JP2000354627A - 医療用注入針 - Google Patents

医療用注入針

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JP2000354627A
JP2000354627A JP2000103792A JP2000103792A JP2000354627A JP 2000354627 A JP2000354627 A JP 2000354627A JP 2000103792 A JP2000103792 A JP 2000103792A JP 2000103792 A JP2000103792 A JP 2000103792A JP 2000354627 A JP2000354627 A JP 2000354627A
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overcap
needle
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medical
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Fujio Inoue
冨士夫 井上
Keiichi Kawakami
啓一 河上
Hajime Hiura
一 日浦
Isamu Tateishi
勇 立石
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雑菌の付着等による汚染から注入針を保護
し、注入針を誤って手指に突き刺す等の不測の事故を防
止し、かつ簡易な工程で安価に製造することのできる医
療用注入器を提供する。 【解決手段】 本発明の医療用注入針10は、プラスチ
ック製の基部14と熱可塑性エラストマー製の可撓性オ
ーバーキャップ16とを多色成形により一体的に形成し
たものであって、前記基部14が中空の注入針12をそ
の内部に挿通させた状態で保持しており、前記オーバー
キャップ16が、(i) その一方の端部が封止され、他方
の端部が基部14の周縁部に密着固定された略筒状の部
材であり、(ii)圧縮されると撓み、注入針12の先鋭部
12aを挿通させてオーバーキャップ16の外部に露出
させることができ、かつ(iii) 圧縮の状態を解くと元の
略筒状に復元して、再度注入針12を覆うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注射器、輸液容器
等に適用可能な医療用注入針に関し、より詳しくは、針
の周囲をオーバーキャップで覆うことで、針の汚染や針
による不測の事故を防止した医療用注入針に関する。
【0002】
【従来の技術】注射器や輸液容器等の医療用注入器にお
いては、注入針を雑菌の付着等による汚染から保護した
り、誤って手指等に突き刺してしまう等の不測の事故を
防止したりするために、前記注入針をプラスチック製の
キャップ等で覆うことが広く行われている。しかしなが
ら、かかるキャップは、一般に注入針を固定する基部等
の、医療用注入器の注入口部分に填め合わせることによ
って係止されているため、医療用注入器を使用する度に
キャップを取り外さなければならないという煩わしさが
あった。
【0003】また、前記キャップは紛失し易いものであ
るため、輸液容器等の使用に際してその使用を一時中断
し、再度キャップを取り付けることが必要になるような
場合に、キャップの紛失に伴って注入針の汚染や不測の
事故を招くおそれもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−39162
号公報および同3−77557号公報には、ガラス瓶ま
たはアンプルの口部に注入針を装着し、当該注入針の刃
先側をゴムキャップで覆って密封した容器が開示されて
いる。かかる容器によれば、前記ガラス瓶またはアンプ
ル内の薬液等を容器外に移行させる等、当該容器を使用
する場合にのみ、前記ゴムキャップを針で突き刺して当
該針を容器外部に露出させればよい。すなわち、針が外
部に触れる機会を極めて限られたものにすることができ
るため、針の汚染等を十分に抑制することができる。
【0005】しかしながら、上記公報に開示の発明で
は、口部に幅広の鍔を有する特殊な容器を使用してい
る。さらに、キャップ部材を用いることによって、前記
鍔部に針とゴムキャップとを固定する構成からなるた
め、ゴムキャップ等の取り付け作業に手間がかかり、ひ
