JP2000327373A - 光反射体及びその製造方法 - Google Patents

光反射体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000327373A
JP2000327373A JP11132372A JP13237299A JP2000327373A JP 2000327373 A JP2000327373 A JP 2000327373A JP 11132372 A JP11132372 A JP 11132372A JP 13237299 A JP13237299 A JP 13237299A JP 2000327373 A JP2000327373 A JP 2000327373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
refractive index
light reflector
wavelength
reflector according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11132372A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Yamamoto
透 山本
Masahiro Hirata
昌宏 平田
Yukio Sueyoshi
幸雄 末吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP11132372A priority Critical patent/JP2000327373A/ja
Priority to AT00304033T priority patent/ATE281656T1/de
Priority to EP00304033A priority patent/EP1054271B1/en
Priority to US09/569,786 priority patent/US6396633B1/en
Priority to DE60015429T priority patent/DE60015429D1/de
Publication of JP2000327373A publication Critical patent/JP2000327373A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/10Mirrors with curved faces
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/0816Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/0816Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers
    • G02B5/0825Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers the reflecting layers comprising dielectric materials only
    • G02B5/0833Multilayer mirrors, i.e. having two or more reflecting layers the reflecting layers comprising dielectric materials only comprising inorganic materials only
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/0883Mirrors with a refractive index gradient
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/26Reflecting filters

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ、可視光反射率が高く、かつ反
射色調の目立たない光反射体およびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 ガラス基板上に、波長550nmにおけ
る屈折率がn1の膜、n2の膜、n3の膜、およびn4の膜
を順次積層し、膜厚を調整して屈折率n1、n2、n3お
よびn4の関係がn1≧n4>n3>n2、屈折率n2の膜の
膜厚が30nm〜60nm、屈折率n4の膜表面の可視
光反射率が75%以上、且つ、この膜表面の反射色調を
*、b*(クロマティックネス指数)で表したときに、
{(a*2+(b*21/2の値を0〜10とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鏡などのガラス製
品に使用する高可視光反射体、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鏡には一般に銀、アルミニウムなどの反
