JP2000320655A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2000320655A
JP2000320655A JP12990299A JP12990299A JP2000320655A JP 2000320655 A JP2000320655 A JP 2000320655A JP 12990299 A JP12990299 A JP 12990299A JP 12990299 A JP12990299 A JP 12990299A JP 2000320655 A JP2000320655 A JP 2000320655A
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Japan
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torque
engine
transmission
control device
automatic transmission
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JP12990299A
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Junichi Noda
淳一 野田
Hiroshi Kuroiwa
弘 黒岩
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンや自動変速機の機差による変速ショッ
クやエンジン回転の吹き上がり等の現象を低減すること
ができる自動変速機の制御装置を提供することにある。 【解決手段】エンジントルク算出手段54は、F−RO
M52にエンジン10について予め計測されたエンジン
トルクデータを用いて、エンジントルクを算出する。タ
ービントルク算出手段120は、F−ROM110に変
速機20について予め計測されたトルク比データとポン
プ容量係数データを用いて、変速機のタービントルクを
算出して、入力トルクを算出する。作用圧算出手段13
0は、この入力トルクより摩擦部材の締結及び解放の行
う作用圧求めて、変速機を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の制御
装置に係り、特に、自動車のエンジンの駆動力を車軸に
伝達する自動車用の自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンの回転速度を自動変速機
で変速し、車輪に伝達するシステムを備える自動車に用
いられる自動変速機の制御装置においては、エンジン回
転数,スロットル開度,吸入空気量,燃料噴射量等をパ
ラメータに予め設定されたトルクマップから入力トルク
を求め、この入力トルクに応じて作用圧を制御するよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、エン
ジンや自動変速機の機差により±20%程度のトルクば
らつきがある。そこで、従来の自動変速機の制御装置に
おいて、予め設定されているトルクマップは、このよう
な機差のよるばらつき考慮して、全てのエンジンや自動
変速機のトルクの平均値に基づいて、トルクマップを作
成するようにしている。
【0004】しかしながら、平均値を用いてトルクマッ
プを作成しているため、個々のエンジンや自動変速機に
ついては、+20%若しくは−20%のトルクばらつき
を有する場合があり、このような場合には、乗員に不快
感を与える変速ショックやエンジン回転の吹き上がり等
の現象が発生するという問題があった。
【0005】また、エンジンや自動変速機のトルクは経
時変化するが、従来の自動変速機の制御装置において
は、経時劣化によるトルクの変化も判定できないという
問題があった。
【0006】本発明の第1の目的は、エンジンや自動変
速機の機差による変速ショックやエンジン回転の吹き上
がり等の現象を低減することができる自動変速機の制御
装置を提供することにある。
【0007】また、本発明の第2の目的は、経時変化に
よるトルクの変化を判定できる自動変速機の制御装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、動力源から出力される駆動力を、
