JP2000352109A - コンクリート系構造物及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置及びその損傷検出方法 - Google Patents

コンクリート系構造物及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置及びその損傷検出方法

Info

Publication number
JP2000352109A
JP2000352109A JP11166689A JP16668999A JP2000352109A JP 2000352109 A JP2000352109 A JP 2000352109A JP 11166689 A JP11166689 A JP 11166689A JP 16668999 A JP16668999 A JP 16668999A JP 2000352109 A JP2000352109 A JP 2000352109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
concrete structure
damage
light
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11166689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4008623B2 (ja
Inventor
Kenmochi Okuda
賢持 奥田
Hiroshi Doi
博 土肥
Taku Sato
沢 佐藤
Hiroshi Inaba
拓 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Power and Building Facilities Inc
Original Assignee
NTT Power and Building Facilities Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Power and Building Facilities Inc filed Critical NTT Power and Building Facilities Inc
Priority to JP16668999A priority Critical patent/JP4008623B2/ja
Publication of JP2000352109A publication Critical patent/JP2000352109A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4008623B2 publication Critical patent/JP4008623B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歪み計測精度を向上できると共に、光ファイ
バセンサの切断を防止できる光ファイバセンサによるコ
ンクリート系構造物の損傷検出方法を提供すること。 【解決手段】 内部に複数本の主筋22が配置されたコ
ンクリート系構造物20において、主筋22の周囲を覆
い、外周面が所定の曲率を有するように形成されたスペ
ーサ部材23と、スペーサ部材23が取り付けられた全
ての主筋22の周囲に掛け渡されて螺旋状に巻回される
テープ部材24と、テープ部材24に沿って、この表面
に巻回される光ファイバと21、を具備することを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート系構
造物に生じた損傷を検出可能なコンクリート系構造物及
びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置
及びその損傷検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通信用に用いられる光ファイバをセンサ
として用い、歪みを計測する技術がある。この光ファイ
バをコンクリート系構造物の表面または内部に、その材
長方向に配置して材長方向の歪みを計測することは容易
に考えられる。その状態を図12及び図13に示す。
【0003】この構成では、コンクリート系構造物1の
材長方向に光ファイバ2が直線状に設置されている。な
お、図12は、コンクリート系構造物1の外周面に光フ
ァイバ2を設置したものであり、図13は、コンクリー
ト系構造物1の内部に光ファイバ2を設置したものであ
る。
【0004】そして、光ファイバ2に不図示の測定装置
を接続している。測定装置は、例えばB−OTDR(Br
illouin Optical Time Domain Reflectometer )であ
り、光ファイバ2に光パルスを発振可能としている。
【0005】光ファイバ2内部に導入された光パルス
は、その一部が後方散乱光(ブリルアン散乱光)となっ
て、測定装置側に戻ってくる。この光ファイバ2中の後
方散乱光は、光周波数がその長さ方向の歪みの大きさに
比例して変化する。この性質に着目し、歪みを計測する
と共に光パルスが光ファイバ2内に入射されてからその
散乱光が観測されるまでの時間を測ることによって、歪
