JP2000324906A - 水平制御装置 - Google Patents

水平制御装置

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JP2000324906A
JP2000324906A JP11138901A JP13890199A JP2000324906A JP 2000324906 A JP2000324906 A JP 2000324906A JP 11138901 A JP11138901 A JP 11138901A JP 13890199 A JP13890199 A JP 13890199A JP 2000324906 A JP2000324906 A JP 2000324906A
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JP
Japan
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rolling
machine
angular velocity
sensor
angle
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JP11138901A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Ono
弘喜 小野
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機体と作業機の間に設けられたアクチュエー
タを駆動し、作業機のローリング角を調整して水平制御
を行う際に、機体のローリングによる作業機の行き過ぎ
や応答遅れを防止して、地面に対する追従性を向上させ
る。 【解決手段】 トラクタ10の機体に機体のローリング
角を検出する傾斜センサ41とローリング角速度センサ
43を設け、機体とロータリ作業機12との間に作業機
のローリング角を調整するローリングシリンダ30と、
機体に対する作業機のローリング角を検出するストロー
クセンサ31を設ける。傾斜センサ41の検出値とスト
ロークセンサ31の検出値からロータリ作業機12のロ
ーリング角を演算するとともに、ローリング角速度セン
サ43の検出値に基づいて機体の傾斜方向と傾斜角度を
演算し、ロータリ作業機12のローリング角を修正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水平制御装置に関す
るものであり、特に、農業用トラクタや乗用管理機等の
水平制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】農業用
トラクタや乗用管理機等の農用作業車両では、機体の後
部にリンク機構を介してロータリ等の作業機を連結し、
該機体と作業機の間に機体に対する作業機のローリング
角を変更するアクチュエータを設けるとともに、該機体
に作業機のローリング角を設定する傾き調整ダイヤル等
を設け、作業機のローリング角を自動的に調整する水平
制御装置を備えたものが知られている。
【0003】この水平制御装置には、機体と作業機の間
に作業機のローリング角を検出するセンサを設けるとと
もに、該機体に機体のローリング角を検出する傾斜セン
サを設け、各センサの検出値に基づいて機体のローリン
グ角と作業機のローリング角を演算し、機体の姿勢に拘
らず作業機のローリング角を水平に維持すべく前記アク
チュエータへ駆動信号を出力したり、或いは、機体のロ
ーリング角と作業機のローリング角を平行に維持すべく
前記アクチュエータを駆動するように制御している。
【0004】一般に傾斜センサは、筐体内に常時鉛直方
向に向かう振り子を吊り下げておき、該振り子に対して
機体に取り付けた筐体の左右傾斜の角度変化を検出する
ように構成されており、該振り子自体の慣性力のため、
例えば機体が右下がり方向に傾斜し始めるときは、該振
り子は相対的に左側に取り残される。従って、傾斜当初
は実際に機体が傾斜する方向とは逆方向の検出信号を出
力し、続いて機体の傾斜と同方向の検出信号を出力す
る。また、機体の右下がり方向の傾斜が停止したとき
は、該振り子は慣性力によって右側へ移動し続けるた
め、傾斜角度が増加する検出信号を出力する。
【0005】このように、傾斜センサは機体の傾斜開始
直後は逆方向の検出信号を出力し、また、検出信号の出
