JP2000328073A - 化石燃料ガス化・利用設備の制御方法、その制御装置、及び制御装置の一部を構成する先行指令値発生装置 - Google Patents

化石燃料ガス化・利用設備の制御方法、その制御装置、及び制御装置の一部を構成する先行指令値発生装置

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JP2000328073A
JP2000328073A JP13623799A JP13623799A JP2000328073A JP 2000328073 A JP2000328073 A JP 2000328073A JP 13623799 A JP13623799 A JP 13623799A JP 13623799 A JP13623799 A JP 13623799A JP 2000328073 A JP2000328073 A JP 2000328073A
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Yukinori Katagiri
幸徳 片桐
Yoshio Sato
美雄 佐藤
Fumihiko Kiso
文彦 木曽
Naoyuki Nagabuchi
尚之 永渕
Kenta Shimauchi
謙太 島内
Masae Takahashi
正衛 高橋
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Hitachi Ltd
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    • Y02E20/18Integrated gasification combined cycle [IGCC], e.g. combined with carbon capture and storage [CCS]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラント時定数の大きい既設の設備に対する
既設の制御装置の制御性能を高める。 【解決手段】 既設の制御装置11は、目標負荷指令L
tに応じて、石炭ガス化複合発電設備10のガス化剤供
給量を制御するための操作基準量Xbを求める。先行指
令値発生装置21は、既設の制御装置11を模擬して、
目標負荷指令Ltに応じたテスト操作量Xmを出力する
制御モデル22と、設備10の動特性を模擬して、テス
ト操作量Xmに応じた石炭ガスの発熱量Qm(t)を出力
する設備モデル40と、目標発熱量Qt(t)と予測発熱
量Qm(t)との偏差ΔQ(t)に応じた先行指令値Zを出力
する先行指令値出力器30とを有している。先行指令値
出力器30から出力された先行指令値Zは、既設の制御
装置11の加算器17で、操作基準量Xbと加算され、
操作量Xとして設備10に出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭等の化石燃料
にガス化剤を混入し、該化石燃料を不完全燃焼させて、
該化石燃料及び該ガス化剤から目的のガスを生成する石
炭ガス化プラント等の化石燃料ガス化プラントと、該化
石燃料ガス化プラントで生成された該目的のガスを燃焼
させて発電を行う発電プラント等のガス利用プラント
と、を備えた化石燃料ガス化・利用設備の制御装置、こ
の制御装置の一部を構成する先行信号発生装置、化石燃
料ガス化・利用設備の制御方法、及び先行指令値発生プ
ログラムを記録した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラントの制御量を一定あるいは
目標値に追従するよう操作量を計算し、プラントを最適
制御する方法として適応制御法あるいは最適制御法の手
法が提案されている。
【0003】これらの手法では、プラント同定時には操
作量として、白色ノイズ又はステップ信号等の同定信号
を入力し、得られた制御量の時系列データをプラント同
定装置に入力してプラントの動特性を同定している。ま
た、この同定結果から最適操作量を計算する。最適操作
量は、このままプラントに適用することも可能である
が、この最適操作量を変換装置に入力して従来制御部に
おける制御定数、すなわち、PI制御器の比例定数、積分
定数に変換することもある。
【0004】このような手法を用いたプラントの制御装
置としては、例えば、特開平7−19456号公報に記
載されたものがある。
【0005】この制御装置は、プラントの動的モデルを
用いて、プラントの制御量を予測し、この予測制御量と
目標制御量との偏差に基づいて、制御演算器によりプラ
ントの操作量を求めている。
【0006】さらに、同じく動的モデルを用いて、操作
量を求めるものとして、特開平4−33102号公報に
記載の制御装置もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな制御装置は、いずれも、新規なプラントに対する新
規な制御装置に関するものである。
【0008】例えば、石炭ガス化発電プラントのよう
な、化石燃料ガス化・利用設備は、新規プラントもある
が、既設プラントも非常に多い。このようなプラント時
定数の大きい既設のプラントに関しても、プラントの動
的モデルを用いることが好ましいが、プラントの動的モ
デルを組み込んだ制御装置を別途新規に設けることは、
プラントの運転継続性、新規制御装置の導入時における
初期トラブル等の観点からすると、望ましいことではな
い。
【0009】そこで、本発明は、プラント時定数の大き
い既設の設備に対する既設の制御装置の制御性能を高め
ることができる、先行指令値発生プログラムを記録した
記憶媒体、先行信号発生装置、これを備えた制御装置、
設備の制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の第一の制御装置は、化石燃料にガス化剤を混入し、該
化石燃料を不完全燃焼させて、該化石燃料及び該ガス化
剤から目的のガスを生成する化石燃料ガス化プラント
と、該化石燃料ガス化プラントで生成された該目的のガ
スを利用するガス利用プラントと、を備えた化石燃料ガ
ス化・利用設備の制御装置において、前記化石燃料ガス
化・利用設備の制御量と該制御量に対する目標制御量と
の偏差に基づいて、前記化石燃料の投入基準量又は前記
ガス化剤の投入基準量を示す操作基準量を求める基準制
御系と、前記基準制御系で求められた前記操作基準量に
対する先行指令値を求める先行制御系と、前記基準制御
系で求められた前記操作基準量に、前記先行制御系で求
められた前記先行指令値を加算して操作量を求め、該操
作量を前記化石燃料ガス化プラントへ出力する加算器
と、を備え、前記先行制御系は、前記基準制御系を模擬
し、前記化石燃料ガス化・利用設備の前記制御量と前記
目標制御量との偏差に基づいて、前記操作基準量を求
め、該操作基準量に先行指令値を加算したテスト操作量
を出力する制御モデルと、前記化石燃料ガス化・利用設
備の動特性を模擬し、前記テスト操作量の入力により、
前記制御量を求めて、前記制御モデルに対して該制御量
を出力すると共に、前記ガス利用プラントが必要とする
前記目的のガスの成分量又は該成分量と相関関係のある
制御量(以下、成分量又は制御量を、ガス成分量とす
る)を出力する設備モデルと、前記目標制御量に応じた
前記ガス成分量の目標量と、前記設備モデルが出力した
前記ガス成分量との偏差を求め、該偏差が小さくなる前
記先行指令値を出力する先行指令値出力手段と、前記制
