JP2000348307A - 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方法

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JP2000348307A
JP2000348307A JP11156751A JP15675199A JP2000348307A JP 2000348307 A JP2000348307 A JP 2000348307A JP 11156751 A JP11156751 A JP 11156751A JP 15675199 A JP15675199 A JP 15675199A JP 2000348307 A JP2000348307 A JP 2000348307A
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Koichi Terunuma
幸一 照沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱効率を高めることができる磁気抵抗効果
素子および薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方法を提
供する。 【解決手段】 磁気抵抗効果素子50は、磁化方向が自
由に変化する磁性層であるフリー層54と、非磁性金属
からなる磁気分離層53と、磁化方向が一方向に固定さ
れた磁性層であるピンド層52と、このピンド層52の
磁化方向を固定する反強磁性体層51を積層した積層体
5を含んでいる。積層体5の媒体対向面Sと反対側の端
面には、媒体対向面Sに対して傾斜したテーパ面5Aが
形成されており、反強磁性体層51の媒体対向面Sから
反対面までの距離がフリー層54の媒体対向面Sからの
反対面までの距離よりも大きくなるよう構成されてい
る。これにより、反強磁性体層51からの十分な放熱量
を確保することができ、磁気抵抗効果素子50の加熱を
抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素
子、それを用いた薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗効果素子(以下、MR(Magneto Resistive )素子と
も記す。)を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合
型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】MR素子としては、異方性磁気抵抗効果
(AMR(Anisotropic Magneto Resistive )効果)を
示す磁性膜を用いたAMR素子と、巨大磁気抵抗効果
(GMR(Giant Magneto Resistive )効果)を示する
磁性膜(GMR膜)を用いたGMR素子などがある。
【0004】AMR素子を用いた再生ヘッドはAMRヘ
ッドあるいは単にMRヘッドと呼ばれ、GMR素子を用
いた再生ヘッドはGMRヘッドと呼ばれる。AMRヘッ
ドは、面記録密度が1ギガビット/(インチ)2 を超え
る再生ヘッドとして利用され、GMRヘッドは、面記録
密度が3ギガビット/(インチ)2 を超える再生ヘッド
として利用されている。
【0005】ところで、GMR膜としては、「多層型
(アンチフェロ型)」、「誘導フェリ型」、「グラニュ
ラ型」、「スピンバルブ型」等が提案されている。これ
らの中で、比較的構成が単純で、弱い磁場でも大きな抵
抗変化を示し、量産に好ましいと考えられるGMR膜
は、スピンバルブ型である。
【0006】図23は、スピンバルブ型GMR膜(以
下、スピンバルブ膜と略す)を用いた複合ヘッド200
の概略構造を表す側断面図である。複合ヘッド200
は、ハードディスクなどの磁気記録媒体に対向して配置
される。複合ヘッド200は、例えばAl2 3 ・Ti
C(アルティック)で形成された基板201を有してお
り、この基板201の上に、例えばAl2 3 (アルミ
ナ)で形成された絶縁層202を介して、磁性材料で形
成された下部シールド層203が積層されている。下部
シールド層203上には、例えばAl2 3 やAlN
(窒化アルミニウム)で形成された下部シールドギャッ
プ層204と上部シールドギャップ層206が積層され
ている。これら下部シールドギャップ層204と上部シ
ールドギャップ層206の間には、積層体205が埋設
されている。なお、この場合、積層体205は、上記の
スピンバルブ型GMR膜である。
【0007】上部シールドギャップ層206の上には、
磁性材料からなる上部シールド層207(兼下部磁極)
が形成されている。上部シールド層207には、例えば
Al2 3 からなる記録ギャップ層208を挟んで、上
部磁極層210が対向配置されている。下部シールド層
207と上部磁極層210との間には絶縁層209に埋
設された状態で、薄膜コイル211が形成されている。
【0008】下部シールド層203、下部シールドギャ
ップ層204、積層体205および上部シールドギャッ
プ層206は、磁気記録媒体の情報を読み出す再生ヘッ
ド部を構成している。また、上部シールド層(兼下部磁
極)207、記録ギャップ層208、絶縁層209、上
部磁極層210および薄膜コイル211は、磁気記録媒
体に情報を書き込む記録ヘッド部を構成している。な
お、図中Sで示す面は、複合ヘッド200が磁気記録媒
体に対向する媒体対向面(エアベアリング面:ABS)
である。
【0009】ここで、図24と図25を用いて、スピン
バルブ膜である積層体205の構造について説明する。
図24は積層体205の媒体対向面Sと平行な断面図
(すなわち、図23におけるXXIV−XXIV断面
図)であり、図25は積層体205の媒体対向面S垂直
な断面図(すなわち、図23の積層体205の拡大図)
である。スピンバルブ膜は、基本的に、例えばPtMn
(白金・マンガン合金)からなる反強磁性層251、例
えばCo(コバルト)からなる磁性層であるピンド層2
52、例えばCu(銅)からなる非磁性金属層253、
例えばNiFe(パーマロイ)からなるフリー層254
の4層を順に積層した多層膜で構成されている。ピンド
層252と反強磁性層251とを積層した状態で、例え
ば摂氏250度で熱処理すると、ピンド層252と反強
磁性層251の界面での交換結合による交換異方性磁場
により、ピンド層252の磁化の方向は例えば図中Yで
示す方向へ固定される。フリー層254は、非磁性金属
層253によって反強磁性層251から隔てられている
ため、その磁化方向は固定されていず、外部磁場によっ
て変化する。
【0010】ところで、このようなスピンバルブ膜を用
いた情報の再生、つまり磁気記録媒体からの信号磁場の
検出は以下のように行われる。まず、ピンド層252、
非磁性金属層253およびフリー層254に、直流定電
流である検出電流(センス電流)が、例えば図中Xで示
す方向に流される。磁気記録媒体からの信号磁場を受け
ると、フリー層254の磁化の方向が変化する。フリー
層254の磁化方向とピンド層252の(固定されてい
る)磁化方向との相対角度によって、電気抵抗が変化
し、これに伴う電圧変化として情報が検出される。
【0011】ここで、一般に、MR素子の媒体対向面S
からその反対面までの距離は、MRハイト(MR―H)
と呼ばれている。スピンバルブ膜を用いたMR素子の場
合、フリー層の媒体対向面Sからその反対面までの距離
が、MRハイトを決定する。図25に示したように、従
来の積層体205では、反強磁性層251、ピンド層2
52、非磁性金属層253およびフリー層254の媒体
対向面からその反対面までの距離はほぼ同じになってい
る。
【0012】また、MR素子の再生トラック幅Twは、
高記録密度化に伴って小さくなりつつある。また、これ
に伴い、MR素子のMRハイトも小さくなる傾向にあ
る。例えば、磁気記録媒体のトラック幅が1μmの場