摩擦部材の締結及び解放により歯車機構のかみ合い組合
わせを変えて変速を行う自動車用変速機の制御装置にお
いて、上記変速機への入力トルクを演算するトルク演算
手段と、上記動力源及び上記変速機のトルクについて予
め計測された特性情報を記憶する電気的に書換え可能な
不揮発性記憶手段とを備え、上記トルク演算手段は、上
記不揮発性記憶手段に記憶された特性情報を用いて入力
トルクを演算し、この入力トルクより摩擦部材の締結及
び解放の行う作用圧を制御するようにしたものである。
かかる構成により、予め計測された動力源や変速機の特
性情報を用いて、変速機への入力トルクを演算するた
め、エンジンや自動変速機の機差による変速ショックや
エンジン回転の吹き上がり等の現象を低減し得るものと
なる。
【0009】(2)上記(1)において、好ましくは、
上記不揮発性記憶手段は、上記動力源のトルク特性に関
わる特性情報を記憶する動力源用不揮発性記憶手段と、
上記変速機のトルク特性に関わる特性情報を記憶する変
速機用不揮発性記憶手段とから構成され、上記動力源用
不揮発性記憶手段は、上記動力源に取り付けられ、上記
変速機用不揮発性記憶手段は、上記変速に取り付けるよ
うにしたものである。
【0010】(3)上記(1)において、好ましくは、
上記動力源は、エンジンであり、上記不揮発性記憶手段
は、エンジン毎に予め計測されたエンジントルクデータ
と、変速機毎に予め計測されたトルクコンバータの特性
であるトルク比データとポンプ容量係数データを記憶す
るものである。
【0011】(4)上記第2の目的を達成するために、
本発明は、動力源から出力される駆動力を、摩擦部材の
締結及び解放により歯車機構のかみ合い組合わせを変え
て変速を行う自動車用変速機の制御装置において、変速
中の加速度,変速時間若しくは演算により求められた道
路勾配の情報を用いて、変速機の劣化を判定する経時劣
化判定手段を備えるようにしたものである。かかる構成
により、経時劣化判定手段を用いて、経時変化によるト
ルクの変化を判定し得るものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5用いて、本発明
の一実施形態による自動変速機の制御装置の構成につい
て説明する。最初に、図1を用いて、本実施形態による
自動変速機の制御装置を用いる車両システムの全体構成
について説明する。
【0013】エンジン10の駆動力は、自動変速機(A
T)20によって変速され、プロペラシャフト30及び
終減速機を兼ねる差動装置32を介して、駆動輪34に
伝達される。AT20の内部は、さらに、トルクコンバ
ータ22とギアトレイン24とに分かれている。AT2
0は、マイクロコンピュータ内蔵のAT電子制御装置
(ATCU)100によって制御される。ATCU10
0は、油圧回路26の油圧制御ソレノイドバルブ28を
介して、AT20を制御する。エアークリーナ40から
吸入された空気の吸入量は、スロットル制御器42によ
って制御される。吸気マニホールド44には、インジェ
クタ46が取り付けられており、吸入された空気に燃料
を噴射する。
【0014】マイクロコンピュータ内蔵のエンジン電子
制御装置(ECU)50には、クランク角センサ60,
吸入空気量を検出するエアーフローセンサ62,スロッ
トル制御器42に取り付けられたスロットルセンサ6
4,図示しないエンジン冷却水温センサ,エンジン排気
管中の排気ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度センサ,
排気温度センサ等のセンサ情報が入力され、エンジン回
転数他の諸演算を実行して、インジェクタ46に開弁駆
動信号を出力し燃料量を制御する。また、アイドルスピ
ードコントロールバルブ(ISC)48に開弁駆動信号
を出力し、補助空気量を制御し、さらに、図示しない点
火プラグに点火信号を出力して点火時期を制御する等、
種々の制御を実行する。
【0015】ATCU100は、タービン回転数を検出
するタービンセンサ66,AT出力軸回転数を検出する
車速センサ68,ATF(AT油)温度センサ70等の
センサ情報、およびECU50からのエンジン回転数や
スロットル開度等の信号等が入力され、演算を実行す
る。さらに、ATCU100は、最適なギヤを選択し
て、油圧回路26に装着された切換用ソレノイドバルブ