力に時間遅れが生じることで、機体の傾斜を迅速に検出
するという応答性が良好ではない。従って、該傾斜セン
サの検出値に基づいて作業機のローリング角を調整する
場合に、機体にローリングが発生したときは、前記アク
チュエータへの駆動信号の出力に遅れや行き過ぎがあっ
て、作業機の地面に対する追従性が悪化する。
【0006】そこで、機体と作業機の間に設けられたア
クチュエータを駆動し、作業機のローリング角を調整し
て水平制御を行う際に、機体のローリングによる作業機
の行き過ぎや応答遅れを防止して、地面に対する追従性
を向上させるために解決すべき技術的課題が生じてくる
のであり、本発明はこの課題を解決することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、機体の後部にリンク
機構を介して作業機を連結し、該機体と作業機の間に機
体に対する作業機のローリング角を変更するアクチュエ
ータと該機体に対する作業機のローリング角を検出する
手段とを設け、更に、該機体に機体のローリング角を検
出する傾斜センサと作業機のローリング角を設定する傾
き設定手段とを備えた水平制御装置に於いて、該機体に
機体がローリングするときの角速度の検出手段を設け、
該ローリング角速度の検出値と前記傾斜センサの検出値
とに基づき、前記傾き設定手段の設定値に応じて作業機
のローリング角を調整するように構成した水平制御装
置、及び、前記ローリング角速度検出手段により所定値
以上の機体のローリング角速度が検出されたときは、該
ローリング角速度の検出値に基づいて作業機のローリン
グ角を調整し、該ローリング角速度が検出されないとき
は、前記傾斜センサの検出値に基づいて作業機のローリ
ング角を調整するように構成した水平制御装置、並び
に、前記ローリング角速度検出手段により機体のローリ
ング角速度が検出されないときは、該ローリング角速度
の検出値に基づく作業機ローリング角の調整出力よりも
遅延して、前記傾斜センサの検出値に基づき作業機のロ
ーリング角を調整するように構成した水平制御装置を提
供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に従って詳述する。図1及び図2は作業車両の一例と
して小型のトラクタ10を示し、機体の後部にリンク機
構11を介してロータリ作業機12が連結されている。
運転席13の近傍には作業機の昇降位置設定手段である
ポジションレバー15、作業機の耕深量設定手段である
耕深調整ダイヤル16、作業機のローリング角を設定す
る傾き設定手段である傾き調整ダイヤル17等が設けら
れている。また、ミッションケース18の上面部には後
車軸19の近傍上方位置の略中央部に、機体のローリン
グ角を検出する手段である傾斜センサ41と、機体がピ
ッチングするときの角速度を検出する手段であるピッチ
ング角速度センサ42と、機体がローリングするときの
角速度を検出する手段であるローリング角速度センサ4
3がケース44内に一体的に収納されている。
【0009】前記リンク機構11はトップリンク20と
左右のロワリンク21,21とからなり、左右のリフト
アーム22,22の先端とロワリンク21,21をリフ
トロッド23,23にて連結し、リフトシリンダ24の
駆動にてリフトアーム22を回動することにより、リフ
トロッド23,23を介してロワリンク21,21が上
下動する。斯くして、ロワリンク21,21の先端部を
回動中心に前記ロータリ作業機12が昇降する。
【0010】リフトアーム22の回動基部には、作業機
の昇降位置を検出する手段としてリフトアーム角センサ
25が設けられ、このリフトアーム角センサ25にてリ
フトアーム22の回動角を検出し、コントローラ50に
てロータリ作業機12の昇降高さを演算する。また、ロ
ータリ作業機12のメインカバー26の後端部にリヤカ
バー27を上下回動自在に取り付け、リヤカバーセンサ
28により前記リヤカバー27の回動角を検出して、コ
ントローラ50にてロータリ作業機12の耕深量を演算
する。
【0011】一方、機体に対するロータリ作業機12の
ローリング角を変更するためのアクチュエータとして、
左右どちらかのリフトロッド23の途中にローリングシ
リンダ30を設け、該ローリングシリンダ30を伸縮さ
せてロワリンク21のリフト量を左右で変えることによ
り、機体に対するロータリ作業機12の左右方向への傾
きを変更できるように形成してある。
【0012】そして、機体に対するロータリ作業機12
