JP2000328357A - 耐熱性ポリアミド系繊維の製造方法 - Google Patents

耐熱性ポリアミド系繊維の製造方法

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JP2000328357A
JP2000328357A JP11140594A JP14059499A JP2000328357A JP 2000328357 A JP2000328357 A JP 2000328357A JP 11140594 A JP11140594 A JP 11140594A JP 14059499 A JP14059499 A JP 14059499A JP 2000328357 A JP2000328357 A JP 2000328357A
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Japan
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polyamide
antioxidant
heat
dyeability
fibers
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JP11140594A
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Toru Okada
徹 岡田
Seiichi Ochi
清一 越智
Yukio Okamoto
幸男 岡本
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、また均染性に優れたポリ
アミド系繊維を効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ポリアミド系繊維を溶融紡糸後、ポリマ
ーが固化した以降で、未延伸糸に紡糸油剤を付与して捲
き取る以前に、酸化防止剤を付与することを特徴とする
耐熱性ポリアミド系繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は耐熱性に優れ、染色品の
品位を向上することができるポリアミド系繊維の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド系繊維は種々の優れた特性を
有するので、織編物等の布帛として広く利用されてい
る。ポリアミド系繊維製品では染色加工前に布帛形態を
安定化するために、130〜210℃の温度で30秒〜
3分間の乾熱処理が行われている。しかし、この熱処理
によって染色斑および染色筋が発生する問題が生じ易
い。つまり、熱処理バラツキにより染色性が低下した
り、染色斑や染色筋が発生する。
【0003】これは、ポリアミド系繊維製品の布帛形態
安定化の為の熱処理により、ポリアミド系繊維のアミノ
末端基が減少して、酸性染料が染着されにくくなる為と
思われる。つまり、Ties Karstensらの報文Makromol.C
hem.No.191(1990)に掲載されているように、ポリアミド
分子中のアミノ末端基が高温加熱によって減少すること
やポリマー主鎖中のアミド結合が切断されアルデヒドお
よびケトンカルボニル基が生成し、これがアミノ基と反
応し黄色の色原体を形成することが知られている。前記
の熱によるアミノ末端基の減少および熱黄変はともにア
ミノ末端基が消費され、酸性染料の染着座席の減少を生
じ、結果として染色性が低下する。
【0004】かかる熱酸化劣化によるポリアミド系繊維
のアミノ末端基の減少や黄変を防ぐ方法として、通常の
ヒンダードフェノール系もしくは、ヒンダードアミン
系、セミカルバジド系化合物等の酸化防止剤を、重合時
もしくは染色加工段階(特に高温乾熱処理前)で添加す
る方法が知られているが、これらの方法であればアミノ
末端基の減少を抑え、黄変を防ぎ、結果として染色性向
上に有効であるが、前者の重合時添加方法では、原糸自
身が着色したり、最終製品で残存する酸化防止剤に起因
する各種黄変トラブル、例えば、NOxガス、プロパン
燃焼ガス等のガス黄変や光、熱での酸化防止剤自身の黄
変が問題となる場合があり、後者の染色加工段階で添加
する方法では、後加工工程が増えて効率的生産には不向
きである等の問題があった。
【0005】また、熱黄変を防ぐ方法として、熱処理温
度を下げたり、処理時間を短くする方法があるが、これ
らの方法は染色性向上には有効であるが、ポリアミド系
繊維製品の染色時の端部の丸まりやロープマークと呼ば
れる皺ができる等、布帛形態の安定性が悪くなり、染色
性と布帛形態安定性両方を満足するものはいまだ得られ
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、また均染性に優れたポリアミド系繊維を効率的に製
造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミド繊
維を溶融紡糸後、ポリマーが固化した以降で未延伸糸に
紡糸油剤を付与して捲き取る以前に、酸化防止剤を付与
することを特徴とする耐熱性ポリアミド系繊維の製造方
法である。また、酸化防止剤が下記化合物のうちの1種
以上である耐熱性ポリアミド系繊維の製造方法である。 1)ヒンダードアミン系化合物 2)ヒンダードフェノール系化合物 3)セミカルバジド系化合物
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明におけるポリアミド系繊維とは、ナイロン−
