JP2000318307A - インクジェット記録用紙及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用紙及びその製造方法

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JP2000318307A
JP2000318307A JP2000061943A JP2000061943A JP2000318307A JP 2000318307 A JP2000318307 A JP 2000318307A JP 2000061943 A JP2000061943 A JP 2000061943A JP 2000061943 A JP2000061943 A JP 2000061943A JP 2000318307 A JP2000318307 A JP 2000318307A
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Japan
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ink
quaternary ammonium
jet recording
water
dicyandiamide
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JP2000061943A
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Keiji Obayashi
啓治 大林
Osamu Hatano
治 波多野
Kenzo Kasahara
健三 笠原
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収速度に悪影響を及ぼすことなく耐
水性及び耐光性を改良したインクジェット記録用紙及び
その製造方法の提供。 【解決手段】 支持体上に、分子内に第4級アンモニウ
ム塩基を有するカチオン性定着剤及びジシアンジアミド
系重縮合物を含有するインク吸収層を有することを特徴
とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)及びその製造方
法に関し、特に耐水性及び耐光性を改良したインクジェ
ット記録用紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録は急速に画質
が向上してきており、写真画質に迫りつつある。この様
な写真画質をインクジェット記録で達成するために、記
録用紙の面でも改善が進んでおり、高平滑性の支持体上
に微小な空隙層を設けた記録用紙はインク吸収性及び乾
燥性に優れていることからもっとも写真画質に近いもの
の一つになりつつある。
【0003】一方、インクジェット記録においては通常
水溶性染料が色材として用いられるが、この水溶性染料
は親水性が高いために通常、記録後に高湿下に長期間保
存したり或いは記録面上に水滴が付着した場合に染料が
滲みやすい傾向がある。この問題を解決するために染料
固着性物質をインク受容層中に添加しておくことが一般
的に行われており、そのような染料固着剤としては、表
面がカチオン性である無機顔料(アルミナ微粒子等)や
分子内に第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポ
リマー等が挙げられる。
【0004】アルミナ微粒子はそれ自体は高い染料固着
性を有し、しかも少量のバインダー(ポリビニルアルコ
ール等)の使用でインク吸収層を空隙層にすることが出
来るが、原材料コストが比較的高く安価な記録用紙を製
造する点で不利である。
【0005】一方、分子内に第4級アンモニウム塩基を
有するカチオン性定着剤は種々の微粒子と併用すること
で空隙層型のインク吸収層に耐水性を付与することが出
来る。
【0006】しかしながら、インク吸収層が空隙層であ
ることはインク吸収性に優れておりインクジェット記録
時にムラのない均質な画像が得られる反面、多孔質皮膜
であるが故に酸素の透過性が大きく、記録後の耐光性が
劣化しやすい。
【0007】多孔質皮膜にカチオン性物質を添加した場
合、この問題が特に顕著に成りやすく、特に空気が循環
しやすい場所でかかる問題が生じることが本発明者らの
検討の結果判明した。
【0008】このような耐光性の劣化を改善する為に従
来から紫外線吸収剤を添加すること、各種の酸化防止剤
を添加することが多数提案されている。
【0009】しかしながら、酸素透過性の高い空隙層を
有するインクジェット記録用紙においては、効果が必ず
しも充分とは言い難く、充分な褪色防止効果を得るため
にこうした各種の褪色防止剤を多量に添加すると、空隙
層のインク吸収性を大幅に低下させてしまう。
【0010】また、従来の褪色防止剤は光を照射した初
期は確かに効果が認められるが継続的に光照射されるよ
うな場合には徐々に効果が無くなり易い欠点があった。
【0011】特公平2−35675号にはカチオン性樹
脂としてポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド
アンモニウム塩縮合物を用い、耐光性を改善したインク
ジェット記録用紙が記載されている。また、特開平9−
254529号には第4級アンモニウム塩構造を含まな
いポリアルキレンポリアミンジシアンジアミド縮合物に
より白地黄変や褪色を防止して耐水性を改善したインク
ジェット記録用紙が記載されている。
【0012】しかしながら、上記公報に記載されている
インクジェット記録用紙では充分な耐水性を満足するた
めに多量に添加するといずれもインク吸収速度を低下さ
せ、特に近年の高速化したインクジェット記録において
は画像ムラが生じやすい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの最近の研
究において、分子内に第4級アンモニウム塩基を有する
カチオン性定着剤を使用すると耐光性が劣化傾向を示す
ことが判明し、特にインク吸収層が空隙層である場合の
耐光性の劣化を防ぐことが必要であると本発明者らは考
えている。
【0014】従って、本発明の目的は、インク吸収速度
に悪影響を及ぼすことなく耐水性及び耐光性を改良した
インクジェット記録用紙及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0016】1.支持体上に、分子内に第4級アンモニ
ウム塩基を有するカチオン性定着剤及びジシアンジアミ
ド系重縮合物を含有するインク吸収層を有することを特
徴とするインクジェット記録用紙。
【0017】2.支持体上に、分子内に第4級アンモニ
ウム塩基を有するカチオン性定着剤及びポリアルキレン
ポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有するイ
