(Ar)及び窒素(N2 )の混合ガスを供給し、
マイクロ波パワーを印加して、これらの混合ガスをプラ
ズマ化する。そして、基板10を固定するホルダに高周
波パワーを印加して、HgCdTe層11を2μm程度
の深さまでエッチングする。
【0017】このプラズマエッチングに伴って、HgC
dTe層11中の不純物が基板表面に引き寄せられ、H
gCdTe層11の表面付近には不純物が集まってく
る。そして、プラズマエッチングによりHgCdTe層
11の表層部が削り取られ、それに伴ってHgCdTe
層11から不純物が除去される。これにより、図1
(c)に示すように、p型HgCdTe層11の表面付
近のAgだけでなく、HgCdTe層11の深層部に存
在していたLi及びNa等の元素が除去され、これらの
不純物元素の濃度が著しく低減される。
【0018】なお、HgCdTe層11のエッチング深
さは特に限定するものではないが、少なくともAg、L
i及びNa等を十分に除去することができる深さエッチ
ングすることが必要である。また、エッチング量が多す
ぎるとHgCdTe層11の厚さが薄くなるだけでな
く、HgCdTe層11の深さ方向に形成されるn型反
転ダメージの拡がりが大きくなる。このため、エッチン
グ深さは、エッチング条件等に応じて適宜設定すること
が好ましい。
【0019】図2,図3は、横軸にHgCdTe層11
の表面からの深さをとり、縦軸に不純物の濃度をとっ
て、Ag及びLiの深さ方向の濃度分布を示す図であ
る。図2は上述のプラズマエッチング処理を施していな
いHgCdTe層11における不純物濃度分布を示し、
図3は上述のプラズマエッチング処理を施した後のHg
CdTe層11における不純物濃度分布を示している。
なお、図3において、HgCdTe層11のエッチング
深さは約2μmである。また、HgCdTe層の深さ方
向の不純物濃度分布は、SIMS分析(Secondary Ion
Mass Spectrometry、二次イオン質量分析)法により行
った。
【0020】図2からわかるように、プラズマエッチン
グ処理なしの状態では、HgCdTe層11の表面から
約10μmの深さのところまでAgが1×1016cm-3
以上の高濃度で存在している。また、LiもHgCdT
e層11の深さ方向の全体にわたって、1×1013cm
-3以上の濃度で存在している。一方、図3からわかるよ
うに、上述のプラズマエッチング処理を施した場合は、
HgCdTe層11中のAg及びLiの濃度は極めて低
くなり、Agは測定装置の検出限界以下となった。ま
た、Liの濃度は、HgCdTe層11の全体にわた
り、エッチング処理を施していない場合に比べて1桁程
度低減された。なお、Naについては、エッチング処理
前及び処理後のいずれにおいても装置の検出限界以下で
あったので、図示を省略している。
【0021】これらの図2,図3から、本発明はHgC
dTe化合物半導体層中に存在するAg及びLi等の不
純物の除去に極めて有用であることがわかる。次に、本
発明を赤外線検出器の製造に適用した例を示す。図4
(a)〜図4(c)は、本発明の前処理方法を光起電力
型フォトダイオードアレイタイプの赤外線検出器の製造
に適用した例を工程順に示す断面図である。
【0022】まず、従来と同様に、閉管チッピング法を
用いて、Teリッチ融液中でCdZnTe基板20上に
ノンドープのHgCdTe層21をエピタキシャル成長
させる(図4(a)参照)。その後、温度が200〜4
00℃のHg雰囲気中で一定時間熱処理を行って、p型
HgCdTe層21のp型キャリア濃度が例えば2×1
16cm-3程度となるようにHg空孔濃度を制御する。
そして、HgCdTe層21の表面を、キシレン、アセ
トン又はメタノール等の有機溶剤を用いて洗浄する。そ
の後、HgCdTe層21の表面をBrメタノール(B
rとメタノールとを混合した液)により約2μmエッチ
ングして、表面に形成された自然酸化膜を除去する。
【0023】この状態では、前述したように、HgCd
Te層21の表面から深さ方向に約10μm程度の領域
にはエピタキシャル成長時に不純物として混入したAg
原子が、1×1016cm-3以上の濃度で偏在している。
また、HgCdTe層21の全域において、Li原子が
1×1013cm-3以上の濃度でほぼ均一に存在してい
る。
【0024】次に、ECRプラズマエッチング装置を使
用して、HgCdTe層21に対しプラズマエッチング
処理を施す。すなわち、HgCdTe層21を有する基
板20をECRプラズマエッチング装置内の基板ホルダ
に固定する。そして、装置内に水素、アルゴン及び窒素
の混合ガスを供給し、マイクロ波パワー200Wを印加
し、これらの混合ガスをプラズマ化する。そして、基板
ホルダを介して基板20に周波数が40MHzの高周波
パワー約100Wを印加して、HgCdTe層21の表
面を2μm程度エッチングする。このときのプラズマエ