御モデルから前記設備モデルへの前記テスト操作量の出
力、及び、該設備モデルから該制御モデルへの前記制御
量の出力が繰り返して行われる過程で、前回のテスト操
作量と今回のテスト操作量との差異が予め定めた値より
小さくなると、前記制御モデルで該テスト操作量を求め
るために用いた前記先行指令値を前記加算器へ出力する
テスト操作量収束判断手段と、を有することを特徴とす
るものである。
【0011】また、前記目的を達成するための第二の化
石燃料ガス化・利用設備の制御装置は、前記第一の化石
燃料ガス化・利用設備の制御装置において、前記基準制
御系は、予め準備されている関数を用いて前記目標制御
量から先行指令値を求める先行指令値出力手段を有し、
前記基準制御系からの前記先行指令値と、前記先行制御
系からの前記先行指令値とのうち、いずれか一方を選択
して、該一方を前記加算器に出力する切替器を備えてい
ることを特徴とするものである。
【0012】前記目的を達成するための第三の化石燃料
ガス化・利用設備の制御装置は、前記第二の化石燃料ガ
ス化・利用設備の制御装置において、前記切替器は、前
記目標制御量の変化率に応じて、前記基準制御系からの
前記先行指令値と、前記先行制御系からの前記先行指令
値とのうち、いずれか一方を前記加算器に出力すること
を特徴とするものである。
【0013】前記目的を達成するための第四の化石燃料
ガス化・利用設備の制御装置は、前記第二及び第三のい
ずれかの化石燃料ガス化・利用設備の制御装置におい
て、前記切替器は、オペレータの指示に応じて、前記基
準制御系からの前記先行指令値と、前記先行制御系から
の前記先行指令値とのうち、いずれか一方を前記加算器
に出力することを特徴とするものである。
【0014】前記目的を達成するための第五の化石燃料
ガス化・利用設備の制御装置は、前記第一から第四のい
ずれかの化石燃料ガス化・利用設備の制御装置におい
て、前記制御量は、前記ガス成分量であることを特徴と
するものである。
【0015】前記目的を達成するための第六の化石燃料
ガス化・利用設備の制御装置は、前記第一から第五のい
ずれかの化石燃料ガス化・利用設備の制御装置におい
て、前記ガス利用プラントが、前記化石燃料ガス化プラ
ントで生成された前記目的のガスを燃焼させて、該目的
のガスの燃焼熱を利用して発電を行う発電プラントであ
る場合、前記ガス成分量は、該目的のガスの発熱量であ
ることを特徴とするものである。
【0016】前記目的を達成するための化石燃料ガス化
・利用設備の制御方法は、化石燃料にガス化剤を混入
し、該化石燃料を不完全燃焼させて、該化石燃料及び該
ガス化剤から目的のガスを生成する化石燃料ガス化プラ
ントと、該化石燃料ガス化プラントで生成された該目的
のガスを利用するガス利用プラントと、を備えた化石燃
料ガス化・利用設備の制御方法において、前記化石燃料
ガス化・利用設備の制御量と該制御量に対する目標制御
量との偏差に基づいて、前記化石燃料の投入基準量又は
前記ガス化剤の投入基準量を示す操作基準量を求める基
準制御工程と、前記基準制御工程で求められた前記操作
基準量に対する先行指令値を求める先行制御工程と、前
記基準制御工程で求められた前記操作基準量に、前記先
行制御工程で求められた前記先行指令値を加算して操作
量を求め、該操作量を前記化石燃料ガス化プラントへ出
力する加算工程と、を備え、前記先行制御工程は、前記
基準制御工程の処理を模擬し、前記化石燃料ガス化・利
用設備の前記制御量と前記目標制御量との偏差に基づい
て、前記操作基準量を求め、該操作基準量に先行指令値
を加算したテスト操作量を出力する基準制御模擬工程
と、前記化石燃料ガス化・利用設備の動特性を模擬し、
前記テスト操作量の入力により、前記基準制御模擬工程
で用いる前記制御量を求めると共に、前記ガス利用プラ
ントが必要とする前記目的のガスの成分量又は該成分量
と相関関係のある制御量(以下、成分量又は制御量を、
ガス成分量とする)を出力する設備模擬工程と、前記目
標制御量に応じた前記ガス成分量の目標量と、前記設備
模擬工程で求められた前記ガス成分量との偏差を求め、
該偏差が小さくなる前記先行指令値を出力する先行指令
値出力工程と、前記基準制御模擬工程での処理及び前記
設備模擬工程での処理が繰り返して行われる過程で、前
回のテスト操作量と今回のテスト操作量との差異が予め
定めた値より小さくなると、該基準制御模擬工程で該テ
スト操作量を求めるために用いた前記先行指令値を前記
加算工程に対して出力するるテスト操作量収束判断工程
と、を有することを特徴とするものである。
【0017】前記目的を達成するための化石燃料ガス化
・利用設備の先行指令値発生装置は、化石燃料にガス化
剤を混入し、該化石燃料を不完全燃焼させて、該化石燃
料及び該ガス化剤から目的のガスを生成する化石燃料ガ
ス化プラントと、該化石燃料ガス化プラントで生成され
た該目的のガスを利用するガス利用プラントと、を備え
た化石燃料ガス化・利用設備を制御する制御装置の一部
を構成し、前記ガス利用プラントの制御量と該制御量に
対する目標制御量との偏差に基づいて、前記化石燃料の
投入基準量又は前記ガス化剤の投入基準量を示す操作基
準量を求める既存の基準制御系との組み合わせで、前記
制御装置を構成し、前記既存の基準制御系で求められた
前記操作基準量に加算されて、化石燃料ガス化プラント
に対する操作量となる先行指令値を発生する先行指令値
発生装置において、前記既存の基準制御系を模擬し、前
記化石燃料ガス化・利用設備の前記制御量と前記目標制
御量との偏差に基づいて、前記操作基準量を求め、該操
作基準量に先行指令値を加算したテスト操作量を出力す
る制御モデルと、前記化石燃料ガス化・利用設備の動特
性を模擬し、前記テスト操作量の入力により、前記制御
量を求めて、前記制御モデルに対して該制御量を出力す
ると共に、前記ガス利用プラントが必要とする前記目的
のガスの成分量又は該成分量と相関関係のある制御量
(以下、成分量又は制御量を、ガス成分量とする)を出
力する設備モデルと、前記目標制御量に応じた前記ガス
成分量の目標量と、前記設備モデルが出力した前記ガス
成分量との偏差を求め、該偏差が小さくなる前記先行指
令値を出力する先行指令値出力手段と、前記制御モデル
から前記設備モデルへの前記テスト操作量の出力、及
び、該設備モデルから該制御モデルへの前記制御量の出
力が繰り返して行われる過程で、前回のテスト操作量と
今回のテスト操作量との差異が予め定めた値より小さく
なると、前記制御モデルで該テスト操作量を求めるため
に用いた前記先行指令値を出力するテスト操作量収束判
断手段と、を有することを特徴とするものである。
【0018】前記目的を達成するための先行指令値発生
プログラムを記録した記憶媒体は、化石燃料にガス化剤
を混入し、該化石燃料を不完全燃焼させて、該化石燃料
及び該ガス化剤から目的のガスを生成する化石燃料ガス
化プラントと、該化石燃料ガス化プラントで生成された
該目的のガスを利用するガス利用プラントと、を備えた
化石燃料ガス化・利用設備の制御プログラムであって、
前記化石燃料ガス化・利用設備の制御量と該制御量に対
する目標制御量との偏差に基づいて、前記化石燃料の投
入基準量又は前記ガス化剤の投入基準量を示す操作基準
量を求める基準制御系の実行との組み合わせで、該化石
燃料ガス化・利用設備の制御を行うプログラムで、前記
基準制御系で求められた前記操作基準量に加算されて、
化石燃料ガス化プラントに対する操作量となる先行指令
値を発生する先行指令値発生プログラムを記録したコン
