JP2000346497A - 冷凍サイクル装置用開閉弁および該開閉弁を備えた冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置用開閉弁および該開閉弁を備えた冷凍サイクル装置

Info

Publication number
JP2000346497A
JP2000346497A JP11162241A JP16224199A JP2000346497A JP 2000346497 A JP2000346497 A JP 2000346497A JP 11162241 A JP11162241 A JP 11162241A JP 16224199 A JP16224199 A JP 16224199A JP 2000346497 A JP2000346497 A JP 2000346497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
refrigeration cycle
valve body
cycle apparatus
cycle device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11162241A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Yamatani
貴宏 山谷
Shiro Takatani
士郎 高谷
Yasuyori Hirai
康順 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP11162241A priority Critical patent/JP2000346497A/ja
Publication of JP2000346497A publication Critical patent/JP2000346497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lift Valve (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧力差でも確実に動作するとともに、加工
やクリアランスの精度管理が容易で製造コストが低く、
しかも、冷媒回路中においても安定して動作する信頼性
の高い冷凍サイクル装置用開閉弁と該開閉弁を用いた高
性能な冷凍装置を得る。 【解決手段】 流入口1と流出口2とを連通する流路が
内部に形成された開閉弁本体4と、開閉弁本体4内に形
成された弁室6内に往復動可能に収納され開閉弁本体4
内の該流路中に設けられた弁座3の開口部を開閉する弁
体5aと、弁室6と流出口2とを連通するパイロット流
路8とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁10におい
て、弁体5aを耐熱性に優れ、吸水性の小さい合成樹脂
の単体もしくは混合物を主成分とする樹脂材料で形成し
た。また、冷媒としてハイドロフルオロカーボンを、冷
凍機油としてエステル油またはエーテル油を使用した冷
凍装置において、該開閉弁10を適用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍サイクル装
置等において用いられる逆止弁や四方弁等の開閉弁およ
び該開閉弁を用いた冷凍サイクル装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図4には、冷凍サイクル装置等において
従来使用されている開閉弁の一例を示す。図に示すよう
に、この開閉弁30は、冷媒等の流体(以下の説明で
は、冷媒を想定して記載)が流入する流入口1と冷媒が
流出する流出口2を有するとともに内部に流入口1から
流出口2に至る冷媒流路が形成された筒状の開閉弁本体
4と、この開閉弁本体4内の弁室6内に往復動可能に収
納された弁体5cと、この弁体5cを弁室6内に封入す
るための蓋体7とから構成され、開閉弁本体4内の冷媒
流路の途中に形成された弁座3の開口部を弁体5cの一
端で開閉することにより、流入口1から流出口2へ流れ
る冷媒の流れを制御するよう構成されている。また、弁
体5cの上部と蓋体7との間の弁室6は、パイロット流
路8により流出口2と連通されている。
【0003】次に、図4に示した従来の開閉弁30の動
作について説明する。図4において、流入口1から開閉
弁本体4内に冷媒や冷凍機油が流入すると、この冷媒や
冷凍機油の圧力により、弁体5cの上下、すなわち、流
入口1の圧力P1と弁室6の上部の圧力P2との間に圧力
差が生じ、この圧力差により弁体5cには弁体5cを浮
上させる方向の力が働く。こうして、弁体5cを浮上さ
せる力が弁体5cの重量より大きくなると、弁体5cが
浮上して弁座3の開口部が開き、流入口1から流入した
冷媒や冷凍機油が開口部を通って流出口2へ流出する。
このとき、弁体5cの浮上にともなって弁室6の上部の
圧力P2が上昇するが、弁室6は圧力損失の小さいパイ
ロット流路8で流出口2とバイパスされているため、弁
室6内の冷媒等がパイロット流路8を介して流出口2に
流出することにより、弁室6の上部の圧力P2と流出口
2の圧力P3がほぼ等しく保たれる。こうして、弁体5
cは、流入口1の圧力P1と弁室6の上部の圧力P2の圧
力差によってさらに上昇し、弁室6の最上部まで浮上し
て、流入口1から流出口2に至る冷媒の流路が大きく確
保される。
【0004】一方、流出口2から開閉弁本体4に向かっ
て逆方向から冷媒等が流れ込んだ場合には、この冷媒等
の圧力によって弁室6の上部の圧力P2が流入口1の圧
力P1より大きくなるため、弁体5cには下降方向の力
が働き、弁体5cが弁座3に着座することにより、弁座
6の開口部を閉鎖して冷媒や冷凍機油が流出口2から流
入口1に逆流することが防止される。
【0005】なお、上記の動作原理から明らかなよう
に、この弁体5cの浮上力の源となるP1とP2の圧力差
は、弁体5cの外周と弁室6を構成する開閉弁本体4の
内壁とのクリアランスによって大きく影響される。すな
わち、このクリアランスが大きすぎると弁室6と流入口
1間で冷媒が漏れ、P1とP2の圧力差が小さくなって、
弁体5cが十分に浮上せず、開閉弁30の動作が不確実
になる。従って、このような構成を有する開閉弁30の
製造工程においては、この弁体5cの外周と弁室6の内
壁とのクリアランスを精度良く管理する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
4に示した従来の開閉弁30では、弁体5cの材質とし
てステンレス等の硬質の金属材料を使用していたため、
以下のような問題点があった。すなわち、この開閉弁3
0では、流入口1の流体の圧力P1と弁室6の上部の圧
力P2との圧力差で弁体5cを浮上させるよう構成して
いるため、開閉弁30の開時に冷媒流路を大きく確保す
るためには、弁体5cの重量に抗して弁体5cを浮上さ
せる十分な圧力差が必要であるが、弁体5cを金属で形
成したこの従来例では、弁体5cの重量が重いため、流
入口1の流体の圧力P1が小さい場合には弁体5cが十
分浮上せず、流入口1から流出口2への流路を大きく確
保することができず、開閉弁30を通過する冷媒等の流
量が減少して、冷凍サイクル装置の性能が低下するとい
う問題点があった。
【0007】また、金属製の弁体5cを確実に浮上させ
るためには、浮上力となる流入口1の流体の圧力P1
弁室6の上部の圧力P2の圧力差を大きくする必要があ
るが、このためには、弁体5cと弁室6とのクリアラン
