JP2000340149A - X線管装置 - Google Patents

X線管装置

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JP2000340149A
JP2000340149A JP11145277A JP14527799A JP2000340149A JP 2000340149 A JP2000340149 A JP 2000340149A JP 11145277 A JP11145277 A JP 11145277A JP 14527799 A JP14527799 A JP 14527799A JP 2000340149 A JP2000340149 A JP 2000340149A
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focal
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tube
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JP11145277A
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English (en)
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Yoshihiko Dan
芳彦 壇
Shigeru Tachiki
茂 立木
Masao Sakai
昌雄 酒井
Koji Akita
浩二 秋田
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の平行なX線ビームを放射できるX線管
装置を提供する。 【解決手段】 X線管の回転陽極(1)は2個の焦点軌
道面、大径の焦点軌道面(3A)と小径の焦点軌道面
(3B)とを有するターゲット(2)を具備する。2個
の焦点軌道面(3A、3B)は陽極軸方向に沿って数十
mmの間隔をとって配置されている。2個の焦点軌道面
(3A、3B)に対向して、陰極(5)に支持された2
個の焦点軌道面(3A、3B)上に2個の焦点(4A、
4B)が形成される。このように構成したことにより、
2個の焦点(4A、4B)から管球放射窓(12)、管
容器放射窓(20)を経由して、数十mm間隔の2本の平
行X線ビーム(9、10)が外部に放射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線CT装置に適
したX線管装置に係り、特に複数スライスを同時に撮影
できるX線CT装置に適したX線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線CT装置においては、通常ガントリ
にX線管装置とX線検出器が対向して1台ずつ装着さ
れ、これらが相互の位置関係を保ちながら、被検体の周
りを回転することによって画像診断が行われている。こ
の場合、1回転で1断層像が得られる。現在では、上記
のX線管装置とX線検出器の組合せを被検体の周りに連
続して回転させて多くの断層像を得ている。この技術で
は、X線管装置とX線検出器とを装着したX線CT装置
のガントリを回転させつつX線を連続して20〜60秒
照射して、その間被検体テーブルを移動することによっ
て、被検体の複数のスライス画像を得るものである。し
かし、現在の1回転で1スライスの画像データを収集す
る画像再構成法では、被検体の頭頂部のように特に勾配
の高い部分での撮影においては、X線量の急激な変化に
起因するアーチファクトが発生しやすいという問題があ
る。
【0003】上記の問題を解決するため、一例として、
X線検出器側に検出器を2台平行に並べて配置する方法
が採用されている。この方法については、一例が特開平
5−184563号公報に開示されている。この方法に
よれば、1回転で2台の検出器によって同時に2スライ
スの画像情報を得ることができる。この方法を頭頂部の
撮影に適用した場合、2スライスの画像情報から頭頂部
などの勾配を認識し、X線量などの補正を行うことによ
り、アーチファクトの抑制を行うことができる。
【0004】上記解決方法の一つとして、1台のX線管
装置と2台のX線検出器との組合せでX線照射を行った
場合、スライス軸方向のX線量分布を見ると、1台のX
線管装置から放射されたX線は2台のX線検出器に対し
スライス厚さが広がったような扇型の分布で入射する。
