JP2000345156A - 土壌用pH改善剤およびその製造方法 - Google Patents

土壌用pH改善剤およびその製造方法

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JP2000345156A
JP2000345156A JP11158839A JP15883999A JP2000345156A JP 2000345156 A JP2000345156 A JP 2000345156A JP 11158839 A JP11158839 A JP 11158839A JP 15883999 A JP15883999 A JP 15883999A JP 2000345156 A JP2000345156 A JP 2000345156A
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sulfur
coal ash
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JP11158839A
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Natsuo Inoue
夏生 井上
Genshi Suzuki
源士 鈴木
Hideo Miyamoto
秀夫 宮本
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に製造でき、取扱いの容易な土壌用pH
改善剤の提供。 【解決手段】 石炭灰および硫黄の混合物からなる土壌
用pH改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌用のpH改善
剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農作業の単純化、機械化とともに農業へ
の化学肥料または薬品による消毒への依存性が高まり、
耕地の酸性老朽化が加速され、土壌の地力の低下を招い
ている。土壌中のpHの変化は、土壌中の養分元素の溶
解度を変化させ、作物への養分元素の吸収に悪影響を及
ぼし、結果として作物の生育異常を引き起こしたり、土
壌中の生態系も変化させ、土壌中の有益な微生物の死滅
や様々な土壌病害を引き起こす要因ともなっており、そ
の改良がなされている。
【0003】土壌のpH変化に対応するためには、土壌
への有機質の施用などが必要であるが、とりあえずは、
化学的に土壌のpHを修正する方法が一般的に行われて
いる。アルカリ性物質を用いて土壌pHを調整する方法
としては、消石灰や重炭酸カリなどの弱アルカリ性物質
などが一般的に用いられているが、散布時に飛散しやす
い、水に対する溶解性が低い、土壌を硬化させるなど安
全性、経済性、作業性に問題があった。炭酸カリや苛性
カリのような強アルカリ性物質は効果はあるが取扱い上
危険性があることから利用されてはいない。また、土壌
のpH降下の目的で硫酸を用いることが考えられるが強
酸性で危険性が高いため一般的使用には向かない。さら
に、製鋼スラグを利用したpH調整剤(特開平07―1
02237)、CaOを含有する鉱物を主要鉱物とする
土壌改良剤(特開平09―040951)などが提案さ
れているが、水に溶解させ上澄と不溶物を別々に使用せ
ねばならなかったり、pH上昇効果しか期待できないも
のであったりした。そこで、安価で取扱いの容易な、さ
らにpHの高い土壌にも低い土壌にも施用できるpH改
善剤の開発が望まれていた。
【0004】一方、石炭灰および硫黄は石炭ボイラーや
石油精製工業から大量に排出され、その処理方法や新た
な用途開発が望まれ、各種の検討がなされてきた。しか
し、エネルギー源の多様化による石炭ボイラーの増設が
進み、石炭の燃焼灰が増加、重油や軽油などの石油製品
の硫黄含有量規制が進み、石油精製段階での脱硫などに
よる硫黄の生成量が増加し、処理方法や新たな用途開発
が追いつかない状況である。
【0005】石炭灰または硫黄を利用する文献上の技術
としては、硫黄華を土壌のpH降下の目的で施用されて
いるが、土壌中のpHが安定するまで時間がかかるため
播種の1ヶ月ほど前から準備することが必要であった
り、硫黄華そのものは危険物であり、一般的な取扱いが
制限されるなど、現実の作業現場では取扱い難いもので
あった。また、微粉炭燃焼灰中にpH調整機能を有した
粉末状のゼオライト鉱物を配合した土壌pH改良剤が提
案されている(特開平01−138289)。しかし、
この土壌pH改良剤は、農地の土壌の状況によって配合
を変化させる必要があり現実的ではない。さらに、石炭
灰などの珪酸を主成分として含有する無機質と燐酸また
は燐酸含有液の反応物にアルカリ成分を添加混合したア
ルカリ性肥料組成物が提案されている(特開昭57―0
38390)。しかし、これも3成分から製造するもの
であり、製造に手間と時間がかかるという欠点があっ
た。以上のように、石炭灰および硫黄は上記の土壌用p
H改善剤としてはまだ有効に活用されてはいなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡単な製造