合、MR素子の再生トラック幅は1μmでMRハイトは
0.6μmである。一方、磁気記録媒体のトラック幅が
0.5μmの場合、MR素子の再生トラック幅は0.5
μmでMRハイトは0.3μmとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、MR素子
では小型化が進んでいるが、この小型化に伴い、MR素
子で発生する熱による次のような問題が発生している。
つまり、MR素子で発生する熱は上下のシールドギャッ
プ層を介して上下のシールド層(図23におけるシール
ド層203,207)に放熱される。しかしながら、M
R素子の再生トラック幅とMRハイトが小さくなると、
MR素子の放熱面積(つまり再生トラック幅とMRハイ
トの積)が大幅に縮小する。このような放熱面積の縮小
に伴うMR素子の発熱は、エレクトロマイグレーション
(導体中を金属原子が移動して局所的なボイドができる
現象)や層間拡散を引き起こす一因となる。その結果、
MR素子の寿命が短くなるという問題がある。
【0014】なお、特開平6−223331号公報およ
び特開平10−222816号公報には、MR素子の周
囲の層(シールド層、絶縁層、基板など)を熱伝導率の
高い材料で構成することにより、MR素子で発生した熱
を効率的に放熱する技術が開示されている。しかしなが
ら、上述したMR素子の小型化に伴ってMR素子の放熱
面積が小さくなると、MR素子の周囲の層の熱伝導率を
高くしたとしても放熱能力の向上はあまり期待できな
い。
【0015】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、放熱能力を高めることができる磁気
抵抗効果素子および薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造
方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気抵抗効果素
子は、磁気分離層と、この磁気分離層の一方の面に形成
され外部磁場により磁化方向が自由に変化する軟磁性層
と、磁気分離層の他方の面に形成された強磁性層と、強
磁性層の前記磁気分離層と接する面とは反対側の面に形
成された反強磁性層を含み、軟磁性層、磁気分離層、強
磁性層および反強磁性層は一端面が外部磁場に対向する
面を形成するよう構成されており、反強磁性層の前記一
端面から反対面までの距離が、少なくとも、軟磁性層の
前記一端面からその反対面までの距離より大きくなるよ
う構成されている。
【0017】本発明の磁気抵抗効果素子では、外部磁場
(例えば記録媒体などからの信号磁場)によるフリー層
の磁化方向の変化に伴って電気抵抗が変化し、この抵抗
変化に伴う電圧変化(読み出し出力)に基づいて磁気情
報が検出される。磁気抵抗効果素子に流れる検出電流
(センス電流)により生ずるジュール熱は、前記一端面
から反対面までの距離がより大きい反強磁性層を通って
放熱される。
【0018】また、本発明の磁気抵抗効果素子では、反
強磁性層の前記一端面からその反対面までの距離と、軟
磁性層の前記一端面からその反対面までの距離との差
が、0.05μm以上1.0μm以下であることが好ま
しい。この距離の差が、0.05μm未満の場合には、
放熱効果の向上は殆ど見られず、1.0μmより大きい
場合には、読み出し出力のプラスとマイナスの非対称性
が大きくなる。
【0019】また、本発明の磁気抵抗効果素子では、軟
磁性層、磁気分離層、強磁性層および反強磁性層の前記
一端面の反対面が、前記一端面に対して傾斜するように
してもよい。このような傾斜を形成すれば、反強磁性層
の前記一端面から反対面までの距離が少なくとも軟磁性
層の前記一端面からその反対面までの距離より大きいと
いう上述の構成を、比較的簡単に得ることができる。
【0020】また、本発明の磁気抵抗効果素子では、軟
磁性層の前記一端面の反対の面が、前記一端面に対して
平行な面であり、磁気分離層、強磁性層および反強磁性
層の前記一端面の反対面が、前記一端面に対して傾斜す
るようにしても良い。軟磁性層の各端面が垂直である方
が、MRハイトをより正確に決めることができる。
【0021】本発明の磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効
果素子を備えた薄膜磁気ヘッドであって、磁気抵抗効果
素子は、磁気分離層と、この磁気分離層の一方の面に形
成され外部磁場により磁化方向が自由に変化する軟磁性
層と、磁気分離層の他方の面に形成された強磁性層と、
強磁性層の磁気分離層と接する面とは反対側の面に形成
された反強磁性層を含んでおり、軟磁性層、磁気分離
層、強磁性層および反強磁性層は一端面が記録媒体に対
向する面を形成し、反強磁性層の前記一端面から反対面
までの距離が、少なくとも、軟磁性層の前記一端面から
その反対面までの距離より大きくなるよう構成されてい
る。
【0022】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁気
抵抗効果素子を挟んで対向するように配置され、磁気抵
抗効果素子を磁気的に遮蔽する2つの磁気シールド層を
備えるようにしても良い。磁気抵抗効果膜で発生したジ
ュール熱は、上記の反強磁性層を通って一方の磁気シー
ルド膜に伝達される。
【0023】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、互い
に磁気的に連結され、かつ、記録媒体に対向する側の一
部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含
み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性層
と、2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを有す
るようにしても良い。コイルに電流を流すことにより磁
極部分に(ギャップ層を横断する方向の)磁場が生じ、
この磁場により磁気記録媒体に情報が書き込まれる。
【0024】本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法は、
基体上に、反強磁性層、強磁性層、磁気分離層および軟
磁性層を含む積層体を形成する工程と、反強磁性層の一
端面から反対面までの距離が少なくとも軟磁性層の(反
強磁性層の前記一端面と同じ側の)一端面からその反対
面までの距離より大きくなるよう、積層体をパターニン
グする工程とを含む。この製造方法によれば、基体側か
ら、反強磁性層、強磁性層、磁気分離層、軟磁性層が、
この順に形成された積層体が得られる。
【0025】本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法で
は、前記一端面から反対面までの距離が(少なくとも軟
磁性層よりも)大きい反強磁性層が形成される。積層体
中を流れる電流によって生じるジュール熱は、この反強
磁性層を通って放熱される。
【0026】本発明の磁気抵抗効果素子の製造方法で
は、パターニング工程において、イオンミリング法を用
いるようにしても良い。また、イオンミリング法におけ
るイオンの入射角度またはレジストマスクの厚さの少な
くとも一方を調節することにより、前記積層体の傾斜面
の傾斜角度を制御しても良い。
【0027】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁
気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドを製造する方法
であって、磁気抵抗効果素子を形成する工程が、基体上
に、反強磁性層、強磁性層、磁気分離層および軟磁性層
を含む積層体を形成する工程と、反強磁性層の前記一端
面から反対面までの距離が少なくとも軟磁性層の(反強
磁性層の前記一端面と同じ側の)一端面からその反対面
までの距離より大きくなるよう、積層体をパターニング