28aに開弁駆動信号を出力し、また、摩擦要素を締結
するための圧力であるライン圧PLを制御する制御ソレ
ノイドバルブ28bに制御信号を出力する。ATCU1
00は、本実施形態による車両用変速機の制御装置を備
えている。
【0016】さらに、本実施形態においては、ECU5
0は、電気的な書き換え可能な不揮発性記憶手段である
フラッシュROM(F−ROM)52を備えている。F
−ROM52の中には、ECU50が制御するエンジン
10のトルクについて予め計測された特性情報が記憶さ
れている。即ち、エンジンには機差があるが、ここで、
F−ROM52に記憶されるのは、エンジンを車両に組
み込む前に、エンジン単体で計測された特性情報であ
る。エンジン10のトルクについて予め計測された特性
情報とは、所定のエンジンの回転数Neとスロットル開
度TVOに対するエンジントルクTeのマップである。
【0017】また、本実施形態においては、ATCU1
00は、電気的な書き換え可能な不揮発性記憶手段であ
るフラッシュROM(F−ROM)110を備えてい
る。F−ROM110の中には、ATCU100が制御
するAT20のトルクについて予め計測された特性情報
が記憶されている。即ち、ATには機差があるが、ここ
で、F−ROM110に記憶されるのは、ATを車両に
組み込む前に、AT単体で計測された特性情報である。
AT20のトルクについて予め計測された特性情報と
は、所定のエンジンの回転数NeとAT20のタービン
トルクTtとエンジントルクTeに対するAT20の作
用圧Pdのマップである。
【0018】なお、以上の例では、エンジン吸入空気量
の検出をエアーフローセンサ62により直接行う方式に
ついて示しているが、本発明はこれに限定されることな
く、例えば、吸入マニホールド44内の圧力と吸入空気
温度より計算により空気量を算出する方式、スロットル
開度とエンジン回転数より計算により空気量を算出する
方式等いずれでも良いものである。また、本例では、A
TCUとECUを各々別個に設けたものを示している
が、本発明はこれに限定されることはなく、ATCUと
ECUを一体にしたものでもよいものである。さらに、
本例では、フロントエンジン,リアドライブ方式の構成
例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、フ
ロントエンジン,フロントドライブ方式、リアエンジ
ン,リアドライブ方式、4輪駆動方式等いずれの方式で
もよいものである。
【0019】次に、図2を用いて、本実施形態による自
動変速機の制御装置に用いる自動変速機のギア構成につ
いて説明する。図2は、本発明の一実施形態による自動
変速機の制御装置に用いる自動変速機のギア構成を示す
模式図である。
【0020】本図は最も基本的な前進1〜4速を実現す
るギア構成を示しており、後退やエンジンブレーキ用の
クラッチは省略してある。構成要素は、2個の遊星ギア
と4個の摩擦部材である。接続としては、AT20の入
力軸Pinには、ハイクラッチ20Aと、リア側サンギア
20Bが接続され、ハイクラッチ20Aの逆側はフロン
トピニオンギア20Cと、ローワンウェイクラッチ20
Dと、フォワードワンウェイクラッチ20Eが接続され
る。ローワンウェイクラッチ20Dは、ハイクラッチ側
から正転(入力回転と同一方向)トルクが発生すると締
結状態になり、結果的に回転停止状態となる。また、フ
ォワードワンウェイクラッチ20Eの逆側は、リアイン
ターナルギア20Fに接続されている。フロントサンギ
ア20Gは、ブレーキドラム20Hに接続され、ブレー
キドラム20Hは、バンドブレーキ20Iの締結により
回転停止状態になる。また、フロントインターナルギア
20Jは、リアピニオンギア20Kと、出力軸Poutに
接続されている。
【0021】各摩擦部材とギア位置は、(表1)に示す
締結状態である。これらの状態は、ATCU100の指
令を受けて、油圧制御用ソレノイドバルブ28が油圧回
路26を切り換えることで実現される。
【0022】
【表1】
【0023】次に、図3を用いて、本実施形態による自
動変速機の制御装置の構成について説明する。ECU5
0は、F−ROM52と、エンジントルク算出手段54
とを備えている。エンジントルク算出手段54は、エン
ジン回転数Neとスロットル開度TVOに基づいて、F