6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6およびポリア
ミド/ポリエステル複合繊維等の合成繊維であり、好ま
しくはナイロン−6を用いることができる。また、紡糸
方法としては、通常の溶融方式が適用される。また、ポ
リアミドポリマーは、通常添加される添加剤、例えば艶
消剤、安定剤、制電剤等を含んでいてもよい。繊維の断
面形状および繊度は用途に応じて適宜選択される。
【0009】本発明における紡糸油剤とは、合成繊維を
製造する際に通常使用されるもであり、鉱物油系、特殊
アニオン系、特殊ノニオン系、特殊カチオン系を用いる
ことができ、用途に応じて適宜選択される。
【0010】本発明における酸化防止剤とは、下記に示
されるものの中から1種以上が使用される。 1)ヒンダードアミン系化合物 2)ヒンダードフェノール系化合物 3)セミカルバジド系化合物
【0011】ヒンダードアミン系化合物としては、特に
限定されるものではないが、例えばコハク酸ジメチル−
1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラ
メチルピペリジン重縮合物やポリ[[6-(1,1,3,3-テトラ
メチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]
[(2,2,6,6,-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサ
メチレン[(2,2,6,6,-テトラメチル-4-ピペリジル)イミ
ノ]]やN,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン
・2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4ピ
ペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物な
どがあげられる。
【0012】ヒンダードフェノール系化合物としては、
特に限定されるものではないが、例えばトリエチレング
リコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]やペンタエリスリチル-テト
ラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]やN,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)や3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシ-ベンジルフォスフォネート-ジエチ
ルエステルなどがあげられる。
【0013】セミカルバジド系化合物としては、特に限
定されるものではないが、例えば下記一般式(1): (CH3)2NNHCONH-(CH2)m-NHCONHN(CH3)2 (1) [式中mは1〜11の整数である]で示され、この中で
好ましいものとしてm=6の化合物等があげられる。
【0014】かかる酸化防止剤の付与量は該繊維に対し
て、0.001〜5重量%の範囲の中から選択される。
付与量がこの範囲内であれば、原糸着色もなく、また、
経済的に耐熱性の良好なものが得られる。
【0015】具体的な付与方法としては、紡糸後、ポリ
マーが固化した以降で、未延伸糸を捲き取る以前に、酸
化防止剤を付与し、その後紡糸油剤を付与する。一般に
は該酸化防止剤の水溶液あるいは水分散液を油剤付与装
置で付与する。かかる付与方法に比べて、該酸化防止剤
を紡糸油剤付与後あるいは紡糸油剤に混ぜて付与する
と、後工程での処理により酸化防止剤が脱落する場合が
あり、耐熱性が低下することがある。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の耐熱性ポリアミド系繊維の
製造方法に関する具体例を詳細に説明するが、本発明は
実施例のみに限定されるものではない。実施例における
評価は次の評価方法によった。
【0017】(1)耐熱性 後述する実施例、比較例のように乾熱処理まで実施した
サンプルの黄変度を目視判定で3段階評価する。 ○;ほとんど黄変しない。 △;やや黄変する。 ×;かなり黄変する。
【0018】(2)染色性 後述する実施例、比較例のように乾熱処理まで実施した
サンプルをミーリングタイプ・ブルー系酸性染料(品
名:Kayanol Mill. Turq. Blue 3G 1%owf、日本化薬社
製])で98℃×30分酸性染色した後、染色性を目視
判定する。 ○;均一に染まる。 △;やや淡染部分がある。 ×;多数の淡染部分がある。
【0019】(3)寸法安定性 後述する実施例、比較例のように乾熱処理まで実施した
サンプルに10cmの印をつけて、98℃、30分の沸
水処理後の収縮率から評価する。 ○;ほとんど収縮しない。 △;やや収縮する。 ×;かなり収縮する。
【0020】実施例1 ナイロン−6レジンを通常の溶融紡糸装置を使用して、
溶融紡糸後、未延伸糸にヒンダードアミン系化合物酸化
防止剤;ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ
-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6,-テトラメチ
ル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6,-テ
トラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]を繊維に対して0.
