JP2000324717A - 個別電源のｎ重化回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源の電力容量を共通電源より少なく、Ｎ重
化した冗長構成をとることで、他電源パッケージから電
力が供給されて、正常に動作し、電源断時に直ちに電源
パッケージを交換しなくても良くすることを課題とす
る。 【解決手段】 個別電源をそれぞれ個別負荷に供給する
個別電源のＮ重化回路において、前記個別電源の電源供
給回路と、前記電源供給回路の供給電圧を監視する電源
電圧監視回路と、前記電源電圧監視回路の出力により他
の電源供給回路を選択するスイッチング回路と、前記電
源供給回路により電源を供給され且つ前記選択された場
合に前記スイッチング回路からの電源供給を受ける前記
個別負荷とをそれぞれＮ（Ｎは２以上の整数）組備えた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、個別電源をＮ重化
構成にし電源停止時に電力供給の安定性を保障する個別
電源のＮ重化回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電源停止時に電力供給の安定性を
保障するために、共通電源により各負荷パッケージに電
力を供給する方法と、負荷パッケージ毎に個別電源を搭
載する２つの方法がある。

【０００３】この共通電源により１つの負荷パッケージ
に電力を供給する従来例として、特開昭６２−１８９７
７号公報に記載されている。同公報には、インバータの
冗長方式に関し、負荷母線との間を開閉できる２台のイ
ンバータと、前記負荷母線との間を開閉できるＡＣ電源
と、前記インバータの内負荷に給電中のインバータは前
記ＡＣ電源に同期制御し、待機中のインバータは前記負
荷母線の電圧に同期制御する同期制御手段と、前記負荷
に給電中のインバータが故障した場合に前記待機中のイ
ンバータを負荷母線に接続し前記待機中のインバータが
待機状態にないときに前記ＡＣ電源を前記負荷母線に接
続し、２台のインバータによる３重化電源システムを可
能とすることを開示している。

【０００４】また、特開昭６２−２３９８６３号公報に
は、電源多重化冗長方式において、複数系統の交流入力
ラインに対応するスイッチングレギューレータの並列冗
長運転方式に対して、負荷に接続された共通電圧母線に
スイッチングレギュレータの出力を連結し、共通電圧母
線の電圧に異常が有れば、正常なスイッチングレギュレ
ータを正常な交流入力ラインに接続されたスイッチング
レギュレータに切り換え、従来備えていたスイッチング
レギュレータの出力の逆流素子ダイオードを削減するこ
とを記載している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように、共通電源
の場合は、装置に実装する負荷パッケージの数量に関係
なく全負荷パッケージに電力を供給することが必要にな
り、負荷パッケージの実装数が少ないと、電力を供給し
なくて済む冗長分が生じて経済的でない。

【０００６】また、個別電源の場合は、冗長構成をとろ
うとすると、負荷パッケージに対して、電源パッケージ
の数量が２倍になってしまう。また、冗長構成をとって
いないと、個別電源が停止すると電源パッケージ自体を
交換するまで、給電が復旧しない。

【０００７】これを防止するため、本発明では、電源の
電力容量を共通電源より少なく、Ｎ重化した冗長構成を
とることで、他電源パッケージから電力が供給されて、
正常に動作し、電源断時に直ちに電源パッケージを交換
しなくても良くすることを課題とする。また、本発明
は、個別電源を容易な冗長構成にしＮ重化することによ
って電源パッケージの電源断時に安定した電力供給を行
うことを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、個別電源をそ
れぞれ個別負荷に供給する個別電源のＮ重化回路におい
て、前記個別電源の電源供給回路と、前記電源供給回路
の供給電圧を監視する電源電圧監視回路と、前記電源電
圧監視回路の出力により他の電源供給回路を選択するス
イッチング回路と、前記電源供給回路により電源を供給
され且つ前記選択された場合に前記スイッチング回路か
らの電源供給を受ける前記個別負荷とをそれぞれＮ（Ｎ
は２以上の整数）組備えたことを特徴とする。

