JP2000345718A - 木造家屋の外部補強工法 - Google Patents

木造家屋の外部補強工法

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JP2000345718A
JP2000345718A JP11159491A JP15949199A JP2000345718A JP 2000345718 A JP2000345718 A JP 2000345718A JP 11159491 A JP11159491 A JP 11159491A JP 15949199 A JP15949199 A JP 15949199A JP 2000345718 A JP2000345718 A JP 2000345718A
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poles
pole
wooden
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wooden house
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Yukikazu Takeda
幸和 武田
Kazuyoshi Uchida
一義 内田
Yuzo Suzuki
勇三 鈴木
Moriaki Yamashita
守朗 山下
Yoshio Kawamoto
良夫 川元
Hiroshi Inoue
博 井上
Masatoshi Yanase
正敏 柳瀬
Takaharu Saito
隆晴 斉藤
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SHIIKU KENKYUSHO KK
Toyo Shutter Co Ltd
Original Assignee
SHIIKU KENKYUSHO KK
Toyo Shutter Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家屋がパルス的な震動に対しても「足払い」
されないような有効な対策を安価で、かつ、簡便で、し
かも既存木造住宅の場合は、居ながらに実現でき、ま
た、体裁もよいものである。 【解決手段】 木造家屋1の外周部に下部を地中に埋設
して立設するポール2をこの木造家屋1の周囲を取り囲
むように相互間隔を存して複数添設し、二階床9の位置
でポール2と木造家屋1と緊結した、もしくは、二階床
9の位置でポール2に倒壊時の受けとなる横長プレート
を木造家屋1に近接して設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として既存木造
家屋であるが、新設木造家屋にも適用可能な木造家屋の
外部補強工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築基準法の耐震規定改訂より20年近く
が経ち、旧基準で設計された(昭和56年以前)建物はそ
の老朽化に対する補修等が必要であり、また、阪神大震
災を契機に耐震安全性が問題となっている。
【0003】鉄筋コンクリート造のビル等の耐震安全性
について述べれば、現在の耐震補強工法としては、耐震
壁の増設やブレースの増設、もしくはそで壁の付加、ま
たは柱の補強などが行われれいる。さらに、耐震壁の壁
厚を増す、ブレースの断面を大きくする、柱断面を大き
くするなどの方法や特殊な例として建物全体を免震装置
の上に載せることも考えられる。
【0004】これらを更に詳細に説明すると、増設する
耐震壁としては場所打ち壁、PCa板壁、鉄板壁、コン
クリートブロック壁などから選択でき、柱・梁にアンカ
ーボルト等を介して固定するが、これは耐力の向上もし
くは耐力・靱性の向上を目的としたものである。
【0005】ブレースの増設は、ブレースとしてX型ブ
レース、K型ブレース、V型ブレース、その他の形状の
ブレースが選択でき、これも耐力の向上もしくは耐力・
靱性の向上を目的としたものである。
【0006】そで壁の付加は、このそで壁としては場所
打ちそで壁やPCa板そで壁であり、耐力の向上を期す
る。
【0007】柱の補強による場合は、既存柱の周囲に鋼
板を巻き、隙間に無収縮モルタルを充填する方法、既存
