JP2000343583A - 架橋ポリエチレン管の製造方法 - Google Patents

架橋ポリエチレン管の製造方法

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JP2000343583A
JP2000343583A JP11159675A JP15967599A JP2000343583A JP 2000343583 A JP2000343583 A JP 2000343583A JP 11159675 A JP11159675 A JP 11159675A JP 15967599 A JP15967599 A JP 15967599A JP 2000343583 A JP2000343583 A JP 2000343583A
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organic peroxide
polyethylene
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minute half
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Shinji Terachi
信治 寺地
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スコーチの発生を抑制し、外観良好で品質特
性に優れた架橋ポリエチレン管の製造方法を提供する。 【解決手段】 粉末状の有機過酸化物及びビニルシラン
化合物をマスターバッチとしてを用い、ポリエチレンの
溶融温度より高くかつ粉末状有機過酸化物の1分半減期
温度より低い温度で可塑化し、その後、粉末状有機過酸
化物の1分半減期温度より高い温度で重合する工程を設
けているので、スコーチの原因となる局部的なラジカル
重合反応を引き起こすことなくビニルシラン化合物及び
粉末状有機過酸化物をポリエチレン樹脂マトリックス中
に均一に分散させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリエチレン
管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼管に代えて架橋ポリエチレン管
が、給湯システムや暖房システムの給湯管として用いら
れている。
【0003】従来プラスチックの成形加工に用いられて
きた押出機を用いて、ラジカル反応によりポリエチレン
にシリコーン誘導体をグラフトする方法は、シラン変性
ポリエチレンの製造方法として公知技術であり、今日で
も広く実施されている。
【0004】本技術が開発された当初、固相のポリエチ
レンにビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合
物と有機過酸化物などのラジカル発生剤を加えて混合撹
拌し、一定時間拡散させた後、得られた混合物を押出機
に投入してグラフト重合を完結させる、いわゆるダウ法
が主流をなしていた。
【0005】しかし、この方法では、ホッパー内での樹
脂からのシラン遊離による組成比の変動、さらにはホッ
パー下部のシリンダー内面へのシラン付着による材料食
い込み不良といった不安定現象が起きるという問題があ
った。
【0006】この問題に対し、特公昭52−29338
号公報では、スクリュー押出機においてポリオレフィン
の溶融領域以降の部位で、シリンダーに液体注入孔を設
け、該注入孔よりビニルシラン化合物とラジカル開始剤
との混合液を圧入混合し、シラン変性ポリオレフィンを
得る方法が開示されている。
【0007】更に上記方法において、熱水処理時間を短
縮させる目的で、押出機の中後段領域でシラノール縮合
触媒を注入し、得られた樹脂組成物を先端に接続した成
形ダイより一気に吐出して賦形し成型品を得るいわゆる
1段成型法が、工程簡略化等の利点を有し、好適に用い
られる。
【0008】しかし、この方法によれば、可塑化した樹
脂が高温であるため、ビニルシラン化合物とラジカル開
始剤との混合液が注入されてポリエチレンに接触した瞬
間から、ラジカル開始剤の分解が始まり、ビニルシラン
化合物がポリエチレンに均一混練される前にグラフト反
応が始まる。
【0009】そのため、得られたシラン変性ポリエチレ
ンにおいて、シラン化合物のグラフトは偏在化し不均一
なものとなる。
【0010】その結果、局所的にグラフトした部分は、
その周囲部分との相溶性が悪くなるために、所謂スコー
チとして吐出樹脂組成物の表面に出現し、賦形後は成型
品の外観を悪化させるばかりでなく、周辺部分との融着
性が低下して成型品に亀裂や破壊等を引き起こし易くな
る等の問題がある。
【0011】また、ビニルシラン化合物の不均一グラフ
トに起因して、架橋密度にバラツキが生じるため、これ
が、得られた成型品に伸び、抗張力などの機械的強度の
低下をもたらす。
【0012】また、ビニルシラン化合物を直接押出機に
注入する事により、バレル、スクリューの金属部にビニ