【０００９】また、上記個別電源のＮ重化回路におい
て、前記スイッチング回路は、前記個別電源の電源供給
回路が前記個別負荷に電源供給をできなくなったとき、
前記電源電圧監視回路の出力により前記他の電源供給回
路のうち２以上の出力を前記個別負荷に接続することを
特徴とする。

【００１０】また、上記個別電源のＮ重化回路におい
て、前記スイッチング回路は、前記電源電圧監視回路の
出力によりコイルに電流を流し、電流の流れに応じて前
記他の電源供給回路から前記個別負荷に電源を供給する
ことを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明による実施形態の個別電源
のＮ重化回路について、図面を参照しつつ詳細に説明す
る。

【００１２】［第１の実施形態］ （１）構成の説明 図１が本発明の構成例である。図において、０，１〜Ｎ
は電源供給回路と負荷とを含むパッケージ、０Ａ，１Ａ
〜ＮＡはそれぞれ負荷０Ｄ，１Ｄ〜ＮＤに電力を供給す
るための電源供給回路、０Ｂ，１Ｂ〜ＮＢは電源供給回
路０Ａ，１Ａ〜ＮＡの電源電圧を監視する電源電圧監視
回路、各０Ｃ，１Ｃ〜ＮＣはリレー、０Ｄ，１Ｄ〜ＮＤ
は他の電源供給回路からの電源供給をも受け入れて正常
動作を行う供給電圧を同一乃至誤差の範囲内とする負荷
を表す。

【００１３】また、リレー０Ｃ，１Ｃ〜ＮＣ内のコイル
０Ｃ−ａ，１Ｃ−ａ〜ＮＣ−ａは電源電圧監視回路０
Ｂ，１Ｂ〜ＮＢから出力される電流によって接点０Ｃ−
ｂ，１Ｃ−ｂ〜ＮＣ−ｂの接続，開放を行う。

【００１４】ここで、電源供給回路０Ａ，１Ａ〜ＮＡは
交流ＡＣ電源を供給源としてＡＣ／ＤＣ変換の整流回路
と安定化回路により一定の直流電圧・電流を供給する回
路であり、又は負荷が一定のＡＣ電源を電源とするなら
ば、負荷のＡＣ電源に降圧又は昇圧用のトランスを設け
た供給回路であってもよい。ただし、各負荷０Ｄ，１Ｄ
〜ＮＤはそれぞれ同一の直流電圧か又は同一の交流電圧
で正常動作を行うものとする。または、電源供給回路０
Ａ，１Ａ〜ＮＡは異常時における負荷の増加に対応する
供給電力を可能とする供給能力を備えているものとす
る。

【００１５】また、電源電圧監視回路０Ｂ，１Ｂ〜ＮＢ
は電源供給回路０Ａ，１Ａ〜ＮＡの供給電圧を検出する
検出回路と、正常時にリレー０Ｃ，１Ｃ〜ＮＣにハイレ
ベルを供給し、異常時にロウレベルを供給するスイッチ
回路とを備えており、検出回路は、電源供給回路０Ａ，
１Ａ〜ＮＡの供給電圧が直流電圧の場合には所定の基準
電圧と比較して、基準電圧に対して高い場合と低い場合
とでスイッチ回路の動作を制御し、また交流電圧の場合
には整流回路を介して基準電圧と比較することでスイッ
チ回路を駆動する。

【００１６】また、リレー０Ｃ，１Ｃ〜ＮＣの接点０Ｃ
−ｂ，１Ｃ−ｂ〜ＮＣ−ｂは［パッケージの数−１］の
数の接点数を有し、入力には他の電源供給回路の出力が
接続され、その接点の出力には負荷の電源回路が接続さ
れる。また、リレー０Ｃ，１Ｃ〜ＮＣは図１ではメカニ
カルなリレーを示しているが、接点にＭＯＳＦＥＴを用
いて電源電圧監視回路０Ｂ，１Ｂ〜ＮＢの出力をゲート
に供給する電子的なスイッチング回路であってもよい。

