JP2000315712A - 半導体デバイスの生産方法 - Google Patents

半導体デバイスの生産方法

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JP2000315712A JP2000070992A JP2000070992A JP2000315712A JP 2000315712 A JP2000315712 A JP 2000315712A JP 2000070992 A JP2000070992 A JP 2000070992A JP 2000070992 A JP2000070992 A JP 2000070992A JP 2000315712 A JP2000315712 A JP 2000315712A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速、高精度に、全自動で異物等の欠陥を検出
できるようにして、全数の欠陥検査、十分な欠陥検査頻
度の抜き取り検査を実現し、高効率の半導体デバイス生
産方法を提供する。 【解決手段】半導体デバイスの生産方法において、基板
に対して処理を施す前に基板を光学的に検査して基板上
の所定の領域の異物の状態を検出し、異物の状態を検出
した基板を基板処理装置で処理し、処理した基板を再度
光学的に検査して基板上の所定の領域の異物の状態を検
出し、処理前に検出した基板上の所定の領域の異物の状
態と処理後に検出した基板上の所定の領域の異物の状態
とに基づいて、基板処理装置の異物発生状態を監視しな
がら基板を処理し、監視により基板上の所定の領域の異
物の発生の異常を検出したときには警報を発するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSI等の半導体製造
工程、液晶表示素子製造工程等で、基板上にパターンを
順次形成して対象物を製作していく半導体デバイスの製
造工程で、発生する異物等の欠陥を検出し、分析して対
策を施す製造工程における異物等の欠陥発生状況を解析
等をする半導体デバイスの生産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のLSI等の半導体デバイスの製造
工程では半導体基板(ウェハ)上に異物が存在すると配
線の絶縁不良や短絡などの不良原因になり、さらに半導
体素子が微細化して半導体基板中に微小な異物が存在し
た場合にこの異物がキャパシタの絶縁膜やゲート酸化膜
などの破壊の原因にもなる。これらの異物は搬送装置の
稼動部から発生するものや、人体から発生するものや、
プロセスガスによる処理装置内で反応生成されたものや
薬品や材料等に混入されているものなどの種々の原因に
より種々の状態で混入される。
【0003】同様に、半導体デバイスである液晶表示素
子の製造工程でも、パターン上に異物が混入したり、何
らかの欠陥が生じると、表示素子として使えないものに
なってしまう。プリント基板の製造工程でも状況は同じ
であって、異物の混入はパターンの短絡、不良接続の原
因に成る。
【0004】従来のこの種の半導体基板上の異物を検出
する技術の1つとして、特開昭62−89336号公報
に記載されているように、半導体基板上にレーザを照射
して半導体基板上に異物が付着している場合に発生する
異物からの散乱光を検出し、直前に検査した同一品種半
導体基板の検査結果と比較することにより、パターンに
よる虚報を無くし、高感度かつ高信頼度な異物及び欠陥
検査を可能にするものが、また、特開昭63−1358
48号公報に開示されているように、半導体基板上にレ
ーザを照射して半導体基板上に異物が付着している場合
に発生する異物からの散乱光を検出し、この検出した異
物をレーザフォトルミネッセンスあるいは2次X線分析
(XMR)などの分析技術で分析するものがある。
【0005】また、上記異物を検査する技術として、ウ
エハにコヒーレント光を照射してウエハ上の繰り返しパ
ターンから射出する光を空間フィルターで除去し繰り返
し性を持たない異物や欠陥を強調して検出する方法が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、半導
体製造工程の量産立上げ時と量産ラインは区別されてお
らず、量産立上げ作業で使用した検査装置がそのまま量
産ラインでも適用されており、量産ラインでは異物等の
欠陥の発生をいち早く感知し対策を施す必要がある。と
ころが従来の検査装置は装置規模が大きく、独立して設
置せざるおえない構成であったため、製造ラインで処理
した半導体基板、液晶表示素子基板およびプリント基板
を検査装置の箇所に持ち込んで異物等の欠陥の検査をす
るものであった。したがって、これら基板の搬送、異物
等の欠陥の検査に時間を要し、全数の検査が難しかった
り、抜き取り検査であっても十分な検査頻度を得ること
は難しいという課題を有していた。また、このような構
成には人手が必要であるという課題を有していた。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく、高速、高精度に、全自動で異物等の欠陥を検
出できるようにして、全数の欠陥検査、十分な欠陥検査
頻度の抜き取り検査を実現し、高効率の基板製造ライン
を得るようにした欠陥検出装置およびその方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、半導体基板に対して処理を施す処理手段
を複数備えて構成した半導体デバイスの製造ラインによ
る半導体デバイスの生産方法において、半導体デバイス
製造ラインは、複数備えた処理手段の内の第1の処理手
段から第2の処理手段へ半導体基板を搬送する搬送経路
の途中に異物検出手段を設け、この異物検出手段を用い
て第1の処理手段により処理された基板上の所定の領域
の異物の状態を第1の処理手段で半導体基板に対して所
定の処理を施すのに要する時間以内の時間で検出し、検
出した異物の状態のデータを用いて第1の処理手段の異
物の発生の状態を監視しながら半導体デバイスを生産す
るようにした。 また、本発明では、上記目的を達成するために、半導体基
板に対して処理を施す処理手段を複数備えて構成した半
導体デバイスの製造ラインによる半導体デバイスの生産
方法において、半導体デバイス製造ラインは、複数備えた
処理手段の内の一つの処理手段で処理した半導体基板上
の異物を検出する異物検出手段を備え、この異物検出手
段で半導体基板上の所定の領域の異物の状態を処理手段
で1枚の半導体基板の処理に要する時間以内の時間で検
出し、この検出した異物に関するデータを用いて処理手
段の異物の発生の状態を監視し、処理手段の異物の発生
の状態の異常を検出したときには警告を発するようにし
た。 また、本発明では、上記目的を達成するために、半導体基
板に対して処理を施す処理手段を複数備えて構成した半
導体デバイスの製造ラインによる半導体デバイスの生産
方法において、半導体デバイス製造ラインは、複数備えた
処理手段の内の一つの処理手段で処理した半導体基板上
の異物を検出する異物検出手段を備え、この異物検出手
段で半導体基板上の所定の領域にライン状の光を照射
し、この照射による半導体基板からの反射光をラインセ
ンサで受光して所定の領域の異物を検出し、この検出し
た異物の状態のデータを用いて処理手段の異物の発生の
状態を監視しながら半導体デバイスを生産するようにし
た。 また、本発明では、上記目的を達成するために、半導体基
板に対して処理を施す処理手段を複数備えて構成した半
導体デバイスの製造ラインによる半導体デバイスの生産
方法において、半導体デバイス製造ラインは、複数備えた
処理手段の内の第1の処理手段で処理した半導体基板上
の異物を検出する異物検出手段を備え、この異物検出手
段で半導体基板上の繰返しパターンが形成された所定の
領域に光を照射し、この照射による半導体基板からの反
射光を空間フィルタを介して受光素子で受光し、この受
光した反射光の情報から所定の領域の異物を検出し、こ
の検出した異物のデータを用いて第1の処理手段の異物
の発生の状態を監視しながら半導体デバイスを生産する
ようにした。
【0009】
【作用】本発明では、量産ラインに異物及び欠陥検査装
置を配置し、実時間サンプリングを実現するものであ
り、異物モニタリング装置を小型にし、半導体等の基板
製造ラインの処理装置の入出力口あるいは処理装置間の
搬送系中に載置できるように構成した。
【0010】即ち、本発明は、複数の処理装置を備えた
量産半導体等の基板製造ラインにおいて、照明アレイか
ら成る斜方照明系とレンズアレイまたはマイクロレンズ
群から構成された結像光学系と該結像光学系のフ−リエ
変換面に配置された空間フィルタと上記結像光学系の結
像位置に配置された検出器とを備えて半導体基板上の異
物の発生状況を検出する異物モニタリング装置を、所定
の処理装置の入口、または該出口、または複数の処理装
置の間の搬送系に設置することにより、板製造工程にお
ける該処理装置による基板上の異物欠陥の発生状態を検
出することができる。この異物欠陥発生状況を処理し、
発生モードを分類することにより、また、発生した異物
欠陥の成分を分析することにより異物欠陥発生原因を究
明することができる。
【0011】これは、従来技術の装置規模が大きいうえ
に検査時間も長くかかり、これらの従来装置を用いて実
時間モニタを実現するには、大規模な装置を数多く並べ
る必要がありこれは事実上困難であった。現実的には、
1ロット、あるいは数ロットあるいは1日毎に1枚の半
導体基板を検査するのが限界であった。このような頻度
の異物及び欠陥検査では、異物の発生を十分に早く感知
したとはいえない。すなわち、量産ラインに対し、理想
的な実時間サンプリングには程遠いものであった。そこ
で本発明の構成をもつ異物欠陥検査装置により、必要に
して十分な箇所に必要十分なモニタを設置することによ
り量産ラインの工程数及び設備を低減することができ
る。
【0012】また、全自動の搬送系上に載置可能な異物
検査装置を実現ることにより、人手を介さない検査ライ
ンを構成することができる。
【0013】LSIの量産立上げの主要作業のうちの1
つに、これらの異物の発生原因を究明して対策を施す作
業があり、それには発生異物を検出して元素種などを分
析することが発生原因探求の大きな手がかりになる。一
方、量産ラインでは、これらの異物の発生をいち早く感
知し対策を施す必要がある。異物発生から異物発生の感
知まで時間が経過した場合不良の発生数は大きくなり歩
留りは下がる。従って、高い歩留りを維持するためには
異物発生からその感知までの経過時間を短縮することが
欠かせない。つまり、モニタのサンプリングタイムを短
くできる異物欠陥検査装置により、量産ラインでの実時
間のサンプリングを可能にし、異物及び欠陥検査の効果
を最大限に出すことができる。
【0014】本発明では、処理装置の入口、または該出
口、または、複数の処理装置の間の搬送系に設置するこ
とにより、実時間で半導体基板上の異物の発生状況を検
出できる。
【0015】また、本発明は、量産立上げ時の評価が円
滑、迅速に進むようにサンプリング半導体基板を工夫し
た異物検出分析システムを用いて異物の発生原因を究明
して材料入手時の検査仕様を変更したり設備の発塵源の
対策を立て、その結果がそれぞれの材料、プロセス、装
置等にフィードバックされて発塵しやすいプロセスの仕
様を発塵に対して強い素子の設計仕様とすると同時に、
量産ラインの検査、評価の仕様作りに利用され異物の発
生しやすい箇所に必要に応じて半導体基板上の異物モニ
タを設置し、あるいは、特定箇所の特定の異物の増減の
みをモニタする仕様とするものである。これにより、半
導体製造工程の量産立上げ時には材料、プロセス、装