ピュータ読取可能な記憶媒体において、前記基準制御系
を模擬し、前記化石燃料ガス化・利用設備の前記制御量
と前記目標制御量との偏差に基づいて、前記操作基準量
を求め、該操作基準量に先行指令値を加算したテスト操
作量を出力する基準制御模擬手順と、前記化石燃料ガス
化・利用設備の動特性を模擬し、前記テスト操作量の入
力により、前記基準制御模擬手順で用いる前記制御量を
求めると共に、前記ガス利用プラントが必要とする前記
目的のガスの成分量又は該成分量と相関関係のある制御
量(以下、成分量又は制御量を、ガス成分量とする)を
出力する設備模擬手順と、前記目標制御量に応じた前記
ガス成分量の目標量と、前記設備模擬手順で求められた
前記ガス成分量との偏差を求め、該偏差が小さくなる前
記先行指令値を出力する先行指令値出力手順と、前記基
準制御模擬手順での処理及び前記設備模擬手順での処理
が繰り返して行われる過程で、前回のテスト操作量と今
回のテスト操作量との差異が予め定めた値より小さくな
ると、該基準制御模擬手順で該テスト操作量を求めるた
めに用いた前記先行指令値を出力するテスト操作量収束
判断手順と、を有することを特徴とする先行指令値発生
プログラムを記録した記憶媒体である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る化石燃料ガス
化・利用設備の制御装置の実施形態について図面を用い
て説明する。
【0020】本実施形態の化石燃料ガス化・利用設備
は、図4に示すように、石炭ガス化複合発電(IGCC)設備
10である。この石炭ガス化複合発電設備10は、化石
燃料である石炭をガス化する石炭ガス化プラント(化石
燃料ガス化プラント)と、石炭ガス化プラントで発生し
た石炭ガスを燃焼させて発電を行う複合発電プラント
(ガス利用プラント)とを有している。
【0021】石炭ガス化プラントは、石炭をガス化する
ガス化炉1と、このガス化炉1に石炭を供給する石炭供
給器2と、ガス化炉1にガス化剤である酸素又は空気を
供給するガス化剤供給器3と、ガス化炉1で発生したガ
スの脱塵及び脱硫等を行うガス精製装置4と、を備えて
いる。また、複合発電プラントは、石炭ガス化プラント
からの石炭ガスの燃焼ガスで駆動するガスタービン5
と、ガスタービン5からの排気ガスで蒸気を発生させる
排熱回収ボイラ6と、排熱回収ボイラ6で発生した蒸気
で駆動する蒸気タービン7と、ガスタービン5及び蒸気
タービン7の駆動で電力を発生させる発電機8と、排熱
回収ボイラー6からの排気ガスを排気する煙突9と、を
備えている。
【0022】この石炭ガス化複合発電プランと10を制
御する制御装置20は、複合発電プラントの目標負荷指
令Ltと、石炭ガス化プラントのガス化炉1内のガス圧
Pとが入力し、石炭供給器2及びガス化剤供給器3のそ
れぞれの操作量Y,Xを出力する。
【0023】制御装置20は、図1に示すように、既存
の制御装置(基準制御系)11と、先行指令値Zを出力
する先行指令値発生装置(先行制御系)21と、先行指
令値発生装置21からの先行指令値Zを用いるか用いな
いかを切替える切替器19と、を有している。
【0024】既存の制御装置(基準制御系)11は、目
標負荷指令Ltをガス化炉1内の目標ガス圧Ptに変換
する目標ガス圧変換器13と、実測されたガス化炉内の
ガス圧Pと目標ガス圧Ptとの偏差ΔPを求めるガス圧
偏差演算器14と、偏差ΔPに基づいて操作基準量Xb
を求める制御器15と、目標ガス圧Ptの変動に基づい
て先行指令値Zbを求める先行指令値出力器16と、先
行指令値Z,Zbに操作基準量Xbを加算してガス化剤
供給器3の操作量Xを求める加算器17と、ガス化剤供
給器3の操作量Xを石炭供給器2の操作量Yに変換する
ガス化剤‐石炭操作量変換器18と、を有している。
【0025】石炭ガス化複合発電設備10は、プラント
時定数が大きい。このため、既存の制御装置11には、
実測ガス圧Pと目標ガス圧Ptとの偏差ΔPに基づいて
操作基準量Xbを求めるフィードバック制御系13,1
4,15と、操作基準量Xbに対する制御量(ここで
は、ガス圧)の無駄時間を補償するためのフィードフォ
ーワード制御系16とがある。フィードバック制御系1
3,14,15の一部を構成する制御器15としては、
比例制御器や比例積分制御器などが考えられるが、いず
れを用いるかは、プラントの応答特性や制御目標値特性
等を考慮して決定される。フィードフォーワード制御系
16を構成する先行指令値出力器16は、目標ガス圧P
tのみを変数とする関数を用い、この関数に目標ガス圧
Ptを入力して先行指令値Zbを求める。
【0026】なお、既存の制御装置では、フィードバッ
ク制御系のみで、フィードフォーワード制御系がないも
のもあるが、この場合、フィードバック制御系で求めら
れた操作基準量Xbにフィードフォーワード制御系から
の先行指令値を加算する必要がないので、加算器17も
設けれないことになる。このように、既存の制御装置が
フィードフォワード制御系を有していない場合には、こ
の既存の制御装置が求めた操作基準量Xbに、先行指令
値発生装置21から出力された先行指令値Zを加算する
ために、別途、加算器が必要である。
【0027】先行指令値発生装置(先行制御系)21
は、既存の制御装置(基準制御系)11を模擬する制御
モデル22と、石炭ガス化複合発電設備10の動特性を
模擬する設備モデル40と、設備モデル40で求められ
た時系列データとしての石炭ガス発熱量Qm(t)と、目
標負荷指令Ltに応じた時系列データとしての目標発熱
量Qt(t)との偏差ΔQ(t)に基づいて時系列データとし
ての先行指令値Z(t)を求める先行指令値出力器30
と、制御モデル22が出力したテスト操作量Xmが収束
すると先行指令値Zを切替器19に出力する操作量収束
判断器37と、を有している。
【0028】制御モデル22は、図2に示すように、既
存の制御装置11を模擬するために、既存の制御装置1
1と同様に、目標負荷指令Ltをガス化炉1内の目標ガ
ス圧Ptに変換する目標ガス圧変換器23と、設備モデ
ル40からの出力であるガス圧Pmと目標ガス圧Ptと
の偏差ΔPmを求めるガス圧偏差演算器24と、偏差Δ
Pmに基づいて操作基準量Xbmを求める制御器25
と、先行指令値出力器30から出力された先行指令値Z
に操作基準量Xbを加算してガス化剤供給器3のテスト
操作量Xmを求める加算器27と、ガス化剤供給器3の
テスト操作量Xmを石炭供給器2のテスト操作量Ymに
変換するガス化剤‐石炭操作量変換器28と、を有して
いる。なお、この制御モデル22は、既存の制御装置1
1のフィードフォーワード系制御系のみを模擬している
が、既存の制御装置11のフィードフォーワード制御系
(先行指令値出力器16)をも模擬する意味で、先行指
令値出力器30を含めて、モデルとしてもよい。但し、
既存の先行指令値出力器16と先行指令値出力器30と
は、共に先行指令値を出力する点で共通するが、前者の
出力する先行指令値が予め準備された関数を用いて目標
ガス圧力に対して定めらるものであるのに対して、後者
の出力する先行指令値が石炭ガスの目標発熱量と設備モ
デル40で求められた石炭ガスの発熱量との偏差に基づ
くものである点で相違している。
【0029】先行指令値出力器30は、目標負荷指令L
tを時系列データとしての目標発熱量Qt(t)に変換す
る目標発熱量変換器33と、この目標発熱量Qt(t)と
設備モデル40で求められた時系列データとしての石炭
ガス発熱量Qm(t)との偏差ΔQ(t)を求める発熱量偏差