−ROM52に記憶されている個々のエンジン毎の特性
情報を用いて、エンジントルクTeを算出する。
【0024】ATCU100は、F−ROM110と、
タービントルク算出手段120と、作用圧算出手段13
0とを備えている。タービントルク算出手段120は、
エンジン回転数Neと、タービン回転数Ntと、トルク
算出手段54によって求められたエンジントルクTeに
基づいて、F−ROM110に記憶されている個々のA
T毎の特性情報を用いて、タービントルクTtを算出す
る。作用圧算出手段120は、タービントルク算出手段
120によって求められたタービントルクTtに基づい
て、AT20を制御するための作用圧Pdを算出する。
【0025】ここで、図4を用いて、本実施形態による
自動変速機の制御装置に用いるエンジントルク算出手段
54とタービントルク算出手段120の詳細な構成につ
いて説明する。エンジントルク算出手段54は、トルク
算出手段52Aと、引算手段54Aと、乗算手段54B
と、加算手段54Cとを備えている。トルク算出手段5
2Aは、図3に示したF−ROM52の中に予め記憶さ
れている特性情報を用いて、入力したスロットル開度T
VOとエンジン回転数Neとから、エンジントルクTe
を算出する。F−ROM52の中には、スロットル開度
TVOとエンジン回転数NeとエンジントルクTeとか
らなるエンジントルクマップが格納されている。なお、
エンジントルクを求める方法としては、エンジン吸入空
気量Qaとエンジン回転数Neとから求めることもでき
るし、燃料噴射量Tiとエンジン回転数Neとから求め
ることもできる。その際には、F−ROM52の中に
は、エンジン吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとエ
ンジントルクTeとからなるエンジントルクマップを格
納すればよく、また、燃料噴射量Tiとエンジン回転数
NeとエンジントルクTeとからなるエンジントルクマ
ップを格納すればよいものである。
【0026】引算手段54Aは、エンジン回転数Neの
前回値との差をとり、エンジン回転数変化量ΔNeを求
める。乗算手段54Bは、引算手段54Aによって求め
られたエンジン回転数変化量ΔNeに、慣性モーメント
Jeを掛ける。加算手段54Cは、トルク算出手段52
Aによって求められたエンジントルクTeに、乗算手段
54Bによって求められた(ΔNe×Je)を加算し
て、慣性トルクTe’を算出する。
【0027】一方、タービントルク算出手段120は、
除算手段121と、トルク比算出手段110Bと、乗算
手段122,125,126と、ポンプ容量係数算出手
段110Aと、引算手段123と、定数手段124と、
選択手段127とを備えている。
【0028】トルク比算出手段110Bは、図3に示し
たF−ROM52の中に予め記憶されている特性情報を
用いて、入力したスロットル開度TVOとエンジン回転
数Neとから、エンジントルクTeを、 e=Nt/Ne …(1) として、算出する。
【0029】トルク比算出手段110Bは、図3に示し
たF−ROM110の中に予め記憶されているトルクコ
ンバータ14のトルク比t特性(e−t特性)を用い
て、除算手段121によって求められたスリップ比eか
らトルク比tを求める。
【0030】乗算手段122は、エンジントルク算出手
段54によって算出された慣性トルクTe’に、トルク
比算出手段110Bによって算出されたトルク比tを掛
けて、次式(2)に従って、エンジンタービントルクT
teを、 Tte=t・Te …(2) として求める。
【0031】定数手段124は、エアコンや電気負荷な
どを考慮した補機補正トルクΔTを保持している。引算
手段123は、エンジン特性タービントルクTteから
補機補正トルクΔTを引いて、補正エンジン側タービン
トルクTte’を求める。
【0032】一方、ポンプ容量係数算出手段110A
は、図3に示したF−ROM110の中に予め記憶され
ているトルクコンバータ14のポンプ容量特性を用い
て、除算手段121によって求められたトルクコンバー
タ14のスリップ比eからポンプ容量係数τを算出す
る。
【0033】そして、乗算手段126は、乗算手段12
5によって求められたエンジン回転数Neの2乗値と、
ポンプ容量係数算出手段110Aによって算出されたポ
ンプ容量係数τと、トルク比算出手段110Bによって