工程で経済性に優れた、安全で取扱いの簡単な土壌pH
改善剤およびその製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、硫黄および石炭灰の混合物から有効な土壌用pH
改善剤が製造できることを見い出し、この知見に基づい
て本発明を完成したものである。すなわち、本発明の要
旨は下記のとおりである。
【0008】(1) 硫黄および石炭灰の混合物からな
る土壌用pH改善剤。 (2) 硫黄の含有量が15〜60重量%である(1)
記載の土壌用pH改善剤。 (3) 粒径が1〜10mmである(1)または(2)
記載の土壌用pH改善剤。
【0009】(4) 硫黄と石炭灰を110〜150℃
の温度で混合する(1)〜(3)のいずれかに記載の土
壌用pH改善剤を製造する方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の土壌用pH改善剤は硫黄
および石炭灰の混合物からなるものである。通常、石炭
灰はカルシウム、カリウム等を含みアルカリ性であり、
これを酸性土壌に添加すれば土壌のpHを上昇させるこ
とができる。また、硫黄は上述したようにアルカリ性土
壌の改良に用いることができることが知られている。し
かし、両者を混合することにより土壌のpHを調整でき
ることは知られていなかった。通常は、pH上昇剤とp
H降下剤を混合すれば中和作用が起こり、両方の効果が
消滅してしまうと考えられていた。しかし、本発明者ら
は硫黄および石炭灰の混合物は両者の効果を合わせ持
ち、土壌のpHを上昇も降下もさせ得るものであること
を見い出した。すなわち、本発明のpH改善剤は土壌の
pHが極端に高い場合も、極端に低い場合も改良するこ
とができ、中性に近い適度な土壌を作ることができるも
のである。
【0011】本発明の土壌用pH改善剤は硫黄および石
炭灰の混合物であればよく、その他の要件を必要としな
い。また、他の物質が混合されていても差し支えはな
い。例えば、造粒用のバインダー、農業用に使用する場
合は肥料、農薬など、あるいは単に増量剤としての砂、
土などを混合してもよい。しかし、製造や取扱いの容易
さからは、硫黄の含有量が15〜60重量%であること
が好ましい。また、取扱いや効果の発現速度を考えると
粒径が1〜10mmであることが好ましい。さらに、工
業的製造の観点からは、硫黄と石炭灰を110〜150
℃の温度で混合することが好ましい。
【0012】以下に本発明の土壌用pH改善剤の原料お
よび製造方法につき詳細に説明する。 1.石炭灰 原料石炭灰には特に制限はないが、石炭の燃焼等により
生成する灰分であって、主に石炭焚きボイラーから発生
する灰、好ましくは流動床燃焼ボイラー、微粉炭燃焼ボ
イラーから排出されるフライアッシュが用いられる。通
常は、CaOを含み、1〜100ミクロン程度の粒径を
有するものが好ましい。また、水を懸濁させた場合、上
澄がアルカリ性を示すものが好ましい。
【0013】2.硫黄 特に制限はないが、石油や天然ガスの精製段階での副生
成物が好ましい。純度は特に制限はないが、植物に対し
て毒性を示す物質を含まないことが必要である。製造上
は予め、0.1〜5.0mm程度に粉砕しておくことが
好ましい。硫黄の含有量は硫黄と石炭灰の合計量に対し
15〜60重量%、さらには20〜50重量%が好まし
い。15重量%未満では、粒状混合物を作り難い、60
重量%を超えると硫黄と石炭灰の均一混合が難しくな
る。
【0014】3.製造方法 ・混合方法 バッチ式混練機でも連続混練機でもよいが、150℃程
度まで加温できるものを用いればよい。バッチ式混練機
であれば、石炭灰を所望の重量投入し所望の温度に加温
してから、粒状硫黄を所望の重量投入し温度調節しなが
ら混練する。分離した硫黄が混合物中に存在しなくなる
のを確認した時点を混合終了とすればよい。
【0015】・混合温度 土壌用pH改善剤製造の為の石炭灰と硫黄の混合温度は
110〜150℃、さらには120〜140℃が好まし
い。110℃未満では硫黄の流動性が高く石炭灰との均
一混合がむずかしく、150℃を超えると硫黄の流動性
が増し石炭灰への絡み付きが充分確保されず、硫黄と石
炭灰が混合中に分離しやすくなる。
【0016】・造粒 混合終了後、混合物の温度を90〜110℃に保ちなが
ら、顆粒造粒器に投入し、1〜10mmに粒状化するこ
とが好ましい。これを室温まで冷却すれば好適な土壌用
pH改善剤ができあがる。この土壌用pH改善剤は農業
用、その他の土壌のpHを中性付近に改善することがで
きる。土壌への施用量は特に制限はないが、通常は、1
0〜500kg/アール、さらには30〜300kg/
アールとすることが好ましい。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これらの実施例になんら制限されるものではな
い。 1.土壌用pH改善剤の製造 〔製造例1〕200Lの外部加温式ホイール型混練機
(内部温度130℃)にフライアッシュ(pH12.