みの発生位置が求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に光ファイバ2をコンクリート系構造物1の材長方向に
直線状に設置した場合には、以下の問題がある。
【0007】すなわち、現在の測定装置の距離分解能は
1mであり、コンクリート系構造物1の材長1m間の平
均的な歪みを表現するのは可能であるが、コンクリート
系構造物1に生じているひび割れ等の局所的な損傷の程
度や発生位置を精度良く検出するには、分解能が不十分
である。
【0008】また、コンクリート系構造物1の材長方向
に光ファイバ2を直線状に設置した場合、検出されたひ
び割れが、曲げひび割れか、せん断ひび割れかの区別が
つかない。
【0009】さらに、コンクリート系構造物1の内部に
光ファイバ2を直に埋設しようとすると、光ファイバ2
は引張り力や衝撃力に弱いため、コンクリート打設時に
切断してしまうといった不具合も生じる。
【0010】本発明は上記の事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、特にせん断ひび割れの
検出精度を向上できると共に、施工時の光ファイバセン
サの切断を防止できる光ファイバセンサによるコンクリ
ート系構造物の損傷検出方法を提供しようとするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、内部に複数本の主筋が配置
されるコンクリート系構造物において、上記主筋の周囲
を覆い、外周面が所定の曲率を有するように形成された
スペーサ部材と、上記スペーサ部材が取り付けられた全
ての主筋の周囲に掛け渡されて螺旋状に巻回されるテー
プ部材と、上記テープ部材に沿って、この表面に巻回さ
れる光ファイバと、を具備することを特徴とするコンク
リート系構造物である。
【0012】請求項2記載の発明は、内部に複数本の主
筋が配置されるコンクリート系構造物の製造方法におい
て、上記主筋に対し、外周面が所定の曲率を有するよう
に形成されたスペーサ部材を取り付けるスペーサ部材取
付工程と、上記スペーサ部材が取り付けられた全ての主
筋の周囲に螺旋状にテープ部材を掛け渡すテープ巻回工
程と、上記テープ巻回工程により巻回されたテープ部材
に沿って、この表面に光ファイバを巻回する光ファイバ
巻回工程と、上記光ファイバ巻回工程により光ファイバ
を巻回した後に、これらの周囲にコンクリートを流し込
んでこれを凝固させる凝固工程と、を具備することを特
徴とするコンクリート系構造物の製造方法である。
【0013】請求項3記載の発明は、光ファイバセンサ
を用いて内部に複数本の主筋が配置されたコンクリート
系構造物の損傷を検出するコンクリート系構造物の損傷
検出装置において、上記主筋の周囲を覆い、外周面が所
定の曲率を有するように形成されたスペーサ部材と、上
記スペーサ部材が取り付けられた全ての主筋の周囲に掛
け渡されて螺旋状に巻回されるテープ部材と、上記テー
プ部材に沿って、この表面に巻回される光ファイバと、
上記光ファイバ内部に光を発する発振手段と、上記光フ
ァイバ内部から戻ってくる後方散乱光を受信する受信手
段と、上記受信手段での受信結果に基づいて、コンクリ
ート系構造物に生じている損傷を解析する解析手段と、
を具備することを特徴とするコンクリート系構造物の損
傷検出装置である。
【0014】請求項4記載の発明は、コンクリート系構
造物の損傷を検出するコンクリート系構造物の損傷検出
方法において、上記コンクリート系構造物内部に光ファ
イバを螺旋状に設け、上記光ファイバ内部に光を発する
光発振工程と、上記光発振工程により光ファイバ内部に
発せられた光のうち、後方散乱光を検出する後方散乱光
検出工程と、上記後方散乱光検出工程により検出された
光を解析して、コンクリート系構造物に生じた損傷を検
出する損傷検出工程と、を具備することを特徴とするコ
ンクリート系構造物の損傷検出方法である。
【0015】上記手段を講じた結果、次のような作用が
生じる。請求項1の発明によると、コンクリート系構造
物の内部には、スペーサ部材に掛け渡されて螺旋状に巻
回されるテープ部材と、このテープ部材に沿って巻回さ
れる光ファイバが設けられているので、コンクリート部
材のせん断ひび割れを検出することが可能となる。ま
た、光ファイバをコンクリート内に螺旋状に巻きつけて
設置する際に、螺旋状に巻きつける間隔を密にすること
により、部材単位長さ当たりの光ファイバ長を長くし、
検出精度を向上させることが可能となっている。
【0016】さらに、主筋にスペーサ部材を取り付け
て、このスペーサ部材にテープ部材及び光ファイバを巻
回させるので、光ファイバで光透過損失を生じさせるこ
となく光を伝達することが可能となる。
【0017】請求項2の発明によると、全てのスペーサ
部材の周囲に螺旋状にテープ部材を巻回し、このテープ
部材の表面に沿って光ファイバを巻回することにより、
コンクリート打設時に光ファイバが切断されるのを防止
することが可能となり、内部に光ファイバが存するコン
クリート系構造物を良好に製造することが可能となる。
【0018】請求項4の発明によると、発振手段により
螺旋状に巻回された光ファイバ内部に光を発すると共
に、この光ファイバ内部から戻ってくる後方散乱光を受
信手段で受信し、その後に解析手段により光ファイバに
沿った歪み分布を解析するので、コンクリート系構造物