射率の高い金属膜が形成されている。銀を用いた鏡では
銀塩の溶液をガラス上に塗布し、ガラス表面にて還元反
応させて銀膜を形成させている。しかし、銀膜そのもの
は酸化されやすく、また腐食されやすいので耐久性が非
常に弱い。従ってそのままでは鏡として実用に耐え得る
ものは得られず、銀膜の表面に保護膜を形成させる必要
がある。さらにエッジ(銀膜の外周端縁部)からも水等
に浸食されるため、エッジへも保護処理が必要であり、
特に銀を用いた鏡を洗面台や浴室用に使用するためには
保護処理として特殊加工を施している。また多くの場
合、保護層としては不透明剤を使用するため、裏面鏡と
してしか使用できず、表面の反射と裏面の反射による二
重像が避けられない。
【0003】アルミニウム膜を用いた鏡では、一般に真
空蒸着法やスパッタリング法にてアルミニウム膜が形成
されるために、設備として真空装置が必要となる。また
成膜に時間がかかり、生産効率があまり良くない等製造
コストが高くなる傾向がある。さらに上記方法で形成さ
れたアルミニウム膜は耐久性の弱い膜となってしまうた
め、保護膜が必要となる。
【0004】真空装置を必要としない方法としては、常
圧CVD法を使用して反射層及び反射増強層を順次形成
させ、反射率が70%以上とする[の]鏡の製造方法が特
開平6−183787号公報に開示されている。具体的
には反射層に珪素膜などの高屈折率膜を使用し、その上
に酸化珪素膜などの低屈折率膜と珪素膜、酸化錫膜、酸
化チタン膜などの高屈折率膜を反射増強層として順次形
成させた鏡のことが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−18378
7号公報では反射層として主に珪素膜を使用しており、
反射増強層には低屈折率層として酸化珪素膜を、高屈折
率膜として珪素膜や酸化チタン膜、酸化錫膜などを使用
している。最表面に珪素膜を使用する場合、珪素膜の耐
久性が弱いため保護膜を形成させることが必要である。
酸化チタン膜や酸化錫膜を使用する場合、耐久性に問題
はないが可視光反射率75%以上にて反射色を目立たな
くするためには、低屈折率層である酸化珪素膜を70n
m以上にする必要がある。しかし熱分解法にて酸化珪素
膜を成膜する際に多量の粉体が発生し、その粉体が膜中
に異物として取り込まれたり、ピンホールの原因とな
り、歩留まりを低下させている。さらに粉体が成膜装置
周囲や排気配管等に堆積し、成膜を不安定にさせる要因
となっている。これらを回避するためには原料供給量等
を低下させ、成膜速度を遅くすることが考えられるが、
そのようにすると70nm以上の厚膜を得ることが困難
になる。
【0006】また特表平8−508708号公報では低
屈折率膜を10nm以上40nm以下にし、表面に酸化
錫膜を形成させる鏡が提案されているが、この場合、可
視光反射率が35%以上70%未満であり、反射色調が
青色を帯びてしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係る光反射体は、ガラス基板の一方の主表面上
に、550nmの波長において屈折率n1の膜、前記波
長において屈折率n2の膜、前記波長において屈折率n3
の膜、前記波長において屈折率n4の膜を順次形成させ
てなる光反射体であって、前記屈折率n1、n2、n3、
n4の関係がn1≧n4>n3>n2であり、前記屈折率n2
の膜の膜厚が30nm以上60nm以下であり、前記屈
折率n4の膜表面の可視光反射率が75%以上であり、
且つこの膜表面の反射色調をa*、b*(クロマティック
ネス指数)で表したときに、{(a *2+(b*2
1/2の値が0以上10以下となるようにした。
【0008】前記屈折率n2の膜としては、酸化珪素を
主成分とするものが好ましく、前記屈折率n3の膜とし
ては、酸化錫を主成分とするものが好ましく、前記屈折
率n4の膜としては、酸化チタンを主成分とするものが
好ましく、前記屈折率n1の膜としては、珪素を主成分
とするものが好ましい。
【0009】更に、前記屈折率n1の膜と前記ガラス基
板との間に下地膜が形成されることも好ましく、その下
地膜が酸化錫膜であれば更に好ましい。
【0010】また、本発明に係る光反射体においては、
屈折率n1の膜については15nm以上45nm以下、
屈折率n3の膜については10nm以上80nm以下、
屈折率n4の膜については10nm以上80nm以下の
範囲であることが好ましく、更に、前記ガラス基板の非
膜面側に不透明層を形成してもよい。
【0011】また、本発明に係る光反射体の製造方法
は、ガラス基板の一方の主表面上に、550nmの波長
において屈折率n1の膜、前記波長において屈折率n2の
膜、前記波長において屈折率n3の膜及び前記波長にお
いて屈折率n4の膜を順次形成する。但し、n1≧n4>
n3>n2である。
【0012】また、上記製造方法において前記ガラス基
板と前記屈折率n1の膜との間に下地膜を形成するこ
と、高温のガラス表面に熱分解法にて前記下地膜、前記
屈折率n1の膜、前記屈折率n2の膜、前記屈折率n3の
膜、前記屈折率n4の膜を順次形成することも好まし