する工程を含むものである。
【0028】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
第1の磁気シールド層を形成する工程と、第1の磁気シ
ールド層の上に第1のシールドギャップ層を形成する工
程と、第1のシールドギャップ層の上に磁気抵抗効果素
子を形成する工程と、磁気抵抗効果素子の上に第2のシ
ールドギャップ層を形成する工程と、第2のシールドギ
ャップ層の上に第2の磁気シールド層を形成する工程と
を含んでもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0030】〔第1の実施の形態〕図1ないし図16を
参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効
果素子としてのMR素子と、それを用いた薄膜磁気ヘッ
ドとしての複合ヘッドについて説明する。
【0031】MR素子と複合ヘッドの構成 図1は、第1の実施の形態の複合ヘッド100の基本構
成を表す断面図である。複合ヘッド100は、ハードデ
ィスクなどの磁気記録媒体に情報を記録する記録ヘッド
部101と、磁気記録媒体の情報を再生する再生ヘッド
部102を一体に構成したものである。複合ヘッド10
0の一方の端面(図1における左端面)は、磁気記録媒
体に対向している媒体対向面(またはエアベアリング
面;ABS)Sであり、本発明における「外部磁場に対
向する面」または「記録媒体に対向する面」の一具体例
に対応している。図1では、磁気記録媒体の移動方向は
矢印Zで表され、磁気記録媒体のトラック幅の方向(す
なわち、複合ヘッドの再生トラック幅の方向)は矢印X
で表されている。また、磁気記録媒体と複合ヘッド10
0が対向する方向は、矢印Yで表されている。
【0032】複合ヘッド100は、例えばAl2 3
TiC(アルティック)よりなる基体1を有している。
この基体1の上には、例えばAl2 3 (アルミナ)よ
りなる膜厚2〜10μmの絶縁層2と、NiFe(パー
マロイ)などの磁性材料よりなる膜厚1〜3μmの下部
シールド層3が積層されている。下部シールド層3の上
には、Al2 3 またはAlN(チッ化アルミニウム)
よりなる膜厚10〜100nmの下部シールドギャップ
層4と上部シールドギャップ層6が形成されている。
【0033】下部シールドギャップ層4と上部シールド
ギャップ層6の間には、スピンバルブ膜である積層体5
を含むMR素子50(図2)が埋設されている。上部シ
ールドギャップ層6上には、Ni−Fe(パーマロイ)
などの磁性材料からなり、再生ヘッド部102と記録ヘ
ッド部101の双方に用いられる膜厚1〜4μmの上部
シールド層兼下部磁極(以下、上部シールド層と記
す。)9が形成されている。
【0034】上部シールド層9上には、例えばAl2
3 などの絶縁膜よりなる膜厚0.1〜0.5μmの記録
ギャップ層10が形成されている。この記録ギャップ層
10の上に、膜厚1.0〜5.0μmのフォトレジスト
層11を介して、記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル
12(膜厚2〜3μm)と、これを覆うフォトレジスト
層13が形成されている。フォトレジスト層13の上に
は、第2層目の薄膜コイル14(膜厚2〜3μm)とこ
れを覆うフォトレジスト層15が形成されている。な
お、本実施の形態では薄膜コイルが2層の例を示した
が、薄膜コイルの総数は1層あるいは3層以上であって
もよい。
【0035】フォトレジスト層11,13,15を覆う
ように、記録ヘッド部用の磁性材料である、例えば高飽
和磁束密度材のNiFe(パーマロイ)またはFeNよ
りなる膜厚約3μmの上部磁極16が形成されている。
なお、図1では図示しないが、上部磁極16は、例えば
Al2 3 よりなる膜厚20〜30μmのオーバーコー
ト層(図9におけるオーバーコート層17)によって覆
われている。
【0036】下部シールド層3、下部シールドギャップ
層4、MR素子50、上部シールドギャップ層6および
上部シールド層9は、磁気記録媒体の情報(つまり磁気
記録媒体からの信号磁場)を検出する再生ヘッド部10
2を構成している。再生ヘッド部102は、磁気記録媒
体からの信号磁場によってMR素子50に発生する電気
抵抗の変化を検出するようになっている。
【0037】また、上部磁気シールド部(兼下部磁極)
9、記録ギャップ層10、コイル12,14および上部
磁極16は、磁気記録媒体に情報を書き込む記録ヘッド
部101を構成している。記録ヘッド部101は、コイ
ル12,14に流れる電流によって上下の磁極16,9
に磁束を生じ、磁極16、9間の記録ギャップ層10近
傍に生ずる磁束によって磁気記録媒体の磁性層を磁化す
るようになっている。
【0038】なお、下部シールド層3は、本発明におけ
る「第1のシールド層」の一具体例に対応する。上部シ
ールド層9は、本発明における「第2のシールド層」の
一具体例に対応する。これら上部シールド層9および下
部シールド層3は、本発明における「2つの磁気シール
ド層」の一具体例にも対応する。シールドギャップ層
4、8は、本発明における「第1のシールドギャップ
層」および「第2のシールドギャップ層」の一具体例に
それぞれ対応する。下部磁極(上部シールド層)9およ
び上部磁極16が本発明における「2つの磁性層」の一
具体例に対応し、下部磁極9、上部磁極16、薄膜コイ
ル12,14および記録ギャップ層10を含む部分が本
発明における「誘導型磁気変換素子」の一具体例に対応
する。
【0039】図2は、積層体5を含むMR素子50を表
す図であり、複合ヘッド100の媒体対向面Sと平行な
断面(図1におけるII−II断面)を表している。本
実施の形態のMR素子50の積層体5は、下部シールド
ギャップ層4の上に、例えばPtMn(白金−マンガ
ン)からなる反強磁性層51、例えばCo(コバルト)
からなる磁性層であるピンド層52、例えばCu(銅)
からなる非磁性金属層53、例えばNiFe(パーマロ
イ)からなるフリー層54を順に積層したものである。
【0040】ピンド層52と反強磁性層51とを積層し
た状態で例えば摂氏250度で熱処理すると、ピンド層
52と反強磁性層51の界面での交換結合により、ピン
ド層52の磁化の方向が固定される。なお、本実施の形
態では、ピンド層52の磁化の方向は図2におけるY方
向へ固定されるものとする。
【0041】積層体5の図2におけるX方向両側には、
フリー層54の磁化方向を揃えてノイズ(いわゆるバル
クハウゼンノイズ)の発生を抑えるためのバイアス印加
膜が設けられている。本実施の形態では、バイアス印加
膜は、バイアス用強磁性層55a,55bと、このバイ
アス用強磁性層55a,55bに積層されたバイアス用
反強磁性層56a,56bの2層で構成されている。バ
イアス用強磁性層55a,55bとバイアス用反強磁性
層56a,56bのそれぞれの界面での交換結合により
フリー層54に対するバイアス磁場が発生するようにな
っている。なお、本実施の形態では、フリー層54には
図2におけるX方向のバイアス磁場が与えられるものと
する。
【0042】ここで、反強磁性層51が本発明における
「反強磁性層」の一具体例に対応し、ピンド層52が本
発明における「強磁性層」の一具体例に対応する。ま
た、非磁性金属層53が本発明における「磁気分離層」
の一具体例に対応し、フリー層54が本発明における
「軟磁性層」の一具体例に対応する。
【0043】図3は、積層体5の図2におけるIII−
III断面図であり、媒体対向面Sに垂直な断面を表し
ている。積層体5の媒体対向面Sにおいて、反強磁性層
51、ピンド層52、非磁性金属層53およびフリー層
54のそれぞれの一端(図3における左端)は、媒体対
向面Sと一致している。一方、積層体5の媒体対向面S
と反対側の端面(図3における右端面)は、媒体対向面
Sに対して傾斜しているテーパ面5Aとなっており、フ
リー層54、非磁性金属層53、ピンド層52、反強磁