に生じているせん断ひび割れの程度と発生位置を精度良
く検出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図1ないし図10に基づいて説明する。
【0020】図1は、コンクリート系構造物20内部に
光ファイバ21を配置してコンクリート系構造物20に
生じるせん断ひび割れ(等の損傷)を検出可能な構成と
したものである。以下の説明では、構成と共に製造方法
も併せて説明する。
【0021】この構成において、コンクリート系構造物
20の内部には、引張強度を確保するための、丸棒鋼や
異形棒鋼などからなる主筋22が配置されている。主筋
22は、コンクリート系構造物20の材軸方向に配置さ
れている。なお、この主筋22は、矩形断面の場合に
は、コンクリート系構造物20の内部に少なくとも4本
配置されている。その配置は、図1に示すように、コン
クリート系構造物20の内部の長方形の頂点に主筋22
が位置するように設けられている。
【0022】上記主筋22には、スペーサとしてのスペ
ーサ部材23が取り付けられる(スペーサ部材取付工
程)。このスペーサ部材23は、主筋22に取り付けら
れており、この外周面が所定の曲率を有するように作ら
れている。なお、このスペーサ部材23の外周面の曲率
は、後述する光ファイバ21を巻き付けたときに、光の
透過損失が生じない最小曲率以上としている。
【0023】主筋22に取り付けられたスペーサ部材2
3に掛け渡されるようにテープ部材24が巻回される
(テープ巻回工程)。テープ部材24は、その材質を例
えばステンレス鋼としており、巻回方向へは所定の引張
り強度を有するものであるが、厚さが極めて薄く容易に
巻回を行えるものである。
【0024】テープ部材24を主筋22に巻回する場
合、図2に示すように、螺旋状に掛け渡す。それによっ
て、主筋22に沿ってテープ部材24を巻回する構成と
なる。
【0025】そして、テープ部材24が巻回された後
に、図3に示すように、その上に光ファイバ21を巻き
付ける(光ファイバ巻回工程)。なお、テープ部材24
の上に光ファイバ21を巻き付ける場合、テープ部材2
4に光ファイバ21を接着固定するようにしても構わな
い。
【0026】このように光ファイバ21を螺旋状に巻回
することにより、特にコンクリート系構造物20のせん
断ひび割れを精度良く検出することができる。
【0027】以上のようにしてテープ部材24に光ファ
イバ21を設置した後に、生コンクリートを流し込んで
これを固め、コンクリート系構造物20を形成する(凝
固工程)。それによって、内部に光ファイバ21が設置
されたコンクリート系構造物20を形成することが可能
となる。
【0028】そして、このコンクリート系構造物20の
光ファイバ21の内部に光を入射し、損傷を検出する。
以下の説明では、コンクリート系構造物20と計測装置
31とを組み合わせたコンクリート系構造物の損傷検出
装置30と、損傷検出方法について述べる。
【0029】図4に示すように、コンクリート系構造物
20の光ファイバ21には、測定装置31が接続されて
いる。測定装置31は、例えばB−OTDR(Brilloui
n Optical Time Domain Reflectometer )であり、この
内部に光を発振する発振手段としての光源32が設けら
れている。この光源32からは、信号光が発せられ(光
発振工程)、それが光周波数変換器33に入射される。
光周波数変換器33では、光の周波数が適宜の周波数と
なるように変換され、ここから更に出射されて光パルス
変調器34に入射される。光パルス変調器34は、周波
数が変換された光を入射して、これを光パルスへと変調
するものである。
【0030】この変調を終えた後に、光ファイバ21の
内部へと光パルスが入射される。光ファイバ21の内部
に光パルスが入射されると、その一部が後方散乱光(ブ
リルアン散乱光)となって、測定装置31側に戻ってく
る(後方散乱光検出工程)。光ファイバ21中のブリル
アン散乱光は、光周波数がその長さ方向の歪みの大きさ
に比例して変化する。この性質を利用して歪みを計測す
ると共に、光パルスが光ファイバ21内に入射されてか
ら、その散乱光が観測される迄の時間を測定することに
よって、歪みの計測位置が求められる。
【0031】ここで、ブリルアン散乱光は微弱であるの
で、高感度測定可能な受信手段としてのコヒーレント光
受信器35が測定装置31内部に設けられている。この
コヒーレント光受信器35により得られたブリルアン散
乱光の波形データを、図5に示す。この図に示すよう
に、光ファイバ21に歪みεが生じている部分(距離Z
1 〜Z2 )では、ブリルアン散乱光の光周波数が、それ
以外の部分の光周波数からシフトしている。
【0032】そして、この各位置における光周波数のシ
フト量を、測定装置31に接続された解析手段としての
コンピュータ36で解析し、光ファイバ21の長さ方向
の歪みの大きさを求める。これによって、光ファイバ2
1を巻回し、コンクリート系構造物20に生じたせん断
ひび割れを検出する(損傷検出工程)。
【0033】ここで、計測装置31は、歪み測定の距離
分解能が光ファイバ21に沿う方向では1m程度しかな
い。しかしながら、上述のように光ファイバ21を螺旋
状に巻回した場合には、巻回する間隔を密にすることに