い。
【0013】つまり、本発明はガラス基板上に550n
mの波長において屈折率n1の膜、前記波長において屈
折率n2の膜、前記波長において屈折率n3の膜、前記波
長において屈折率n4の膜を順次形成させ、屈折率n2の
膜の膜厚を30nm以上60nm以下とすることにより
熱分解を利用した成膜による生産性を向上させ、膜表面
の可視光反射率が75%以上であり、反射色調をa*
*(クロマティックネス指数)で表したときに、
{(a*2+(b*21/2の値が0以上10以下を有
する高性能で耐久性の良い光反射体を提供するものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明では、ガラス基板上に550nmの
波長における屈折率n1の膜、550nmの波長におけ
るn2の膜、550nmの波長における屈折率n3の膜
を、550nmの波長における屈折率n4膜を順次形成
し、前記屈折率n1、n2、n3、n4の関係をn1≧n4>
n3>n2にすることによって、前記屈折率n2の膜厚を
30nm以上60nm以下としても、可視光反射率75
%以上かつ反射色調をa*、b*(クロマティックネス指
数)で表したときに、{(a*2+(b*21/2の値
が0以上10以下となる光反射体を得るられる。
【0015】これは反射層となる屈折率n1の膜の上に
低屈折率から高屈折率へと段階的に変化させた膜を順次
形成させる構成を採ることによって、高反射でかつ反射
色調を目立たなくさせるためである。
【0016】前記屈折率n2の膜厚が30nm未満では
所定の反射率と所定の色の両方を満たすことができず、
60nmを超えると生産性が下がりコストアップとなり
本発明の効果を達成することができない。
【0017】屈折率n1と屈折率n2の差(n1>n2)が
大きいほど可視光反射率が大きくなるので、n1は大き
いほど、n2は小さいほど好ましい。本発明に係る55
0nmの波長における屈折率がn1の膜は、珪素を主成
分とする膜が好ましい。この理由は、珪素が特に高屈折
率を有する、更に熱分解法で容易に形成されるからであ
る。また珪素膜には炭素、窒素、酸素などが含まれても
良い。この場合の屈折率n1は、含まれる不純物の物質
や量により異なり、3.0以上5.5以下の範囲とな
る。
【0018】本発明に係る550nmの波長における屈
折率がn2の膜は、酸化珪素を主成分とする膜が好まし
い。この理由は、酸化珪素が低屈折率を有する、さらに
熱分解法で容易に形成されるからである。また酸化珪素
膜には窒素、炭素、フッ素、チタン、錫、アルミ、ホウ
素、燐などが含まれても良い。この場合の屈折率n2
は、含まれる不純物の物質や量により異なり、1.4以
上1.6以下の範囲となる。
【0019】本発明に係る550nmの波長における屈
折率n4の膜は酸化チタンが好ましい。この理由は酸化
チタンが比較的高屈折率を有し、また熱分解法で容易に
形成され、更に耐久性が良く最表面に露出しても問題な
いからである。また酸化チタン膜には錫、フッ素、塩
素、炭素、窒素、珪素などが含まれても良い。この場合
の屈折率n4は、含まれる不純物の物質や量により異な
り、2.2以上2.8以下の範囲となる。
【0020】本発明に係る550nmの波長における屈
折率n3の膜は酸化錫膜が好ましい。この理由は、屈折
率が前記屈折率n2とn4の間を有し、更に熱分解法にて
容易に形成されるからである。また酸化錫膜にはインジ
ウム、フッ素、アンチモン、塩素、炭素、珪素などが含
まれていても良い。この場合の屈折率n3は、含まれる
不純物の物質や量により異なり、1.8以上2.2以下
の範囲となる。
【0021】本発明においては、屈折率n1の膜とガラ
ス基板の間に下地膜を形成しても良い。ガラス基板にソ
ーダライムガラスを使用したときには下地膜を形成する
ことによって屈折率n1の膜中へのアルカリの拡散を防
止し、屈折率の低下を防ぐことができる。
【0022】この下地膜の一例として酸化錫膜を挙げる
ことができる。また酸化錫膜にはインジウム、フッ素、
アンチモン、塩素、炭素、珪素などが含まれていても良
い。下地膜の膜厚は1nm以上100nm以下が好まし
く、さらに好ましい範囲は10nm以上50nm以下で
ある。下地膜の膜厚が厚すぎるとヘイズ率が大きくな
り、反射光が乱反射するため好ましくない。
【0023】前記膜を積層した光反射体において、前記
屈折率n1の膜、屈折率n3の膜、屈折率n4の膜の膜厚
が以下の範囲であり、かつ可視光反射率が75%以上で
あり、かつ反射色調をa*、b*(クロマティックネス指
数)で表したときに、{(a *2+(b*21/2の値
が0以上10以下であることが好ましい。
【0024】また、各膜の膜厚が下記範囲から外れると
可視光反射率が75%より低くなるか、あるいは反射色
調をa*、b*(クロマティックネス指数)で表したとき
に、{(a*2+(b*21/2の値が10より大きく
なる。 屈折率n1の膜:15nm以上45nm以下 屈折率n3の膜:10nm以上80nm以下 屈折率n4の膜:10nm以上80nm以下
【0025】前記反射体は25%以下の可視光透過率が
