JP2000320791A - 低温流体用バイヨネット継ぎ手 - Google Patents

低温流体用バイヨネット継ぎ手

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JP2000320791A
JP2000320791A JP11128423A JP12842399A JP2000320791A JP 2000320791 A JP2000320791 A JP 2000320791A JP 11128423 A JP11128423 A JP 11128423A JP 12842399 A JP12842399 A JP 12842399A JP 2000320791 A JP2000320791 A JP 2000320791A
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俊治 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 とくに真空雰囲気中において配管された
場合であっても、グリース13およびOリング4の凍付
きを防止して、回動継ぎ手部9部分の凍結を防止すると
ともにシール性能を維持し、第1の断熱パイプ2および
第2の断熱パイプ3の可動性を保障することができる低
温流体用バイヨネット継ぎ手を提供すること。 【解決手段】 第1の断熱パイプ2および第2の断熱パ
イプ3の間のOリング4部分の温度を凍結防止可能な温
度に維持することに着目したもので、低温流体を移送可
能である、第1の断熱パイプ2およびこの第1の断熱パ
イプ2に対して嵌合した第2の断熱パイプ3と、第1の
断熱パイプ2および第2の断熱パイプ3の間をシールす
るシール部材4と、シール部材4の部分に設けた温度保
持手段(保温用ジャケット21、電気ヒーター25)
と、を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温流体用バイヨネ
ット継ぎ手にかかるもので、とくに半導体の製造にあた
ってシリコンウェハーなどに各種のイオンを注入するイ
オン注入装置におけるシリコンウェハーの冷却操作、あ
るいはプラズマ表面処理装置などにおけるコーティング
時の冷却操作などにあたって液体窒素や液体ヘリウムな
どの低温流体移送用として用いられる冷却媒体移送用配
管、さらに、その他の配管において低温流体の移送用と
して応用することができる低温流体用バイヨネット継ぎ
手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のバイヨネット継ぎ手は、一対のパ
イプを互いに差し込んで構成するというその構造上、外
部からの侵入熱を低く押さえることができるため、たと
えば液体窒素や液体ヘリウムなどの低温流体を移送する
配管継ぎ手としてよく使われている。しかしながら、従
来の低温流体用バイヨネット継ぎ手は、固定式の配管で
あり、低温流体移送用としてこれを接続しても、相対的
に運動することはほとんどできない。しかも、バイヨネ
ット継ぎ手を組み込んだリンク配管は、長期間にわたっ
て使用され、耐久性が要求されている。
【0003】低温流体を冷却媒体として採用し、被冷却
物にこれを移送して冷却する冷却媒体移送用配管などに
おいては、一対のパイプがそれぞれの軸心のまわりに互
いに回転可能であるなど可動式のバイヨネット継ぎ手が
要請されており、少しでも動かすことができる低温流体
用バイヨネット継ぎ手として提案されているものを図2
にもとづき概説する。
【0004】図2は、提案されている低温流体用バイヨ
ネット継ぎ手1の断面図であって、低温流体用バイヨネ
ット継ぎ手1は、第1の断熱パイプ2および第2の断熱
パイプ3を組み合わせたもので、さらにOリング4(シ
ール部材)および袋ナット5を有する。第1の断熱パイ
プ2は、二重管構造であって、その内部を第1の断熱真
空部6としてある。第2の断熱パイプ3も、二重管構造
であって、その内部を第2の断熱真空部7としてある。
第1の断熱パイプ2の端部は、これを凹部として、この
内部に第2の断熱パイプ3の凸部とした端部を所定長さ
(差込み部8)にわたって挿入し、回転継ぎ手部9とす