スをより小さくして、冷媒等が弁体5cと弁室6のすき
まを通って流入口1から弁室6の上部に漏れる際の圧力
損失を大きく設定する必要があり、弁体5cの外径と弁
室6の内径について一層精密な寸法管理(例えば、開閉
弁本体4および弁体5cがステンレスの場合、弁体5a
の外径が10〜15mmに対してクリアランスは数十ミ
クロン程度)が要求され、製造コストが高くなるといっ
た問題点があった。さらに、弁体5cと弁室6の内壁と
のクリアランスを小さくした場合、弁体5cと弁室6の
すきまに冷媒回路中を流動する固形異物が挟まりやすく
なり、弁体5cが弁室6に固着して開閉弁30が開閉し
なくなる恐れもあった。
【0008】この発明は、従来の冷凍サイクル装置用開
閉弁の上記のような問題点を解消するためになされたも
ので、この発明の第1の目的は、圧力差が小さい場合で
も確実に開閉動作が可能な信頼性の高い冷凍サイクル装
置用開閉弁を得るとともに、クリアランスの精度管理や
加工が容易で、製造コストの低減が可能な冷凍サイクル
装置用開閉弁を提供することを目的とする。
【0009】また、この発明の第2の目的は、冷媒や冷
凍機油に対する安定性に優れ、また、冷凍サイクル装置
の高温域においても使用可能な冷凍サイクル装置用開閉
弁を提供することを目的とする。
【0010】また、この発明の第3の目的は、冷媒回路
中に設置された冷凍サイクル装置用開閉弁の信頼性が高
く、性能の安定性に優れた冷凍サイクル装置を得ること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この第1の発明に係る冷凍サイクル装置用開閉弁
は、流体を流入させる流入口と流体を流出させる流出口
を有するとともに、前記流入口と前記流出口を連通する
流路を内部に形成した開閉弁本体と、前記開閉弁本体内
に形成された弁室内に往復動可能に収納され、前記開閉
弁本体内の流路中に設けられた弁座の開口部を開閉する
弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通するパイロット
流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁において、前
記弁体を、ポリフェニレンスルフィド単体もしくは、塩
素化ポリエーテル、エポキシ樹脂、液晶性樹脂、芳香族
ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリ
アリルスルホン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホ
ン、ポリチオエーテルスルホン、ポリイミド、ポリケト
ン、または、ポリスルホンのうちの少なくともひとつの
合成樹脂を含むポリフェニレンスルフィドとの混合物を
主成分とする樹脂材料で形成したものである。
【0012】また、この第2の発明に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁は、流体を流入させる流入口と流体を流出
させる流出口を有するとともに、前記流入口と前記流出
口を連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前記
開閉弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納さ
れ、前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開口
部を開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通す
るパイロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁
において、前記弁体を、塩素化ポリエーテル、エポキシ
樹脂、液晶性樹脂、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリベンゾ
イミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリ
ル、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホ
ン、ポリイミド、ポリケトン、または、ポリスルホンの
単体もしくは2種類以上の混合物を主成分とする樹脂材
料で形成したものである。
【0013】また、この第3の発明に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁は、流体を流入させる流入口と流体を流出
させる流出口を有するとともに、前記流入口と前記流出
口を連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前記
開閉弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納さ
れ、前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開口
部を開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通す
るパイロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁
において、前記弁体の前記弁室内壁と摺動する胴部を金
属材料で形成するとともに、前記弁体の前記弁座との接
触部位を、ポリフェニレンスルフィド、塩素化ポリエー
テル、エポキシ樹脂、液晶性樹脂、芳香族ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリルスルホ
ン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリチオエ
ーテルスルホン、ポリイミド、ポリケトン、または、ポ
リスルホンの単体もしくは混合物を主成分とする樹脂材
料で形成したものである。
【0014】また、この第4の発明に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁は、第1ないし第3のいずれかの発明にお
いて、前記弁体の前記弁座との接触部の表面粗度(Rm
ax)を3μm以下としたものである。
【0015】さらに、この第5の発明に係る冷凍サイク
ル装置用開閉弁は、第1ないし第3のいずれかの発明に
おいて、前記弁体を形成する樹脂材料として、粒径2μ
m以下の粉粒状の充填材を含む樹脂材料を用いたもので
ある。
【0016】また、この第6の発明に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁は、第1ないし第3のいずれかの発明にお
いて、前記弁体を形成する樹脂材料として、2μm以下
の直径を有する繊維状の充填材を含む樹脂材料を用いた
ものである。
【0017】また、この第7の発明に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁は、第1ないし第3のいずれかの発明にお
いて、前記弁体を形成する樹脂材料として、モース硬度
4以下の充填材を含む樹脂材料を用いたものである。
【0018】また、この第8の発明に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁は、第5ないし第7のいずれかの発明にお
いて、前記充填材の充填量を10〜70重量%としたも
のである。
【0019】さらに、この第9の発明に係る冷凍サイク