得られる。これによりハーフミラーとしての使用が可能
となる。また鏡として使用する場合には、裏面側の像が
透視されないように裏面のガラス表面に不透明層を形成
させても良い。この不透明層の色を変化させることによ
り膜表面の反射色を調整することも可能である。また膜
表面、即ち最外層である屈折率n4の膜の更に外に不透
明層を形成させることにより、裏面鏡として使用するこ
とも可能である。この場合、裏面の可視光反射率を高く
するために、基板上に形成させる膜をガラス基板上に前
記屈折率n4の膜、前記屈折率n3の膜、前記屈折率n1
の膜の順にすることが好ましい。
【0026】前記膜の最表面、即ち最外層である屈折率
n4の膜のさらに外側は、酸化錫膜や酸化チタン膜の結
晶構造を利用することによって凹凸状にすることができ
る。この上に酸化珪素などのオーバーコート膜を形成さ
せることによって、親水性が得られ、さらにその親水性
能が長時間維持されるものが得られる。
【0027】各層を作成する方法は、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、ゾルゲル法、液相析出法、焼き付け法、
スプレー法、CVD法など何でも良いが、高温ガラス上
に原料を供給し、ガラスの持つ熱を利用して成膜させる
熱分解スプレー法及びCVD法が有効である。
【0028】ガラス基板は前記膜を形成できるようなも
のであれば何でも良いが、ソーダライムガラスのような
生産性の良いフロート法で製造されるガラスが好まし
い。
【0029】前記高温ガラスは予め形成されたガラスを
再度加熱しても良いが、フロートガラス製造時のフロー
トバス内やフロートバスから出てきたガラス表面に原料
を供給して成膜させる方法、いわゆるオンライン成膜法
を利用すると加熱装置が不要、大面積への成膜が可能と
なるため、より好ましい。
【0030】また前記熱分解法と他の製法を組み合わせ
て作成する方法、例えば前記屈折率n1の膜、前記屈折
率n2の膜、前記屈折率n3の膜を熱分解法にて作製し、
屈折率n4の膜をゾルゲル法、スパッタリング法で作製
するような方法を用いても良い。
【0031】熱分解法にて珪素膜を成膜する場合に使用
する原料は、例えばモノシランやジシランのようなシラ
ンガスやジクロロシラン、四塩化珪素などが挙げられ
る。
【0032】熱分解法にて酸化珪素膜を成膜する場合に
使用する原料は、珪素原料としては例えばモノシランガ
スやジシランガスなどのシランガスやジクロロシラン、
四塩化珪素などの無機化合物、テトラエトキシシラン、
テトラメトキシシラン、ジブトキシジアセトキシシラン
などの有機化合物が挙げられる。
【0033】また酸素源として、酸素、オゾン、アセト
ン、二酸化炭素などが挙げられる。シランガスを使用す
る場合、エチレンやエタンなどを添加すると酸化珪素膜
を安定して成膜できる。
【0034】熱分解法にて酸化錫膜を成膜する場合に使
用する原料は、例えば四塩化錫などの無機化合物や、モ
ノメチル錫トリクロライド、モノブチル錫トリクロライ
ド、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライ
ド、テトラメチル錫、テトラブチル錫、ジブチル錫ジア
セテート、ジオクチル錫ジアセテートなどが挙げられ
る。
【0035】熱分解法にて酸化チタン膜を成膜する場合
に使用する原料は、例えば四塩化チタンや、チタンイソ
プロポキシド、アセチルアセトナートチタンなどが挙げ
られる。
【0036】熱分解法にて形成させた膜は、加熱処理に
よる劣化が起こらないため、光反射体作製後、強化処理
や曲げ加工処理することも可能となる。
【0037】(実施例)図1の(a)〜(c)は本発明
の光反射体の例を示す拡大断面図である。(a)の断面
図に示す実施例にあっては、ガラス基板1の表面に珪素
膜2、酸化珪素膜3、酸化錫膜4、酸化チタン膜5を順
次形成している。凹凸の平均間隔(Sm)の測定は、原
子間力顕微鏡(AFM)や電子顕微鏡を用いて観察し、
測定した断面曲線から計算した。尚、凹凸の平均間隔
(Sm)は4nm〜300nmであることが好ましい。
また表面粗度(Ra)は1.5nm〜50nmの範囲で
あることが好ましい。
【0038】(b)の断面図に示す実施例にあっては、
ガラス基板1と珪素膜2との間に下地膜6として酸化錫
膜を形成している。また、(c)の断面図に示す実施例
にあっては、ガラス基板1の裏面に不透明層7を形成し
ている。
【0039】図2は、本発明の光反射体の製造用フロー
トガラス製造ラインにおける成膜装置の配置を示す外略
図の一例である。本実施例では図2に示すようなフロー
トガラス作製時のフロートバス13内にて熱分解CVD
法にて前記膜を形成した。成膜はガラスが所定の厚さに
形成された後、高温時、即ちガラス温度が600℃〜7
50℃の範囲にて行われる。各膜の成膜のためにそれぞ
れ成膜装置15〜19をフロートバス13内に挿入し、
珪素膜は窒素で希釈されたモノシランを、酸化珪素膜は
窒素で希釈されたモノシラン、エチレン、酸素を、酸化
錫膜は窒素で希釈されたジメチル錫ジクロライド、酸
素、水を、酸化チタン膜は窒素で希釈されたチタンイソ