いては容器の生産性が低下したり、コストが高くつくと
いう問題がある。また、特表平10−506822号公
報には、本質的に円筒形で折り畳み可能な針カバーによ
って完全に囲まれた針を備えたカニューレ(医療用挿
管)が開示されている(同公報の図6および7参照)。
【0006】しかしながら、上記公報に開示のカニュー
レも、前記針を固定する基部に、別途成形された針カバ
ーを取り付けたものであって、当該針カバーの取り付け
作業に手間がかかり、ひいてはカニューレの生産性が低
下したり、コストが高くつくという問題がある。そこ
で、本発明の目的は、雑菌の付着等による汚染から注入
針を保護し、注入針を誤って手指に突き刺す等の不測の
事故を防止することができ、かつ簡易な工程で安価に製
造することのできる医療用注入器を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、医療用注入針を固定する基部に所定のプラスチック
を使用し、当該注入針を覆うキャップ部に可撓性を有す
る所定の熱可塑性エラストマーを使用するとともに、前
記基部とキャップ部とを多色成形により一体的に形成す
れば、雑菌の付着等による汚染から針を保護し、当該針
で誤って手指を突き刺す等の不測の事故を防止すること
のできる医療用注入針を簡易な工程で、かつ安価に製造
することができるという全く新たな事実を見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の医療用注入針は、少な
くとも中空の注入針と、当該注入針を内部に挿通させて
保持したプラスチック製の基部と、前記注入針を覆って
いる熱可塑性エラストマー製の可撓性オーバーキャップ
とを有し、前記オーバーキャップが、(i) その一方の端
部が封止され、他方の端部が前記基部の周縁部に密着固
定された略筒状の部材であり、(ii)圧縮されると撓み、
前記注入針の先鋭部を挿通させて当該オーバーキャップ
の外部に露出させることができ、(iii) 前記圧縮の状態
を解くと元の略筒状に復元して、再度前記注入針を覆う
ものであって、さらに、前記基部と前記オーバーキャッ
プとが多色成形により一体的に形成されていることを特
徴とする。
【0009】上記本発明の医療用注入針は、前記プラス
チック製の基部におけるオーバーキャップが取り付けら
れているのとは逆側の端部に、薬液が充填されたシリン
ダ、カードリッジ、輸液バッグ等を取り付けることによ
り、医療用の注射器や輸液容器における注入針として使
用することができる。上記本発明の医療用注入針によれ
ば、注入針がオーバーキャップで覆われているため、保
管時などにおいて雑菌の付着等による汚染から保護され
ており、無菌性が保持される。また、オーバーキャップ
が設けられていることから、注入針で誤って手指等を突
き刺してしまう等の不測の事故を防止することができ、
注入針を取り外して廃棄するような場合においても操作
の安全性が確保される。さらに、注入針を固定する基部
とオーバーキャップとが分離した従来の構造とは異な
り、両者が密着固定されているため、当該キャップを誤
って紛失することがない。なお、本発明における注入針
の周囲はオーバーキャップで覆われているが、当該オー
バーキャップを取り外さずに注入針を突き刺すことによ
って、オーバーキャップ外に露出させることができる。
【0010】また、上記本発明の医療用注入針によれ
ば、注入針を覆うオーバーキャップが可撓性を有し、圧
縮されると撓むとともに、圧縮の状態を解くと元の略筒
状に復元するものであることから、注入針が突き刺さる
ことによって生じたオーバーキャップ上の孔も自動的に
塞がる。従って、本発明の医療用注入針を前述の注射器
や輸液容器として実際に使用した後においても、注入針
が再びオーバーキャップによって覆われて、雑菌等の付
着等による感染や再使用時の汚染を防止することができ
る。
【0011】さらに、上記本発明の医療用注入針によれ
ば、注入針を固定するプラスチック製の基部と、前記注
入針を保護するためのオーバーキャップとが一体に成形
されるので、製造工程の簡略化、高速化が図られる。ま
た、必要な部品数も少なくなるという利点もある。従っ
て、本発明の医療用注入針によれば、注入針を汚染から
保護し、当該注入針による不測の事故を防止するという
前述の効果のみならず、製造工程の簡略化および製造コ
ストの削減をも実現し、安価な医療用注入針を提供する
ことができるという特有の効果が得られる。