このため、スライス軸方向のX線はX線検出器を構成す
る検出器素子の長手方向に対し斜めに入射する部分が多
くなり、固体検出器の如く感度の良い検出器を用いた場
合、再構成画像にアーチファクトが発生するという問題
が生じている。
【0005】このことから、平行に並べて配置した2台
のX線検出器に対しては、それぞれのX線検出器にX線
が垂直に入射するようにすることが必要であり、そのた
め現状では2台のX線検出器それぞれにX線源を対応さ
せている場合がある。2個のX線源を用意するためには
2台のX線管装置が必要となるが、X線CT装置に2台
のX線管装置を搭載することは搭載スペース上の制約や
コスト上昇の問題があり、効率的でない。また、X線検
出器に関しては2台以上を平行に並べて撮影効率を向上
しようとする場合もあり、このような場合に2台以上の
X線管装置をX線CT装置に搭載することは更に困難な
問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した如く、2
台以上の平行に並べたX線検出器に組み合わせるために
2台以上のX線管装置を配置することはX線CT装置へ
の搭載スペースやコストの面で問題がある。このため、
本発明では、2台以上の平行に並べたX線検出器に対応
する2個以上のX線源を具備するX線管装置を実現する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のX線管装置は、X線を放射する焦点軌道面
を持つターゲットを具備する回転陽極と、該ターゲット
に対向して配置され、該ターゲットの焦点軌道面上にX
線源を形成するための電子線を放出する集束電極を具備
する陰極と、前記回転陽極と前記陰極とを真空気密に内
包し、前記ターゲットの周辺の側面に管球放射窓を有す
る外囲器とから構成される回転陽極X線管を管容器の内
部に支持し、前記X線源にて発生したX線を前記管容器
に設けられた管容器放射窓より外部に放射するX線管装
置において、前記ターゲットは少なくとも2個以上の焦
点軌道面を持ち、該焦点軌道面のそれぞれに対向して集
束電極が配置されることにより、それぞれの焦点軌道面
にX線源が形成され、該X線源が前記管容器放射窓側か
らみて回転陽極X線管の管軸方向に所定の間隔で配列さ
れているものである(請求項1)。
【0008】この構成では、ターゲットの2個以上の焦
点軌道面に形成されたX線源(焦点)が、管容器放射窓
方向からみて、所定の間隔で配列されているので、本発
明のX線管装置を使用した場合、2本以上の平行X線ビ
ームを放射することができる。本発明のX線管装置をX
線CT装置に適用する場合、上記の所定の間隔をマルチ
チャンネル型X線検出器の検出素子の長さ寸法、例えば
10mm〜45mmに合わせることにより、このX線検出器
を平行に並べたマルチスライス型X線検出器との組合せ
使用が可能となり、1回転のスキャンにて複数スライス
の画像データの収集を行うことができる。
【0009】本発明のX線管装置では更に、前記ターゲ
ットが直径の異なる焦点軌道面を具備するものである
(請求項2)。この構成では、直径の異なる焦点軌道面
ごとにターゲットの外径を変えた多段構造となるが、陰
極の集束電極はターゲットに対向して一方向(陰極側)
にのみ配設できるので、陰極構造が簡単となる。
【0010】本発明のX線管装置では更に、前記焦点軌
道面のうちの少なくとも1個が回転陽極X線管の陽極端
方向を向いているものである(請求項3)。この構成
は、従来ターゲットの裏面に焦点軌道面を形成すると
か、従来ターゲットの裏側に同種構造のターゲットを背
面して配置するとか、して実現できるので、陽極構造は
簡単である。また、請求項2に記載した方式と請求項3
に記載した方式の組合せも可能であり、この組合せによ
り、平行X線ビームの本数を更に増加することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。図1は本発明のX線管装置の第1
の実施例の全体構成の概略を示す断面図である。図1に
は、第1の実施例の要部となるX線ビーム発生部を示し
てある。図1において、X線管は回転陽極1と陰極5と
外囲器11とを具備する。回転陽極1と陰極5とは、図
2に示す如く、外囲器11内に真空気密に内包され、支
持されている。
【0012】回転陽極1は、ほぼ円盤状のターゲット2
を具備し、このターゲット2を回転するための機構とし
て回転軸、軸受、ロータなど(いずれも図示せず)を内
包する。このターゲット2は2個の焦点(X線源)4、
