JP2000350286A - スピーカ - Google Patents

スピーカ

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JP2000350286A
JP2000350286A JP11161548A JP16154899A JP2000350286A JP 2000350286 A JP2000350286 A JP 2000350286A JP 11161548 A JP11161548 A JP 11161548A JP 16154899 A JP16154899 A JP 16154899A JP 2000350286 A JP2000350286 A JP 2000350286A
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speaker
edge
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Takeshi Imai
健 今井
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Kenwood KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縦横比の違う細長形状の振動板を有するスピ
ーカにおいて、振動板の固有振動等による悪影響を軽減
すること。 【解決手段】 このスピーカ1は、縦横比の異なる細長
形状の振動板3を含む振動系の一部を構成すると共に振
動系を支持するバネ構成要素2を有し、バネ構成要素2
の特性を場所的に部分的に変更する特性変更手段8を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦横比の違う振動
板を有するスピーカの構造に関し、特に、振動板を含む
振動系を支持するエッジやダンパ等のバネ構成要素近傍
の構造に工夫をこらしたスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、プラズマディスプレイパネル(以
下、PDPと記す)等を用いた薄型テレビジョン(以
下、薄型TVと記す)が実用化されている。この薄型T
Vに用いられるスピーカは、当然の如く薄型形状が求め
られている。しかも、薄型TVの画面はワイド化されて
おり、その上、コンパクト化が訴求されている。そのた
め、薄型TVの両脇等に配置されるスピーカの設置スペ
ースが極力省かれ、正面から見たスピーカ形状として、
極力縦に細長い形状が要求されている。
【0003】このような縦に細長いスピーカ形状に対応
するために、出願人は、先に、反発磁気回路を用いた多
点駆動型のスピーカを流用して極端な細長形状に適した
スピーカを提案している。具体的には、ほぼ平板状でか
つ細長状に作製した振動板の長手方向の中心線上に、た
とえば3個のボイスコイルを配し、このボイスコイルを
3個の反発磁気回路にて駆動するスピーカ構造を既に提
案している(特開平10−327486号、特開平10
−327488号、特開平10−327497号、特開
平10−327490号および特開平10−32749
1号を参照)。
【0004】一般的なスピーカでは、振動系を駆動する
ボイスコイルは円形であり、円形のボイスコイルで円形
以外の特殊な形状を有する振動系を駆動すれば当然、様
々な歪みを生じる。だからといって、その特殊な振動系
の形状に合わせたボイスコイルを製作するということは
現在では難しく、たとえ製作し得たとしても、マグネッ
トをはじめとした磁気回路部品も同様に特殊な形状にし
なければ、効率が悪くなることは当然である。したがっ
て、このような特殊形状のスピーカ構造を実現するに
は、多くの手間と高度な技術を必要とする。
【0005】そこで、出願人は、プラズマディスプレイ
用スピーカとして、たとえば図7に示すような、トラッ
ク型薄型スピーカを主に薄型、細型形状に対応したもの
として既に提案している。このスピーカは、2個のマグ
ネットの同極同志、たとえばN極同志を向かい合わせ反
発するように配置し、なおかつこの同極(N極)面で鉄
等の軟磁性材からなるプレートを挟持し、反発する磁気
をプレート中に誘導せしめなおかつプレート外周部方向
に放出して、プレートの外側部に一定の磁束を発生せし
める3つの磁気回路7(以下、反発磁気回路と記す)
を、フレーム6のガイドポール部6aに取り付けてい
る。
【0006】そして、各反発磁気回路7のプレートの外
周部には、一定のクリアランスを持って、ボイスコイル
4が配置されている。3つのボイスコイル4の外周部に