置、設計等の評価、改良(デバック)を行なうために高
価で高性能な評価設備により各プロセス、設備等を評価
し、量産時には生産ラインの工程数及び設備をできる限
り低減し特に検査、評価の項目を減らして設備の費用お
よび検査、評価に要する時間を短縮することができるの
である。
【0016】上記のように量産立上げ時と量産ラインを
分けることにより、量産立上げ時の異物の検出、分析、
評価装置を効率よく稼動させることができて量産立上げ
を迅速にできるとともに、量産ラインで用いられる異物
の検査、評価設備を必要最小限の簡便なモニタリング装
置にして量産ラインの軽量化が図られる。
【0017】また、本発明の上記量産ラインのモニタリ
ング装置において、高速小型でかつ従来の大型の装置と
同等の機能を持つ検査装置を現状の技術で解決するため
に、以下の方法に着目した。まず、メモリの繰り返し性
に着目した。従来から繰り返しパターンを除去し欠陥を
検出する方法は知られている。この方法は確実に検出性
能を確保できる。しかし、この方法は上記のモニタリン
グ装置を実現する上で好都合なことは触れられていな
い。さらに、この場合のモニタは半導体基板上の全ての
点をモニタする必要はなくある特定の比率で半導体基板
上を監視していればよく、繰り返しパターンの多いメモ
リの製造では、このメモリの繰り返し部だけをモニタす
るだけでも効果は大きいことに着目した。
【0018】繰り返しパターンでは、コヒーレント光を
照射するとある特定の方向にだけ光が射出する。すなわ
ちメモリの場合は繰り返し部分から特定の方向に射出す
る光を空間フィルタによって遮光することができ、繰り
返して発生することがない異物を高感度で検出すること
ができる。この際、空間フィルタとして液晶を用いれば
液晶のオンオフで空間フィルタの形状を任意に変更でき
るため任意の繰り返しパターンの検査を自動でできるこ
とになる。
【0019】上記手段で半導体製造時の歩留りが向上す
るのは以下の理由による。半導体基板上の異物個数の厳
密な検出実験により、異物個数は徐々に増減するもので
はなく、突発的に増減するものであることが新たに判明
した。従来は、異物の個数は徐々に増減するものと考え
られていたため、上述したようにロットで1枚ないし1
日1枚等の頻度で異物等の欠陥について検査されてい
た。ところが、この検査頻度では突発的な異物の増加が
見落とされたり、増加したまましばらくたってから検出
されたりすることになり、相当数の不良が発生すること
になる。すなわち、量産ラインでは異物の発生をいち早
く感知し対策を施す必要があり、異物発生から異物発生
の感知まで時間が経過した場合不良の発生数は大きくな
り歩留りは下がる。従って、異物発生からその感知まで
の経過時間を短縮することにより高い歩留りを維持する
ことができる。つまり、モニタのサンプリングタイムを
短くすること、理想的には、実時間のサンプリングによ
り、異物等の欠陥についての検査の効果を最大限にだす
ことができる。
【0020】さらに、従来装置では半導体基板を抜き取
って検査しており、この際には半導体基板上に新たな異
物が付着することになり、やはり歩留りを低下させる。
本発明による異物及び欠陥検査装置では半導体基板を抜
き取らないで検査できるためこの半導体基板への異物付
着による歩留り低下もなくすことができる。
【0021】高速小型の異物検査装置を実現する上で、
この空間フィルターを用いた方法は従来技術(特開昭6
2−89336号公報)に示した偏光検出法より適して
いる理由を図64、65、66を用いて説明する。
【0022】試料に光を照明し異物からの散乱光を検出
する方法では、試料表面に形成されたパターンからの散
乱光がノイズになる。このノイズは、図64(c)に示
したように検出器2006の画素(1つの信号として検
出される最小単位)サイズが大きいほど大きくなる。ノ
イズ源になるパターンは試料上ほぼ全面に形成されてい
るため、ノイズは画素サイズに比例して大きくなる。
【0023】一方で、画素数が多いほど検査時間がかか
るため、高速検査を実現するためには画素サイズを大き
くする必要がある。したがって、画素サイズを大きくし
て、ノイズレベルも小さくする必要がある。このノイズ
レベルを小さくする方法として、小泉他、「LSIウエ
ハパターンからの反射光の解析」、計測自動制御学会論
文集、17−2、77/82(1981)に、偏光を利
用した方法が解析されている。これによれば、偏光を利
用することによって、パターンからの散乱光(ノイズ)
を減衰させることができる。ところがこの方法による散
乱光の減衰率は、上記論文に解析されている通り、検出
器の方向に依存する。このため、結像光学系を用いたよ
うに様々な方向に射出した光を集光する場合、それぞれ
の減衰率を積分すると減衰率は0.1%から0.01%
程度になる。
【0024】これに対し、本出願の空間フィルターを用
いた方法では、減衰率を0.001%から0.0001
%にできる。この理由を図65、図66を用いて説明す
る。
【0025】繰り返しパターンの形成されたウエハ20
01を照明光2002で照明し、照明した領域をレンズ
系2003、2005を用いて検出器2006に結像す
る。ここで、空間フィルター2004を載置したフーリ
エ変換面でのパターンからの射出光の強度分布を図66
に示す。繰り返しパターンからの射出光はパターンのピ
ッチに応じた位置に集中する。この集中の比率を算出し
た例として、複スリットの場合の回折光強度分布が久保
田宏著、「応用光学」(岩波)に説明されている。これ
によれば、スリットの数(本出願では同時に照明される
繰り返しパターンの数)が多くなれば、集中の比率が大
きくなる。この比率はフーリエ変換F[]を用いても算
出できる。照明されたパターンの形状をa(x,y)と
すると、空間フィルターの位置の光強度分布はF[a
(x,y)]となる。空間フィルターの形状をp(u,
v)とすると、p(u,v)*F[a(x,y)]が、
空間フィルターを通過する光となる。また空間フィルタ
ーに相補的な図形の形状を ̄p(u,v)とすると、 ̄
p(u,v)*F[a(x,y)]は、空間フィルター
によって遮光される光成分である。この2つの成分の比
率が先の減衰率になる。
【0026】パターンの繰り返し数が3の時のこの減衰
率を算出すると0.001%程度である。繰り返し数が
5の時0.0001%程度になり、さらに繰り返し数を
多くすれば減衰率は低下する。従って、偏光を用いるよ
りも減衰率を低できることになる。
【0027】以上の計算は、パターン形状及びその他の
条件が理想的な場合であって、現実の実験結果とは必ず
しも一致しない可能性がある。しかしながら、偏光方式
よりも1桁から3桁減衰率が低下し、パターンノイズを
低減できるという実験結果を得ている。
【0028】
【実施例】以下に本発明のオンラインモニターの具体的
実施例の構成をを図1から図7を用いて説明する。
【0029】本実施例は、図1に示すように、照明手段
102、検出光学系103、回転合わせ機構105、空
間フィルターユニット106、検出器107、回転検出
手段108、オペアンプ201、A/D変換器202よ
り構成される検出ヘッド101、ピッチ検出手段21
2、オペレータ処理系203、異物データメモリ20
6、パターンメモリ208、ソフト処理系210、パラ
メータ伝達手段209、異物メモリ211、座標データ
作成手段232、マイクロコンピュータ229、表示手
段230より構成される。
【0030】また、図2に示すように、照明手段102
は、半導体レーザ112、コリメータレンズ113、凹
レンズ114、レシーバレンズ115よりなるビームエ
キスパンダ、シリンドリカルレンズ116、ミラー11
8より構成され、検出光学系は、フーリエ変換レンズ1
08、空間フィルターユニット106、回転検出手段1
08、フーリエ変換レンズ111より構成される。
【0031】また、図3に示すように、空間フィルター
ユニット106は、コイルばね121、122、複数の
直線状空間フィルター141、コイルばね支え119、
120、ガイド125、右ねじ部127、左ねじ部12
8を有するねじ126、ウオームギア129、130、
モータ140より構成される。また、空間フィルターユ
ニット106には、回転検出用の検出器123、124
が設置されている。
【0032】また、図4に示すように、オペレータ処理
系203は、4画素加算手段214、8値化手段21
5、複数のラインメモリ216からなる切り出し手段2
04、バッファメモリ217、判定画素切り出し手段2
18、オペレータ切り出し手段219、231、複数の
異物比較回路220よりなる比較回路群、しきい値設定
回路221、OR回路224、AND回路226より構
成される。
【0033】また、図5に示すように、ピッチ検出手段
212は、FFT回路242、オペレータピッチ算出手段
241、フィルターピッチ算出手段244、空間フィル
ター制御系243より構成される。
【0034】また、図6に示すように、回転合わせ機構
105は、回転ガイド151、回転バー152、ばね1
53、ピエゾ素子154、ピエゾ素子コントローラー1
55、架台156より構成される。
【0035】(関係)基板1は照明手段102で照明さ
れ、表面の異物、欠陥あるいはパターンからの散乱光あ
るいは回折光が取り込まれ、空間フィルターユニット1
06で光学的なフィルターリング処理が施され、検出光
学系103内の検出器107で検出される。検出された
信号は検出ヘッド101内のオペアンプ201でインピ
ーダンスの大きなノイズののりにくい信号に増幅され、
A/D変換器202でデジタル信号に変換されてオペレ
ータ処理系203に伝送される。回転検出手段108で
基板1の回転方向が計測され、回転制御手段213で制
御される回転合わせ機構105で基板1に対して予め回
転方向が合わせられる。また、検出光学系は103は、
十分大きな焦点深度を有するため、基板1を搬送系(図
示せず。)で機械精度で搬送してくれば、自動焦点合わ
せは基本的には不要である。具体的には、約800nm
の波長を用い開口数0.08の場合、焦点深度は約±1
00ミクロンで有る。もちろん、自動焦点機構を持って
も問題ない。
【0036】ピッチ検出手段212では、検出信号から
基板1上のパターンの繰り返しピッチ、及びチップのピ
ッチが計測される。オペレータ処理系203でパラメー
タ伝達手段209により伝達されたチップの繰り返しピ
ッチ等の情報を基に、チップピッチの繰り返し性を利用
してパターン情報が除去される。結果は、異物データメ
モリ206、パターンメモリ208に格納され、さら
に、パラメータ伝達手段209により伝達されたテスト
エレメントグループの位置座標チップの繰り返しピッチ
等の情報を基に、チップ間の繰り返し性を持たないテス
トエレメントグループ等のパターン情報がソフト処理系
210で除去され、異物メモリ211に格納される。こ
こで、座標データ作成手段232により、座標データが
作成され、異物情報と同時に必要に応じ格納される。以
上の処理は、マイクロコンピュータ229により管理さ
れ、表示手段230より表示される。
【0037】また、図2に示すように、照明手段102
では、半導体レーザ112からの光が、コリメータレン
ズ113、凹レンズ114、レシーバレンズ115によ
り平面波としてコリメートされ、シリンドリカルレンズ
116、ミラー118を通して基板1上を照明する。こ
こで、シリンドリカルレンズ116により、照明は、図
に示すように、x方向のみコリメートされ、y方向は基
板上で集光される。検出光学系103では、フーリエ変
換レンズ110でフーリエ変換された光束が空間フィル
ターユニット106により光学的なフィルタリング処理
が施され、さらにフーリエ変換レンズ111より検出器