3重量%付着するように水に10%分散させた液を油剤
付与装置で付与し、さらに紡糸油剤(主成分が鉱物油、
特殊アニオン系油剤)を繊維に対して1重量%を付与
し、さらに延伸、熱処理後捲き取った。得られた70デ
ニール24フィラメントのポリアミド繊維を経糸および
緯糸に用いて、経糸密度297本/インチ、緯糸密度1
10本/インチのタフタ織物を製織した。この織物を常
法により精練後、195℃×3分の乾熱処理を実施し
た。得られた布帛の黄変度、染色性、寸法安定性は表1
のようになり、染色性、寸法安定性ともに良好なもので
あった。
【0021】実施例2 酸化防止剤をヒンダードフェノール系化合物;N,N'-ヘ
キサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒド
ロシンナマミド)を繊維に対して0.3重量%を使用し
た以外は実施例1と同様に糸を製造し、布帛を製織し
た。得られた布帛の黄変度、染色性、寸法安定性は表1
のようになり、染色性、寸法安定性ともに良好なもので
あった。
【0022】実施例3 酸化防止剤を下記式で示す化合物(a)のセミカルバジ
ド系化合物を繊維に対して0.3wt%を使用した以外
は実施例1と同様に糸を製造し、布帛を製織した。得ら
れた布帛の黄変度、染色性、寸法安定性は表1のように
なり、染色性、寸法安定性ともに良好なものであった。
【0023】 (CH3)2NNHCONH-(CH2)6-NHCONHN(CH3)2 (a) 比較例1 酸化防止剤を付与しない以外は実施例1と同様に糸を製
造し、布帛を製織し、精練、熱処理を行った。得られた
布帛の黄変度、染色性、寸法安定性は表1のようにな
り、寸法安定性は良好であったが、染色性は品位に欠け
るものであった。
【0024】比較例2 酸化防止剤を付与しない以外は実施例1と同様に糸を製
造し、布帛を製織した。この織物を常法により精練後、
180℃×1分の熱処理を実施した。得られた布帛の黄
変度、染色性、寸法安定性は表1のようになり、染色性
は良好であったが、寸法安定性は品位に欠けるものであ
った。
【0025】比較例3 酸化防止剤の付与を紡糸油剤付与後に行った以外は実施
例1と同様に糸を製造し、布帛を製織し、精練、熱処理
を行った。得られた布帛の黄変度、染色性、寸法安定性
は表1のようになり、寸法安定性は良好であったが、染
色性はやや品位に欠けるものであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明により、耐熱性に優れ、また均染
性に優れたポリアミド系繊維を効率的に製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA08 AB01 AC01 AC05 AC15 BA07 BA57 BA58 BA78 BA79 4L035 BB31 BB59 EE01 EE20 FF10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系繊維を溶融紡糸後、ポリマ
    ーが固化した以降で、未延伸糸に紡糸油剤を付与して捲
    き取る以前に、酸化防止剤を付与することを特徴とする
    耐熱性ポリアミド系繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化防止剤が下記化合物のうちの1種以
    上である請求項1記載の耐熱性ポリアミド系繊維の製造
    方法。 1)ヒンダードアミン系化合物 2)ヒンダードフェノール系化合物 3)セミカルバジド系化合物
JP11140594A 1999-05-20 1999-05-20 耐熱性ポリアミド系繊維の製造方法 Pending JP2000328357A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003038183A1 (fr) * 2001-10-31 2003-05-08 Kanebo, Limited Procede de teinture de toile tissee comprenant une fibre de polyamide

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003038183A1 (fr) * 2001-10-31 2003-05-08 Kanebo, Limited Procede de teinture de toile tissee comprenant une fibre de polyamide

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