算出されたトルク比tから、次式(3)に基づいて、ト
ルコンタービントルクTttを、 Ttt=t・τ・Ne・Ne …(3) として求める。
【0034】選択手段127は、引算手段123によっ
て求められた補正エンジン側タービントルクTte’
と、乗算手段126によって求められたトルコンタービ
ントルクTttのうち、どちらを変速機の入力トルクで
あるタービントルクTtとして採用すべきかを運転状態
に応じて選択し、タービントルクTtとして出力する。
選択手段127は、除算手段121の出力であるスリッ
プ比eが1近傍か、または、変速中か判定し、真ならば
タービントルクTtとして補正エンジン側タービントル
クTte’を選択し、否ならばタービントルクTtとし
てトルコン特性タービントルクTttを選択する。即
ち、ポンプ容量係数算出手段110Aで用いるポンプ容
量係数τの特性は、スリップ比eの1近傍で0となる特
性であるため、トルコン特性タービントルクTttが計
算不能になることと、若しくは、変速中のトルク計算の
応答性を補償するため、目標トルクとして計算される補
正エンジン側タービントルクTte’を使うようにして
いる。
【0035】なお、定数手段124に保持されている補
機補正トルクΔTは、エアコンや電気負荷状態により所
定の値を設定する方法や、スリップ比eが1近傍になく
かつ、エンジン負荷が安定している時に、次式(4)に
より、 ΔT=Tte − Ttt …(4) として、求めるようにしてもよいものである。
【0036】次に、作用圧算出手段130の動作につい
て説明する。回転要素がその速度を変化させる場合回転
慣性分のエネルギとエンジン10から入力されるエネル
ギの和を消費する必要があり、この消費に要する時間が
変速時間となる。ここで、回転慣性分のエネルギWI
は、各回転部材iのそれぞれの慣性モーメントをJi、
変速前の角速度をωi1、変速後の角速度をωi2、と
すると、次式(5)により、 WI=ΣWi=Σ(1/2・(ωi1−ωi2)2・Ji) …(5) である。
【0037】ここで、ギヤ比が一定であることと、回転
体の角速度は入力回転速度,即ち、タービンの変速前角
速度ωtに比例するので、回転慣性分のエネルギWI
は、次式(6)によって、 WI=k1・ωt2 …(6) となる。但し、k1は定数である。
【0038】エンジン10から入力されるエネルギWE
は、タービントルクをTtとし、変速時間をtcとする
と、次式(7)によって、 WE=k2・ωt・Tt・tc …(7) となる。但し、k2は定数である。
【0039】次に、1速から2速へのシフトアップ時を
例にとって、エネルギの消費について説明する。1速か
ら2速への変速では摩擦部材は、図2に示したバンドブ
レーキ20Iが締結され、ローワンウェイクラッチ20
Dが解放される動作となる。実際は、バンドブレーキ2
0Iを締結すれば、ローワンウェイクラッチ20Dは自
動的に解放されるので、ブレーキドラム20Hを停止さ
せることが変速することになる。すなわち、このバンド
ブレーキ20Iでエネルギが消費されることになる。締
結は、バンドブレーキ20Iに与えられる圧力Pdと、
バンドブレーキ20Iとブレーキドラム20H間の摩擦
係数μで伝達トルクTdが決定される。
【0040】ここで、図5を用いて、自動車用ATで使
われるバンドブレーキの摩擦係数μの特性について説明
する。図5は、自動車用ATで使われるバンドブレーキ
の摩擦係数μの特性の説明図である。図5において、横
軸は滑り速度Vを表し、縦軸は摩擦係数μを示してい
る。通常、自動車用ATに使われるバンドブレーキで
は、図示するような摩擦係数μの特性が使われており、
ほぼ定数と考えられる。
【0041】図5に示したような摩擦係数μの特性の場
合、伝達トルクTdは、圧力Pdに比例することが判っ
ており、結局バンドブレーキ20Iで消費されるエネル
ギWdは、次式(8)によって、 Wd=k3・Pd・ωt・tc …(8) となる。但し、k3は定数である。
【0042】そして、(8)式で示されるエネルギWd
は、(6)式で示される回転慣性分のエネルギWIと、
(7)式で示されるエンジン10から入力されるエネル
ギWEの和と等しいから、エネルギの収支は、次式
(9)によって、 k3・Pd・ωt・tc=k1・ωt2+k2・ωt・Tt・tc …(9 ) となる。
