JP2000342082A - 紙マルチシート - Google Patents

紙マルチシート

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JP2000342082A
JP2000342082A JP11153268A JP15326899A JP2000342082A JP 2000342082 A JP2000342082 A JP 2000342082A JP 11153268 A JP11153268 A JP 11153268A JP 15326899 A JP15326899 A JP 15326899A JP 2000342082 A JP2000342082 A JP 2000342082A
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JP
Japan
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paper
pulp
layer
light
sheet
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JP11153268A
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English (en)
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Hiromi Uchida
広美 内田
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地温上昇抑制効果と植物の成長促進抑制効果を
持ち、さらに雑草防止効果および屋外での機械展張性に
すぐれた紙マルチシートを提供する。 【解決手段】JIS P 8132に基づく抄紙方向の破
断伸びが3〜20%であり、かつ光反射層と着色パルプ
層の2層からなり、着色パルプ層にフミン酸、フミン酸
塩、カーボンブラックから選ばれた少なくとも1種を含
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙マルチシートに関
し、さらに詳しくは過度の地温上昇を抑制しつつ植物の
成長促進効果を有し、かつ高い雑草防止効果を有する紙
マルチシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、農業においては目的とする植
物を育成する際に、雑草の発生防止、保温、土壌水分保
持等のためにポリオレフィン系のプラスチックフィルム
マルチシートが使用されている。また、これらの表面に
アルミニウムを直接蒸着したり、練り込んだりすること
で光を反射させて、果実の成長促進や、害虫忌避効果を
持たせたタイプのフィルムマルチシートも上市されてい
る。しかし、これらのフィルムマルチシートはほとんど
生分解性がないため、使用済みのフィルムの回収、処分
が必要でなり、この作業が農業従事者の負担となってい
る。
【0003】一方、土中で腐食、分解する紙の特性を活
かした紙製マルチシートに関する提案もなされている。
特開平9−176838号公報には、木材パルプを原料
とするキトサン紙層表面に、接着剤層とアルミニウム蒸
着層が設けられたキトサン紙積層体及びその製造方法が
記載されている。しかしながら、表面平滑性に劣る紙基
材の場合、その表面に太陽光線を反射するための鏡面を
設けるのは非常に困難であり、いわゆるキャスト法と呼
ばれる転写方法でしか鏡面性の高い金属蒸着層を設ける
ことは不可能である。また、紙表面に直接金属層を蒸着
した場合、ある程度の反射能力を付与させることは可能
であるが、太陽光線の反射が不十分のため、シートを透
過した光により雑草の発生が懸念される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、地温
上昇抑制効果と植物の成長促進効果を持ち、かつ高い雑
草防止効果および屋外での機械展張性に優れた紙マルチ
シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、地温上昇
抑制効果と植物の成長促進効果を持ち、さらに高い雑草
防止効果を兼ね備えた紙マルチシートについて鋭意研究
した結果、表面に地温上昇抑制や植物の生育促進のため
の光反射層を蒸着、塗工、印刷などにより設け、さらに
紙基材を着色することにより透過光を遮断、吸収して雑
草発生を防止する方法を見出し、本発明を完成させた。
【0006】本発明は、JIS P 8132に基づく抄
紙方向の破断伸びが3〜20%であり、かつ光反射層と
着色パルプ層の2層からなることを特徴とする紙マルチ
シートに関するものである。
【0007】さらに本発明は、前記着色パルプ層が、フ
ミン酸、フミン酸塩、カーボンブラックから選ばれた少
なくとも一種を含有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の紙マルチシートにおける
着色パルプ層は、セルロースパルプを主成分として湿式
の抄紙機で抄紙して得られ、その際の木材パルプと古紙
パルプの原料配合率は適宜選択される。古紙パルプは段
ボール古紙、新聞古紙等いずれでも良く、古紙の種類に
よる制限はない。古紙パルプを使用すると、表面積が大
きい微細繊維が多いため光散乱が大きく、またインキな