より、コンクリート系構造物20の材長1m当たりの光
ファイバ21長が大幅に大きくなるので、せん断ひび割
れの発生位置の検出精度が向上する。
【0034】以上のような構成のコンクリート系構造物
20及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検
出装置30及び損傷検出方法によると、光ファイバ21
を螺旋状に巻回することにより、材長方向に直線状に光
ファイバ21を設置した構成と比較して、剪断ひび割れ
等も検出可能となる。また、光ファイバ21をコンクリ
ート系構造物20内部において螺旋状に巻回するので、
このコンクリート系構造物20の材長方向に沿って、部
材1m当たりの光ファイバ21の長さを大きくすること
が可能となり、コンクリート系構造物20の材長方向に
沿って直線状に光ファイバ21を設置した場合と比較し
て、剪断ひび割れの検出精度が向上する。
【0035】ここで、コンクリートの夫々の部分に光フ
ァイバ21を設置して行った損傷検出実験結果につい
て、主な荷重段階における鉄筋コンクリート造梁のひび
割れ状況と光ファイバ21により計測された歪み分布を
合わせて、図6乃至図9に示す。
【0036】図6の結果によると、光ファイバ21をコ
ンクリート表面の上下面に設置した場合には、曲げひび
割れの発生、及び曲げひび割れの進行が検出できるが、
剪断ひび割れの発生、剪断ひび割れの進行及びひび割れ
の発生位置については検出が困難であることが分かる。
【0037】また、図7の結果によると、光ファイバ2
1をコンクリート表面の側面に設置した場合には、曲げ
ひび割れやせん断ひび割れの発生及び進行は検出できる
が、そのひび割れが曲げひび割れかせん断ひび割れかは
区別が困難である。また、ひび割れ発生位置の検出も困
難である。
【0038】また、図8の結果によると、光ファイバ2
1をコンクリート内部の材長方向に設けた場合は、曲げ
ひび割れやせん断ひび割れの発生及び進行は検出できる
が、そのひび割れが曲げひび割れかせん断ひび割れかは
区別が困難である。また、ひび割れ発生位置も検出が困
難である。
【0039】これと比較して、図9に示すように、光フ
ァイバ21をコンクリート内部に螺旋状に設置した場合
には、コンクリートに生じる曲げひび割れの発生や、曲
げひび割れの進行は検出が困難であるものの、剪断ひび
割れの発生及び進行、ひび割れ発生位置が、いずれも良
好に検出されている。
【0040】なお、これらの結果をまとめると、表1に
示すようになる。
【0041】
【表1】
【0042】以上の実験結果より、本発明のように光フ
ァイバ21をコンクリート内部に螺旋状に巻回すること
によってのみ、剪断ひび割れの発生及び進行を良好に検
出でき、さらにひび割れ発生位置で良好に検出できるこ
とが分かる。
【0043】また、主筋22に螺旋状に光ファイバ21
を巻回するために、主筋22にスペーサ部材23を取り
付け、このスペーサ部材23の外周面の曲率を光ファイ
バ21の光の透過損失を生じないような曲率以上とした
ことにより、螺旋状に設置した光ファイバ21に沿った
歪みを問題なく計測することができた。
【0044】さらに、テープ部材24を主筋22の周囲
に巻回し、この上に光ファイバ21を巻回する構成のた
め、光ファイバ21がコンクリートの打設時に切断する
のを防止することができた。
【0045】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能である。以
下それについて述べる。
【0046】上記実施の形態では、コンクリート系構造
物20として、螺旋状に巻回された光ファイバ21が設
けられた構成について述べたが、螺旋状に巻回された光
ファイバ21と、図11に示すような材長方向に直線状
に配置された光ファイバ21とを組み合わせても構わな
い。両者の歪測定結果を総合的に分析することにより、
曲げひび割れと剪断ひび割れの検出精度をさらに向上さ
せることができる。
【0047】また、コンクリート系構造物20は、矩形
断面の形状に限られず、円形断面を有する円柱構造とし
ても構わない。図10にこの構造を示す。このコンクリ
ート系構造物40では、円形断面の中心から所定半径だ
け離間した円周上に主筋22が所定間隔で配置されてい
る。そして、この主筋22に取り付けたスペーサ部材2
3にテープ部材24を螺旋状に掛け渡し、それに沿って
光ファイバ21を掛け渡せば、円形断面を有するコンク
リート系構造物40においても、光ファイバ21を螺旋
状に巻回することが可能となる。
【0048】さらに、スペーサ部材23は、図3のよう
に主筋22の全周を覆う形状としても図11に示すよう
に、テープ部材24を巻回する部分のみを覆う形状とし
ても構わない。
【0049】また、光ファイバ21も、通信用の光ファ
イバケーブル等、種々のものを適用可能である。
【0050】その他、本発明の要旨を変更しない範囲に
おいて、種々変形可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によると、コンクリート系構造物の内部には、スペー
サ部材に掛け渡されて螺旋状に巻回されるテープ部材
と、このテープ部材に沿って巻回される光ファイバが設
けられているので、コンクリート部材のせん断ひび割れ
を検出することが可能となる。また、光ファイバをコン