【0012】上記本発明の医療用注入針は、さらに、前
記基部と前記オーバーキャップとの接触面において、基
部の外周面とオーバーキャップの内周面とのいずれか一
方に凸部が設けられ、かつ、他方に凹部が設けられてい
るものであるのが好ましい。このような場合、すなわち
前記基部と前記オーバーキャップとの接触面において、
(a) 基部の外周面に凸部が設けられ、オーバーキャップ
の内周面に凹部が設けられている場合、または、(b) 基
部の外周面に凹部が設けられ、オーバーキャップの内周
面に凸部が設けられている場合には、いずれの場合も、
前記基部とオーバーキャップとの固定性を向上させるこ
とができる。
【0013】また、上記本発明の医療用注入針は、さら
に、前記注入針がプラスチックからなり、かつ、前記オ
ーバーキャップが前記注入針と相溶性が乏しい熱可塑性
エラストマーからなり、前記オーバーキャップが前記注
入針の胴部に密着してかつ剥離可能な状態で形成されて
いるものであるのが好ましい。この場合、注入針とオー
バーキャップとをほとんど隙間無しに密着させて一体的
に形成することができるため、汚染の機会が少なくなる
上に、構造上製造が容易であるという利点がある。
【0014】ここで、上記の「相溶性が乏しい」とは、
後述するように、各々の素材を同一の押出成形機、射出
成形機等で、同一のダイから吐出した場合にあっても、
各々の素材からなる層が互いに融着して、剥離不能な状
態となることがない程度をいう。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の医療用注入器につ
いて、その実施形態を示す図1〜4を参照しつつ詳細に
説明する。図1は、本発明に係る医療用注入針10の一
実施形態を示す部分断面図であって、図2はその使用中
の状態をそれぞれ示している。図1に示す医療用注入針
10は、中空の注入針(図では両頭針)12と、当該注
入針を内部に挿通させて保持したプラスチック製の基部
14と、熱可塑性エラストマー製の可撓性オーバーキャ
ップ16とを有する。注入針12は、前記基部14の針
保持部14aに固定され、注入針12の先鋭部(端部)
12aは、針保持部14aに密着固定されたオーバーキ
ャップ16で覆われている。
【0016】図1に示す本発明の一実施形態では、注入
針12の他方の端部12bは、針保持部14aを挿通し
て、基部14のスカート部14b内に突き出ている。か
かる構造を有する場合、例えば図2に示すように、薬液
が充填されたシリンダ18をスカート部14b内に係合
することによって、本発明の医療用注入針10を注射器
用の注入針として使用することができる。前記シリンダ
18は、薬液を充填したカードリッジであってもよい。
また、シリンダに代えて輸液バッグ等を取り付けること
により、本発明の医療用注入針10を輸液容器用の注入
針として使用することができる。前記注入針は、図1に
示すような両頭針に限定されるものではなく、基部14
内を貫通しているのであれば、スカート部14b内に突
き出ていなくてもよい。
【0017】本発明にかかる医療用注入針10において
は、例えば図2に示すように、注入針12の先鋭部を所
定の対象物(例えば薬液容器20等の口部材22)に挿
通すべく、当該オーバーキャップ16’を前記対象物に
押し当てて圧縮することにより、注入針12がオーバー
キャップ16’中を挿通するとともに、当該オーバーキ
ャップ16’が撓んで、注入針12を外部に露出させる
ことができる。このようにオーバーキャップ16は、医
療用注入針10の使用時に注入針12を挿通するもので
あるため、その先端部分の膜厚が薄くなるように形成さ
れているのが好ましい。また、注入針12が挿通し易い
ように、オーバーキャップ16の先端部分に十字形の切
り込み孔を設けてもよい。この場合、当該切り込み孔の
大きさは、注入針12を挿通していない状態でオーバー
キャップ自体の復元性により封止される範囲に設定すれ
ばよい。
【0018】また、本発明の医療用注入針におけるオー
バーキャップは、図3に示すように、オーバーキャップ
24の先端部分が細くなる様に成形されたものであって
もよく、図4に示すように、圧縮時の撓みが容易になる
ように、オーバーキャップ26を蛇腹状に成形されたも
のであってもよい。図3および4中の符号12,12
a,12b,14,14aおよび14bは、それぞれ図
1と同じである。 (医療用注入針の製造方法)本発明の医療用注入針にお
いて、プラスチック製の基部と、注入針を覆っている熱
