JP2000340170A - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置

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JP2000340170A
JP2000340170A JP11149328A JP14932899A JP2000340170A JP 2000340170 A JP2000340170 A JP 2000340170A JP 11149328 A JP11149328 A JP 11149328A JP 14932899 A JP14932899 A JP 14932899A JP 2000340170 A JP2000340170 A JP 2000340170A
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ion
ion trap
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voltage
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Akihiko Okumura
昭彦 奥村
Tsudoi Hirabayashi
集 平林
Hideaki Koizumi
英明 小泉
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体または気体試料中の混合成分を高感度に測
定できる小型の質量分析装置を提供する。 【解決手段】四重極イオントラップ型質量分析計を用
い、イオントラップ1に成分Aのイオンのみ、または成
分Aのイオンを含む混合成分が入射している間、イオン
トラップ1を用いて試料中の成分Aのイオンのみを蓄積
した後に、スイッチ10を切り換えて、イオンを蓄積す
るための交流電場の印加を停止すると同時に、イオン導
入口5からイオン排出口6に向かうDC電場を形成し、
蓄積したイオンをイオン排出口6から排出して検出器5
0で検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試料または気
体試料中に存在する成分をイオン化して質量分析を行う
分離分析装置に関する。また、液体試料または気体試料
を分離手段を介さずに導入し、液体試料または気体試料
中に存在する成分をイオン化して質量分析を行う分析装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体試料または気体試料中に存在する混
合成分の分離には、液体クロマトグラフィー(Liquid
Chromatography:LC)やガスクロマトグラフィー(Ga
s Chromatography:GC)、キャピラリー電気泳動法
(Capillary Electrophoresis:CE)などの方法があ
る。これらの分離方法と、物質の同定能力に優れた質量
分析法(Mass Spectrometry:MS)とを結合した分析
法、すなわち液体クロマトグラフィー/質量分析法(Li
quid Chromatography/Mass Spectrometry、以下LC
/MSと省略する)やガスクロマトグラフィー/質量分
析法(Gas Chromatography/Mass Spectrometry、以
下GC/MSと省略する)、キャピラリー電気泳動/質
量分析法(Capillary Electrophoresis/Mass Spectr
ometry、以下CE/MSと省略する)が、多くの分野で
分析に利用されている。
【0003】LC/MSの代表的な装置では、LCから
流出した液体試料中の成分を、エレクトロスプレー法や
ソニックスプレー法などの大気圧イオン化法を用いてイ
オン化し、四重極イオントラップ(以下、単にイオント
ラップと呼ぶ)型質量分析計に導入して質量分析する。
イオントラップ型質量分析計では、イオンをイオントラ
ップ内に蓄積することができるため、高感度であるとい
う特徴がある。
【0004】イオントラップの原理を簡単に説明してお
く。代表的なイオントラップである回転双曲面型イオン
トラップは、リング電極と二枚のエンドキャップ電極か
ら構成される。二枚のエンドキャップ電極の中心部に
は、イオン導入口およびイオン排出口が開けられてい
る。エンドキャップ電極とリング電極との間には、振幅