ンク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記
録用紙。
【0018】3.支持体上に、分子内に第4級アンモニ
ウム塩基を有するカチオン性定着剤及びホルマリン・ジ
シアンジアミド系重縮合物を含有するインク吸収層を有
することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0019】4.前記インク吸収層が、ラテックス性ポ
リマーを含有することを特徴とする前記1、2又は3に
記載のインクジェット記録用紙。
【0020】5.前記インク吸収層の少なくと1層が空
隙層であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項
に記載のインクジェット記録用紙。
【0021】6.分子内に第4級アンモニウム塩基を有
するカチオン性定着剤及びジシアンジアミド系重縮合物
を含有するインク吸収層形成用水溶性塗布液を用いるこ
とを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
【0022】7.分子内に第4級アンモニウム塩基を有
するカチオン性定着剤及びポリアルキレン・ジシアンジ
アミド系重縮合物を含有するインク吸収層形成用水溶性
塗布液を用いることを特徴とするインクジェット記録用
紙の製造方法。
【0023】8.分子内に第4級アンモニウム塩基を有
するカチオン性定着剤及びホルマリン・ジシアンジアミ
ド系重縮合物を含有するインク吸収層形成用水溶性塗布
液を用いることを特徴とするインクジェット記録用紙の
製造方法。
【0024】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる分子内に第4級アンモニウム塩基を有するカチオ
ン性定着剤により記録用紙の耐水性を向上させることが
できる。また、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジ
アミド系重縮合物のようなジシアンジアミド系重縮合物
自身にも色素の定着性があるが、この重縮合物は比較的
分子量が小さいものが多く定着性の観点では、充分でな
い場合がある。
【0025】一方、特に多孔質インク吸収層に第4級ア
ンモニウム塩基を有するカチオン性定着剤を使用する
と、本発明の解決課題である耐光性が低下し易い傾向に
あり、本発明のジシアンジアミド系重縮合物を併用する
ことによって、定着性を良好にして耐水性及び耐光性を
向上させる効果を顕著に発揮することができる。
【0026】本発明の分子内に第4級アンモニウム塩基
を有するカチオン性定着剤は、インク中の成分を記録用
紙上に定着させる作用を示すものをいうが、特に染料成
分を記録用紙上に定着する作用を示すものであって、例
えば分子内に第4級アンモニウム塩基を有するカチオン
性の水溶性ポリマーあるいは分子内に第4級アンモニウ
ム塩基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
【0027】本発明で用いることができる分子内に第4
級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマ
ーは、ポリマー主鎖または側鎖に第4級アンモニウム塩
基を有する水溶性ポリマーであり、インクジェット記録
用紙で公知の化合物が用いられるが、本発明において
は、インクジェット記録用紙の耐光性及び耐水性を改良
する観点から特に側鎖に第4級アンモニウム塩基を有す
るカチオン性の水溶性ポリマーが好ましい。
【0028】ポリマー主鎖に第4級アンモニウム塩基を
有するポリマーの例としては例えばエピクロルヒドリン
・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルアリルアンモニ
ウムクロライド・SO2共重合物、ジメチルアリルアン
モニウムクロライド重合物などが挙げられる。
【0029】ポリマー側鎖中に第4級アンモニウム塩基
を有するカチオン性の水溶性ポリマーとしては、ポリア
リルアミン塩の重合物、或いは下記一般式(1)または
(2)で表される繰り返し単位を有する水溶性ポリマー
が挙げられる。
【0030】
【化1】
【0031】式中、RおよびR′は水素原子または炭素
原子数が1〜4のアルキル基を表し、R1、R2、R3
1′、R2′およびR3′はそれぞれ置換、無置換のア
ルキル基を表しAおよびJは2価の連結基を表す。X1 -
およびX2 -はアニオンを表す。mは1〜6の整数を表
す。
【0032】更に、具体的には、一般式(1)、(2)
において、RおよびR′は水素原子または炭素原子数が
1〜4のアルキル基であり、好ましくは水素原子または
メチル基である。
【0033】R1、R2、R3、R1′、R2′およびR3
は好ましくはメチル基またはエチル基である。このアル
キル基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
【0034】AおよびJは2価の連結基を表すが、Aは
単なる結合手、−CONH−または−COO−であるこ
とが好ましい。またJは単なる結合手または−CON
(R″)−基であることが好ましい(R″は水素原子、
または置換基を有していてもよいアルキル基を表す)。
【0035】X1 -およびX2 -はアニオン(ハロゲンイオ
ン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン
等)を表す。
【0036】分子内に第4級アンモニウム塩基を有する
カチオン性の水溶性ポリマーとしては特に上記一般式
(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位を有
するポリマーが好ましく、一般式(1)または一般式
(2)で表される繰り返し単位から構成される単独重合
体であってもよく、また、第4級アンモニウム塩基を含
まない繰り返し単位との共重合体であってもよい。
【0037】また、第4級アンモニウム塩基を有する繰
り返し単位は一般式(1)と一般式(2)で表される繰
り返し単位の両者を含むものであってもよく、更に一般
式(1)または一般式(2)で表される繰り返し単位が
各々2種以上繰り返し単位を含むものであっても良い。
【0038】一般式(1)または一般式(2)と共に共
重合される第4級アンモニウム塩基を有しない繰り返し
単位に用いられる単量体としては、例えば、スチレン、
ブタジエン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ヒドロキシルエチルメタクリレート、酢酸ビニル、
ビニルエーテル、アクリルアミド、N−メチルアクリル
アミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ビニルイミダ
ゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等
が挙げられる。
【0039】上記水溶性ポリマーが共重合体である場
合、一般式(1)または一般式(2)で表される繰り返
し単位はモル比で20〜100モル%が好ましく、30
〜100モル%が特に好ましい。
【0040】上記第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性の水溶性ポリマーは第4級アンモニウム塩基を有
するために水溶性であるが、共重合する第4級アンモニ
ウム塩基を含まないモノマーの組成や共重合体の比率に
よっては完全に水に溶解しないことがあるが、水混和性
の有機溶媒と水との混合溶媒に溶解させることにより溶
解し得るもので有れば本発明には使用できる。
【0041】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0042】次に本発明の分子内に第4級アンモニウム
塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーの具体例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】
【化5】
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】上記カチオン性ポリマーの数平均分子量は
2000〜10万のものが好ましく、8万〜3000の
ものが特に好ましい。
【0052】また、分子内に第4級アンモニウム塩基を
有するシランカップリング剤は、シリカなどの無機微粒
子の表面と反応して耐拡散性が向上し色素を定着させる
ことができるようになる。
【0053】前記シランカップリング剤としては、例え
ば特開平8−34160号公報に記載されているように
以下の化合物を挙げることができる。
【0054】
【化10】
【0055】これらのシランカップリング剤は、予め無
機微粒子と反応させて用いても良く、インク吸収層を塗
布して乾燥するまでの任意の段階で与えても良く、さら
にはインク吸収層を一端形成してから後でたとえば溶液
としてオーバーコートするなどして与えてもよい。
【0056】本発明のジシアンジアミド系重縮合物と
は、ジシアンジアミドを部分構造として含む単量体を構
成成分とする重縮合物であり、請求項2、3、7及び8
の発明においては、ポリアルキレンポリアミンとジシア
ンジアミドとの重縮合物であるポリアルキレンポリアミ
ン・ジシアンジアミド系重縮合物、ホルマリンとジシア
ンジアミドとのメチロール化反応により得られる重縮合
物であるホルマリン・ジシアンジアミド系重縮合物であ
る。
【0057】前記ポリアルキレンポリアミンとしてはジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミンおよび
これらの塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
【0058】ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジア
ミド系重縮合物としては各種のものが市販されており、
例えばネオフィックスRP−70、ネオフィックスPN
F−70、ネオフィックスE−117(以上、日華化学
社製)、サンフィックス414(明成化学工業製)、パ
ラフィックスEP(大原パラジウム化学社製)、ダイア
ジンフィックス400(日成化成社製)、ファーストゲ
ンP−708(東海製油工業社製)、ジェットフィック
ス20(黒田加工社製)、カヤフィックスM(日本化薬
社製)、PAP−1(日本染化工業社製)等が挙げられ
る。
【0059】これらの重縮合物を添加を添加する方法は
特に限定されないが、例えば該重縮合物そのもの、ある
いは水、アルコール等の水溶性溶剤などを加えて用いる
方法が挙げられる。該重縮合物はインク吸収層形成用塗
布液に添加してもよく、インク吸収層形成用塗布液とは
別に該重縮合物含有液を用意して塗布しても良い。例え
ばインク吸収層形成用塗布液の塗布と同時、又は該重縮
合物含有液をオーバーコートしてもよい。
【0060】本発明のインクジェット記録用紙は、支持
体上に設けられたインク吸収層が親水性バインダーを有
し、インクジェット記録時にインク吸収層が膨潤してイ
ンクを受容する膨潤型インクジェット記録用紙である場
合と、インク吸収層が無機顔料及び少量の親水性バイン
ダーを有する空隙層を形成している空隙型のインクジェ
ット記録用紙の場合のいずれにも適用できる。
【0061】しかしながら近年高インク吸収性が益々要
求されており、特に空隙型のインク吸収層であることは
画質や記録後の乾燥性或いは皮膜の耐水性の面から好ま
しい。
【0062】また、支持体自身も耐水性に優れているこ
とが好ましい。支持体が耐水性に優れているものは一般
に非多孔質支持体であり、しかもこの上に設けられたイ
ンク吸収層が空隙構造をとる場合に本発明の効果が特に
大きい。
【0063】以下特に好ましい空隙型のインク吸収層に
ついて説明する。空隙型インク吸収層は無機微粒子と少
量の親水性バインダーを有する。
【0064】上記無機微粒子の例としては、たとえば軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫
化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニ
ウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、
コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白
色無機顔料等を挙げることが出来る。
【0065】この様な無機微粒子は、1次粒子のまま用
いても、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用する
こともできるが、優れた光沢性を得る観点から被膜中で
0.1〜0.01μmのサイズに成るような無機微粒子
を使用することが好ましい。
【0066】本発明においては、低コストであることや
高い反射濃度が得られる観点から低屈折率の微粒子であ
ることが好ましく、表面がアニオン性の無機微粒子とし
ては、気相法で合成されたシリカまたはコロイダルシリ
カがより好ましい。
【0067】また、表面がカチオン性の無機微粒子とし
ては、カチオン表面処理された気相法シリカ、カチオン
表面処理されたコロイダルシリカおよびアルミナ、コロ
イダルアルミナ、擬ベーマイト等も用いることが出来
る。
【0068】インク吸収層に用いられる親水性バインダ
ーの例としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポ
リエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキス
トラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ
等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等が挙げられる。
【0069】これらの親水性バインダーは2種以上併用
することも可能である。本発明で好ましく用いられる親
水性バインダーはポリビニルアルコールである。
【0070】本発明で好ましく用いられるポリビニルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコールも含まれる。
【0071】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好
ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000
のものが好ましく用いられる。
【0072】ケン化度は70〜100%のものが好まし
く、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0073】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号に記載されている
ような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を
上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有する
ポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエ
チレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン
化することにより得られる。
【0074】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0075】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0076】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号、および同63−307979
号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水
溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7
−285265号公報に記載されているような水溶性基
を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0077】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0078】ポリビニルアルコールは重合度や変性の種
類違いなど2種類以上を併用することもできる。
【0079】インク吸収層に用いられる無機微粒子の添
加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、
無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依
存するが、一般には記録用紙1m2当たり、通常5〜3
0g、好ましくは10〜25gである。
【0080】また、インク吸収層に用いられる無機微粒
子と親水性バインダーの比率は質量比で通常2:1〜2
0:1であり、特に3:1〜10:1であることが好ま
しい。
【0081】分子内に第4級アンモニウム塩基を有する
カチオン性定着剤はインクジェット記録用紙1m2当た
り通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲
で用いられる。
【0082】一方ジシアンジアミド系重縮合物は記録用
紙1m2当たり通常0.05〜5g、好ましくは0.1
〜2gの範囲で用いられる。
【0083】また、ジシアンジアミド系重縮合物の第4
級アンモニウム塩基を有するカチオン性定着剤に対する
比率は質量比で0.05〜1であることが好ましい。こ
の比率が0.05以上であれば充分な褪色防止効果が得
られ、また、1以下であればインク吸収速度も良好であ
る。同じ観点から、比率は0.1〜0.05であれば更
に好ましい。
【0084】本発明のインクジェット記録用紙は、光沢
性に優れ、高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得
るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜さ
れていることが好ましい。
【0085】硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダ
ーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バイン
ダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合
物であり、親水性バインダーの種類に応じて適宜選択し
て用いられる。
【0086】硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキ
シ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロ
ヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキ
シアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性
ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ
−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、ほう酸およびその塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙
げられる。
【0087】特に好ましい親水性バインダーとしてポリ
ビニルアルコールおよびまたはカチオン変性ポリビニル
アルコールを使用する場合には、ほう酸およびその塩、
およびエポキシ系硬膜剤から選ばれる硬膜剤を使用する
のが好ましい。
【0088】最も好ましいのはほう酸およびその塩から
選ばれる硬膜剤である。本発明で、ほう酸またはその塩
としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその
塩のことを示し、具体的にはオルトほう酸、二ほう酸、
メタほう酸、四ほう酸、五ほう酸、八ほう酸およびそれ
らの塩が含まれる。
【0089】上記硬膜剤の使用量は親水性バインダーの