ッチング処理条件は、例えば水素ガスの流量が約1.0
sccm、アルゴンガスの流量が約6.0sccm、窒素ガスの
流量が約6.0sccmである。また、装置内の真空度は8
×10-4Torr、温度は室温である。
【0025】このプラズマエッチング処理により、p型
HgCdTe層11の表面付近にはエッチングによるn
型反転ダメージ領域が形成される。しかし、この反転ダ
メージの影響は、約150℃の窒素雰囲気で1時間程度
アニールすることにより、電気的に問題ない程度まで回
復させることができる。次に、図4(b)に示すよう
に、蒸着法により、HgCdTe層21の上にZnSか
らなる表面保護膜22を約400nmの厚さに形成す
る。そして、この保護膜22の上に、所定の開口部を有
するフォトレジスト膜(図示せず)を形成する。その
後、このフォトレジスト膜の開口部を介してHgCdT
e層21にB(ボロン)をイオン注入する。このときの
注入エネルギーは例えば100〜200keVであり、
ドーズ量は例えば1013〜1015cm-2とする。その
後、フォトレジスト膜を除去する。これにより、キャリ
ア濃度が1×1016〜1×1019cm-3、深さが1.0
〜2.0μmのn型不純物領域23が形成される。n型
不純物領域23は、一次元アレイ状あるいは二次元アレ
イ状に配列させて形成する。
【0026】次に、保護膜22の上にフォトレジスト膜
(図示せず)を形成し、このフォトレジスト膜の所定の
領域を開口する。そして、ECRプラズマエッチング装
置を用い、フォトレジスト膜をマスクとして、保護膜2
2にコンタクト孔となる開口部22a,22bを形成す
る。このときのエッチング条件は、例えばArガスの流
量が5.0〜10.0sccm、H2 ガスの流量が1.0〜
5.0sccm、エッチング装置内の真空度が1×10-3To
rr、基板ホルダに印加する高周波の周波数が40MH
z、パワーが100Wである。その後、フォトレジスト
膜を除去する。
【0027】次いで、コンタクト孔部の上にフォトレジ
スト膜を形成し、フォトレジスト膜の所定領域を開口
し、真空蒸着法により、高さが10〜20μmのInバ
ンプ電極を形成する。その結果、n型不純物領域23に
電気的に接続された電極24と、p型HgCdTe層2
1に電気的に接続された電極25とが形成される(図4
(c)参照)。これにより、光起電力型pn接合フォト
ダイオードアレイタイプの赤外線検出器が完成する。
【0028】上記の実施の形態では、HgCdTe層2
1を形成した後、プラズマエッチングによる前処理を施
して性能劣化の原因となる不純物をHgCdTe層21
から除去し、これらの不純物の濃度を十分低減している
ので、光起電力型pn接合フォトダイオードの性能劣化
が回避され、高性能の赤外線検出装置を製造することが
できる。
【0029】図5は、前処理(プラズマエッチング処
理)時の混合ガス中の窒素ガス濃度とエッチングダメー
ジの程度との関係を示す図である。但し、水素(H2
の流量は1.0sccm、アルゴン(Ar)の流量は6.0
sccmと一定であり、マイクロ波のパワーは200W、高
周波(RF)パワーは100Wである。また、エッチン
グパターンは4μm×4μmの大きさとし、エッチング
深さが1.0μm、2.0μm及び3.0μmのときの
ダメージの大きさを示している。この図5からわかるよ
うに、プラズマエッチングガス中に窒素を添加すること
により、エッチングダメージを低減することができる。
従って、上述したように、エッチングガス中には窒素を
添加することが好ましい。
【0030】なお、上述の実施の形態においては、エピ
タキシャル成長法により形成したHgCdTe層に本発
明を適用した場合を説明したが、本発明はエピタキシャ
ル成長させて形成したHgCdTe層だけでなく、バル
ク半導体に適用することも可能である。また、本発明
は、上述したHgCdTe層に対する前処理に限定され
るものではなく、Hg原子を含む他のII−VI族化合物半
導体や、半導体層中の空孔がドナーとして作用する化合
物半導体に適用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
デバイス形成前の基板に対してプラズマエッチング処理
を施し、半導体層中に存在する不純物を半導体層の表面
近傍に集めて半導体層の表層部とともに除去する。これ
により、特性劣化の原因となる不純物を容易に除去する
ことができる。
【0032】また、本発明によれば、Hgを含有する第
1導電型化合物半導体層に対しプラズマエッチング処理
を施してAg,Li及びNa等の不純物濃度を十分に低
減した後、該第1導電型化合物半導体層に第2導電型不
純物を選択的に導入して赤外線検出器を製造する。これ
により、pn接合フォトダイオードの特性劣化が回避さ