るとともに、この嵌合部分のわずかな間隙部を付属断熱
部10としてある。
【0005】この付属断熱部10の最奥部(室温側)
に、上記Oリング4と、差込み部8が抜けてしまうこと
を防止可能な脱落防止用ストッパー11および脱落防止
用フランジ12と、上記袋ナット5と、を設けてある。
したがって、第1の断熱パイプ2および第2の断熱パイ
プ3は、軸方向には一体で相対的に移動することはな
く、わずかな隙間(付属断熱部10)があるため回転継
ぎ手部9(差込み部8)において相対的に回転可能とな
っている。
【0006】Oリング4部分、さらに脱落防止用ストッ
パー11および脱落防止用フランジ12部分にはグリー
ス13を塗布することにより、第1の断熱パイプ2およ
び第2の断熱パイプ3の回転を保障するように潤滑を行
う。なお、第1の断熱パイプ2あるいは第2の断熱パイ
プ3の回転操作を行う場合には、袋ナット5をゆるめれ
ばよい。
【0007】第1の断熱パイプ2および第2の断熱パイ
プ3により低温流体流路14を形成し、低温流体流路1
4内を低温流体たとえば液体窒素LNを一方向に供給可
能であるとともに、被冷却物(図示せず)を冷却可能
で、被冷却物との熱的接触によりガス化した窒素ガスG
Nと混相状態で供給帰還させることができる。もちろ
ん、この低温流体流路14内中央部に流体供給管(図示
せず)を配置することにより、この流体供給管内を供給
通路とし、流体供給管と第1の断熱パイプ2および第2
の断熱パイプ3との間を帰還通路とすることもできる。
【0008】なお、付属断熱部10の部分から窒素ガス
GNが外方に漏れ出る可能性はあるが、Oリング4によ
りシールしてあるとともに、付属断熱部10はわずかな
隙間しかないので、この間に進入した窒素ガスGNは多
少の温度差があっても対流することはほとんどできず、
低温の窒素ガスGNの存在により、断熱作用を呈するこ
とができる。また、Oリング4部分は、室温程度となっ
ているので、Oリング4が凍ることはないし、上述のよ
うにグリース13などで潤滑することができる。さら
に、第1の断熱パイプ2および第2の断熱パイプ3は、
薄肉のステンレス鋼材料によりこれを構成すれば、この
部分を伝わって低温部に入る侵入熱はこれを非常に少な
くすることができる。
【0009】液体窒素LNあるいは窒素ガスGNに圧力
がかかっている場合であっても、脱落防止用ストッパー
11および脱落防止用フランジ12が互いに係合してい
るとともに袋ナット5で固定しているため、この圧力の
ために差込み部8が飛び出たり、抜け出ることは防止さ
れている。
【0010】こうした低温流体用バイヨネット継ぎ手1
を利用することにより、たとえば直線状にこれを設ける
場合はもちろん、第1の断熱パイプ2あるいは第2の断
熱パイプ3のいずれか一方を途中から任意の角度(たと
えば直角)に折り曲げ、さらに多数本の低温流体用バイ
ヨネット継ぎ手1を組み合わせて多節リンクとすれば、
三次元内での低温流体(冷却媒体)の移送配管の構築が
可能である。すなわち、回転継ぎ手部9における回転が
可能であるため、任意の範囲にわたって、被冷却物の動
きに追随して冷却媒体を移送可能である。
【0011】しかしながら、低温流体用バイヨネット継
ぎ手1が各種の真空装置(図示せず)の真空雰囲気内部
における低温配管に使用される場合においては、この低
温流体用バイヨネット継ぎ手1の外部が真空であるた
め、Oリング4によるシール部分は断熱された状態にあ
り、低温流体用バイヨネット継ぎ手1内部(低温流体流
路14)に液体窒素LNあるいは液体ヘリウムなどの極
低温流体を流すと、低温流体用バイヨネット継ぎ手1部
分が比較的長くても、第1の断熱パイプ2および第2の
断熱パイプ3の管壁における熱伝導作用によりOリング
4のシール部分は次第に冷やされ、ついには回動継ぎ手
部10におけるOリング4およびグリース13が凍って
しまう。Oリング4が凍ることによりシール性能が低下
して低温流体の漏れを発生させるとともに、凍ったグリ
ース13は第1の断熱パイプ2および第2の断熱パイプ
3を傷つけたり、甚だしい場合には、第1の断熱パイプ
2および第2の断熱パイプ3のふたつの管を固着させて