性層51の順に媒体対向面Sから反対面までの距離が大
きくなっている。具体的には、反強磁性層51のフリー
層54と反対側(図3における下面)における媒体対向
面Sからその反対面までの距離D1と、フリー層54の
反強磁性層51と反対側(図3における上面)における
媒体対向面Sからその反対面までの距離D2との差(D
1―D2)は、0.05μm〜1μmである。なお、フ
リー層54の媒体対向面Sからその反対面までの距離D
2が、MRハイトに対応している。
【0044】複合ヘッドの製造方法 次に、図4ないし図15を参照して、複合ヘッド100
の製造方法について説明する。なお、図4ないし図9お
よび図12(B)は媒体対向面Sに垂直な断面を表して
いる。また、図10、図11、図12(A)、図13お
よび図14は複合ヘッド部分の媒体対向面に平行な断面
を拡大して表している。また、図15は、複合ヘッド1
00の平面構成を示している。
【0045】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図4に示したように、例えばAl23 ・TiC(アル
ティック)よりなる基体1上に、例えばAl2 3 (ア
ルミナ)よりなる絶縁層2を、約2〜10μmの膜厚で
堆積する。
【0046】次に、絶縁層2上に、磁性材料よりなる再
生ヘッド用の下部シールド層3を、例えばめっき法によ
って1〜3μmの膜厚に形成する。次に、下部シールド
層3の上に、例えばAl2 3 またはAlNを10〜1
00nmの膜厚にスパッタ堆積し、絶縁層としての下部
シールドギャップ層4を形成する。
【0047】次に、下部シールドギャップ層4上に、積
層体5を形成するための積層膜5′を数十nmの膜厚に
形成する。具体的には、図10に拡大して示したよう
に、下部シールドギャップ層4上に、反強磁性層51、
ピンド層52、非磁性金属層53、フリー層54および
保護層58をこの順にスパッタ法で積層形成し、積層膜
5′とする。
【0048】ここで、反強磁性層51は、例えばPtM
n(白金−マンガン)、NiMn(ニッケル−マンガ
ン)等の材料を用いて20nm程度の膜厚に形成する。
ピンド層52は、例えばCo(コバルト)等の材料を用
いて2nm程度の膜厚に形成する。非磁性金属層53
は、例えばCu(銅)等の材料を用いて2.5nmの膜
厚に形成する。フリー層54は、例えばNiFe(パー
マロイ)等の材料を用いて8nmの膜厚に形成する。な
お、図10において、反強磁性層51、ピンド層52、
非磁性金属層53、フリー層54および保護層58の各
膜厚は、他の層の膜厚に比べて誇張して描かれている。
【0049】保護層58は、Ta、Nb、Mo、Zr、
Hf、Cu、Al、Rh、Ru、Pt、RuRhMn、
PtMn、PtMnRhおよびTiWから選ばれた1つ
の材料による単層膜、またはTa/PtMn、Ta/C
u、Ta/Al、Ta/Ru、TiW/Cu、TiW/
RhおよびTiW/Ruから選ばれた1つの2層膜を用
いる(なお、元素間の「/」なる表示は両元素が積層さ
れていることを表している)。
【0050】次に、図5および図11に示したように、
積層膜5′の上の積層体5を形成すべき位置に選択的に
フォトレジストパターン6aを形成する。このとき、フ
ォトレジストパターン6aは、後述するリフトオフを容
易に行うことができるように、例えば断面形状をT型と
する。
【0051】次に、フォトレジストパターン6aをマス
クとして積層膜5′をエッチングして、反強磁性層5
1、ピンド層52、非磁性金属層53およびフリー層5
4からなる積層体5のパターンを形成する。
【0052】より詳細には、図12(A)および(B)
に示したように、フォトレジストパターン6aをマスク
として、積層膜5′を、例えばAr(アルゴン)等を用
いたイオンミリング法により斜め方向からエッチングし
て、媒体対向面Sと反対の側の端面にテーパ面5Aを形
成する。ここでは、イオンの入射角度αまたはフォトレ
ジストパターンtの厚さの少なくとも一方を調節するこ
とで、テーパ角度θを制御する。なお、イオンの入射角
度αは10〜60度の範囲で調節し、フォトレジストパ
ターン6aの厚さtは0.5〜5.0μmの範囲で調節
することが望ましい。例えばイオンの入射角度αを10
度とし、フォトレジストパターン6aの厚さを3μmと
すると、テーパ面5Aのテーパ角度θを15度にするこ
とができる。フォトレジストパターン6aの厚さが厚い
ほど、またイオンの入射角度αが大きいほど、テーパ角
度θは小さくなる。
【0053】次に、図13に示したように、積層体5の
両側に、フリー層54にバイアス磁場を与えるためのバ
イアス用強磁性層55a,55bとバイアス用反強磁性
層56a,56bを積層する。さらに、バイアス用反強
磁性層56a,56bの上に、電極層7a,7bを10
0〜200nm程度の膜厚に形成する。なお、この電極
層7は、例えば、Ta(タンタル)とAu(金)の積層
膜、Ti・W(チタン・タングステン合金)とTaの積
層膜として形成される。
【0054】なお、バイアス用反強磁性層56、および
積層体5の反強磁性層51の材料としては、Pt47〜
52at%、Mn48〜53at%なる組成(最も好ま
しくはPt48at%、Mn52at%)のPtMn、
Pt33〜52at%、Mn45〜57at%、Rh0
〜17at%なる組成(最も好ましくはPt40at
%、Mn51at%、Rh9%)のPtMnRh、Ru
0〜20at%、Rh0〜20at%、Mn75〜85
at%なる組成(最も好ましくはRu3at%、Rh1
5at%、Mn82at%)のRuRhMnの中から選
択することができる。
【0055】次に、リフトオフ処理によって、フォトレ
ジストパターン6aとその上に積層されている堆積物D
(バイアス用強磁性層、バイアス用反強磁性層およびリ
ード導体層の各材料)を除去する。
【0056】次に、図6および図14に示したように、
下部シールドギャップ層4および積層体5を覆うように
して、AlN等の絶縁膜からなる上部シールドギャップ
層8を、10〜100nm程度の膜厚に形成し、積層体
5をシールドギャップ層4,8内に埋設する。
【0057】次に、上部シールドギャップ層8上に、磁
性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用い
られる上部シールド層兼下部磁極(以下、上部シールド
層と記す。)9を、約1〜4μmの膜厚に形成する。
【0058】次に、図7に示したように、上部シールド
層9上に、絶縁膜、例えばAl2 3 膜よりなる記録ギ
ャップ層10を、0.1〜0.5μmの膜厚に形成し、
この記録ギャップ層10上に、スロートハイトを決定す
るフォトレジスト層11を、約1.0〜2.0μmの膜
厚で、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジス
ト層11上に、誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜
コイル12を、2〜3μmの膜厚に形成する。次に、フ
ォトレジスト層11および薄膜コイル12を覆うように
して、フォトレジスト層13を、所定のパターンに形成
する。次に、フォトレジスト層13上に、第2層目の薄
膜コイル14を、2〜3μmの膜厚に形成する。次に、
フォトレジスト層13およびコイル14を覆うようにし
て、フォトレジスト層15を、所定のパターンに形成す
る。ここで、薄膜コイル12,14が本発明における
「薄膜コイル」に対応する。
【0059】次に、図8に示したように、コイル12,
14よりも後方(図8における右側)の位置において、
磁路形成のために、記録ギャップ層10を部分的にエッ
チングして開口部10aを形成する。次に、記録ギャッ
プ層10、開口部10a、フォトレジスト層11,1
3,15を覆うようにして、記録ヘッド用の磁性材料で
ある、例えば高飽和磁束密度材のNiFe(パーマロ
イ)またはFeNよりなる上部磁極16を、約3μmの
膜厚にパターン形成する。この上部磁極16は、コイル