Vac、周波数Ωの交流電圧と、直流電圧Vdcが重畳して
印加される。イオントラップに入射したイオンのうち、
後述する安定条件を満たすイオンは、イオントラップの
内部に捕捉され、それ以外のイオンは外部に排出され
る。
【0005】図11は、イオンの安定条件を示す図であ
る。リング電極の内径を2r、交流電圧の振動数をΩと
すると、イオンA、Bは、それらの質量数mと価数zと
の比、m/zの値で決まる点(q,a)=(4zeVac
/mr2Ω2,−8zeVdc/mr2Ω2)にそれぞれ対応
する。上記aとqとの間には、a=−2(Vdc/Vac)
qの関係がある。
【0006】点(q,a)が図中の網掛けした領域内に
存在する場合には、そのイオンはイオントラップの内部
空間で安定な周期運動を行う。そうでない場合には、イ
オンの運動は不安定であり、やがてイオントラップの外
部に排出される。Vdc=0Vであるときには、直線a=
−2(Vdc/Vac)qはq軸と重なる。この場合、Vac
で決まる特定のm/zより大きなm/zを有するイオン
は安定条件を満たし、イオントラップに捕捉される。以
下では、このようなイオン捕捉モードをマルチイオンモ
ードと呼ぶことにする。これに対して、VdcとVacとを
適当な値に設定すれば、図中の直線1に示したように、
例えば、イオンAのみを捕捉することができる。このよ
うに実質的に1種類のイオンを蓄積するモードを、以下
ではシングルイオンモードと呼ぶことにする。
【0007】公知例1(アナリティカルケミストリー、
1991年、63巻、375頁)には、交流電圧の振幅
を走査することにより、蓄積されたイオンを不安定化し
てイオントラップから排出し、排出されるイオンを順次
検出するイオントラップ型質量分析計を用いたLC/M
Sが開示されている。この装置では、マルチイオンモー
ドでイオンを蓄積した後に、交流電圧の振幅を高電圧側
に走査することにより、m/zの小さいものから順に検
出し、質量スペクトルを得ることができる。しかしこの
方法では、蓄積されたイオンの約半数は、イオン導入口
側から排出されて検出器には到達しない。また、電圧を
走査する時点でのイオンの位置や速度ベクトルのばらつ
きのために、検出器への到達時刻にばらつきがある。
【0008】これに対して、公知例2(特開平8−32
9882)には、交流電場を用いてイオンを捕捉してい
る状態で、パルス状のDC電場を重畳することにより、
イオンを排出する装置が開示されている。この装置で
は、イオンは一方向に排出されるため、全てのイオンが
検出器に到達する。また、検出器への到達時刻のばらつ
きも少ない。
【0009】さらに、公知例3(J. Am. Soc. Mass
Spectrom.誌、1996年、7巻、1009頁)に
は、交流電場の印加を停止すると同時に、パルス状のD
C電場を形成してイオンを排出した後、飛行時間測定を
用いて、排出されたイオンの質量スペクトルを取得す
る、飛行時間型質量分析計が開示されている。この装置
では、公知例2の装置よりも、イオンが検出器に到達す
る時刻のばらつきがさらに少ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例1の装置で
は、前記公知例2および3の装置に比べて、排出された
イオンが検出器へ到達する時刻のばらつきが大きく、そ
のためSN比が劣る。一方、前記公知例3の方法では、
公知例1の方法に比べてSN比が高いが、長さ150c
m程度の飛行時間測定部を備えているため装置が大型か
つ高価である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、特定の測定
成分をシングルイオンモードを用いて蓄積した後、公知
例3に開示されているように、交流電場の印加を停止し
てDC電場を形成することにより、イオンを排出して検
出する。この方法では、イオン蓄積時にすでにm/zの
弁別がなされているので、飛行時間測定部は必要としな
い。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明に基づくイオントラ
ップ型質量分析装置の中心部分の構成と測定シーケンス
の一例を示す。イオントラップはリング電極2と二枚の
エンドキャップ電極3と4で構成される。このイオント
ラップは回転双極面型と呼ばれるものであるが、他の形
状のイオントラップを用いることもできる。50はイオ