ルシラン化合物が接触するため、ビニルシラン化合物の
付着硬化が起こり、やはり、スコーチとなって樹脂組成
物の表面に出現する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、 上記従来技
術の問題点を解決し、グラフト反応を均一に行い、スコ
ーチの発生を抑制し、外観良好で品質特性に優れた架橋
ポリエチレン管の製造方法を提供する目的でなされたも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による架橋ポリエチレン管の製造方法は、重合
触媒としてメタロセン化合物を用いて重合された密度
0.932から0.941g/cm3 のポリエチレン系
樹脂、及び、ビニルシラン化合物のマスターバッチ、並
びに、1分半減期温度が150℃以上250℃以下の粉
末状有機過酸化物を押出機に投入し、ポリエチレンの融
点以下で混練したのちにポリエチレンの融点以上有機過
酸化物の1分半減期温度以下の温度で可塑化させ、次い
で有機過酸化物の1分半減期温度以上の温度で混練し、
シラノール縮合触媒を添加し混練した後、管状に押出成
形し、水雰囲気下に曝してゲル分率65%以上に架橋さ
せる事を特徴とした架橋ポリエチレン管の製造方法であ
る。
【0015】(ポリエチレン)本発明に適用されるポリ
エチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチ
レンとαーオレフィンとの共重合体など、一般にパイプ
用途に市販されている樹脂が適用される。
【0016】上記のα−オレフィンとしては、例えば、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−メチルー1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オ
クテンなどが挙げられる。
【0017】これらポリエチレン系樹脂は、その密度が
0.932g/cm3 から0.941g/cm3 の間に
あることが好ましく、この密度範囲で機械的強度、耐熱
性、耐クリープ性などの諸特性を満たすためには、メタ
ロセン化合物を用いてで重合されたものが好適に使用さ
れるが、諸物性を達成できるものであれば、必ずしもメ
タロセン化合物により重合したものに限らなくても良
い。
【0018】密度が0.932g/cm3 より小さけれ
ば、機械的強度、耐熱性、耐クリープ性などの諸特性が
低くなり、 パイプとしての要求物性を満足させることが
できない。また、密度が0.941g/cm3 より大き
ければ、強度は高くなるが柔軟性が低下し、パイプの施
工性、作業性が悪くなる。
【0019】(ビニルシラン化合物)本発明に適用され
るビニルシラン化合物としては、例えば、ビニルトリス
アルコキシシランがあり、 中でもビニルトリメトシキシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メト
キシエトキシ)シランが好ましい。また、ビニルメチル
ジエトキシシラン、ビニルフェニルジメトキシシラン等
でも良い。
【0020】本発明においては、ビニルシラン化合物
を、マトリックスであるポリエチレン樹脂中に均一に分
散させるため、ビニルシラン化合物をマスターバッチに
して使用する。マスターバッチの主原料は、特に限定す
るものではなく前述のポリエチレン系樹脂であれば良い
が、使用するポリエチレンと同じものであれば特に好ま
しい。
【0021】マスターバッチ中のビニルシラン化合物の
含有量は、3重量%から20重量%が適当であり、より
好ましくは5から10重量%である。3重量%以下では
マスターバッチを製造する時にビニルシランが不均一な
分散状態となり易く、最終的に架橋ポリエチレン管を生
産した場合に、シラン化合物が均一に分散していないも
のができてしまう恐れがある。20重量%を越えるとマ
スターバッチを生産するときにスコーチが発生し、これ
がマスターバッチ中に混入すると、架橋ポリエチレン管
を生産した場合に、外観不良を起こす恐れが大きくな
る。
【0022】また、ビニルシラン化合物のマスターバッ
チの使用量は、最終的に得られる架橋ポリエチレン管の
ゲル分率が必要十分に達成できる量が必要であり、特に
限定されるものではないが、最終的に得られる架橋ポリ
エチレン管のビニルシラン量が0.5重量%から10重
量%となり、好ましくは1重量%から5重量%となるよ
う使用される事が必要である。
【0023】ビニルシラン量が0.5重量%より少なけ
れば、架橋ポリエチレン管のゲル分率が十分高くなら
ず、 機械強度、耐熱性、耐クリープ性等の諸特性が十分
向上しない。10重量%を越えるとシラン変成ポリエチ
レンの溶融粘度が高くなりすぎて押出機に過負荷がかか
り、作業性が低下したり伸張率や熱融着性などが低下し
て成形性を著しく悪化させるばかりか、ビニルシラン化
合物が系中に未反応物として残留する可能性が高くな
る。
【0024】(触媒)ラジカル重合触媒として作用する