は、2つの同径の円を共通接線にてつないだときの外周
線で生じるトラック形状を有する1つの振動板3が装着
されている。振動板3に連接されたエッジ2は、その外
周の貼り代部2aがフレーム6のトラック状取付部6b
上に接着剤等の固定手段で固定されている。したがっ
て、このスピーカは、1つの振動板3を、複数(この例
では3つ)の反発磁気回路7およびボイスコイル4で駆
動する多点駆動型の構造を有している。
【0007】このトラック型薄型スピーカは、高周波数
帯域では多点駆動により分割振動、すなわちうねりやよ
じれを防ぐことができるうえ、ダンパレス構造を取り、
最低共振周波数foを低くして、低周波数帯域までの広
い周波数帯域を再生することができる設計となってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、60Hz程度
の低周波数帯域では、振動板3が共振して固有振動を起
こし、振動板3の中央部分と長手方向の両端付近の部分
とが逆方向に振動する動きが起こる。これにより、所望
の低周波数帯域の再生をすることができなくなってしま
う。また、この状態の時、振動板3を含む振動系と反発
磁気回路7とは、一定のクリアランスを保って垂直方向
に駆動されておらず、最悪の場合、ボイスコイル4が反
発磁気回路7に当たってしまったり、振動板3に連接さ
れたエッジ2からばたつき音が発生してしまったりする
などの現象が生じることがある。
【0009】そこで、出願人は、反発磁気回路7とボイ
スコイル4は円形状のままで、この固有振動による動き
を改善する手法として、振動板3の長手方向の中心点が
共振の腹となり最も大きな振幅を持っていることから、
この部分の振幅を抑えることで対応できないかと考えて
みた。そして、このスピーカの中央の駆動部近傍におい
て、エッジ2の外周側から内側へエッジ幅の50%くら
いの場所から貼り代部6a辺りまでを、指で上述の振幅
を制御すべく上方から押さえ付けると、上述の振幅を抑
えることができることが分かった。つまり、振動板3を
含む振動系を支持するエッジ2(またはダンパ)などの
バネ構成要素のコンプライアンスを調整することによ
り、振動板3の固有振動による動きを抑えることができ
ることが分かった。
【0010】現在、これに対応した手法として、バネ構
成要素へのフェノール樹脂の含浸量を部分的に増やす、
バネ構成要素を構成する基布を一部2枚張りにする、バ
ネ構成要素、すなわちエッジやダンパなどの形状を場所
により変えていくなどのいくつかの方法が提案されてい
る。
【0011】しかし、バネ構成要素へのフェノール樹脂
の含浸量を部分的に増やす手法は、増やす部分の寸法精
度を細かく出すことが難しく、また、そのフェノール樹
脂の含浸量に関しても管理が難しいのは周知の事実であ
る。特に、バネ構成要素がダンパの場合は、フェノール
樹脂の含浸量を増やすことで、繊維の目が詰まり、ダン
パとフレームとトッププレートで仕切られる空間のダン
パからの空気抜けが悪くなり、リニアな駆動の妨げにな
る。
【0012】また、基布を部分的に2枚張りするという
手法も、コストも当然上昇する上に、結局振動系全体の
質量を大きくしてしまうため、スピーカの能率を下げる
原因となってしまう。また、ダンパの場合は、フェノー
ル樹脂の含浸と同様に空気抜けが悪くなる結果となり、
必ずしも最適の手法とは言えない。
【0013】さらに、ダンパ、エッジの形状を場所によ
り変えることは有効な手法であるが、新たに金型を起こ
さなければならず、またこの金型も通常のものと比べ形
状的に製作が難しく、時間がかかりコストも高くなって
しまう可能性が高い。
【0014】以上のように、各種のアイデアが提案され
ているもののスピーカの振動板のさまざまな形状に対応
して、振動板の固有振動を抑えることは困難となってい
る。
【0015】そこで、本発明の目的は、縦横比の違う細
長形状の振動板を有するスピーカにおいて、振動板を含
む振動系を支持するエッジやダンパ等のバネ構成要素近
傍の構成を改善して振動板の固有振動による悪影響を軽
減するスピーカを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した目的にかんがみ
て、本発明のスピーカは、縦横比の異なる細長形状の振
動板を含む振動系と、この振動系の一部を構成すると共
にこの振動系を支持するバネ構成要素を有するスピーカ
であって、バネ構成要素の特性を場所的に部分的に変更
する特性変更手段を備えている。これにより、バネ構成
要素の部分的な場所の振幅およびコンプライアンスを変
えて、振動板の固有振動の悪影響を軽減することができ
る。