可塑性エラストマー製の可撓性オーバーキャップとは、
多色成形によって一体的に形成される。
【0019】以下、本発明に係る医療用注入針の製造方
法を、図1に示す一実施形態の場合を例にとって説明す
るが、その製造方法は他の実施形態においても同様であ
る。図1に示す医療用注入針10における基部14とオ
ーバーキャップ16とを成形する場合には、1組の型締
装置に対して、基部14を形成するプラスチック用の射
出装置と、オーバーキャップ16を形成する熱可塑性エ
ラストマー用の射出装置を備えた多色成形機(この場合
は、二色成形機)を使用し、前記プラスチックと熱可塑
性エラストマーとを同時にまたは順次射出し、それぞれ
所定の形状となるように成形すればよい。
【0020】多色成形機(二色成形機)にて成形された
オーバーキャップは、その一端が基部14に密着固定し
ているものの、他方の端部は封止されず、開口部を有す
る筒状の部材として成形される。そこで、オーバーキャ
ップの先端は、多色成形後に加熱金型等で封止すればよ
い。こうして、基部14およびその針保持部14aに密
着固定されたオーバーキャップ16を形成した後、基部
14内に注入針挿入口を設け、かかる挿入口に注入針1
2を挿入することにより、本発明に係る医療用注入針1
0を得ることができる。前記挿入口は、基部14の成形
時に同時に設けてもよい。また、注入針12はオーバー
キャップの先端を封止する前に挿入してもよく、あるい
は基部14の射出成形と同時に導入してもよい。
【0021】本発明に係る医療用注入針の製造における
多色成形機(二色成形機)は、特に限定されるものでは
なく、従来公知の種々のものを使用することができる。
かかる多色成形機(二色成形機)を用いて成形すること
により、医療注入器の基部とオーバーキャップとを一体
成形することができ、キャップで被覆された注入針を簡
易な方法でかつ高い生産性でもって製造することができ
る。 (プラスチック製の基部)本発明に係る医療用注入針の
基部に形成するのに用いられるプラスチックとしては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル
ペンテン〔例えば、三井化学(株)の商品名「TP
X」〕等のポリオレフィン;エチレン−テトラシクロド
デセン共重合体〔三井化学(株)の商品名「アペル」〕
等のポリ環状オレフィン;アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体(ABS);ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリアリレート等のポリエステル;ポリフェニレ
ンサルファイド(PPS)等のベンゼン系重合体など
の、医療器具に従来用いられている種々のプラスチック
が挙げられる。
【0022】基部14の針保持部14aにおけるオーバ
ーキャップ16との接触面には、図5に示すように、凹
部または凸部を設けることができる。図5に示す場合、
針保持部14aの外周面に凸部30が設けられており、
これに対応して、オーバーキャップ16に凹部32が設
けられている。このように、互いに係合する凹凸を設け
ることにより、オーバーキャップ16と基部14との固
定性を向上させることができる。
【0023】基部12の針保持部14aの外周面には凸
部30に代えて凹部が設けられていてもよく、この場合
には、当該凹部と係合する凸部をオーバーキャップ16
の内表面に設ければよい。凸部30および凹部32の形
状は特に限定されるものではないが、両者が密に係合し
て、オーバーキャップ16が基部14から脱離しようと
するのを十分に防止することのできる形状とする必要が
ある。具体的には、これに限定されるものではないが、
凸部が針保持部14aの外周面またはオーバーキャップ
16の内周面に沿って円環状に形成され、これと係合す
る凹部がオーバーキャップ16の内周面または針保持部
14aの外周面に円環状に形成されているのが、両者の
係合を確実なものとし、なおかつ製造上容易であるとい
う観点から好適である。
【0024】(オーバーキャップ)本発明に係る医療用
注入針のオーバーキャップを形成するのに用いられる熱
可塑性エラストマーとしては、前記基部を形成するのに
用いられるプラスチックとともに熱成形が可能であるも
のが挙げられる。かかる熱可塑性エラストマーとして
(半)透明の熱可塑性エラストマーを用いた場合は、オ