柱の周囲に帯筋を巻き、後打ちコンクリートまたはモル
タルで補強する方法、その他溶接金網、FRPを周囲に
配設し、無収縮モルタルを充填したり、もしくは後打ち
コンクリートまたはモルタルを施す方法、腰壁の縁切り
を行う方法などが選択でき、耐力の向上もしくは靱性の
向上を目的とする。
【0008】これに対して木造家屋については、外部か
らの耐震補強の研究はあまり進んでいない。
【0009】既存の木造家屋についても、同様に、壁や
柱、筋交い(ブレース)の補強を行うことで耐震補強と
することは考えられるが、これら増設により建物のレイ
アウトを変更したりする必要が生じ、建物の機能上必要
な所に増設できないこともある。また、工事期間中はそ
の家屋全体もしくは少なくとも工事対象のフロアーは使
用できないなどの問題が生じる。
【0010】さらに、壁の厚みを増す、柱断面を大きく
するなどの方法では、建物の有効面積が減るおそれもあ
る。
【0011】ところで、阪神大震災に於いては、多くの
木造家屋の倒壊が起こり、6000人以上の大部分の人
々が倒壊家屋の下敷きになって亡くなり、このことが最
も大きな特徴であった。そこで、本件出願の発明者は、
その主な原因は何であるか、地震以降、今日まで発表さ
れた論文、雑誌、新聞等を調査してみた。
【0012】姫路工業大学・松田高明、兵庫教育大学・
竹村厚司共著の「1995年兵庫県南部地震における木
造家屋の倒壊方向」(地質学論集第51号、1998年
3月)によれば、淡路島から宝塚の範囲で、倒壊の分布
に留意しながら、約2640戸の木造家屋の倒壊方向を
観察している。
【0013】それによれば、多くの木造家屋は一定の方
向に倒壊(全倒壊家屋の70%相当)し、二階屋は二階
以上がそのまま残され、一階が横から押しつぶされた形
が多かった。一階屋も二階建てほど倒壊の割合は多くは
なかったが、倒れていた場合には屋根は壊されておら
ず、住居部分が横から押される形で倒壊したものが多
く、どちらの場合も、家屋の土台部分がちょうど「足払
い」を受けた形の倒壊であった。木造家屋の一階にいた
人が多く亡くなったのは、このような倒壊パターンに原
因があるとしている。次に、そのような現象を起こした
地震はどのようなものであったかを考える。
【0014】地震学者は神戸海洋気象台で記録された地
震波(最大水平加速度約820ガル)等から、兵庫県南
部地震の特徴を、強い横揺れと縦揺れが重なり、しかも
加速度が極めて大きい上、地面が動く速度も秒速100
cm(100カイン)を超える異常な値で、このような
地震は力が高速に働いて、構造物に衝撃的破壊を起こさ
せるとしている。
【0015】京都大学工学部の家村浩和教授(耐震工
学)は木造住宅や20階までのビル(固有周期0.3秒
〜1.5秒)は、破壊エネルギーが大きくなり始めてか
ら最大になるまで1〜2秒しかかからないパルス的な震
動を受けたと述べている。
【0016】大阪府立大学工学部の谷村真治教授(機械
システム工学)も、直下地震時での揺れ初期の厳しい1
波とか2波が主因であると言っている。
【0017】カリフォルニア工科大学のW・アイワン教
授はこのように最初に破壊エネルギーが集中したのは、
地盤のずれが関係していると言っている。特に断層近く
では、揺れというよりはずれ自体で構造物に「足払い」
をかけるように作用し、同じ方向に倒壊させたり、最初
の1、2回の揺れで破壊させる。特に一階部分が、地面
の急な動きについていけず、「むちうち症」的に大変形
して一気に倒壊する。つまり、建物が何回も揺れてから
最大変形が出る普通の地震とは大きく異なり、最初の大
揺れでそのまま破壊というパターンである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、直
下地震に対し多くの人々は常に潜在的に恐怖感を抱いて
いる。しかし、日本全国で2000以上もあると言われ
ている活断層上には老朽化した木造家屋は多く存在し、
社会的にもその耐震対策が必須である。
【0019】従来、前記のごとく木造家屋については、
耐震補強の研究はあまり進んでいないのが現状であり、
側面に鉄骨フレームを添えることで外側から軸組みを補
強するとか、鉄骨の袖壁を加えるとかは行われている
が、部分的な補強に止まり、コスト的に高く、また、体
裁もよくない。