【0043】そこで、(9)式の両辺をωtで割り、t
cについて整理すると、次式(10)によって、 tc=(k1・ωt)/(k3・Pd−k2・Tt) …(10) となる。
【0044】そして、tcを所定値にするためには、
(10)式の右辺の分母と分子が所定の定数で比例関係
にあればよいので、 Pd=ka・(k4・ωt+k5・Tt)+kb …(11) となり、タービンの変速前角速度とタービントルクTt
より、摩擦要素の作用圧pdを決めれば、所定の変速時
間を得ることができる。換言すると、タービントルクT
tが求まれば、所定の変速時間を得るための、作用圧P
dを求めることができる。ここで、k4、k5は変速パ
ターンによって決まる定数で実験により求めればよく、
ka、kbが時間を決めるためのパラメータである。
【0045】図4に示した作用圧算出手段130は、式
(11)に基づいて、タービントルク算出手段120に
よって求められたタービントルクTtから、作用圧Pd
を算出する。
【0046】なお、バンドブレーキ20Iの摩擦係数μ
を滑り速度Vに対し一定としているが、図4に示した特
性から理解されるように、滑り速度Vが小さいところで
大きくなる傾向がある。そのため、作用圧算出手段13
0は、タービン角速度が小さい領域では作用圧を小さく
なるよう補正する。
【0047】以上のように、本実施形態においては、車
両に組み付けられる前のエンジン単体のエンジントルク
マップからエンジントルクTeを求め、また、車両に組
み付けられる前のAT単体のトルク比テーブルとポンプ
容量係数テーブルからトルク比tとポンプ容量係数τを
求めて、タービントルクが求めるようにしているため、
エンジン及びATの機差によるトルクのばらつきがない
ので、高精度な圧力制御ができ、乗員に不快な変速ショ
ックやエンジン回転の吹き上がりが防止できる。
【0048】以下、図6〜図9用いて、本発明の他の実
施形態による自動変速機の制御装置の構成について説明
する。最初に、図6及び図7を用いて、本実施形態によ
る自動変速機の制御装置に用いる経時劣化判定手段14
0の第1の例の構成及び動作について説明する。
【0049】図6は、本発明の他の実施形態による自動
変速機の制御装置に用いる経時劣化判定手段140の構
成を示すブロック図であり、図7は、本発明の他の実施
形態による自動変速機の制御装置に用いる経時劣化判定
手段140の動作説明図である。図6に示した経時劣化
判定手段140は、図1に示したATCU100の中に
備えられている。経時劣化判定手段140は、引算手段
141と、比較手段142とから構成されている。
【0050】ここで、図7を用いて、アップシフト中の
車両加速度αとギヤ比grの時間変化について説明す
る。アップシフトでは、変速開始時にトルクの落ち込み
があり、その後回転慣性によるトルクの盛り上がりが発
生する。このトルク変化に応じて、車両加速度αも低下
と突き上げが発生し、その反動と出力軸のねじれ振動が
発生し、図示するように、加速度αの乱れとして観測で
きる。加速度αの乱れの大きさが変速ショックと相関し
ているので、乱れのピークを測定することにより、油圧
過多によるショックを判定できる。
【0051】そこで、図6の経時劣化判定手段140の
引算手段141は、車速センサ68によって検出された
車速Vから前回の車速データを減算することにより、加
速度αを算出する。比較手段142は、引算手段141
によって求められた加速度αと、予め設定されている基
準値kα(図7に示したkα)を比較して、求められた
加速度αが基準値kαよりも大きい場合には、経時劣化
判定出力を出力する。ATCU100は、この経時劣化
判定出力に基づいて、チェックランプ等を点灯させるな
ど警告を発して、乗員に対し補修を促すことができる。
【0052】なお、加速度αの大きな変動は、変速以外
の外乱要因もある。そこで、経時劣化判定手段140
は、例えば、加速度αが所定値kα以上であった回数が
所定回数以上となった場合、経時劣化によって油圧過多
になったと判定するようにしてもよいものである。
【0053】次に、図7及び図8を用いて、本実施形態
による自動変速機の制御装置に用いる経時劣化判定手段
140Aの第2の例の構成及び動作について説明する。
図8に示した経時劣化判定手段140Aは、図1に示し
たATCU100の中に備えられている。経時劣化判定