ン出射側におかれたイオン検出器である。
【0013】エンドキャップ電極3と4の中心部には、
それぞれイオン導入口5とイオン排出口6が開けられて
いる。イオントラップのサイズは、リング電極2の内径
が14mm、エンドキャップ電極3と4との距離が14m
m、イオン導入口とイオン排出口の内径がそれぞれ2mm
である。これらのサイズは一例に過ぎない。
【0014】ガス管7からダンピングガス(通常、ヘリ
ウムガスを用いる)がイオントラップ内に導入される。
ダンピングガスは、捕捉されたイオンの軌道振幅を減少
させてイオントラップの中心部に軌道を収束させる役割
をもつ。
【0015】イオン蓄積時は、リング電極2に交流電圧
と直流電圧が重畳して印加され、エンドキャップ電極3
と4は0V(アース電位)に保たれる。イオン排出時
は、スイッチ10を切り換えることにより、リング電極
2に直流電圧V1が、エンドキャップ電極3には直流電
圧V2が印加される。検出するイオンが正イオンの場
合、V2>V1>0であり、負イオンの場合には、V2
<V1<0である。通常、V2はV1の2倍であるが、
必ずしもそうでなくてもよい。V2の絶対値は、例え
ば、300Vである。この電圧値が大きすぎるとイオン
が加速されすぎ、ダンピングガスとの衝突によりイオン
が解離する確率が高くなる。
【0016】各電極への電圧印加の方法と電圧切換を行
うための制御方法は、ここで示した方法に限定されず、
イオン蓄積用の交流電場とイオン排出用のDC電場との
切換えを実施できればよい。
【0017】成分Aを含む混合成分または成分Aのみが
質量分析計内に入射している間、リング電極2に印加す
る直流電圧VdcとVacを、図11に例示した直線1のよ
うに、成分Aのみを捕捉するシングルイオンモードの条
件に設定する。この条件で一定時間イオンを蓄積した後
に、交流電場の印加を停止し、イオントラップ内にDC
電場を形成し、イオントラップからイオンを排出し、そ
のイオンを検出器50で検出する。
【0018】交流電圧の振幅を走査してイオンを排出す
る方式(以下では、交流電圧走査方式と呼ぶ)でイオン
を排出する場合には、捕捉されていたイオンは、イオン
トラップの中心部を中心にしてz方向に往復運動しなが
ら、次第に振幅が大きくなり、やがてイオン排出口(ま
たはイオン導入口)を通過して排出される。この場合、
イオンの速度は、中心部付近で最も速く、イオン排出口
またはイオン導入口の付近ではz方向の速度が0であ
る。そのため、イオン排出口とイオン導入口では、イオ
ンの運動は、電場の湾曲の影響を受けてリング電極の内
径方向に曲がりやすく、排出されるイオンビームが大き
く発散してしまう。
【0019】従来装置では、イオン導入口とイオン排出
口の電場の歪みを少なくするために、通常、イオン導入
口とイオン排出口にはメッシュ状の電極が張られてい
る。上記メッシュとしては、例えば、タングステンなど
の金属線を縦横に等間隔に配置したものや、金属板をエ
ッチングして微小な穴を密に開けたものが用いられる。
【0020】これに対して、本発明の方式では、排出さ
れるイオンは、次第に速度を増し、イオン排出口におい
て最大速度になる。従って、イオン排出口での電場の湾
曲の影響は少なく、そのため、メッシュは必ずしも必要
ではない利点がある。
【0021】図2は、交流電圧走査方式を用いた場合の
検出器出力のシミュレーション結果を示す。図3に、上
記シミュレーションに用いた回転双曲面型イオントラッ
プのサイズを示した。リング電極2の内径は14mm、二
枚のエンドキャップ電極3と4の間の距離は14mm、イ
オン導入口とイオン排出口は2mm径であり、メッシュ状
電極が張られているとした。ただし、シミュレーション
上では、メッシュ状電極を透過率100%の電極に置き
換えており、従って、開口部での電場の湾曲は無視して
いる。
【0022】リング電極2に周波数800kHz、振幅
Vacの交流電圧を印加し、図3に示したa〜dの4点の
うちの1点にm/z=1000、初期エネルギ0のイオ
ンを配置し、イオントラップ外に上記イオンを出射し、
イオントラップから100mm離れた検出器(図示せず)
に到達するまでの時間を計算した。これをa〜dの各点
につきそれぞれ100回行い、グラフ化した。
【0023】上記図2は、Vac=3000Vの場合の結
果を示す。この図から、イオンが検出器に到達し始めて