れ、検出効率が良好な赤外線検出器を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜図1(c)は、本発明の実施の形
態に係る半導体基板の前処理方法を工程順に示す模式図
である。
【図2】図2はプラズマエッチング処理を施していない
HgCdTe層における不純物濃度分布を示す図であ
る。
【図3】図3はプラズマエッチング処理を施した後のH
gCdTe層における不純物濃度分布を示す図である。
【図4】図4(a)〜図4(c)は、本発明の実施の形
態に係る赤外線検出器の製造を工程順に示す断面図であ
る。
【図5】図5は、前処理(プラズマエッチング処理)時
の混合ガス中の窒素ガス濃度とエッチングダメージの程
度との関係を示す図である。
【図6】図6は、光起電力型pn接合フォトダイオード
アレイタイプの赤外線検出器の構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10,20,30 CdZnTe基板、 11,21,31 p型HgCdTe層、 22,32 保護膜、 23,33 n型不純物領域、 24,25,34,35 電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 元 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 藤原 康治 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 梶原 信之 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5F004 AA06 AA14 BA14 DA23 DA24 DA25 DB00 DB19 EB01 FA01 5F049 MA02 MB01 NA01 NA20 PA02 PA04 PA14 RA02 SS02 WA01 5F088 AA02 AB09 BA01 BA13 CB02 CB04 CB14 EA02 GA03 LA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デバイス形成前の半導体層に対しプラズ
    マエッチング処理を施し、前記半導体層中に存在する不
    純物を前記半導体層の表面近傍に集め、前記半導体層の
    表層部とともにエッチング除去することを特徴とする半
    導体基板の前処理方法。
  2. 【請求項2】 前記プラズマエッチング処理は、少なく
    とも水素及びアルゴンを含む混合ガスをプラズマエッチ
    ングガスとして用いることを特徴とする請求項1に記載
    の半導体基板の前処理方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体層は、その半導体層を構成す
    る原子の空孔がアクセプタとして作用する化合物半導体
    からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板
    の前処理方法。
  4. 【請求項4】 基板上にHgを含有する第1導電型化合
    物半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、 前記化合物半導体層をプラズマエッチング処理して前記
    化合物半導体層の表層部を除去する工程と、 前記化合物半導体層に第2導電型不純物を選択的に導入
    して不純物領域を形成する工程とを有することを特徴と
    する赤外線検出器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記プラズマエッチング処理は、少なく
    とも水素及びアルゴンを含む混合ガスをプラズマエッチ
    ングガスとして用いることを特徴とする請求項4に記載
    の赤外線検出器の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100429387B1 (ko) * 2002-01-22 2004-04-29 국방과학연구소 적외선 감지소자 제조방법
KR100485875B1 (ko) * 2002-01-02 2005-04-28 강태원 수소 및 불활성 가스 플라즈마에 의한 양자점 구조의머큐리카드뮴텔룰라이드 박막을 이용한 적외선 탐지소자제작방법
JP2008546177A (ja) * 2005-05-16 2008-12-18 Ii−Vi インコーポレイテッド 高性能のCdxZn1−xTe(0≦x≦1)のX線及びγ線の放射線検出器およびその製造方法
CN109638111A (zh) * 2018-12-19 2019-04-16 中国电子科技集团公司第十研究所 一种红外探测器表面处理的方法

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