【００１７】また、負荷０Ｄ，１Ｄ〜ＮＤはそれぞれ同
一電源電圧で同一電源電流の場合が好ましいが、同一電
源電圧で異なる電源電流の場合であっても他の電源供給
回路から元の負荷に供給する供給電力以上の冗長的な電
力供給を可能とするならば本実施形態に用いることがで
きる。さらに、負荷０Ｄ，１Ｄ〜ＮＤがそれぞれ異なる
電源電圧で異なる電源電流で動作する場合であっても、
電源電圧監視回路の出力に応じて負荷内にスイッチ回路
を設けて負荷内部の低電圧化又は高電圧化回路を動作さ
せる手段を構じておけば本実施形態に用いることができ
る。

【００１８】また、上記パッケージは、例えば公衆電話
交換局等で同一機能の負荷を相当数のユニットとして収
納する場合に、根源のＡＣ電源は共通接続するとして
も、それぞれに電源を含むと共に、その個別の電源と個
別の負荷と他の電源からの補充用リレーと電源電圧監視
回路とで、１つのパッケージを構成するものである。

【００１９】（２）動作の説明 次に、本実施形態の個別電源のＮ重化回路の動作につい
て説明する。パッケージ０，１〜Ｎにおいて、それぞれ
の電源供給回路０Ａ，１Ａ〜ＮＡが正常時には電源電圧
監視回路０Ｂ，１Ｂ〜ＮＢからハイレベルの信号が送出
され、コイル０Ｃ−ａ，１Ｃ−ａ〜ＮＣ−ａに電流が流
れる。この時、接点０Ｃ−ｂ，１Ｃ−ｂ〜ＮＣ−ｂは開
放状態になり、自己の電源供給回路０Ａ，１Ａ〜ＮＡか
ら電力がそれぞれ負荷０Ｄ，１Ｄ〜ＮＤに供給される。

【００２０】また、電源供給回路０Ａ，１Ａ〜ＮＡが異
常時には、電源電圧監視回路０Ｂ，１Ｂ〜ＮＢからロウ
レベルの信号が送出され、コイル０Ｃ−ａ，１Ｃ−ａ〜
ＮＣ−ａには電流が流れなくなる。この時、接点０Ｃ−
ｂ，１Ｃ−ｂ〜ＮＣ−ｂは接続状態になり、自己以外の
他の二つのパッケージに搭載される電源供給回路０Ａ，
１Ａ〜ＮＡから電力が負荷０Ｄ，１Ｄ〜ＮＤに供給さ
れ、電源断時における安定した電力が供給される。ただ
し、この場合、他の少なくとも２つの電源供給回路０
Ａ，１Ａ〜ＮＡの供給電力は自らの電源供給回路の供給
電力相当の供給能力を有しているものとする。

【００２１】このように、電源供給回路ＯＡ，１Ａ〜Ｎ
ＡをＮ重化することによって、異常時に他の電源供給回
路からの給電を行ない、自己の電源供給回路が動作しな
くても安定した電力の供給を可能にする。

【００２２】［第２の実施形態］本実施形態の個別電源
のＮ重化回路における３重化の場合についての実施形態
を図２に示す。図において、０，１，２は電源供給回路
と負荷とを含むパッケージを表している。また。０Ａは
パッケージ０に搭載される電源供給回路である。また、
０Ｂは電源電圧が正常時にはハイレベルの信号を送出
し、電源電圧が停止や瞬断等の異常時にはロウレベルの
信号を送出する電源電圧監視回路である。リレー０Ｃは
電源電圧監視回路０Ｂから送出されるハイレベル、また
はロウレベルの信号により接点０Ｃ−ｂの接続、開放を
行なう。リレー０Ｃはコイル０Ｃ−ａに電流が流れると
接点０Ｃ−ｂが開放状態になり、コイル０Ｃ−ａに電流
が流れないと接点０Ｃ−ｂは接続状態になる。負荷０Ｄ
には電源供給回路０Ａから電力が供給されるものとす
る。