種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バイン
ダーに対する比率等により変化するが、通常親水性バイ
ンダー1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜3
00mgである。
【0090】上記硬膜剤は、本発明の水インク吸収層形
成用水溶性塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添加し
てもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗布
してある支持体上に、本発明のインク吸収層形成用水溶
性塗布液を塗布しても良い。また、本発明のインク吸収
層形成用水溶性塗布液(硬膜剤非含有)を塗布・乾燥し
た後で硬膜剤溶液をオーバーコートするなどして供給す
ることができるが、かれらの中で、好ましくは製造効率
の観点から、本発明のインク吸収層形成用水溶性塗布液
中に硬膜剤を添加して塗布する方法が好ましい。
【0091】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層および必要に応じて設けられるその他の層には、
前記した以外に各種の添加剤を添加することが出来る。
【0092】例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒
子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭
57−74193号公報、同57−87988号公報及
び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、
特開昭57−74192号公報、同57−87989号
公報、同60−72785号公報、同61−14659
1号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13
376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭5
9−42993号公報、同59−52689号公報、同
62−280069号公報、同61−242871号公
報および特開平4−219266号公報等に記載されて
いる蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整
剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等
の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0093】特に、本発明のインク吸収層には、ラッテ
クス性ポリマーを含有させることによって、さらに、退
色防止効果が発揮され好ましい。該ラッテクス性ポリマ
ーのTg(ガラス転移点)が40℃以下のラテックス性
ポリマー用いると、さらに、本発明の効果をより奏する
点で好ましい。
【0094】本発明に好ましく用いられる、テックス性
ポリマーは、乳化重合法で重合されたラテックス性ポリ
マーであることが好ましく、例えば、ポリスチレンラテ
ックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ア
クリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、ポリアクリ
ル酸エステル系ラテックス、ポリメタクリル酸系ラテッ
クス、塩化ビニル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテック
ス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス等が好ましく用
いられる。
【0095】上記のラテックス性ポリマーの具体例とし
て、例えば、スチレン/ブタジエンラテックス(7/
3)、ポリ酢酸ビニルラテックス、酢酸ビニル/エチレ
ンラテックス(9/1)、酢酸ビニル/メタクリル酸エ
チルラテックス(5/5)、塩化ビニル/アクリル酸エ
チル(3/2)、アクリル酸エチル/アクリル酸メチル
/ヒドロキシルエチルメクリレート(5/4/1)、ス
チレン/アクリル酸ブチル/ヒドロキシルエチルメタク
リレート(1/6/3)、シリコンラテックス等を挙げ
る事ができる。上記において、かっこ内の共重合比率は
モル比を表す。
【0096】上記ポリマーラテックスの使用量は記録用
紙1m2当たり0.1〜2gであることが好ましい。
0.1g以上であれば、十分な褪色改良効果が得られ
る。また、2g以下であれば、インク吸収層の空隙率を
低下させることなく、十分なインク吸収量が確保できる
結果、高インク吸収量を保てる。
【0097】インク吸収層は2層以上から構成されてい
てもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお
互いに同じであっても異なっていても良い。
【0098】本発明のインクジェット記録用紙に用いら
れる支持体としては、従来インクジェット用記録用紙と
して公知の紙支持体、プラスチック支持体、複合支持体
など適宜使用できるが、より高い濃度で鮮明な画像を得
るためには支持体中にインク液が浸透しない疎水性支持
体を用いるのが好ましい。
【0099】透明支持体としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロ
イド等の材料からなるフィルム等が挙げられ、中でもO
HPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のもの
が好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好まし
い。このような透明な支持体の厚さとしては、約10〜
200μmが好ましい。透明支持体のインク受容層側お
よびバック層側には公知の下引き層を設けることが、イ
ンク受容層やバック層と支持体との接着性を改良する観
点から好ましい。
【0100】また、透明である必要のない場合に用いる
支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色
顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹
脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレ
フタレートに白色顔料を添加したホワイトペットが好ま
しい。
【0101】上記支持体とインク受像層の接着強度を大
きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立って、
支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ま