から全てのイオンが到達し終わるまでの時間(以下、出
射時間と呼ぶ)は約10マイクロ秒であることがわか
る。Vacを小さくすると、出射時間は次第に長くなり、
例えばVac=2652Vでは600マイクロ秒程度にな
る。Vacがさらに小さくなると、安定条件を満たすよう
になり、イオンは捕捉されたまま出射しなくなる。一
方、Vacを大きくすると、例えばVac=4000Vで
は、出射時間は約7マイクロ秒に短縮される。しかし電
極に衝突して検出器に到達しないイオンが全体の約1割
を占める。従って、交流電圧走査方式では、イオンの出
射時間は短くても10マイクロ秒程度と考えられる。な
お、交流電圧走査方式では、出射時間の最小値は原理的
にm/zに依存しない。また、初期エネルギを考慮して
も出射時間はほとんど変化しなかった。
【0024】図4は、本発明の方式でのイオンの出射時
間の計算結果を示す。出射時間は、イオントラップの内
部空間に均一な傾斜電場を形成した状態で、図3のb点
とe点に初期エネルギ0のイオンを置き、両者の検出器
への到達時刻の差として求めた。検出面の位置はイオン
トラップから100mmとした。図4から、例えばm/z
=1000のイオンでは、エンドキャップ電極間の電圧
が300Vの場合に、出射時間は約1.1マイクロ秒で
あり、交流電圧走査方式の場合の約10分の1であるこ
とがわかる。出射時間はエンドキャップ電極間電圧に依
存し、電圧を小さくすると出射時間が長くなるが、例え
ば、150Vの場合でも出射時間は約1.6マイクロ秒
であり、交流電圧走査方式の5分の1以下である。
【0025】イオンの初期エネルギの大きさは、イオン
トラップ内部の温度が200℃程度であることから、1
00meV程度と見積もられる。初期エネルギのばらつ
きが±100meVであるとき、出射時間は20〜30
%程度しか増加しない。
【0026】出射時間は、交流電圧走査方式とは異な
り、m/zに大きく依存し、m/zが大きいほど出射時
間が長くなる。しかしながら、交流電圧走査方式では、
測定可能なm/zの上限(マスレンジ)は2000程度
であり、このマスレンジでは本発明の方式の方が交流電
圧走査方式よりも出射時間が短い。
【0027】図5は、本発明の方式でのイオンの出射時
間の検出器の位置に対する依存性の計算結果を示す。図
には、エンドキャップ電極間電圧=300V,m/z=
1000、初期エネルギ=0の場合について示した。図
5から、検出器位置が約13mmのときに出射時間は最小
値0になる。以降、出射時間が0となる検出器位置を空
間収束面と呼ぶことにする。検出器位置を空間収束面に
合わせれば、出射時間をほぼ0にすることができ、現実
的な出射時間を初期エネルギのばらつきに起因する約3
00ナノ秒まで短縮することができる。これに対して、
交流電圧走査方式の場合には、シミュレーションの結果
から、検出器の位置の違いは出射時間に殆ど影響しない
ことが分かった。
【0028】従って、本発明の方式では、出射時間を交
流電圧走査方式の約3%程度にすることが可能である。
さらに、交流電圧走査方式では、蓄積したイオンの約半
数がイオン導入口から排出されることを加味すれば、本
発明の方式では、交流電圧走査方式の約60倍の検出感
度が達成される。
【0029】ところで、イオン検出用に通常用いられる
マルチチャンネルプレート(MCP)には、通常、3キ
ロボルト程度の高電圧が印加される。そのため、真空度
が低いと、放電により正常に動作しない問題がある。通
常、イオントラップの内部の真空度は、イオンの捕捉お
よび軌道振幅の収束を行うのに必要な10-3Torr程度に
設定される。イオントラップ外部の真空度は、MCPを
動作させるのに必要な10-5〜10-6Torr程度に維持さ
れるが、イオン排出口に近いほど真空度が低下する。そ
のため、現実的には検出器をイオントラップから13mm
の距離に置くことはできない。そこで通常は、イオント
ラップと検出器との間に加速電場を設けて、よく知られ
た二段加速法の原理を用いることにより、空間収束面を
真空度が十分に高い位置、例えば、イオントラップから
50〜100mm離れた位置に形成し、その位置に検出器
が配置される。
【0030】図6は、平板電極で構成されたイオントラ
ップを用い、二段加速法を用いるイオントラップ型質量
分析計の一部分の構成を示した。イオントラップ31
は、二枚のエンドキャップ電極34と35および二枚の