【0020】特に、従来行われている耐震補強では、家
屋がパルス的な震動に対しても「足払い」されないよう
な対策は皆無であった。
【0021】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、家屋がパルス的な震動に対しても「足払い」されな
いような有効な対策を安価で、かつ、簡便で、しかも既
存木造住宅の場合は、居ながらに実現でき、また、体裁
もよい木造家屋の外部補強工法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、木造家屋の外周部に下部を地中に埋
設して立設するポールをこの木造家屋の周囲を取り囲む
ように相互間隔を存して複数添設し、二階床位置でポー
ルと木造家屋と緊結したこと、および、ポールは横長プ
レートを設け、このプレートを介して木造家屋と緊結す
ることを要旨とするものである。
【0023】第2に、木造家屋の外周部に下部を地中に
埋設して立設するポールをこの木造家屋の周囲を取り囲
むように相互間隔を存して複数添設し、二階床位置でポ
ールに倒壊時の受けとなる横長プレートを木造家屋に近
接して設けたこと、さらに、間隔を存して立設するポー
ルは、相互に金属ワイヤーで連結することを要旨とする
ものである。
【0024】第3に、ポールは、必要に応じて基礎に緊
結すること、第4に、ポールは、必要に応じて2階部分
まで延設することを要旨とするものである。
【0025】請求項1記載の本発明によれば、木造家屋
の外周部に下部を地中に埋設して立設するポールをこの
木造家屋の周囲を取り囲むように相互間隔を存して複数
添設して、二階床位置でポールと建物を緊結しているの
で、地震時に発生する木造家屋の慣性力をポールに負担
させることで、木造建屋の変形を減少させ、「足払い」
をかけるように木造家屋に作用して同じ方向に倒壊させ
たり、最初の1、2回の揺れで破壊させる地震に対処で
きる。
【0026】図6に示すように、X方向の地震の場合、
a〜d4本のポールで受ける。家屋とポール間の地震力
はa〜d緊結部のせん断抵抗により伝達させる。e〜h
4本のポールは引っ張り、圧縮となり期待できす、余抵
抗と考える。
【0027】また、ポールは木造家屋の周囲を取り囲む
ように相互間隔を存して複数添設することで、木造家屋
がどの方向に足払いをかけられようとも対処できる。
【0028】さらに、コーナー部では各側面に設けるポ
ールの間隔をコーナー部を挟むようにして近接させたも
のとすれば(図6aとe、bとg、cとf、dとh)、
コーナー部には直接ポールを設けなくとも倒壊防止が行
える。
【0029】これに加えて、木造家屋の外部に下部を地
中に埋設して立設するポールを適宜間隔で加えるだけな
ので、家屋の外観をほとんど阻害しないですみ、家屋の
体裁を保つことができる。しかも、既存家屋に設ける場
合でも居住環境はそのままで、居ながらにして工事を行
うことができる。
【0030】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ポールは横長プレートを介して木造家屋と緊
結するので、緊結の確実性を期することができる。
【0031】請求項3記載の本発明によれば、前記請求
項1とほぼ同じであるが、ポールと建屋が分離している
のが特徴であり、パルス的な地震時に発生する木造家屋
の衝撃力を、木造家屋の周囲に立設するポールと横長プ
レート(パッド)で受け止め、ガードレールなどの発想
によって木造建屋の変形を減少させようとするものであ
る。
【0032】図19に示すように、X方向の地震の場合、
家屋は地震方向と逆方向に倒壊するから、ポールAとB
の2本で受ける。
【0033】請求項4記載の本発明によれば、前記請求
項3記載の発明の作用に加えて、地震の規模や木造家屋
の建築面積により衝撃力は変わるので、それに対応して
ポールの必要数も変化するが、ポール頂部をピアノ線等
の金属ワイヤーで連結し、より耐力を向上させることが
可能となる。
【0034】請求項5記載の本発明によれば、ポール
は、必要に応じて基礎に結合することでより効果的なも
のとすることができ、請求項6記載の本発明によれば、
ポールの高さは二階床迄とし、必要に応じ二階天井位置
まで高くすることにより、二階部分の損壊もしくは倒壊