のローリング角を検出する手段として、前記ローリング
シリンダ30に隣接してストロークセンサ31を設け、
該ストロークセンサ31によリローリングシリンダ30
の伸縮長さを検出し、機体に対するロータリ作業機12
のローリング角をコントローラ50にて演算するととも
に、前記傾き調整ダイヤル17の設定値に応じてローリ
ングシリンダ30を駆動し、ロータリ作業機12の水平
制御を行えるようにしてある。
【0013】ここで運転席13の前方には機体の操舵操
作部であるステアリングハンドル32が設けられ、該ス
テアリングハンドル32の近傍位置に前後進切換えレバ
ー33を設けてあり、該前後進切換えレバー33を操作
することにより、後輪34へ伝達する駆動力を逆転させ
て、機体の進行方向を選択できるようにしてある。ま
た、運転席13の前下方部に変速レバー35を設置する
とともに、左右独立して踏み込み可能な左右ブレーキペ
ダル36,36が設けられている。前記、ステアリング
ハンドル32の回転操作は操舵装置37へ伝達され、操
舵量に応じて前輪38が回向する。前輪38の操舵量は
前輪切れ角センサ39によって検出される。
【0014】図3は制御系のブロック図であり、耕深調
整ダイヤル16によってロータリ作業機12の耕深目標
値を設定し、リフトアーム角センサ25の検出信号にて
ロータリ作業機12の昇降位置を演算するとともに、リ
ヤカバーセンサ28にてリヤカバー27の回動角を検出
してロータリ作業機の耕深量を演算する。そして、リヤ
カバー27の回動角を前記耕深調整ダイヤル16にて設
定された耕深目標値に応じた所定角に維持すべく、リフ
トシリンダ24を駆動する電磁制御弁の上昇ソレノイド
または下降ソレノイドへコントローラ50から制御信号
を出力する。従って、リフトアーム22が上下回動して
ロータリ作業機12が昇降し、リヤカバー27が回動し
てリヤカバーセンサ28の検出値が耕深目標値と一致す
るように制御される。
【0015】一方、傾き調整ダイヤル17によってオペ
レータがロータリ作業機12のローリング角を任意に設
定できる。地面に対する機体のローリング角は傾斜セン
サ41にて検出し、機体に対するロータリ作業機12の
ローリング角はストロークセンサ31にて検出する。従
って、双方のセンサの検出値からロータリ作業機12の
地面に対するローリング角を演算することができ、前記
傾き調整ダイヤル17にて設定された作業機のローリン
グ角を維持すべく、ローリングシリンダ30を駆動する
電磁制御弁の右上げソレノイドまたは右下げソレノイド
へコントローラ50から制御信号を出力する。従って、
ローリングシリンダ30が伸縮してロータリ作業機12
のローリング角が変更され、ストロークセンサ31の検
出値が水平制御の目標値と一致するように制御される。
【0016】尚、ピッチング角速度センサ42及びロー
リング角速度センサ43は夫々振動ジャイロ方式のもの
を使用しており、構造が簡単で精密且つ安価である。し
かし、振動ジャイロ方式以外の他の方式のセンサであっ
てもよい。之等傾斜センサ41とピッチング角速度セン
サ42とローリング角速度センサ43は、後車軸19の
近傍上方位置の略中央部に設けられており、前輪38側
に設置する場合と比較して機体の重心に近くなり、上下
方向の振動が少なく外乱を受けにくくなって測定精度が
向上する。また、前記3つのセンサがすべてケース44
内に一体的に収納されているので、設置スペースがコン
パクトになり、電源回路を共用できる等、設置作業も簡
単となる。
【0017】更に、水平切換スイッチ45により、水平
モードと機体平行モードと角度設定モードとを選択可能
にしてあり、機体と作業機の相対的な傾き及び地面に対
する傾きを検出しながら、該水平切換スイッチ45でセ
ットしたモードに応じて水平制御の目標値を定め、前記
ローリングシリンダ30を駆動してロータリ作業機12
の傾きを調整する。
【0018】例えば、水平切換スイッチ45が水平モー
ドにセットされているときは、傾斜センサ41の検出値
とストロークセンサ31の検出値からロータリ作業機1
2の地面に対する傾きを算出し、この傾きをゼロにする
ように水平制御の目標値を定める。そして、ストローク
センサ31の計測値がこの目標値に一致するように、ロ
ーリングシリンダ30を駆動する電磁制御弁の右上げソ
レノイドまたは右下げソレノイドへコントローラ50か
ら制御信号を出力する。従って、機体の姿勢に拘らずロ