リング電極32と33で構成される。リング電極32と
33は、厚さ0.5mm程度の円盤状の電極である。エン
ドキャップ電極34と35は、厚さ0.5mm程度の円盤
状の電極の中心に、それぞれイオン導入口とイオン排出
口として2mm程度の穴を開けたものである。
【0031】イオン捕捉モードでは、二枚のリング電極
32と33は同電位であり、直流電圧と交流電圧が重畳
して印加される。イオン排出モードでは、エンドキャッ
プ電極34、リング電極32、リング電極33およびエ
ンドキャップ電極35には、それぞれ電圧V1、V2、
V3、V4(V1>V2>V3>V4またはV1<V2
<V3<V4)が印加される。
【0032】イオントラップ後段には加速電場を形成す
るための、平板リング状の加速電極36〜38が並べら
れる。イオントラップ内の傾斜電場(加速電場)と後段
の加速電場の電場の大きさが同一になるようにイオント
ラップおよび加速電極への印加電圧値を設定すると、両
端の電極を除いてリング部分での電場の湾曲をなくすこ
とができる。
【0033】例えば、二枚のエンドキャップ電極間の距
離を14mm、加速電場の長さを14mmとし、イオントラ
ップ内の傾斜電場と後段の加速電場がそれぞれ均一であ
り、かつ両者の電場の大きさが同一になるようにイオン
トラップおよび加速電極への印加電圧値を設定すると、
空間収束面はイオントラップの出口から約56mmの位置
に形成される。円盤型イオントラップを用いると、イオ
ントラップ内および後段の加速領域に均一な電場を形成
することができる利点がある。そのため、回転双極面型
イオントラップを用いる場合に比べて、より良好な空間
収束を実現でき、従って、計算値により近い出射時間を
実現できる。なお、加速電極は3枚とは限らない。
【0034】図7は、本発明に基づくLC/MSの装置
構成を示す。LC41から流出した液体は、配管42を
通ってイオン源43に導入される。ここで液滴内に存在
する成分のイオンが生成される。イオン源43では、例
えば、エレクトロスプレー法やソニックスプレー法など
の大気圧イオン化法が用いられる。生成したイオンは、
真空槽44内に導入され、加速電極45、収束電極4
6、偏向電極47、ゲート電極48を通過して、イオン
トラップ1に導入される。
【0035】イオントラップ1から排出されたイオン
は、ゲート電極49を通過して検出器50により検出さ
れる。真空槽44は、差動排気部51と分析部52に分
かれており、それぞれ真空ポンプ53と54により排気
される。イオントラップ1の内部は通常10-3Torr程度
の真空度に維持される。分析部52内の検出器50の周
囲の真空度は、検出器50を安定に動作させる必要か
ら、10-5〜10-6Torr程度に制御される。
【0036】イオン捕捉モードからイオン排出モードへ
の切換時間、すなわち交流電場が停止されてから傾斜電
場が完全に立ち上がるまでの時間が長いほど、イオンの
位置のばらつきが大きくなるため、イオンの出射時間が
長くなる。傾斜電場用の直流電圧の立ち上がり時間とし
ては、1マイクロ秒程度は比較的容易に実現できる。立
ち上がり時間が0の理想的な場合の出射時間に対して、
立ち上がり時間が1マイクロ秒の場合には、出射時間の
増加分は数%程度に過ぎず、あまり深刻な影響は与えな
い。この立ち上がり時間の下限値は、主としてイオント
ラップやその周囲の電極を含む電気回路系の容量成分の
大きさにより決まるが、10ナノ秒程度は技術的に実現
可能である。
【0037】図8は、イオントラップの各電極と入口側
および出口側ゲート電極への電圧印加のタイムシーケン
スを示す。入口側ゲート電極の役割は、イオン捕捉モー
ドでは、イオンを通過させてイオントラップ内へイオン
を導入し、イオン排出モードでは、イオンの通過を阻止
してノイズを低減することである。
【0038】出口側ゲート電極は、加速電極の一部を代
用する。出口側ゲート電極の役割は、イオン捕捉モード
では、イオンの通過を阻止し、捕捉条件を満たさないイ
オンが検出器に到達して、検出器が飽和したり、汚れた
りすることを防ぐことであり、イオン排出モードでは、
加速電極の一部として機能する。イオン捕捉モードから
イオン排出モードへ切り換える直前に、適当な時間だ
け、入口側ゲート電極によってイオンの通過を止めて、
捕捉条件を満たさないイオン、すなわちノイズ成分を、
イオントラップ内およびイオントラップと検出器との間