も確実に防止できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明の木造家屋の外
部補強工法の第1実施形態を示す側面図で、図中1は既
存の2階建て木造家屋で、1aは1階部分、1bは2階
部分を示す。また、図5、図6に本発明の説明図を示
す。
【0036】本発明はこのような既存の2階建て木造家
屋1の外周部に下部を地中に埋設して立設するポール2
をこの木造家屋1の周囲を取り囲むように相互間隔を存
して複数添設した。
【0037】本実施形態ではポール2には鋼管を使用
し、地中形成した削孔内に挿入して立設する際に、削孔
内にベース筋やタテヨコ筋の鉄筋3を配筋して、コンク
リートを打設して鉄筋コンクリートによる根固め体4を
形成する。ポール2の材質は鋼管以外で、アルミニウム
合金、ステンレス、コンクリート等も利用可能である。
また、形状も図示のように円管の他、角管もしくは円
柱、角柱、さらに、アングル材やチャンネル材の使用も
可能である。
【0038】この根固め体4は図3に示すように断面正
方形の角柱である場合のほか、図4に示すように既存の
布基礎5や土台6に後施工アンカー7を介して緊結でき
るように横長長方形の形状として基礎に近いものとして
もよい。
【0039】このようにポール2は、必要に応じて布基
礎5や土台6などの基礎に結合することもできる。
【0040】図5に示すようにポール2は相互に適宜な
間隔を存して並設するが、木造家屋1のコーナー部1c
ではこれを間に挟むようにして各側面に添設するポール
2同士は比較的近接するものとする。
【0041】ポール2の地上での高さは1階部分1aと
同程度とし、頂部付近に横長プレート8を設け、この横
長プレート8を介して木造家屋1の2階床9のレベル
で、例えば既存の木造胴差10にスクリューボルト22また
は接着材等で結合した。
【0042】この横長プレート8の構成は種々考えられ
るが、図7〜図10に示すように本実施形態では、複数の
L型のアングル材20a,20bと接合プレート21のボルト
結合によるものとした。ちなみにポール2の径をφ190
mmもしくはφ217 mm程度にした場合に横長プレート8の
長さは600 mm程度となる。
【0043】ポール2の頂部にはキャップ11を被せて雨
水の侵入を防止するが、本実施形態ではキャップ11に前
記アングル材20aを支承するフランジ23を形成した。
【0044】このようにして木造家屋1の2階床9位置
でポール2と建物を緊結し、地震時に発生する木造家屋
1の地震力をポール2に負担させることができる。
【0045】なお、図5に示すように、必要に応じポー
ルを2階部分1bの天井位置まで高くするようにしても
よい。ポール2の必要数も地震の規模や木造家屋1の建
築面積により変化する。また、想定する地震の規模は、
施主との相談で決めることを基本とするが、目安として 兵庫県南部地震クラス:地表800ga1、 新耐震設計並み: 地表400ga1、 現状より耐震強化: 地表200ga1 とする。
【0046】このようなポール2と建物1を緊結する方
式をタイト式と呼ぶとすると、このタイト式の計算例は
次の通りである(建設省住宅局建築指導課の「木造の設
計」を参照。)
【0047】家屋周囲に図6のように8本のポールを建
て、ポール頂部をスクリューボルト22又は接着剤で図2
のように2階床で外部から緊結する。
【0048】2階床に作用する地震力の計算を下記に示
す。標準せん断力係数Co =0.2 (地表で中小地震80〜
100 ga1を想定)、Ai 分布 A1 =1、A2 =1.3
とする。各階の荷重は W1 =W2 =260 *30*3.3 *1/2≒13tonf 1階の最大層せん断力は
【0049】ポール1本当たりの負担地震力Qmaxb 木造家屋の耐力を無視し、4本のポールが地震力を負担
するとする。 ポールの断面をφ:190.7×6として 以上、耐力的に問題がないことが分かる。
【0050】
【表1】
【0051】また、既存の木造家屋1の規模と耐震補強
の必要ポール2の関係は、ポール2と建物1を緊結する
ポールアンカータイト式の場合、下記表1にまとめるこ
とができる。なお、この場合、地震レベルは新耐震設計
法なみと考え、地表400ga1程度を考慮するものと
する。