ル装置は、冷媒としてハイドロフルオロカーボンを、ま
た、冷凍機油としてエステル油またはエーテル油を含む
冷凍機油を使用する冷凍サイクル装置において、上記第
1ないし第8のいずれかの発明の冷凍サイクル装置用開
閉弁を冷媒回路中に備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1による冷凍サイクル装置用開閉弁10の
構成を示す断面図であり、弁体5aが樹脂材料で構成さ
れている点以外の基本的な構成は、図4に示した従来の
開閉弁30と全く同様である。図において、開閉弁10
は、冷媒が流入する流入口1と冷媒が流出する流出口2
を有するとともに内部に流入口1から流出口2に至る冷
媒流路が形成された筒状の開閉弁本体4と、この開閉弁
本体4内の弁室6内に往復動可能に収納された円筒状の
合成樹脂からなる弁体5aと、この弁体5aを弁室6内
に封入するための蓋体7とから構成され、開閉弁本体4
内の冷媒流路の途中に形成された弁座3の開口部を弁体
5aの一端で開閉することにより、流入口1から流出口
2へ流れる冷媒の流れを制御するよう構成されている。
また、弁体5aの上部と蓋体7との間の弁室6は、パイ
ロット流路8により流出口2と連通されている。なお、
この実施の形態1に基いた具体的な開閉弁10の構成や
仕様については、下記の実施例の項で詳しく説明する。
【0021】次に、この実施の形態1の動作について説
明する。動作原理についても図4に示した従来の開閉弁
と全く同様であり、流入口1から冷媒や冷凍機油が開閉
弁本体4内に流入すると、流入口1における冷媒や冷凍
機油の圧力P1と弁室6上部の圧力P2との間に圧力差が
生じ、この圧力差により弁体5aに、弁体5aを浮上さ
せる方向の力が働き、弁体5aを浮上させる力が弁体5
aの重量より大きくなると、弁体5aが浮上して弁座3
の開口部が開き、流入口1から流入した冷媒や冷凍機油
が流出口2へ流出する。なお、上記したように、この実
施の形態1では、弁体5aが軽量の樹脂材料で形成され
ているため、弁体5aが低圧力差でも動作し、開閉弁1
0の信頼性が向上するとともに、弁体5aと弁室6との
クリアランスを拡大することが可能である。
【0022】また、流出口2から開閉弁本体4に向かっ
て逆方向から冷媒等が流れ込む場合は、弁室6の上部の
圧力P2が流入口1の圧力P1より大きくなるため、弁体
5aに下降方向の力が働き、弁体5aが弁座3に着座
し、開口部を閉鎖することにより、冷媒や冷凍機油が流
出口2から流入口1に逆流することを防止する。
【0023】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、弁体5aとして軽量の樹脂材料(密度:2g/cm
3以下)を用いたため、従来のステンレス鋼等の金属材
料(密度:約8g/cm3)を用いた場合に比べて流入
口1の圧力P1と弁室6の上部の圧力P2との圧力差が小
さくても、弁体5aがより確実に上方に移動でき、開閉
弁10が確実に動作するとともに、その応答性も高く、
信頼性の高い開閉弁10を得ることができる。また、低
圧力差においても弁体5aを弁室6の最上部まで浮上さ
せることが可能となり、流入口1から流出口2に至る流
路を大きく確保できるため、開閉弁10を通過する冷媒
等の流量を十分に確保することができ、この開閉弁10
を冷凍サイクル装置に適用した場合には、開閉弁10の
リフト不足による性能劣化のない信頼性の高い冷凍サイ
クル装置が得られる効果がある。
【0024】また、弁体5aを軽量の樹脂材料で構成し
たことにより、弁体5aを弁室6の最上部まで浮上させ
るのに必要な圧力差(P2−P1)を従来の開閉弁30に
比べて小さくすることができ、この結果、弁体5aの外
径と弁室6の内径のクリアランスを拡大しても、弁体5
aを弁室6の最上部まで浮上させることができ、上記し
たように従来の金属材料を用いた場合に比べて弁体5a
の外径寸法と弁室6の内径寸法の許容公差が拡大され、
クリアランスの精度管理が簡単になって、製造コストを
削減できる効果がある。また、弁体5aと弁室6のクリ
アランスを拡大することにより、この開閉弁を冷凍サイ
クル装置に適用した場合には、冷媒回路等を流動する固
形異物が弁体5aと弁室6の隙間に挟まって作動不良を
生じるといった現象を防止でき、信頼性に優れた開閉弁
および冷凍サイクル装置を得ることができる。
【0025】さらに、弁体5aとして金属材料に比べて
軽量で振動の減衰特性に優れた合成樹脂を用いたため、
開弁時および閉弁時に生じる弁体5aと弁座3および蓋
体7との衝撃音が小さくなり、開閉弁10の開閉動作に
伴う騒音が減少するとともに、合成樹脂はステンレス鋼
等と比較して適度な剛性を有しているため、弁体5aと
弁座3の間に冷媒回路を流動する固形異物が挟まった状
態で開閉を繰返し、弁体5aのシール面に傷がついた場
合でも、閉弁時には、弁体5aのシール面に印加される
圧力によりシール面が適度に変形し、弁座3になじむた
め、弁体5aと弁座3の隙間から冷媒や冷凍機油が漏れ
て、流出口2から流入口1へ逆流する現象(弁漏れ)を
防止でき、閉弁時に、確実に逆流を防止できる信頼性の
高い開閉弁を得ることができる。
【0026】実施の形態2.次に、この発明の実施の形
態2の開閉弁について説明する。図2は、この実施の形
態2による開閉弁20の断面図であり、実施の形態1の
開閉弁10との相違点は、実施の形態1では、弁体5a
の全体が樹脂材料で構成されているのに対して、この実
施の形態2では、弁体5bの弁室6の内壁と摺動する外
周部が金属材料で形成され、弁体5bの弁座3との接触
部位のみが樹脂材料で形成されている点にある。
【0027】図2に示すように、この実施の形態2の弁
体5bは、弁座3と接触する弁体下部11と弁室6の内
壁と摺動する外周部を有する胴部12が圧入された固定
ピン13によって結合されており、弁体下部11が上記
実施の形態1と同様の樹脂材料で形成されているのに対
して、胴部12はステンレスから形成されている。な
お、弁体下部11と胴部12の接続方法としては、上記
の固定ピン13の他、接着剤による接着などを用いても
よい。また、上記した実施の形態1と同一または相当部
分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0028】こうして、この実施の形態2によれば、弁
座3と接触する弁体5bの弁体下部11を樹脂材料で構
成したため、上記実施の形態1と同様に、開弁時および
閉弁時に生じる弁体5bと弁座3との衝撃音が小さくな
り、開閉弁20の開閉動作に伴う騒音が減少するととも
に、樹脂材料がステンレス鋼等と比較して適度な剛性を
有しているため、弁体5bと弁座3の間に冷媒回路を流
動する固形異物が挟まった状態で開閉を繰返し、弁体5
bのシール面に傷がついた場合でも、閉弁時には、弁体
5bのシール面に印加される圧力によりシール面が適度
に変形して、弁座3になじむため、弁体5bと弁座3の
隙間から冷媒や冷凍機油が漏れて、流出口2から流入口
1へ逆流する現象(弁漏れ)を防止でき、閉弁時に、確
実に逆流を防止できる信頼性の高い開閉弁を得ることが
できる。
【0029】以下では、上記した実施の形態1の構成に
基いて、実際に開閉弁10を試作し、開閉弁10の性能
に与える弁体5aの材質や加工精度の影響および冷凍サ
イクル装置への適用の可否について検討した結果を説明
する。なお、試験に用いた開閉弁10は、以下の実施例
1、2および比較例1、2の4種類である。
【0030】
【実施例】実施例1.実施例1では、弁体5aの材質と
して、吸水率が小さく、耐熱性が高く、しかも、金属材