演算器34と、時系列データとしての偏差ΔQ(t)に基
づいて時系列データとしての先行指令値Z(t)を求める
先行指令値演算器36とを有している。
【0030】操作量収束判断器37は、制御モデル22
が繰り返してテスト操作量Xmを出力する過程で、前回
のテスト操作量Xmと今回のテスト操作量Xmとの差が
予め定められた値以下になると、テスト操作量が収束し
たとして、前回のテスト操作量Xm又は今回のテスト操
作量Xmを求める際に用いた先行指令値Zを切替器19
へ出力する。
【0031】設備モデル40では、以下の(数1)〜
(数16)に示す、石炭ガス化複合発電設備10の熱収
支、物質収支、ガス化反応プロセス等を物理式に基づく
微分方程式や経験式等として記述したものを有してい
る。なお、ここでは、モデルを表す際に、物理式に基づ
く微分方程式や経験式を用いているが、この換りに、自
己回帰移動平均(ARMA)モデルやニューラルネットに代
表される統計的手法を用いてもよい。
【0032】石炭ガス炉1の内部圧力P1は、物質収支
により(数1)で表せる。また、石炭ガス化炉1内のガ
ス密度ρ1は、(数1)で得られた圧力P1から、気体
の状態方程式より(数2)で表せる。
【0033】
【数1】
【0034】
【数2】
【0035】ここで、 P1:石炭ガス化炉内圧力(Pa) ρ1:石炭ガス化炉内密度(kg/m3) T1:石炭ガス温度(K) V1:石炭ガス化炉内容積(m3) F0:石炭ガス化炉で発生した石炭ガス流量(kg/s) F12:石炭ガス化炉から流出する石炭ガス流量(kg/s) t:時間(sec) M1:石炭ガスの平均分子量(kg/kmol) R:ガス定数 石炭ガス化炉1のガス温度は、熱収支により(数3)で
表せる。
【0036】
【数3】
【0037】ここで、 Cp1:石炭ガス比熱(J/kg/K) H0:石炭ガスエンタルピ(J/kg) Fslag:スラグ流量(kg/s) Hslag:スラグのエンタルピ(J/kg) A1:石炭ガス化炉の伝熱面積(m2) α1:石炭ガス化炉の放射熱伝達率(J/m2/K/s) Tm1:石炭ガス化炉の壁面温度(K) 石炭ガス化炉1から壁面への伝熱は、ガス体からの放射
伝熱が支配的となる。そのため、(数3)では放射伝熱
のみを模擬したが、対流伝熱を考慮する場合には、(数
3)に対流伝熱の項を追加すると良い。
【0038】石炭ガス化炉1のガス組成は、組成の流
入、流出を模擬することで、(数4)で表せる。また、
ガス比熱及びガスの平均分子量は、それぞれ、(数5)
及び(数6)で表せる。
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】ここで、 C1:石炭ガス化炉内ガス組成(列データ)(kg) C0:流入するガス組成(列データ)(kg) fcpj:気体の比熱近似関数 M :ガス成分の分子量(列データ)(kg/kmol) 以上の(数4)〜(数6)における列データ形式として
の各要素は、一酸化炭素、水素、二酸化炭素、窒素、酸
素、硫黄化合物、メタンなどの質量である。気体の比熱
を近似する関数fcpjは、"JANAF Thermochemical Tables
(2nd Ed.)"(NSRDS-NBS37,1971)等の表データを温度の関
数で近似したものである。
【0043】同様に、ガス精製装置4の内部圧力、温度
及びガス組成は、それぞれ、(数7)〜(数12)で表
せる。
【0044】
【数7】
【0045】
【数8】
【0046】
【数9】
【0047】
【数10】
【0048】
【数11】
【0049】
【数12】
【0050】ここで、 P2:石炭ガスのガス精製装置内圧力(Pa) ρ2:石炭ガス密度(kg/m3) T2:石炭ガス温度(K) V2:ガス精製装置内容積(m3) F23:ガスタービンへのガス流量(kg/s) t:時間(sec) M2:石炭ガスの平均分子量(kmol) C2:ガス精製装置内ガス組成(列データ)(kg) Cp2:石炭ガス比熱(J/kg/K) A2:ガス精製装置の伝熱面積(m2) β2:ガス精製装置の対流熱伝達率(J/m2/K/s) Tm2:ガス精製装置の壁面温度(K) ガス精製装置4は、石炭ガスに含まれる硫黄分や未燃チ
ャーを取り去るために、一般的に複数の装置を有してい
る。本実施形態では、ガス精製装置を一つの機器要素と
して模擬したが、動特性モデルの計算精度を向上させる
場合には、ガス精製装置の個々の機器に対して圧力、温
度、組成を詳細に模擬するとよい。
【0051】以上の(数10)(数11)(数12)で
求められた、ガス精製装置内ガス組成C2(j)のう
ち、可燃性ガスの成分量に、各可燃性ガスの発熱比を掛
けたものが、石炭ガスの発熱量Qm(t)として、設備モ
デル40から先行指令値出力器30へ出力される。
【0052】石炭ガス化炉1及びガス精製装置4から流
出する石炭ガスの流量F12,F23は、装置1,4間
の差圧を考慮すると、(数13)及び(数14)で表せ
る。
【0053】
【数13】
【0054】
【数14】
【0055】ここで、 Cv12,Cv23:流量係数(-) D12,D23:配管断面積(m2) Cgcv:ガスタービン流量加減弁開度(-) 石炭ガス化炉1内における石炭とガス化剤の反応プロセ
スは、(数15)に示す関数で表せるものとする。本実
形態では、ガス化剤を酸素としたが、酸素と窒素の混合
気体についても同様に計算できる。
【0056】
【数15】
【0057】ここで、 Fcoal:石炭流量(kg/s) Fo2:ガス化剤(酸素)流量(kg/s) Fn2:窒素流量(kg/s) Ccoal:石炭の組成(mol%) η:炭素ガス化率(kg/kg) この(数15)において、石炭流量Fcoal及びガス化剤
流量Fo2が、制御モデル22から設備モデル40へ操作
量として入力される値である。この(数15)に示す関
数の詳細は、特開平9-67582号公報に記載されているた
め、ここでは割愛する。また、ガス化反応に関する理論
式及び反応に関する基礎式は、「反応工学」pp182〜245
(橋本健治,培風館,1979)に詳しい。なお、石炭とガス化
剤との反応プロセスを厳密に模擬する場合には、反応速
度及び平衡反応を考慮する必要があるが、ここでは、反
応後のガス組成が一意に得られる関数としている。
【0058】(数15)で用いる炭素ガス化率ηは、石
炭ガス化炉1におけるガス化プロセスの指標であり、
(数16)で求められる。
【0059】
【数16】
【0060】ここで、 Wgas:ガス中の炭素量 Wcoal:石炭中の炭素量 ガス中の炭素量は、ガスクロマトグラフ等によるサンプ
リング計測、あるいは非分散系赤外線分析計を用いて測
定できる。本実施形態では、ガス中の炭素成分を連続し
て計測し、この値を随時反映するため非分散系赤外線分
析計を用いた。非分散系赤外線分析計は、ガスに赤外線
を照射し、赤外線の透過度からガス中のCO,CO2,CH4等の
濃度が計測するもので、これらの濃度からガス中の炭素
量が推定できる。ガスクロマトグラフ及び非分散系赤外
線分析系については「計装システムの基礎と応用」pp13
8〜145(千本資、花渕太共編、オーム社、1987)に詳し
い。関数f2は、石炭流量/酸素流量に対する炭素ガス
化率ηを実機運転結果から計測して決定している。
【0061】以上は、本実施形態における制御装置20
の機能的構成であるが、現実の制御装置20は、ハード
ウェア的には、図3に示すように、既存の制御装置11
も先行指令値発生装置21も、いわゆるコンピュータで
構成されている。