プロポキシド、酸素を各成膜装置に供給して成膜した。
【0040】(実施例1〜5及び比較例1〜4)実施例
1〜5及び比較例1〜4は、上記成膜装置15〜19を
用いてガラス表面上に所定の膜厚の珪素膜、酸化珪素
膜、酸化錫膜、酸化チタン膜を順次形成後、レヤーで徐
冷し、その後洗浄、切断して100mm×100mmの
大きさのガラス板を作製した。
【0041】(実施例6〜12及び比較例5)実施例6
〜12及び比較例5は、上記成膜装置15〜19を用い
てガラス表面上に所定の膜厚の酸化錫膜(下地膜)、珪
素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜、酸化チタン膜を順次形成
後、レヤーで徐冷し、その後洗浄、切断して100mm
×100mmの大きさのガラス板を作製した。
【0042】本実施例ではすべての膜をフロートバス1
3内にて熱分解法CVD法を用いて成膜したが、酸化珪
素膜や酸化錫膜、酸化チタン膜などの酸化物膜は徐冷部
14にて成膜させても良い。この場合、CVD法だけで
なく溶液や粉体原料を用いるスプレー法を行っても良
い。また熱分解法とその他の成膜法を組み合わせて作製
しても良い。例えば、珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫膜を
熱分解法で成膜し、酸化チタン膜をゾルゲル法やスパッ
タリング法で成膜しても良い。
【0043】前記方法にて形成された各実施例におい
て、珪素膜2、酸化珪素膜3、酸化錫膜4、酸化チタン
膜5、下地膜6はそれぞれ以下に示す膜厚になってお
り、膜表面側から入射した光の可視光反射率が75%以
上でかつ反射色調をa*、b*(クロマティックネス指
数)で表したときに{(a*2+(b*21/2の値が
0以上10以下となっていた。 下地酸化錫膜:0nm以上100nm以下 珪素膜 :15nm以上45nm以下 酸化珪素膜 :30nm以上60nm以下 酸化錫膜 :10nm以上80nm以下 酸化チタン膜:10nm以上80nm以下
【0044】このときの珪素膜、酸化珪素膜、酸化錫
膜、酸化チタン膜の550nmにおける屈折率は以下の
範囲になっていた。 珪素膜 :4.1〜4.7 酸化珪素膜 :1.44〜1.46 酸化錫膜 :1.9〜2.1 酸化チタン膜:2.3〜2.5
【0045】各実施例および比較例における各層の膜厚
と、膜表面側から入射された光の可視光反射率、及び反
射色調をa*、b*(クロマティックネス指数)で表した
ときの、{(a*2+(b*21/2の値を(表1)に
示す。なお、可視光反射率をJIS R3106−19
98に従って、反射色調をJIS Z 8722−19
82に従って、島津製作所UV−3100型分光光度計
により測定し、JISZ 8729−1980において
規定されるL*、a*、b*表色系クロマティックネス指
数のa*、b*を計算した。
【0046】
【表1】 (表1)に示したように、実施例1〜12の膜構成では
可視光反射率が75%以上で、且つ{(a*2
(b*21/2が10以下となっている。それに対し比
較例1〜5の膜構成では可視光反射率が75%未満、あ
るいは{(a*2+(b*21/2が10より大きくな
っている。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
ガラス基板表面に直接あるいは下地膜を介して屈折率n
1の膜、屈折率n2の膜、屈折率n3の膜、屈折率n4の膜
を形成させたガラス基板において、酸化珪素などの低屈
折率n2の膜を30nm以上60nm以下にすることに
よって、膜表面の可視光反射率が75%以上でかつ反射
色調をa*、b*(クロマティックネス指数)で表したと
きに、{(a*2+(b *21/2の値が0以上10以
下となる光反射体を熱分解を用いて歩留まり良く、さら
に効率よく生産することができ、製造コストを低減する
ことができる。また最表面を耐久性の良い膜で覆うこと
により、保護膜などの特殊な処理が不必要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)、(c)はそれぞれ本発明の光
反射体の例を示す拡大断面図。
【図2】本発明に係る光反射体の製造用フロートガラス
製造ラインでの成膜装置の配置を示す外略図。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…屈折率n1の膜(珪素膜)、3…
屈折率n2の膜(酸化珪素膜)、4…屈折率n3の膜(酸
化錫膜)、5…屈折率n4の膜(酸化チタン膜)、6…
下地膜(酸化錫膜)、7…不透明層、11…ガラス、1
2…溶融窯、13…フロートバス、14…徐冷部、1