すなわち第1焦点4Aと第2焦点4Bを有する。この2
個の焦点4A、4Bは、X線CT装置と組み合わせて使
用する場合、2本の平行な扇状のX線ビームを発生し、
この2本のX線ビームはX線管装置と対向して配置され
た2台の平行に並べたX線検出器に入射するように構成
されている。このため、2個の焦点4A、4Bは、2台
の平行に配置されるX線検出器の間隔に対応して、間隔
Dだけ離して配置される。
【0013】本実施例のターゲット2は、図示の如く、
大径の第1焦点軌道面3Aを有する大径部26と小径の
第2焦点軌道面3Bを有する小径部27とを有してい
る。第1焦点軌道面3Aには第1焦点4Aが、第2焦点
軌道面3Bには第2焦点4Bがそれぞれ形成される。各
々の焦点軌道面3A、3Bはタングステンまたはタング
ステン合金などの高耐熱性で、X線発生効率の高い材料
で構成され、ターゲット2のその他の部分はモリブデン
またはその合金などの耐熱性のよい材料で構成される。
ターゲット2を軽くしたい場合にはモリブデンなどの代
わりに軽量のグラファイトなどが用いられる。
【0014】陰極5はターゲット2の焦点軌道面3に対
向して配置されている。陰極5は2個の集束電極6、す
なわち第1焦点4Aと対向して配置された第1集束電極
6Aと第2焦点4Bと対向して配置された第2集束電極
6Bとを具備する。第1集束電極6Aから放出された第
1電子ビーム7は第1焦点4Aに衝突して第1X線ビー
ム9を放射し、第2集束電極6Bから放出された第2電
子ビーム8は第2焦点4Bに衝突して第2X線ビーム1
0を放射する。第1X線ビーム9および第2X線ビーム
10はX線管の外囲器11の側面に設けられた管球放射
窓12を透過し、さらにX線管装置の管容器19の側面
に設けられた管容器放射窓20を透過した後に、X線管
装置の外部の、矢印で示したX線放射方向18に放射さ
れる。X線管装置をX線CT装置に搭載したときには、
このX線放射方向18に、X線検出器が配設される。
【0015】集束電極6A、6Bには電子ビーム7、8
を放出するフィラメントなどの電子源が内包されてい
る。第1集束電極6Aは、焦点4Aの位置と対応して、
外囲器11の内面に近い側に配置されている。図1で
は、第1集束電極6Aと第2集束電極6Bとは陰極5の
同一の面に配置されているが、電子ビームの放出効率を
考慮した場合には、第1集束電極6Aについては第2集
束電極6Bよりもターゲット2に近付けた方がよい。
【0016】外囲器11に設けられる管球放射窓12に
は、X線透過性のよいベリリウム窓が用いられる。この
ベリリウム窓12は円形のものも用いられるが、本発明
では第1焦点4Aと第2焦点4Bの間隔が大きいので、
X線管の中心軸(管軸)17に沿って長くなる楕円形の
ものを用いてもよい。場合によって、各々の焦点に別々
のベリリウム窓12が対応するように2個のベリリウム
窓12を設けてもよい。管容器19の側面の管容器放射
窓20には、X線透過性のよいプラスチックや薄いアル
ミニウムから成る窓が用いられる。この窓の場合も、楕
円形のものを用いると2個の焦点4A、4BからのX線
ビーム9、10を効率良く外部に放射させることができ
る。
【0017】X線管装置から放射された2本のX線ビー
ム9、10は、X線管装置の前面に配列されたコリメー
タ14によって整形される。コリメータ14には、平行
に配置された2個の穴、すなわち第1コリメータ穴15
と第2コリメータ穴16が設けられている。2個の穴1
5、16は細長い長方形の穴で、幅の狭い短辺にてX線
ビーム9、10のスライス幅を限定し、細長い長辺にて
扇形ビームを形成する。
【0018】X線管装置の2個の焦点4A、4Bの間
隔、すなわち2本のX線ビーム9、10の間隔Dは、X
線CT装置上で組み合わせられるX線検出器と対応付け
て決められる。本実施例の場合、組み合わせられるX線
検出器としては従来の1スライス型のX線検出器を2台
並列に配列した2スライス型X線検出器が用いられると
考えられるので、上記2本のX線ビーム9、10の間隔
Dには2台のX線検出器を並列に密着して配列した場合
の両X線検出器の中心間隔を対応させればよい。この2
台のX線検出器の中心間隔は、X線検出器を構成する検
出器素子の長さ寸法にほぼ等しくなるので、D寸法とし
ては、10mm〜45mmにするのが適当である。
【0019】図1の実施例においては、2個の焦点の場
合について示したが、本発明は3個以上の焦点の場合に
も拡張することができる。図1の実施例は、2個の焦点
軌道面を持つターゲットと2個の集束電極を持つ陰極と
の組み合わせ例であるが、ターゲットについては3段以
上に焦点軌道面を持たせることは可能であり、陰極につ
いても3個以上の集束電極を持たせることは可能である
ので、3本以上の平行X線ビームを放射できるX線CT
装置用のX線管を構成することも可能である。
【0020】図2には、本発明のX線管装置の第1の実
施例の全体構成の概略が示されている。図2において、
X線管装置25内のX線管13は図1に示す如く構成さ
れており、2個の焦点軌道面3A、3Bを持つターゲッ
ト2を具備する陽極1と、2個の集束電極6A、6Bを
具備する陰極5とを、外囲器11内に真空封入した構造
のものである。X線管13は、陽極側を陽極側支持具2
1にて、陰極側を陰極側支持具22にて、それぞれ管容
器19の内壁に絶縁支持されている。管容器19の陽極
側および陰極側には、陽極側ケーブルレセプタクルおよ
び陰極側ケーブルレセプタクル(いずれも図示せず)が
取り付けられ、これらを通してX線管13の陽極1およ
び陰極5に高電圧が供給される。X線管13の陽極1の
周囲には、陽極1を回転駆動するためのステータ24が
配設されている。管容器19内には絶縁油23が充填さ
れ、X線管13の高電圧絶縁と冷却の役割を果たしてい
る。
【0021】X線管13の外囲器11に取り付けられて
いる管球放射窓13と管容器19に取り付けられている
管容器放射窓20とは、X線管13の2個の焦点4A、
4Bからの2本のX線ビーム9、10がX線放射方向
(図1の矢印18の方向)に平行なX線ビームとして放
射できるように位置合わせが行われる。
【0022】図3に本発明のX線管装置をX線CT装置
に取り付けたときの要部断面図を示す。図3はX線CT
装置のガントリ部分の断面図で、上側に本発明のX線管
装置25が、下側にX線検出器55がそれぞれ配置され
ている。X線CT装置51のガントリ52には、回転軸
53を中心にして対向する位置に、2個の焦点4A、4
Bを有するX線管装置25と2台のX線検出器56、5
7が取り付けられ、ガントリ52がその回転軸53の周
りを回転するとき、X線管装置25と2台のX線検出器
56、57とは相対位置を保持して回転軸53の周りを
回転する。X線CT装置51による検査時には、ガント
リ52内に被検体54が挿入され、ガントリ52の回転
によりX線管装置25と2台のX線検出器56、57と
が被検体54の周りを回転して、画像データの収集が行
われる。
【0023】X線管装置25の2個の焦点、第1焦点4
Aと第2焦点4Bから放射された2本のX線ビーム、第
1X線ビーム9と第2X線ビーム10とは、コリメータ
14の穴15、16で2本の平行な扇形X線ビームとな
り、被検体54を透過した後に、2台のX線検出器、第
1X線検出器56と第2X線検出器57に入射する。コ
リメータ14によって2本の平行X線ビームの幅は任意
のスライス厚さに絞られることになるが、X線管装置2
5の2個の焦点4A、4Bから放射された平行X線ビー
ムであるため、2台のX線検出器56、57の入射面に
はほぼ垂直に入射することになる。
【0024】この結果、本発明のX線管装置を使用した
場合には、1個の焦点から放射したX線ビームを使用し
た場合のような、X線検出器55の入射面に斜めに入射
するX線の量が格段に減少するので、X線検出器として
高感度の固体検出器を使用した場合でも、再構成画像に
アーチファクトが生ずるという問題をなくすことができ
る。
【0025】また、頭頂部のように特に高い勾配を有す
る部分の撮影に本発明のX線管装置を使用した場合に
は、同時に2スライス分の画像データを収集することが
でき、この2スライスの画像データを用いて画像データ
の補正を精度良く行うことができるので、頭頂部など透
過したX線の線量分布の急勾配に基づくアーチファクト
を低減することができる。
【0026】図4に本発明のX線管装置の第2の実施例
の要部断面図を示す。図4には、X線管の部分の構造図
のみ示す。管容器の部分については、第1の実施例の図
2とほぼ同様である。図4において、本実施例のX線管
30は、上下両面に焦点軌道面32A、32Bを持つタ
ーゲット31を具備する陽極(回転陽極)1Aと、2個
の焦点軌道面32A、32Bに対向して配置された集束
電極33A、33Bを持つ陰極34A、34Bと、陽極
1Aと陰極34A、34Bを支持し、真空封入する外囲
器11Aとから構成される。
【0027】陽極1Aに支持されたターゲット31の上
下には傾斜した第1焦点軌道面32Aと第2焦点軌道面
32Bが形成されている。ターゲット31の上面側の第
2焦点軌道面32Bは従来の焦点軌道面と同様である
が、下面側の第1焦点軌道面32Aは従来のものとは反
対の向き、すなわち裏面側に形成され、傾斜角度は従来
のものと同様である。ターゲット31および焦点軌道面
32A、32Bの材質は第1の実施例と同様である。
【0028】第2焦点軌道面32Bに対向して配置され
た第2集束電極33Bは、第2陰極34Bに支持され、
第2陰極外囲器35Bを介して、陰極側にて外囲器11
Aに接続される。第1焦点軌道面32Aに対向して配置
された第1集束電極33Aは、第1陰極34Aに支持さ
れ、第1陰極外囲器35Aを介して、陽極側にて外囲器
11Aに接続される。陰極外囲器35A、35Bは、外
囲器部の大部分はセラミックまたはガラスなどの絶縁物
から成り、集束電極33A、33Bに取り付けられるフ
ィラメントに電力を供給するリードを絶縁、支持してい
る。
【0029】第1集束電極33Aおよび第2集束電極3
3Bから放出された電子ビームは第1焦点軌道面32A
および第2焦点軌道面32Bに衝突し、第1焦点4Aお
よび第2焦点4BからX線を放出する。第1焦点4Aか
らのX線は第1X線ビーム9として、第2焦点4Bから
のX線は第2X線ビーム10として、管球放射窓12か
らX線管の外部に取り出され、コリメータによって2本
の平行なX線ビームに整形される。
【0030】上記において、ターゲット31上の第1焦
点軌道面32Aと第2焦点軌道面32Bとの間隔につい
ては、2台のX線検出器の間隔と対応付けて寸法を決め
る必要があり、第1の実施例と同様に10mm〜45mmに
設定される。X線管装置においては、X線管の陰極が2
個になるために、陰極側ケーブルレセプタクルを2個取
り付ける必要がある。
【0031】図5に本発明のX線管装置の第3の実施例
の要部断面図を示す。図5にはX線管の部分の構造図の
みを示す。本実施例の場合も、管容器の部分について
は、第1の実施例の図2とほぼ同様である。本実施例
は、陽極構造に特徴があり、その点で第2の実施例と異
なる。図5において、本実施例のX線管40は、2個の
ターゲット41A、41Bを具備し、この2個のターゲ
ット41A、41Bは下側の陽極1Bと上側の補助陽極
43によって外囲器11Bに支持されている。下側の第
1ターゲット41Aと上側の第2ターゲット41Bと
は、それぞれの焦点軌道面42A、42Bが外側を向
き、それぞれの背面が内側を向くようにして、下側の第
1ターゲット41Aは焦点軌道面42A側で陽極1Bに
支持され、上側の第2ターゲット41Bは焦点軌道面4
2B側で、支柱A44を介して補助陽極43に支持され
ている。第1ターゲット41Aと第2ターゲット41B
の背面間は、支柱B45で接続されている。陽極1Bは
従来方式の回転陽極である。補助陽極43は、回転軸と
軸受と固定部を具備するが、ロータを具備しないので、
ターゲットを回転自在に支持する働きのみをする。この
補助陽極43は、補助陽極外囲器46を介して外囲器1
1Bに絶縁支持されている。補助陽極外囲器46の大部
分は、ガラスまたはセラミックなどの絶縁物から成る。
【0032】第1ターゲット41Aの焦点軌道面42A
に対向して第1集束電極33Aが配置され、第2ターゲ
ット41Bの焦点軌道面42Bに対向して第2集束電極
33Bが配置され、それぞれの焦点軌道面42A、42
B上に形成される第1焦点4Aおよび第2焦点4Bか
ら、第1X線ビーム9および第2X線ビーム10が放射
される。
【0033】本発明のX線管装置の第4の実施例とし
て、第1の実施例と第2または第3の実施例との組合せ
を考えることができる。すなわち、第1の実施例の大径
の第1焦点軌道面3Aと小径の第2焦点軌道面3Bを持
つターゲット2の裏面に、第2の実施例の如く第3焦点
軌道面を設けるか、ターゲット2の背面に第3の実施例
の如く第3焦点軌道面を有する他のターゲットを配置す
るものである。このようにターゲットを構成し、その焦
点軌道面に対向して集束電極を配置することにより、3
個のX線源(焦点)が得られるので、3本の平行なX線
ビームを放射させることができる。従って本実施例のX
線管装置をX線CT装置に適用した場合、3台のX線検
出器を平行して配置したマルチスライス型X線検出器と
組み合わせて使用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、1
台のX線管装置にて複数の平行なX線ビームを放射する
ことが可能となり、複数台数のX線検出器を平行に配列
したマルチスライス型X線検出器を具備するX線CT装
置と組み合わせた場合、1回転のスキャンで複数スライ
スの画像データを収集することができる。その結果、X
線CT装置へのX線管装置の搭載スペースの節減および
X線CT装置のコストの低減に寄与することができる。
また、X線管装置からの複数のX線ビームはそれぞれ対
応するX線検出器に垂直に入射するため、X線強度分布
の不均一に起因するアーチファクトの発生が防止される
という効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線管装置の第1の実施例の基本構成
を示す要部断面図。
【図2】本発明のX線管装置の第1の実施例の全体構成
の概略を示す断面図。
【図3】本発明のX線管装置をX線CT装置に取り付け
たときの要部断面図。
【図4】本発明のX線管装置の第2の実施例の要部断面
図。
【図5】本発明のX線管装置の第3の実施例の要部断面
図。
【符号の説明】
1,1A,1B………陽極(回転陽極) 2,31………ターゲット 3………焦点軌道面 3A,32A,42A………第1焦点軌道面 3B,32B,42B………第2焦点軌道面 4………焦点 4A………第1焦点 4B………第2焦点 5………陰極 5A,34A………第1陰極 5B,34B………第2陰極 6………集束電極 6A,33A………第1集束電極 6B,33B………第2集束電極 7………第1電子ビーム 8………第2電子ビーム 9………第1X線ビーム 10………第2X線ビーム 11,11A,11B………外囲器 12………ベリリウム窓(管球放射窓) 13,30,40………X線管 14………コリメータ 15………第1コリメータ穴 16………第2コリメータ穴 17………X線管の中心軸(管軸) 18………X線放射方向 19………管容器 20………管容器放射窓 21………陰極側支持具 22………陽極側支持具 23………絶縁油 24………ステータ 25………X線管装置 26………大径部 27………小径部 35A………第1陰極外囲器 35B………第2陰極外囲器 41A………第1ターゲット 41B………第2ターゲット 43………補助陽極 44………支柱A 45………支柱B 46………補助陽極外囲器 51………X線CT装置 52………ガントリ 53………スキャナ回転軸 54………被検体 55………X線検出器 56………第1X線検出器 57………第2X線検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋田 浩二 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 Fターム(参考) 4C092 AA01 AB04 AB22 AB27 AC17 BD06 BD12 BD16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を放射する焦点軌道面を持つターゲ
    ットを具備する回転陽極と、該ターゲットに対向して配
    置され、該ターゲットの焦点軌道面上にX線源を形成す
    るための電子線を放出する集束電極を具備する陰極と、
    前記回転陽極と前記陰極とを真空気密に内包し、前記タ
    ーゲットの周辺の側面に管球放射窓を有する外囲器とか
    ら構成される回転陽極X線管を管容器の内部に支持し、
    前記X線源にて発生したX線を前記管容器に設けられた
    管容器放射窓より外部に放射するX線管装置において、
    前記ターゲットは少なくとも2個以上の焦点軌道面を持
    ち、該焦点軌道面のそれぞれに対向して集束電極が配置
    されることにより、それぞれの焦点軌道面にX線源が形
    成され、該X線源が前記管容器放射窓側からみて回転陽
    極X線管の管軸方向に所定の間隔で配列されていること
    を特徴とするX線管装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線管装置において、
    前記ターゲットが直径の異なる焦点軌道面を具備するこ
    とを特徴とするX線管装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のX線管装置において、前
    記焦点軌道面のうちの少なくとも1個が回転陽極X線管
    の陽極端方向を向いていることを特徴とするX線管装
    置。
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