【0062】既存の制御装置11及び先行指令値発生装
置21は、いずれも、コンピュータ本体50a,50b
と、ディスプレイ装置等の出力装置64a,64bと、
キーボード等の入力装置65a,65bと、を備えてい
る。なお、切替器19の機能は、ここでは、先行指令値
発生装置21の機能を担うコンピュータ本体50bに組
み込まれている。コンピュータ本体50a,50bは、
各種演算や各種プログラム等を実行するCPU51a,
51bと、各種プログラムや各種データ等が記憶されて
いるROM52a,52bと、各種プログラムや各種デ
ータ等が一時的に記憶されるRAM53a,53bと、
出力装置64a,64bを制御する出力装置コントロー
ラ54a,54bと、入力装置65a,65bを制御す
る入力装置コントローラ55a,55bと、ハードディ
スク装置56a,56bと、フロッピーディスク装置5
7a,57bと、光磁気ディスク装置58a,58b
と、入出力回路59a,59bと、を有している。
【0063】コンピュータ本体50a,50bを既存の
制御装置11や先行信号発生装置21として機能させる
ためのプログラムは、フロッピーディスク61や光磁気
ディスク62等の記憶媒体や、いわゆるパソコン通信等
で、コンピュータ本体50a,50bに与えられる。
【0064】なお、ここでは、既存の制御装置11をコ
ンピュータで構成したが、論理回路で構成したものであ
ってもよい。また、ここでは、二台のコンピュータで制
御装置20を構成したが、一台のコンピュータで制御装
置20を構成するようにしてもよい。
【0065】次に、本実施形態における制御装置の動作
について説明する。石炭ガス化複合発電設備10は、従
来の液化天然ガスを燃料とする複合発電(ACC)プラント
にガス燃料発生プラントを追加したものと考えられる
が、ガス燃料発生プラントを構成する石炭ガス化炉1や
ガス精製装置4は、機器容積が大きく、石炭ガス化装置
で発生した石炭ガスは、無駄時間及び遅れを伴ってガス
タービン5へ供給される。また、ACCプラントの燃料で
ある液化天然ガスにくらべて発熱量が低い。そこで、本
実施形態では、石炭ガスの発熱量変動が最小となるよう
ガス化剤投入量の最適先行指令を求める。
【0066】まず、既存の制御装置11の動作について
説明する。設備10の目標負荷Ltが下がった場合に
は、目標ガス圧変換器13により、石炭ガス化炉1の目
標圧力Ptが低く設定され、この目標圧力Ptと実際の
ガス圧Pとの偏差ΔPが小さくなるよう、言い換える
と、低くなった目標圧力Ptに実際のガス圧Pが追従す
るよう、操作基準量Xbであるガス化剤流量が制御器1
5で求められる。既存の制御装置11の先行指令値出力
器16では、ある関数を用いて、目標ガス圧Ptの低下
に基づく先行指令値Zbが出力され、この先行指令値Z
bと操作基準量Xbとが加算器17で加算され、ガス化
剤供給器3の操作量Xが求められる。一方、石炭供給器
2の操作量Yは、ガス化剤‐石炭操作量変換器18にお
いて、予め定められている空燃比(石炭流量とガス化剤
流量との比)でガス化剤供給器3の操作量Xが割られて
求められる。
【0067】切替器19により、加算器17に先行指令
値発生装置21からの先行指令値Zが入力する場合に
は、加算器17は、この先行指令値Zと操作基準量Xb
とを加算して、ガス化剤供給器3の操作量Xを求める。
【0068】切替器19が、先行指令値発生装置21か
らの先行指令値Zを出力するか、既存の制御装置11の
先行指令値出力器16からの先行指令値Zbを出力する
かは、目標負荷Ltの変化率による。具体的には、目標
負荷Ltの変化率が、予め定められた値より大きい場合
に、先行指令値発生装置21からの先行指令値Zを出力
する。なお、ここでは、切替器19からの出力の切替を
目標負荷率Ltの変化率に応じて行っているが、オペレ
ータの指示に従って切替えるようにしてもよい。
【0069】次に、先行指令値発生装置21の動作につ
いて説明する。制御モデル21は、既存の制御装置11
のフィードバック制御系の動作が模擬される。すなわ
ち、設備10の目標負荷Ltが下がった場合には、制御
モデル21の目標ガス圧変換器23により、石炭ガス化
炉1の目標圧力Ptが低く設定され、この目標圧力Pt
と予測ガス圧Pmとの偏差ΔPmが小さくなるよう、操
作基準量Xbmが制御器25で求められる。この操作基
準量Xbmには、先行指令値出力器30からの先行指令
値Zが、加算器27において加算され、ガス化剤供給器
3のテスト操作量Xmが求められる。また、石炭供給器
2のテスト操作量Ymは、ガス化剤‐石炭操作量変換器
28において、予め定められている空燃比でガス化剤供
給器3のテスト操作量Xmが割られて求められる。
【0070】設備モデル40では、設備10の動特性が
模擬され、制御モデル22からテスト操作量Xm,Ym
の入力により、ガス化炉1内の予測圧力Pm、及び時系
列データとしての石炭ガス発熱量Qm(t)が求められ
る。予測圧力Pmは、制御モデル21において、目標圧
力Ptに対する偏差ΔPmを求める際に用いられ、石炭
ガス発熱量Qm(t)は、先行指令値出力器30におい
て、目標発熱量Qt(t)に対する偏差ΔQ(t)を求める際
に用いられる。
【0071】先行指令値出力器30の発熱量偏差演算器
34で、時系列データとしての目標発熱量Qt(t)と時
系列データとしての石炭ガス発熱量Qm(t)との偏差Δ
Q(t)が求められると、先行指令値演算器36が、時系
列データとしての発熱量偏差ΔQ(t)の特徴量に基づい
て先行指令値Z(t)を求めて、これを制御モデル22
の加算器27へ出力する。
【0072】先行指令値演算器36は、図6に示すよう
に、時系列データとしての発熱量偏差ΔQ(t)の特徴量
A,B,C,D,Eを用いて、以下の調節則に従って、
時系列データとしての先行指令値Z(t)の各パラメー
タa,b,c,d,eを定め、このパラメータa,b,
c,d,eに基づいて先行指令値Z(t)を定める。な
お、図6に示す発熱量偏差ΔQ(t)は、図5における実
際の発熱量Qを設備モデル40で求められた予測発熱量
Qm(t)であるとした場合のものを示している。
【0073】調整則1:負荷変化開始時からの発熱量偏
差の最低値又は最高値Aの実数倍をパラメータaとす
る。
【0074】調整則2:負荷変化開始時から発熱量最大
偏差Aが得られた時刻までの時間Bをパラメータbとす
る。
【0075】調整則3:発熱量最大偏差Aが得られた後
の発熱量偏差の最低値又は最高値Cの実数倍をパラメー
タcとする。
【0076】調整則4:発熱量最大偏差Aが得られた時
刻から発熱量偏差Cが得られた時刻までの時間Dをパラ
メータdとする。
【0077】調整則5:発熱量偏差Cが得られた時刻か
ら発熱量偏差が0になった時刻までの時間Eをパラメー
タeとする。
【0078】以上のように求められた各時刻における先
行指令値Zは、制御モデル21の加算器27で、対応す
る各時刻における操作基準量Xbmと加算されて、テス
ト操作量Xmとなる。
【0079】また、時系列データとしての先行指令値Z
(t)は、操作量収束判断器37に入力する。操作量収束
判断器37は、制御モデル22が繰り返してテスト操作
量Xmを出力する過程で、前回のテスト操作量Xmと今
回のテスト操作量Xmとの差が予め定められた値以下に
なると、テスト操作量が収束したとして、前回のテスト
操作量Xm又は今回のテスト操作量Xmを求める際に用
いた先行指令値Zを切替器19へ出力する。
【0080】ここで、先行指令値発生装置21からの先