12,14の後方の開口部10aにおいて上部シールド
層(下部磁極)9と接触し、磁気的に連結している。
【0060】次に、図9に示したように、上部磁極16
をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギャッ
プ層10と上部シールド層(下部磁極)9をエッチング
する。次に、上部磁極16上に、例えばAl2 3 より
なるオーバーコート層17を、20〜30μmの膜厚に
形成する。
【0061】次に、ピンド層52の磁場の方向を固定
(ピンニング)するために反強磁性層51とピンド層5
2の界面での交換結合を起こさせる処理と、バイアス磁
場を発生するために、バイアス用反強磁性層56a,5
6bとバイアス用強磁性層55a,55bの各界面での
交換結合を起こさせる処理を行う。
【0062】反強磁性層51とピンド層52の界面での
交換結合が生じうる温度(ブロッキング温度)と、バイア
ス用反強磁性層56a,56bとバイアス用強磁性層5
5a,55bの界面での交換結合が生じうる温度は、互
いに異なっていることが望ましい。前者が後者より高温
の場合、磁界発生装置付きのチャンバ等を利用して、複
合ヘッド100を前者(反強磁性層51とピンド層52
のブロッキング温度)より高い温度に加熱する。そし
て、複合ヘッド100を徐々に冷却し、反強磁性層51
とピンド層52のブロッキング温度に達したところで、
ピンド層52に所定の磁化方向(図2または図3におけ
るY方向)の磁場を与える。これにより、ピンド層52
の磁化方向が固定される。
【0063】そして、複合ヘッド100の温度がバイア
ス用反強磁性層56a,56bとバイアス用強磁性層5
5a,55bのブロッキング温度まで下がったところ
で、バイアス用強磁性層55a,55bに所定の磁化方
向(図2または図3におけるX方向)の磁場を与える。
これによりバイアス用強磁性層55a,55bの磁化方
向が固定される。磁化方向が固定されたバイアス用強磁
性層55a,55bによって、両バイアス用強磁性層5
5a,55bに挟まれた積層体5にバイアス磁界が印加
される。なお、反強磁性層51とピンド層52のブロッ
キング温度が、バイアス用反強磁性層56a,56bと
バイアス用強磁性層55a,55bのブロッキング温度
よりも低い場合には、上述の作業順序が逆になる。
【0064】最後に、スライダの機械加工を行って、記
録ヘッドおよび再生ヘッドの媒体対向面Sを形成して、
複合ヘッド100が完成する。図9に示したように、上
部磁極16、記録ギャップ層10および上部シールド層
(下部磁極)9の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形
成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。この
トリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生す
る磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止する
ことができる。
【0065】図15は、上述のようにして製造された複
合ヘッド100の平面図である。なお、図15では、オ
ーバーコート層17を省略している。なお、図4ないし
図9および図12(B)は、図15におけるA−A′線
断面を表している。また、図10、図11、図12
(A)、図13および図14は、図15におけるB−
B′線断面を表している。
【0066】なお、本実施の形態で反強磁性層51の材
料として用いたPtMnやNiMnは、CuAu−I型
規則結晶構造を有しており、交換結合を生じるには加熱
処理が必要である。これに対し、反強磁性層51として
FeMn(鉄―マンガン)のような不規則結晶構造を持
つ化合物を用いた場合、ピンド層52と反強磁性層51
を接触させるだけでピンド層52の磁化の方向が固定さ
れるので、加熱処理が不要である。同様に、バイアス用
反強磁性層56a、56bとしても、FeMnのような
不規則結晶構造を持つ化合物を使うことができる。
【0067】複合ヘッドの動作 次に、このように構成された複合ヘッド100の動作
(再生動作)について説明する。
【0068】図2および図3において、積層体5のピン
ド層52と反強磁性層51の界面での交換結合による交
換異方性磁場により、ピンド層52の磁化の方向は図中
Y方向へ固定される。また、フリー層54の磁化方向
は、積層体5の両側に配置されたバイアス用強磁性層5
5a,55bの発するバイアス磁界により、トラック幅
方向(図中X方向)に揃えられている。
【0069】ピンド層52、非磁性金属層53およびフ
リー層54には、電極層7a,7bを通じて、直流定電
流である検出電流(センス電流)が図中X方向に流され
る。磁気記録媒体からの信号磁場を受けると、フリー層
54の磁化の方向が変化する。フリー層54の磁化方向
とピンド層52の磁化方向(固定)との相対角度に応じ
て、電気抵抗が変化し、この電気抵抗の変化が電圧変化
として検出される。
【0070】このとき、検出電流が積層体5中を流れる
ことによりジュール熱が発生する。このジュール熱は、
主に電流がピンド層52、非磁性金属層53およびフリ
ー層54を流れることにより発生するものである。この
ジュール熱は、反強磁性層51から、下部シールドギャ
ップ層4と下部シールド層3を通って放熱される。
【0071】本実施の形態では、上述したように、フリ
ー層54、非磁性金属層53、ピンド層52、反強磁性
層51は、この順に媒体対向面Sから反対面までの距離
が大きくなっている。すなわち、反強磁性層51の面積
がフリー層54の面積よりも大きいので、反強磁性層5
1とフリー層54が同面積である場合に比べて、放熱能
力は向上する。
【0072】信号磁場の検出は、フリー層54における
磁化方向の変動に基づいて行われるので、磁気記録媒体
の高密度化に対応するためには、磁気記録媒体のトラッ
ク幅に合わせてMR素子50の再生トラック幅とMRハ
イトを小さくすれば良い。本実施の形態では、フリー層
54の面積よりも反強磁性層51の面積が大きいので、
フリー層54を小さくしても反強磁性層51によって放
熱面積を確保することができる。つまり、高密度記録に
対応しつつ、MR素子の放熱能力を向上させることがで
きる。
【0073】図16は、本実施の形態のMR素子50に
4〜8mAの電流を流し、その時のMR素子50の温度
上昇を測定した結果を表すものである。ここで、図3に
おける反強磁性層51のフリー層54と反対側の端縁
(図3における下面)における媒体対向面Sから反対面
までの距離D1を1μmとし、フリー層54の反強磁性
層51と反対側の端縁(図3における上面)における媒
体対向面Sから反対面までの距離D2を0.5μmとし
た。つまり、反強磁性層51のフリー層54と反対側の
端縁における媒体対向面Sから反対面までの距離D1
と、フリー層54の反強磁性層51と反対側の端縁にお
ける媒体対向面Sから反対面までの距離D2との差(D
1―D2)は0.5μmである。なお、図16には、比
較のため、反強磁性層の媒体対向面Sから反対面までの
距離と、フリー層の媒体対向面Sから反対面までの距離
とが同じ(いずれも0.5μm)であるMR素子の実験
データも示されている。
【0074】図16に示したように、積層体5の端面に
テーパ面5Aを設け、反強磁性層51の媒体対向面Sか
ら反対面までの距離を、フリー層54の媒体対向面Sか
ら反対面までの距離より大きくすることによって、温度
上昇を25%〜30%低くすることができた。
【0075】図17は、反強磁性層51のフリー層54
と反対側の端縁における媒体対向面Sから反対面までの
距離D1と、フリー層54の反強磁性層51と反対側の
端縁における媒体対向面Sから反対面までの距離D2と
の差(D1―D2)と、MR素子の温度上昇との関係を
示す特性図である。この図17において、温度上昇は、
積層体5にテーパが設けられていない場合、すなわち