107上に基板上の像が結像される。
【0038】また、図3に示すように、空間フィルター
ユニット106では、ガイド125にガイドされなが
ら、右ねじ部127、左ねじ部128を有するねじ12
6の回転により移動するコイルばね支え119、120
により、コイルばね121、122、のコイル間に渡さ
れた黒色の直線状空間フィルター141間のピッチが変
化させられる。動力は、ウオームギア129、130を
介して、モータ140より供給される。
【0039】また、空間フィルターユニット106上に
設置された回転検出用の検出器123、124により基
板の検出ヘッド101に対する基板1の回転方向に傾き
が計測される。この図3は図の見やすさの点から、検出
光が上方2の方向から入射するように記述してある。
【0040】また、図4に示すオペレータ処理系203
では、検出信号の周囲の画素2x2が4画素加算手段2
14により加算され平均化される。この処理は、平均化
による安定検出が目的であるが、検出性能(検出感度)
自体はやや落ちるため、必要に応じバイパスできるよう
バイパス手段が設置されている。加算された信号は、8
値化手段215により8値化され、複数のラインメモリ
216からなる切り出し手段204を通して2次元の画
像データとしてバッファメモリ217に格納される。格
納された後、判定画素切り出し手段218、オペレータ
切り出し手段219、231、により、2次元の画像デ
ータの中から必要なデータが切り出され、比較回路21
9に送られる。ここで、検出器107は高速のステージ
走査による高速検出が可能なように1次元のリニアセン
サを用いている。この検出器107からのデータを2次
元画像に変換するのがラインメモリ216とバッファメ
モリ217であり、検出器107からの信号が1画素ず
つ送られる度に画像全体がx方向に1画素ずつ移動す
る。いわゆるパイプライン処理で有る。複数の異物比較
回路220よりなる比較回路群、閾値設定回路221、
OR回路224、AND回路226により、後に説明す
る論理により異物信号が抽出される。
【0041】また、図5に示すピッチ検出手段212で
は、FFT回路242により検出画像のフーリエ変換処理
が施され、この結果からオペレータピッチ算出手段24
1によりオペレータピッチが、フィルターピッチ算出手
段244により空間フィルターピッチが算出され、空間
フィルター制御系243及びオペレータ切り出し手段2
19、231に送られる。
【0042】また、図6に示す回転合わせ機構105で
は、回転ガイド151をガイドとして、回転バー152
を設置した検出光学系ヘッド101が、回転検出手段1
08からの情報を基に、ピエゾ素子コントローラー15
5により制御されるピエゾ素子154の伸縮により回転
制御される。ばね153は、ピエゾ素子154と回転バ
ー152が接するように設置されたもので有り、ばね1
53をなくして、ピエゾ素子154と回転バー152を
直接固定しても差しつかえない。この構成により架台1
56上に設置された、回転ガイド151に対して検出光
学系ヘッド101が回転制御される。ここでは、ピエゾ
素子を用いた駆動系を示したが、必ずしもピエゾ素子で
ある必要はなく、回転モータを用いた直線移動機構を構
成しても、回転ガイド151自体として回転駆動可能な
モータを用いても、また、超音波を用いたようなその他
の、回転、直線駆動機構であっても差しつかえない。こ
こでピエゾ素子を用いたのは、ピエゾ素子154が小型
で、高精度の駆動性能を有するからである。
【0043】(原理)本発明のパラメータ圧縮型空間フ
ィルター(PRES(Parameter Reduction Spatial)フ
ィルター)の原理について説明する。
【0044】従来からウエハ表面のパターンの繰り返し
性を用いて、非繰り返し性を有する異物あるいは欠陥を
検出しようとする技術が開示されている。しかしながら
繰り返し性を有するパターンとは言っても繰り返し周
期、基本パターンの形状によって回折パターンの形状は
異なる。そのため、対象となる繰り返しパターンの形状
に合わせて遮光板であるところの空間フィルターの形状
を変えなくてはならなかった。この空間フィルターの変
更方法として、写真乾板を用いた方法などが開示されて
いる。これらの方法では、対象に応じた空間フィルター
を作成するのに時間がかかったり、大規模の装置が必要
だったりした。
【0045】具体的には図7(a)に示すように斜方か
らコヒーレント光すなわち平面波で照明した場合、例え
ば図7(b),(c)に示すような回折パターンがフー
リエ変換の位置で観察されたとする。この場合、基板上
のパターンのピッチが変わった時、回折パターンのピッ
チpx、pyのみならず、全体の位相φが変化する。
【0046】さらに基板上パターンの基本形状が変わる
と回折パターンを形成する点パターンの配置が変化す
る。すなわち、フーリエ変換面状の回折パターンを記述
するパラメータが多くパターン形状に対応するのは困難
であった。
【0047】ここで、図8(a),(b)に示したよう
な平面波ではなく、図8(d),(c)に示すようなx
方向には試料1上で絞り込み、y方向はコヒーレントす
なわち平面波を照明した場合を考える。この場合、フー
リエ変換面ではu軸方向には結像せずu軸方向に圧縮さ
れた形状の回折パターンとなる。結果的に、空間フィル
ター106はv軸方向だけの1次元のパラメータに圧縮
されたことになる。ここで、圧縮された回折パターンの
v軸方向のピッチpは基板表面で照明されている領域の
y軸方向のピッチに応じたピッチとなる。また、1本1
本の線上の回折パターンの太さwは前側フーリエ変換レ
ンズ110のフーリエ変換面への開口数sinβにより決
定される。具体的には、照明系102の射出側開口数と
前側フーリエ変換レンズ110の開口数により決定され
る。従って、照明系102及びフーリエ変換レンズ11
0が決定されれば決まるものであって、検査対象である
基板1上のパターンの影響を受けない。しかしながら、
照明の開口数を変える場合などもあり、直線状空間フィ
ルター106の幅は可変であるほうがよい場合もある。
【0048】また、実際には、高速の検査を実現するた
めには、検出器107としてステージ(図示せず)の連
続走査が可能な1次元のイメージセンサーが適してい
る。この1次元のイメージセンサを用いた場合、照明の
効率を向上するには1次元のセンサの形状すなわち試料
1表面上で直線状の照明が適している。このような照明
を実現するためには、少なくても1方向を絞り込む必要
がある。すなわち、1方向コヒーレント照明は、照明強
度の効率向上のためにも大きな効果を有する。
【0049】以上説明したように、従来基板上のパター
ンの形状は千差万別であり、この千差万別のパターンに
対応するにはそれぞれのパターンに応じた空間フィルタ
ーが必要とされていた。しかしながら本発明によれば、
これら千差万別の空間フィルターも見方を変えればピッ
チpのみの関数と考えることができ、多次元のパラメー
タを持つ空間フィルターが1次元に圧縮されたことにな
る。このように空間フィルターのパラメータの次元を圧
縮することにより複雑な形状のため形状変化への対応が
むずかしかった空間フィルターを単純化して、全ての繰
り返しパターンに対応可能にすることができる。
【0050】以上の構成は、ウエハあるいは液晶表示素
子などの上の異物あるいは欠陥を検出するばかりではな
く、繰り返し性を有するパターンから非繰り返し性を有
する部分を検出すべきあらゆる検査対象に適用可能であ
る。具体的には、半導体マスク、レチクル、半導体行程
を用いるマイクロマシニング部品、その他のマイクロマ
シニング部品、プリント基板などに適用可能である。本
発明はこれら対象を検査する際に、対象毎に空間フィル
ターを交換することなしに空間フィルターリング技術を
適用しながら、照度の高い照明を実現することによっ
て、高速の検査を実現するものである。
【0051】(空間フィルター制御、オペレータピッチ
制御)図9(a),(b)に基づいて(A)空間フィル
ター106によるパターン消去方法とオペレータピッチ
処理系203における(B)ショット比較オペレータに
よるパターン消去方法とソフト処理系210(206〜
211)等における(C)ソフトにTEGパターン消去
方法について説明する。本発明では、数百ミクロンピッ
チ以下のセルの繰り返し性を空間フィルター106を用
いてパターン消去し、オペレータ処理系203(21
7)による(B)ショット比較オペレータによる数百ミ
クロンピッチ以上の繰り返しを隣接するチップ間(場合
によっては、1回の露光を意味するショト間)の繰り返
し性を用いてパターン消去し、さらに繰り返し性を持た
ないチップ(TEGパターン)はソフト処理系210
(206〜211)等において座標・マトリクスデータ
を用い検査しないようにデータを消去する構成をとって
いる。
【0052】ここで、それぞれの消去の際にそれぞれ必
要なパラメータがある。空間フィルター106による消
去の際には空間フィルターピッチ、チップ間繰り返しに
よる消去の際にはチップ間ピッチ、繰り返しを持たない
チップ(TEGパターン)の消去の際にはチップの位置
情報がそれぞれ必要になる。従って、本発明の検出ヘッ
ド101は、最低2チップを同時に検出できるのが望ま
しい。
【0053】即ち、検出ヘッド101の検出光学系10
3の視野サイズが最低2チップの長さ以上の長さが必要
になる。もちろんこの視野サイズがあれば望ましいとい
うだけのものであって、複数設置される検出ヘッド10
1の位置関係を正確に知っておき、この位置関係をパラ
メータ伝達手段209に記憶させておき、オペレータ処
理系203等で複数の検出ヘッド101間でこの比較処
理を実施する場合は、視野サイズが2チップ以上ある必
要はない。但し、光学系(検出ヘッド)101の必要精
度、オペレータ処理系203およびソフト処理系210
におけるデータ処理のための回路系の複雑さを考慮する
と視野サイズが2チップ以上の大きさを有しているのが
望ましい。
【0054】また、ここでは、2チップ以上として説明
したが、ステッパによりウエハ1上へパターンを転写す
る際に、マスクとして用いるレチクル上に2チップ以上
のチップが書き込まれている場合は、これらのチップ間
にテストエレメントグループ(TEG)と呼ばれるパタ
ーンが書き込まれている場合が多く、これらのパターン
も消去するためには、上記繰り返しピッチを用いて消去
する際に、チップ間のピッチを用いるのでなく、ショッ
ト(1回の露光で焼き付けられるパターン、レチクル上
のパターン)間のピッチ(パラメータ伝達手段209に
記憶される。)を用いる必要がある。もちろんこの方法
も必ずしも必要なものではなく、これら1ショット内に
形成されたTEGパターンは、後の処理で消去されても
問題ない。
【0055】これらの情報は基板1に対応させて事前に
測定されてパラメータ伝達手段209に記憶、される。
この記憶された情報の中から、基板に対応するパラメー
タが選択され、本発明の異物欠陥検査装置(ソフト処理
系210およびパラメータ伝達手段209を介してオペ
レータ処理系203)にフィードバックされる。従っ
て、この方法を、用いる際には基板を同定する必要があ
る。この同定を目的にして基板には基板に対応した番号
あるいは記号が記載されている。検査に先だってこの記
号を読み取り、番号から基板に製品版号、ロット番号、
品種を知り、本発明の異物検査装置が設置されている個
所のデータから工程を知り、パラメータ伝達手段209
を介してピッチ検出手段212に設定して空間フィルタ
ー106のピッチ、閾値の値を設定しても良い。
【0056】また本発明の異物欠陥方法を実現するに当
たっては、必ずしも、パラメータを上記説明したように