しまうという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、とくに真空雰囲気中
において配管された場合であっても、回動継ぎ手部部分
の凍結を防止し、可動性を保障することができる低温流
体用バイヨネット継ぎ手を提供することを課題とする。
【0013】また本発明は、とくにグリースによる潤滑
を行う可動部分を有する低温配管において、グリースの
凍付きを防止して可動性を維持可能な低温流体用バイヨ
ネット継ぎ手を提供することを課題とする。
【0014】また本発明は、Oリングによるシール部分
を設けた低温配管において、Oリングの凍付きを防止し
てシール性能を維持可能な低温流体用バイヨネット継ぎ
手を提供することを課題とする。
【0015】また本発明は、第1の断熱パイプおよび第
2の断熱パイプの可動性を保障することができる低温流
体用バイヨネット継ぎ手を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、第1
の断熱パイプおよび第2の断熱パイプの間のOリング部
分の温度を凍結防止可能な温度に維持することに着目し
たもので、低温流体を移送するための低温流体用バイヨ
ネット継ぎ手であって、上記低温流体を移送可能であ
る、第1の断熱パイプおよびこの第1の断熱パイプに対
して嵌合した第2の断熱パイプと、これら第1の断熱パ
イプおよび第2の断熱パイプの間をシールするシール部
材と、このシール部材の部分に設けた温度保持手段と、
を有することを特徴とする低温流体用バイヨネット継ぎ
手である。
【0017】上記温度保持手段は、上記シール部材の低
温側に位置してこれを設けることができる。
【0018】上記温度保持手段は、これを保温用ジャケ
ット、あるいは電気ヒーターとすることができる。
【0019】上記シール部材にグリースを塗布すること
により潤滑可能としてあることができる。
【0020】上記保温用ジャケットは、これを水ジャケ
ットとし、温水あるいは保温用の他の流体を流すように
することができる。
【0021】本発明による低温流体用バイヨネット継ぎ
手においては、第1の断熱パイプおよび第2の断熱パイ
プの間のOリングなどによるシール部材部分に保温用ジ
ャケットあるいは電気ヒーターなどによる温度保持手段
を設けたので、真空雰囲気中において使用された場合に
おいても、Oリングやグリースなどが設けられている回
動継ぎ手部部分の凍結を防止して可動性さらにシール性
能を保障することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施の形態による
低温流体用バイヨネット継ぎ手20を図1にもとづき説
明する。ただし、図2と同様の部分には同一符号を付
し、その詳述はこれを省略する。図1は、低温流体用バ
イヨネット継ぎ手20の断面図であって、低温流体用バ
イヨネット継ぎ手20においては、前記第1の断熱パイ
プ2と前記第2の断熱パイプ3との間のOリング4の低
温側(第1の断熱パイプ2の入口側より前記付属断熱部
10に沿った低温側)に保温用ジャケット21(温度保
持手段)を形成してある。
【0023】この保温用ジャケット21は、第1の断熱
パイプ2の第1の断熱真空部6の室温側に環状に形成し
た保温用流路22を有し、入口部23から温水を保温用
流路22に流し込み、出口部24から排出する。なおこ
の温水の供給には、四フッ化エチレン樹脂(PTFE樹
脂)、ポリウレタンあるいはナイロンなどの柔軟なプラ
スチックチューブ(図示せず)を介して供給する。また
水の代わりに、保温用の他の流体たとえば温エアーその
他の流体で保温することもできる。
【0024】さらに、保温用流路22内に電気ヒーター
25(図中、仮想線を参照)を配置することもできる。
なお電気ヒーター25を用いる場合には、保温用流路2
2をとくに設けることなく、Oリング4部分を直接保温
するような任意の構成を採用することもできる。
【0025】なお、図1に示した例は、低温流体用バイ
ヨネット継ぎ手20の外部が低真空(0.1Pa以上の
圧力)になっている場合を示している。すなわち、低真
空においては、低温流体が流れている内部配管(第1の