料に比べて軽量(低密度)であるポリフェニレンスルフ
ィドを主成分とし、弁体5aの強度や耐熱性をさらに向
上させるため、これに繊維状(直径0.1〜2.0μ
m)の充填材であるチタン酸カリウムウィスカを40w
t%(wt%は、全重量中の充填材の重量パーセントを
表す)添加したものを用いている。さらに、弁体5aと
弁座3とのシール性を確保するため、上記の合成樹脂材
料を所定の形状に射出成形した後、仕上げ加工として、
図3に示した弁座3との接触面となる円錐型のシール部
を真円度3μm以下、表面粗度Rmaxを2.1μmに
仕上げ切削している。なお、開閉弁本体4の材質は黄銅
であり、弁室6の内径と弁体5aの外径のクリアランス
は、弁体5aを軽量の樹脂で構成したため従来例に比べ
て、100〜200μmの範囲と大きく設定している。
【0031】実施例2.また、実施例2では、弁体5a
の材質として、ポリフェニレンスルフィドを主成分と
し、これに直径2μm程度のガラスビーズを50wt%
添加したものを用い、さらに、弁座3との接触面となる
シール部の真円度を3μm以下、表面粗度Rmaxを
2.5μmに仕上げ切削したものを用いている。なお、
この実施例2においても、開閉弁本体4の材質は黄銅で
あり、弁室6の内径と弁体5aの外径のクリアランスは
100〜200μmである。
【0032】比較例1.比較例1では、接触面となるシ
ール部の表面粗度Rmaxの影響を見るために、弁体5
aの材質として、ポリフェニレンスルフィドを主成分と
し、これに直径20μm程度のガラスビーズを50wt
%添加したものを用い、さらに、弁座3との接触面とな
るシール部の真円度を3μm以下、表面粗度Rmaxを
8μmに仕上げ切削したものを用いている。なお、比較
例1の開閉弁本体4の材質およびクリアランスは、実施
例1および実施例2と同様に設定されている。
【0033】比較例2.また、比較例2では、主成分と
なる合成樹脂材料の違いによる効果を検討するため、弁
体5aの材質として、ポリアミド66を主成分とし、こ
れに直径14μm程度のガラス繊維を50wt%添加し
たものを用いている。なお、弁座3との接触面となるシ
ール部の真円度は3μm以下、表面粗度Rmaxは7μ
mに仕上げ切削し、開閉弁本体4の材質およびクリアラ
ンスを、実施例1および実施例2と同様に設定してい
る。
【0034】上記した実施例1、2および比較例1、2
の開閉弁10の性能試験の一環として、上記の開閉弁1
0の各々について、閉時の開閉弁10からの静的な漏れ
量を測定した結果を下記の表1に示す。表1のデータ
は、窒素ガスによって開閉弁10の流出口2側の圧力P
3を冷凍サイクル装置の平均的な圧力差に相当する1.
5MPaに加圧し、また、流入口1側の圧力P1を大気
開放として、流出口2から流入口1側に漏れてくる窒素
ガスの漏れ量を測定したものであり、表1から明らかな
ように、実施例1および2に比べて、比較例1および2
では弁漏れ量が急激に増大しており、開閉弁10の閉弁
時に弁体5aと弁座3の間で気密性を保ち、流出口2か
ら流入口1へ冷媒等が漏れないようにするためには、主
成分となる合成樹脂の種類によらず弁体5aの弁座3と
接触するシール部分の表面粗度をおよそRmax3μm
以下とする必要があることが分かる。
【0035】
【表1】
【0036】次に、弁体5a用樹脂材料の冷媒回路中で
の安定性および冷媒や冷凍機油との適合性を検証するた
めの要素試験として、ハイドロフルオロカーボンである
R407C冷媒及びエステル油との適合性について、チ
タン酸カリウムウィスカを40wt%充填したポリフェ
ニレンスルフィド(実施例1)とホウ酸アルミニウムウ
ィスカを40wt%充填したポリフェニレンスルフィ
ド、および、ポリアミド66について試験し、比較した
結果を、下記の表2に示す。試験は、オートクレーブの
中に、試作した弁体5aとともにR407C冷媒と冷凍
機油(エステル油)を1:1の割合で封入し、170℃
で315時間保持し、全酸価および寸法変化率(寸法変
化は、弁体5aの直径方向)を測定したものである。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示すように、チタン酸カリウムウィ
スカやホウ酸アルミニウムウィスカを充填したポリフェ
ニレンスルフィドは、主成分であるポリフェニレンスル
フィドの吸水率がきわめて低い(0.1%未満)ため、
ともに、ポリアミド66に比べて全酸価がきわめて低
く、酸化による冷凍機油の劣化を抑制することができる
とともに、寸法変化率も0.1%未満と小さいため、冷
凍サイクル装置内の冷媒や冷凍機油による弁体5aの膨
潤が小さく、弁室6の内壁とのクリアランスに及ぼす影
響も小さい。また、上記の試験結果から、合成樹脂材料
の主成分が同一であれば、充填材の種類や材質によら
ず、全酸価や寸法変化率等において、ほぼ同様の特性が
得られることが分かる。
【0039】次に、上記実施例1の開閉弁10を実際の
冷凍サイクル装置(ヒートポンプ装置)に組み込んで使
用し、冷凍サイクル装置への適用の可否と耐久性を検証
した結果について説明する。試験に使用した冷凍サイク
ル装置は、冷媒としてハイドロフルオロカーボンR40
7Cを、また、冷凍機油としてエステル油を使用した蒸
気圧縮式の冷凍装置であり、上記した実施例1の開閉弁
10は、暖房運転時の流路切換用の開閉弁として、冷媒
回路中の圧縮機の吐出側に設置した。また、この冷凍装
置の試験条件は、蒸発温度が0℃、凝縮温度が50℃、
高圧側圧力2MPa(高圧カット3MPa)、低圧側圧
力0.4MPaであり、この試験条件で合計25000
時間運転(15万回の弁開閉)し、冷凍装置の性能変化
と開閉弁10の耐久性を検証した。その結果、上記耐久
性試験後も、冷凍装置の性能に変化は見られず、また、
試験後に開閉弁10を分解し、弁体5aを測定・分析し
た結果からも劣化や異常はなく、上記した実施例1の開
閉弁10が、冷凍サイクル装置に適用可能であることが
実証された。
【0040】なお、上記した運転条件においては、この
開閉弁10が設置された圧縮機吐出側の温度は、断熱圧
縮による冷媒の温度上昇によって100℃を超える高温
となっており、弁体5aとして耐熱性に優れたポリフェ
ニレンスルフィドを使用したため、このような厳しい動
作条件下でも長時間運転が可能となっている。
【0041】以上説明したように、この実施例1による
開閉弁10は、弁体5aの材料として、吸水率の小さい
ポリフェニレンスルフィドを用いたため、冷媒回路内で
使用しても冷媒回路内の水分を吸収して寸法が大きく変
化することがなく、弁体5aと弁室6のクリアランスが
安定して、開閉弁10の動作が安定し、冷凍サイクル装
置の性能や信頼性が向上する効果がある。特に、上記の
試験において使用したような、冷凍機油として吸水性の
高いエステル油やエーテル油を使用する場合には、エス
テル油やエーテル油によって吸収された水分により冷媒
回路中の油中水分濃度が一層高くなるため、このような
冷凍サイクル装置において、ポリフェニレンスルフィド
等の吸水率の低い樹脂材料を弁体5aに使用することは
開閉弁10および冷凍サイクル装置の信頼性と性能の向
上に大きな効果がある。
【0042】また、上記したようにポリフェニレンスル
フィドは耐熱性が高いため、冷媒回路の高温域(上記し
たように、冷凍サイクル装置の冷媒回路内での開閉弁1
0の動作温度は、摂氏100度以上となる)で長時間使
用しても弁体5aが熱劣化によって強度低下を引き起こ
すことがなく、耐久性の高い開閉弁10を得ることがで
きる。