取得し上記のように本発明の装置に送る必要はない。む
しろ以下説明するように、本発明の装置により独自に取
得される場合の方が望ましい場合もある。上記の方法で
は、事前に入力するパラメータの値を知っておく必要が
あるが、独自に取得される場合はそのような手間がいら
ないからである。またもちろん、基板に記載された番号
を読む必要も無くなる。
【0057】本発明では、上記説明したように、複雑な
背景パターンを有する基板上に付着した異物あるいは欠
陥と背景パターンとを区別して異物あるいは欠陥を抽出
して検出するために3段階のパターン除去機能を有して
いる。このパターン除去機能は、事実上パターンと判断
された個所は検査対象とせず捨ててしまうことになる。
具体的には、数百ミクロンピッチ以下の繰り返しを空間
フィルター106で消去し、パラメータ伝達手段209
を介して与えられるパラメータに基づいてオペレータ処
理系203において数百ミクロンピッチ以上の繰り返し
をチップ間の繰り返し性を用いて消去し、さらに繰り返
し性を持たないチップはパラメータ伝達手段209に記
憶された座標・マトリクスデータに基づいてソフト処理
系210等で検査しないようにデータを消去する構成を
とっている。
【0058】このようにパターンが形成されている領域
を検査対象から外してしまうのは、以下の理由による。
パターンが形成されていても、隣接するチップには同じ
形状を持ち、同じ射出方向に同じ光量を射出するパター
ンが形成されている。従って、この2つのパターンから
の光の検出光強度を比較すれば、空間フィルター106
で消去できない形状のパターンが形成されている領域で
も異物あるいは欠陥の検査が可能となる筈である。しか
しながら、これらのパターンは特に散乱光を検出する場
合、検出光の強度は不安定になりやすく、上記説明し
た、比較によるパターン除去を実施すると虚報(異物で
ないパターン情報が異物として検出されてしまう。)
が、多くなる。そこで、パターンが形成されている領域
を検査対象から外してしまうのがむしろ有効になること
があるのである。すなわち、安定性を考えて、特に散乱
光を検出する場合、複雑なパターンが形成されている領
域を検査対象から外してしまうか、隣接するチップパタ
ーンからの光の検出光強度を比較することで異物検査す
るか決定されるべきである。
【0059】(パラメータの取得方法)以下、具体的な
パラメータの取得方法を図10を用いて説明する。検出
光学系101がウエハ1の繰り返しパターンを取り込め
る位置にウエハ1が搬送された次点で、空間フィルター
制御系243が空間フィルター106のピッチを最大位
置から最小位置まで変化させる。この時、1次元検出器
107に取り込まれた信号を全画素加算回路245は、
各画素の値が全て加算され、この加算値がピッチの変化
に対して最小となる位置のピッチがピッチ算出回路24
6により選択される。この値が、空間フィルター駆動機
構106’に送られ、空間フィルター106が所定のピ
ッチに設定される。
【0060】また、この空間フィルター106のピッチ
の選択に当たっては、このように空間フィルター106
を変化させなくても、図5に示す周波数分析を実施して
も算出できる。検出光学系101がウエハ1の繰り返し
パターンを取り込める位置にウエハ1が搬送された次点
での検出器107が検出した信号をFFT回路242に
より周波数分析し、この周波数分析の結果から、空間フ
ィルターピッチ算出手段244により周波数領域でピー
クとなる空間周波数になるように空間フィルターのピッ
チが選択される。この値が空間フィルター制御系243
を介して空間フィルター駆動機構106’に送られ、空
間フィルター106が所定のピッチに設定される。この
周波数分析に当たっては、高速フーリエ変換が処理速度
等から最も望ましいが、必ずしも高速フーリエ変換であ
る必要はなく他のアダマール変換、積分による周波数解
析、自己相関関数演算による方法等の方法であって問題
ない。またこの周波数解析による方法では、空間フィル
ターのピッチだけでなく、空間フィルターで除去できな
い成分を除去するための方法のためのチップ間ピッチ
(オペレータピッチ)も、オペレータピッチ算出手段2
41により同時に演算処理される。このチップ間ピッチ
は、周波数解析で算出されたものかつ検出光学系の視野
の1/2より小さいもののうち最大のものを用いるのが
望ましい。これは、最大のものが以下説明するショット
間ピッチに相当するばあいが多いからである。
【0061】以上のように検査のためのパラメータの値
が設定された後で、検査が実施される。
【0062】以上説明した方法は、搬送中のウエハ1の
最初の部分は異物検査ができないという問題を有してい
る。一方で、検査装置を他の信号伝達システムに対して
独立させることができると言う効果を有する。
【0063】(テレセントリック光学系)本発明では、
上記説明したように、数百ミクロンピッチ以下の繰り返
しを空間フィルター106で消去し、数百ミクロンピッ
チ以上の繰り返しをチップ間の繰り返し性を用いて消去
し、さらに繰り返し性を持たないチップは検査しないよ
うにデータを消去する構成をとっている。ここで、チッ
プ間の繰り返し性を利用してチップのパターンの検出信
号を消去する為に、チップ間の検出信号を比較してある
値より差の大きいときは異物として検出する構成をとっ
ている。つまり、隣接するチップないのパターンからの
散乱光あるいは回折光は強度が等しいことを前提にして
いる。そこで、隣接するチップの対応する位置からの光
を安定して検出する必要がある。ところが、パターンか
らの回折光は指向性があるため、視野が広く視野内の各
位置からレンズを見込む角度が大きく異なるような場
合、この指向性により視野内の位置により光強度が異な
ってしまう。
【0064】ここで、テレセントリック光学系103’
は、対象物1上の各点からの主光線を互いに平行にする
ことによって、焦点位置がずれた場合でも結像の倍率が
変わらないように開発された技術である。このテレセン
トリック光学系103’を本発明に用いることによって
上記の異物からの散乱光あるいは回折光の指向性による
検出光強度の変化を対策して、対象物の各点からの検出
光の強度を安定して一定に保つことができる。本発明に
より、対象物1の全ての点で同じ方向から照明して、全
ての点で同じ方向から検出できるためパターンからの回
折光あるいは散乱光に指向性があった場合でもパターン
の形状が同じであれば検出光の強度は同じになるからで
ある。
【0065】このように、倍率を変化させるのは画素サ
イズを変えるためである。画素サイズを大きくすると、
1つの信号として検出する領域が大きくなるため結果と
して検査速度を早くできるが、検出系の分解能は落ちる
ため、ちいさな異物あるいは欠陥の検出が難しくなる。
逆に、画素サイズを小さくすると分解能が高くなり、よ
り小さな欠陥あるいは異物を検査できるようになるが、
検査時間は長くかかってしまう。もちろんこの場合、光
学系の分解能も高くする必要が有る。
【0066】レンズの交換機構について図11を用いて
説明する。本実施例では、以上説明したように、1対1
の結像倍率のテレセントリック光学系103’を用いて
いる。本発明の効果を十分に得るためにはテレセントリ
ックであることが重要であり、図11(a)に示すように
1対1の倍率である必要はない。従って、他の倍率の光
学系を用いることもでき、この他の倍率の光学系を実現
するに当たって、図11(b)に示すように、空間フィル
ターを挟んだ2つのフーリエ変換レンズ110、111
の一方、(具体的には物体側のレンズが最適である
が、)をフーリエ変換レンズ161に交換することで倍
率を変更できる。この様な構成により、像側のレンズ1
11及び検出器107を交換する必要がなくなるため、
結果的に倍率の異なる光学系を安価に供給できることに
なる。
【0067】以上のように、テレセントリック光学系1
03’、あるいは基板1上の各点から射出する主光線が
検出光学系103の瞳(空間フィルター106が配置さ
れた面)の中央を通る光学系は、空間フィルター106
を用いる異物欠陥検査装置に用いると大きな効果が期待
できるが、必ずしも、空間フィルター106を用いる場
合だけでなく、空間フィルター106を用いない欠陥異
物検査に適応しても、検出高強度を安定して検出できる
という効果を生む。特に、視野の大きな光学系を用いる
場合、有効である。
【0068】(PRESフィルター基本概念)以上説明
したように、本発明によるPRESフィルターは、テレ
セントリック型の検出レンズと、片軸のみコヒーレント
な照明系と併用すると最大の効果を発揮できるが、本発
明の本来の目的である空間フィルター106を用いた異
物等の欠陥検査装置を実現するに際しては、必ずしもこ
れらと併用する必要はない。照明を片側のみコヒーレン
トにするのは空間フィルターを用いる際コヒーレントが
必要であり、片側で十分であるからである。さらに、片
側がコヒーレントでないことにより、物体上で照明光束
を絞り込むことができ、照明強度を大きくできるという
効果がある。逆に言えば、照明光強度を十分に得られる
場合は、照明はx方向y方向両側ともコヒーレントであ
っても差しつかえない。つまり、本発明の本質は、1次
元に圧縮して空間フィルター106であっても基板(ウ
エハ)1の回転方向を合わせることにより空間フィルタ
ーリングが可能になるところにある。
【0069】ここでさらに重要なのは、照明手段102
により斜めから照明する場合、空間フィルターのパラメ
ータを一つにするには、直線状空間フィルター106を
照明の入射面に平行にすることであり、片側のみをコヒ
ーレントにした照明を用いることではない。即ち、照明
の入射面と直線状空間フィルターの長手方向と基板(ウ
エハ)上パターンの繰り返し方向を合わせることが本質
である。
【0070】また、パラメータを1つにする必要がない
場合は、直線状空間フィルターを照明の入射面に平行に
する必要もなく、直線状空間フィルターを用い、ピッチ
と位相あるいはピッチと回転方向を合わせることで全て
のパターンに対応できる空間フィルターが構成できる。
更に上方からの照明に対しては、照明の入射面と直線状
空間フィルターの方向はは常に一致するため空間フィル
ターと基板(ウエハ)上パターンの繰り返し方向のみを
合わせれば良いという効果もある。
【0071】しかしながら、上記いずれの場合も、照明
に直線状の形状のビームを用いたり、検出器107を1
次元センサを用いたりしている場合は、この方向も合わ
せる必要が出る。しかし、この場合の合わせは、照明の
均一性を得るためであり、或いはチップ間繰り返しを利
用して、大きな周期の繰り返しを除去するためであり、
空間フィルターにより小さい周期のパターン情報を消去
する上では、必要ないことである。
【0072】光学系のテレセントリック検出光学系10
3’もここでは両テレセントリック光学系を示したが、
必ずしも両テレセントリックである必要はなく、少なく
とも物体側がテレセントリックで有ればよい。また、テ
レセントリックでなくても、基板上の各点での照明系1
02の主光線、即ち基板上の各点からの0次回折光が検
出光学系の瞳面(空間フィルターの設置している面)の
中央を通るようにしてあればよい。この様な構成でも各
点のパターンからの0次回折光の分布によるパターン出
力の変動を回避できる。しかしながら、パターンへの照
明の入射方向が異なるようになるため、この方法は上記
のテレセントリック光学系に比べると性能は幾分低下す
る。しかし、対象によっては、この方法で十分な場合も
ある。
【0073】更に、基板上の各点での照明系の主光線、
即ち物体上の各点からの0次回折光が検出光学系の瞳
(空間フィルターの設置している面)の中央を通るよう
にしなくても、即ち通常の高視野レンズを用いても、本