クリート内に螺旋状に巻きつけて設置する際に、螺旋状
に巻きつける間隔を密にすることにより、部材単位長さ
当たりの光ファイバ長を長くし、検出精度を向上させる
ことが可能となっている。
【0052】また、主筋にスペーサ部材を取り付けて、
このスペーサ部材にテープ部材及び光ファイバを巻回さ
せるので、光ファイバで光透過損失を生じさせることな
く光を伝達することが可能となる。
【0053】請求項2記載の発明によると、全てのスペ
ーサ部材の周囲に螺旋状にテープ部材を巻回し、このテ
ープ部材の表面に沿って光ファイバを巻回することによ
り、コンクリート打設時に光ファイバが切断されるのを
防止することができ、内部に光ファイバが存するコンク
リート系構造物を良好に製造することが可能となる。
【0054】請求項4記載の発明によると、発振手段に
より螺旋状に巻回された光ファイバ内部に光を発すると
共に、この光ファイバ内部から戻ってくる後方散乱光を
受信手段で受信し、その後に解析手段により光ファイバ
に沿った歪み分布を解析するので、コンクリート系構造
物に生じているせん断ひび割れの程度と発生位置を精度
良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わるコンクリート系
構造物の構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態に係わるコンクリート系構造物内
部の主筋に螺旋状に光ファイバを掛け渡した状態を示す
上面図。
【図3】同実施の形態に係わる主筋の周囲にスペーサを
取り付け、このスペーサにテープ部材及び光ファイバを
掛け渡した状態を示す部分拡大図。
【図4】同実施の形態に係わるコンクリート系構造物の
損傷検出装置の構成を示す概念図。
【図5】同実施の形態に係わるコヒーレント光受信器に
よりブリルアン散乱光を受信した結果を示す図。
【図6】同実施の形態に係わるコンクリートの表面(下
面)に光ファイバを設置して損傷検出実験を行った結果
を示す図。
【図7】同実施の形態に係わるコンクリートの表面(側
面)に光ファイバを設置して損傷検出実験を行った結果
を示す図。
【図8】同実施の形態に係わるコンクリートの内部に材
長方向に光ファイバを埋め込んで設置したときの損傷検
出実験を行った結果を示す図。
【図9】同実施の形態に係わるコンクリートの内部に螺
旋状に巻回した光ファイバを埋め込んで設置したときの
損傷検出実験を行った結果を示す図。
【図10】同実施の形態に係わる円柱形状のコンクリー
ト系構造物内部の主筋に螺旋状に光ファイバを掛け渡し
た状態を示す図。
【図11】本発明の変形例に係わる主筋の周囲にスペー
サを取り付け、このスペーサにテープ部材及び光ファイ
バを掛け渡した状態を示す部分拡大図。
【図12】従来のコンクリート系構造物の損傷検出を示
す図であり、コンクリート系構造物の外周面に光ファイ
バを設置した状態を示す図。
【図13】従来のコンクリート系構造物の損傷検出を示
す図であり、コンクリート系構造物の内部に光ファイバ
を設置した状態を示す図。
【符号の説明】
20…コンクリート系構造物 21…光ファイバ 22…主筋 23…スペーサ 24…テープ部材 30…損傷検出装置 31…測定装置 32…光源 33…光周波数変換器 34…光パルス変換器 35…コヒーレント光受信器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 沢 東京都港区芝浦三丁目4番1号 株式会社 エヌ・ティ・ティファシリティーズ内 (72)発明者 稲葉 拓 東京都港区芝浦三丁目4番1号 株式会社 エヌ・ティ・ティファシリティーズ内 Fターム(参考) 2E164 CA00 CA14 CA31 CA39 2F065 AA65 BB05 CC14 FF00 LL02 2G086 CC02 DD05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に複数本の主筋が配置されるコンク
    リート系構造物において、 上記主筋の周囲を覆い、外周面が所定の曲率を有するよ
    うに形成されたスペーサ部材と、 上記スペーサ部材が取り付けられた全ての主筋の周囲に
    掛け渡されて螺旋状に巻回されるテープ部材と、 上記テープ部材に沿って、この表面に巻回される光ファ
    イバと、 を具備することを特徴とするコンクリート系構造物。
  2. 【請求項2】 内部に複数本の主筋が配置されるコンク
    リート系構造物の製造方法において、 上記主筋に対し、外周面が所定の曲率を有するように形
    成されたスペーサ部材を取り付けるスペーサ部材取付工
    程と、 上記スペーサ部材が取り付けられた全ての主筋の周囲に
    螺旋状にテープ部材を掛け渡すテープ巻回工程と、 上記テープ巻回工程により巻回されたテープ部材に沿っ
    て、この表面に光ファイバを巻回する光ファイバ巻回工
    程と、 上記光ファイバ巻回工程により光ファイバを巻回した後
    に、これらの周囲にコンクリートを流し込んでこれを凝
    固させる凝固工程と、 を具備することを特徴とするコンクリート系構造物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバセンサを用いて内部に複数本
    の主筋が配置されるコンクリート系構造物の損傷を検出