行指令値Zを用いた制御の効果を明瞭にするために、既
存の制御装置11のフィードバック制御系のみでの制御
効果について、図5を用いて説明する。
【0081】仮に、目標負荷Ltが一定の状態から、直
線的に低下した場合には、当然、これに追従して、石炭
ガス化炉1の目標圧力Pt及び目標発熱量Qtも直線的
に低下する。このような目標負荷Ltの低下に対して、
既存の制御装置11のフィードバック制御系のみの制御
では、ガス化剤流量Fo2及び石炭流量Fcoalは、共
に、急激に大きく減少した後、逆に、増加してから、定
常状態になる。固体又は粉末の石炭の応答特性は、気体
のガス化剤の応答特性に比べて遅く、且つ感度が低い。
このため、実際の発熱量Qは、石炭流量の目標値F’co
alに対して実際の石炭流量Fcoalが多いときには、ガス
化炉1内での不完全燃焼が促進されて発熱量Qが目標発
熱量Qtよりも大きくなり、石炭流量の目標値F’coal
に対して実際の石炭流量Fcoalが少ないときには、ガス
化炉1内での完全燃焼が促進されて発熱量Qが目標発熱
量Qtよりも少なくなる。
【0082】次に、先行指令値発生装置21からの先行
指令値Zを用いた制御効果について、図7を用いて説明
する。
【0083】仮に、目標負荷Ltが一定の状態から、直
線的に低下した場合には、前述したように、これに追従
して、石炭ガス化炉1の目標圧力Pt及び目標発熱量Q
tも直線的に低下する。このような目標負荷Ltの低下
に対して、先行指令値発生装置21からの先行指令値Z
を用いた制御では、ガス化剤流量Fo2及び石炭流量Fc
oalは、既存の制御装置11のフィードバック制御系の
みを用いた制御の場合と同様に、共に、急激に大きく減
少した後、逆に、増加してから、定常状態になるもの
の、最も落ち込む位置での減少量が小さくなる。また、
石炭流量の目標値F’coalも、最も落ち込む位置での減
少量が小さくなる。
【0084】この結果、実際の発熱量Qが目標発熱量Q
tに近くなり、目標負荷Ltに対する実際の負荷偏差を
小さくすることができる。
【0085】以上のように、本実施形態では、設備モデ
ル40を用いた先行制御を行っているので、プラント時
定数の大きい石炭ガス化複合発電設備10に対する制御
性能を高めることができる。しかも、既設の制御装置1
1を継続的に用いているので、別途、新規制御装置を導
入した場合よりも初期トラブルを抑えることができ、設
備10の運転継続性を確保できる。しかも、既設の制御
装置11は、一般に、各種機器の運転制約条件等が組み
込まれているため、別途、各種機器の運転制約条件等を
組み込むことなく、設備の安全運転を継続することがで
きる。さらに、先行指令値発生装置21が故障した場合
や、先行指令値Zが不適切な値を示す場合等において
も、オペレータの指示で切替器19からの出力を切替え
ることで、既設の制御装置11のみで設備10を制御で
き、設備10の継続運転を確保できる。
【0086】次に、先行指令値発生装置の第二の実施形
態について、図8を用いて説明する。本実施形態におけ
る先行指令値発生装置21aは、第一の実施形態におけ
る先行指令値発生装置21と同様に、既設の制御装置1
1を模擬する制御モデル22と、設備10の動特性を模
擬する設備モデル40と、先行指令値Zを出力する先行
指令値出力器30とを有している。本実施形態における
先行指令値発生装置21aは、さらに、制御モデル22
から出力された操作量Xmが収束したか否かを判断し
て、収束した操作量Xmを出力する操作量収束判断器3
7aと、この操作量Xmから既設の制御装置11で求め
られた操作基準量Xbを減算して、減算によって求めら
れた先行指令値Zを出力する減算器38とを有してい
る。
【0087】制御モデル22、設備モデル40、先行指
令値出力器30の各動作は、第一の実施形態と同様であ
る。操作量収束判断器37aは、第一の実施形態と異な
り、操作量Xmを出力するので、この操作量Xmから先
行指令値Z分を抽出するため、減算器38において、操
作量収束判断器37aから出力された操作量Xmから既
設の制御装置11で求められた操作基準量Xbを減算し
て、先行指令値Zを求める。すなわち、この実施形態で
は、操作量収束判断器37aと減算器38とで、第1の
実施形態における操作量収束判断器37の機能を担って
いる。
【0088】以上のように、本実施形態においても、第
一の実施形態の先行指令値と基本的に同様の先行指令値
を出力できるので、第一の実施形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0089】なお、以上の実施形態では、既設の制御装
置11が制御量と目標制御量との偏差を求めるに当た
り、制御量としてガス化炉1のガス圧を用いたが、この
他の制御量、例えば、先行指令値Zを求める際に用いる
設備モデル40からの出力と同じ、発熱量を用いてもよ
い。また、先行指令値Zを求める際に用いる設備モデル
からの出力として、以上の実施形態では発熱量を用いた
が、ガス化装置から送られてくるガス成分のうち、ガス
利用装置である複合発電プラントが利用するガス、つま
り可燃性ガスの成分量、例えば、水素や一酸化炭素の量
を用いてもよいし、また、一酸化炭素と二酸化炭素の生
成比等を用いてもよい。
【0090】また、以上の実施形態は、石炭ガス化複合
発電設備10に対する制御装置であるが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、プラント時定数の大きい化
石燃料ガス化・利用設備であれば、如何なるものでもよ
く、例えば、石炭又は重質油ガス化プラントと、このガ
ス化プラントで製造されたガスをアルコールやエーテル
や肥料等に改質して貯蔵する燃料等製造プラントとを組
み合わせた、石炭又は重質油ガス化・燃料等製造設備に
対して適用してもよい。この場合、既設の制御装置の制
御量としては、以上の実施形態と同様に、応答性の面か
らガス化炉内のガス圧が好ましく、また、先行指令値Z
を求める際に用いる設備モデルからの出力としては、ガ
ス化プラントから送られてくるガス成分のうち、ガス利
用プラントである燃料等製造プラントが利用するガスの
成分量であることが好ましい。
【0091】また、以上の実施形態では、既設の制御装
置11を利用したが、完全に新設の制御装置と先行指令
値発生装置とを組み合わせて、新たな制御装置を構成し
てもよい。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、設備モデルを用いた先
行制御を行っているので、プラント時定数の大きい化石
燃料ガス化・利用設備に対する制御性能を高めることが
できる。しかも、既設の制御装置を継続的に用いている
ので、別途、新規制御装置を導入した場合よりも初期ト
ラブルを抑えることができ、設備の運転継続性を確保で
きる。しかも、既設の制御装置は、一般に、各種機器の
運転制約条件等が組み込まれているため、別途、各種機
器の運転制約条件等を組み込むことなく、設備の安全運
転を継続することができる。また、切替器を有している
ものでは、先行指令値発生装置が故障した場合や、この
先行指令値発生装置からの先行指令値が不適切な値を示
す場合等においても、オペレータの指示で切替器からの
出力を切替えることで、既設の制御装置のみで設備を制
御でき、設備の継続運転を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施形態における制御装置