【0017】また、他の発明では、上述の発明のスピー
カにおいて、特性変更手段は、バネ構成要素に当たって
その一部を変形させるように固定される固定部材になっ
ている。これにより、従来のスピーカ構造にわずかな部
品を追加するだけで、振動板の固有振動の悪影響を軽減
することができる。
【0018】また、他の発明では、上述の発明のスピー
カにおいて、振動板とバネ構成要素は一体形成され、バ
ネ構成要素の外周部はフレームに固定され、フレームの
外周部上にガスケットが固定され、ガスケットは、バネ
構成要素に当たってその一部を変形させる特性変更手段
として働く固定部材としての突出部を有している。これ
により、従来のスピーカの既存部品を一部変形させるだ
けで、振動板の固有振動の悪影響を軽減することができ
る。
【0019】また、他の発明では、上述の発明のスピー
カにおいて、バネ構成要素は、断面波状の伸縮可能部
に、ボイスコイルへ電流を供給するための導電部を編み
こんで構成される導電ダンパであり、特性変更手段は、
導電ダンパの外周に取り付けられる端子リングに固定さ
れ、バネ構成要素に当たってその一部を変形させる固定
部材となっている。これにより、振動板を支持するバネ
構成要素として導電ダンパを有するスピーカにおいて、
わずかな部品を追加するだけで、振動板の固有振動の悪
影響を軽減することができる。
【0020】また、他の発明では、上述の発明のスピー
カにおいて、バネ構成要素は、断面波状の伸縮可能部
に、ボイスコイルへ電流を供給するための導電部を編み
こんで構成される導電ダンパであり、特性変更手段は、
導電ダンパの外周に取り付けられる端子リングに一体形
成され、バネ構成要素に当たってその一部を変形させる
固定部材としての突出部となっている。従来の導電ダン
パ付きスピーカの既存部品を一部変形させるだけで、振
動板の固有振動の悪影響を軽減することができる。
【0021】また、他の発明では、上述の各発明のスピ
ーカにおいて、固定部材は、振動板における長手方向の
中心線の中心を短手方向に直角に横切る短手方向の中心
線上に配置される。これにより、振動板の固有振動によ
るばたつき現象を効果的に抑えることができる。
【0022】また、他の発明では、上述の各発明のスピ
ーカにおいて、固定部材は、その固定位置が、移動可能
に構成されている。これにより、製品毎に振動板におけ
るばたつき現象が起こる周波数、位置が異なっていて
も、その製品における固有振動の悪影響を軽減するよう
に調整することができる。また、振動板の共振周波数を
コントロールし、音色を変えることもできる。
【0023】また、他の発明では、上述の各発明のスピ
ーカにおいて、振動板は、2つの同径の円を共通接線に
てつないだときの外周線で生じるトラック形状を有して
いる。これにより、薄型、細長型形状のスピーカが実現
できる。
【0024】また、他の発明では、上述の各発明のスピ
ーカにおいて、振動板は、多数の磁気回路と多数のボイ
スコイルによって駆動される。これにより、多点駆動型
スピーカが実現できる。
【0025】また、他の発明では、上述の各発明のスピ
ーカにおいて、バネ構成要素は、振動板と一体形成され
たエッジとなっている。これにより、振動板を支持する
バネ構成要素であるエッジ部分で、振動板の固有振動の
悪影響を軽減することができる。
【0026】
【発明の実施例の形態】以下、本発明によるスピーカの
実施の形態について図1から図3を参照しながら説明す
る。なお、図1から図3において、図7に示す従来例と
同一の構成要素は、同一符号を付してある。
【0027】ここでは、本発明によるスピーカの実施の
形態として、プラズマディスプレイ用トラック型多点駆
動薄型スピーカ(以下、単に、多点駆動型スピーカと記
す)を例にとって説明する。
【0028】この多点駆動型スピーカ1は、バネ構成要
素としてのエッジ2に連接されたトラック状の振動板3
と、3つのボイスコイル4と、振動系の一端を押さえつ
けるためのガスケット5と、ガスケット5と協働して振
動系を保持するフレーム6と、3つの反発磁気回路7
と、固定部材8と、固定ネジ9とから構成される。
【0029】フレーム6は、反発磁気回路7を取り付け
るためのガイドポール部6aと、トラック状の振動板3
に連接され、振動板3を含む振動系を支持すると共にそ
の一部を構成するバネ構成要素としてのエッジ2の貼り
代部2aを固定するためのトラック状取付部6bとを有
する。
【0030】固定部材8は、たとえば図2に示すよう
に、平面から見て半トラック形状を任意の厚さに伸ばし
た形状にされると共に、半円状端部8aの下側角部分が
正面から見て曲面状に形成された曲面部8bを有する。