    するコンクリート系構造物の損傷検出装置において、 上記主筋の周囲を覆い、外周面が所定の曲率を有するよ
    うに形成されたスペーサ部材と、 上記スペーサ部材が取り付けられた全ての主筋の周囲に
    掛け渡されて螺旋状に巻回されるテープ部材と、 上記テープ部材に沿って、この表面に巻回される光ファ
    イバと、 上記光ファイバ内部に光を発する発振手段と、 上記光ファイバ内部から戻ってくる後方散乱光を受信す
    る受信手段と、 上記受信手段での受信結果に基づいて、コンクリート系
    構造物に生じている損傷を解析する解析手段と、 を具備することを特徴とするコンクリート系構造物の損
    傷検出装置。
  4. 【請求項4】 コンクリート系構造物の損傷を検出する
    コンクリート系構造物の損傷検出方法において、 上記コンクリート系構造物内部に光ファイバを螺旋状に
    設け、上記光ファイバ内部に光を発する光発振工程と、 上記光発振工程により光ファイバ内部に発せられた光の
    うち、後方散乱光を検出する後方散乱光検出工程と、 上記後方散乱光検出工程により検出された光を解析し
    て、コンクリート系構造物に生じた損傷を検出する損傷
    検出工程と、 を具備することを特徴とするコンクリート系構造物の損
    傷検出方法。
JP16668999A 1999-06-14 1999-06-14 コンクリート系構造物及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置及びその損傷検出方法 Expired - Fee Related JP4008623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16668999A JP4008623B2 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 コンクリート系構造物及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置及びその損傷検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16668999A JP4008623B2 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 コンクリート系構造物及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置及びその損傷検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000352109A true JP2000352109A (ja) 2000-12-19
JP4008623B2 JP4008623B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=15835923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16668999A Expired - Fee Related JP4008623B2 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 コンクリート系構造物及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置及びその損傷検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4008623B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101344722B1 (ko) 2012-10-22 2013-12-26 (주)카이센 광섬유 변형률계를 이용한 교량 처짐 측정 시스템
JP2016188850A (ja) * 2015-03-27 2016-11-04 太平洋セメント株式会社 コンクリートのひび割れ検出方法およびひび割れセンサ
JP2018031727A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 株式会社日立産機システム 樹脂モールド構造
JP2019066388A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 一般財団法人電力中央研究所 コンクリート構造物の診断方法
CN109930743A (zh) * 2019-03-07 2019-06-25 上海建工材料工程有限公司 透光保温复合墙板及其制备方法和制备装置
JP2019158834A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 太平洋セメント株式会社 凍害によるコンクリートの劣化を検知する光ファイバセンサの設置方法およびコンクリート構造物の劣化検知方法
WO2022137273A1 (ja) * 2020-12-21 2022-06-30 ニューブレクス株式会社 アーマードdssケーブル

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101344722B1 (ko) 2012-10-22 2013-12-26 (주)카이센 광섬유 변형률계를 이용한 교량 처짐 측정 시스템