(D1−D2)がゼロの場合の温度上昇(℃)に対する
相対的な値として表されている。なお、ここでは、積層
体5に6mAの直流定電流を流している。
【0076】また、図17には、複合ヘッド100を磁
気記録媒体と対向させた状態で、磁気記録媒体の磁界
(SとN)を切り替えた際の、MR素子50の読み出し
出力(電圧出力)のプラスの出力とマイナスの出力のア
シンメトリー(非対称性)が示されている。図18に示
されているように、MR素子50の出力波形のプラスの
ピーク値V1、マイナスのピーク値V2(V1、V2は
いずれも絶対値)に対して、アシンメトリーAsym
は、 Asym=(V1−V2)/V1×100 と定義されている。一般に、MR素子では、アシンメト
リーを±10%以内に抑えることが求められている。
【0077】図17に示されているように、上記の距離
の差(D1―D2)が0.05μm未満だと、MR素子
50の放熱効果はほとんど見られない。一方、上記の距
離の差(D1―D2)が1.0μmより大きいと、アシ
ンメトリーが10%を超えてしまう(これは反強磁性層
51のテ─パ部分へ分流した検出電流による磁界の影響
によるものである)。したがって、反強磁性層51のフ
リー層54と反対側の端縁における媒体対向面Sから反
対面までの距離D1と、フリー層54の反強磁性層51
と反対側の端縁における媒体対向面Sから反対面までの
距離D2との差(D1―D2)は、0.05μmから1
μmであることが望ましい。
【0078】このように本実施の形態によれば、MR素
子50の積層体5のフリー層54の媒体対向面Sから反
対面までの距離よりも反強磁性層51の媒体対向面Sか
ら反対面までの距離が大きいので、磁気記録媒体のトラ
ック幅に合わせてMR素子50のMRハイト等を小さく
すると同時に、反強磁性層51の面積を放熱に必要な分
だけ確保することが可能になる。すなわち、磁気記録媒
体の高密度化に対応すると同時に、放熱能力を高めるこ
とができる。
【0079】なお、MR素子50のジュール熱は、積層
体5の再生トラック幅方向中央部で特に多く発生する。
本実施の形態では、反強磁性層51の媒体対向面Sから
反対面までの距離を大きくしているので、反強磁性層5
1の再生トラック幅方向の長さを大きくした場合に比べ
て、積層体5の中央部で発生した熱を効率的に放熱する
ことができる。
【0080】また、本実施の形態では、フリー層54、
非磁性金属層53、ピンド層52および反強磁性層51
を積層した積層体の媒体対向面Sと反対側の端面にテー
パ面5Aを形成したので、比較的簡単な方法(イオンミ
リング法におけるイオンの入射角度を傾ける方法など)
により、反強磁性層51の媒体対抗面Sから反対面まで
の距離を、フリー層54の媒体対抗面Sから反対面まで
の距離よりも大きくすることができる。
【0081】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0082】図19は、第2の実施の形態のMR素子の
積層体の構造を表す断面図である。第2の実施の形態の
MR素子の積層膜105は、第1の実施の形態と同様、
例えばPtMnにより形成された膜厚20nmの反強磁
性層151と、例えばCoにより構成された膜厚2nm
のピンド層152と、例えばCuにより構成された膜厚
2.5nmの非磁性金属層153と、例えばNiFeに
より構成された膜厚8nmのフリー層154、例えばC
uにより構成された保護層158を積層したものであ
る。
【0083】本第2の実施の形態では、フリー層154
の媒体対向面Sと反対側の端面154Aは媒体対向面S
に対してほぼ平行であり、反強磁性層151、ピンド層
152および非磁性金属層153の3層の媒体対向面S
と反対側の端面は、媒体対向面Sに対して傾斜したテー
パ面105Aとなっている。反強磁性層151のフリー
層154と反対側の端縁における媒体対向面Sから反対
面までの距離D1と、フリー層154の媒体対向面Sか
ら反対面までの距離D2との差(D1―D2)は、例え
ば0.05μmから1μmである。なお、第2の実施形
態のMR素子の、積層体105以外の構成は、第1の実
施の形態のMR素子50の構成(図2)と同様である。
【0084】次に、本第2の実施の形態に係るMR素子
の製造方法について説明する。第1の実施形態と同様、
例えばAl2 3 ・TiCよりなる基体1上に、例えば
Al2 3 よりなる絶縁層2、磁性材料よりなる再生ヘ
ッド用の下部シールド層3、例えばAl2 3 またはA
lNよりなる下部シールドギャップ層4を順次積層す
る。そして、下部シールドギャップ層4上に、積層体1
05を形成するための積層膜5′を数十nmの膜厚に形
成する。具体的には、下部シールドギャップ層4上に、
反強磁性層151、ピンド層152、非磁性金属層15
3、フリー層154および保護層158をこの順にスパ
ッタ法で積層形成し、積層膜5′とする。
【0085】次に、図20に示したように、積層膜5′
の上の積層体105を形成すべき位置に選択的にフォト
レジストパターン6aを形成し、フォトレジストパター
ン6aをマスクとして積層膜5′をエッチングする。具
体的には、フォトレジストパターン6aをマスクとし
て、積層膜5′を、例えばAr(アルゴン)等を用いた
イオンミリング法によりエッチングする。
【0086】この積層膜5’のエッチングプロセスは、
次の2つの工程を含んでいる。図20に示したように、
フリー層154と保護層158をエッチングする際に
は、イオンミリング法のイオン入射方向は膜面に対して
垂直(つまり、媒体対向面Sに対して平行)とする。こ
れにより、フリー層154の媒体対向面Sと反対の側の
端面154Aは垂直になる。フリー層154と保護層1
58のエッチングが終わると、イオンの入射方向を傾斜
させ、残りの3層(非磁性金属層153、ピンド層15
2、反強磁性層151)にテーパ面105Aを形成す
る。
【0087】ここでも、第1の実施の形態と同様、イオ
ンの入射角度αは10〜60度の範囲で調節し、フォト
レジストパターン6aの厚さtは0.5〜5.0μmの
範囲で調節することが望ましい。例えばイオンの入射角
度αを10度とし、フォトレジストパターン6aの厚さ
tを3μmとすると、テーパ面105Aのテーパ角度θ
を15度にすることができる。
【0088】このようにすれば、図21に示したよう
に、フリー層154と保護層158の端面にはテーパを
設けず、残りの3層(非磁性金属層153、ピンド層1
52、反強磁性層151)にテーパ面105Aを形成す
ることができる。これ以降の工程は、上記第1の実施の
形態と同様である。つまり、上記第1の実施の形態にお
ける図4〜図9に示したのと同様の工程により複合ヘッ
ドが完成する。
【0089】本第2の実施の形態の複合ヘッドでは、フ
リー層154の面積よりも反強磁性層151の面積(放
熱面積)が大きいので、磁気記録媒体の高密度化に対応
しつつ放熱効率を高めることができるという第1の実施
の形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態
では、フリー層154の一端面とその反対面が平行であ
るため、MRハイトをより正確に決めることができる。
【0090】また、イオンミリング法による積層体のエ
ッチング工程において、フリー層154の加工時と残り
の3層の加工時でイオンの入射方向を変えることによっ
て、フリー層154の端面だけを垂直にして残りの3層
の端面にテーパ105Aを形成することができる。
【0091】以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発
明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定さ
れず、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施の
形態では、MR素子の積層体の媒体対向面に対する反対
面をテーパ面としたが、図22に示すように積層体30