【００２３】なお、図２において、図１に示す符号と同
一符号には同一機能を有し、各回路０Ａ，０Ｂ，０Ｃ，
０Ｄは同様な回路構成からなされ、重複する説明を省略
する。

【００２４】ここで、電源供給回路０Ａが正常な場合に
は、電源電圧監視回路０Ｂは電源供給回路０Ａの供給電
圧が一定レベル以上であることを検出し、リレー０Ｃに
は電源電圧監視回路０Ｂからハイレベルが供給されて、
コイル０Ｃ−ａに電流を流し、接点０Ｃ−ｂは開放にな
っており、電源供給回路０Ａから負荷０Ｄに正常電源及
び電流が供給される。

【００２５】つぎに、電源供給回路０Ａに異常が発生し
た時、電源電圧監視回路０Ｂからロウレベルの信号がリ
レー０Ｃに送出され、リレー０Ｃの接点０Ｃ−ｂが接続
される。負荷０Ｄにはパッケージ１の電源供給回路１Ａ
とパッケージ２の電源供給回路２Ａから電力が供給され
る。

【００２６】この場合、電源供給回路０Ａからの供給電
力と同一な電力供給をパッケージ１の電源供給回路１Ａ
とパッケージ２の電源供給回路２Ａとによりなされ、負
荷０Ｄ内には各電源供給回路０Ａ，１Ａ，２Ａともに同
一電源電圧の場合には、各電源供給回路０Ａ，１Ａ，２
Ａの出力には負荷０Ｄ内に逆流防止のダイオードを接続
して合成できる回路を設けておく。また、各電源供給回
路０Ａ，１Ａ，２Ａともに異なる電源電圧の場合には、
負荷０Ｄ内に各電源供給回路０Ａ，１Ａ，２Ａの出力に
は逆流防止のダイオードを接続すると共に、電源供給回
路０Ａが供給していた電源電圧に等価な電圧を供給する
ための電圧変換回路を設けておいて、電源供給回路０Ａ
の供給電源電圧と同一電圧として他の電源供給回路１
Ａ，２Ａから供給する。

【００２７】パッケージ１は電源供給回路１Ａの異常時
には、負荷１Ｄにパッケージ０の電源供給回路０Ａとパ
ッケージ２の電源供給回路２Ａから電力が供給される。

【００２８】また、パッケージ２は電源供給回路２Ａの
異常時には、負荷２Ｄにパッケージ０の電源供給回路０
Ａとパッケージ１の電源供給回路１Ａから電力が供給さ
れる。 図２において実施形態をパッケージ０に注目し
て説明する。電源供給回路０Ａからの電力供給が停止及
び瞬断した時、電源電圧監視回路ＯＢはロウレベルの信
号をリレー０Ｃに送出する。リレー０Ｃにロウレベルの
信号が送出されると、コイル０Ｃ−ａには電流が流れな
いため、接点０Ｃ−ｂが接続されて、パッケージ１とパ
ッケージ２の電源供給回路１Ａ，２Ａから負荷０Ｄに電
力が供給されて負荷０Ｄは安定に動作する。また、電源
供給回路０Ａからの電力供給が安定している時には、リ
レー０Ｃにハイレベルの信号が送出される。コイル０Ｃ
−ａには電流が流れるため、接点０Ｃ−ｂは開放され
る。