どの着色性不純物が付着しているので光の吸収が大きく
遮光率が高くなる。紙の坪量は特に限定しないが、30
〜200g/m2の範囲で適宜選択する。坪量30g/m2
満では、マルチ展張後一定期間の紙マルチシートの強度
を保持できず、坪量200g/m2を越えると紙の重量、
厚さの数値が大きすぎて展張作業が困難となる。 坪量
が低い場合は、紙マルチシートの強度を向上させるため
に、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を使用する
ことが好適である。
【0009】着色に使用される薬剤としては、フミン
酸、フミン酸塩、カーボンブラック等が挙げられる。フ
ミン酸塩は腐植酸と呼ばれるフミン酸の塩で、若年炭
(亜炭、褐炭など)をアルカリで中和したものである。
種類としてはアルカリ金属塩、アンモニウム塩がある。
フミン酸自体は不溶性であるが、1価の金属塩は水溶性
であり、2価以上の金属とはキレート結合して不溶性の
塩となる。そのため、水溶性の1価の塩として添加する
が、紙マルチシート着色層中にはフミン酸またはフミン
酸の2価以上の金属塩として定着する。フミン酸塩の添
加率はパルプに対して0.05〜15重量%、好ましく
は1〜5重量%添加すればよい。0.05重量%未満で
は遮光率の増加がほとんどなく、15重量%を越えても
遮光率は向上せず、効果は頭打ちとなる。添加方法は、
原料スラリーに濃度15〜20重量%のフミン酸塩の水
溶液を添加し、さらに2価以上の金属塩を添加して抄紙
すればよい。
【0010】カーボンブラックの添加量は、パルプに対
して0.05〜15重量%、このましくは1〜5重量%
使用すればよい。0.05重量%未満だと遮光率の増加
はほとんど見られず、15重量%を越えても遮光率はそ
れ以上向上しない。
【0011】その他の着色剤としては、アセチレンブラ
ック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、ミネラルブラッ
ク、アニリンブラック、酸化鉄、アンバー、パーマネン
トブラウン、パラブラウン等の顔料、また、C.I.Direct
Black 19、C.I.Direct Black 22、C.I.Direct Black 3
2、C.I.Direct Black 38、C.I.Direct Black 51、C.I.D
irect Black 56、C.I.Direct Black 62、C.I.Direct Bl
ack 71、C.I.Direct Black74、C.I.Direct Black 75、
C.I.Direct Black 77、C.I.Direct Black 105、C.I.Dir
ect Black 106、C.I.Direct Black 107、C.I.Direct Bl
ack 108、C.I.Direct Black 112、C.I.Direct Black 11
3、C.I.Direct Black 132、C.I.Direct Black 146、C.
I.Direct Black 194、C.I.Acid Black 1、C.I.Acid Bla
ck 2、C.I.Acid Black 346等の染料が挙げられる。
【0012】光反射層は、金属蒸着、印刷、塗工により
着色パルプ層上に設ける。使用する作物や環境条件に応
じてその光反射性の高低を考慮し、方法を選択すれば良
い。蒸着の場合は、直接蒸着法、転写蒸着法のいずれで
も良い。直接蒸着法は、基材表面に樹脂を塗工して平滑
な樹脂層を設け、そこへ蒸発源で加熱されて発生した金
属蒸気を付着させて均一な光沢のある金属層を形成させ
る方法である。転写蒸着法は、フィルム上に金属を蒸着
し、接着剤を介して基材と金属層を貼合したのちフィル
ムを剥離して、基材に金属層を転写させる方法である。
印刷の場合は、アルミニウム粉またはアルミニウム粉を
石油溶剤中に分散させたアルミニウムペーストをビヒク
ルに混入して作られた銀インキや、雲母に酸化チタンを
コーティングして作った銀色のパール顔料やアルミニウ
ム粉を透明で淡色のインキに混合して作ったパールイン
キ等を用いる。太陽光の反射を大きくするためには、リ
ーフィングタイプのアルミニウム粉を用いると鱗片状の
アルミニウム粒子が表層に配列して乱反射し、反射の度
合いがより高まる。印刷方法は、平判、グラビア、スク
リーンなど特に限定されない。塗工の場合は、主にパー
ル顔料により金属光沢を持たせた塗料を用いる。塗工方
法は、バー塗工、エアナイフ塗工、ロール塗工、ブレー
ド塗工など、特に限定はされない。
【0013】マルチシートの展張はハウス栽培等では手
張りで行う場合が多く、特に伸張性は要求されないが、
屋外栽培では機械展張が多く、マルチシートの伸張性が
重要な作業適性となってくる。すなわち、展張する場所
の形状が、平畦、平高畝、丸畦等様々であり、これらの
形に沿わせる様に引っ張りながら張られていくため、適
度な伸張性が具備されていない場合シートが破れて使い
ものにならない。必要とされる伸びは、抄紙方向の引張
破断伸びで3〜20%、好ましくは5%以上であればよ
い。破断伸びが3%未満では機械展張の際に破れやす
く、破断伸びが20%を越えても取り扱い性に差がなく
なる。伸張性を付与するには、伸張性付与加工、クレー
プ加工等いずれでも良い。
【0014】また、これらの加工を施したあとでも、光
反射層を付与するための印刷、塗工、蒸着は問題なく実