また、固定部材8は、その中央に、半円状端部8aの方
向に所定の長さを有しかつ固定ネジ9を挿入できる幅と
を有して、上面から底面まで貫通する長穴8cが形成さ
れている。この固定部材8の材料は、たとえばABS樹
脂成型品からなり、バリがでて異音の原因になったりエ
ッジ2を傷つけたりすることの無いように曲面部8bを
設け、加えてエッジ2と当接する部分に面取りを施して
おく。
【0031】フレーム6は、図3に示すように、振動板
3に連接されたエッジ2の貼り代部2aに対応するトラ
ック状取付部6bの上面において、その長手方向の中心
線の中心を短手方向に直角に横切る短手方向の中心線が
エッジ2の貼り代部2aと交わる2個所に、固定部材8
を固定ネジ9で固定するためのタップ付き穴6cが開け
られている。
【0032】ガスケット5は、エッジ2を保護するため
にフレーム6のトラック状取付部6bとほぼ同一寸法の
トラック状に形成されると共に、タップ付き穴6cに対
応する2個所に、固定部材8を収容可能な寸法の切り欠
き部5aが形成されている。
【0033】多点駆動型スピーカ1は、まず従来通りの
方法で、振動板3と、3つのボイスコイル4と、ガスケ
ット5と、フレーム6と、3つの反発磁気回路7とを組
み立てる。次いで、ガスケット5の切り欠き部5a内
に、固定部材8を、その半円状端部8aがエッジ2の内
周方向を向きかつ曲面部8bがエッジ2に当たるような
向きに設置する。次いで、固定ネジ9を、固定部材8の
長穴8cに通して、フレーム6のタップ付き穴6cにね
じ込み、固定する。
【0034】固定部材8は、この長穴8cとガスケット
5の切り欠き部5aとによりガイドされ、図1の拡大図
に示すように、その長穴8cの任意位置に固定ネジ9を
固定することにより、エッジ2の内周方向への固定位置
を調整することができる。このように、固定部材8の固
定位置を調整して、その位置のエッジ2のストロークを
局部的に小さくすることにより、振動板3の共振時の過
剰な振幅を抑え、振動板3を含む振動系の動きを制御す
る。なお、図1(B)の局部拡大図に示すように、固定
部材8の高さd1は、エッジ2の高さd2より高く設定
することにより、エッジ2の特性をスムーズに変更する
ことができる。また、ガスケット5の高さd3は、図に
示すように、固定ネジ9の頭部より高くするのが望まし
い。
【0035】このように、固定部材8は、振動板3を含
む振動系を支持すると共に振動形の一部を構成するエッ
ジ2の特性、すなわち振幅とコンプライアンスを場所的
に部分的に変更する特性変更手段として作用し、振動板
3の固有振動等に起因するエッジ2のばたつき音等の問
題を解消し、リニアな駆動ができる。また、固定部材8
の固定位置を移動調整することで、振動板3を含む振動
系の共振周波数をコントロールし、音色を変えることも
できる。
【0036】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこれに限らず種々の変形、応用が可能で
ある。たとえば、上述の実施の形態では、プラズマディ
スプレイ用トラック型多点駆動薄型スピーカの構造に適
用した場合を説明したが、本発明は、他の形態を有する
一般的なスピーカにも応用可能なものであることは勿論
である。
【0037】また、特性変更手段、すなわち固定部材8
の固定位置は、上述の実施の形態で説明したように、振
動板3の共振の腹になりやすい長手方向の長さの1/2
の中心線上にすると、ばたつきを抑える効果が大きい
が、他の固定位置とすることもできる。また、固定位置
を、2個所以外、すなわち1個所、または3個所以上に
しても良い。
【0038】また、固定部材8の材料としてABS樹脂
を使用したが、硬さが同じまたは硬さの異なる他の樹脂
または他の材料を使用することもできる。
【0039】また、固定部材8に長穴8cを設けて固定
位置を調整可能にしたが、長穴8cに代えて、丸穴を固
定部材8に開けても良い。この場合、フレーム6のタッ
プ付き穴6cは、振動板3を含む振動系の振幅とコンプ
ライアンスを適切に変えることができる任意の位置に形
成される。固定部材8は、位置を調整することなく、固
定ネジ9を丸穴を通してフレーム6のタップ付き穴6c
にねじ込み、固定する。
【0040】また、固定部材8は、長穴8cや丸穴等の
固定ネジ9挿入用穴を設けずに、接着剤等の別の固定方
法としても良い。すなわち、エッジ2の振幅とコンプラ
イアンスを適切に変えることができるフレーム6のトラ
ック状取付部6bの任意の位置に接着剤等で固定しても
良い。
【0041】また、固定部材8は、上述の実施の形態で