ータリ作業機12の左右方向の傾きが水平となるように
制御される。
【0019】一方、水平切換スイッチ45が機体平行モ
ードにセットされているときは、左右のロワリンク21
のリフト量を等しくするように水平制御の目標値を定め
る。そして、ストロークセンサ31の計測値がこの目標
値に一致するようにローリングシリンダ30を駆動すべ
く、コントローラ50から前記右上げソレノイドまたは
右下げソレノイドへ制御信号を出力する。従って、ロー
タリ作業機12の左右方向の傾きが機体の傾きと平行に
なるように制御される。
【0020】また、水平切換スイッチ45が角度設定モ
ードにセットされているときは、オペレータが任意に設
定した傾き調整ダイヤル17の設定値に応じて水平制御
の目標値を定め、ストロークセンサ31の計測値がこの
目標値に一致するようにローリングシリンダ30を駆動
すべく、コントローラ50から前記右上げソレノイドま
たは右下げソレノイドへ制御信号を出力する。従って、
ロータリ作業機12が設定した任意の傾きとなるように
制御される。
【0021】
【表1】 次に、機体のローリングに対する前記傾斜センサ41の
検出信号の変化とローリング角速度センサ43の検出信
号の変化について、表1に従って説明する。例えば、水
平切換スイッチ45が水平モードにセットされていると
きに、機体が水平状態から右下がり方向へローリングし
た場合は、機体の傾斜開始直後は傾斜センサ41の振り
子の慣性力で、傾斜センサ41が「機体は左下がり」で
あると実際とは逆方向の検出信号を出力し、該傾斜セン
サ41の検出値とストロークセンサ31の検出値から求
められるロータリ作業機12のローリング角が、表1の
a欄に示すように、「左下がり」であると誤認するが、
ローリング角速度センサ43は「右傾斜方向の角速度あ
り」と検出する。然るときは、ロータリ作業機12のロ
ーリング角の演算結果に誤りがあると判断して、ローリ
ングシリンダ駆動用の電磁制御弁へローリング角調整信
号を出力しない。
【0022】機体の傾斜開始からやや遅れて傾斜センサ
41の振り子が鉛直状態に戻れば、b欄に示すように、
ロータリ作業機12は「水平」であるとの演算結果を出
力するとともに、ローリング角速度センサ43は「右傾
斜方向の角速度あり」の検出信号を出力する。然るとき
は、機体に対するロータリ作業機12の右下がりを修正
すべく、前記ローリングシリンダ駆動用の電磁制御弁の
右上げソレノイドへ調整信号を出力する。更に、機体が
傾斜し続けたときは傾斜センサ41の振り子が右側へ移
動し、c欄に示すように、ロータリ作業機12は「右下
がり」であるとの演算結果を出力するとともに、ローリ
ング角速度センサ43は「右傾斜方向の角速度あり」の
検出信号を出力し続ける。然るときは、機体に対するロ
ータリ作業機12の右下がりを修正すべく、前記ローリ
ングシリンダ駆動用の電磁制御弁の右上げソレノイドへ
調整信号を出力するが、機体の傾斜が進んでいるため、
b欄よりも右上げソレノイドへの調整信号を大きくし
て、速やかにロータリ作業機12を水平状態に戻す。
【0023】一方、機体が水平状態から左下がり方向へ
ローリングした場合は、機体の傾斜開始直後は傾斜セン
サ41の振り子の慣性力で、傾斜センサ41が「機体は
右下がり」であると実際とは逆方向の検出信号を出力
し、該傾斜センサ41の検出値とストロークセンサ31
の検出値から求められるロータリ作業機12のローリン
グ角が、表1のd欄に示すように、「右下がり」である
と誤認するが、ローリング角速度センサ43は「左傾斜
方向の角速度あり」と検出する。然るときは、ロータリ
作業機12のローリング角の演算結果に誤りがあると判
断して、ローリングシリンダ駆動用の電磁制御弁へロー
リング角調整信号を出力しない。
【0024】機体の傾斜開始からやや遅れて傾斜センサ
41の振り子が鉛直状態に戻れば、e欄に示すように、
ロータリ作業機12は「水平」であるとの演算結果を出
力するとともに、ローリング角速度センサ43は「左傾
斜方向の角速度あり」の検出信号を出力する。然るとき
は、機体に対するロータリ作業機12の左下がりを修正
すべく、前記ローリングシリンダ駆動用の電磁制御弁の
右下げソレノイドへ調整信号を出力する。更に、機体が
傾斜し続けたときは傾斜センサ41の振り子が左側へ移
動し、f欄に示すように、ロータリ作業機12は「左下
がり」であるとの演算結果を出力するとともに、ローリ