施でき、目的とするレベルの反射層を容易に付与させる
ことができる。
【0015】本発明によって得られる紙マルチシート
は、表面に地温上昇抑制や植物の生育促進のための光反
射層を蒸着、塗工、印刷などにより設け、さらに紙基材
を着色することにより透過光を遮断、吸収して雑草発生
を防止する。また、伸張性に優れるため、屋外での機械
展張にも耐えうる。
【0016】
【実施例】本発明をいっそう理解しやすくするために、
以下に実施例を示すが、下記の実施例は本発明を制限す
るものではない。文中の%は固形分重量%を示す。 実施例1 下記の配合のスラリーを調成後、長網抄紙機によって抄
紙し、クルパック加工を施して伸張性を付与して、坪量
50g/m2、破断伸び4.5%の紙マルチシート原紙
を製造した。 針葉樹未晒クラフトパルプ(CSF 350ml) 60% 古紙パルプ 40% 内添サイズ剤 対パルプ0.6% (商品名 サイズパインE、荒川化学株式会社製) 硫酸バンド(pH4.5に調整するため) 対パルプ5.0% フミン酸ナトリウム(商標:CH−02、テルナイト製)対パルプ3.0% 次に、下記配合の金属粉顔料入りインキを用いて、5g
/m2平判印刷し、紙マルチシートを得た。金属粉顔料入インキ アルミニウム粉 55% ロジン変性フェノール樹脂ワニス 30% ゲルワニス 9% 号外ワニス 3% ドライヤー 3%
【0017】実施例2 実施例1の紙基材上に、二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム上に真空蒸着機により厚さ250Aのアルミニウム蒸
着層を形成し、その表面に二液硬化方ポリウレタン系接
着剤を塗布し、上記の基材と貼り合わせた。その後40
℃の環境下で24h放置して接着剤を硬化させ、転写材
のポリプロピレンフィルムを剥離して、光反射層を有す
る紙マルチシートを得た。
【0018】比較例1 厚さ6μmのアルミニウム蒸着フィルム(商品名;トウ
カンボーチュシルバーL、東カン興業(株)製)。
【0019】比較例2 フミン酸ナトリウムを未添加としたこと以外、坪量及び
光反射層の設け方は実施例1と同様である紙マルチシー
ト。
【0020】比較例3 原紙の原料、薬品配合、坪量及び光反射層の設け方は実
施例1と同様であるが、クルパック加工による伸張性付
与を行わずに、破断伸び1.9%とした紙マルチシー
ト。
【0021】比較例4 実施例1の紙基材を紙マルチシートとした。
【0022】実施例1、2、比較例1〜4で得られたマ
ルチシート各々について、図1に示した平畦に手張りで
展張し、何も展張しない裸地とあわせて果菜(きゅう
り)について栽培実験を行った。試験結果を表1に示
す。 1.地温測定試験 図1に示す畦の地表下5cmに温度センサーを埋め込
み、地温を測定した。表1より、比較例1のフィルムマ
ルチと比較して、実施例1、2及び比較例2〜4の紙マ
ルチシートを用いた場合は、地中蒸気の拡散作用により
地温を下げることができた。 2.雑草防止効果の確認 栽培期間中に発生した雑草の量を比較した。表1より、
着色パルプ層を持つ実施例1、2及び比較例3、4は、
透過光を遮断するために雑草の発生を抑制する働きが高
いことがわかる。 3.成長促進効果の確認 栽培後結実したきゅうりの重量を比較した。表1より、
光反射層を持つマルチシートは、果菜下部からも光を受
けて果菜が比較的大きくなる。また、株毎の生育のバラ
ツキもなかった。 4.機械展張性の確認 実施例1、2、及び比較例1〜4で得られたマルチシー
トを、図1に示す平畦、平高畦、丸畦にマルチャーによ
り展張し、その展張適性を観察した。 ○:展張良好、問題なし。 ×:展張不可、途中で破れる。 表1から、伸縮加工を施すと、全ての畦に対応できるこ
とがわかる。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の紙マルチシートは、地温抑制効
果と植物の成長促進効果をもち、さらに高い雑草防止効
果があり且つ機械展張適性に優れた紙マルチシートであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、2、比較例1〜4のマルチ
シートをマルチャーで展張テストした畦の断面図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】JIS P 8132に基づく抄紙方向の破
    断伸びが3〜20%であり、かつ光反射層と着色パルプ
    層の2層からなることを特徴とする紙マルチシート。
  2. 【請求項2】前記着色パルプ層が、フミン酸、フミン酸
    塩、カーボンブラックから選ばれた少なくとも一種を含
    有する請求項1記載の紙マルチシート。
JP11153268A 1999-06-01 1999-06-01 紙マルチシート Pending JP2000342082A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104893273A (zh) * 2015-06-25 2015-09-09 井冈山大学 一种腐植酸/ppc树脂共混改性可降解固态地膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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