1、遊離CaO5重量%、平均粒径48ミクロン)48
kgを投入し、フライアッシュ温度が120℃になった
ことを確認してからさらに硫黄(粒径0.1〜5.0m
m)58kgを投入した。これを130℃で攪拌し、硫
黄が溶融した後、1時間混合した。その後、この混合物
が90〜110℃になったところで顆粒造粒機に投入
し、粒径3〜5mmの硫黄、石炭灰混合物の粒状物を得
た。これを土壌用pH改善剤1として、その混合状態お
よび分散性につき評価した。評価結果を表1に示した。
【0018】〔製造例2〜11]石炭灰の種類、および
石炭灰と硫黄の量を表1の様に変更した以外は、実施例
1と同様にして土壌用pH改善剤2〜11として、その
混合状態および分散性につき実施例1と同様にして評価
した。評価結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】2.土壌への施用効果の評価 〔実施例〕土壌試験用1/1000アールビニールポッ
トに、裸地砂土に上記製造例11で製造した土壌用pH
改善剤11を3重量%含んだ土壌試料を充填し、1回/
日充分に散水をしてビニールハウス内で15℃に保持し
た。表2に示す測定日毎に土壌試料を30cc分取し、
75ccの蒸留水を加え充分に攪拌し、静置後上澄み液
のpHを測定した。これを土壌のpHとして経時的にそ
の結果を表2に示した。
【0021】〔比較例〕土壌試料を土壌用pH改善剤を
含まない裸地砂土のみとした以外は実施例と同様にし
て、土壌試料を経時的にpH測定した。結果を表2に示
した。
【0022】
【表2】
【0023】本発明の土壌用pH改善剤を施用したアル
カリ性土壌は最初はpHが高くても徐々にpHが下が
り、14日以降は中性に近い状態で安定する。一方、土
壌用pH改善剤を施用しなかったアルカリ性土壌は最初
はpHが一時的に下がるが、その後、また上がり14日
以降はかなり高いpHで安定することがわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明では、安全で、簡単で経済的な製
造工程で製造できる有効な土壌用pH改善剤を提供でき
る。また、石炭灰および硫黄の簡単な活用方法としても
有効である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄および石炭灰の混合物からなる土壌
    用pH改善剤。
  2. 【請求項2】 硫黄の含有量が15〜60重量%である
    請求項1記載の土壌用pH改善剤。
  3. 【請求項3】 粒径が1〜10mmである請求項1また
    は2記載の土壌用pH改善剤。
  4. 【請求項4】 硫黄と石炭灰を110〜150℃の温度
    で混合する請求項1〜3のいずれかに記載の土壌用pH
    改善剤を製造する方法。
JP11158839A 1999-06-07 1999-06-07 土壌用pH改善剤およびその製造方法 Pending JP2000345156A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018198301A1 (ja) * 2017-04-28 2020-05-14 東洋エアゾール工業株式会社 クラッキングエアゾール組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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