ーバーキャップ内部での注入針の位置、状態等を確認す
ることができ、使用時の操作性が良好なものとなる。逆
に、例えば本発明の注入器が注射器である場合におい
て、オーバーキャップとして不透明な熱可塑性エラスト
マーを用いた場合は、注射針に対して不快感や苦痛を感
じる患者に対して適用するのに好適なものとなり得る。
【0025】上記熱可塑性エラストマーとしては、例え
ばスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共
重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体(SIS)、マレイン酸変性
等の変性SEBS、スチレン−エチレン/プロピレン−
スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エ
チレン/ブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレ
ン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)
等のスチレン系エラストマー;エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体等のオレフィン系エラストマー;ポリウ
レタン系エラストマー等が挙げられる。
【0026】熱可塑性エラストマーの特性は特に限定さ
れないが、注入針を貫通させるのが困難なほどに強靭で
なく、かつ通常の保管時に破損しない程度の強度を有す
るものであればよい。一般に、オーバーキャップを形成
する熱可塑性エラストマーのJIS A硬度(JIS
K6301に記載の方法にて測定した硬さ)は、20〜
70であるのが好ましく、30〜50であるのがより好
ましい。
【0027】また、前記熱可塑性エラストマーの圧縮永
久歪みは、オーバーキャップを繰り返し撓ませても破損
することがないように、JIS K6301に記載の方
法にて測定した値(70℃×22時間)が30以下であ
るのが好ましい。オーバーキャップの厚さも特に限定さ
れるものはないが、側面が0.3〜3mm、先端部分が
0.2〜2mmとなるように設計されるのが、通常の保
管時に破損することがなく、かつ注入針を容易に貫通さ
せる程度の強度を保持できるという観点から好適であ
る。
【0028】(注入針)本発明に係る医療用注入針に用
いられる注入針としては、中空のものであれば、両頭針
でも、一方の端部にのみ先鋭部を有するもののいずれで
あってもよい。また、金属製の針であってもプラスチッ
ク製の針であってもよく、これらは、医療用注入針の用
途に応じて、適宜選択して使用できる。注入針がプラス
チック製のものである場合は、注入針を基部とともに一
体成形することが可能である。
【0029】注入針の太さは特に限定されるものではな
く、通常の医療用注入針に応じた太さの範囲で設定され
るが、オーバーキャップに生じた貫通孔が当該オーバー
キャップの可撓性、復元力によって容易に閉じることが
できる程度のものであり、かつオーバーキャップに容易
に貫通孔を形成し得る程度の強度を保持し得る範囲であ
るのが好ましい。従って、その太さは、オーバーキャッ
プに用いられる熱可塑性エラストマーの種類にもよる
が、通常5mm以下の範囲で、好ましくは0.3〜5m
mの範囲で設定される。
【0030】(他の実施形態)次に、本発明に係る医療
用注入針の他の実施形態について、図6を参照しつつ説
明する。図6に示す実施形態では、注入針42と基部4
4とがプラスチックによって一体的に成形されており、
オーバーキャップ46が、注入針42の先端42aを残
した状態で、すなわち基部44から注入針の胴部42b
まで連続的に密着被覆されている。
【0031】かかる実施形態の場合、オーバーキャップ
46を注入針42の胴部42から剥離させるために、オ
ーバーキャップ46と注入針42とを互いに相溶性の乏
しい素材で形成する必要がある。ここで「相溶性が乏し
い」とは、前述のように、各々の素材を同一の押出成形
機、射出成形機等で、同一のダイから吐出した場合にあ
っても、各々の素材からなる層が互いに融着して、剥離
不能な状態となることがない程度をいう。従って、一
見、基部とオーバーキャップとが一体物として成形され
ていたとしても、両者を極めて容易に剥離させることが
できる程度であればよい。
【0032】例えば、オーバーキャップ46をオレフィ
ン系エラストマーで形成した場合には、注入針42をA