【0043】また、弁体5aを構成する合成樹脂(ポリ
フェニレンスルフィド)にチタン酸カリウムウィスカ等
の充填材を添加したため、弁体5aの強度や耐熱性を一
層向上させることができるとともに、充填材の充填量を
変更することにより合成樹脂の剛性を変化させることが
できるため、弁体5aの剛性不足によって開閉弁10の
閉時に弁体5aが弁座3にめり込んで密着し、弁体5a
を上方に移動するための最低作動圧力が上昇したり、め
り込み度合いによって開閉弁10の動作が不安定になる
といった問題を解決することができ、また、剛性が上が
ったことにより、弁体5aの外径やシール面を高精度に
切削することが可能となって切削性の点でも優れた生産
性の向上が可能な開閉弁10を得ることができる。
【0044】また、弁体5aの弁座3との接触面となる
シール面を切削加工により真円度を3μm以下、表面粗
度Rmaxを3μm以下としたため、閉弁時の弁体5a
と弁座3の間のシール性能が向上して、流出口2から流
入口1への冷媒等の弁漏れ量が少なくなるとともに、こ
の開閉弁10を冷凍サイクル装置に適用した場合には、
冷媒の漏れが減少して冷凍サイクル装置の効率が向上す
る効果がある。
【0045】なお、上記の説明では、弁体5aとしてポ
リフェニレンスルフィドを用いた開閉弁10を冷凍サイ
クル装置に適用した例について説明したが、他にも、こ
のポリフェニレンスルフィドと同等の特性(吸水率、密
度)を有する下記表3に示すような樹脂材料を適用する
ことが可能であり、冷凍サイクル装置内における開閉弁
10の温度条件に適した耐熱性を有する樹脂材料を表3
中から選定することにより、上記した実施例1と全く同
様の効果を得ることができる。(参考までに、表3中
に、各樹脂材料の代表的無充填グレードのASTMの試
験規格に準拠した荷重たわみ温度(荷重=18.6kg
f/cm2時)と吸水率を付記する。また、上記表2に
示したように、ポリアミド66は吸水率や全酸価が大き
く、冷媒回路中で用いた場合、弁体5aが冷媒回路内の
水分を吸収して大きく寸法変化(膨潤)し、弁体5aと
弁室6とのクリアランスが不安定となって冷凍サイクル
装置の性能や信頼性の低下を生じたり、冷凍機油を劣化
させる可能性があるため、表3中では、参考データとし
て記載してある。)
【0046】
【表3】
【0047】また、これらの材料は、それぞれ単独で使
用してもよいが、複数種類を混合して使用しても同様の
効果を得ることができる。さらに、これらの材料に他の
材料を混合してもよく、例えばポリフェニレンスルフィ
ドにフッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル、ノルボルネン系樹脂などを混合した材料でも同様の
結果が得られることはいうまでもない。また、充填材と
して、上記以外にも各種の無機フィラー等が利用可能で
ある。
【0048】続いて、合成樹脂材料に添加される各種充
填材の影響について説明する。下記表4は、合成樹脂材
料に添加される充填材の種類や粒径および硬度と、切削
加工された弁体5aの表面粗度および切削時の切削工具
の磨耗量の関係を明らかにするため、上記実施例1、2
および比較例1を含む6種類の充填材入り(充填率:1
0〜70wt%)ポリフェニレンスルフィドの成形板に
ついて、実際に弁体5aをダイアモンドバイトで切削加
工し、切削面の表面粗度及びダイアモンドバイトの摩耗
量を測定したものである。
【0049】
【表4】
【0050】表4から明らかなように、充填材として一
般的に使用されているガラス繊維を充填した場合には、
ガラス繊維の直径が14μmであるため、切削加工時に
充填材が切削表面で破断することによって表面粗度が8
μmと冷媒をシールするのに必要なRmax3μmを大
きく越えており、弁体5a用の材料には適さないと言え
る。また、ガラス繊維のモース硬度が7と高いため、ダ
イアモンドバイトの摩耗量も大きい。
【0051】一方、直径2μm以下のチタン酸カリウム
ウィスカ(実施例1)やホウ酸アルミニウムウィスカ、
粒径が2μmのガラスビーズ(実施例2)を充填したポ
リフェニレンスルフィドでは、充填材の切削表面からの
脱落や切削表面での破断が生じても表面粗度をRmax
3μm以下に抑えることができる。また、モース硬度4
以下のチタン酸カリウムウィスカや酸化亜鉛ウィスカを
充填したポリフェニレンスルフィドでは、充填材の硬度
が低いため、切削加工が容易で工具の磨耗が少なく、特
に、酸化亜鉛ウィスカでは、酸化亜鉛ウィスカの径が5
μmと表面粗度の条件である3μm以上であるにも関わ
らず、切削面の表面粗度がRmax3μm以下となって
いることが分かる。
【0052】さらに、粒径が2μmのガラスビーズ(実
施例2)と粒径が20μmのガラスビーズ(比較例1)
とを比較すると、充填材の硬度が同じであっても、粒径
によってダイアモンドバイトの摩耗量が大きく変化し、
粒径が2μmのガラスビーズの場合には、磨耗量がかな
り低減されることが分かる。
【0053】以上の結果より、弁体5aとして充填材を
添加した合成樹脂を用いる場合、充填材として、粒径が
2μm以下の粉粒状の充填材、直径が2μm以下の繊維
状の充填材、あるいは、モース硬度が4以下の充填材の
いずれかを用いれば、切削加工によって弁体5aの弁座
3との接触部分の表面粗度Rmaxを3μm以下に加工
でき、この結果、上記の実施例1、2および比較例1、
2に対する静的漏れ試験で明らかになったように弁漏れ
量も低く抑えられることが分かる。
【0054】さらに、樹脂材料の充填材として、直径
0.1〜2.0μmの繊維状の充填材(チタン酸カリウ
ムウィスカ)や直径2μm程度の粉粒状の充填材(ガラ
スビーズ)を用いたため、弁体5aの切削表面からの充
填材の脱落や切削表面での破断が生じても表面粗度をR
max3μm以下に抑えることができ、シール性能を向
上することができるとともに、弁体5aの切削加工が容
易となって生産性が向上し、開閉弁10の製造コストを
低減できる効果がある。
【0055】また、上記樹脂材料の充填材として、モー
ス硬度4以下の充填材(チタン酸カリウムウィスカ)を
用いたため、切削面の表面粗度を損なうことなく、しか
も、工具の磨耗が少なく、弁体5aを容易に切削できる
効果がある。
【0056】また、各供試材料の充填材の充填率を10
〜70wt%としたため、合成樹脂が適度な剛性を有す
ることとなり、切削加工しやすくなる効果がある。な
お、弁体5aの切削性の観点に加え、弁体5aの弁座3
へのめり込みの防止や弁体5aのシール面に傷がついた
場合の弁漏れ量の抑制等も考慮した場合、充填材の充填
率は実施例等で採用した30〜50wt%が特に好適で
ある。
【0057】
【発明の効果】この発明に係る冷凍サイクル装置用開閉
弁および冷凍サイクル装置は、以上説明したように構成
されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0058】流体を流入させる流入口と流体を流出させ
る流出口を有するとともに、前記流入口と前記流出口を
連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前記開閉
弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納され、
前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開口部を
開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通するパ
イロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁にお
いて、前記弁体を、吸水性が低く、耐熱性が高く、しか
も、軽量な、ポリフェニレンスルフィド単体もしくは、
塩素化ポリエーテル、エポキシ樹脂、液晶性樹脂、芳香
族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポ
リアリルスルホン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホ
ン、ポリチオエーテルスルホン、ポリイミド、ポリケト
ン、または、ポリスルホンのうちの少なくともひとつの
合成樹脂を含むポリフェニレンスルフィドとの混合物を
主成分とする樹脂材料で形成したため、弁体の動作性に
優れ、前記弁体と前記弁室のクリアランスの管理が容易
で、しかも、寸法安定性に優れた信頼性の高い冷凍サイ
クル装置用開閉弁が得られる。
【0059】また、流体を流入させる流入口と流体を流
出させる流出口を有するとともに、前記流入口と前記流
出口を連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前
記開閉弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納
され、前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開
口部を開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通
するパイロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉
弁において、前記弁体を、吸水性が低く、耐熱性が高
く、しかも、軽量な、塩素化ポリエーテル、エポキシ樹
脂、液晶性樹脂、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリベンゾ
イミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリ
ル、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホ
ン、ポリイミド、ポリケトン、または、ポリスルホンの
単体もしくは2種類以上の混合物を主成分とする樹脂材
料で形成したため、弁体の動作性に優れ、前記弁体と前
記弁室のクリアランスの管理が容易で、しかも、寸法安
定性に優れた信頼性の高い冷凍サイクル装置用開閉弁が
得られる。
【0060】また、流体を流入させる流入口と流体を流
出させる流出口を有するとともに、前記流入口と前記流
出口を連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前
記開閉弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納
され、前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開
口部を開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通
するパイロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉
弁において、前記弁体の前記弁室内壁と摺動する胴部を
金属材料で形成するとともに、前記弁体の前記弁座との
接触部位を、吸水性が低く、耐熱性が高く、しかも、軽
量な、ポリフェニレンスルフィド、塩素化ポリエーテ
ル、エポキシ樹脂、液晶性樹脂、芳香族ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリルスルホ
ン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリチオエ
ーテルスルホン、ポリイミド、ポリケトン、または、ポ
リスルホンの単体もしくは混合物を主成分とする樹脂材
料で形成したため、弁開閉時の衝撃音が小さく、しか
も、前記弁体のシール面に傷がついた場合でも、確実に
逆流を防止できる信頼性の高い冷凍サイクル装置用開閉
弁を得ることができる。
【0061】また、前記弁体の前記弁座との接触部の表
面粗度(Rmax)を3μm以下としたため、シール面
のシール性能が向上し、弁漏れ量の少ない高性能な冷凍
サイクル装置用開閉弁を得ることができる。
【0062】さらに、前記弁体を、粒径2μm以下の粉
粒状の充填材を含む樹脂材料で形成したため、表面粗度
を抑えることができ、弁漏れ量の少ない高性能な冷凍サ
イクル装置用開閉弁を得ることができるとともに、前記
冷凍サイクル装置用開閉弁の性能を損なわずに、前記弁
体の強度を向上し、耐久性や安定性を向上することがで
きる。
【0063】また、前記弁体を、2μm以下の直径を有
する繊維状の充填材を含む樹脂材料で形成したため、表
面粗度を抑えることができ、弁漏れ量の少ない高性能な
冷凍サイクル装置用開閉弁を得ることができるととも
に、前記冷凍サイクル装置用開閉弁の性能を損なわず
に、前記弁体の強度を向上し、耐久性や安定性を向上す
ることができる。
【0064】また、前記弁体を、モース硬度4以下の充
填材を含む樹脂材料によって形成したため、表面粗度を
抑えることができ、弁漏れ量の少ない高性能な冷凍サイ
クル装置用開閉弁を得ることができるとともに、前記弁
体の加工が容易になって低コストの冷凍サイクル装置用
開閉弁が得られる効果がある。また、前記弁体の加工に
要する工具の磨耗を低減することができる。
【0065】また、前記充填材の充填量を10〜70重
量%としたため、弁体が弁座にめり込むことがなく、安
定して動作するとともに、加工性に優れた冷凍サイクル
装置用開閉弁を得ることができる。
【0066】さらに、冷媒としてハイドロフルオロカー
ボンを、また、冷凍機油としてエステル油またはエーテ
ル油を含む冷凍機油を使用する冷凍サイクル装置におい
て、前記冷凍サイクル装置用開閉弁を冷媒回路中に備え
たため、冷凍機油中の水分濃度が高い状態で使用しても
前記冷凍サイクル装置用開閉弁の性能が損なわれず、信
頼性の高い冷凍サイクル装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁の構成を示す断面図。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁の構成を示す断面図。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル
装置用開閉弁の弁体の断面図。
【図4】 従来の冷凍サイクル装置用開閉弁の構成を示
す断面図。
【符号の説明】
1 流入口 2 流出口 3 弁座 4 開閉弁本体 5a、5b、5c 弁体 6 弁室 7 蓋体 8 パイロット流路 10、20、30 開閉弁 11 弁体下部 12 胴部 13 固定ピン P1 流入口における流体の圧力 P2 弁室上部の圧力 P3 流出口における流体の圧力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 康順 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H052 AA01 BA26 BA33 BA35 CA17 CC14 EA16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を流入させる流入口と流体を流出さ