発明の本来の目的である空間フィルターを用いた異物等
の欠陥検査装置を実現することができる。
【0074】(事前にθを測定する方法)以上の、検査
装置では、検査装置をウエハあるいは基板の角度に合わ
せる必要がある。具体的には、基板上に形成されたパタ
ーンの繰り返し方向に垂直あるいは平行に検出器及び照
明の光軸を設定する必要がある。これを実現するため
に、基板の搬送時の角度を角度検出機構で高精度に検出
して、その結果により検出光学系全体を基板の面の法線
を軸として回転させ、パターンの方向と検出器の方向を
一致させる。
【0075】具体的な構成を図12に示す。図12(a)
は、フーリエ変換面に構成される空間フィルターユニッ
ト106と回転方向検出器123、124の配置を示
し、検出光学系103を基板側から見た図であり、直線
状空間フィルター141、瞳大きさを制限するための絞
り142も同時に示している。検出光学系103は開口
数がやや大きく作ってあり、パラメータが圧縮された基
板1からの回折パターンが絞り142の外側にはみ出
し、検出器123、124で検出される。そこで、検出
器123、124により、回折パターンの内0次回折光
を検出し、そのピーク位置の変動を検出すれば、基板1
に対する、検出光学系ヘッド101の回転方向が計測さ
れる。具体的には、2つの検出器123、124の間隔
をLp、検出器123、124中心からの検出された、
回折光のピーク位置間での距離をhp1、hp2とす
る。回転位置がずれている際の回折光はフーリエ変換面
で図12(b)のような形状を示すため、回転角度θpは
概ね以下の(数1)式で示される。図12(b)はフー
リエ変換面を含む球面をフーリエ変換面の方向から見た
もので、円3は、上記球面と基板面の光線を示し、円4
は上記球面と瞳面142の光線を示し、点5は照明光の
0次回折光即ち反射光と上記球面の交点を示す。
【0076】
【数1】 sinθp=hp1/Lp (数1) ここで、厳密には、回折光ピッチLdpが未知数である
ため、既知の微小回転角度θkだけ回転した位置で、回
折光のピーク位置間での距離を計測仕直し、hp11、
hp21として、連立方程式を立てれば、Lpd及び、
θpが算出できる。また、別の方法として、hp1、h
p2が共に0になるように、θを回転させながら合わせ
込む方法もある。
【0077】ここで、検出光学系103の方向を検出し
安い方向に回転させる際には、基板1上に形成されたパ
ターンを空間フィルターによって消去するのが目的であ
るため、必ずしも光学系101全体を回転する必要はな
く空間フィルター106を回転しても良い。また、光学
系101の回転に当たっては、いくつかのユニットを同
時に回転させても、また、各ユニットごとに回転させて
も問題ない。
【0078】この構成で重要なのは、ウエハあるいは基
板1を支持するステージを回転せずに基板との回転合わ
せは検出光学系101の可動で対応している点である。
ここでは、本発明による異物検出装置が、基板(ウエ
ハ)1の流れの方向に対して完全に垂直でなくても検出
可能な構成になっているから実現できる物である。ま
た、基板1の回転に対しては光学系101の回転で対応
し、基板1に対する光学系101の走査には基板1の搬
送系(図示せず)を用いることで、2つの自由度を2つ
の機構に独立に持たせることで、それぞれの機構を単純
化している点が重要である。
【0079】また、角度検出機構108は図12に示し
たような方法をとらずに、検出器107により取り込ん
だ画像から、基板1上に形成されたパターンの方向を算
出してもよい。この場合、実時間の計測が難しいが、検
出器123、124などの機構が不要になるという効果
がある。
【0080】更には、図13に示したように、検出ヘッ
ド101内に実装されるのでなく、搬送中の基板に対し
て、予め計測を澄ませてしまう構成であってもよい。ま
た、検出結果は、回転機構181により、検出ヘッド1
01あるいは検出ヘッドアレイ180を回転して回転ず
れを合わせる。このような構成では、事前に計測がすん
でいるため、基板全域に対して検査可能になるという効
果がある。また、この際の回転検出ヘッド162は、上
記説明した、回折光を検出するものであっても、基板1
の像を結像し処理しても、あるいは他のセンサで例えば
ウエハのオリフラ等の基板1のエッヂを検出してもよ
い。
【0081】以上、角度検出、基板搬送は、本発明の実
施例では、直線状に搬送される場合を示しているが、か
ならずしもこれに限定されるものではなく、回転機構、
回転のアーム等にも適用可能である。但し、このような
おか移転アームの場合は、検出光学系101の検出エリ
アの長て方向が回転アームの中心軸を通るように設定さ
れているのが望ましい。このように構成することで、本
発明を回転系の搬送機構にも全く意識なしに適用できる
ものである。
【0082】(光学系の回転制御)本発明では、空間フ
ィルター106を用いているため、基板1と光学系10
1の回転方向の位置あわせが必要になる。この回転合わ
せは、他のパラメータの設定に対して事前になされるの
が望ましい。本発明では、図3および図12あるいは図
13に示したようにウエハ回転検出光学系123、12
4或いは162を有している。この光学系123、12
4或いは162は、搬送中の基板1の最初の部分でウエ
ハの回転ずれを検出し、この検出結果を光学系回転機構
181に送りこの情報をもとに光学系101または18
0を回転する。回転合せ機構105を図6に示す。
【0083】また、この回転ずれ検出結果をもとに光学
系101または180を回転するのでなく、電気処理に
より回転をずれを補正することができる。図4に示す如
く、バッファメモリ217に切り出された矩形オペレー
タを、検出されたウエハの回転ずれに合わせてθ方向に
シフトさせることにより、あたかも基板(ウエハ)1の
回転ずれを機械的に補正したような効果をうむ。この方
法は、光学系101または180を動かす必要がないた
め補正にかかる時間を短縮できるという効果を有する。
また、この回路を用いることによって、回転ずれθを計
測せずに、オペレータ219、231をθ方向に常時移
動させ、最も検出異物が少なくなるような条件で(この
条件が基板1と検出ヘッド101の回転ずれがない状態
に当たる)検査を続けるという方法もある。この方法は
高速の信号処理系を有することは言うまでもない。ある
いは、高速の信号処理系を用いずとも、事前に上記説明
した方法で上記条件を設定し、その後、検査すること
で、あたかも基板(ウエハ)1の回転ずれを機械的に補
正したように検査を実施することができる。
【0084】勿論、ここで開示した方法は、必ずしも必
要なものではなく、例えば、縮小投影露光装置に搬入さ
れるように、基板(ウエハ)1の回転ずれを搬送方向に
対して有る一定の許容範囲で機械的に合わせた後、搬送
される場合は、上記の如く検出制御系は必要ない。
【0085】(ログスケールしきい値)図14に空間フ
ィルター等光学的な処理方法を前処理として用いた場合
の比較検査と、このような処理を用いずに電気信号だけ
で比較検査を実施したときの検出信号の様子を図14に
模式的にに示す。空間フィルター106による方法はパ
ターン部内の欠陥の情報をなくさずにパターンの情報の
みを除去できるが、チップ比較による方法は異物および
欠陥情報とパターンの情報を重ね合わせた形で検出し、
電気信号としているため、光電変換時のダイナミックレ
ンジの範囲でしか異物欠陥信号を検出できない。つまり
パターン信号が極めて大きく異物欠陥信号が極めて小さ
い場合にはパターン信号に異物欠陥信号がうずもれてし
まい、異物欠陥信号をパターン信号から区別して検出す
ることは難しい。
【0086】図14は、横軸に、検出位置を示し、縦軸
に検出信号強度を示す。左側に、異物あるいは異物欠陥
情報4を含んだ信号18、右側に比較対象になる異物欠
陥情報を含まない信号19を示す。ここで、一つの信号
として検出する画素サイズを13として検出した場合、
斜線を施した、16と17の面積に相当する検出光が検
出される。この場合異物欠陥情報4が総面積に対して小
さいため、この2つの検出信号16、17の比較は安定
してできない。具体的にはノイズに埋もれてしまう。こ
の場合、照明の光強度等を大きくしても、異物欠陥情報
4を検出可能とするには大きなダイナミックレンジの検
出器が必要になる。ここで、画素サイズを13から14
にすると検出信号は7と8のなり、異物欠陥情報4は比
較により検出できるようになる。画素サイズを小さくす
ることはこのような効果を生むわけである。これとは逆
に、検出信号18、19を安定して(電気信号等に変え
ずに本質的な比較で)オフセットを消去できれば、具体
的には検出信号を例えば10の位置以上できって検出で
きれば、検出信号は5と6になり比較検査できるレベル
になる。この場合は、画素サイズはさきの13のままで
有るので、大画素による高速検出が可能になる。照明の
光強度等を大きくすれば、小さなダイナミックレンジの
検出器でも異物等の欠陥情報4を検出できる。本発明の
空間フィルター106を用いた方法は上記の画素13を
用いたままで、微小な異物欠陥情報4を検出することに
ある。
【0087】以上説明したように、光学系の工夫等で比
較すべき隣接チップ間の部内のパターン信号を極めて安
定にできたとしても光強度を1:100あるいは1:1
000程度のダイナミックレンジで検出するのが限界で
ある。従って、さらにこれ以上のダイナミックレンジを
必要とするように異物欠陥信号が小さかったり、パター
ン信号が大きかったりした場合、隣接チップ間の信号強
度を比較することにより何方かの信号に異物欠陥信号が
含まれているか含まれていないかを判断することはでき
ない。パターンの信号に対する異物欠陥の信号の比率が
十分に大きい場合のみ、比較によって異物の有無を検査
できる。この比率が小さいときは、異物を見逃してしま
うか、異物を検査しようとしきい値を小さくすると虚報
が多くなる。
【0088】そこで、これらパターン上に存在する異物
を虚報無く検査することは困難であり、虚報をなくす
か、異物検出感度を小さくして大きな異物のみを検出可
能とするかしかない。本発明でこのようにパターンが形
成されている領域を検査対象から外してしまう実施例を
用いているのは、以上説明した虚報をなくすことを目的
にしている。
【0089】また、異物検出感度を小さくして大きな異
物のみを検出可能とするためには、以下に説明するよう
なログスケールの比較検査が必要になる。確かに、隣接
するチップには同じ形状を持ち同じ射出方向に同じ光量
を射出するパターンが形成されていても、これら2つの
パターンからの検出光は完全に同一ではない。従って、
この2つのパターンからの光の検出光強度はばらつく可
能性が大きく比較は難しい。そこで、比較の際に、オペ
レータ219および231に切り出されたaとオペレー
タ218に切り出されたpを複数の異物比較回路220
および複数のノイズ比較回路22により比較する際、
(数2)式を満たす場合2つの信号は異なり、異物が存
在すると判断することができる。
【0090】
【数2】 (a−p)>δ (数2) ところがこの方法では、信号の絶対レベルが大きいとき
その絶対量に対する比率で変動するばらつきが有った場
合異物が無いのに異物があると判断するいわゆる虚報の
可能性が大きくなる。そこで、2つの信号の比率が(数
3)式を満たすとき、異物と判断する。
【0091】
【数3】 (a/p)>δ (数3) ところが、実際は、2つの信号の割り算は演算回路の規
模が大きくなるため、実際は、閾値を対数で設定し、
(数4)式が成立するとき異物が存在すると判断する。
【0092】
【数4】 log(a/p)=loga−logp>δ (数4) このように、(数4)式を用いることにより、量子化の