BSやポリエステルで形成すればよい。また、かかる実
施形態においても、オーバーキャップ46が復元時等に
基部44より脱離しないように、基部44の針保持部4
4aの外周面に凸部30を設け、オーバーキャップ46
の内表面に前記凸部30と係合する凹部32を設けてお
くのが好ましい。基部44の針保持部44aの外周面に
は凸部30に代えて凹部が設けられていてもよく、この
場合には、オーバーキャップ46の内周面に凸部を設け
ればよい。凸部30および凹部32の形状は特に限定さ
れるものではなく、図5に示す実施形態と同様に設定す
ることができる。
【0033】図6に示す医療用注入針40においては、
例えば図7に示すように、注入針42の先端42aを所
定の対象物(例えば、薬剤容器20の口部材22等)に
挿通すべく、当該オーバーキャップ46’を前記対象物
に押し当てて圧縮することにより、注入針42がオーバ
ーキャップ46’中を挿通するとともに、当該オーバー
キャップ46’が撓んで、注入針42を外部に露出させ
ることができる。図6に示す実施形態では、注入針42
とオーバーキャップ46とがほとんど隙間無しに密着し
ているため、汚染の機会が少なくなる上に、構造上製造
が容易であるという利点がある。
【0034】以上詳述したように、本発明によれば、注
入針をオーバーキャップで覆っていることから、雑菌の
付着等による汚染から注入針を保護し、注入針を誤って
手指に突き刺す等の不測の事故を防止することができ
る。さらに、前記オーバーキャップと注入針を固定する
基部とが多色成形により一体的に形成されていることか
ら、簡易な工程でもって、かつ安価に医療用注入器を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医療用注入針の一実施形態を示す
断面図である。
【図2】図1に示す実施形態における使用時の状態を示
す部分断面図である。
【図3】本発明に係る医療用注入針の他の実施形態を示
す断面図である。
【図4】本発明に係る医療用注入針のさらに他の実施形
態を示す断面図である。
【図5】基部に凹凸を設けた実施形態を示す部分断面図
である。
【図6】本発明に係る医療用注入針の他の実施形態を示
す断面図である。
【図7】図6に示す実施形態における使用時の状態を示
す部分断面図である。
【符号の説明】
10,40 医療用注入針 12,42 注入針 14,44 基部 16,24,26,46 オーバーキャップ 30 凹部 32 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立石 勇 徳島県鳴門市大津町大代569 Fターム(参考) 4C066 AA07 BB01 CC01 DD07 DD12 FF05 FF06 KK01 KK05 LL16 LL23 NN01 NN02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも中空の注入針と、当該注入針を
    内部に挿通させて保持したプラスチック製の基部と、前
    記注入針を覆っている熱可塑性エラストマー製の可撓性
    オーバーキャップとを有し、 前記オーバーキャップが、(i) その一方の端部が封止さ
    れ、他方の端部が前記基部の周縁部に密着固定された略
    筒状の部材であり、(ii)圧縮されると撓み、前記注入針
    の先鋭部を挿通させて当該オーバーキャップの外部に露
    出させることができ、(iii) 前記圧縮の状態を解くと元
    の略筒状に復元して、再度前記注入針を覆うものであっ
    て、さらに、 前記基部と前記オーバーキャップとが多色成形により一
    体的に形成されていることを特徴とする医療用注入針。
  2. 【請求項2】前記基部と前記オーバーキャップとの接触
    面において、基部の外周面とオーバーキャップの内周面
    とのいずれか一方に凸部が設けられ、かつ、他方に凹部
    が設けられている請求項1記載の医療用注入針。
  3. 【請求項3】前記注入針がプラスチックからなり、か
    つ、前記オーバーキャップが前記注入針と相溶性が乏し
    い熱可塑性エラストマーからなり、前記オーバーキャッ
    プが前記注入針の胴部に密着してかつ剥離可能な状態で
    形成されている請求項1または2記載の医療用注入針。
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