JP2016188850A (ja) * 2015-03-27 2016-11-04 太平洋セメント株式会社 コンクリートのひび割れ検出方法およびひび割れセンサ
JP2018031727A (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 株式会社日立産機システム 樹脂モールド構造
WO2018037704A1 (ja) * 2016-08-26 2018-03-01 株式会社日立産機システム 樹脂モールド構造
JP2019066388A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 一般財団法人電力中央研究所 コンクリート構造物の診断方法
JP6993066B2 (ja) 2017-10-03 2022-01-13 一般財団法人電力中央研究所 コンクリート構造物の診断方法
JP2019158834A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 太平洋セメント株式会社 凍害によるコンクリートの劣化を検知する光ファイバセンサの設置方法およびコンクリート構造物の劣化検知方法
JP7079055B2 (ja) 2018-03-16 2022-06-01 太平洋セメント株式会社 凍害によるコンクリートの劣化を検知する光ファイバセンサの設置方法およびコンクリート構造物の劣化検知方法
CN109930743A (zh) * 2019-03-07 2019-06-25 上海建工材料工程有限公司 透光保温复合墙板及其制备方法和制备装置
WO2022137273A1 (ja) * 2020-12-21 2022-06-30 ニューブレクス株式会社 アーマードdssケーブル
JP7416492B2 (ja) 2020-12-21 2024-01-17 ニューブレクス株式会社 アーマードdssケーブル

Also Published As

Publication number Publication date
JP4008623B2 (ja) 2007-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003247814A (ja) トンネルの変形測定方法
JPWO2003002956A1 (ja) 振動計測装置および振動計測方法
JP4005708B2 (ja) ひずみ検知付きpc材
JP2000352109A (ja) コンクリート系構造物及びその製造方法、コンクリート系構造物の損傷検出装置及びその損傷検出方法
US8144333B2 (en) Optical fiber structure monitoring and analysis
KR102225514B1 (ko) 일체형 긴장력 측정센서가 구비된 스마트 앵커헤드 및 이를 이용한 강연선 긴장력 측정 및 진단 방법
US20230152543A1 (en) Impulse signal detection for buried cable protection using distributed fiber optic sensing
KR101101413B1 (ko) 비파괴검사를 위한 레이저 시스템
JP3457894B2 (ja) 光ファイバの敷設方法及び光ファイバを用いた歪検知装置
JP2007155550A (ja) 傾斜地崩壊検知システム
US5900556A (en) Helical optical fiber strain sensor
JP2001194109A (ja) レイリー散乱を利用した変位計測装置
US6815948B1 (en) Method of detecting tension wire break in concrete pole
JP2001066117A (ja) トンネルひび割れおよび補強材剥離検知方法及び装置
JPH1172481A (ja) 鉄筋破断検出器及び鉄筋破断検出方法
JP2001221664A (ja) 地中用光ファイバーセンサー及びその光ファイバーセンサーシステム
JPH1054140A (ja) グラウトの充填状態検査方法
JP2000018981A (ja) 光ファイバセンサ
JP3756673B2 (ja) 歪計測可能なコンクリートパイル及びその製造方法
JP2002267575A (ja) 構造物クラック検出装置
CN111120005B (zh) 一种分布式隧道加固钢环失效监测装置及方法
JP4208062B2 (ja) 土構造物用すべり検知補強杭
JP2000097647A (ja) 光ファイバを用いた構造物の変状計測方法および光ファイバセンサー
JP4565093B2 (ja) 可動式fbg超音波センサ
JP4587535B2 (ja) 複合構造物の剥離検知方法および検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070815

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070830

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees