JP2000330632A - 移動体の誘導装置 - Google Patents

移動体の誘導装置

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JP2000330632A
JP2000330632A JP11140835A JP14083599A JP2000330632A JP 2000330632 A JP2000330632 A JP 2000330632A JP 11140835 A JP11140835 A JP 11140835A JP 14083599 A JP14083599 A JP 14083599A JP 2000330632 A JP2000330632 A JP 2000330632A
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vehicle
moving
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光夫 細井
Takeharu Nagai
健晴 永井
Tomoo Matsuda
智夫 松田
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】移動体の予定走行経路が鋭角なカーブであって
も、小回り現象を発生させることなく移動体を誘導する
ようにする。 【解決手段】予定走行経路Kを挟んで所定の距離だけ離
間させた一対の端点PRn、PLnが移動体Sの目標とされ
る。これにより現在の一対の端点PR1、PL1間に移動体
Sが到達した時点で、次の一対の端点PR2、PL2間に移
動体Sを向かわせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体の誘導装置に
関し、特に移動体が道幅の狭い鋭角なカーブを曲がる場
合や、前進または後退する場合に好適な移動体の誘導装
置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】移動
車両を誘導する従来技術として「地点追従方式」と呼ば
れる技術がある。
【0003】図37は「地点追従方式」を用いて移動車
両を誘導する技術を示す図である。
【0004】同図37に示す技術では、移動車両Sの予
定走行経路であるカーブを、移動車両Sの目標地点P
1、P2、P3、P4、P5、P6、P7の点列として教示す
る。移動車両Sが走行する領域は座標系で表現され、こ
の座標系を走行する移動車両Sの目標地点P1、P2、P
3、P4、P5、P6、P7は座標データで表現される。
【0005】よって同図37に示す技術では、この座標
データと目標地点P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7
を各々中心とする円の半径r1、r2、r3、r4、r5、
r6、r7とを用いることにより、移動車両Sを各目標地
点P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7を順次追従する
ように誘導させる。
【0006】この同図37に示す技術は、野外の広大な
不整地を走行する大型建設機械を誘導させる場合に好適
である。
【0007】一方、自動化された工場で無人搬送車や無
人フォークリフトを使用したり、あるいはITS(Inte
lligent Transportation System)で無人自動車を使用
したりするように、小型の移動車両を屋内や狭い敷地内
あるいは狭い道路で誘導させる場合がある。
【0008】この場合を図37を参照して説明する。
【0009】例えば、各目標地点P1、P2、P3、P4、
P5、P6、P7を順次追従しながらカーブを曲がるよう
に移動車両Sを誘導させる。
【0010】このとき、カーブが急なため移動車両Sは
目標地点P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7から大き
く外れてカーブの内側K′を通る小回り現象が生じてし
まう。
【0011】これは、移動車両Sが現在の目標地点に対
応する円内に入った時点で次の目標に向かうように誘導
されることが原因と考えられる。
【0012】つまり、移動車両Sが目標地点の手前で次
の目標に向かうように誘導されることが原因と考えられ
る。
【0013】このため、カーブ内側の地点Kpに障害物
があれば、この障害物と移動車両Sが衝突して事故が起
きる虞がある。
【0014】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、移動体の予定走行経路が鋭角なカーブであっ
ても、小回り現象を発生させることなく移動体を誘導す
ることを第1の解決課題とする。
【0015】さて、自動車工学の分野ではステアリング
式の4輪車を仮想的に2輪車に置き換える場合がある。
この場合の2輪車は等価2輪車と呼ばれる。
【0016】図38(a)は等価2輪車を前進させて目
標地点に誘導する場合を示す図であり、同図(b)は等
価2輪車を後退させて目標地点に誘導する場合を示す図
である。
【0017】同図38(a)、(b)において、等価2
輪車S0は操舵輪S1と固定輪S2の二つの車輪を備えて
いる。
【0018】同図38(a)、(b)では、操舵輪S1
の操舵角ζを目標地点Pn(Xn、Yn)に向けることに
よって、等価2輪車を目標地点Pn(Xn、Yn)に到達
させるようにしている。
【0019】同図38(a)に示すように、等価2輪車
S0を前進させて目標地点Pn(Xn、Yn)に到達させる
場合、固定輪S2が操舵輪S1の操舵角ζに従って進む。
【0020】よって、等価2輪車S0を前進させる場合
には、目標地点Pn(Xn、Yn)に等価2輪車S0を到達
させることができる。
【0021】しかしながら、同図38(b)に示すよう
に、等価2輪車S0を後退させて目標地点Pn(Xn、Y
n)に到達させる場合、前進時と同様に操舵角ζを目標
地点Pn(Xn、Yn)に向けてしまうと操舵輪S1と固定
輪S2の進む方向が異なってしまう。
【0022】よって、等価2輪車S0を後退させる場合
には、等価2輪車S0を目標地点Pn(Xn、Yn)に到達
させることができない。
【0023】つまり、図38(a)、(b)では、等価
2輪車の前進時の操舵角ζと後退時の操舵角ζとを同一
にすることができない。
【0024】このため、移動車両Sを目標地点Pn(X
n、Yn)に誘導させる従来の技術では、例えば特開昭6
3−19011号公報に示すように制御アルゴリズムを
等価2輪車の前進時と後退時に応じて切り替えていた。
【0025】これにより、上記従来技術では移動車両S
の前進時と後退時に制御特性が変わってしまうという問
題が招来する。また、操舵角ζの制御が複雑になるとい
う問題が招来する。
【0026】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであり、移動車両の前進時と後退時の制御特性を同一
にするとともに、操舵角ζの制御を簡易にすることを第
2の解決課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用効果】そこで、本
発明の第1発明では、上記第1の解決課題を達成するた
めに、移動体の予定走行経路上の複数の目標のうち現在
の目標に到達した時点で、次の目標へ向けて該移動体を
向かわせるように誘導させる移動体の誘導装置におい
て、前記予定走行経路を挟んで所定の距離だけ離間させ
た一対の端点を前記目標とし、現在の前記一対の端点間
に前記移動体が到達した時点で、次の前記一対の端点間
に前記移動体を向かわせるようにしている。
【0028】上記第1発明を図1(a)を参照して説明
する。
【0029】上記第1発明によれば、予定走行経路Kを
挟んで所定の距離だけ離間させた一対の端点PRn、PLn
が移動体Sの目標とされる。
【0030】そこで、例えば現在の一対の端点PR1、P
L1間に移動体Sが到達した時点で、次の一対の端点PR
2、PL2間に移動体Sを向かわせる。
【0031】従って、上記第1発明によれば、現在の一
対の端点PR1、PL1間に移動体Sが到達した時点で、次
の一対の端点PR2、PL2間に移動体Sを向かわせるよう
にしているので、移動体Sの予定走行経路Kが鋭角なカ
ーブであっても、小回り現象を発生させることなく移動
体Sを誘導することができる。
【0032】また、本発明の第2発明では、上記第1の
解決課題を達成するために、移動体の予定走行経路上の
複数の通過領域のうち現在の通過領域に到達した時点
で、次の通過領域へ向けて前記移動体を向かわせるよう
に誘導させる移動体の誘導装置において、前記移動体が
前記現在の通過領域を最初に検出してから所定の距離だ
け進行し、かつ前記通過領域内の所定の地点に到達した
時点で、前記次の通過領域に前記移動体を向かわせるよ
うにしている。
【0033】上記第2発明を図12を参照して説明す
る。
【0034】上記第2発明によれば、移動体Sが現在の
通過領域M1を最初に検出してから所定の距離だけ進行
し、かつ通過領域M1内の所定の地点P1に到達した時点
で、次の通過領域M2に移動体Sを向かわせる。
【0035】従って、上記第2発明によれば、移動体S
が現在の通過領域M1を最初に検出してから所定の距離
だけ進行し、かつ通過領域M1内の所定の地点P1に到達
した時点で、次の通過領域M2に移動体Sを向かわせる
ようにしているので、第1発明と同様に移動体Sの予定
走行経路Kが鋭角なカーブであっても、小回り現象を発
生させることなく移動体Sを誘導することができる。さ
らに第2発明によれば、移動体Sの目標が円形、多角形
などの如何なる幾何学形状であったとしても第1発明の
効果が得られる。
【0036】また、本発明の第3発明では、上記第2の
解決課題を達成するために、操舵輪と固定輪とを有する
移動体の予定走行経路上の複数の目標のうち現在の目標
に到達した時点で、次の目標へ向けて該移動体を向かわ
せるように誘導させる移動体の誘導装置において、前記
操舵輪の中心軸と前記固定輪の中心軸との間の距離と、
前記移動体が次の目標に旋回移動する際の旋回円の半径
とから前記操舵輪の操舵角度を求め、この求められた操
舵角度に基づいて前記移動体を操舵し、前記目標に向け
て前記移動体を向かわせるようにしている。
【0037】上記第3発明を図2、図6、図8を参照し
て説明する。
【0038】上記第3発明によれば、操舵指令算出手段
5によって移動体Sの操舵輪S1の中心軸Aと固定輪S2
の中心軸Bとの間の距離Lと、次の目標に旋回移動する
際の旋回半径rgとから操舵輪S1の操舵角度ζが求めら
れる。
【0039】この求められた操舵角度ζに基づいて移動
体Sが操舵され、次の一対の端点間PRn、PLnに向けて
移動体Sが誘導される。
【0040】従って、上記第3発明によれば、操舵指令
算出手段5によって移動体Sの操舵輪S1の中心軸Aと
固定輪S2の中心軸Bとの間の距離Lと、旋回半径rgと
から操舵輪S1の操舵角度ζが求められ、この求められ
た操舵角度ζに基づいて移動体Sが操舵されるので、移
動車両の前進時と後退時の制御特性を同一にすることが
できる。また、操舵角ζの制御を簡易にすることができ
る。
【0041】また、本発明の第4発明では、上記第1の
解決課題及び第2の解決課題を達成するために、操舵輪
と固定輪とを有する移動体の予定走行経路上の複数の目
標のうち現在の目標に到達した時点で、次の目標へ向け
て該移動体を向かわせるように誘導させる移動体の誘導
装置において、前記予定走行経路を挟んで所定の距離だ
け離間させた一対の端点を前記目標とし、前記操舵輪の
中心軸と前記固定輪の中心軸との間の距離と、前記移動
体が次の目標に旋回移動する際の旋回円の半径とから前
記操舵輪の操舵角度を求め、現在の前記一対の端点間を
前記移動体が通過した時点で、前記求められた操舵角度
に基づいて前記移動体を操舵し、前記次の一対の端点間
に前記移動体を向かわせるようにしている。
【0042】上記第4発明を図1(a)、図2、図6、
図8を参照して説明する。
【0043】上記第4発明によれば、予定走行経路Kを
挟んで所定の距離だけ離間させた一対の端点PRn、PLn
が移動体Sの目標とされる。
【0044】そこで、操舵指令算出手段5によって操舵
輪S1の中心軸と固定輪S2の中心軸との間の距離Lと、
旋回半径rgとから操舵輪S1の操舵角度ζが求められ
る。
【0045】そして現在の一対の端点PR1、PL1間に移
動体Sが到達した時点で、操舵角度ζに基づいて移動体
Sが操舵され、次の一対の端点PR2、PL2間に向けて移
動体Sが向かわされる。
【0046】従って、上記第4発明によれば、操舵指令
算出手段5によって操舵輪S1の中心軸と固定輪S2の中
心軸との間の距離Lと、旋回半径rgとから操舵輪S1の
操舵角度ζが求められ、現在の一対の端点PR1、PL1間
に移動体Sが到達した時点で、操舵角度ζに基づいて移
動体Sが操舵され、次の一対の端点PR2、PL2間に向け
て移動体Sが向かわされるので、上記第1発明及び第3
発明と同じ効果が得られる。
【0047】また、本発明の第5発明では、上記第1の
解決課題及び第2の解決課題を達成するために、操舵輪
と固定輪とを有する移動体の予定走行経路上の複数の通
過領域のうち現在の通過領域に到達した時点で、次の通
過領域へ向けて前記移動体を向かわせるように誘導させ
る移動体の誘導装置において、前記操舵輪の中心軸と前
記固定輪の中心軸との間の距離と、前記移動体が次の目
標に旋回移動する際の旋回円の半径とから前記操舵輪の
操舵角度を求め、前記移動体が前記現在の通過領域を最
初に検出してから所定の距離だけ進行し、かつ前記通過
領域内の所定の地点に到達した時点で、前記求められた
操舵角度に基づいて前記移動体を操舵し、前記次の通過
領域に向けて前記移動体を向かわせるようにしている。
【0048】上記第5発明を図2、図6、図14を参照
して説明する。
【0049】上記第5発明によれば、操舵指令算出手段
5によって操舵輪S1の中心軸と固定輪S2の中心軸との
間の距離Lと、次の目標に旋回移動する際の旋回半径r
gとから操舵輪S1の操舵角度ζが求められる。
【0050】そして、移動体Sが現在の通過領域M1を
最初に検出してから所定の距離だけ進行し、かつ通過領
域M1内の所定の地点P1に到達した時点で、操舵角度ζ
に基づいて移動体Sが操舵され、次の通過領域M2に向
けて移動体Sが向かわされる。
【0051】従って、上記第5発明によれば、操舵指令
算出手段5によって操舵輪S1の中心軸と固定輪S2の中
心軸との間の距離Lと、旋回半径rgとから操舵輪S1の
操舵角度ζが求められ、移動体Sが現在の通過領域M1
を最初に検出してから所定の距離だけ進行し、かつ通過
領域M1内の所定の地点P1に到達した時点で、操舵角度
ζに基づいて移動体Sが操舵され、次の通過領域M2に
向けて移動体Sが向かわされるので、上記第2発明及び
第3発明と同じ効果が得られる。
【0052】また、本発明の第6発明では、上記第1発
明において、前記予定走行経路上の複数の目標は点列で
あり、前記予定走行経路のうち曲線に対応する点列につ
いて一対の端点を生成し、前記移動体を、前記点列のう
ち現在の点に到達した時点で、生成された前記一対の端
点間に向かわせるようにしている。
【0053】上記第6発明を図22を参照して説明す
る。
【0054】上記第6発明によれば、予定走行経路K上
の点列P1、P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7が複数
の目標とされる。
【0055】そこで曲線の予定走行経路Kにおいて、一
対の端点PR1、PL1が点列P1、P1、P2、P3、P4、
P5、P6、P7のうち点P1から生成される。
【0056】そして移動体Sは、点列P1、P1、P2、
P3、P4、P5、P6、P7のうち現在の点P1に到達した
時点で、生成された一対の端点PR2、PL2間に向かわさ
れる。
【0057】つまり、上記第6発明によれば、予定走行
経路Kが曲線の場合について、一対の端点PR2、PL2を
点P2から生成するようにしている。
【0058】従って、上記第6発明によれば、予定走行
経路Kが曲線の場合について、一対の端点PR2、PL2を
生成するようにしているので、点列から一対の端点を生
成する演算が、点列の全てを一対の端点に生成する演算
を行う場合と比べて容易になる。さらに第6発明によれ
ば、上記第1発明と同じ効果が得られる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明に係る
移動体の誘導装置の実施形態について説明する。なお、
この実施形態の移動体はステアリング方式の4輪車を想
定している。
【0060】図2は本発明に係わる移動車両の誘導装置
の構成を示すブロック図である。
【0061】同図2に示す移動車両の誘導装置は、現在
運動計測手段2と、予定走行経路記憶手段1と、予定走
行経路変更手段3と、走行条件選択手段4と、操舵指令
算出手段5と、車速指令算出手段6と、障害物検知手段
8と、車体7(移動車両S)とから構成されている。
【0062】次に上記各構成について説明する。
【0063】現在運動計測手段2は、移動車両Sの現在
位置P1、進行方向θt、速度、旋回角速度ωなどの移動
車両の現在の運動状態の情報をGPS(Global Positi
oning System)や推測航法(Dead Reckoning)などを
用いて計測する。
【0064】予定走行経路記憶手段1は、CAD(Comp
uter Automation Design)やティーチングプレイバッ
クによって作成された点データから一対の端点または任
意の幾何学図形に変換されたデータを予定走行経路Kの
複数の目標データとして記憶する。また予定走行経路記
憶手段1は、現在運動計測手段2から移動車両Sの現在
の運動状態の情報を取得する。さらに予定走行経路記憶
手段1は、記憶された予定走行経路Kの複数の目標デー
タを走行条件選択手段4に出力する。
【0065】障害物検知手段8は、予定走行経路K上に
存在する障害物の検知を行う。
【0066】予定走行経路変更手段3は、予定走行経路
Kの目標データと異なる一対の端点または任意の幾何学
図形のデータを記憶する。さらに予定走行経路変更手段
3は、障害物検知手段8から予定走行経路K上の障害物
の情報を取得するとともに、現在運動計測手段2から移
動車両Sの現在の運動状態の情報を取得する。また予定
走行経路変更手段3は、走行条件選択手段4に予定走行
経路Kの目標データと異なる一対の端点または任意の幾
何学図形のデータ(予定走行経路の変更情報)を出力す
る。
【0067】走行条件選択手段4は、通常の場合(予定
走行経路K上に障害物が存在しない場合)には予定走行
経路記憶手段1から予定走行経路Kの複数の目標データ
を取得するとともに、現在運動計測手段2から移動車両
Sの現在の運動状態の情報を取得する。一方非常の場合
(予定走行経路K上に障害物が存在する場合)には、予
定走行経路変更手段3から予定走行経路Kの目標データ
と異なる一対の端点または任意の幾何学図形のデータ
(予定走行経路の変更情報)を取得する。また走行条件
選択手段4は、目標データ、あるいは目標データと異な
る一対の端点または任意の幾何学図形のデータに対する
現在の移動車両の相対位置を操舵指令算出手段5に出力
するとともに、車速指令算出手段6に走行条件を出力す
る。
【0068】操舵指令算出手段5は、操舵角度ζの演算
を行うとともに、車体7(移動車両S)に操舵指令を出
力して移動車両Sの操舵角度ζの制御を行う。これによ
り操舵指令算出手段5は移動車両Sに対して直進、右旋
回、左旋回を行わせる。
【0069】車速指令算出手段6は、車体7の速度を演
算するとともに、車体7に走行指令を出力して車体7の
速度の制御を行う。これにより車速指令算出手段6は車
体7に対して加速、減速、前進、後退を行わせる。
【0070】車体7(移動車両S)は、これら操舵指令
算出手段5から出力される操舵指令と、車速指令算出手
段6から出力される走行指令とを受けて車体速度の調整
を行う。
【0071】障害物検知手段8は、超音波センサ、ある
いはレーザレンジファインダを用いたり、複数のビデオ
カメラを用いてビデオカメラに写る映像の視差から対象
物の距離を計測するステレオ視などの技術によって、移
動車両Sの前方や周囲の障害物の有無の検出、障害物の
運動状況の認識、障害物までの距離の計測などを行う。
【0072】予定走行経路変更手段3は、障害物検知手
段8から障害物の情報を受け取るとともに、現在運動計
測手段2から移動車両Sの現在の運動状態の情報を取得
する。そして、これら障害物の情報と移動車両Sの現在
の運動状態の情報とに基づいて、走行条件選択手段4に
対して予定走行経路Kの変更に関する情報を出力する。
【0073】次に、図2に示す移動車両の誘導装置の動
作について説明する。
【0074】ここで予定走行経路Kの複数の目標データ
を複数の一対の端点とした場合について図1、図3を参
照して説明する。
【0075】図1(a)は予定走行経路Kの複数の目標
データを複数の一対の端点PRn、PLn(n=1〜7)と
した場合の実施形態を示す図であり、同図(b)は目標
データを、幅d、基準の方向に対する傾きθa、中心点
Paの線分Gaとして記述した例を示す図である。
【0076】各一対の端点PRn、PLnは予定走行経路K
を挟むように離間されている。
【0077】また、各一対の端点PRn、PLn間には各目
標地点Pn(n=1〜7)が含まれている。
【0078】また、同図1(b)の線分Gaの幅dによ
って移動車両Sの通過の許容量が定まる。
【0079】なお、各一対の端点PRn、PLnおよび線分
Gaはゲートとも呼ばれている。
【0080】図3は図2に示す移動車両の誘導装置が行
う処理を説明するフローチャートである。
【0081】図3に示すフローチャートにおいて、まず
ステップ101で、図1の移動車両Sが直進しているか
否か(旋回しているか)が判定される。
【0082】このステップ101では、図2の現在運動
計測手段2が時刻tにおける移動車両Sの旋回角速度ω
t、速度vtを各々計測し移動車両Sの旋回半径rtを求
める。この結果、移動車両Sが走行した軌跡が直線と見
なせるほど旋回半径rtが極めて大きい場合には移動車
両Sが直進しているものと判定する(ステップ101の
判断YES)。一方、旋回半径rtが極めて大きい場合
以外には移動車両Sが旋回しているものと判定する(ス
テップ101の判断NO)。移動車両Sの旋回半径rt
が車体寸法に比べて十分大きければ(例えば車体寸法に
対して旋回半径rtが10倍)、移動車両Sは直進して
いるものとみなすことができる。
【0083】ステップ101でYESと判断されると、
以後移動車両Sが直進しているものとして処理が行われ
る(ステップ102)。一方、ステップ101でNOと
判断されると、以後移動車両Sが旋回しているものとし
て処理が行われる(ステップ103)。
【0084】まず直進している移動車両Sを操舵せずに
そのまま端点PR2、PL2 間に向けて進行させる処理に
ついて説明する。
【0085】ステップ104では、直進している移動車
両Sが端点PR1、PL1間に到達した時点以降、次の端点
PR2、PL2間を通過できるか否かを判定する。
【0086】つまりステップ104では、図2の走行条
件選択手段4が移動車両Sの操舵を行うか否かを判断す
る。
【0087】ここで移動車両Sが操舵しなくてもそのま
ま端点PR2、PL2間を通過できる場合(ステップ104
の判断YES)、走行条件選択手段4は、移動車両Sを
そのまま進行させるようにするデータを操舵指令算出手
段5に対して出力する(ステップ107)。
【0088】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図4、図5を参照して説明する。
【0089】まず、端点PR2、PL2間の通過を確認する
ための処理について図4を参照して説明する。
【0090】同図4では、一対の端点PR1、PL1を幅
d、基準の方向に対する傾きθ1、中心点P1(x1、y
1)の線分G1として表現している。また時刻tにおける
移動車両Sの代表点をPt(xt、yt)とし、時刻t+
1における移動車両Sの代表点をPt+1(xt+1、yt+
1)としている。よって、線分G1の方程式は下記(1)
式で表される。
【0091】 (x−x1)・tanθ1−(y−y1)=0 … (1) ここで、点Pt(xt、yt)は、同図4に示すように線
分G1の下側に存在している。よって、点Pt(xt、y
t)を上記(1)式に代入すると、点Pt(xt、yt)を
通る直線の方程式は下記(2)式で表される。
【0092】 μt=(xt−x1)・tanθ1−(yt−y1)>0 … (2) 一方、点Pt+1(xt+1、yt+1)は、同図4に示すよう
に線分G1の上側に存在している。よって、点Pt+1(x
t+1、yt+1)を上記(1)式に代入すると、点Pt+1
(xt+1、yt+1)を通る直線の方程式は下記(3)式で
表される。
【0093】 μt+1=(xt+1−x1)・tanθ1−(yt+1−y1)<0 … (3) そして、移動車両Sの代表点Pt(xt、yt)、または
Pt+1(xt+1、yt+1)が線分G1上に存在する場合、上
記(1)式が成立するので、上記μt、またはμt+1の値
は0となる。
【0094】また移動車両Sが線分G1を通過した場
合、上記μt、μt+1は符号が互いに逆になるか、あるい
は各々の値が0となる。
【0095】すなわち、走行条件選択手段4は、移動車
両Sが進行するにつれ、時々刻々変化する時刻tにおけ
る移動車両Sの代表点Pt(xt、yt)を現在の目標で
ある線分G1の方程式(1)に代入してμtを求め、さら
に、時刻tの次の瞬間である時刻t+1における移動車
両Sの代表点Pt+1(xt+1、yt+1)を線分G1の方程式
(1)に代入してμt+1を求める。
【0096】このようにして求めたμtとμt+1との積が
0となるか、あるいはこの積の符号が負になった場合
(μt・μt+1≦0になった場合)に移動車両Sが線分G
1を通過したことが判明する。
【0097】こうして、走行条件選択手段4は移動車両
Sが線分G1上に到達したか否かを確認する。
【0098】ここで、移動車両Sを一対の端点PR2、P
L2間に向けて進行させる処理について図5を参照して説
明する。
【0099】図5では、移動車両Sの代表点(上記線分
G1上の点)をP1(x1、y1)とする。また、移動車両
Sの進行方向をθtとする。よって、移動車両Sが直進
する際の軌跡となる直線の方程式は、下記(4)式で表
すことができる。
【0100】 (x−x1)・tanθt−(y−y1)=0 … (4) ここで、この(4)式で表される直線を境界線とした場
合には、同図5に示す端点PR2(xR2、yR2)は(4)
式の直線よりも下側に存在するので負の領域に含まれ
る。一方、端点PL2(xL2、yL2)は(4)式の直線よ
りも上側に存在するので正の領域に含まれる。
【0101】ところで、点P1(x1、y1)と端点PR2
(xR2、yR2)とが通る直線の方程式は、 λR=(xR2−x1)・tanθt−(yR2−y1) … (5) で表される。
【0102】また、点P1(x1、y1)と端点PL2(xL
2、yL2)とが通る直線の方程式は、 λL=(xL2−x1)・tanθt−(yL2−y1) … (6) で表される。
【0103】ここで、(5)式の直線は負の領域を通っ
ているのでλRの符号は負になる。一方、(6)式の直
線は正の領域を通っているのでλLの符号は正になる。
【0104】よって上記(5)式と(6)式との積、 λ=λR・λL … (7) を求めると、λの符号は負となる。
【0105】また、(4)式の直線が端点PR2(xR2、
yR2)、PL2(xL2、yL2)のうちの一方を通っていれ
ば、λは0となる。
【0106】よって、λ≦0の場合に、(4)式の直線
が端点PR2(xR2、yR2)、PL2(xL2、yL2)間を通
ることがわかる。
【0107】これにより、走行条件選択手段4は、移動
車両Sは操舵しなくてもそのまま端点PR2、PL2間を通
過できると判断する(ステップ104の判断YES)。
【0108】この走行条件選択手段4の判断結果に基づ
いて、操舵指令算出手段5は移動車両Sに対して操舵を
そのまま維持するように操舵指令を出力する(ステップ
107)。
【0109】次に直進している移動車両Sを操舵して一
対の端点PR2、PL2間に向けて進行させる処理について
説明する。
【0110】移動車両Sが端点PR2、PL2間を通過でき
ない場合(ステップ104の判断NO)、走行条件選択
手段4は、移動車両Sを操舵するためのデータを操舵指
令算出手段5に対して出力する。
【0111】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図5を参照して説明する。
【0112】上述した図4に示すように走行条件選択手
段4は移動車両Sが端点PR1、PL1間上(線分G1上)
に到達したか否かを確認する。
【0113】ここで、上記式(4)(下記に示す)が、 (x−x1)・tanθt−(y−y1)=0 … (4) 同図5に示す端点PR2及びPL2よりも上側に存在する場
合には、これら端点PR2、PL2は負の領域に含まれる。
【0114】すなわち、上記λR、λLの符号は各々負と
なる。
【0115】よって、上記(7)式(下記に示す)を用
いてλを求めると、 λ=λR・λL … (7) λの符号は正となる。
【0116】また、上記(4)式が、同図5に示す端点
PR2及びPL2よりも下側に存在する場合には、これら端
点PR2、PL2は正の領域に含まれる。
【0117】すなわち、上記λR、λLの符号は各々正と
なる。
【0118】よって、上記(7)式を用いてλを求める
と、λの符号は正となる。
【0119】つまり、λ>0の場合に、(4)式の直線
が端点PR2、PL2間を通らないことがわかる。
【0120】これにより、走行条件選択手段4は、移動
車両Sはこの状態では端点PR2、PL2間を通過できない
と判断する(ステップ104の判断NO)。
【0121】そこで、走行条件選択手段4は、予定走行
経路記憶手段1から取得した目標地点P2(x2、y2)
のデータと、現在運動計測手段2から取得した移動車両
Sの現在位置P1(x1、y1)、進行方向θtのデータと
を操舵指令算出手段5に出力する。
【0122】操舵指令算出手段5は移動車両Sを操舵す
るための演算を行う(ステップ106)。
【0123】操舵指令算出手段5で行われる処理につい
て図5、図6を参照して説明する。
【0124】操舵指令算出手段5は、取得した目標地点
P2(x2、y2)、移動車両Sの現在位置P1(x1、y
1)、進行方向θtの各データより、移動車両Sを目標地
点P2(x2、y2)に向かわせるための目標旋回半径rg
を下記(8)式を用いて求める。
【0125】 rg={(x2−x1)2+(y2−y1)2}/{(x2−x1)・sinθt−(y 2−y1)・cosθt}/2 … (8) なお、rg>0で右旋回となり、rg<0で左旋回とな
る。
【0126】上述してきた移動車両Sはステアリング方
式の4輪車を想定している。
【0127】ここで、移動車両Sを等価2輪車S0に置
き換え、図6を参照して移動車両Sの操舵について説明
する。
【0128】同図6において、この等価2輪車S0は操
舵輪S1と固定輪S2とを備えている。操舵輪S1の中心
軸Aと固定輪S2の中心軸Bとの間の距離(ホイールベ
ース)はLとする。等価2輪車S0が旋回走行する際の
旋回円の旋回半径rtと旋回円の接線方向とは常に直角
Rの関係となる。操舵角θtは旋回円の旋回中心点Pc
回りの APcBと等しい。
【0129】よって、等価2輪車S0の現在の旋回半径
rtは、下記(9)式 rt=L/tanθt … (9) で表される。
【0130】従って、上記(9)式より目標旋回半径r
gのときの目標操舵角度ζは、 ζ=tan-1(L/rg) … (10) と求められる。
【0131】こうして求めた目標操舵角度ζを、操舵指
令算出手段5は移動車両S(車体7)に対して操舵指令
として出力して等価2輪車S0の操舵角の制御を行う。
【0132】これにより、移動車両Sを次の端点PR2、
PL2間に向かわせることができる。
【0133】但し、この図3に示すステップ101から
107までの処理は1秒間に10回程度繰り返される。
これにより、移動車両Sの進行方向が絶えず修正される
ことになるので、移動車両Sを次の端点PR2、PL2間へ
の方向に向かわせることができる。
【0134】ところで、移動車両Sはステアリング方式
でなくても旋回半径を用いて操舵することができる。
【0135】図7はスキッドステア方式の移動車両Sを
操舵する場合について説明する図である。スキッドステ
ア方式は「差動駆動方式(Differential Drive)」と
も呼ばれている。
【0136】同図7に示すスキッドステア方式の移動車
両S0′は、互いに回転速度を異ならせることが可能な
二つの駆動輪SR、SLを左右に備えている。そして、駆
動輪SR、SLの回転速度vR、vLを互いに異ならせるこ
とによって、旋回走行することが可能となる。
【0137】ここで、移動車両S0′の旋回半径rcは車
両幅Wおよび駆動輪SR、SLの各々の速度vR、vLから
下記(11)式で表される。
【0138】 rc=W(vL+vR)/2(vL−vR) … (11) つまり、目標地点P2(x2、y2)を通過させるため
に、移動車両S0′を直進させる場合には、操舵指令算
出手段5が移動車両S0′(車体7)に対し、操舵指令
としてvR=vLを出力する。
【0139】同様に目標地点P2(x2、y2)を通過さ
せるために、移動車両S0′に対して旋回走行させる場
合には、上記(8)式(下記に示す)を用いて、 rg={(x2−x1)2+(y2−y1)2}/{(x2−x1)・sinθt−(y 2−y1)・cosθt}/2 … (8) rg=rcとして操舵指令算出手段5が旋回半径rcを求
め、移動車両S0′(車体7)に対し、操舵指令として
旋回半径rcを出力する。
【0140】また、車速指令算出手段6は、下記(1
2)式を用いて車両中心速度vcを演算する。
【0141】vc=(vR+vL)/2 … (12) そして、車速指令算出手段6から移動車両S0′(車体
7)に対して、走行指令として車両中心速度vcを出力
する。
【0142】移動車両S0′(車体7)は、これら操舵
指令と走行指令を受けて上記(11)式、(12)式で
求められた旋回半径rcと車両中心速度vcとから速度v
R、vLを逆算し、速度調整を行う。
【0143】これにより、スキッドステア方式の移動車
両S0′でも、次の端点PR2、PL2間に向かわせること
ができる。
【0144】なお、移動車両S0′を最高速度vmaxで直
進走行している状態から操舵させる場合には、駆動輪S
1あるいはS2を最高速度vmax以上にする必要が生じる
が、実際には駆動輪S1、S2を最高速度vmax以上にす
ることはできないので、駆動輪S1あるいはS2のうち高
速で駆動させたい駆動輪のみを最高速度vmaxで駆動さ
せる。そして他方の駆動輪については、所望の旋回半径
rcを維持するように、移動車両S0′で上記(11)式
を用いて速度を逆算し、移動車両S0′の速度調整を行
う。
【0145】次に旋回走行している移動車両Sを操舵せ
ずにそのまま端点PR2、PL2間に向けて進行させる処理
について説明する。
【0146】ステップ105では、旋回走行している移
動車両Sが端点PR1、PL1間に到達した時点以降、次の
端点PR2、PL2間を通過できるか否かを判定する。
【0147】つまりステップ105では、図2の走行条
件選択手段4が移動車両Sの操舵を行うか否かを判断す
る。
【0148】ここで移動車両Sが操舵しなくてもそのま
ま端点PR2、PL2間を通過できる場合(ステップ105
の判断YES)、走行条件選択手段4は、移動車両Sを
そのまま進行させるようにするデータを操舵指令算出手
段5に対して出力する(ステップ107)。
【0149】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図8を参照して説明する。
【0150】図8において移動車両Sは進行方向θt、
旋回半径rtで旋回走行している。
【0151】走行条件選択手段4は、上述した図4に示
すように移動車両Sが端点PR1、PL1間上(線分G1
上)に到達したか否かを確認する。そして、移動車両S
が端点PR1、PL1間上(線分G1上)に到達した時点以
降、旋回中心点Pc(xc、yc)から端点PR2(xR2、
yR2)までの距離rR、および旋回中心点Pc(xc、y
c)から端点PL2(xL2、yL2)までの距離rLを求め
る。
【0152】距離rRは、 rR=√{(xR2−xc)2+(yR2−yc)2} … (13) で表される。
【0153】一方、距離rLは、 rL=√{(xL2−xc)2+(yL2−yc)2} … (14) で表される。
【0154】また、現在運動計測手段2によって移動車
両Sの速度vtと旋回角速度ωtが計測され旋回半径rt
が求められる。
【0155】ここで、距離rRよりも旋回半径rtが長け
れば、下記(15)式に示す距離rRと旋回半径rtの差
λrRの符号は負となる。
【0156】λrR=rR−|rt| … (15) (ここで、旋回半径rtは右旋回と左旋回で符号が変わ
るため、絶対値としている。)一方、距離rLよりも旋
回半径rtが短ければ、下記(16)式に示す距離rLと
旋回半径rtの差λrLの符号は正となる。
【0157】λrL=rL−|rt| … (16) また、旋回半径rtが端点PR2(xR2、yR2)、PL2
(xL2、yL2)のうちの一方を通っていれば、λrR
か、あるいはλrLのうち一方が0となる。
【0158】よって、下記(17)式に示す上記(1
5)式と(16)式との積 λ=λrR・λrL … (17) より、走行条件選択手段4は、λ≦0の場合に、旋回半
径rtが端点PR2(xR2、yR2)、PL2(xL2、yL2)
間を通るものと判断する。
【0159】これにより、走行条件選択手段4は、移動
車両Sは操舵しなくてもそのまま端点PR2、PL2間を通
過できると判断する(ステップ105の判断YES)。
【0160】この走行条件選択手段4の判断結果に基づ
いて、操舵指令算出手段5は移動車両Sに対して操舵を
そのまま維持するように操舵指令を出力する(ステップ
107)。
【0161】次に旋回走行している移動車両Sを操舵し
て一対の端点PR2、PL2間に向けて進行させる処理につ
いて説明する。
【0162】移動車両Sが端点PR2、PL2間を通過でき
ない場合(ステップ105の判断NO)、走行条件選択
手段4は、移動車両Sを操舵するためのデータを操舵指
令算出手段5に対して出力する。
【0163】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図8を参照して説明する。
【0164】この図8では、上述したように旋回中心点
Pc(xc、yc)から端点PR2(xR2、yR2)までの距
離rR、および旋回中心点Pc(xc、yc)から端点PL2
(xL2、yL2)までの距離rL、および移動車両Sの旋
回半径rtが各々求められる。
【0165】また、上述した図4に示すように走行条件
選択手段4は移動車両Sが端点PR1、PL1間上(線分G
1上)に到達したか否かを確認する。
【0166】ここで、距離rRよりも旋回半径rtが短け
れば、上記(15)式(下記に示す)のλrRの符号は
正となる。
【0167】λrR=rR−|rt| … (15) 一方、このように距離rRよりも旋回半径rtが短かい場
合、当然、距離rLよりも旋回半径rtは短くなる。よっ
て、上記(16)式(下記に示す)のλrLの符号は正
となる。
【0168】λrL=rL−|rt| … (16) よって、距離rR、rLよりも旋回半径rtが短かい場
合、上記(17)式(下記に示す)のλは、 λ=λrR・λrL … (17) 正となる。(λ>0) また、距離rLよりも旋回半径rtが長ければ、上記(1
6)式のλrLの符号は負となる。
【0169】一方、このように距離rLよりも旋回半径
rtが長い場合、当然、距離rRよりも旋回半径rtは長
くなる。よって、上記(15)式のλrRの符号は負と
なる。
【0170】従って、距離rR、rLよりも旋回半径rt
が長い場合、上記(17)式のλは、正となる。(λ>
0) これにより、走行条件選択手段4は、λ>0の場合に、
旋回半径rtが端点PR2(xR2、yR2)、PL2(xL2、
yL2)間を通過することができないと判断する。(ステ
ップ104の判断NO)。
【0171】そこで、走行条件選択手段4は、上述した
ように予定走行経路記憶手段1から取得した目標地点P
2(x2、y2)のデータと、現在運動計測手段2から取
得した移動車両Sの現在位置P1(x1、y1)、進行方
向θtのデータとを操舵指令算出手段5に出力する。
【0172】操舵指令算出手段5は移動車両Sを操舵す
るための演算を行う(ステップ106)。
【0173】ここで、図5、図6を示して上述したよう
に、操舵指令算出手段5は、取得した目標地点P2(x
2、y2)、移動車両Sの現在位置P1(x1、y1)、進
行方向θtの各データより、移動車両Sを目標地点P2
(x2、y2)に向かわせるための目標旋回半径rgを上
記(8)式(下記に示す)を用いて求める。
【0174】 rg={(x2−x1)2+(y2−y1)2}/{(x2−x1)・sinθt−(y 2−y1)・cosθt}/2 … (8) そして、上記(10)式(下記に示す)より目標旋回半
径rgのときの目標操舵角度ζを求める。
【0175】ζ=tan-1(L/rg) … (10) こうして求めた目標操舵角度ζを、操舵指令算出手段5
は移動車両S(車体7)に対して操舵指令として出力し
て移動車両Sの操舵角の制御を行う。
【0176】これにより、旋回走行している移動車両S
を次の端点PR2、PL2間に向かわせることができる。
【0177】このように、上述した実施形態では、一対
の端点PR1、PL1間に移動体Sが到達した時点で、次の
一対の端点PR2、PL2間に移動体Sを向かわせるように
しているので、移動体Sの予定走行経路Kが鋭角なカー
ブであっても、小回り現象を発生させることなく移動体
Sを誘導することができる。
【0178】また、上述した実施形態では、移動車両S
0の前進時の操舵角ζと後退時の操舵角ζとを同一にす
ることができる。
【0179】図9(a)は目標ゲートGnの中心点Pnに
向けて移動車両S0を前進させる場合を示す図であり、
同図9(b)は目標ゲートGnの中心点Pnに向けて移動
車両S0を後退させる場合を示す図である。
【0180】同図9(a)、(b)に示すように、移動
車両S0の操舵角ζは前進時と後退時で同一にされてい
る。
【0181】従って、上述した実施形態では、移動車両
の前進時と後退時の制御特性を同一にすることができ
る。また、操舵角ζの制御を簡易にすることができる。
【0182】ところで、移動車両Sの予定走行経路Kの
路面に凹凸があったり、路上に障害物が存在して目標と
する一対の端点PLn、PRn間を通過できず、移動車両S
が予定走行経路Kから外れる場合がある。
【0183】そこで、移動車両Sが目標とする一対の端
点PLn、PRn間を通過できない場合には、次の一対の端
点PLn、PRn間に向かわせるようにする実施形態につい
て図10、図11を参照して説明する。なお、説明上、
目標とする一対の端点PLn、PRnをゲートで表現する。
【0184】図10において、移動車両Sは現在の目標
ゲートGnから外れてしまったため、現在の目標ゲート
Gnの延長線Gb上に到達する。
【0185】そこで、移動車両Sが現在の目標ゲートG
nの延長線に到達した時点で、移動車両Sを次の目標ゲ
ートGn+1に向かわせる。
【0186】これにより、移動車両Sの予定走行経路K
の路面に凹凸があったり、路上に障害物が存在して目標
ゲートGnを通過できない場合でも、移動車両Sを予定
走行経路K上に復帰させることができる。但し、このよ
うに移動車両Sが現在の目標ゲートGnから外れてしま
う場合には、移動車両Sの速度を下げることが望まし
い。
【0187】また、図11では、移動車両Sの代表点が
Pt-1、Pt、Pt+1と変化し、またこれらの点Pt-1、P
t、Pt+1と現在の目標ゲートGnの端点との距離がrt-
1、rt、rt+1と変化するように移動車両Sが運動した
場合に、移動車両Sを次の目標ゲートGn+1に向かわせ
るようにしている。
【0188】これにより、移動車両Sの予定走行経路K
の路面に凹凸があったり、路上に障害物が存在して目標
ゲートGnを通過できない場合でも、移動車両Sを予定
走行経路K上に復帰させることができる。但し、このよ
うに移動車両Sが現在の目標ゲートGnから外れてしま
う場合には、移動車両Sの速度を下げることが望まし
い。
【0189】さて、上述した実施形態では、予定走行経
路K上の目標データが一対の端点である場合について説
明してきたが、予定走行経路K上の目標データは任意の
幾何学図形としてもよい。
【0190】そこで、予定走行経路K上の目標データを
任意の幾何学図形とした場合の、図2の移動車両の誘導
装置の動作について図3、図12を参照して説明する。
【0191】図12は予定走行経路Kの複数の目標デー
タを複数の任意の幾何学図形Mn(n=1〜3)とした
場合の実施形態を示す図である。
【0192】同図12では任意の幾何学図形Mnが予定
走行経路K上の目標とされている。
【0193】なお、図3のフローチャートのステップ1
01〜103で行われる処理は、上述した予定走行経路
K上の目標データが一対の端点である場合の処理と同様
なので説明を省略する。
【0194】まず直進している移動車両Sを操舵せずに
そのまま任意の幾何学図形M2に向けて進行させる処理
について説明する。
【0195】ステップ104では、直進している移動車
両Sが現在の任意の幾何学図形M1を最初に検出してか
ら所定の距離だけ進行し、かつ任意の幾何学図形M1内
の所定の地点P1に到達した時点以降、次の任意の幾何
学図形M2内を通過できるか否かを判定する。
【0196】このときステップ104では、上述したよ
うに図2の走行条件選択手段4が移動車両Sの操舵を行
うか否かを判断する。
【0197】ここで移動車両Sが操舵しなくてもそのま
ま任意の幾何学図形M2を通過できる場合(ステップ1
04の判断YES)、走行条件選択手段4は、移動車両
Sをそのまま進行させるようにするデータを操舵指令算
出手段5に対して出力する(ステップ107)。
【0198】直進している移動車両Sを操舵せずにその
まま任意の幾何学図形M2内に向けて進行させる走行条
件選択手段4の処理について図13を参照して説明す
る。
【0199】この処理は、任意の幾何学図形M2内の移
動車両Sの進行方向θtと垂直な位置に、目標地点P2を
挟んで一対の端点PRn、PLnを置くこと以外、上述の図
5を参照して説明した処理と同様である。
【0200】図13においても、移動車両Sが直進する
際の軌跡となる直線の方程式は、上記(4)式(下記に
示す)で表される。
【0201】 (x−x1)・tanθt−(y−y1)=0 … (4) 従って、上記(4)式で表される直線を境界線とした場
合には、同図13に示す任意の幾何学図形M2内の端点
PR2(xR2、yR2)は(4)式の直線よりも下側に存在
するので負の領域に含まれる。一方、端点PL2(xL2、
yL2)は(4)式の直線よりも上側に存在するので正の
領域に含まれる。
【0202】また、点P1(x1、y1)と端点PR2(xR
2、yR2)とが通る直線の方程式は、上記(5)式で表
される(下記に示す)。
【0203】 λR=(xR2−x1)・tanθt−(yR2−y1) … (5) また、点P1(x1、y1)と端点PL2(xL2、yL2)と
が通る直線の方程式は、上記(6)式で表される(下記
に示す)。
【0204】 λL=(xL2−x1)・tanθt−(yL2−y1) … (6) ここで、上記(5)式の直線は負の領域を通っているの
でλRの符号は負になる。一方、上記(6)式の直線は
正の領域を通っているのでλLの符号は正になる。
【0205】よって上記(7)式(下記に示す)を求め
ると、 λ=λR・λL … (7) λの符号は負となる。
【0206】また、上記(4)式の直線が任意の幾何学
図形M2内の端点PR2(xR2、yR2)、PL2(xL2、yL
2)のうちの一方を通っていれば、λは0となる。
【0207】よって、λ≦0の場合に、上記(4)式の
直線が任意の幾何学図形M2内の端点PR2(xR2、yR
2)、PL2(xL2、yL2)間を通ることがわかる。
【0208】これにより、走行条件選択手段4は、移動
車両Sは操舵しなくてもそのまま任意の幾何学図形M2
内を通過できると判断する(ステップ104の判断YE
S)。
【0209】この走行条件選択手段4の判断結果に基づ
いて、操舵指令算出手段5は移動車両Sに対して操舵を
そのまま維持するように操舵指令を出力する(ステップ
107)。
【0210】次に直進している移動車両Sを操舵して任
意の幾何学図形M2内の端点PR2、PL2間に向けて進行
させる処理について説明する。
【0211】移動車両Sが任意の幾何学図形M2内の端
点PR2、PL2間を通過できない場合(ステップ104の
判断NO)、走行条件選択手段4は、移動車両Sを操舵
するためのデータを操舵指令算出手段5に対して出力す
る。
【0212】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図13を参照して説明する。
【0213】上述した図12に示すように走行条件選択
手段4は、移動車両Sが現在の任意の幾何学図形M1を
最初に検出してから所定の距離だけ進行し、かつ任意の
幾何学図形M1内の所定の地点P1に到達したか否かを確
認する。
【0214】ここで、上記式(4)(下記に示す)が、 (x−x1)・tanθt−(y−y1)=0 … (4) 同図13に示す端点PR2及びPL2よりも上側に存在する
場合には、これら任意の幾何学図形M1内の端点PR2、
PL2は負の領域に含まれる。
【0215】すなわち、上記λR、λLの符号は各々負と
なる。
【0216】よって、上記(7)式(下記に示す)を用
いてλを求めると、 λ=λR・λL … (7) λの符号は正となる。
【0217】また、上記(4)式が、同図13に示す端
点PR2及びPL2よりも下側に存在する場合には、これら
端点PR2、PL2は正の領域に含まれる。
【0218】すなわち、上記λR、λLの符号は各々正と
なる。
【0219】よって、上記(7)式を用いてλを求める
と、λの符号は正となる。
【0220】つまり、λ>0の場合に、(4)式の直線
が端点PR2、PL2間を通らないことがわかる。
【0221】これにより、走行条件選択手段4は、移動
車両Sはこの状態では任意の幾何学図形M1内の端点PR
2、PL2間を通過できないと判断する(ステップ104
の判断NO)。
【0222】そこで、走行条件選択手段4は、上述した
ように予定走行経路記憶手段1から取得した目標地点P
2(x2、y2)のデータと、現在運動計測手段2から取
得した移動車両Sの現在位置P1(x1、y1)、進行方
向θtのデータとを操舵指令算出手段5に出力する。
【0223】操舵指令算出手段5は移動車両Sを操舵す
るための演算を行う(ステップ106)。
【0224】ここで、図6、図13を示して上述したよ
うに、操舵指令算出手段5は、取得した目標地点P2
(x2、y2)、移動車両Sの現在位置P1(x1、y
1)、進行方向θtの各データより、移動車両Sを目標地
点P2(x2、y2)に向かわせるための目標旋回半径rg
を上記(8)式(下記に示す)を用いて求める。
【0225】 rg={(x2−x1)2+(y2−y1)2}/{(x2−x1)・sinθt−(y 2−y1)・cosθt}/2 … (8) そして、上記(10)式(下記に示す)より目標旋回半
径rgのときの目標操舵角度ζを求める。
【0226】ζ=tan-1(L/rg) … (10) こうして求めた目標操舵角度ζを、操舵指令算出手段5
は移動車両S(車体7)に対して操舵指令として出力し
て移動車両Sの操舵角の制御を行う。
【0227】これにより、直進している移動車両Sを次
の任意の幾何学図形M2に向かわせることができる。
【0228】次に旋回走行している移動車両Sを操舵せ
ずにそのまま任意の幾何学図形M2に向けて進行させる
処理について説明する。
【0229】ステップ105では、旋回走行している移
動車両Sが現在の任意の幾何学図形M1を最初に検出し
てから所定の距離だけ進行し、かつ任意の幾何学図形M
1内の所定の地点P1に到達したか否かを判定する。
【0230】つまりステップ105では、図2の走行条
件選択手段4が移動車両Sの操舵を行うか否かを判断す
る。
【0231】ここで移動車両Sが操舵しなくてもそのま
ま任意の幾何学図形M2に向かわせることができる場合
(ステップ105の判断YES)、走行条件選択手段4
は、移動車両Sをそのまま進行させるようにするデータ
を操舵指令算出手段5に対して出力する(ステップ10
7)。
【0232】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図14を参照して説明する。
【0233】図14において移動車両Sは進行方向Θ
t、旋回半径rtで旋回走行している。
【0234】また、任意の幾何学図形M2内において、
移動車両Sの進行方向θtと垂直な位置に、一対の端点
PR2(XR2、YR2)、PL2(XL2、YL2)が存在するも
のとする。ここで、端点PR2(XR2、YR2)、PL2(X
L2、YL2)間の距離をdとする。
【0235】また、これら端点PR2、PL2の中心点をP
2(X2、Y2)とする。さらに、移動車両Sが端点PR
2、PL2間を通過する時点での中心点P2(X2、Y2)か
らの距離を横方向偏移ηとする。
【0236】この横方向偏移ηは、移動車両Sが現在の
任意の幾何学図形M1を最初に検出してから所定の距離
だけ進行し、かつ任意の幾何学図形M1内の所定の地点
P1に到達した時点以降、下記(18)、(19)式を
用いて求められる。
【0237】つまり、現在運動計測手段2によって求め
られた旋回半径rtと、移動車両Sの進行方向Θtとか
ら、旋回半径rtが0より大きい場合には、 η=Y−rtcosΘt+√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (18 ) と求められ、また旋回半径rtが0より小さい場合に
は、 η=Y−rtcosΘt−√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (19 ) と求められる。
【0238】また、上記(18)式及び上記(19)式
のΘtの方向ベクトルは、移動車両Sの現在の進行方向
θtを、次の任意の幾何学図形M2内の目標地点P2(X
2、Y2)における進行方向に合わせて座標変換したもの
であり、下記(20)式で表される。
【0239】 さらに座標軸XとYは、座標軸xとyとを座標変換した
ものであり、下記(21)式で表される。
【0240】 また、上記(21)式のθ2の方向ベクトルcosθ2、
sinθ2を求めるには、まず、移動車両Sの現在位置
P1(x1、y1)と目標地点P2(x2、y2)から下記
(22)式、(23)式を用いてcosφt、sinφt
を求める。
【0241】 cosφt=(x2−x1)/{(x2−x1)2+(y2−y1)2 } … (22 ) sinφt=(y2−y1)/{(x2−x1)2+(y2−y1)2 } … (23 ) そして、これらcosφt、sinφtから下記(24)
式、(25)式を用いてθ2の方向ベクトルcosθ2、
sinθ2が求められる。
【0242】 cosθ2=(cos2φt−sin2φt)・cosθt+2sinφt・cos φt・sinθt … (24) sinθ2=+2sinφt・cosφt・cosθt−(cos2φt−sin2 φt)・sinθt… (25) ここで、上記(18)式、(19)式を用いて求められ
た横方向偏移ηと、端点PR2(XR2、YR2)、PL2(X
L2、YL2)間の距離dとの関係が−d/2<η<d/2
である場合、走行条件選択手段4は移動車両Sが任意の
幾何学図形M2内の端点PR2(xR2、yR2)、PL2(xL
2、yL2)間を通るものと判断する。
【0243】この走行条件選択手段4の判断結果に基づ
いて、操舵指令算出手段5は移動車両Sに対して操舵を
そのまま維持するように操舵指令を出力する(ステップ
107)。
【0244】次に旋回走行している移動車両Sを操舵し
て任意の幾何学図形M2に向けて進行させる処理につい
て説明する。
【0245】移動車両Sが任意の幾何学図形M2を通過
できない場合(ステップ105の判断NO)、走行条件
選択手段4は、移動車両Sを操舵するためのデータを操
舵指令算出手段5に対して出力する。
【0246】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図14を参照して説明する。
【0247】上述したように横方向偏移ηが、移動車両
Sが現在の任意の幾何学図形M1を最初に検出してから
所定の距離だけ進行し、かつ任意の幾何学図形M1内の
所定の地点P1に到達した時点以降、上記(18)、
(19)式(下記に示す)を用いて求められる。
【0248】 η=Y−rtcosΘt+√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (18 ) η=Y−rtcosΘt−√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (19 ) ここで、上記(18)式、(19)式を用いて求められ
た横方向偏移ηが端点PR2(XR2、YR2)、PL2(XL
2、YL2)間dに含まれない場合、横方向偏移ηと端点
PR2、PL2間の距離dとの関係はη<−d/2、d/2
<ηとなる。
【0249】これにより走行条件選択手段4は移動車両
Sが任意の幾何学図形M2内の端点PR2(xR2、yR
2)、PL2(xL2、yL2)間を通ることができないと判
断する。(ステップ104の判断NO)。
【0250】そこで、走行条件選択手段4は、上述した
ように予定走行経路記憶手段1から取得した目標地点P
2(x2、y2)のデータと、現在運動計測手段2から取
得した移動車両Sの現在位置P1(x1、y1)、進行方
向Θtのデータとを操舵指令算出手段5に出力する。
【0251】操舵指令算出手段5は移動車両Sを操舵す
るための演算を行う(ステップ106)。
【0252】ここで、図6、図13を示して上述したよ
うに、操舵指令算出手段5は、取得した目標地点P2
(x2、y2)、移動車両Sの現在位置P1(x1、y
1)、進行方向Θtの各データより、移動車両Sを目標地
点P2(x2、y2)に向かわせるための目標旋回半径rg
を上記(8)式(下記に示す)を用いて求める。
【0253】 rg={(x2−x1)2+(y2−y1)2}/{(x2−x1)・sinΘt−(y 2−y1)・cosΘt}/2 … (8) そして、上記(10)式(下記に示す)より目標旋回半
径rgのときの目標操舵角度ζを求める。
【0254】ζ=tan-1(L/rg) … (10) こうして求めた目標操舵角度ζを、操舵指令算出手段5
は移動車両S(車体7)に対して操舵指令として出力し
て移動車両Sの操舵角の制御を行う。
【0255】これにより、旋回走行している移動車両S
を次の任意の幾何学図形M2に向かわせることができ
る。
【0256】このように、上述した実施形態では、移動
体Sが任意の幾何学図形M1を最初に検出してから所定
の距離だけ進行し、かつ任意の幾何学図形M1内の所定
の地点P1に到達した時点で、次の任意の幾何学図形M2
に移動体Sを向かわせるようにしているので、移動体S
の予定走行経路K上の目標が一対の端点でなく任意の幾
何学図形であっても、一対の端点の場合と同様に小回り
現象を発生させることなく移動体Sを誘導することがで
きる。
【0257】また、この実施形態では、一対の端点の場
合と同様に移動車両Sの前進時の操舵角ζと後退時の操
舵角ζとを同一にすることができる。
【0258】図15(a)は任意の幾何学図形Mnの目
標地点Pnに向けて移動車両S0を前進させる場合を示す
図であり、同図9(b)は任意の幾何学図形Mnの目標
地点Pnに向けて移動車両S0を後退させる場合を示す図
である。
【0259】同図15(a)、(b)に示すように、移
動車両S0の操舵角ζは前進時と後退時で同一にされて
いる。
【0260】従って、この実施形態では、一対の端点の
場合と同様に移動車両Sの前進時と後退時の制御特性を
同一にすることができる。また、操舵角ζの制御を簡易
にすることができる。
【0261】さて、上述した実施形態では、予定走行経
路K上の目標データは任意の幾何学図形として説明した
が、当然目標データは円形であってもよい。
【0262】そこで、予定走行経路K上の目標データを
円形とした場合の、図2の移動車両の誘導装置の動作に
ついて図3、図16を参照して説明する。
【0263】図16は予定走行経路Kの目標データを円
C1とした場合の実施形態を示す図である。
【0264】同図16では円形C1が予定走行経路K上
の目標とされている。
【0265】なお、図3のフローチャートのステップ1
01〜103で行われる処理は、上述した予定走行経路
K上の目標データが一対の端点あるいは任意の幾何学図
形である場合の処理と同様なので説明を省略する。
【0266】まず直進している移動車両Sを操舵せずに
そのまま円C2に向けて進行させる処理について説明す
る。
【0267】ステップ104では、直進している移動車
両Sが現在の円C1を最初に検出してから所定の距離だ
け進行し、かつ円C1内の所定の地点P1に到達した時点
以降、次の円C2内を通過できるか否かを判定する。
【0268】このときステップ104では、上述したよ
うに図2の走行条件選択手段4が移動車両Sの操舵を行
うか否かを判断する。
【0269】ここで移動車両Sが操舵しなくてもそのま
ま円C2を通過できる場合(ステップ104の判断YE
S)、走行条件選択手段4は、移動車両Sをそのまま進
行させるようにするデータを操舵指令算出手段5に対し
て出力する(ステップ107)。
【0270】直進している移動車両Sを操舵せずにその
まま円C2内に向けて進行させる走行条件選択手段4の
処理について図17を参照して説明する。
【0271】図17において、移動車両Sが直進する際
の軌跡となる直線の方程式は、上記(4)式(下記に示
す)で表される。
【0272】 (x−x1)・tanθt−(y−y1)=0 … (4) また、中心点P2(x2、y2)、半径d/2の円C2の方
程式は、下記(26)式で表される。
【0273】 (x−x2)2+(y−y2)2=(d/2)2 … (26) そこで、上記(4)式と(26)式とを連立方程式とみ
て、この連立方程式の解が求められる。
【0274】従って、この連立方程式の解が実数解であ
れば、上記(4)式の直線と円C2とが交差することが
わかる。
【0275】これにより、走行条件選択手段4は、移動
車両Sは操舵しなくてもそのまま円C2内を通過できる
と判断する(ステップ104の判断YES)。
【0276】この走行条件選択手段4の判断結果に基づ
いて、操舵指令算出手段5は移動車両Sに対して操舵を
そのまま維持するように操舵指令を出力する(ステップ
107)。
【0277】次に直進している移動車両Sを操舵して円
C2に向けて進行させる処理について説明する。
【0278】移動車両Sが円C2内を通過できない場合
(ステップ104の判断NO)、走行条件選択手段4
は、移動車両Sを操舵するためのデータを操舵指令算出
手段5に対して出力する。
【0279】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図17を参照して説明する。
【0280】上述した図17に示すように走行条件選択
手段4は、移動車両Sが現在の円C1を最初に検出して
から所定の距離だけ進行し、かつ円C1内の所定の地点
P1に到達したか否かを確認する。
【0281】ここで移動車両Sを操舵して円C2に向か
わせる場合(ステップ104の判断NO)、走行条件選
択手段4は、円C2に対する現在の移動車両Sの相対位
置を操舵指令算出手段5に対して出力する(ステップ1
07)。
【0282】直進している移動車両Sを操舵して円C2
内に向けて進行させる走行条件選択手段4の処理につい
て図17を参照して説明する。
【0283】図17において、上記(4)式と(26)
式(下記に示す)との連立方程式の解が求められる。
【0284】 (x−x1)・tanθt−(y−y1)=0 … (4) (x−x2)2+(y−y2)2=(d/2)2 … (26) ここで、この連立方程式の解が実数解でなければ、上記
(4)式の直線と上記(26)式の円C2とが交差しな
いことがわかる。
【0285】これにより、走行条件選択手段4は、移動
車両Sはこの状態では円C2内を通過できないと判断す
る(ステップ104の判断NO)。
【0286】そこで、走行条件選択手段4は、上述した
ように予定走行経路記憶手段1から取得した目標地点P
2(x2、y2)のデータと、現在運動計測手段2から取
得した移動車両Sの現在位置P1(x1、y1)、進行方
向θtのデータとを操舵指令算出手段5に出力する。
【0287】操舵指令算出手段5は移動車両Sを操舵す
るための演算を行う(ステップ106)。
【0288】ここで、図6、図13を示して上述したよ
うに、操舵指令算出手段5は、取得した目標地点P2
(x2、y2)、移動車両Sの現在位置P1(x1、y
1)、進行方向θtの各データより、移動車両Sを目標地
点P2(x2、y2)に向かわせるための目標旋回半径rg
を上記(8)式(下記に示す)を用いて求める。
【0289】 rg={(x2−x1)2+(y2−y1)2}/{(x2−x1)・sinθt−(y 2−y1)・cosθt}/2 … (8) そして、上記(10)式(下記に示す)より目標旋回半
径rgのときの目標操舵角度ζを求める。
【0290】ζ=tan-1(L/rg) … (10) こうして求めた目標操舵角度ζを、操舵指令算出手段5
は移動車両S(車体7)に対して操舵指令として出力し
て移動車両Sの操舵角の制御を行う。
【0291】これにより、直進している移動車両Sを次
の円C2に向かわせることができる。
【0292】次に旋回走行している移動車両Sを操舵せ
ずにそのまま円C2に向けて進行させる処理について説
明する。
【0293】ステップ105では、旋回走行している移
動車両Sが現在の円C1を最初に検出してから所定の距
離だけ進行し、かつ円C1内の所定の地点P1に到達した
か否かを判定する。
【0294】つまりステップ105では、図2の走行条
件選択手段4が移動車両Sの操舵を行うか否かを判断す
る。
【0295】ここで移動車両Sが操舵しなくてもそのま
ま円C2に向かわせることができる場合(ステップ10
5の判断YES)、走行条件選択手段4は、移動車両S
をそのまま進行させるようにするデータを操舵指令算出
手段5に対して出力する(ステップ107)。
【0296】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図18を参照して説明する。
【0297】図18において移動車両Sは進行方向Θ
t、旋回半径rtで旋回走行して、中心点P2(X2、Y
2)、半径d/2の円C2内に向かわされているものとす
る。さらに、移動車両Sが円C2の直径dを通過する時
点での中心点P2からの距離を横方向偏移ηとする。
【0298】この横方向偏移ηは、移動車両Sが現在の
円C1を最初に検出してから所定の距離だけ進行し、か
つ円C1内の所定の目標地点P1に到達した時点以降、上
記(18)、(19)式(下記に示す)を用いて求めら
れる。
【0299】つまり、現在運動計測手段2によって求め
られた旋回半径rtと、移動車両Sの進行方向Θtとか
ら、旋回半径rtが0より大きい場合には、 η=Y−rtcosΘt+√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (18 ) と求められ、また旋回半径rtが0より小さい場合に
は、 η=Y−rtcosΘt−√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (19 ) と求められる。
【0300】ここで、上記(18)式、(19)式を用
いて求められた横方向偏移ηと、円C2の半径d/2と
の関係が−d/2<η<d/2である場合、走行条件選
択手段4は移動車両Sが円C2内を通るものと判断す
る。
【0301】この走行条件選択手段4の判断結果に基づ
いて、操舵指令算出手段5は移動車両Sに対して操舵を
そのまま維持するように操舵指令を出力する(ステップ
107)。
【0302】次に旋回走行している移動車両Sを操舵し
て円C2に向けて進行させる処理について説明する。
【0303】移動車両Sが円M2を通過できない場合
(ステップ105の判断NO)、走行条件選択手段4
は、移動車両Sを操舵するためのデータを操舵指令算出
手段5に対して出力する。
【0304】走行条件選択手段4で行われる処理につい
て図14を参照して説明する。
【0305】上述したように横方向偏移ηが、移動車両
Sが現在の円C1を最初に検出してから所定の距離だけ
進行し、かつ円C1内の所定の地点P1に到達した時点以
降、上記(18)、(19)(下記に示す)を用いて求
められる。
【0306】 η=Y−rtcosΘt+√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (18 ) η=Y−rtcosΘt−√{rt2−(X+rtsinΘt))2} … (19 ) ここで、上記(18)式、(19)式を用いて求められ
た横方向偏移ηが円C2の直径dに含まれない場合、横
方向偏移ηと円C2の半径d/2との関係はη<−d/
2、d/2<ηとなる。
【0307】これにより走行条件選択手段4は移動車両
Sが円C2内を通ることができないと判断する。(ステ
ップ104の判断NO)。
【0308】そこで、走行条件選択手段4は、上述した
ように予定走行経路記憶手段1から取得した目標地点P
2(x2、y2)のデータと、現在運動計測手段2から取
得した移動車両Sの現在位置P1(x1、y1)、進行方
向Θtのデータとを操舵指令算出手段5に出力する。
【0309】操舵指令算出手段5は移動車両Sを操舵す
るための演算を行う(ステップ106)。
【0310】ここで、図6、図17を示して上述したよ
うに、操舵指令算出手段5は、取得した目標地点P2
(x2、y2)、移動車両Sの現在位置P1(x1、y
1)、進行方向Θtの各データより、移動車両Sを目標地
点P2(x2、y2)に向かわせるための目標旋回半径rg
を上記(8)式(下記に示す)を用いて求める。
【0311】 rg={(x2−x1)2+(y2−y1)2}/{(x2−x1)・sinΘt−(y 2−y1)・cosΘt}/2 … (8) そして、上記(10)式(下記に示す)より目標旋回半
径rgのときの目標操舵角度ζを求める。
【0312】ζ=tan-1(L/rg) … (10) こうして求めた目標操舵角度ζを、操舵指令算出手段5
は移動車両S(車体7)に対して操舵指令として出力し
て移動車両Sの操舵角の制御を行う。
【0313】これにより、旋回走行している移動車両S
を円C2に向かわせることができる。
【0314】このように、上述した実施形態では、移動
体Sが円C1を最初に検出してから所定の距離だけ進行
し、かつ円C1内の所定の地点P1に到達した時点で、次
の円C2に移動体Sを向かわせるようにしているので、
移動体Sの予定走行経路K上の目標が一対の端点が円で
あっても、一対の端点の場合と同様に小回り現象を発生
させることなく移動体Sを誘導することができる。
【0315】また、この実施形態では、一対の端点の場
合と同様に移動車両Sの前進時の操舵角ζと後退時の操
舵角ζとを同一にすることができる。
【0316】図19(a)は円Cn内の目標地点(円Cn
の中心点)Pnに向けて移動車両S0を前進させる場合を
示す図であり、同図19(b)は円Cnの目標地点Pnに
向けて移動車両S0を後退させる場合を示す図である。
【0317】同図19(a)、(b)に示すように、移
動車両S0の操舵角ζは前進時と後退時で同一にされて
いる。
【0318】従って、この実施形態では、一対の端点の
場合と同様に移動車両S0の前進時と後退時の制御特性
を同一にすることができる。また、操舵角ζの制御を簡
易にすることができる。
【0319】次に予定走行経路K上の目標データの生成
について説明する。
【0320】例えば、点Pn(xn、yn)、及びこの点
Pn(xn、yn)を中心とする半径dn/2の円から成る
点列データから一対の端点の目標データを生成するもの
とする。
【0321】なお、ここでは一対の端点をゲートとして
説明する。
【0322】また、点列データは上述したようにCAD
(Computer Automation Design)やティーチングプレ
イバックによって作成される。
【0323】そして、点列データからゲートに変換され
たデータは目標データとして予定走行経路記憶手段1に
記憶されている。
【0324】図20(a)は、点列データの密度が予定
経路Kの曲率に比べて十分密である場合を示す図であ
り、同図(b)は、点列データの密度が予定経路Kの曲
率に比べて疎となる場合を示す図である。
【0325】同図20(b)の走行経路Ka2に示すよう
に、点列データの密度が予定経路Kの曲率に比べて疎に
なると、予定走行経路Kの曲線が再現できなくなる。
【0326】従って、予定走行経路K上の目標データの
生成について説明するにあたっては、同図20(a)に
示すように、目標データが生成される点列データの密度
が予定経路Kの曲率に比べて十分密であるものとする。
【0327】また、目標データが生成される点列データ
の密度は、隣接する3つの目標地点を円弧で結んだとき
に、走行経路Ka1に示すように予定走行経路Kの曲線を
十分再現できる程度とする。
【0328】そこで、隣接する3つの目標地点が一直線
上に並んでいる点列データを想定し、移動車両Sが初め
の目標地点P1の周辺を通過して次の目標地点P2に向か
う際に、目標地点P2から目標ゲートG2を生成する場合
について図21を参照して説明する。
【0329】図21は3つの目標地点が一直線上に並ん
でいる点列データを示す図である。
【0330】同図21に示すように、3点の目標地点が
一直線上に並んでいる場合、目標地点P1からP2への方
向ベクトル、およびP1からP3への方向ベクトルは同一
になる。
【0331】よって、これらの方向ベクトルの関係は下
記(27)式で表される。
【0332】 (x3−x1)/(y3−y1)=(x2−x1)/(y2−y1) … (27) さらに、上記(27)式を変形すると、下記(28)式
が得られる。
【0333】 (x3−x1)・(y2−y1)−(x2−x1)・(y3−y1)=0 … (28 ) ここで、上記(28)式が成立している場合、目標地点
P1、P2、P3の3点は一直線上に存在する。
【0334】また、目標地点P2から生成される目標ゲ
ートG2の方向ベクトルは目標地点P1(x1、y1)から
P2(x2、y2)への方向ベクトルと直交する。よって
目標ゲートG2の傾きθ2は下記(29)式で表される。
【0335】 従って、予定走行経路Kが直線の場合に目標地点P2か
ら生成される目標ゲートG2は、中心点P2(x2、y
2)、幅d2(目標地点P2(x2、y2)を中心とする円
の直径)、及び上記(29)式で表される方向ベクトル
(cosθ2、sinθ2)によって設定することができ
る。
【0336】ところで、上記(28)式(下記に示
す))が成立しない場合、目標地点P1、P2、P3の3
点は直線上にないから、これら目標地点P1、P2、P3
を通過するために移動車両Sは例えば円弧を描きながら
旋回動作を行わねばならない。
【0337】 (x3−x1)・(y2−y1)−(x2−x1)・(y3−y1)=0 … (28 ) 図22は3つの目標地点P1、P2、P3が、移動車両S
の旋回円の円周上に並んでいる点列データを示す図であ
る。
【0338】この場合、同図22に示すように予定走行
経路Kは曲線となる。
【0339】そこで、次に隣接する3つの目標地点が移
動車両Sの旋回円の円周上に並んでいる点列データを想
定し、移動車両Sが初めの目標地点P1の周辺を通過し
て次の目標地点P2に向かう際に、目標地点P2から目標
ゲートG2を生成する場合について図23、図24を参
照して説明する。
【0340】図23は3つの目標地点P1、P2、P3を
通る円と目標ゲートの傾きを示す図である。
【0341】ここで、目標地点P2から生成される目標
ゲートG2の方向ベクトル(cosθ2、sinθ2)
は、同図23の円の中心点P0(x0、y0)から目標ゲ
ートG2の中心点P2(x2、y2)(目標地点P2)に向
いたベクトルと等しい。
【0342】よって、目標ゲートG2の方向ベクトル
(cosθ2、sinθ2)は、下記(30)式で表され
る。
【0343】 また、目標ゲートG2の中心点P2(x2、y2)を通り、
中心点P0(x0、y0)の円の半径r0は下記(31)式
で表される。
【0344】 r0=√{(x2−x0)2+(y2−y0)2 } … (31) ここで、円の中心点P0(x0、y0)の設定について説
明する。
【0345】図24は3つの目標地点P1、P2、P3を
通る円の中心点P0(x0、y0)の設定について説明す
る図である。
【0346】中心点P0(x0、y0)は、目標地点P1、
P2を結ぶ線を垂直に2等分する直線Tと、目標地点P
2、P3を結ぶ線を垂直に2等分する直線Sとの交点であ
る。
【0347】ここで、直線Tは下記(32)式、一方、
直線Sは下記(33)式で表される。
【0348】 従って、これら直線T、Sの交点となる中心点P0(x
0、y0)の座標は下記(34)式で表される。
【0349】 但し、 t0={(−xb+xd)・yc−(−yb+yd)・xc}/(xa・yc−ya・x c) … (35) 従って、隣接する3つの目標地点P1、P2、P3が円周
上に存在する場合に目標地点P2から生成される目標ゲ
ートG2は、中心点P2(x2、y2)、幅d2(目標地点
P2(x2、y2)を中心とする円の直径)、及び上記
(30)式で表される方向ベクトル(cosθ2、si
nθ2)によって設定することができる。また、目標ゲ
ートG2の中心点P2(x2、y2)を通り、中心点P0
(x0、y0)の円の半径r0は上記(31)式で表する
ことができる。
【0350】以上説明したように、本実施形態では、移
動車両Sの前方の予定走行経路Kが曲線の場合につい
て、点列データから目標ゲートを生成するようにしてい
るので、点列データの全てを目標ゲートとして生成して
記憶しておく場合と比べてデータ量を減らすことができ
る。この結果、点列データから目標ゲートを生成する演
算が、点列データの全てを目標ゲートに生成する演算を
行う場合と比べて容易になる。
【0351】また、本実施形態では、移動車両Sの前方
の間もなく通過する予定の複数の目標点列について、点
列データから目標ゲートを生成するようにしているが、
本発明では移動車両Sの前方の間もなく通過する予定の
一つの目標点について、点列データから目標ゲートを生
成してもよい。
【0352】なお、本実施形態では、移動車両Sの前方
の予定走行経路Kが曲線の場合に、移動車両Sの前方の
間もなく通過する予定の複数の点列について、点列デー
タから目標ゲートを生成するようにしているが、移動車
両Sの前方の予定走行経路Kが直線であっても、移動車
両Sの前方の間もなく通過する予定の一つないし複数の
点列について、点列データから目標ゲートを生成しても
よい。
【0353】また、移動体Sの予定走行経路Kが鋭角な
カーブであっても、小回り現象を発生させることなく移
動体Sを誘導することができる。
【0354】ところで隣接する3つの目標地点P1、P
2、P3、を通り、中心点P0(x0、y0)、半径r0の円
の円周上を移動車両Sが走行しているとき、下記の例
(イ)、(ロ)、(ハ)の場合には、車速指令算出手段
6から移動車両Sに対して許容速度以下になるように適
宜減速の走行指令を出力する必要がある。
【0355】例(イ):移動車両Sは小さな旋回半径r
0のカーブを高速で走行すると遠心力が生じ、車体が横
滑りしてカーブを曲がりきれない場合がある。この場
合、予め自動的に移動車両を旋回可能速度まで減速させ
る必要がある。
【0356】例(ロ):移動車両Sが直線走行から小さ
な旋回半径r0のカーブに突入して、目標ゲートG1を通
過し、次の目標ゲートG2に向かう瞬間、移動車両Sが
ステアリング車であれば操舵を直進から急旋回になるよ
うにしなければならない。このとき、移動車両Sが高速
で走行していれば、操舵を急旋回してもカーブを曲がり
きれない場合がある。この場合、予め自動的に移動車両
を操舵可能速度まで減速させる必要がある。
【0357】例(ハ):上記例(イ)、(ロ)の場合、
目標ゲートG1を通過した時点で目標ゲートG2に向かわ
せるように大幅に移動車両Sを減速しても、移動車両S
が大幅に高速で走行しているため目標ゲートG2の周辺
のカーブを曲がりきれない場合がある。
【0358】そこで、点列データから目標ゲートを生成
する場合には、目標ゲートG1を通過する時点ではな
く、移動車両が安全に減速あるいは停止できる十分早い
時点で点列データから目標ゲートを生成する必要があ
る。
【0359】さて、予定走行経路上に予定外の障害物が
存在する場合には、移動車両を障害物から回避させる
か、あるいは移動車両を障害物の直前で減速、停止させ
るなどの措置が必要になる。
【0360】そこで、移動車両を障害物から回避させた
り、移動車両を障害物の直前で減速、停止させる場合に
予定走行経路上の目標データと異なるデータを生成する
実施形態について図2、図25を参照して説明する。
【0361】図25は移動車両を障害物から回避させる
場合に予定走行経路上の目標データと異なるデータを生
成する実施形態を示す図である。
【0362】なお、この実施形態では目標データを点列
データとし、目標データと異なるデータも点列データと
している。
【0363】図25では、移動車両Sが予定走行経路K
上の目標地点P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7を順
次通過するように進行する際に、移動車両Sの前方のα
mの距離(予定走行経路K上の目標地点P3とP4との
間)に障害物SBが存在する場合を想定している。ま
た、同図25においては、移動車両Sの右前方から対向
車TKが走行してくるものとする。
【0364】ここで、予定走行経路K上に障害物SBが
存在すると、図2の障害物検知手段8が下記(ニ)、
(ホ)、(ヘ)、(ト)に示す障害物に関する情報を検
知する。
【0365】(ニ)障害物SBが移動車両Sの前方の距
離αm、進路正面を中央にして左右方向に±β度の範囲
に存在する。
【0366】(ホ)移動車両Sの右前方から対向車が走
行してくるので右側に回避したら危険である。
【0367】(ヘ)移動車両Sの左前方には障害物がな
い。
【0368】(ト)移動車両Sの左後方からは他の車両
が迫ってきていない。
【0369】障害物検知手段8は、上記(ニ)、
(ホ)、(ヘ)、(ト)に示す障害物に関する情報を予
定走行経路変更手段3に出力する。
【0370】予定走行経路変更手段3は、障害物検知手
段8から障害物の情報を受け取るとともに、現在運動計
測手段2から移動車両Sの現在の運動状態の情報を取得
する。そして、これら障害物の情報と移動車両Sの現在
の運動状態の情報とに基づいて、走行条件選択手段4に
対して「予定走行経路K上において移動車両Sから距離
αの地点に障害物SBが存在するので、進行方向に対し
て左側に予定走行経路Kを変更せよ。障害物SBを回避
して元の予定走行経路Kに復帰する際の経路に、もし新
たな障害物が発見された場合にはそのまま減速停止せ
よ。もし元の予定走行経路Sに復帰できればそのまま元
の予定走行経路Kに復帰して走行せよ。」という予定走
行経路Kの変更に関する情報を出力する。
【0371】走行条件選択手段4は、予定走行経路変更
手段3から「予定走行経路K上において移動車両Sから
距離αの地点に障害物SBが存在するので、進行方向に
対して左β度の方向に回避して停車準備せよ。」との情
報を取得する。
【0372】そして、走行条件選択手段4はこの情報に
基づき、直ちに安全性が確保できる範囲で可能な限り減
速させるよう車速指令算出手段6に走行条件データを出
力する。そして車速指令算出手段6は移動車両Sに対し
て減速させるように走行指令を出力する。さらに走行条
件選択手段4は、移動車両Sから距離αmの地点から、
進行方向に対して左β度の方向に移動車両Sの幅の分だ
け空けて移動車両Sが走行できるように、予定走行経路
K上の目標地点P2、P3、P4、P5、P6、P7と異なる
地点VP2、VP3、VP4(障害回避点)、VP5(停止
可能点)、VP6(安全停止点)を生成する。
【0373】VP4(障害回避点)は目標地点P4を左
β度の方向に移動させた地点である。
【0374】VP5(停止可能点)は路面状況が悪くて
も移動車両Sが停止可能な地点である。
【0375】VP6(安全停止点)はVP5よりも離れ
た次の地点である。
【0376】地点VP2、VP3、VP4、VP5、VP6
を生成した後、走行条件選択手段4は、地点VP2、V
P3、VP4、VP5、VP6からさらにゲートを生成して
いく。
【0377】そして、走行条件選択手段4は、移動車両
Sの現在の運動状態の情報と上述した予定走行経路Kの
変更に関する情報とに基づいて操舵指令算出手段5には
ゲートに対する現在の移動車両の相対位置情報、一方、
車速指令算出手段6に走行条件を出力する。
【0378】さらに、移動車両Sに対して操舵指令算出
手段5からは操舵指令(ゲートを通過するために必要な
操舵角度)が出力され、車速指令算出手段6からは走行
指令(ゲートを通過するのに必要な速度)が出力され
る。
【0379】これにより、地点VP2、VP3、VP4、
VP5、VP6から生成されたゲートを通過するように移
動車両Sが誘導される。
【0380】但し、移動車両Sの回避動作時の走行指令
は地点VP5で停止可能な速度である。
【0381】次に移動車両Sを障害物SBから回避させ
て予定走行経路Kに復帰させる場合について図26を参
照して説明する。
【0382】図26は移動車両Sを障害物SBから回避
させて予定走行経路Kに復帰させる場合を説明する図で
ある。
【0383】図26では、地点VP4と目標地点P7との
間の復帰用走行経路K1に復帰用のゲートTG6、TG7
を生成している。
【0384】ここでは、まず障害物検知手段8が復帰用
走行経路K1を形成する予定の場所に障害物がないこと
を確認する。
【0385】そして、予定走行経路変更手段3が「障害
物センサの視野範囲に障害物なし」という情報を走行条
件選択手段4に対して出力する。
【0386】走行条件選択手段4はこの情報に基づい
て、移動車両Sを現在の回避用走行経路K0から予定走
行経路K上に復帰させるための復帰用ゲートTG6、T
G7を、復帰用走行経路K1上に生成するとともに、移動
車両Sの速度を元の速度に戻す。
【0387】これにより移動車両Sは、復帰用ゲートT
G6、TG7を通過して予定走行経路K上に復帰し、障害
物SBが存在する地点P4を走り去る。
【0388】このように、上述した実施形態では、障害
物のある危険な地点で移動車両を停止させる必要がない
ので、移動車両と後続車両による追突事故を未然に防止
することができる。
【0389】なお、予定走行経路K上で障害物SBを発
見したら移動車両Sを減速させる必要があることは上述
した。
【0390】ここで、移動車両Sの現在位置である地点
P1から回避完了の地点VP4までの間は、さらにブレー
キをかけて移動車両Sを減速させながら、急速にステア
リングをきる動作が必要になる。
【0391】そこで、移動車両Sの現在位置である地点
P1から回避直前まで地点VP2、VP3を生成するが、
これら地点VP2、VP3を通る移動車両Sの旋回円の半
径r0は現在の速度で安全に操舵するのに十分大きな旋
回半径とする。
【0392】また、この実施形態では移動車両Sの現在
位置は地点P1、障害物SBの位置は目標地点P3とP4
との間に存在しているものとして説明しているが、理想
的に移動車両Sは常に停止、操舵が可能な速度で走行さ
せて、速度が高ければ地点P1よりも手前で減速させる
ことが望ましい。
【0393】次に上述した実施形態以外に、移動車両を
障害物から回避させたり、移動車両を障害物の直前で減
速、停止させる場合の実施形態について説明する。
【0394】図27は移動車両を車庫に入れる場合に予
定走行経路上の目標データと異なるデータを生成する実
施形態を示す図である。
【0395】同図27において、走行条件選択手段4は
予定走行経路K上の目標ゲートG1、G2を通過した移動
車両Sが目標ゲートG3に到達した時点で目標ゲートG
1、G2、G3と異なるゲートTG1、TG2を生成する。
【0396】そこで、移動車両Sを目標ゲートG3から
ゲートTG1、TG2に向かわせる。
【0397】そして、ゲートTG2に到達した時点で移
動車両Sを後退させて車庫SK内に生成したゲートPG
1、PG2に向かわせる。
【0398】このように、この実施形態では予定走行経
路Kを走行している移動車両Sを後退させて車庫SKに
入れることができる。
【0399】図28は予定走行経路を走行している移動
車両を予定走行経路と異なる走行経路に合流させる場合
に予定走行経路上の目標データと異なるデータを生成す
る実施形態を示す図である。
【0400】図28において、走行条件選択手段4は予
定走行経路K上の目標ゲートG1に到達した時点で、目
標ゲートG1と異なるゲートTG1を生成する。
【0401】そこで、移動車両SをゲートTG1に向か
わせる。
【0402】そして、ゲートTG1に到達した時点で移
動車両Sを予定走行経路Kb上の目標ゲートG2′、G
3′に向かわせる。
【0403】このように、この実施形態では予定走行経
路Kを走行している移動車両Sを予定走行経路Kと異な
る走行経路Kbに合流させることができる。
【0404】図29は予定走行経路を走行している移動
車両の前方に障害物が存在する場合、移動車両を障害物
の手前で減速させる実施形態を示す図である。
【0405】図29において、走行条件選択手段4は予
定走行経路K上の目標ゲートG2に到達した時点で、目
標ゲートG1、G2と異なるゲートTG1、TG2を障害物
SB′の手前に生成する。
【0406】そこで、移動車両SをゲートTG1、TG2
で順次減速させる。
【0407】このように、この実施形態では移動車両S
の前方に障害物SB′が存在する場合、移動車両Sを障
害物の手前で減速させることができる。
【0408】図30は移動車両の予定走行経路上に障害
物が存在する場合に予定走行経路上の目標データと異な
るデータを生成して障害物を回避する実施形態を示す図
である。
【0409】図30において、走行条件選択手段4は予
定走行経路K上の目標ゲートG1に到達した時点で、目
標ゲートG1と異なるゲートTG1、TG2、TG3を移動
車両Sが障害物SB′を回避できるように進行方向の右
側に生成する。
【0410】そこで、移動車両SをゲートTG1、TG
2、TG3に向かわせる。
【0411】そして、ゲートTG3に到達した時点で移
動車両Sを元の予定走行経路K上の目標ゲートG2に向
かわせる。
【0412】このように、この実施形態では移動車両S
の予定走行経路K上に障害物SB′が存在する場合、障
害物SB′を回避することができる。
【0413】図31は予定走行経路を走行している移動
車両の前方に障害物が存在する場合、移動車両を障害物
の手前で停止させる実施形態を示す図である。
【0414】図31において、走行条件選択手段4は予
定走行経路K上の目標ゲートG2に到達した時点で、目
標ゲートG1、G2と異なるゲートTG1、TG2を障害物
SB′の手前に生成する。
【0415】そこで、移動車両SをゲートTG1で急減
速させて、TG2またはTG3で停止させる。
【0416】このように、この実施形態では移動車両S
の前方に障害物SB′が存在する場合、移動車両Sを障
害物の手前で停止させることができる。
【0417】図32は予定走行経路を走行している移動
車両を停止点に横付けして停止させる場合に予定走行経
路上の目標データと異なるデータを生成する実施形態を
示す図である。
【0418】図32において、走行条件選択手段4は予
定走行経路K上の目標ゲートG2に到達した時点で、目
標ゲートG1、G2と異なるゲートTG1、TG2を目標ゲ
ートG2と停止点Psとの間に生成し、停止点PsにTG3
を生成する。
【0419】そこで、移動車両SをゲートTG1、TG2
に向かわせながら減速させ、ゲートTG3で停止させ
る。
【0420】このように、この実施形態では予定走行経
路Kを走行している移動車両Sを停止点Psに横付けし
て停止させることができる。
【0421】図33は停止点に横付けされて停止してい
る移動車両を、発進させて徐々に加速させ、予定走行経
路に復帰させる場合に予定走行経路上の目標データと異
なるデータを生成する実施形態を示す図である。
【0422】図33において、走行条件選択手段4は停
止点Psから予定走行経路K上の目標ゲートG1との間に
目標ゲートG1、G2と異なるゲートTG1、TG2、TG
3を生成する。
【0423】そこで、移動車両SをゲートTG1、TG
2、TG3に向かわせながら徐々に加速させ、予定走行経
路K上の目標G1、G2に向かわせる。
【0424】このように、この実施形態では停止点Ps
に横付けされて停止している移動車両Sを発進させて徐
々に加速させ、予定走行経路Kに復帰させることができ
る。
【0425】図34は移動車両の隣を走行している車両
が移動車両に対して幅寄せしてきた場合に、この幅寄せ
してくる車両から移動車両を回避させる実施形態を示す
図である。
【0426】図34において、走行条件選択手段4は予
定走行経路K上の目標ゲートG1に到達した時点で、目
標ゲートG1、G2と異なるゲートTG1、TG2、TG3
を移動車両Sが車両Sxを回避できるように進行方向の
右側に生成する。
【0427】そこで、移動車両SをゲートTG1、TG
2、TG3に向かわせる。
【0428】そして、ゲートTG3に到達した時点で移
動車両Sを元の予定走行経路K上の目標ゲートG2に向
かわせる。
【0429】このように、この実施形態では移動車両S
の隣を走行している車両Sxが移動車両Sに対して幅寄
せしてきた場合に、この幅寄せしてくる車両Sxから移
動車両Sを回避させることができる。
【0430】図35は移動車両の予定走行経路が急カー
ブの場合に目標ゲートと目標ゲートとの間隔を狭くして
急カーブでの移動車両の速度を下げる実施形態を示す図
である。
【0431】図35において、急カーブKcに生成され
ている目標ゲートG3とG4との間隔WTおよび目標ゲー
トG3とG4との間隔WTは、目標ゲートG1とG2との間
隔Wおよび目標ゲートG6とG7との間隔Wに比べて狭く
されている。
【0432】ここで、各目標ゲートでは移動車両Sが各
目標ゲートに到達した時点で操舵指令算出手段5が操舵
の演算を行うので、急カーブKcでは目標ゲートの間隔
が狭くなった分だけ演算が連続して行われるようにな
る。この結果、急カーブKcでは演算時間が長くなるの
で移動車両Sが急カーブKcを通過する速度vが下が
る。このように目標ゲート間の通過時間が一定になるよ
うに調整することができる。
【0433】従って、この実施形態では予定走行経路K
が急カーブの場合には、移動車両Sの速度vを下げて脱
輪を防ぎ、移動車両Sを安全に走行させることができ
る。
【0434】図36は急カーブの予定走行経路を走行し
ている移動車両に及ぼす遠心力を減らすために速度を下
げる実施形態を示す図である。
【0435】同図36において、急カーブの予定走行経
路Kを走行している移動車両Sに及ぼす遠心力は、旋回
半径r0に反比例し、移動車両Sの速度vに比例する。
【0436】また、移動車両Sが急カーブを走行すると
移動車両Sの旋回半径r0は小さくなる。
【0437】このため、急カーブの予定走行経路Kを走
行している移動車両Sに及ぼす遠心力は増加し、移動車
両Sが横転事故やスリップ事故を起こす虞がある。
【0438】従って移動車両Sの速度vは下げる必要が
ある。
【0439】そこで、現在運動計測手段2(車速センサ
で速度v、角速度センサでωを各々検出)によって移動
車両Sの旋回半径r0を求め(r0=v/ω)、車体7
(移動車両S)において旋回半径r0が小さければ速度
vを下げるように調整する。
【0440】これにより急カーブの予定走行経路Kを走
行している移動車両Sの横転事故やスリップ事故を防ぐ
ことができる。
【0441】なお、上述した実施形態では、上記(1)
式及び(4)式に示す直線の方程式の傾きにtanθを
用いているが、θが90度の整数倍のとき直線はX軸な
いしY軸に平行になる。この場合、直線と点の座標との
位置関係を判定するには、適宜、X座標ないしY座標だ
けを比較すればよい。
【0442】また、上述した実施形態では、目標点列に
予定走行経路記憶手段1に記憶された点列データを用い
ているが、この記憶された点列データに対応して実際の
道路に磁石などの目印を埋設したり、道路に沿って移動
車両Sの通過位置を示す発信機を設置すれば、現在運動
計測手段2によって移動車両Sの現在位置を精度良く検
出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係わる移動車両の誘導装置の
実施形態を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係わる移動車両の誘導装置の
構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明に係わる移動車両の誘導装置が
行う処理を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、移動車両が一対の端点間を通過したこ
とを確認する処理を説明する図である。
【図5】図5は、直進している移動車両を一対の端点間
に向けて進行させる処理を説明する図である。
【図6】図6は、移動車両を等価2輪車に置き換えて移
動車両の操舵を説明する図である。
【図7】図7は、スキッドステア方式の移動車両の操舵
を説明する図である。
【図8】図8は、旋回走行している移動車両を一対の端
点間に向けて進行させる処理を説明する図である。
【図9】図9(a)は目標ゲートに向けて移動車両を前
進させる場合を示す図であり、同図9(b)は目標ゲー
トに向けて移動車両を後退させる場合を示す図である。
【図10】図10は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図12】図12は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態を示す図である。
【図13】図13は、直進している移動車両を任意の幾
何学図形に向けて進行させる処理を説明する図である。
【図14】図14は、旋回走行している移動車両を任意
の幾何学図形に向けて進行させる処理を説明する図であ
る。
【図15】図15(a)は任意の幾何学図形に向けて移
動車両を前進させる場合を示す図であり、同図15
(b)は任意の幾何学図形に向けて移動車両を後退させ
る場合を示す図である。
【図16】図16は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態を示す図である。
【図17】図17は、直進している移動車両を円に向け
て進行させる処理を説明する図である。
【図18】図18は、旋回走行している移動車両を円に
向けて進行させる処理を説明する図である。
【図19】図19(a)は円に向けて移動車両を前進さ
せる場合を示す図であり、同図19(b)は円に向けて
移動車両を後退させる場合を示す図である。
【図20】図20(a)は、点列データの密度が予定経
路の曲率に比べて十分密である場合を示す図であり、同
図(b)は、点列データの密度が予定経路Kの曲率に比
べて疎となる場合を示す図である。
【図21】図21は、3つの目標地点が一直線上に並ん
でいる点列データを示す図である。
【図22】図22は、3つの目標地点が移動車両の旋回
円の円周上に並んでいる点列データを示す図である。
【図23】図23は、3つの目標地点を通る円と目標ゲ
ートの傾きを示す図である。
【図24】図24は、3つの目標地点を通る円の中心点
の設定を説明する図である。
【図25】図25は、移動車両を障害物から回避させる
場合に予定走行経路上の目標データと異なるデータを生
成する実施形態を示す図である。
【図26】図26は、移動車両を障害物から回避させて
予定走行経路に復帰させる場合を説明する図である。
【図27】図27は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図28】図28は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図29】図29は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図30】図30は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図31】図31は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図32】図32は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図33】図33は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図34】図34は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図35】図35は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図36】図36は、本発明に係わる移動車両の誘導装
置の実施形態の変形例を示す図である。
【図37】図37は、従来技術を示す図である。
【図38】図38(a)は等価2輪車を前進させて目標
地点に誘導する場合を示す図であり、同図(b)は等価
2輪車を後退させて目標地点に誘導する場合を示す図で
ある。
【符号の説明】
S…移動車両 K…予定走行経路 PRn、PLn…一対の端点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 117:00 137:00 (72)発明者 松田 智夫 神奈川県平塚市四ノ宮2612 株式会社小松 製作所技術研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC20 DA02 DA08 DA22 DA23 DA78 DA87 DA88 DA90 EA01 EB01 EB04 EB15 5H301 AA10 BB02 BB05 CC03 CC06 DD02 FF08 FF11 GG07 GG11 GG14 GG16 HH02 HH03 HH10 HH15 JJ01 LL01 LL06 LL08 LL14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の予定走行経路上の複数の目標
    のうち現在の目標に到達した時点で、次の目標へ向けて
    該移動体を向かわせるように誘導させる移動体の誘導装
    置において、 前記予定走行経路を挟んで所定の距離だけ離間させた一
    対の端点を前記目標とし、 現在の前記一対の端点間に前記移動体が到達した時点
    で、次の前記一対の端点間に前記移動体を向かわせるこ
    とを特徴とする移動体の誘導装置。
  2. 【請求項2】 移動体の予定走行経路上の複数の通過
    領域のうち現在の通過領域に到達した時点で、次の通過
    領域へ向けて前記移動体を向かわせるように誘導させる
    移動体の誘導装置において、 前記移動体が前記現在の通過領域を最初に検出してから
    所定の距離だけ進行し、かつ前記通過領域内の所定の地
    点に到達した時点で、前記次の通過領域に前記移動体を
    向かわせることを特徴とする移動体の誘導装置。
  3. 【請求項3】 操舵輪と固定輪とを有する移動体の予
    定走行経路上の複数の目標のうち現在の目標に到達した
    時点で、次の目標へ向けて該移動体を向かわせるように
    誘導させる移動体の誘導装置において、 前記操舵輪の中心軸と前記固定輪の中心軸との間の距離
    と、前記移動体が次の目標に旋回移動する際の旋回円の
    半径とから前記操舵輪の操舵角度を求め、 この求められた操舵角度に基づいて前記移動体を操舵
    し、前記目標に向けて前記移動体を向かわせることを特
    徴とする移動体の誘導装置。
  4. 【請求項4】 操舵輪と固定輪とを有する移動体の予
    定走行経路上の複数の目標のうち現在の目標に到達した
    時点で、次の目標へ向けて該移動体を向かわせるように
    誘導させる移動体の誘導装置において、 前記予定走行経路を挟んで所定の距離だけ離間させた一
    対の端点を前記目標とし、 前記操舵輪の中心軸と前記固定輪の中心軸との間の距離
    と、前記移動体が次の目標に旋回移動する際の旋回円の
    半径とから前記操舵輪の操舵角度を求め、 現在の前記一対の端点間を前記移動体が通過した時点
    で、前記求められた操舵角度に基づいて前記移動体を操
    舵し、次の前記一対の端点間に前記移動体を向かわせる
    ことを特徴とする移動体の誘導装置。
  5. 【請求項5】 操舵輪と固定輪とを有する移動体の予
    定走行経路上の複数の通過領域のうち現在の通過領域に
    到達した時点で、次の通過領域へ向けて前記移動体を向
    かわせるように誘導させる移動体の誘導装置において、 前記操舵輪の中心軸と前記固定輪の中心軸との間の距離
    と、前記移動体が次の目標に旋回移動する際の旋回円の
    半径とから前記操舵輪の操舵角度を求め、 前記移動体が前記現在の通過領域を最初に検出してから
    所定の距離だけ進行し、かつ前記通過領域内の所定の地
    点に到達した時点で、前記求められた操舵角度に基づい
    て前記移動体を操舵し、前記次の通過領域に向けて前記
    移動体を向かわせることを特徴とする移動体の誘導装
    置。
  6. 【請求項6】 前記予定走行経路上の複数の目標は点
    列であり、前記予定走行経路のうち曲線に対応する点列
    について一対の端点を生成し、 前記移動体を、前記点列のうち現在の点に到達した時点
    で、生成された前記一対の端点間に向かわせることを特
    徴とする請求項1記載の移動体の誘導装置。
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