ング角速度センサ43は「左傾斜方向の角速度あり」の
検出信号を出力し続ける。然るときは、機体に対するロ
ータリ作業機12の左下がりを修正すべく、前記ローリ
ングシリンダ駆動用の電磁制御弁の右下げソレノイドへ
調整信号を出力するが、機体の傾斜が進んでいるため、
e欄よりも右下げソレノイドへの調整信号を大きくし
て、速やかにロータリ作業機12を水平状態に戻す。
【0025】また、傾斜センサ41の検出値とストロー
クセンサ31の検出値から求められるロータリ作業機1
2のローリング角が、g欄に示すように、「水平」であ
ると演算され、且つ、ローリング角速度センサ43が
「角速度なし」と検出したときは、ロータリ作業機12
のローリング角が0であると判断して、ローリングシリ
ンダ駆動用の電磁制御弁へローリング角調整信号を出力
しない。尚、a欄及びd欄ではローリングシリンダ駆動
用の電磁制御弁へローリング角調整信号を全く出力しな
いと説明したが、極めて緩慢に上下動させるように調整
信号を出力してもよい。
【0026】斯くして、傾斜センサ41の検出値とロー
リング角速度センサ43の検出値とに基づいてロータリ
作業機12のローリング角を演算するので、正確且つ速
やかにローリング角調整信号を出力することができ、水
平制御の応答性が向上する。
【0027】ここで、図4のフローチャートに示すよう
に、水平制御が開始されると、先ず各種センサやスイッ
チ及びダイヤル等の状態をコントローラ50へ読み込み
(Step100)、続いて、角速度センサ基準値設定ルーチ
ン(Step110)及び傾斜センサ基準値設定ルーチン(Ste
p120)を実行する。
【0028】前記ローリング角速度センサ43のような
振動ジャイロ方式の角速度センサは、温度変化により基
準電圧がドリフトし易いので、環境条件により角速度な
しとみなす電圧即ち基準値が変動することがある。角速
度センサに対して温度保証を行う方法もあるが、別途温
度センサを組み合わせる必要があるためコスト高とな
る。そこで、角速度センサの検出値を規定時間おきにサ
ンプリングし、この検出値の変化量が規定値以内のデー
タを移動平均して基準値とする。
【0029】図5に示すように、規定時間が経過したと
きに(Step111)、角速度センサの検出値が規定値以内
にあるときは(Step112)、今回の計測した検出値を今
回データとする(Step113)。これに対して、規定時間
が経過したときに角速度センサの検出値が規定値から外
れたときは、今回計測した検出値は使用せず前回に追加
したデータを今回データとする(Step114)。そして、
角速度センサの一番古いデータをクリアして、今回デー
タを加えた機体の傾きの移動平均値を再計算し(Step11
5)、この計算結果を角速度変化なしの基準値として記
憶する(Step116)。また、傾斜センサ41の基準値設
定は、図6に示すように、機体のローリング角速度が0
のときに(Step121)、現在の傾斜センサ値で移動平均
処理を行って平均値:sp1を記憶する(Step122)。そし
て、前記水平切換スイッチ45が水平モードであるか否
かを判別し(Step123)、前述した水平モードにセット
されているときは、傾斜センサ41の水平基準値をSP
=sp1 とする。これに対して、前記水平切換スイッチ4
5が水平モード以外(例えば機体平行モード等)にセッ
トされているときは、傾斜センサ41の水平基準値をS
P=sp0 とする。
【0030】而して、角速度センサ基準値設定ルーチン
(Step110)及び傾斜センサ基準値設定ルーチン(Step1
20)が終了した後は、図4に示すように、前記傾斜セン
サ41の検出値と、傾き調整ダイヤル17の設定値と、
現在の傾斜センサの水平基準値SPによるストロークセ
ンサ31の目標値と、現在のストロークセンサ31の検
出値とから、現在のロータリ作業機12の地面に対する
ローリング角を演算する(Step130)し、前記水平切換
スイッチ45が水平モードであるか否かを判別する(St
ep140)。
【0031】いま、水平モードにセットされてない場合
は、前記ローリング角速度センサ43の検出値と演算さ
れたロータリ作業機の対地ローリング角から、ロータリ
作業機12が機体と平行或いは設定された所定角度とな
るようにローリングシリンダ30を駆動する電磁制御弁
へ調整信号を出力する(Step150)。従って、傾斜地で
は稜線に沿った傾斜地面に平行の制御が可能となる。