手段140Aは、変速時間算出手段143と、比較手段
142Aとを備えている。変速時間算出手段143は、
入力したギヤ比grの信号に基づいて、図7において説
明したギヤ比grの変化時間tmを計測する。比較手段
142Aは、変速時間算出手段143によって求められ
た変速時間tmを、所定時間trefと比較して、この所
定時間tref以上である場合は経時劣化により、油圧が
不足したと判定する。
【0054】次に、図9を用いて、本実施形態による自
動変速機の制御装置に用いる経時劣化判定手段140B
の第3の例の構成及び動作について説明する。本実施形
態においては、タービントルクTtに基づいて道路勾配
θを算出するとともに、ナビゲーション等によって得ら
れる道路勾配情報を比較して、経時劣化の有無を判定す
るようにしている。
【0055】図9に示した経時劣化判定手段140B
は、図1に示したATCU100の中に備えられてい
る。経時劣化判定手段140Bは、引算手段141,1
46,48と、乗算手段144,147,149と、平
地走行抵抗トルク演算手段145とを備えている。
【0056】最初に、タービントルクTtに基づいて道
路勾配θを算出する方法について説明する。乗算手段1
44は、タービントルクTtにギヤ比grを掛けて、出
力軸トルクToを算出する。平地走行抵抗トルク演算手
段145は、車速Vに基づいて、平地走行抵抗トルクT
rを、以下の式(12)を用いて、 Tr=(μr・W+ka・V2)・R …(12) として求める。ここで、μrは転がり摩擦抵抗係数,W
は車重,kaは空気抵抗係数,Rはタイヤの動半径であ
る。
【0057】また、引算手段141は、車速Vの前回値
との差により、加速度αを求める。そして、乗算手段1
47は、加速度αから、加速抵抗トルクTαを、以下の
式(13)により、 Tα=(W+Wk)・α・R/g …(13) として求める。ここで、Wkは回転慣性重量,gは重力
加速度である。
【0058】そして、勾配トルクTθは、以下の式(1
4)によって、 Tθ=To−Tr−Tα …(14) として与えられる。
【0059】そこで、引算手段146,148によっ
て、出力軸トルクToから平地走行抵抗トルクTrと加
速抵抗トルクTαをそれぞれ減算することにより、勾配
トルクTαを算出する。
【0060】また、勾配トルクTθは、道路勾配をθと
すると、以下の式(15)によって、 Tθ=W・sinθ・R …(15) として求められる。そこで、乗算手段149は、勾配ト
ルクTθに、係数(1/W・Rt)を掛けて、道路勾配
θを求める。
【0061】比較手段141Bは、ナビゲーション等に
より得られている道路勾配θNの情報と、タービントル
クTtを基に演算した道路勾配θとを比較することで、
トルクのずれを計算して、経時劣化を判定して出力す
る。
【0062】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、変速機の劣化判定により、劣化を判定した場合に、
例えばチェックランプを点灯させ、乗員に対し補修を促
すことができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、エンジンや自動変速機
の機差による変速ショックやエンジン回転の吹き上がり
等の現象を低減することができる。また、本発明によれ
ば、経時変化によるトルクの変化を判定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動変速機の制御装
置を用いる車両システムの全体構成を示すシステムブロ
ック図である。
【図2】本発明の一実施形態による自動変速機の制御装
置に用いる自動変速機のギア構成を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態による自動変速機の制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による自動変速機の制御装
置に用いるエンジントルク算出手段とタービントルク算
出手段の構成を示すブロック図である。
【図5】自動車用ATで使われるバンドブレーキの摩擦
係数μの特性の説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態による自動変速機の制御