    せる流出口を有するとともに、前記流入口と前記流出口
    を連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前記開
    閉弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納さ
    れ、前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開口
    部を開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通す
    るパイロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁
    において、前記弁体を、ポリフェニレンスルフィド単体
    もしくは、塩素化ポリエーテル、エポキシ樹脂、液晶性
    樹脂、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリ
    レート、ポリアリルスルホン、ポリベンゾイミダゾー
    ル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
    ド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリ
    エーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホン、ポリイ
    ミド、ポリケトン、または、ポリスルホンのうちの少な
    くともひとつの合成樹脂を含むポリフェニレンスルフィ
    ドとの混合物を主成分とする樹脂材料で形成したことを
    特徴とする冷凍サイクル装置用開閉弁。
  2. 【請求項2】 流体を流入させる流入口と流体を流出さ
    せる流出口を有するとともに、前記流入口と前記流出口
    を連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前記開
    閉弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納さ
    れ、前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開口
    部を開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通す
    るパイロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁
    において、前記弁体を、塩素化ポリエーテル、エポキシ
    樹脂、液晶性樹脂、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミ
    ド、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリベンゾ
    イミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
    テルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリ
    ル、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホ
    ン、ポリイミド、ポリケトン、または、ポリスルホンの
    単体もしくは2種類以上の混合物を主成分とする樹脂材
    料で形成したことを特徴とする冷凍サイクル装置用開閉
    弁。
  3. 【請求項3】 流体を流入させる流入口と流体を流出さ
    せる流出口を有するとともに、前記流入口と前記流出口
    を連通する流路を内部に形成した開閉弁本体と、前記開
    閉弁本体内に形成された弁室内に往復動可能に収納さ
    れ、前記開閉弁本体内の流路中に設けられた弁座の開口
    部を開閉する弁体と、前記弁室と前記流出口とを連通す
    るパイロット流路とを備えた冷凍サイクル装置用開閉弁
    において、前記弁体の前記弁室内壁と摺動する胴部を金
    属材料で形成するとともに、前記弁体の前記弁座との接
    触部位を、ポリフェニレンスルフィド、塩素化ポリエー
    テル、エポキシ樹脂、液晶性樹脂、芳香族ポリアミド、
    ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリルスルホ
    ン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケ
    トン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリ
    エーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリチオエ
    ーテルスルホン、ポリイミド、ポリケトン、または、ポ
    リスルホンの単体もしくは混合物を主成分とする樹脂材
    料で形成したことを特徴とする冷凍サイクル装置用開閉
    弁。
  4. 【請求項4】 前記弁体の前記弁座との接触部の表面粗
    度(Rmax)を3μm以下としたことを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクル
    装置用開閉弁。
  5. 【請求項5】 前記弁体を形成する樹脂材料が、粒径2
    μm以下の粉粒状の充填材を含むことを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクル装
    置用開閉弁。
  6. 【請求項6】 前記弁体を形成する樹脂材料が、2μm
    以下の直径を有する繊維状の充填材を含むことを特徴と
    する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷凍サ
    イクル装置用開閉弁。
  7. 【請求項7】 前記弁体を形成する樹脂材料が、モース
    硬度4以下の充填材を含むことを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置用開
    閉弁。
  8. 【請求項8】 前記充填材の充填量が10〜70重量%
    であることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいず
    れかに記載の冷凍サイクル装置用開閉弁。
  9. 【請求項9】 冷媒としてハイドロフルオロカーボン
    を、また、冷凍機油としてエステル油またはエーテル油
    を含む冷凍機油を使用する冷凍サイクル装置において、
    請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の冷凍サイク
    ル装置用開閉弁を冷媒回路中に備えたことを特徴とする
    冷凍サイクル装置。