有機過酸化物は、粉末状で1分半減期温度が150℃以
上、250℃以下であることが好ましい。1分半減期温
度が150℃より低ければ、有機過酸化物が分散する前
に反応が進行し、ビニルシラン化合物の均一なグラフト
反応が望めないばかりか、局所的な過酸化物架橋が進行
して管の外観不良がおこる。又、250℃以上だと、ビ
ニルシラン化合物のグラフト反応が進行しにくく、著し
い強度低下がおきる。
【0025】またその形状は粉末状であることが望まし
い。液状であれば、最初にポリエチレン樹脂に混合した
ときに樹脂表面に吸着もしくは吸蔵してしまい、有機過
酸化物の分散が悪くなってしまう恐れがあるからであ
る。
【0026】このような有機過酸化物としては、例え
ば、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0027】有機過酸化物の使用量は特に限定されるも
のではないが、0.01重量%から5重量%の範囲がよ
く、更に好ましくは0.02重量%から2重量%であ
る。0.01重量%より少ないと、グラフト化反応が十
分進行しないので、所望のゲル分率が得られず、5重量
%を越えるとポリエチレン中における遊離ラジカル部位
が多くなりすぎ、所謂過酸化物架橋が進行するので、ス
コーチの発生、表面平滑性の低下、粘度の異常上昇等が
起こり、作業性、管の外観が悪化する。
【0028】シラノール縮合触媒としては、シラノール
間の脱水縮合を促進する触媒として一般的に用いられる
任意の化合物であれば良く、例えば、ジブチル錫ジラウ
レート、ジオクチル錫ジラウレート、、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第1錫、ナ
フテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、エチルアミン、ジブ
チルアミン、ヘキシルアミン、ピリジンなどの化合物、
硫酸、塩酸等の無機酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ス
テアリン酸、マレイン酸、等の有機酸等が挙げられ、こ
れらの1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、中
でもジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレー
トがより好適に用いられる。
【0029】上記シラノール縮合触媒の使用量は、0.
001重量%から5重量%の間が良く、より好ましくは
0.005重量%から1重量%である。0.001重量
%より少ないと触媒機能が十分に発揮されないので架橋
工程に長時間を要し、5重量%を越えると押出機内で早
期架橋が起こり、スコーチが発生する。
【0030】(その他の配合成分)本発明においては、
上述した各成分の他に、必要に応じて熱安定剤、紫外線
吸収剤、有機及び/又は無機充填材、顔料、染料、加工
助剤などのうちから、1種類もしくは2種類以上が選択
され添加されても良い。
【0031】適用できる紫外線吸収剤としては、、例え
ば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,αジメトキシベンジル)フェニル]2H−ベンゾ
トリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾト
リアゾール系化合物が好適に使用される。
【0032】(ゲル分率)押出機から賦形金型を通って
押し出されたポリエチレン系樹脂管は、水存在下で縮合
し架橋ポリエチレン管になる。この時、架橋ポリエチレ
ン管のゲル分率が65% 以上となるよう架橋する。ゲル
分率が65%以下であるとクリープ特性が劣る。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の工程
を説明する説明図である。
【0034】(工程1)押出機のホッパーHに、予め計
量されたポリエチレン系樹脂R、ビニルシラン化合物の
マスターバッチM及び粉末状有機過酸化物C1を投入
し、押出機にシリンダーにフィードする。この工程で
は、シリンダー内の温度がポリエチレン系樹脂の溶融温
度より低く保たれているので、ポリエチレン系樹脂R、
ビニルシラン化合物のマスターバッチM及び粉末状有機
過酸化物C1の混合物は、固形状態を保ったまま十分に
混合される。
【0035】本発明の架橋ポリエチレン管の製造に使用
される製造機は、プラスチック製管の押出成形に使用さ
れる一般的な押出機が適用可能であり特に限定されるも
のではないが、1軸スクリュー押出機、2軸スクリュー
押出機、3本以上のスクリューを備えた多軸スクリュー
押出機などが挙げられいずれも好適に用いられる。
【0036】ポリエチレン系樹脂Rは、通常押出機のホ
ッパーHから投入される。なお定量性を増すためスクリ
ュー式フィーダー、重量管理式フィーダーを具備させる
こともある。
【0037】また、ビニルシラン化合物のマスターバッ