はエッジ2の表側を押さえているが、さらに、エッジ2
の裏側を押さえるのに適した構造の別の固定部材を用意
して、エッジ2の裏面を押さえ付けても良い。さらに、
この別の固定部材と上述の固定部材8とを両方用いて、
エッジ2の表裏両面を押さえ付けても良い。このように
すると、エッジ2の振幅とコンプライアンスを変える効
果が大きくなることは明白である。
【0042】また、固定部材8の長穴8は、その中央以
外のさまざまな位置に形成したり、、図4に示すよう
に、使用時にエッジ2の長手方向に平行な方向になるよ
うに形成しても良い。これにより、使いたい周波数帯域
によって固有振動を抑えたい周波数が変わることに対処
して、ばたつき音の起こる振動板3の周波数やエッジ2
の場所が違っても、この固定部材8の固定位置をエッジ
2と平行な方向に動かすことにより、さらに多種多様な
状況に対応することができる。また、固定部材8の移動
方向は、図2のように、エッジ2の長手方向に垂直な方
向としたり、図4のように平行な方向としたりする以外
に、45度、135度、225度、315度のように斜
め方向等の他の方向としても良い。
【0043】また、上述の実施の形態では、固定部材8
は、独立した部材としているが、ガスケット5の形状を
部分的に変え、たとえば図5に示すように、固定部材8
の半円状端部8aおよび曲面部8bと同様な形状で内側
に突出する突出部5bを形成し、この突出部5bをエッ
ジ2に当てて変形させても良い。
【0044】また、本発明は、上述の実施の形態では、
ダンパレスのスピーカに適用しているが、ダンパ付きス
ピーカにおけるダンパに固定部材を取り付けても、同様
の効果を得ることができる。
【0045】また、本発明は、上述の実施の形態では多
点駆動型スピーカを使用したが、一点駆動型のスピーカ
にも適用可能であることは当然である。
【0046】たとえば、本発明は、図6に示すように、
出願人が先に提案した(特開平10−327496号参
照)絶縁用および組立ての簡略化のための端子リング1
0と、導電部となる平編錦糸線12が断面波状の伸縮可
能部(ダンパ部)に編み込まれた導電ダンパ11とを使
用した一点駆動型スピーカの場合にも適用可能である。
この場合、振動板(図示しない)を含む振動系を支持す
ると共にその振動系の一部を構成するバネ構成要素とし
ての導電ダンパ11を固定すると共に平編錦糸線12と
端子13に電気的に接続される端子リング10に、上述
の固定部材8の半円状端部8aおよび曲面部8bと同様
な形状で内側に突出する突出部10aを形成する。そし
て、この突出部10aを導電ダンパ11の裏面(または
表面)に当てて変形させることができる。
【0047】このように、端子リング10の突出部10
aは、振動板を含む振動系の特性、すなわち振幅とコン
プライアンスを場所的に部分的に変更する特性変更手段
として作用し、振動板の固有振動に起因する導電ダンパ
11のばたつきを抑えることができる。
【0048】また、本発明を図6の一点駆動型スピーカ
に適用する場合、端子リング10に突出部10aを形成
しない他の方法として、端子リング10に、導電ダンパ
11のばたつきを軽減できる位置に固定穴を開け、この
固定穴に、上述の実施の形態と同様に固定部材8を取り
付けることもできる。
【0049】なお、特性変更手段は、バネ構成要素の振
幅を抑える働きをするものに代えて、振幅を増幅する働
きをしてばたつきを抑えることができる形態のものでも
良い。たとえば、取り外し可能な固定部材を取り外した
り、突出部に代えて凹部を設けるようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】本発明のスピーカによれば、特性変更手
段により、振動板を含む振動系を支持するエッジもしく
はダンパ等のバネ構成要素の特性、すなわち振幅とコン
プライアンスを場所的に部分的に変更することにより、
振動板の固有振動によるばたつき等の問題を解決し、リ
ニアな駆動ができる。
【0051】また、特性変更手段を固定部材で構成し、
この固定部材の固定位置を移動可能とすることで、振動
系の共振周波数をコントロールし、音色を変えることも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスピーカの実施の形態を示し、
(A)は正面図および局部拡大図、(B)は正面図にお
けるA−A線断面図および局部拡大図である。
【図2】図1のスピーカにおける固定部材を示し、
(A)は斜視図、(B)正面図である。
【図3】図1のスピーカにおけるフレームの斜視図であ
る。
【図4】図1のスピーカにおける固定部材の他の構成例