JP11162241A 1999-06-09 1999-06-09 冷凍サイクル装置用開閉弁および該開閉弁を備えた冷凍サイクル装置 Pending JP2000346497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11162241A JP2000346497A (ja) 1999-06-09 1999-06-09 冷凍サイクル装置用開閉弁および該開閉弁を備えた冷凍サイクル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11162241A JP2000346497A (ja) 1999-06-09 1999-06-09 冷凍サイクル装置用開閉弁および該開閉弁を備えた冷凍サイクル装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000346497A true JP2000346497A (ja) 2000-12-15

Family

ID=15750678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11162241A Pending JP2000346497A (ja) 1999-06-09 1999-06-09 冷凍サイクル装置用開閉弁および該開閉弁を備えた冷凍サイクル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000346497A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007086290A1 (ja) * 2006-01-24 2007-08-02 Daikin Industries, Ltd. 閉鎖弁および空気調和機
JP2008519934A (ja) * 2004-11-12 2008-06-12 エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド 吐出バルブ及びこれを備えた往復動式圧縮機のバルブアセンブリ
WO2012098584A1 (ja) * 2011-01-20 2012-07-26 三菱電機株式会社 空気調和装置
JP2012207743A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Honda Motor Co Ltd 高圧ガス用開閉バルブ
JP2014190398A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Keihin Corp 遮断弁

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008519934A (ja) * 2004-11-12 2008-06-12 エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド 吐出バルブ及びこれを備えた往復動式圧縮機のバルブアセンブリ
US7766036B2 (en) 2004-11-12 2010-08-03 Lg Electronics Inc. Discharge valve and valve assembly of reciprocating compressor having the same
JP4690419B2 (ja) * 2004-11-12 2011-06-01 エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド 吐出バルブ及びこれを備えた往復動式圧縮機のバルブアセンブリ
WO2007086290A1 (ja) * 2006-01-24 2007-08-02 Daikin Industries, Ltd. 閉鎖弁および空気調和機
WO2012098584A1 (ja) * 2011-01-20 2012-07-26 三菱電機株式会社 空気調和装置
JPWO2012098584A1 (ja) * 2011-01-20 2014-06-09 三菱電機株式会社 空気調和装置
US9541319B2 (en) 2011-01-20 2017-01-10 Mitsubishi Electric Corporation Air-conditioning apparatus
JP2012207743A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Honda Motor Co Ltd 高圧ガス用開閉バルブ
US8820712B2 (en) 2011-03-30 2014-09-02 Honda Motor Co., Ltd. Opening and closing valve for high-pressure gas
JP2014190398A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Keihin Corp 遮断弁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8671975B2 (en) Compliant-seal check valve
US2930401A (en) Poppet valve construction
KR100372126B1 (ko) 역지밸브
KR20180040010A (ko) 고압 레귤레이터용 안전밸브
EP0606980A2 (en) Liquid chromatography system
KR20070048800A (ko) 조절 밸브
US20080273997A1 (en) Diaphragm pump position control with offset valve axis
EP1691118B1 (en) Valve, pump assembly and method for constructing a valve
JP2011525582A (ja) ポンプ
JP2000346497A (ja) 冷凍サイクル装置用開閉弁および該開閉弁を備えた冷凍サイクル装置
CN105221784B (zh) 一种无磨损硬密封球阀
CN103909710A (zh) 具有含氟聚合物织物的层叠件
US6481982B1 (en) Diaphragm pump having a mechanism for preventing the breakage of the diaphragm when a discharge check valve is not completely closed due to the insertion of foreign matter into the valve
KR950005883B1 (ko) 제어디스크 밸브
JP5576803B2 (ja) 弁組立体
CN109027296A (zh) 一种能够降噪的高压抗气蚀切断球阀
JP4331653B2 (ja) 可変容量圧縮機用制御弁
EA007703B1 (ru) Уплотнение для клапана
US11137074B2 (en) Regulator
JP4521484B2 (ja) 可変容量圧縮機用制御弁
US20100252134A1 (en) Fluid device unit structure
JPH11211285A (ja) 開閉弁、およびこの開閉弁を使用した冷凍装置
JP6197739B2 (ja) 高圧ポンプ
JP4699501B2 (ja) 容積形圧縮機
US11428329B2 (en) Valve having a poppet with a soft seal and features enhancing life of the soft seal

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040624

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080708