の空間から排除することにより、ノイズを低減すること
ができる。
【0039】イオン捕捉モードの時間をTt、イオン排
出モードの時間をTd、試料溶液中の目的成分の濃度を
C、試料の流量をF、目的成分がイオントラップに捕捉
される割合をP1、捕捉されたイオンが検出器に到達す
る割合をP2とすると、イオントラップに蓄積されるイ
オン量Ntは、Nt=C・F・Tt・P1、検出できる
イオン量Ndは、Nd=Nt・P2で表される。LCで
は、各成分ピークの半値幅は数秒程度であるため、ピー
ク形状を再現して良好な定量性を確保するためには、T
tを1秒程度以下にする必要がある。
【0040】ところで、Ttが短い領域ではNdはTt
に比例するため、Ttが長いほど感度がよくなるが、T
tがある程度以上に長くなるとNdが飽和してしまう問
題がある。これは、蓄積されるイオン量が増えすぎて、
イオン排出口の口径よりもイオンの空間分布が大きくな
ってしまうためである。通常2〜3mmであるイオン導入
口とイオン排出口の口径を大きくすれば、NtやNdを
大きくすることができるが、現実には、口径が大きくな
ると検出器周辺の真空度が低下し、検出器の動作に支障
をきたす問題がある。
【0041】Ndが飽和する条件では、測定の定量性が
損なわれる問題がある。そのため、CやFの大きさに応
じて、Ndが飽和しないような範囲において、できるだ
けTtを大きく設定することが重要である。一方、Td
は、測定対象成分のm/zや、検出器の位置、加速電圧
値によるが、1ミリ秒あれば十分である。例えば、検出
器の位置がイオントラップから比較的離れた100mmの
位置にあり、傾斜電場用の電圧が比較的小さな150V
の場合でも、m/z=1000のイオンが検出器に到達
するまでの時間は50マイクロ秒程度に過ぎない。
【0042】LCでは、各成分ピークの半値幅は、通常
数秒から十数秒である。そのため、ピーク形状を正確に
再現するのに必要なデータ取得間隔は、1秒程度以下で
ある。このデータ取得間隔に比して、Ttが短い場合に
は、積算によりSN比を向上することができる。例え
ば、データ間隔が1秒で、イオントラップの運転周期が
100ミリ秒である場合には、10回の測定値を積算す
ることにより、SN比を√10倍に向上することができ
る。
【0043】本発明のLC/MSを用いて、河川水中に
含まれる農薬の一斉分析を行う場合の、装置の運転方法
について説明する。説明を簡単にするために、河川水中
に含まれる農薬は、LCで分離可能なA、Bの2種類の
みであるとする。ライブラリサーチか予備実験によっ
て、予めAとBの保持時間、AおよびBから生成するそ
れぞれのイオンのm/zと検量線を求めておく。
【0044】LCの移動相には、水(純水)とメタノー
ルを等量ずつ混合した水/メタノールを用いる。この場
合、移動相由来の成分イオンのm/zは数10以下であ
り、一方、現在使用されている農薬のm/zは100〜
400の間に存在する。そのため、イオントラップは農
薬A、Bを捕捉するが、移動相由来の成分イオンは捕捉
しないマルチイオンモードに設定することができる。こ
の方法では、測定できるイオンのm/zの値には、原理
上の上限がない。従って、交流電圧走査方式では測定不
可能なm/z=2000程度を大きく越える成分でも測
定可能である。
【0045】農薬A、Bが溶出する間、それぞれA、B
のみを捕捉するシングルイオンモードに設定することも
できる。このようにすると、測定成分以外のノイズイオ
ンの蓄積を大幅に低減することができる。また、農薬A
(またはB)とm/zは異なるが、LCでは分離されな
い成分が試料中に存在する場合にも、この運転方法が有
効である。
【0046】農薬以外の成分を測定する場合では、測定
対象である成分イオンのm/zよりも移動相由来のイオ
ンのm/zが大きい場合がある。この場合には、上述し
たシングルイオンモードを利用する運転方法を用いるこ
とにより、移動相由来のイオンを除外することができる
ため、SN比を大幅に向上することができる。
【0047】農薬などの既知物質を測定する場合には、
LCでの各成分の溶出時間が予め分かっているので、各
成分が溶出する間を除く時間は、入口側ゲート電極を用
いてイオンの通過を阻止することにより、イオントラッ
プおよび検出器の汚れを低減することができる。
【0048】試料中にLCでは分離されない複数の成分