5,16,17,18,19…成膜装置。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月24日(2000.5.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末吉 幸雄 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H042 DA06 DA08 DA12 DA15 DA18 DC02 DC03 DC08 DE08 2H048 FA05 FA07 FA09 FA15 FA24 4G059 AA11 AB14 AC05 EA02 EA04 EA05 EA13 EB01 GA02 GA04 GA12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の一方の主表面上に、550
    nmの波長において屈折率n1の膜、前記波長において
    屈折率n2の膜、前記波長において屈折率n3の膜、前記
    波長において屈折率n4の膜を順次形成させてなる光反
    射体であって、前記屈折率n1、n2、n3、n4の関係が
    n1≧n4>n3>n2であり、前記屈折率n2の膜の膜厚
    が30nm以上60nm以下であり、前記屈折率n4の
    膜表面の可視光反射率が75%以上であり、前記屈折率
    n4の膜表面の反射色調をa*、b *(クロマティックネ
    ス指数)で表したときに、{(a*2+(b*21/2
    の値が0以上10以下であることを特徴とする光反射
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光反射体において、前
    記屈折率n2の膜が酸化珪素(SiO2)を主成分とする
    ことを特徴とする光反射体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光反射体において、前
    記屈折率n3の膜が酸化錫(SnO)を主成分とすること
    を特徴とする光反射体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光反射体において、前
    記屈折率n4の膜が酸化チタン(TiO2)を主成分とす
    ることを特徴とする光反射体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光反射体において、前
    記屈折率n1の膜が珪素(Si)を主成分とすることを特
    徴とする光反射体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載の光反射体において、前記屈折率n1の膜と前記ガ
    ラス基板との間に下地膜が形成されることを特徴とする
    光反射体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光反射体において、前
    記下地膜が酸化錫膜であることを特徴とする光反射体。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に
    記載の光反射体において、前記屈折率n1の膜、屈折率
    n3の膜、屈折率n4の膜の膜厚がそれぞれ以下の範囲で
    あることを特徴とする光反射体。 屈折率n1の膜 :15nm以上45nm以下 屈折率n3の膜 :10nm以上80nm以下 屈折率n4の膜 :10nm以上80nm以下
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に
    記載の光反射体において、前記ガラス基板の非膜面側に
    不透明層を形成することを特徴とする光反射体。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9に記載の光反射
    体の製造方法であって、ガラス基板の一方の主表面上
    に、550nmの波長において屈折率n1の膜、前記波
    長において屈折率n2の膜、前記波長において屈折率n3
    の膜及び前記波長において屈折率n4(但し、n1≧n4
    >n3>n2)の膜を順次形成することを特徴とする光反
    射体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の光反射体の製造方
    法において、前記ガラス基板と前記屈折率n1の膜との
    間に下地膜を形成することを特徴とする光反射体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または請求項11に記載の
    光反射体の製造方法において、前記高温のガラス表面に
    熱分解法にて前記下地膜、前記屈折率n1の膜、前記屈
    折率n2の膜、前記屈折率n3の膜、前記屈折率n4の膜
    を順次形成することを特徴とする光反射体の製造方法。
JP11132372A 1999-05-13 1999-05-13 光反射体及びその製造方法 Withdrawn JP2000327373A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11132372A JP2000327373A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 光反射体及びその製造方法