【0052】図11は本発明の第2実施形態を示すもの
で、木造家屋1の外周部に下部を地中に埋設して立設す
るポール2をこの木造家屋1の周囲を取り囲むように相
互間隔を存して複数添設点は前記第1実施形態と同じで
あるが、このポール2には二階床9位置でポールに倒壊
時の受けとなる横長プレート12(パッド)を木造家屋1
に近接して水平に設けた。すなわち、本実施形態では横
長プレート12(パッド)は木造家屋1と緊結せずに木造
家屋の地表時水平変位が余り大にならないように少し離
した状態でポール2に設ける。
【0053】図12、図13に示すように横長プレート12に
はガードレール的なベンドプレートを使用し、ポール2
の頂部付近に受プレート14を設け、これで横長プレート
12を受けるとともに通しボルト13により結合した。その
詳細を図14〜図17に示す。
【0054】一方、この横長プレート12に対応する木造
家屋1の二階床9部分では、外側に外壁面保護プレート
15をスクリューボルト等で張設固定してもよい。図中17
は二階床9を形成する根太、18は大梁、19は既存の柱で
あり、前記外壁面保護プレート15は既存の木造胴差10の
位置に対応して設ける。
【0055】図18、図19に説明図を示す。また、図20に
実際の建物に応用した場合のポール2の配置を示す。さ
らに、図13に外観の斜視図を示す。
【0056】このようにして、第2実施形態では、パル
ス的な地震時に発生する木造家屋の衝撃力を、木造家屋
1の周囲に新設するポール2と横長プレート12(パッ
ド)〔ガードレール等の発想〕によって木造家屋1の変
形を減少させようとするものである。
【0057】この時、ポール2の高さは二階床9迄とす
るが、必要に応じ2階部分1bの二階天井位置まで高く
することも可能である。
【0058】なお、地震の規模や木造家屋1の建築面積
により衝撃力は変わるので、それに対応してポール2の
必要数も変化する。なお、ポール2の頂部全てをピアノ
線等の金属ワイヤー16で連結することにより耐力を向上
させることも可能である。
【0059】この金属ワイヤー16は一例としてポール2
に設けた横長プレート12同士を結合し、木造家屋1の外
周を取り巻くようにする。
【0060】ここで、延建築面積30坪、総二階の木造
家屋について、800ga1の地震を対象とした場合、
この第2実施形態でのポール2の部材断面を略算する。
【0061】ポールの固有周期の計算は下記の通りであ
る。ポールは鋼製円筒断面、φ:190.7×6とす
る。頂部に集中質量Wを有する片持梁の固有円振動数・
ωはレーレーリッツの方法により次式のように表され
る。 ここで α=γAL/W γ:鉄の比重 γ=7.85×10-6tonf/cm3 A:poleの断面積 A=34.82 cm2 L:poleの長さ L=300 cm W:pad の重量 W=200 kgt =0.02tonf g:重量の加速度 g=981 cm/sec2 E:ヤング率 E=2100tonf/cm2 I:断面二次モーメント I=1490cm4 従って α=4.10 ω2 =8663.88 ω=93.08 rad/sec よって、ポールの固有周期Tは T=2π/ω=0.067 sec
【0062】ポール頂部に作用する衝撃力・Pmax の計
算は下記の通りである。 (1) ポールの等価質量mの計算 ポールのバネ定数・Ks は Ks =3EI/L3 であるから Ks =0.348 tonf/cm m=Ks /ω2 =0.000040tonf/cm ・sec2 (2)Pmax の計算 木造家屋の全重量の2/3が衝撃物としてポール頂部に
作用すると仮定。この衝撃物重量を図11のように2本
のポールで受けるとする。地震荷重=LL200 +DL60
=260 kg/m2 であるから、木造家屋の全重量・Wt は Wt =260 ×30坪×3.3 m2 ×2/3=17160kg ≒17to
nf 質量Mt とするとMt =0.01733tonf/cm・sec2 ここで兵庫県南部地震クラス:地表800 gal (神戸海洋
気象台記録)を仮定すると二階屋の固有周期をTb
(0.02〜0.03)hよりh=6.5 mとするとTb =0.13〜
0.2sec、二階床の最大速度は応答スペクトル (日本建築
学会「1995年兵庫県南部地震災害調査報告 1995. 3」p.