5の各層(反強磁性層351、ピンド層352、非磁性
金属層353、フリー層354)の媒体対抗面から反対
面までの距離を変えて、階段状に構成しても良い。その
ためには、例えば,各層をそれぞれ、その端面が基体に
対して垂直になるようにエッチングすれば良い。
【0092】また、バイアス磁界印加膜としては、バイ
アス用強磁性膜55a,55bとバイアス用反強磁性膜
56a,56b(図2)の代わりに、硬磁性膜(Hard M
agnet)を用いても良い。また、フリ─層やピンド層
は、それぞれ複数の層を積層した積層膜であっても良
い。
【0093】また、上記各実施の形態では、本発明の磁
気抵抗効果素子を複合型薄膜磁気ヘッドに用いる場合に
ついて説明したが、再生専用の薄膜磁気ヘッドに用いる
ことも可能である。さらに、積層体は、基体側からフリ
─層、非磁性金属層、ピンド層、反強磁性層という順で
積層しても良い。また、記録ヘッドと再生ヘッドの積層
順序を逆にしても良い。
【0094】また、上記各実施の形態では、磁気分離層
を非磁性金属層(例えばCu)としたが、非磁性金属層
の変わりに絶縁層を用いてもよい。この場合には、上記
各実施の形態をトンネル接合型磁気抵抗効果膜(TMR
膜)を用いた素子などに適用することができる。
【0095】さらに、本発明の磁気抵抗効果素子は、上
記各実施の形態で取り上げた薄膜磁気ヘッドのほかに、
例えば、磁気信号を検知するセンサや、磁気信号を記憶
するメモリ等に適用することも可能である。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし5
のいずれか1に記載の磁気抵抗効果素子、請求項6ない
し11のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッド、請求項1
2ないし16のいずれか1に記載の磁気抵抗効果素子の
製造方法、または請求項17ないし19のいずれか1に
記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、反強磁性層
の(外部磁界に対向する)一端面から反対面までの距離
が、軟磁性層の(外部磁界に対向する)一端面から反対
面までの距離よりも大きいので、反強磁性層の面積が軟
磁性層の面積よりも大きくなり、放熱能力が向上すると
いう効果を奏する。さらに、軟磁性層を小さくしても反
強磁性層によって放熱面積を確保することができるの
で、高密度記録に対応しつつ、磁気抵抗効果素子の放熱
能力を向上させることができる。
【0097】特に、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子
および請求項7に記載の薄膜磁気ヘッドによれば、反強
磁性層の(外部磁界に対向する)一端面から反対面まで
の距離と、軟磁性層の(外部磁界に対向する)一端面か
ら反対面までの距離との差を0.05μm以上1.0μ
m以下に設定したので、確実に放熱効果を得ることがで
きると同時に、読み出し出力のプラスとマイナスの対称
性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの媒体対向面と垂直な断面を表す図である。
【図2】図1の薄膜磁気ヘッドのMR素子の媒体対向面
と平行な断面を表す図である。
【図3】図2のMR素子の積層体の媒体対向面に垂直な
断面を表す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
であって、媒体対向面に平行な断面の拡大図である。
【図11】図10に続く工程を説明するための拡大断面
図である。
【図12】図11に続く工程を説明するための拡大断面
図である。
【図13】図12に続く工程を説明するための拡大断面
図である。
【図14】図13に続く工程を説明するための拡大断面
図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における放熱効果
の実験結果を表す特性図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における放熱効果
とアシンメトリーの実験結果を表す特性図である。
【図18】アシンメトリーの概念を表す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの積層体の媒体対向面と垂直な断面を表す図であ
る。
【図20】図19の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一工程
を説明するための拡大断面図である。
【図21】図20に続く工程を説明するための拡大断面
図である。
【図22】複合ヘッドの他の積層方法の例を表す図であ
る。
【図23】従来の薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す図で
ある。
【図24】図23の薄膜磁気ヘッドのMR素子の積層体
の断面構成を表す図である。
【図25】図23の薄膜磁気ヘッドのMR素子の積層体
の断面構成を表す図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4…下部
シールドギャップ層、5…積層体、5′…積層膜、50
…MR素子、51…反強磁性層、52…ピンド層(強磁
性層)、53…非磁性金属層(磁気分離層)、54…フ
リー層(軟磁性層)、55a,55b…バイアス用強磁
性層、56a,56b…バイアス用反強磁性層、58…
保護層、6a,6b…フォトレジストパターン、7…第
1の電極層、8…上部シールドギャップ層、9…上部シ
ールド層兼下部磁極、10…記録ギャップ層、11,1
3,15…フォトレジスト層、16…上部磁極、17…
オーバーコート層、18…第2の電極層。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気分離層と、 この磁気分離層の一方の面に形成され、外部磁場により
    磁化方向が自由に変化する軟磁性層と、 前記磁気分離層の他方の面に形成された強磁性層と、 前記強磁性層の前記磁気分離層と接する面とは反対側の
    面に形成された反強磁性層を含み、 前記軟磁性層、前記磁気分離層、前記強磁性層および前
    記反強磁性層は、それらの一端面が、外部磁場に対向す
    る面を形成するよう構成されており、 前記反強磁性層の前記一端面からその反対面までの距離
    が、少なくとも、前記軟磁性層の前記一端面からその反
    対面までの距離より大きいことを特徴とする磁気抵抗効
    果素子。
  2. 【請求項2】 前記反強磁性層の前記一端面からその反
    対面までの距離と、前記軟磁性層の前記一端面からその
    反対面までの距離との差が、0.05μm以上1.0μ
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗
    効果素子。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性層、前記磁気分離層、前記強
    磁性層および前記反強磁性層の前記一端面の反対面は、
    前記一端面に対して傾斜していることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記軟磁性層の前記一端面の反対面は、
    前記一端面に対して平行であり、 前記磁気分離層、前記強磁性層および前記反強磁性層の
    前記一端面の反対面は、前記一端面に対して傾斜してい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁
    気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 前記軟磁性層の、前記磁気分離層と接す
    る面とは反対側の面に、保護層が形成されていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載