【0032】これに対して、水平モードにセットされて
いるときは、前記ローリング角速度センサ43の検出値
と演算されたロータリ作業機の対地ローリング角から、
ロータリ作業機12が常に地面に対して水平となるよう
にローリングシリンダ30を駆動する電磁制御弁へ調整
信号を出力するが、ローリング角速度が検出されないと
きは傾斜センサ41の検出値があったとしても、ローリ
ングシリンダの電磁制御弁に対して調整信号を出力しな
い(Step160)。
【0033】これは、例えば代掻き作業では通常の耕耘
作業と異なってロータリ作業機12を下げたまま旋回す
るが、このとき機体に横方向のGが作用するため、機体
が水平であっても傾斜センサ41が傾斜ありとの検出信
号を出力することがある。斯かる場合、機体は水平状態
を保持しているのでローリング角速度センサ43は角速
度変化なしの検出信号を出力する。このことから、Step
160 に於いては、ローリング角速度が検出されないとき
は、傾斜センサ値を0とみなしてローリング角の調整出
力を行わないようにする。
【0034】ここで、図7の実線で示すように、ロータ
リ作業機12がt1の時点からtmの時点までの間に傾斜
動作があったときに、前記傾斜センサ41とストローク
センサ31から演算されるロータリ作業機12のローリ
ング角は、点線で示すように、傾斜開始直後(t1から
2の時点)は逆方向の検出信号を出力する。そして、
実際の傾斜動作がtmの時点で停止した後、tm2の時点
でローリング角の演算結果が一定角度に収束する。この
ように、傾斜開始直後は傾斜センサ41が逆方向の検出
信号を出力するため、傾斜センサ41ではロータリ作業
機12の正しいローリング角を演算することができな
い。
【0035】一方、同図の鎖線で示すように、傾斜動作
が開始された時点t1からローリング角速度センサ43
は直ちに機体のローリング角速度を検出し、傾斜動作が
停止した時点tmで検出信号がなくなる。従って、ロー
リング角速度信号を検出したときは機体が傾斜動作して
いると判断し、傾斜センサ41の検出値よりもローリン
グ角速度センサ43の検出値を優先し、該ローリング角
速度センサ43の検出値に基づいてロータリ作業機12
のローリング角を調整し、ローリング角速度信号が検出
されないときは、傾斜センサ41の検出値に基づいてロ
ータリ作業機12のローリング角を調整するように制御
すれば、極めて迅速且つ正確に水平制御を行うことがで
きる。
【0036】尚、ローリング角速度43にて検出された
機体のローリング角速度をω、検出時間をTとすれば、
機体のローリング角θは次式で表される。
【0037】θ=ω×T上式によって求められた機体の
ローリング角θとストロークセンサ31の検出値から、
ロータリ作業機12のローリング角を演算し、傾き調整
ダイヤル17の設定値に応じてローリングシリンダ用の
電磁制御弁へ調整信号を出力する。尚、ローリング角速
度が所定時間以上発生していない場合は、演算誤差をな
くす意味から、ローリング角速度の検出値に基づく調整
は行わず、傾斜センサ41の検出値に基づいて調整する
ものとする。
【0038】そして、機体の傾斜動作が停止してローリ
ング角速度が検出されなくなったとき、或いは、はじめ
からローリング角速度が検出されないときは、傾斜セン
サ41の検出値とストロークセンサ31の検出値からロ
ータリ作業機12のローリング角を演算し、傾き調整ダ
イヤル17の設定値に応じてローリングシリンダ用の電
磁制御弁へ調整信号を出力する。然るときは、ローリン
グ角速度センサの検出値に基づく調整信号よりも、傾斜
センサ41の検出値に基づく調整信号を遅延して出力す
る。これは、ローリング角速度に基づいてロータリ作業
機12の傾きがほとんど修正された後に、傾斜センサ4
1に基づいてローリング角を修正するので、あまり大き
な修正を行うと作業機が行き過ぎる虞があるためであ
る。例えば、傾斜センサ41の検出値に基づく調整信号
には出力ディレーを持たせて遅延させたり、電磁制御弁
の開口調整或いはパルス作動によってローリングシリン
ダ30の動作速度を遅くする等、種々の遅延方法が考え
られる。
【0039】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない
限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該