チM及び粉末状有機過酸化物C1の投入方法は、特に限
定されるものではないが、、ポリエチレン系樹脂Rとと
もに両者を予め混合しホッパーHから投入する方法や、
それぞれ別々にポリエチレン系樹脂Rとともにホッパー
Hから投入する方法などが挙げられる。
【0038】(工程2)工程2は、工程1につづくシリ
ンダーの次の部位であり、シリンダー内の温度をポリエ
チレン系樹脂Rの溶融温度より高くかつ粉末状有機過酸
化物の1分半減期温度より低く保たれている。押出機ス
クリューによりシリンダー内を進行した上記混合物は、
ポリエチレン系樹脂R及びビニルシラン化合物のマスタ
ーバッチMの主成分であるポリエチレン系樹脂が溶融し
てマトリックスベースとなり、粉末状有機過酸化物C1
及びビニルシラン化合物は、溶融したポリエチレン系樹
脂Rの溶融したマトリックス中に均一に分散される。
【0039】この工程2の温度は、粉末状有機過酸化物
C1の1分半減期温度より低いとはいうものの、粉末状
有機過酸化物C1は若干の分解を起こし、部分的にビニ
ルシラン化合物はポリエチレン系樹脂Rにグラフトされ
る。これを抑えるために、シリンダー温度をポリエチレ
ン系樹脂Rの溶融温度をわずかに超える程度とすること
が望ましいが、溶融粘度が高くなって混練に大きなトル
クが必要となり、結果的に大型の押出機が必要となって
しまう恐れが大きいので、通常は経済性を加味して、多
少のビニルシラン化合物のグラフトがあっても、製品中
の架橋密度が均一でスコーチの発生のない程度まで温度
を上げることが行われる。
【0040】(工程3)工程3は、工程2に続くシリン
ダーの次の部位であり、シリンダー内の温度は粉末状有
機過酸化物C1の1分半減期温度以上に保たれている。
この工程では、有機過酸化物C1が分解を起こしてラジ
カル重合が行われ、ビニルシラン化合物はポリエチレン
系樹脂Rにグラフトされるが、前工程2で、ビニルシラ
ン化合物は充分均一にポリエチレン系樹脂Rの溶融した
マトリックス中に分散されているので、ビニルシラン化
合物のグラフト枝は均一な分散状態となってマトリック
ス中に存在することになる。
【0041】(工程4)工程4は、工程3に続くシリン
ダーの次の部位であり、シリンダー内の温度はポリエチ
レン系樹脂Rの溶融温度より高く保たれている。この工
程ではシラノール縮合用触媒C2がシリンダー中に投入
され、前工程3でビニルシラン化合物をグラフトされた
ポリエチレン系樹脂Rに混練され、マトリックス中に均
一に分散される。但し、この工程では水分がないためシ
ラノール縮合反応は起こらない。
【0042】シラノール縮合触媒C2の投入方法は、特
に限定されないが、押出機のシリンダーバレルに設けた
液体注入孔から、圧送式ポンプ等を用いて投入する方法
や、予めポリエチレン系樹脂とシラノール縮合触媒とを
溶融混練して製造された触媒マスターバッチを押出機途
中のシリンダーバレルに取り付けられたサイドフィーダ
ーを用いて投入する方法などが挙げられる。
【0043】(工程5)工程5は、溶融したポリエチレ
ン系樹脂Rを金型から押し出し、パイプ形状を賦形する
工程である。通常の賦形金型と温度条件で行われる。
【0044】(工程6)工程6は、工程5に続くポリエ
チレンパイプの架橋工程である。。本発明の製造方法で
は、ビニルシラン化合物をグラフトしたポリエチレン系
樹脂Rを管状に賦形した後管を水分Vと接触させ、工程
4で混練したシラノール縮合触媒C2によってグラフト
されているビニルシラン化合物をシラノール縮合反応に
よって架橋させ、架橋ポリエチレン管を製造するが、こ
の方法としては、高温蒸気浴処理法、高温熱水浸漬処理
法、水中浸漬法等が挙げられる。
【0045】高温水蒸気浴処理法、高温熱水浸漬法など
では、水分Vとして100℃以上の水蒸気または加圧水
が、水中浸漬法では沸点に近い水が使用され、それぞれ
反応完了時間までその状態が維持される。
【0046】(作用)このように、本発明では、ポリエ
チレン系樹脂Rがメタロセン化合物により重合したもの
であり、その密度が0.932から0.941の間にあ
るので、得られる架橋ポリエチレン管は強度及び柔軟性
のバランスがとれたものとなる。
【0047】またビニルシラン化合物をマスターバッチ
Mとしているので、ベースのポリエチレン系樹脂Rに混
合させるときに混合し易くかつ均一な混合が可能とな
る。またラジカル発生剤が粉末状有機過酸化物C1であ
るため、添加直後にマトリックス樹脂Rに吸着又は吸蔵
されることが少なく、従ってマトリックス中で均一な分
散が可能となる。
【0048】更に、ポリエチレン系樹脂Rの溶融温度よ
り高くかつ粉末状有機過酸化物C1の1分半減期温度よ
り低い可塑化工程を設けているので、スコーチの原因と
なる局部的なラジカル重合反応を引き起こすことなくビ
ニルシラン化合物及び有機過酸化物C1をポリエチレン
系樹脂Rの溶融したマトリックス中により均一に分散さ
せることが可能となる。
【0049】(実施例)重合触媒にメタロセン化合物を
用いて得られたポリエチレン樹脂(ダウケミカル社製、