閾値を対数軸を用いて設定しておけば、本来割り算をす
る必要がある演算を、比較回路220において引き算で
処理することができる。以上説明した論理を実現するの
が、図4に示した回路構成である。以上説明したような
対数の処理は、図4に示した、8値化処理系215の閾
値を対数で設定すればよい。
【0093】また、図4では、上記説明した8値化処理
系215での対数の8値化処理を用いた比較回路220
での引き算処理を示したが、必ずしもこの方法ではな
く、上記の割り算処理のままの方法を用いても、また、
8値化以外の多値化を用いても差しつかえない。この場
合、3値化を用いると全てのパターン上の異物を検出し
ないで捨ててしまうことになり、さらにおおきな多値化
を用いると光学系が安定であれば、パターン上のより小
さな異物の検出が可能になる。
【0094】ここで閾値設定回路221では上記のδが
設定され、複数の異物比較回路220では、上記の(数
2)または(数3)または(数4)式に基づく比較がな
され、オペレータ(画素)218とオペレータ(画素)
219および231との差が上記閾値δ以上のものにつ
いてOR回路224でORをとり、全ての異物比較回路
220から“0”が出力されてチップ(ショット)間の
繰り返しパターンが消去され、何れか異物比較回路22
0から閾値δ以上のものが“1”として異物出力され、
異物データメモリ206に記憶される。また、複数の異
物比較回路220では、上記の(数2)または(数3)
または(数4)式に基づく比較がなされ、オペレータ
(画素)218とオペレータ(画素)219および23
1との差が全て上記閾値δ以下のとき全ての異物比較回
路220から“0”が出力され、AND回路226にお
いてANDがとれ、チップ(ショット)間の繰り返しパ
ターンとして検出され、パターンメモリ208に記憶さ
れる。
【0095】また、以上の対数閾値による量子化の様子
を図30に示す。横軸は、検出位置、縦軸は検出信号を
示す。対数の閾値50、51、52、53、54が設定
され、ピッチp離れた部分にある信号が比較処理され
る。ここで、多値にし、比較時に同一と判定する許容範
囲をたとえば1賭することにより、同一の値に量子化さ
れているパターン信号55、58だけでなく、1つ異な
る値に量子化されているパターン信号56、59、およ
び57、60がパターンと判定され、虚報にならない。
即ち、量子化の際の対数しきい値の比を大きくとること
で、許容範囲が大きくなり虚報を小さくできる半面、パ
ターン上では、よりおおきな異物しか検出できなくな
る。また、異物信号61、62ともに検出できる。さら
に、オペレータ231を平面方向に広げていることによ
り平面方向の量子化の誤差を許容することができる。
【0096】以上のように、空間フィルター106によ
るパターン消去とチップ比較によるパターン消去には、
本質的な違いが有る。つまり、空間フィルターによる方
法はパターン部内の欠陥を強調して検出できるが、チッ
プ比較による方法はパターン部内の異物欠陥情報をその
ままの形で光電変換し検出した後で比較するため、大き
なダイナミックレンジを必要とする点である。ちょう
ど、空間フィルターによる方法は、ちょうど、干渉を用
いたセル比較により欠陥だけを強調したような形になっ
てる。
【0097】(平面方向の量子化誤差と深さ方向の量子
化誤差)ここで、使用したチップ間の繰り返しを用いた
方法は、基本的には、比較検査であるが、短波長、点光
源のレーザ光源を用いた散乱光検出でこのような比較検
査を安定して実現するために以下の構成を用いている。
チップ間の繰り返しを用いたパターン除去方法を実現す
るオペレータは平面方向にx方向、y方向とも複数画素
で形成されている。また、信号が、同一レベルと判断さ
れるべきか、一方に欠陥あるいは異物が存在するために
信号レベルが異なっていると判断されるべきかの比較
は、(数2)、(数3)、(数4)式を用いている。こ
れらの比較の際の比較数値の平面方向及び光強度方向へ
のサンプリングの拡大処理により、安定して異物とパタ
ーンを区別することができる。
【0098】(フィルターサイズ)以下、空間フィルタ
ー106の設計思想について説明する。本発明の異物お
よび欠陥検査装置では、ピッチの大きなパターンはオペ
レータによるチップ間繰り返しを用いてパターンの情報
を消去している。従って、「オペレータによって消去可
能な空間周波数」より「空間フィルターによって消去可
能な空間周波数」が大きい必要がある。以下、理由を説
明する。
【0099】図15に示すように基板1上に、パターン
ピッチL1およびL2(L1<L2)のパターンが形成され
ている場合を考える。このパターンにより照明光はθ
1、θ2の方向に回折され、空間フィルター106上でピ
ッチpf1、pf2(pf1>pf2)の回折パターンを作
る。従って、以下の式が成立する。
【0100】
【数5】 Df/(2・N.A.)=pf1/sinθ1 (数5)
【0101】
【数6】 sinθ1=λ/L1 (数6) ここで、Dfは、光学系110、111の瞳面上の直
径、N.A.(NumericalAparture)は光学系110の開
口数である。
【0102】この回折パターンの内、ピッチpf1 の回
折パターンは空間フィルター106で遮光されるが、ピ
ッチpf2 の回折パターンはピッチが小さすぎるため、
空間フィルター106では遮光できないとする。即ち、
パターンピッチL1 の基板上パターンは空間フィルター
で消去されて検出器107上に結像しないが、パターン
ピッチL2 のパターンは空間フィルターで遮光されずに
検出器107上に結像してしまい消去されない。(以
下、「パターンが消去される」とは、このように「パタ
ーンから射出する光、つまりパターン情報をもった光を
空間フィルター106で遮光することにより、検出器1
07上に光を届かないようにし検出器上にパターンの像
を結像しないようにする」ことを意味する。)従って、
(数5)、(数6)式より、以下の(数7)式が成立す
る。
【0103】
【数7】 L1=(Df・λ)/(2・pf1・N.A.) (数7) ここで、空間フィルター106は、製作上の精度とし
て、照明102の開口数等の限定から或る大きさ以上必
要になる。従って、(数7)式より、pf1 を大きく保
つと、空間フィルター106で消去可能なパターンのピ
ッチは小さくなってしまう。
【0104】ここで、図16に示すように、基板1上に
は、ピッチLt で複数個のチップが形成されている。こ
のチップ間の繰り返しを用いて、パターンピッチL2 の
パターンの情報を消去する。具体的には、チップピッチ
Lt で繰り返して検出される信号はパターンピッチL2
のパターンからの信号だと判断して、検出信号自体を削
除する。(この場合、「パターン情報を消去する」と
は、文字通り「信号を削除する、捨てる」ことを意味す
る。) ここで、後に説明する平面方向の量子化誤差を回避する
ために、先に説明したオペレータ219、231はx方
向nx画素、y方向ny画素の大きさをもっており、このオ
ペレータ内にパターンが存在した場合、判断画素はパタ
ーンであると判断する。従って、このオペレータ21
9、231の大きさにより検出エリアの率αは、以下の
式(数8)で示される。
【0105】
【数8】 α=1−(w・nx/L2) (数8) 逆に、(数8)式より、
【0106】
【数9】 L2=1−(w・nx/α) (数9) 従って、検出エリア率αを大きく保つと、消去できるパ
ターンのピッチは大きくなってしまう。
【0107】ここで、基板上の全てのピッチのパターン
を消去するためには、図18に示すように、上記の空間
フィルターで消去できるパターンピッチL1がオペレー
タにより消去できるパターンピッチL2より大きければ
よい。即ち、図18に示す如く、空間フィルターによる
消去とオペレータによる消去とがオーバラップすること
が必要である。これにより、あるピッチの繰り返しパタ
ーンが基板上に表れても、空間フィルター106かオペ
レータによってパターンを消去することができ、その結
果微小異物のみを検出することができる。
【0108】ここで、図17に示すように、ピッチ可変
のPRESフィルター141は最小ピッチpf1 =1m
mから最大ピッチ2・pf1 =2mmまで連続的にピッ
チを変化できるように形成されている。
【0109】また、空間フィルター106(141)に
よる検出器107上での干渉現象を防ぐあるいは押さえ
るために、フィルター本数、ピッチ、フィルター幅を制
限する必要がある。つまり、上記の最小空間フィルター
ピッチは製作上の限定だけでなく、干渉現象を押さえる
ためにも限定される。この際、以上のフィルター本数、
フィールドサイズ、オペレータサイズの間の関係式が重
要になる。
【0110】また、空間フィルター106(141)に
よるパターン消去の可否は以下説明するように、消去す
るパターンのピッチによるのではなく、直線状空間フィ
ルター141の本数によるものである。空間フィルター
面の大きさをD、最小空間フィルターピッチをpfs、
直線状空間フィルターの本数をnf、pfsの空間フィ
ルターにより遮光可能な最大パターンピッチをLmとす
る。検出器の視野をX、画素サイズをw、画素数をNと
する。オペレータによる2チップ比較の際のオペレータ
サイズをnoとする。
【0111】
【数10】 pfs/D=λ/(N.A.・Lm) (数10) 検出エリア率αを十分に大きくとるには、
【0112】
【数11】 k・no・w=Lm (k>>1) (数11)
【0113】
【数12】 D/pfs=nf (数12) が、必要。
【0114】また、画素サイズは光学系の分解能付近に
設定されれば、検査時間からも検出性能からも必要十分
であるから、
【0115】
【数13】 w=k0・λ/N.A. (数13) (数11)式、(数12)式、(数13)式より、
【0116】
【数14】 pfs=D/(k・k0・no) (数14)
【0117】
【数15】 α=1−(1/k)=1−((no・k0)/nf) (数15) となり、検出エリア率αはオペレータサイズと直線状フ
ィルター本数のみにより決定される。k0は約1で有
り、オペレータサイズnoを3とすると、検出エリア率を
例えば、80%以上とするには、15本以上の直線状空
間フィルターがあればよいことになる。
【0118】以上の検討結果は、検出すべき対象のパタ
ーンのピッチにかかわらず、画素サイズを検出器サイズ
と同等にし、概ね15本程度以上の直線状空間フィルタ
ーを用いれば、全てのピッチのパターンに対応できるこ
とを意味する。
【0119】(製作方法)以下、上記空間フィルター1
06の製作方法を説明する。本発明の空間フィルター1
06は、バネ状支持具に直線状フィルターを複数設置し
た形状を有していればよく、必ずしもここに説明した方
法によらないが、ここに説明した方法は本発明の空間フ
ィルターを効率よく安価に製作できるものである。
【0120】図19に製作方法を示す。本発明は、コイ
ルバネ121、121上に、等間隔に直線状フィルター
をエッチングで形成したフィルターシート165をのせ
各直線状フィルター141をはんだづけ、あるいは接着
剤等で設置する。ここで、コイルばね121、122及
び直線状フィルター141は強度の点からステンレス性
で有ることが望ましいが、ステンレス性の場合、半田が
のりにくいと言う欠点を有する。そこで、ステンレスに
表面にクロムをめっきしさらにクロムの酸化を防ぐため
に金をめっきするとよい。しかしながら、これらのめっ
きは必要不可決のものではなく半田をのりやすくするだ
けの目的である。従って、ステンレスの表面に直接作用
して半田をのりやすくするフラックスを用いることもで
きる。このような場合、クロム及び金めっきは必要な