10参照) より10〜20カインとなる。
【0063】しかしここでは、老朽化した二階木造家屋
の固有周期はもう少し長いと仮定し、Tb =0.3 〜0.4
sec とすると、1質点系速度応答は70〜130cm/sec (カ
イン)となる。そこでここでは、V=100 cm/sec (100
カイン) 程度を考える。木造家屋とパッドの反発係数を
e=0.3 とすると、ポール頂部に作用する衝撃力Pmax
はポール1本当たりM=1/2Mt の木造建物質量が衝
突するので、Pmax =ωm M(1+e)V/(m+M)
よりM=0.008746tonf/cm ・sec2であるから Pmax =0.48tonf この時、ポール柱脚の曲げモーメントは MB =0.48×3=1.45tonfm ポール柱脚の曲げ応力度は せん断応力度は τb =Pmax /A=0.014 t/cm2 ≦1.35tonf/cm2
【0064】以上、応力度に問題ないことが分かる。一
方、変形面から検討するため、次の計算をする。ポール
頂部の撓みUmax の計算は下記の通りである。 上記のごとく、1/200 以下となり、木造家屋の地震時
水平変形が抑えられる。
【0065】なお、参考のために別のアプローチ(武藤
清「構造物の動的解析」・衝撃波振動(丸善))で検
討してみる。ポール1本の力積は 衝撃波形をサイン波と仮定した場合の衝突時間・τは T/τ=4.00より衝撃係数・φは φ=0.92 Umax =φPmax /KsよりUmax =1.28cmとなり上記
1.39cmとの差はあまりないことが分かる。
【0066】下記表2、表3に計算例の表を示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】なお、ポール2に設ける横長プレート12は
必ずしも水平のものでなくともよく、VやX字形、さら
に他の形状のものでもよい。前記第1実施形態における
横長プレート8についても同様である。
【0070】また、ポール2は美観的には鋼管にアル
ミ、ステンレス、プラスチック、木材等での化粧24を施
すことができる。かかる化粧24を施した例を図22、図23
に示すが、図22は第1実施形態のタイト式の場合、図23
は第2実施形態のバウンド式の場合である。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように本発明の木造家屋の外
部補強工法は、家屋がパルス的な震動に対しても「足払
い」されないような有効な対策が得られるものであり、
木造家屋の外周部にポールを設けるだけですむので、安
価で、かつ、簡便に、短い施工期間で実現できる。ま
た、既存木造住宅の場合は、居ながらに実現でき、新設
木造住宅の場合でもわずかな付加ですみ、また、外観に
おいてもポールを設けるだけで木造家屋が大きく隠れる
こともないので体裁もよいものである。さらに、関西地
方、九州地方では風の強い処もあり、ポールを耐風圧に
も役に立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木造家屋の外部補強工法の第1実施形
態を示す側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】本発明の木造家屋の外部補強工法の第1実施形
態を示す側面方向からの説明図である。
【図6】本発明の木造家屋の外部補強工法の第1実施形
態を示す平面方向からの説明図である。
【図7】ポールの家屋への緊結部の平面図である。
【図8】ポールの家屋への緊結部の正面図である。
【図9】ポールの家屋への緊結部の斜視図である。
【図10】ポールの家屋への緊結部の側面図である。
【図11】本発明の木造家屋の外部補強工法の第2実施
形態を示す側面図である。
【図12】図7のD−D線断面図である。
【図13】本発明の木造家屋の外部補強工法の第2実施
形態を示す要部の拡大側面図である。