の機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る第一の実施形態における先行指令
発生装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明に係る第一の実施形態における制御装置
の回路図である。
【図4】本発明に係る第一の実施形態における石炭ガス
化複合発電設備の系統図である。
【図5】本発明に係る第一の実施形態における既設の制
御装置のみによる制御で、目標負荷が変化した場合の制
御量等の変化を示す説明図である。
【図6】本発明に係る第一の実施形態における先行指令
値の作成方法を示す説明図である。
【図7】本発明に係る第一の実施形態における先行指令
値発生装置を用いた制御で、目標負荷が変化した場合の
制御量等の変化を示す説明図である。
【図8】本発明に係る第二の実施形態における先行指令
値発生装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
1…石炭ガス化炉、2…石炭供給器、3…ガス化剤供給
器、4…石炭ガス精製装置、5…ガスタービン、6…排
熱回収ボイラ、7…蒸気タービン、8…発電機、10…
石炭ガス化複合発電設備、11…既設の制御装置、13
…目標ガス圧変換器、14…ガス圧偏差演算器、15…
制御器、16…先行指令値出力器、17…加算器、18
…ガス化剤‐石炭操作量変換器、19…切替器、20…
制御装置、21,21a…先行指令値発生装置、22…
制御モデル、23…目標ガス圧変換器、24…ガス圧偏
差演算器、25…制御器、27…加算器、28…ガス化
剤‐石炭操作量変換器、30…先行指令値出力器、33
…目標発熱量変換器、34…発熱量偏差演算器、36…
先行指令値演算器、37,37a…操作量収束判断器、
38…減算器、40…設備モデル、50a,50b…コ
ンピュータ本体、51a,51b…CPU、57a,5
7b…フロッピーディスク装置、58a,58b…光磁
気ディスク装置、61…フロッピーディスク、62…光
磁気ディスク。
フロントページの続き (72)発明者 木曽 文彦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 永渕 尚之 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 島内 謙太 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 高橋 正衛 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 Fターム(参考) 5H004 GA33 GB02 HA03 HA20 HB03 HB04 HB20 KB13 KB32 KC26 KC28 KC44 KC45 LA12 LB03 9A001 HH32 HH34 KK32 KK55 KZ37 LL09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化石燃料にガス化剤を混入し、該化石燃料
    を不完全燃焼させて、該化石燃料及び該ガス化剤から目
    的のガスを生成する化石燃料ガス化プラントと、該化石
    燃料ガス化プラントで生成された該目的のガスを利用す
    るガス利用プラントと、を備えた化石燃料ガス化・利用
    設備の制御装置において、 前記化石燃料ガス化・利用設備の制御量と該制御量に対
    する目標制御量との偏差に基づいて、前記化石燃料の投
    入基準量又は前記ガス化剤の投入基準量を示す操作基準
    量を求める基準制御系と、 前記基準制御系で求められた前記操作基準量に対する先
    行指令値を求める先行制御系と、 前記基準制御系で求められた前記操作基準量に、前記先
    行制御系で求められた前記先行指令値を加算して操作量
    を求め、該操作量を前記化石燃料ガス化プラントへ出力
    する加算器と、 を備え、 前記先行制御系は、 前記基準制御系を模擬し、前記化石燃料ガス化・利用設
    備の前記制御量と前記目標制御量との偏差に基づいて、
    前記操作基準量を求め、該操作基準量に先行指令値を加
    算したテスト操作量を出力する制御モデルと、 前記化石燃料ガス化・利用設備の動特性を模擬し、前記
    テスト操作量の入力により、前記制御量を求めて、前記
    制御モデルに対して該制御量を出力すると共に、前記ガ
    ス利用プラントが必要とする前記目的のガスの成分量又
    は該成分量と相関関係のある制御量(以下、成分量又は
    制御量を、ガス成分量とする)を出力する設備モデル
    と、 前記目標制御量に応じた前記ガス成分量の目標量と、前
    記設備モデルが出力した前記ガス成分量との偏差を求
    め、該偏差が小さくなる前記先行指令値を出力する先行
    指令値出力手段と、 前記制御モデルから前記設備モデルへの前記テスト操作
    量の出力、及び、該設備モデルから該制御モデルへの前
    記制御量の出力が繰り返して行われる過程で、前回のテ
    スト操作量と今回のテスト操作量との差異が予め定めた
    値より小さくなると、前記制御モデルで該テスト操作量
    を求めるために用いた前記先行指令値を前記加算器へ出
    力するテスト操作量収束判断手段と、 を有する、 ことを特徴とする化石燃料ガス化・利用設備の制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化石燃料ガス化・利用設
    備の制御装置において、 前記基準制御系は、予め準備されている関数を用いて前
    記目標制御量から先行指令値を求める先行指令値出力手
    段を有し、 前記基準制御系からの前記先行指令値と、前記先行制御
    系からの前記先行指令値とのうち、いずれか一方を選択
    して、該一方を前記加算器に出力する切替器を備えてい
    る、 ことを特徴とする化石燃料ガス化・利用設備の制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の化石燃料ガス化・利用設
    備の制御装置において、 前記切替器は、前記目標制御量の変化率に応じて、前記
    基準制御系からの前記先行指令値と、前記先行制御系か
    らの前記先行指令値とのうち、いずれか一方を前記加算
    器に出力する、 ことを特徴とする化石燃料ガス化・利用設備の制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2及び3のいずれか一項に記載の化
    石燃料ガス化・利用設備の制御装置において、 前記切替器は、オペレータの指示に応じて、前記基準制
    御系からの前記先行指令値と、前記先行制御系からの前
    記先行指令値とのうち、いずれか一方を前記加算器に出
    力する、 ことを特徴とする化石燃料ガス化・利用設備の制御装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか一項に記載の化
    石燃料ガス化・利用設備の制御装置において、 前記制御量は、前記ガス成分量である、 ことを特徴とする化石燃料ガス化・利用設備の制御装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれか一項に記載の化
    石燃料ガス化・利用設備の制御装置において、 前記ガス利用プラントが、前記化石燃料ガス化プラント