改変されたものに及ぶことは当然である。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したよ
うに、請求項1記載の発明は機体の傾斜センサの検出値
と機体のローリング角速度の検出値とに基づいて作業機
のローリング角を調整するように制御するため、機体が
ローリングしたときに作業機の行き過ぎや応答遅れを防
止でき、作業機の地面に対する追従性を向上できる。
【0041】請求項2記載の発明は、ローリング角速度
が検出されたときは、傾斜センサの検出値よりもローリ
ング角速度の検出値を優先し、該ローリング角速度の検
出値に基づいて作業機のローリング角を調整するように
制御するため、作業機の傾き調整に応答遅れをなくすこ
とができる。
【0042】請求項3記載の発明は、ローリング角速度
が検出されないときは、傾斜センサの検出値に基づくロ
ーリング角調整を遅延して出力するため、作業機のロー
リング角が行き過ぎて修正しすぎることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】トラクタの機体とロータリ作業機の側面図。
【図2】リヤカバーセンサ等の図示を省略した図1の背
面図。
【図3】制御系のブロック図。
【図4】水平制御装置の制御手順を示すフローチャー
ト。
【図5】角速度センサ基準値設定ルーチンを示すフロー
チャート。
【図6】傾斜センサ基準値設定ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図7】作業機の傾斜動作と傾斜センサ及びローリング
角速度センサの検出信号とを比較して表したグラフ。
【符号の説明】 10 トラクタ 12 ロータリ作業機 17 傾き調整ダイヤル 30 ローリングシリンダ 31 ストロークセンサ 43 ローリング角速度センサ 50 コントローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体の後部にリンク機構を介して作業機
    を連結し、該機体と作業機の間に機体に対する作業機の
    ローリング角を変更するアクチュエータと該機体に対す
    る作業機のローリング角を検出する手段とを設け、更
    に、該機体に機体のローリング角を検出する傾斜センサ
    と作業機のローリング角を設定する傾き設定手段とを備
    えた水平制御装置に於いて、該機体に機体がローリング
    するときの角速度の検出手段を設け、該ローリング角速
    度の検出値と前記傾斜センサの検出値とに基づき、前記
    傾き設定手段の設定値に応じて作業機のローリング角を
    調整するように構成したことを特徴とする水平制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ローリング角速度検出手段により所
    定値以上の機体のローリング角速度が検出されたとき
    は、該ローリング角速度の検出値に基づいて作業機のロ
    ーリング角を調整し、該ローリング角速度が検出されな
    いときは、前記傾斜センサの検出値に基づいて作業機の
    ローリング角を調整するように構成した請求項1記載の
    水平制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ローリング角速度検出手段により機
    体のローリング角速度が検出されないときは、該ローリ
    ング角速度の検出値に基づく作業機ローリング角の調整
    出力よりも遅延して、前記傾斜センサの検出値に基づき
    作業機のローリング角を調整するように構成した請求項
    1または2記載の水平制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012070657A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Iseki & Co Ltd トラクタ作業機の制御装置
CN103959944A (zh) * 2013-04-19 2014-08-06 常州华达科捷光电仪器有限公司 一种用于激光平地机的激光接收器
CN113110616A (zh) * 2021-04-30 2021-07-13 上海三一重机股份有限公司 作业机械的座椅调节方法、装置及作业机械

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