断熱パイプ2および第2の断熱パイプ3)への断熱性能
を維持するために、大気圧中で使用する場合と同じよう
に、外部に高真空のジャケット(第1の断熱真空部6お
よび第2の断熱真空部7)を設ける必要がある。低温流
体用バイヨネット継ぎ手20を使用する雰囲気が高真空
(0.01Pa以下の圧力)の場合には、使用雰囲気が
そのまま高性能の断熱真空となるので、真空のジャケッ
トは不要となる。
【0026】こうした構成の低温流体用バイヨネット継
ぎ手20において、第1の断熱パイプ2および第2の断
熱パイプ3からなるリンク配管に凍結防止用の保温用ジ
ャケット21を設けることにより、回動継ぎ手部10
(Oリング4およびグリース13部分)の温度を常温に
保持してこれらの凍結を防止することができる。したが
って、リング4によるシール性能、およびグリース13
による潤滑性能を維持可能であるとともに、第1の断熱
パイプ2および第2の断熱パイプ3の可動性を保障する
ことができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1の断
熱パイプおよび第2の断熱パイプからなるリンク配管に
凍結防止用の温度保持手段を設けることにより、回動継
ぎ手部(Oリングおよびグリース部分)の温度を常温に
保持して凍結を防止し、回動継ぎ手部の可動性を保障し
て、低温配管を正常に機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による低温流体用バイヨネ
ット継ぎ手20の断面図である。
【図2】提案されている低温流体用バイヨネット継ぎ手
1の断面図である。
【符号の説明】
1 低温流体用バイヨネット継ぎ手(図2) 2 第1の断熱パイプ 3 第2の断熱パイプ 4 Oリング(シール部材) 5 袋ナット 6 第1の断熱パイプ2の第1の断熱真空部 7 第2の断熱パイプ3の第2の断熱真空部 8 差込み部 9 回転継ぎ手部 10 付属断熱部 11 脱落防止用ストッパー 12 脱落防止用フランジ 13 グリース 14 低温流体流路 20 低温流体用バイヨネット継ぎ手(実施の形態、図
1) 21 保温用ジャケット(温度保持手段) 22 保温用流路 23 保温用流路22の入口部 24 保温用流路22の出口部 25 電気ヒーター(温度保持手段) LN 液体窒素 GN 窒素ガス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温流体を移送するための低温流体用
    バイヨネット継ぎ手であって、 前記低温流体を移送可能である、第1の断熱パイプおよ
    びこの第1の断熱パイプに対して嵌合した第2の断熱パ
    イプと、 これら第1の断熱パイプおよび第2の断熱パイプの間を
    シールするシール部材と、 このシール部材の部分に設けた温度保持手段と、 を有することを特徴とする低温流体用バイヨネット継ぎ
    手。
  2. 【請求項2】 前記温度保持手段は、前記シール部材
    の低温側に位置してこれを設けたことを特徴とする請求
    項1記載の低温流体用バイヨネット継ぎ手。
  3. 【請求項3】 前記温度保持手段は、これを保温用ジ
    ャケットとしたことを特徴とする請求項1記載の低温流
    体用バイヨネット継ぎ手。
  4. 【請求項4】 前記温度保持手段は、これを電気ヒー
    ターとしたことを特徴とする請求項1記載の低温流体用
    バイヨネット継ぎ手。
  5. 【請求項5】 前記シール部材にグリースを塗布する
    ことにより潤滑可能としてあることを特徴とする請求項
    1記載の低温流体用バイヨネット継ぎ手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103629459A (zh) * 2013-12-16 2014-03-12 羊宸机械(上海)有限公司 轴向密封真空绝热式超低温旋转接头
CN103672405A (zh) * 2013-12-16 2014-03-26 羊宸机械(上海)有限公司 真空绝热式超低温介质陆用输送装置

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