を説明する斜視図である。
【図5】本発明によるスピーカの他の実施例に使用され
るガスケットの斜視図である。
【図6】本発明によるスピーカのさらに他の実施例を説
明する図面であり、(A)は正面図、(B)は正面図に
おけるB−B線断面図および局部拡大図である。
【図7】出願人が先に提案した多点駆動型スピーカを示
し、(A)は正面図、(B)は正面図におけるC−C線
断面図である。
【符号の説明】
1 多点駆動型スピーカ 2 エッジ(バネ構成要素) 2a 貼り代部 3 振動板 4 ボイスコイル 5 ガスケット 5a 切り欠き部 5b 突出部(特性変更手段) 6 フレーム 6a ガイドポール部 6b トラック状取付部 6c タップ付き穴 7 反発磁気回路 8 固定部材(特性変更手段) 9 固定ネジ 10 端子リング 10a 突出部(特性変更手段) 11 導電ダンパ(バネ構成要素)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦横比の異なる細長形状の振動板を含む
    振動系と、この振動系の一部を構成すると共にこの振動
    系を支持するバネ構成要素を有するスピーカであって、
    上記バネ構成要素の特性を場所的に部分的に変更する特
    性変更手段を備えたことを特徴とするスピーカ。
  2. 【請求項2】 前記特性変更手段は、前記バネ構成要素
    に当たってその一部を変形させるように固定される固定
    部材であることを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
  3. 【請求項3】 前記振動板と前記バネ構成要素は一体形
    成され、前記バネ構成要素の外周部はフレームに固定さ
    れ、上記フレームの外周部上にガスケットが固定され、
    上記ガスケットは、前記バネ構成要素に当たってその一
    部を変形させる前記特性変更手段として働く固定部材と
    しての突出部を有することを特徴とする請求項1記載の
    スピーカ。
  4. 【請求項4】 前記バネ構成要素は、断面波状の伸縮可
    能部に、ボイスコイルへ電流を供給するための導電部を
    編みこんで構成される導電ダンパであり、前記特性変更
    手段は、上記導電ダンパの外周に取り付けられる端子リ
    ングに固定され、前記バネ構成要素に当たってその一部
    を変形させる固定部材であることを特徴とする請求項1
    記載のスピーカ。
  5. 【請求項5】 前記バネ構成要素は、断面波状の伸縮可
    能部に、ボイスコイルへ電流を供給するための導電部を
    編みこんで構成される導電ダンパであり、前記特性変更
    手段は、上記導電ダンパの外周に取り付けられる端子リ
    ングに一体形成され、前記バネ構成要素に当たってその
    一部を変形させる固定部材としての突出部であることを
    特徴とする請求項1記載のスピーカ。
  6. 【請求項6】 前記固定部材は、前記振動板における長
    手方向の中心線の中心を短手方向に直角に横切る短手方
    向の中心線上に配置されることを特徴とする請求項2,
    3,4または5記載のスピーカ。
  7. 【請求項7】 前記固定部材は、その固定位置が、移動
    可能に構成されていることを特徴とする請求項2,3,
    4または5記載のスピーカ。
  8. 【請求項8】 前記振動板は、2つの同径の円を共通接
    線にてつないだときの外周線で生じるトラック形状を有
    することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に
    記載のスピーカ。
  9. 【請求項9】 前記振動板は、多数の磁気回路と多数の
    ボイスコイルによって駆動されることを特徴とする請求
    項1から8のいずれか1項に記載のスピーカ。
  10. 【請求項10】 前記バネ構成要素は、前記振動板と一
    体形成されたエッジであることを特徴とする請求項1か
    ら9のいずれか1項に記載のスピーカ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009027665A (ja) * 2007-07-24 2009-02-05 Sony Corp 振動材、音声出力装置
US7657053B2 (en) 2004-10-27 2010-02-02 Sanyo Electric Co., Ltd. Speaker unit

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