【図14】第2実施形態でのポール頂部の平面図であ
る。
【図15】第2実施形態でのポール頂部の正面図であ
る。
【図16】第2実施形態でのポール頂部の斜視図であ
る。
【図17】第2実施形態でのポール頂部の側面図であ
る。
【図18】本発明の木造家屋の外部補強工法の第2実施
形態を示す側面方向からの説明図である。
【図19】本発明の木造家屋の外部補強工法の第2実施
形態を示す平面方向からの説明図である。
【図20】本発明の木造家屋の外部補強工法の第2実施
形態を実際の家屋に適用した場合の平面図である。
【図21】本発明の木造家屋の外部補強工法の第2実施
形態の変形例を示す外観斜視図である。
【図22】化粧ポールの使用例を示す第1実施形態の斜
視図である。
【図23】化粧ポールの使用例を示す第2実施形態の斜
視図である。
【符号の説明】
1…木造家屋 1a…1階部分 1b…2階部分 1c…コーナー部 2…ポール 3…鉄筋 4…根固め体 5…布基礎 6…土台 7…後施工アンカー 8…横長プレート 9…2階床 10…木造胴差 11…キャップ 12…横長プレート 13…通しボルト 14…受プレート 15…外壁面保護プレ
ート 16…金属ワイヤー 17…根太 18…大梁 19…柱 20a,20b…アングル材 21…接合プレート 22…スクリューボルト 23…フランジ 24…化粧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 一義 東京都中央区銀座8−14−14 株式会社シ ーク研究所内 (72)発明者 鈴木 勇三 東京都中央区銀座8−14−14 株式会社シ ーク研究所内 (72)発明者 山下 守朗 東京都中央区銀座8−14−14 株式会社シ ーク研究所内 (72)発明者 川元 良夫 東京都中央区銀座8−14−14 株式会社シ ーク研究所内 (72)発明者 井上 博 大阪府大阪市中央区南新町1丁目2番10号 東洋シヤッター株式会社 (72)発明者 柳瀬 正敏 神奈川県横浜市磯子区洋光台2−15−11 株式会社柳瀬建築総合研究所内 (72)発明者 斉藤 隆晴 神奈川県鎌倉市扇が谷4−5−8 株式会 社斉藤建設内 Fターム(参考) 2E176 AA09 BB28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造家屋の外周部に下部を地中に埋設し
    て立設するポールをこの木造家屋の周囲を取り囲むよう
    に相互間隔を存して複数添設し、二階床位置でポールと
    木造家屋と緊結したことを特徴とする木造家屋の外部補
    強工法。
  2. 【請求項2】 ポールは横長プレートを設け、このプレ
    ートを介して木造家屋と緊結する請求項1記載の木造家
    屋の外部補強工法。
  3. 【請求項3】 木造家屋の外周部に下部を地中に埋設し
    て立設するポールをこの木造家屋の周囲を取り囲むよう
    に相互間隔を存して複数添設し、二階床位置でポールに
    倒壊時の受けとなる横長プレートを木造家屋に近接して
    設けたことを特徴とする木造家屋の外部補強工法。
  4. 【請求項4】 間隔を存して立設するポールは、相互に
    金属ワイヤーで連結する請求項3記載の木造家屋の外部
    補強工法。
  5. 【請求項5】 ポールは、必要に応じて基礎に結合する
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の木造家屋の
    外部補強工法。
  6. 【請求項6】 ポールは、必要に応じて2階部分まで延
    設する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の木造
    家屋の外部補強工法。
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