が存在する場合、あるいは、複数成分を含む試料をLC
などで分離することなしに質量分析するような場合の運
転方法について以下に説明する。
【0049】LCで互いに分離されない成分数がnであ
るとき、蓄積時間をn分割し、各成分をそれぞれシング
ルイオンモードにより測定する。このような運転モード
を時分割モードと呼ぶことにする。これに対して、交流
電圧走査方式、すなわちマルチイオンモードで複数のイ
オンを同時に蓄積した後、交流電圧の振幅Vacを走査し
てマススペクトルを測定するモードを利用することもで
きる。
【0050】以下では、上記時分割モードと交流電圧走
査方式との感度比較について説明する。なお、前述した
ように、イオンの出射時間の違いのために、時分割モー
ドでは交流電圧走査方式よりも数10倍高いSN比を有
するが、以下の説明では、それ以外の要因によるSN比
の比較について述べる。
【0051】測定成分数がnである場合、時分割モード
では、各成分の蓄積時間が交流電圧走査方式のn分の1
であるため、単純に考えると、SN比もn分の1とな
る。しかし、交流電圧走査方式では、全測定成分に加え
て、夾雑物(非測定対象成分)をも同時に蓄積してしま
うため、時分割モードの場合よりもイオントラップが飽
和しやすい。さらに、交流電圧走査方式の場合には、イ
オントラップが飽和してしまうと、全成分の定量性が損
なわれてしまう。
【0052】そこで、そのような場合には、交流電圧走
査方式を複数回に分けて行い、データを積算する。積算
回数をN、測定成分数をnとし、夾雑物が存在しない場
合のSN比を計算すると、時分割モードのSN比と交流
電圧走査方式のSN比との比は数1である。ただし、数
1においてCiは成分iの濃度、Cmaxは各成分の濃度の
最大値である。
【0053】
【数1】√N/n(≦√(ΣCi/nCmax)≦1) 従って、イオンの出射時間に起因するSN比の違いや、
夾雑物の存在を加味すれば、時分割モードの方が交流電
圧走査方式を上回る場合が十分にあり得る。水道水や河
川水中に含まれる汚染物質、例えば農薬や環境ホルモン
などを分析する場合、水道水や河川水中には多くの夾雑
物が含まれているので、時分割モードの有効性が特に際
だつ場合がある。
【0054】時分割モードでは、各成分の蓄積時間の比
率を調整することにより、例えば、各成分を同程度のS
N比で検出することが可能である。例として、測定成分
がAとBの2種類であり、夾雑物が存在しない場合につ
いて、交流電圧走査方式とのSN比の比較を示す。例え
ば、AとBの濃度比が10対1の場合、時分割モードで
は、AとBの蓄積時間を1対10にすることにより、成
分AとBのSN比を等しくすることができる。この場合
のSN比と、交流電圧走査方式でN回積算する場合のS
N比とを比べると、低濃度成分Bに関しては、前者が後
者の約√N倍(N≦12)(最大約3倍)である。な
お、高濃度成分に関しては、後者が前者の約11/√N
倍(最大約3倍)である。濃度比が100対1に拡大す
ると、低濃度成分に関しては、前者と後者のSN比の比
は約√N倍(N≦102)(最大約10倍)まで拡大す
る。なお、高濃度成分に関しては、後者が前者の101
/√N倍(最大約10倍)である。
【0055】水道水や河川水中に含まれる汚染物質、例
えば農薬や環境ホルモンなどを分析する場合、各成分の
おおよその濃度を経験的または実験的に知ることができ
るので、濃度に応じた時間配分をすることは可能である
が、試料の採取地点の違いや、季節による濃度変化があ
るので、採取地点や季節毎に時分割の仕方を変える必要
がある。これに対して、環境水中の農薬や環境ホルモン
などの汚染物質には、物質毎に法的な基準濃度が定めら
れているので、各物質の基準濃度に応じて時分割するの
が、より現実的である。成分濃度が基準濃度を上回って
イオントラップが飽和してしまう場合には、その成分へ
の配分時間を減らすか、あるいは試料を希釈するなどし
て再分析する。なお、基準濃度を大幅に下回って検出不
能である成分の濃度は0であると考えてよいから、再分
析する必要はない。
【0056】LC/MSでは、帯電液滴あるいは電荷を
もたない中性液滴が、単発的に検出器まで到達し、大き
なノイズを発生する問題がある。図9は、イオン検出時
における本発明の方式(a)と交流電圧走査方式(b)
での単発ノイズの影響の比較を示した概念図である。本
発明の方式では、交流電圧走査方式に比べて、イオンの