い。
【0121】フィルターシート165内の直線状フィル
ター141は、上記説明した光学系103において基板
1上に照射された光源112の像のフーリエ変換の位置
での大きさか、10%から100%程度の余裕を持った
大きさに設定されるのが望ましい。ここで、フィルター
シート165のコイルばね121、122との接点に当
たる位置はコイルばねと同程度の太さが望ましい。従っ
て、直線状フィルター141のフィルター部と接点部は
太さを変える必要がある。この太さの変化する部分で
は、応力集中を避けるために滑らかに太さが変わる必要
がある。
【0122】上記フィルターシート165を、予めフィ
ルターシート165と等間隔に設置されたコイルばね1
21、122上にのせ、接点に半田とフラックスを混合
した半田ペースト166を適量のせる。ここで、半田ペ
ーストはフィルターシート165上に事前にのせておい
てもよい。
【0123】ここで、直線状フィルター141の間隔を
変えた際も中央の直線状フィルターの位置が変わらない
ようにするために、つまり0次回折光を常に遮光するよ
うな構成にするために、フィルターシート165をのせ
る際に、コイルばね可動機構131の中心にフィルター
シート165の中心が来る必要がある。そのため、予め
可動機構131を稼働させ、可動機構131の中央部
(図19に如く、24、25に直角な一点鎖線で示
す。)にコイルばね121、122のフィルターシート
との接点部が来ていないときは、図20に示すようにコ
イルばねをコイルばね自身の中心軸23の周りに回転さ
せ、コイルばね可動機構131の中心24にフィルター
シート165の中心25が来るようにする必要がある。
【0124】以上のコイルばね可動機構131の上に半
田ペースト166をのせたフィルターシート165をの
せ、全体を加熱して半田ペースト166を溶融させたあ
と自然冷却して完成する。ここでコイルばね可動機構全
体を加熱するのは加熱による残留応力を予防するためで
ある。
【0125】本発明の空間フィルター機構106はコイ
ルばね121、122という弾性係数の小さいものを用
いているため残留応力に対してひずみが大きくなり、フ
ィルターの位置ずれにより、遮光性能つまり上記説明し
た空間フィルターリングの性能が劣ってしまう。このよ
うな残留応力によるひずみを取るためには上記可動機構
全体を加熱するのがよい。また、本空間フィルターは、
回折光を遮光するものであるため遮光時に乱反射等をな
くすために黒色に処理されたいるのが望ましい。この黒
色処理は、塗料を塗布したものであっても、黒染め処理
と言われる熱処理を伴うものであってもよい。また、こ
の黒色処理は、半田付けのあとにされても、フィルター
シート165上の接合部以外の部分、遮光部に対してだ
けフィルターシート165に対して成されるものであっ
てもよい。
【0126】以上、半田ぺースト166を用いた方法を
説明したが、必ずしも半田ペーストを用いる必要が有る
わけではなく、上記フィルターシート内の直線状フィル
ターを1本1本半田付けする方法であっってもよいのは
言うまでもない。
【0127】(コンボルーションによる画像復元)図2
1に示すように、本発明による装置では、等ピッチに配
列された空間フィルター141により光線が回折し、結
像面に回折パターンを形成する。具体的には、点像の回
折像が結像面に形成される。この像は、0次の回折光の
周囲に±1次の回折光が現われている。このような回折
光が現われると、例えば本来のピークの周囲に±1次の
ピークが現われた信号26のような形状になり、異物が
3個に増えて検出されるばかりでなく、パターンの場合
は、パターンとして判断され消去あるいは検出感度が落
ちてしまうケ所が大きくなってしまう。これを回避する
ためには、直線状空間フィルターの幅を狭くすればよ
い。具体的には、空間フィルター141のピッチに対し
て直線状空間フィルターの幅が1/2の場合、上記1次
回折光は0次回折光の1/2倍なのに対し、空間フィル
ターのピッチに対して直線状空間フィルターの幅が1/
8の場合、上記1次回折光は0次回折光の1/30倍に
低減する。これらの結果は、空間フィルター106の形
状L(u,v)をフーリエ変換することによって算出された
ものである。従って、必要に応じ、空間フィルターのピ
ッチに対する直線状空間フィルター141の幅を選択す
る必要がある。また、特に、比率を小さく知る必要があ
る場合、回折パターンが空間フィルターによって十分に
遮光されるように、照明系102による基板1上に照射
された光源のフーリエ変換の位置での集光の仕方も変え
る必要がる。具体的には、照明の基板1に対する入射光
の内y方向成分の開口数を大きくすることによって達成
される。この際の照明のフーリエ変換面上での結像の大
きさはコヒーレント光の結像理論により算出される。
【0128】また、ウイーナフィルターとして知られて
いる画像処理の方法によっても、上記の回折の影響は回
避できる。具体的には図21に示すように、空間フィル
ターの形状をL(u,v)とすると、予め1/L(u,v)の値を
求めてそのフーリエ変換を算出しておき、この結果を畳
み込み手段251により検出した画像に畳み込めばよ
い。このように畳み込み手段251により検出した画像
に畳み込めば、空間フィルター141による回折光を取
り除くことができる。ここで、1/L(u,v)の値は無限
大に発散する部分があるため、この値を必要十分な大き
なあたいに近似する必要がある。また、フーリエ変換の
結果得られる複素数の値は、概ね位相の反転する数値を
正負とし、大きさが複素数の絶対値になるように近似さ
れる。また、畳み込みされる画像を切り出す際も十分に
効果の有る最小の大きさになるように設定されるべきで
ある。
【0129】(微細パターンに合わせてウエハを回転す
る)以上の、空間フィルターおよび繰り返しチップによ
るパターン除去では、空間フィルターにより除去される
パターンのピッチが小さい方がよく、繰り返しチップに
よる方法で除去されるパターンのピッチが大きい方がよ
い。特に、パターンとして除去されてしまう面積を少な
くするためには、繰り返しチップによる方法で除去され
るパターンのピッチは大きい方が望ましい。そこで、検
査に当たって、パターンとして除去されてしまう面積を
少なくなるように、基板上に形成されたパターンの形状
に応じて基板搬送時の基板の回転方向を決定するのがよ
い。具体的には、図22に示したように、空間フィルタ
ーで消せないパターンピッチL11、L12が有った場
合、より大きなパターンピッチL11の方向がセンサの
方向になるように方向28に走査するほうがよい。この
ような方向になるように、予め基板1を90度回転して
検査する構成とする。
【0130】(真上からの照明)ここで、例えば、微細
化と低抵抗の確保を実現するために、現状あるいは今後
の半導体デバイスは、高アスペクト比化が進んでいる。
このため、この段差の陰に隠れた異物あるいは欠陥は検
出できない。本発明は、このような対象に対しても焦点
深度がふかいため検査可能である。さらに、図23に示
すようにミラー168及びハーフミラー169を用い
て、上方から照明する照明光学系を用いることにより、
陰に隠れた異物あるいは欠陥も照明することができ、検
出可能となる。
【0131】(TFTへの応用)TFT基板等基板が大
きく厚さが薄いものは、支持した際のひずみが大きい。
【0132】このような場合、図24に示すように、基
板30を支持部171、172で両持ち自由端支持し、
照明のスポットの長手方向31及び検出器の長て方向を
支持端を結ぶ方向32に垂直に設定し基板を方向32に
平行に走査する構成にする。このような構成により、周
辺部だけしか支持できずひずみが大きくなる場合も、ひ
ずみの方向を照明及び検出器の方向に対して垂直にでき
るため、照明及び検出器の方向ではひずみが生じないた
め、検出視野内で検査対象を焦点深度内に入れることが
できる。さらに、基板全体のひずみが大きい場合も、基
板のひずみの形状を計算により算出しやすいと言う効果
もある。このため、基板の厚さ、長さ、幅、縦弾性係
数、横弾性係数等のパラメータをもとに、両持ち自由端
支持のひずみを算出し、この形状に合わせて、焦点が合
うようにステージを焦点方向に駆動させながら検査する
ことを可能のできる。このような構成では、自動焦点検
出機構が必要ないという利点がある。以上の構成で、T
FTのような大型の基板30の異物等の欠陥の検査も可
能となる。
【0133】また、検出ヘッドアレイを33、34に示
すように複数列用いた場合、それぞれの位置でひずみが
異なるため、基板30をz方向に調整するのでなく、検
出ヘッドアレイ33、34を独立に調整する必要があ
る。
【0134】また、このような基板の検査で基板を平ら
な支持台に固定して検査する場合はこのような構成は必
ずしも必要ないの言うまでもない。また、基板30の4
すみを支持することによって、ひずみを低減できる。
【0135】(高精度異物検査装置)以上の、空間フィ
ルターを用いて検査装置は、以上説明したように、高速
小型だけを実現することだけが目的ではない。以上と全
く同じ構成で、図11に示すように物体側のフーリエ変
換レンズを交換することにより分解能を向上すれば、具
体的には、分解能を1ミクロン程度にすれば、最小0.1
から0.3ミクロンていどの異物あるいは欠陥を高速に検
査できる。また、分解能を3ミクロン程度にすれば、最
小0.3から0.8ミクロンていどの異物あるいは欠陥を高
速に検査できる。
【0136】このような構成は、パターンの繰り返し性
を利用してノイズとなるパターンの信号を上手に消去で
きるため、設計データ比較、あるいはセル比較、チップ
比較のパターン検査装置に比べて、大きな画素サイズを
用いても小さな異物あるいは欠陥を検査できるため、結
果的に高速な検査を実現できる。
【0137】このような検査でも、基本的に繰り返しパ
ターンのみの検査で有るため、繰り帰し性をもたない、
パターン部は検査対象外になる。この検査対象外の部分
は、別の検査装置で検査する、目視検査を実施する等の
工夫が必要になる。
【0138】(検出ヘッドの利用)以上説明した異物欠
陥検出装置は、図25に示すように、基板1の1方向の
搬送中に検査するのが最も効果的であるため、基板1の
全域を検査するために、図25に示すように複数の検査
装置(検出ヘッド)を並列に配置して検査するのが望ま
しい。しかしながら、図26に示すように1ユニットの
検出ヘッド101を用いて基板の一部35だけを検査し
ても効果が十分発揮される場合が多い。一部の異物欠陥
検査で十分異物欠陥発生と言う以上事態を検出できるか
らである。もちろん、これは1ユニットである必要はな
く、必要に応じて複数のユニットを配置することができ
る。
【0139】また、1ユニットあるいはそれ以上の検出
ヘッドを用い、図27(a), (b)に示すようにステージの
xy走査で基板全域を検査する構成を用いてもよい。
【0140】(パターン形状に合わせたダイナミック検
査)図28に、繰り返しパターンのピッチが基板内で変
化する場合の検査装置について示す。この実施例は、繰
り返しパターンピッチ検出部174、検出ヘッド101
から構成される。
【0141】基板が搬送されると、まず、繰り返しパタ
ーンピッチ検出部174で検出された信号を基に、パラ
メータ算出手段212で上記説明した周波数解析の方法
などを用い繰り返しパターンのピッチが算出される。こ
こで算出されたピッチは、検出ヘッド101に送られ、
空間フィルターのピッチ、オペレータのピッチが変更さ
れる。検出ヘッド101では、ピッチ検出部174ピッ
チが算出された部分が検出ヘッド101の検査位置に搬
送された時点で、検査される。検査は常時ピッチが算出
されながら、進行する。ここで、パターンのピッチが不