装置に用いる経時劣化判定手段の構成を示すブロック図
である。
【図7】本発明の他の実施形態による自動変速機の制御
装置に用いる経時劣化判定手段の動作説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態による自動変速機の制御
装置に用いる経時劣化判定手段の第2の例の構成を示す
ブロック図である。
【図9】本発明の他の実施形態による自動変速機の制御
装置に用いる経時劣化判定手段の第3の例の構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
10…エンジン 20…AT 50…ECU 52,110…F−ROM 54…エンジントルク算出手段 100…ATCU 120…タービントルク算出手段 130…作用圧算出手段 140…経時劣化判定手段
フロントページの続き (72)発明者 黒岩 弘 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 Fターム(参考) 3J052 AA01 AA12 CA01 FB33 FB50 GC11 GC13 GC23 GC43 GC44 GC71 GC72 GC73 HA02 KA01 LA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力源から出力される駆動力を、摩擦部材
    の締結及び解放により歯車機構のかみ合い組合わせを変
    えて変速を行う自動車用変速機の制御装置において、 上記変速機への入力トルクを演算するトルク演算手段
    と、 上記動力源及び上記変速機のトルクについて予め計測さ
    れた特性情報を記憶する電気的に書換え可能な不揮発性
    記憶手段とを備え、 上記トルク演算手段は、上記不揮発性記憶手段に記憶さ
    れた特性情報を用いて入力トルクを演算し、この入力ト
    ルクより摩擦部材の締結及び解放の行う作用圧を制御す
    ることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自動変速機の制御装置にお
    いて、 上記不揮発性記憶手段は、上記動力源のトルク特性に関
    わる特性情報を記憶する動力源用不揮発性記憶手段と、
    上記変速機のトルク特性に関わる特性情報を記憶する変
    速機用不揮発性記憶手段とから構成され、 上記動力源用不揮発性記憶手段は、上記動力源に取り付
    けられ、上記変速機用不揮発性記憶手段は、上記変速に
    取り付けられることを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の自動変速機の制御装置にお
    いて、 上記動力源は、エンジンであり、 上記不揮発性記憶手段は、エンジン毎に予め計測された
    エンジントルクデータと、変速機毎に予め計測されたト
    ルクコンバータの特性であるトルク比データとポンプ容
    量係数データを記憶することを特徴とする自動変速機の
    制御装置。
  4. 【請求項4】動力源から出力される駆動力を、摩擦部材
    の締結及び解放により歯車機構のかみ合い組合わせを変
    えて変速を行う自動車用変速機の制御装置において、 変速中の加速度,変速時間若しくは演算により求められ
    た道路勾配の情報を用いて、変速機の劣化を判定する経
    時劣化判定手段を備えたことを特徴とする自動変速機の
    制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7370516B2 (en) * 2005-11-21 2008-05-13 General Motors Corporation Method for estimating transmission input torque
JP2011226533A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Honda Motor Co Ltd 自動変速機の制御装置
JP2016035296A (ja) * 2014-08-04 2016-03-17 ジヤトコ株式会社 変速機、及びその制御方法

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