AT00304033T ATE281656T1 (de) 1999-05-13 2000-05-12 Optischer reflektor und sein herstellungsverfahren
EP00304033A EP1054271B1 (en) 1999-05-13 2000-05-12 Optical reflector and manufacturing method thereof
US09/569,786 US6396633B1 (en) 1999-05-13 2000-05-12 Optical reflector and manufacturing method thereof
DE60015429T DE60015429D1 (de) 1999-05-13 2000-05-12 Optischer Reflektor und sein Herstellungsverfahren

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11132372A JP2000327373A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 光反射体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000327373A true JP2000327373A (ja) 2000-11-28

Family

ID=15079840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11132372A Withdrawn JP2000327373A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 光反射体及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6396633B1 (ja)
EP (1) EP1054271B1 (ja)
JP (1) JP2000327373A (ja)
AT (1) ATE281656T1 (ja)
DE (1) DE60015429D1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012042584A (ja) * 2010-08-17 2012-03-01 Seiko Epson Corp 光フィルター、光フィルターモジュール、分光測定器および光機器
JP2013250318A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Nidek Co Ltd 多層膜フィルタ、及び多層膜フィルタの製造方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4424932B2 (ja) * 2003-07-31 2010-03-03 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 微細構造体複製用母型ならびに母型及び可とう性成形型の製造方法
WO2009080741A2 (en) * 2007-12-21 2009-07-02 Agc Flat Glass Europe Sa Solar energy reflector
US20090188710A1 (en) * 2008-01-30 2009-07-30 Cisco Technology, Inc. System and method for forming filled vias and plated through holes
FR2936240B1 (fr) * 2008-09-22 2012-08-03 Saint Gobain Miroir resistant a la corrosion
US8319972B2 (en) * 2010-04-28 2012-11-27 Raytheon Company Passive reflective tracking media compositions and methods for covertly tracking objects
WO2016075435A1 (en) * 2014-11-12 2016-05-19 Pilkington Group Limited Coated glass article, display assembly made therewith and method of making a display assembly
EP3837479A4 (en) * 2018-08-17 2022-05-11 The Research Foundation for the State University of New York RADIANT CONTROLLED SPECTRAL-SELECTIVE ARCHITECTURE FOR A RADIANT CHILLER