    の磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】 記録媒体に対向して配置された磁気抵抗
    効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドであって、 前記磁気抵抗効果素子は、 磁気分離層と、 この磁気分離層の一方の面に形成され、外部磁場により
    磁化方向が自由に変化する軟磁性層と、 前記磁気分離層の他方の面に形成された強磁性層と、 前記強磁性層の前記磁気分離層と接する面とは反対側の
    面に形成された反強磁性層を含んでおり、 前記軟磁性層、前記磁気分離層、前記強磁性層および前
    記反強磁性層は、それらの一端面が、前記記録媒体に対
    向する面を形成するよう構成されており、 前記反強磁性層の前記一端面からその反対面までの距離
    が、少なくとも、前記軟磁性層の前記一端面からその反
    対面までの距離より大きいことを特徴とする薄膜磁気ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 前記反強磁性層の前記一端面からその反
    対面までの距離と、前記軟磁性層の前記一端面からその
    反対面までの距離との差が、0.05μm以上1.0μ
    m以下であることを特徴とする請求項6記載の薄膜磁気
    ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記軟磁性層、前記磁気分離層、前記強
    磁性層および前記反強磁性層の前記一端面の反対面は、
    前記一端面に対して傾斜していることを特徴とする請求
    項6または請求項7に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記軟磁性層の前記一端面の反対面は、
    前記一端面に対して平行であり、 前記磁気分離層、前記強磁性層および前記反強磁性層の
    前記一端面の反対面は、前記一端面に対して傾斜してい
    ることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 さらに、 前記磁気抵抗効果素子を挟んで対向するように配置さ
    れ、前記磁気抵抗効果素子を磁気的に遮蔽する2つの磁
    気シールド層を備えたことを特徴とする請求項6ないし
    請求項9のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 さらに、 互いに磁気的に連結され、かつ、記録媒体に対向する側
    の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を
    含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性
    層と、 前記2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを有す
    る誘導型磁気変換素子を備えたことを特徴とする請求項
    6ないし請求項10のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】 基体上に、反強磁性層、強磁性層、磁
    気分離層および軟磁性層を含む積層体を形成する工程
    と、 前記反強磁性層の一端面から反対面までの距離が、少な
    くとも、前記軟磁性層の、前記一端面と同じ側の端面か
    らその反対面までの距離より大きくなるよう、前記積層
    体をパターニングする工程とを含むことを特徴とする磁
    気抵抗効果素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記パターニング工程において、前記
    積層体の一端面に対して、その反対面が傾斜するように
    パターニングを行うことを特徴とする請求項12記載の
    磁気抵抗効果素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記パターニング工程において、イオ
    ンミリング法を用いることを特徴とする請求項13記載
    の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記イオンミリング法において、イオ
    ンの入射角度またはレジストマスクの厚さの少なくとも
    一方を調節することにより、前記積層体の傾斜面の傾斜
    角度を制御することを特徴とする請求項14記載の磁気
    抵抗効果素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記パターニング工程において、前記
    軟磁性層のイオンミリング時のイオンの入射角度は、前
    記積層体の表面に対して直角であり、 前記磁気分離層、前記強磁性層および前記反強磁性層の
    イオンミリング時のイオンの入射角度は前記積層体の表
    面に対して傾斜していることを特徴とする請求項15記
    載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘ
    ッドを製造する方法であって、 前記磁気抵抗効果素子を形成する工程が、 基体上に、反強磁性層、強磁性層、磁気分離層および軟
    磁性層を積層する工程と、 前記反強磁性層の前記一端面からその反対面までの距離
    が、少なくとも、前記軟磁性層の、前記一端面と同じ側
    の端面からその反対面までの距離より大きくなるよう、
    前記積層体をパターニングする工程とを含むことを特徴
    とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 さらに、 第1の磁気シールド層を形成する工程と、 前記第1の磁気シールド層の上に第1のシールドギャッ
    プ層を形成する工程と、 第1のシールドギャップ層の上に磁気抵抗効果素子を形
    成する工程と、 前記磁気抵抗効果素子の上に第2のシールドギャップ層
    を形成する工程と、 前記第2のシールドギャップ層の上に第2の磁気シール
    ド層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1
    7記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 さらに、 互いに磁気的に連結され、かつ、記録媒体に対向する側
    の一部がギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を
    含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる2つの磁性
    層を形成する工程と、 これらの2つの磁性層の間に配設された薄膜コイルとを
    有する誘導型磁気変換素子を形成する工程とを含むこと
    を特徴とする請求項17または請求項18に記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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SG119210A1 (en) * 2003-01-31 2006-02-28 Toshiba Kk Disk drive and magnetic head for perpendicular magnetic recording
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US11613100B2 (en) * 2020-05-18 2023-03-28 Tdk Corporation Noise suppression sheet

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