しい。さらに、本発明の記録用紙は必ずしも無色である
必要はなく、着色された記録用紙であってもよい。
【0102】本発明のインクジェット記録用紙では原紙
支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体
を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低
コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体につ
いて以下に説明する。
【0103】紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
てはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LD
P,NDP,LUKP,NUKPのいずれも用いること
が出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP,LBS
P,NDP,LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%
〜70質量%が好ましい。
【0104】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0105】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0106】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシ
ュ残分の質量%と42メッシュ算分の質量%との和が3
0〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%
は20質量%以下であることが好ましい。
【0107】原紙の坪量は30〜250gが好ましく、
特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜2
50μmが好ましい。
【0108】原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一
般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規
定される条件で20〜200gが好ましい。
【0109】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ
と同様のサイズ剤を使用できる。
【0110】原紙のpHはJIS−P−8113で規定
された熱水抽出法により測定された場合、5〜9である
ことが好ましい原紙表面および裏面はを被覆するポリエ
チレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)
および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であ
るが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用する
ことが出来る。
【0111】特にインク受容層側のポリエチレン層は写
真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナ
ターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透
明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタ
ンの含有量はポリエチレンに対して通常3〜20質量
%、好ましくは4〜13質量%である。
【0112】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成した物も本発明で使用できる。
【0113】原紙の表裏のポリエチレンの使用量はイン
ク受容層やバック層を設けた後で低湿および高湿化での
カールを最適化するように選択されるが、通常インク受
容層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側
が10〜30μmの範囲である。
【0114】更に上記ポリエチレン被覆紙支持体は以下
の特性を有していることが好ましい。
【0115】引っ張り強さ:JIS−P−8113で
規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜
20kgであることが好ましい 引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方法
で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200gが
好ましい 圧縮弾性率≧9.8×107Paが好ましい 表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定され
る条件で20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわ
ゆる型付け品ではこれ以下であっても良い 不透明度:直線光入射/拡散光透過条件の測定条件で
可視域の光線での透過率が20%以下、特に15%以下
が好ましい 本発明の記録用紙の空隙層および下引き層など必要に応
じて適宜設けられる各種の親水性層を支持体上に塗布す
る方法は公知の方法から適宜選択して行うことが出来
る。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上
に塗設して乾燥して得られる。この場合、2層以上を同
時に塗布することもでき、特に全ての親水性バインダー
層を1回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0116】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパ
ーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用
いられる。
【0117】本発明のインクジェット記録用紙を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられる。
【0118】上記水性インクとは、下記着色剤及び液媒
体、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤と
してはインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染
料あるいは水分散性顔料が使用できる。
【0119】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノ
ールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコール
メチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエ
ーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等
が挙げられる。
【0120】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0121】その他の水性インクの添加剤としては、例
えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙
げられる。
【0122】水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にするために、20℃において、通常25〜60d
yn/cm、好ましくは30〜50dyn/cmの範囲
内の表面張力を有するのが好ましい。
【0123】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるも
のではない。
【0124】なお、実施例中で「%」は特に断りのない
限り絶乾質量%を示す。 実施例1 「シリカ分散液−1の調製」1次粒子の平均粒径が約
0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジル工業株
式会社製:A300)125kgを、三田村理研工業株
式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサー
TDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整した620
Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を694Lに
純水で仕上げた。
【0125】「シリカ分散液−2の調製」例示カチオン
性ポリマーP−9を1.63kg、エタノール2.2
L、n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH
=2.3)18Lに、シリカ分散液−1の69.4Lを
攪拌しながら添加し、ついで、ホウ酸260gとホウ砂
230gを含有する水溶液7.0Lを添加し、消泡剤S
N381(サンノプコ株式会社製)を1g添加した。
【0126】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで分散し、全量を96Lに純水で97Lに仕
上げてシリカ分散液−2を調製した。
【0127】「塗布液の調製」ついで上記のようにして
得られたシリカ分散液−2を使用して、下記の塗布液を
調製した。
【0128】シリカ分散液−2の600mlに40℃で
攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0129】ポリビニルアルコール(クラレ工業株式
会社製:PVA203)の10%水溶液:6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PV
A235)の5%水溶液:260ml 表1に示すポリアルキレンポリアミン・ジシアンジア
ミド系重縮合物(数値は記録用紙1m2当たりの添加量
を示す) 純水で全量を1000mlに仕上げる 「記録用紙の作製」厚さ170g/m2の原紙の両面を
ポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク
受容層側のポリエチレン中の8質量%のアナターゼ型酸
化チタン含有;インク受容層面側に0.05g/m2
ゼラチン下引き層、反対側にTgが約80℃のラテック
ス性ポリマーをバック層0.2g/m2として有する)
に湿潤膜厚が210μmに成るように塗布し、約7℃に
一度冷却した後で20〜65℃の風を吹き付けて乾燥し
インクジェット記録用紙−1〜6を作製した。インク吸
収層は空隙層であることを確認した。
【0130】比較例 実施例1のシリカ分散液−2を調製する際に、カチオン
性ポリマー(P−9)を使用しない以外は実施例1と同
様にして比較の記録用紙X1〜X6を作製した。得られ
た各々の記録用紙について以下の項目を評価した。
【0131】(1)インク吸収性 セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンタ
ーPM700Cを用いて画像プリントを行った(高精細
カラーデジタル標準画像データ「N5・自転車」、財団
法人 日本規格協会 1995年12月発行)。
【0132】得られたプリントのチャート部分および時
計部分を目視にて判定し以下の基準でインク吸収速度を
評価した。
【0133】(A)時計部分・チャート部分の境界での
色滲みが全くなし (B)時計部分で僅かに境界の滲みが認められるがチャ
ート部分では滲みがない (C)時計部分で文字が殆ど潰れておりまた、チャート
部分の境界領域で滲みも約半数以下で滲みがある (D)チャートの境界部分の大部分で境界色滲みが認め
られる (2)耐水性 (1)で作製したのと同様にして得られたプリントを約
1分間、30℃の水に浸漬したあと自然乾燥した。
【0134】得られたプリントにつき染料の白地部分へ
の流出度合いから目視で4段階評価を行った。
【0135】(A)流出痕跡が殆どなし (B)流出痕跡があるが画像全体に与える影響は殆どな
い (C)部分的な流出痕跡が激しい (D)画像全体に流出痕跡が激しい (3)耐光性 (1)で使用したプリンターを使用し、シアンのベタ画
像をプリントした。
【0136】得られたプリント画像をXeフェード−O
−メータにて約5万Luxの照度で100時間、300
時間光照射した。光照射前後の反射濃度の比を色素残存
率として耐光性の尺度とした。得られた結果を表1に示
す。
【0137】
【表1】
【0138】 A−1:日本化薬株式会社製・カヤフィックスM A−2:日華化学株式会社製・ネフィックスRP−70 A−3:日成化成株式会社製・ダイジンフィックス40
0 A−4:大原パラヂウム化学株式会社製・パラフィック
スEP 表1に示す結果から、第4級アンモニウム塩基を有する
カチオン性ポリマー(P−9)を含有する記録用紙、更
にポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮
合物を添加した本発明の記録用紙(2〜5)はいずれも
インク吸収性や耐水性を悪化させずに耐光性が改良され
ていることが分かる。
【0139】また、ポリアルキレンポリアミン・ジシア
ンジアミド系重縮合物を増量した記録用紙6でも同様に
インク吸収性、耐水性、耐光性ともに良好であることが
分かる。
【0140】これに対して、第4級アンモニウム塩基を
有するカチオン性ポリマーのみを含有し、ポリアルキレ
ンポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含まない