    で生成された前記目的のガスを燃焼させて、該目的のガ
    スの燃焼熱を利用して発電を行う発電プラントである場
    合、前記ガス成分量は、該目的のガスの発熱量である、 ことを特徴とする化石燃料ガス化・利用設備の制御装
    置。
  7. 【請求項7】化石燃料にガス化剤を混入し、該化石燃料
    を不完全燃焼させて、該化石燃料及び該ガス化剤から目
    的のガスを生成する化石燃料ガス化プラントと、該化石
    燃料ガス化プラントで生成された該目的のガスを利用す
    るガス利用プラントと、を備えた化石燃料ガス化・利用
    設備の制御方法において、 前記化石燃料ガス化・利用設備の制御量と該制御量に対
    する目標制御量との偏差に基づいて、前記化石燃料の投
    入基準量又は前記ガス化剤の投入基準量を示す操作基準
    量を求める基準制御工程と、 前記基準制御工程で求められた前記操作基準量に対する
    先行指令値を求める先行制御工程と、 前記基準制御工程で求められた前記操作基準量に、前記
    先行制御工程で求められた前記先行指令値を加算して操
    作量を求め、該操作量を前記化石燃料ガス化プラントへ
    出力する加算工程と、 を備え、 前記先行制御工程は、 前記基準制御工程の処理を模擬し、前記化石燃料ガス化
    ・利用設備の前記制御量と前記目標制御量との偏差に基
    づいて、前記操作基準量を求め、該操作基準量に先行指
    令値を加算したテスト操作量を出力する基準制御模擬工
    程と、 前記化石燃料ガス化・利用設備の動特性を模擬し、前記
    テスト操作量の入力により、前記基準制御模擬工程で用
    いる前記制御量を求めると共に、前記ガス利用プラント
    が必要とする前記目的のガスの成分量又は該成分量と相
    関関係のある制御量(以下、成分量又は制御量を、ガス
    成分量とする)を出力する設備模擬工程と、 前記目標制御量に応じた前記ガス成分量の目標量と、前
    記設備模擬工程で求められた前記ガス成分量との偏差を
    求め、該偏差が小さくなる前記先行指令値を出力する先
    行指令値出力工程と、 前記基準制御模擬工程での処理及び前記設備模擬工程で
    の処理が繰り返して行われる過程で、前回のテスト操作
    量と今回のテスト操作量との差異が予め定めた値より小
    さくなると、該基準制御模擬工程で該テスト操作量を求
    めるために用いた前記先行指令値を前記加算工程に対し
    て出力するテスト操作量収束判断工程と、 を有する、 ことを特徴とする化石燃料ガス化・利用設備の制御方
    法。
  8. 【請求項8】化石燃料にガス化剤を混入し、該化石燃料
    を不完全燃焼させて、該化石燃料及び該ガス化剤から目
    的のガスを生成する化石燃料ガス化プラントと、該化石
    燃料ガス化プラントで生成された該目的のガスを利用す
    るガス利用プラントと、を備えた化石燃料ガス化・利用
    設備を制御する制御装置の一部を構成し、 前記ガス利用プラントの制御量と該制御量に対する目標
    制御量との偏差に基づいて、前記化石燃料の投入基準量
    又は前記ガス化剤の投入基準量を示す操作基準量を求め
    る既存の基準制御系との組み合わせで、前記制御装置を
    構成し、 前記既存の基準制御系で求められた前記操作基準量に加
    算されて、化石燃料ガス化プラントに対する操作量とな
    る先行指令値を発生する先行指令値発生装置において、 前記既存の基準制御系を模擬し、前記化石燃料ガス化・
    利用設備の前記制御量と前記目標制御量との偏差に基づ
    いて、前記操作基準量を求め、該操作基準量に先行指令
    値を加算したテスト操作量を出力する制御モデルと、 前記化石燃料ガス化・利用設備の動特性を模擬し、前記
    テスト操作量の入力により、前記制御量を求めて、前記
    制御モデルに対して該制御量を出力すると共に、前記ガ
    ス利用プラントが必要とする前記目的のガスの成分量又
    は該成分量と相関関係のある制御量(以下、成分量又は
    制御量を、ガス成分量とする)を出力する設備モデル
    と、 前記目標制御量に応じた前記ガス成分量の目標量と、前
    記設備モデルが出力した前記ガス成分量との偏差を求
    め、該偏差が小さくなる前記先行指令値を出力する先行
    指令値出力手段と、 前記制御モデルから前記設備モデルへの前記テスト操作
    量の出力、及び、該設備モデルから該制御モデルへの前
    記制御量の出力が繰り返して行われる過程で、前回のテ
    スト操作量と今回のテスト操作量との差異が予め定めた
    値より小さくなると、前記制御モデルで該テスト操作量
    を求めるために用いた前記先行指令値を出力するテスト
    操作量収束判断手段と、 を有する、 ことを特徴とする先行指令値発生装置。
  9. 【請求項9】化石燃料にガス化剤を混入し、該化石燃料
    を不完全燃焼させて、該化石燃料及び該ガス化剤から目
    的のガスを生成する化石燃料ガス化プラントと、該化石
    燃料ガス化プラントで生成された該目的のガスを利用す
    るガス利用プラントと、を備えた化石燃料ガス化・利用
    設備の制御プログラムであって、 前記化石燃料ガス化・利用設備の制御量と該制御量に対
    する目標制御量との偏差に基づいて、前記化石燃料の投
    入基準量又は前記ガス化剤の投入基準量を示す操作基準
    量を求める基準制御系の実行との組み合わせで、該化石
    燃料ガス化・利用設備の制御を行うプログラムで、 前記基準制御系で求められた前記操作基準量に加算され
    て、化石燃料ガス化プラントに対する操作量となる先行
    指令値を発生する先行指令値発生プログラムを記録した
    コンピュータ読取可能な記憶媒体において、 前記基準制御系を模擬し、前記化石燃料ガス化・利用設
    備の前記制御量と前記目標制御量との偏差に基づいて、
    前記操作基準量を求め、該操作基準量に先行指令値を加
    算したテスト操作量を出力する基準制御模擬手順と、 前記化石燃料ガス化・利用設備の動特性を模擬し、前記
    テスト操作量の入力により、前記基準制御模擬手順で用
    いる前記制御量を求めると共に、前記ガス利用プラント
    が必要とする前記目的のガスの成分量又は該成分量と相
    関関係のある制御量(以下、成分量又は制御量を、ガス
    成分量とする)を出力する設備模擬手順と、 前記目標制御量に応じた前記ガス成分量の目標量と、前
    記設備模擬手順で求められた前記ガス成分量との偏差を
    求め、該偏差が小さくなる前記先行指令値を出力する先
    行指令値出力手順と、 前記基準制御模擬手順での処理及び前記設備模擬手順で
    の処理が繰り返して行われる過程で、前回のテスト操作
    量と今回のテスト操作量との差異が予め定めた値より小
    さくなると、該基準制御模擬手順で該テスト操作量を求
    めるために用いた前記先行指令値を出力するテスト操作
    量収束判断手順と、 を有することを特徴とする先行指令値発生プログラムを
    記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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