商品名「XUS59900.20」、密度0.94、メ
ルトインデックス0.80g/10min)に対し、ビ
ニルトリメトキシシランの10重量%含有マスターバッ
チ(樹脂;ダウケミカル社製、商品名「XUS5990
0.20」)が20重量%、粉末状有機過酸化物(日本
油脂社製、商品名「パーミクルD」、1分半減期温度1
75.2℃)が0.07重量%となるように混合した
後、押出機(日本製鋼社製「TEX−44」、スクリュ
ー直径47mm、L/D=45.5)に投入し、140
℃で溶融可塑化し、190℃で混連を行った後、バレル
途中に設けられた液体注入孔よりシラノール縮合触媒
(和光純薬社製、ジブチル錫ジラウリレート)を6g/
Hrの供給量でプランジャーポンプ(日本精密化学社
製、NP−KX−120)により圧入した。
【0050】この溶融組成物をパイプ形状に賦形し、次
いで冷却固化させた。
【0051】上記のパイプ成形を連続2日間行い、この
間のスコーチの発生及び縮合物の付着を目視で観察し
た。評価結果を表1に示す。なお、スコーチの発生及び
縮合物の付着の有無の基準は、押出機から押し出される
パリソンを目視で観察し、それらが確かめられると「有
り」とした。
【0052】また、上記の成型体を110℃の蒸気中に
24時間放置して架橋を進行させ、架橋ポリエチレン管
を得た。
【0053】得られた製品のゲル分率をJIS K67
69に基づき測定を行った。また、クリープ試験をJI
S K6769に基づき、95℃1時間について測定を
行った。これらの結果をまとめて表1に示す。
【0054】(比較例1)溶融可塑化温度を190℃に
した以外は、実施例と同じとした。
【0055】(比較例2)混練温度を140℃とした以
外は、実施例と同じとした。
【0056】(比較例3)ポリエチレン樹脂にチーグラ
ー触媒を用いて得られたポリエチレン系樹脂(ダウケミ
カル社製、商品名「Dowlex2037」、密度0.
935g/cm3、メルトインデックス2.6g/10
min)を用いた以外は、実施例と同じとした。
【0057】(比較例4)液状の有機過酸化物(日本油
脂社製、液体、商品名「パーヘキサ25B」、1分半減
期温度178.3℃)を用いた以外は、実施例と同じと
した。
【0058】(比較例5)ビニルシラン化合物を液体の
まま用い、2重量%の量を添加した以外は、実施例と同
じとした。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】このように、本発明の架橋ポリエチレン
管の製造方法によれば、架橋密度が均一でスコーチもな
くて外観が良く、クリープ特性に優れた高ゲル分率の架
橋ポリエチレンパイプを従来の押出機を用いて製造する
ことが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の工程を示す説明図。
【符号の説明】
C1 粉末状有機過酸化物 R ポリエチレン系樹脂 M ビニルシラン化合物のマスターバッチ H ホッパー C2 シラノール縮合触媒 V 水分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 105:24 B29L 23:00 C08L 23:10 23:26 Fターム(参考) 4F070 AA13 AB21 AC52 AC56 AE08 FA03 FC05 GA01 GA05 GA06 GB02 GB09 GC03 GC07 4F071 AA15 AC08A AC16A AE02A AG05 AH19 BA01 BB06 BC05 4F207 AA04 AB03 AB19 AC08 AG08 AH49 KA01 KA17 KF02 KL88 4F213 AA04 AB03 AB19 AC08 AG08 AH49 WA06 WA36 WA53 WA87 WB02 WE02 WE21 WF02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合触媒としてメタロセン化合物を用い
    て重合された密度0.932から0.941g/cm3
    のポリエチレン系樹脂、及び、ビニルシラン化合物のマ
    スターバッチ、並びに、1分半減期温度が150℃以上
    250℃以下の粉末状有機過酸化物を押出機に投入し、
    ポリエチレンの融点以下で混練したのちにポリエチレン
    の融点以上、有機過酸化物の1分半減期温度以下の温度
    で可塑化させ、次いで有機過酸化物の1分半減期温度以
    上の温度で混練し、シラノール縮合触媒を添加し混練し
    た後、管状に押出成形し、水雰囲気下に曝してゲル分率
    65%以上に架橋させる事を特徴とした架橋ポリエチレ
    ン管の製造方法。
JP11159675A 1999-06-07 1999-06-07 架橋ポリエチレン管の製造方法 Pending JP2000343583A (ja)

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