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5268217A (en) * 1990-09-27 1993-12-07 Diamonex, Incorporated Abrasion wear resistant coated substrate product
DE69305936T3 (de) 1992-07-11 2004-07-22 Pilkington United Kingdom Ltd., St. Helens Verfahren zur Herstellung von reflektierenden Schichten auf Glas
US5580364A (en) 1992-07-11 1996-12-03 Libbey-Owens-Ford Co. Method of producing a coated glass substrate exhibiting reflected color
FR2730990B1 (fr) * 1995-02-23 1997-04-04 Saint Gobain Vitrage Substrat transparent a revetement anti-reflets

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012042584A (ja) * 2010-08-17 2012-03-01 Seiko Epson Corp 光フィルター、光フィルターモジュール、分光測定器および光機器
JP2013250318A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Nidek Co Ltd 多層膜フィルタ、及び多層膜フィルタの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
ATE281656T1 (de) 2004-11-15
EP1054271A2 (en) 2000-11-22
US6396633B1 (en) 2002-05-28
EP1054271B1 (en) 2004-11-03
EP1054271A3 (en) 2002-08-28
DE60015429D1 (de) 2004-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5395065B2 (ja) 器具用透明物
EP0721112B1 (en) Multilayer antireflective coating with a graded base layer
JP5972359B2 (ja) 連続層の被覆を持つ透明ガラス基板
EP1877350B1 (en) Coated substrate and process for the production of a coated substrate
US6312131B1 (en) Hydrophilic mirror and method of producing the same
JP2000053449A (ja) 防曇鏡およびその製造方法
TW200306287A (en) Reflective, solar control coated glass article
JP2016520031A (ja) 熱的特性を有する積層体を備えた基材
JP4362476B2 (ja) 光触媒機能を有する部材および複層ガラス
JPWO2006062102A1 (ja) 光触媒機能および熱線反射機能を有するガラス部材、ならびに、それを用いた複層ガラス
JP3592596B2 (ja) 親水性鏡及びその製造方法
EA016639B1 (ru) Стеклянное изделие и способ изготовления стеклянного изделия
JP2000327373A (ja) 光反射体及びその製造方法
JP2005119942A (ja) ガラス物品
JP3957824B2 (ja) タッチパネルの基板用低反射ガラス
JP2017206392A (ja) ガラス物品
JP2007022838A (ja) 調光ガラスの製造方法
JP2022543004A (ja) ヘッドアップディスプレイのための熱特性を有するスタックを備えている基材を含む材料
EP1283432B1 (en) Windowpane for head up display
JP6468195B2 (ja) 薄膜形成方法およびコーティングガラス
JPH0873242A (ja) 熱線反射ガラス
JP2001007363A (ja) 太陽電池用透明電極付きガラス
US20030035939A1 (en) Windowpane for head up display and method for manufacturing the same
JPH11302037A (ja) 低反射率、低透過率ガラス
JPH1185396A (ja) タッチパネルの基板用低反射ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060112

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080611