比較記録用紙1は耐光性及び耐水性が悪く、また、第4
級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを含有
せずポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系重
縮合物のみを有する記録用紙(X2〜X6)は耐水性が
不十分であるだけでなく耐光性のレベルも不十分であ
る。
【0141】実施例2 実施例1の記録用紙2の作製において、ポリアルキレン
ポリアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を表2に示す
ホルマリン・ジシアンジアミド系重縮合物に変更した以
外は記録用紙2と同様にして記録用紙12〜14を作製
した。
【0142】また、実施例1の記録用紙X2の作製にお
いて、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド系
重縮合物を表2に示すホルマリン・ジシアンジアミド系
重縮合物に変更した以外は記録用紙X2と同様にして記
録用紙X12〜X14を作製した。得られた各記録用紙
を実施例1と同様の評価をした。結果を表2に示す。
【0143】
【表2】
【0144】 B−1:三洋化成工業株式会社製・サンフィックス70 B−2:第一工業製薬株式会社製・アミゲン B−3:モーリン化学工業株式会社製・フィックス30
0B 表2の結果から、ポリアルキレンポリアミン・ジシアン
ジアミド系重縮合物を、ホルマリン・ジシアンジアミド
系重縮合物に変更しても本発明の効果が得られることが
分かる。
【0145】実施例3 実施例1で使用したカチオン性ポリマーを例示P−13
に変更した以外は実施例1と同様にして試料を作製し、
同様な評価を行い、その結果を表3に示す。
【0146】
【表3】
【0147】表3に示す結果から、第4級アンモニウム
塩基を有するカチオン性ポリマーをP−9からP−13
に変更しても実施例1と同様の効果が得られることが分
かる。
【0148】実施例4 実施例1の記録用紙2の作製において、「塗布液の調
製」の工程で、ラテックス性ポリマー(大日本インキ化
学工業(株)社製:ボンコートSFC−55/Tg=0
℃)を表4に示すような付量になるように添加し、それ
以外は記録用紙2の作製と同様にして記録用紙2A、2
B、2Cを作製し、実施例1と同様の評価を行った。結
果を表4に示す。
【0149】
【表4】
【0150】表4から明らかなように、実施例1の記録
用紙2の結果に比して、インク吸収層中に、ラテックス
性ポリマーを含有させることにより、本発明の効果をよ
り奏している点が分かる。
【0151】実施例5 実施例1で作製した比較の記録用紙X1〜X6の上に、
例示シランカップリング剤(SC−2)を記録用紙1m
2当たり1.0gをオーバーコートして表5のような記
録用紙51〜56を作製した。実施例1と同じくインク
吸収性、耐水性、耐光性を評価した結果を表5に示す。
【0152】
【表5】
【0153】表5から明らかなように、ジシアンジアミ
ド系重縮合物を含有し、且つ、シランカップリング剤を
オーバーコートした本発明の記録用紙52〜56はいず
れもインク吸収性、耐水性を悪化させずに耐光性が優れ
ていることが分かる。
【0154】これに対してジシアンジアミド系重縮合物
を含有せず、シランカップリング剤をオーバーコートし
た比較の記録用紙51はインク吸収性、耐水性は良好で
あるが、耐光性が非常に劣ることが分かる。
【0155】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明のインク
ジェット記録用紙及びその製造方法は、インク吸収速度
に悪影響を及ぼすことなく耐水性及び耐光性を改良し、
優れた効果を有する。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA01 BA15 BA35 BA36 4D075 AE03 CA35 DA04 DB18 DC27 EA06 EA07 EB39 EB46

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、分子内に第4級アンモニウ
    ム塩基を有するカチオン性定着剤及びジシアンジアミド
    系重縮合物を含有するインク吸収層を有することを特徴
    とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 支持体上に、分子内に第4級アンモニウ
    ム塩基を有するカチオン性定着剤及びポリアルキレンポ
    リアミン・ジシアンジアミド系重縮合物を含有するイン
    ク吸収層を有することを特徴とするインクジェット記録
    用紙。
  3. 【請求項3】 支持体上に、分子内に第4級アンモニウ
    ム塩基を有するカチオン性定着剤及びホルマリン・ジシ
    アンジアミド系重縮合物を含有するインク吸収層を有す
    ることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記インク吸収層が、ラテックス性ポリ
    マーを含有することを特徴とする請求項1、2又は3に
    記載のインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 前記インク吸収層の少なくと1層が空隙
    層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 分子内に第4級アンモニウム塩基を有す
    るカチオン性定着剤及びジシアンジアミド系重縮合物を
    含有するインク吸収層形成用水溶性塗布液を用いること
    を特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 分子内に第4級アンモニウム塩基を有す
    るカチオン性定着剤及びポリアルキレン・ジシアンジア
    ミド系重縮合物を含有するインク吸収層形成用水溶性塗
    布液を用いることを特徴とするインクジェット記録用紙
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 分子内に第4級アンモニウム塩基を有す
    るカチオン性定着剤及びホルマリン・ジシアンジアミド
    系重縮合物を含有するインク吸収層形成用水溶性塗布液
    を用いることを特徴とするインクジェット記録用紙の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100379577C (zh) * 2003-03-28 2008-04-09 王子制纸株式会社 喷墨记录介质

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