【００２９】従って、正常時には負荷０Ｄにパッケージ
１の電源供給回路１Ａとパッケージ２の電源供給回路２
Ａから電力は供給されない。

【００３０】上記実施形態では、各パッケージ内に電源
電圧監視回路を設けて個別に電源電圧を監視して、異常
が発生した場合には個別のリレーを接続制御することを
説明したが、システム的に構成する場合には、各電源供
給回路の供給電圧を検出する検出端子を複数有し、各電
源供給回路と各負荷に対応する接続電源出力とをマトリ
クス回路で構成し、上記検出端子における各電圧検出回
路の出力でマトリクス回路を制御し、各電圧検出回路か
らの電源障害検出又は電源電圧低減検出があった場合に
はマトリクス回路で他の２つ以上の電源供給回路をその
障害／低減の発生した負荷に接続するように制御するこ
とで、各負荷に安定した電源を供給して、動作させるこ
とができる。

【００３１】また、上記実施形態では、一つの電源供給
回路の障害／低減の場合に他の２つの電源供給回路がそ
の負担をバックアップする例を示したが、２つに限らず
Ｎ個であっても、同様な動作を行うことが可能であり、
１対Ｎの多重化も可能であり、その場合の各電源供給回
路の負担率は通常動作の供給電力を１とすると、１＋
（１／Ｎ）となり、通常の電源供給能力に対して僅かの
余剰率であり、本実施形態のシステムの冗長的な負担は
僅かのものですみ、コスト的にも僅かのアップ率で、安
全・安定な電源を供給することができる。

【００３２】

【発明の効果】本発明によれば、電源供給回路である個
別電源がパッケージ毎に搭載されたパッケージにおいて
個別電源が停止した時、本発明の実施形態で示した三重
化で容易な冗長構成にすることにより、安定した電力を
供給する事が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態による個別電源のＮ重化回路
の回路ブロック図である。

【図２】本発明の実施形態による個別電源のＮ重化回路
の回路ブロック図である。

【符号の説明】

０，１〜Ｎ パッケージ ０Ａ，１Ａ〜ＮＡ 電源供給回路 ０Ｂ，１Ｂ〜ＮＢ 電源電圧監視回路 ０Ｃ，１Ｃ〜ＮＣ リレー ０Ｃ−ａ，１Ｃ−ａ〜ＮＣ−ａ コイル ０Ｃ−ｂ，１Ｃ−ｂ〜ＮＣ−ｂ 接点 ０Ｄ，１Ｄ〜ＮＤ 負荷

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 個別電源をそれぞれ個別負荷に供給する
   前記個別電源のＮ重化回路において、前記個別電源の電
   源供給回路と、前記電源供給回路の供給電圧を監視する
   電源電圧監視回路と、前記電源電圧監視回路の出力によ
   り他の電源供給回路を選択するスイッチング回路と、前
   記電源供給回路により電源を供給され且つ前記選択され
   た場合に前記スイッチング回路からの電源供給を受ける
   前記個別負荷とをそれぞれＮ（Ｎは２以上の整数）組備
   えたことを特徴とする個別電源のＮ重化回路。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の個別電源のＮ重化回路
   において、前記スイッチング回路は、前記個別電源の電
   源供給回路が前記個別負荷に電源供給をできなくなった
   とき、前記電源電圧監視回路の出力により前記他の電源
   供給回路のうち２以上の出力を前記個別負荷に接続する
   ことを特徴とする個別電源のＮ重化回路。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の個別電源のＮ重化回路
   において、前記スイッチング回路は、前記他の電源供給
   回路を（Ｎ−１）個として前記個別負荷に接続すること
   を特徴とする個別電源のＮ重化回路。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の個別電源のＮ重化回路
   において、前記スイッチング回路は、前記電源電圧監視
   回路の出力によりコイルに電流を流し、電流の流れに応
   じて前記他の電源供給回路から前記個別負荷に電源を供
   給することを特徴とする個別電源のＮ重化回路。
5. 【請求項５】 請求項１に記載の個別電源のＮ重化回路
   において、前記個別電源の電源供給回路は前記個別負荷
   に供給する電源電力に対して［１＋（１／Ｎ−１）］の
   冗長的な供給電力を有することを特徴とする個別電源の
   Ｎ重化回路。