出射時間が短いため、測定成分イオンを検出している間
に単発ノイズが発生する確率が少ない利点がある。
【0057】図10は、クロマトグラム上における本発
明の方式と交流電圧走査方式での単発ノイズの影響の比
較を示した概念図である。本発明の方式(a)では、ク
ロマトグラム上でも比較的単発的にノイズが現れるた
め、これを識別しやすく、適当なデータ処理を施すこと
により、ノイズを除外できる。これに対して交流電圧走
査方式(b)では、クロマトグラム上でも頻繁にノイズ
が現れるため、本発明の方式に比べて、単発ノイズを除
外することが困難である。
【0058】さらに、交流電圧走査方式では、前述した
ようにイオントラップが飽和しやすく、積算を行う場合
がある。積算回数が多いほど、イオン検出時に単発ノイ
ズが発生する回数が多く、その影響が深刻になる。これ
に対して本発明の方式では、積算を行う必要性がない
か、必要があっても交流電圧走査方式に比べれば少ない
ため、単発ノイズの影響はより軽微である。
【0059】なお、本発明に基づくLC/MSは、交流
電圧走査方式を併用できるものであってもよい。以上の
説明はLCの代わりにCEあるいはGCを用いたCE/
MSあるいはGC/MSにも当てはまる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、液体または気体試料中
の混合成分を高感度に測定できる小型の質量分析装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく質量分析計の要部の構成と測定
シーケンスの一例を示す図。
【図2】交流電圧走査方式を用いた場合の検出器出力の
シミュレーション結果を示す図。
【図3】図2のシミュレーション条件を示す電極構成の
断面図。
【図4】本発明の方式でのイオン出射時間の計算結果を
示す図。
【図5】本発明の方式でのイオン出射時間の検出器位置
依存性の計算結果を示す図。
【図6】円盤型イオントラップ質量分析計の要部断面
図。
【図7】本発明に基づくLC/MSの装置構成を示す概
略断面図。
【図8】イオントラップ各電極への電圧印加のタイムシ
ーケンス図。
【図9】本発明と従来例での単発ノイズの影響を比較し
た説明図。
【図10】クロマトグラム上での本発明と従来例の単発
ノイズの影響を比較した説明図。
【図11】イオントラップの安定条件を示す図。
【符号の説明】
2…リング電極、3…エンドキャップ電極、4…エンド
キャップ電極、5…イオン導入口、6…イオン排出口、
7…ガス管、10…スイッチ、41…LC、42…配
管、43…イオン源、44…真空槽、45…加速電極、
46…収束電極、47…偏向電極、48、49…ゲート
電極、50…検出器、51…差動排気部、52…分析
部、53、54…真空ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小泉 英明 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5C038 JJ06 JJ07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四重極イオントラップ型質量分析装置にお
    いて、実質的に1種類のイオンのみを蓄積した後、イオ
    ンを蓄積するための交流電場の印加を停止し、次にイオ
    ントラップ内部にDC電場を形成してイオンを排出し、
    検出することを特徴とする質量分析装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載したイオントラップ型質量
    分析計を用いた分離分析装置。
  3. 【請求項3】質量数/価数の異なる複数の測定成分が同
    時に質量分析計内に導入される場合に、当該測定成分が
    質量分析装置に流入し続ける間またはその一部の時間を
    分割して各測定成分の測定に充てることを特徴とする請
    求項1に記載した質量分析装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載した質量分析装置におい
    て、測定成分毎に測定時間が異なることを特徴とする質
    量分析装置。
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