連続に変化しない場合は、この方法で検査可能である。
ピッチが不連続に変化した場合は、特にピッチの設定が
間に合わない可能性がある。このような場合は、ピッチ
の設定が終了するまで、搬送系送りをとめておく必要が
ある。
【0142】(サインカーブ回折格子による回折干渉
法)以下、回折光と干渉光を組み合わせたパターン検査
方法について図29を用いて説明する。
【0143】この装置は、基本的には、以上説明した空
間フィルターを用いた検査装置と同じであり、照明系1
02、検出光学系103空間フィルターユニット10
6、検出記107から構成され、さらに、空間フィルタ
ーの位置に透明な基板で作成された、サインカーブの位
相分布を持つ回折格子175、及び、駆動機構176を
追加したものである。ここで、上記説明した方法は、チ
ップの繰り返しを用いたパターン除去処理を図4に示し
た電気処理系で実現している。以上説明したようにこの
方法では、パターン内にある異物は特に大きなものでな
いと検査できないという問題を有していた。さらに、図
14に示したように、以上説明したように、このような
大きな背景ノイズのなかにある情報は、均一に確実にオ
フセットをなくすことができる光処理等の方法によって
のみ検出できる。そこで、以上のチップの繰り返しを用
いたパターン除去処理を光学的な方法、具体的には、干
渉法で実現しようとするものである。
【0144】ここで、図29に示した照明は基板に対し
て、透過光で示しているが、透過光であっても、反射光
であっっても差しつかえない。ここで、照明は、すくな
くても1軸方向はコヒーレントに照明される。ここで、
繰り替えしパターン37、38が有った場合、それぞれ
から射出した光の主光線(0次回折光)は、それぞれの
光軸を進み、検出記107上にそれぞれの像を結像す
る。ところが、フーリエ変換面に回折格子175が設置
されているために、光は、回折し、±1次方向に回折光
を射出する。ここで、重要なのは、回折格子175とし
て、サインカーブ(コサインンカーブもお同じ)を用い
ているため、0次回折光はなくなり(光強度が0)、±
1次光だけになて射出する点である。ここで、駆動機構
により回折格子175を光軸方向に調整することによ
り、パターン37からの+1次光とパターン38からの
−1次光を検出器上で重ねることができる。さらに、照
明側、あるいは光軸の適当な位置に位相をπずらすよう
な位相板178を載置すれば、検出記107上で2つの
光束を干渉させることができる。結果的に、途中の光束
の位相へかも補正できるように位相板178の位相変化
を微調整できるようにすれば、干渉によりチップの繰り
返しを用いたパターン除去処理実現できる。
【0145】さらに、回折格子175と駆動機構176
をSAW等の超音波による表面波による屈折率可変機構を
用いて、回折格子の格子間距離を超音波の波長を変えて
適当に可変すれば、回折格子175から射出するそれぞ
れの+1次光−1次光を全く同一の方向に射出させ、検
出器上で重ねることができる。この方法では、回折格子
175上にサインカーブを自動的に作成できる効果があ
る。また、回折格子175を光軸方向に可動させる必要
はない。もちろん、これらを併用してもよい。
【0146】また、以上は回折格子としてサインカーブ
のものを用いたが、必ずしもこのかぎりでなく、十分お
おきな間隔はなれたパターン37、38を比較する場合
は、サインカーブでないことから生じる0次回折光の影
響を押さえることができるため、サインカーブで有る必
要はない。
【0147】また、図29(b)には、パターンを照明す
る際にそれぞれパターンのピッチ分離れた場所のみをス
ポットで照明する構成を示した。この構成では、光源1
79は、走査装置を有しており、ハーフミラー180、
ミラー181を介して、パターンのピッチ分離れた場所
のみをスポットで照明する。このような構成により、正
確な位相ずれπを作り出せ、検出性能を向上できる。
【0148】(その他)以上の検査装置は、以上説明し
たように、搬送中の基板上の異物あるいは欠陥を検査す
るものであるから、搬送中に基板が検出光学系の焦点深
度内に入っている必要がある。そこで、精度のさほど高
くない搬送系中でも検査可能とするために焦点深度は深
いほうがよい。そこで、検出分解能より焦点深度を優先
するために、検出光学系中に絞りを設置し、焦点深度を
大きくしてもよい。
【0149】以上説明した検査装置では、直線状フィル
ターを用いているが、このフィルターは必ずしもこのよ
うなフィルターである必要はなく、液晶表示素子を用い
たフィルターであっても、また、塩化銀をもちいた可逆
的な光カットフィルターであっても、また、複素共役型
の非線形素子を用いてもよい。
【0150】また、以上の実施例は、照明光が情報から
の光、即ち、反射光の場合を示したが、本発明の効果を
得る場合は、これに限定されるものではなく、透過光の
照明を持つ構成であって、何ら差しつかえない。
【0151】また、本発明の検査装置で検出した異物欠
陥情報は、異物欠陥の数をカウントすることにより異常
を検出するばかりでなく、異物欠陥の発生分布を知るこ
とにより異物欠陥の発生原因を類推する手掛かりにもな
りうる。また、高精度の検査装置による結果から、本発
明のモニターの配置、配置数、感度等が設定されるとよ
い。
【0152】本発明の照明系は、照明系102として検
出系に独立して構成されているが、この照明系は検出系
の一部を用いることで、省略することができる。具体的
には、検出光学系のフーリエ変換面に半導体レーザ及び
適切な焦点距離のシリンドリカルレンズを載置すること
で実現可能である。このようにすることにより検出ヘッ
ドをさらに小型、軽量にでき、また、安価にできる。
【0153】以上の構成では、半導体レーザを用いてい
るが必ずしもこれに限らずガスレーザ、固体レーザ、ほ
ぼ短波長、点光源の白色光でも本発明の効果は得られ
る。
【0154】また、以上の小型異物検出ヘッドは、空間
フィルターユニット106を用いているが、これを用い
ずに、半導体レーザ112を偏光照明として、空間フィ
ルター106の位置にこの照明の偏光を遮光する方向の
偏光板を載置してもほぼ同様の異物検出効果を期待でき
る。この場合、偏光の方向は、p偏光であっても、s偏
光であっても差しつかえないが、s偏光の方が検出性能
を期待できる。また、偏光板は、必ずしも空間フィルタ
ー106の位置に入れる必要はなく検出光学系103内
のどこでもよく、また、半導体レーザ112も偏光出力
のものである必要はなく、照明系102内の適当な位置
に偏光板を挿入してもよい。もちろんこの場合、偏光を
利用する他の異物検査装置のように検出性能は、空間フ
ィルターを用いた場合よりやや落ちるが、空間フィルタ
ーのパラメータ設定、調整等の面倒な手間や、装置を省
略できるという効果を有する。またこのように偏光板を
用いる場合であっても、上記説明したように繰り返しパ
ターン周囲の非繰り返しパターンからの散乱光は十分に
消去できないため、本発明のオペレータ処理系203は
効果を発揮する。同時に、オペレータ処理系203の機
能を向上するためのテレセントリック光学系103’の
効果も大きい。従って、基板1の回転ずれ調整機構も必
要である。しかしながら、基本的には、偏光板を用いる
方法は基板の回転ずれには強いものであって、回転ずれ
は、必ずしも合わせる必要はない。さらに、テストエレ
メントグループのパターンを消去するための手段も同様
に必要になる。これらの手段は、以上説明したように、
全て同時に必要になるものではなく、それぞれ一つづつ
あるいは任意の複数の組み合わせで用いてもおおきな効
果が期待できるものである。従って、検出すべき異物の
大きさ、必要な検出性能、検出すべき対象基板の条件等
に応じて、実験的にあるいは、高精度欠陥異物検査装置
の検出条件に合わせて組み合わせられるべきものであ
る。
【0155】また、偏光板と空間フィルター106を組
み合わせて用いると異物欠陥の検出性能はさらに向上す
る。この場合も、これらの手段は、以上説明したよう
に、全て同時に必要になるものではなく、それぞれ一つ
づつあるいは任意の複数の組み合わせで用いてもおおき
な効果が期待できるものである。検出光量がやや落ちる
ため、照明の照度を向上する必要がある。この場合も、
具体的には、N.A.の大きな光学系を用いるなどの構成に
より、基板上のビーム幅を小さくし、ステージの精度を
向上する必要が有る。このような場合、例えば、縞パタ
ーンを投影する方法やレーザビームの変位を検出するな
どの周知の自動焦点機構が必要になる。
【0156】半導体製造工程の量産立上げ及び量産ライ
ンの異物検査方法及びその装置の構成ブロック図の一例
を図31に示す。
【0157】図31において、この半導体製造工程の量
産立上げ及び量産ラインの異物検査装置は、露光装置5
11エッチング装置512と洗浄装置513とイオン打
込装置514とスパッタ装置515とCVD装置516
等から成る半導体製造装置群510と、温度センサ52
1と搬送系内異物モニタ522と圧力センサ523と処
理装置内異物モニタ524等から成るセンシング部52
0およびそのセンシング部コントロールシステム525
と、ガス供給部531と水供給部532からなるユーテ
ィリティ群530と、水質サンプリングウェハ541と
ガスサンプリングウェハ542と装置内サンプリングウ
ェハ543とデバイスウェハ544と雰囲気サンプリン
グウェハ545から成るサンプリング部540と、ウェ
ハ異物検出部551とパターン欠陥検出部552から成
る検出部550と、走査形電子顕微鏡(SEM)と2次
イオン質量分析装置(SIMS)562と走査形トンネ
ル顕微鏡/分光装置(STM/STS)563と赤外分
光分析装置564等から成る分析部560と、異物致命
性判定システム571と微小異物原因究明システム57
2と汚染源対策システム573とから成る対応システム
570とより構成される。またこれらの構成要素はライ
ン対応のオンライン異物検査システム581と量産立上
げライン対応のオフライン異物検査システム582とに
分けられ、これらをあわせて半導体製造工程の量産立上
げおよび量産ライン異物検査システム580を成す。
【0158】従って、図に示すように、量産立上げ時と
量産ラインを分けることにより、量産立上げ時の異物の
検出、分析、評価装置を効率よく稼動させることができ
て量産立上げを迅速にできるとともに、量産ラインで用
いられる異物の検査、評価設備を必要最小限の簡便なモ
ニタリング装置にして量産ラインの軽量化が図られる。
【0159】次に、オンライン異物検査システム581
のオンラインモニタである搬送系内異物モニタ522と
処理装置内異物モニタ524について、一実施例を示
す。図32は半導体製造装置群510の中でも特に大量
不良の多い枚葉式CVD装置516の搬送系にオンライ
ンモニタである異物モニタ3101(図1に概略構成を
示す。)を適用した例である。異物モニタ3101を有
するローダ3102と予備室3103と反応室3104
と加熱部3105とガスシステム3106とコントロー
ラ3107と上位CPU3108から構成されている。
ローダ部3102に置かれたローダカセット3109か
ら予備室3103に製品ウェハ3111を搬送し、ゲー
トバルブ3112を閉じ、予備室3103を排気する。
次に、ゲートバルブ3113を開け、予備室3103と
反応室3104の製品ウェハ3111(1)を交換し、
ゲートバルブ3113を閉じ、反応室3104で膜生成
を開始する。膜生成中に予備室3103を大気圧に戻
し、ゲートバルブ3112を開け、製品ウェハ3111
を回収し、アンローダカセット3110に搬送する途中
で、異物モニタ3101(図1に概略構成を示す。)で
製品ウェハ3111(1)上の異物を計測する。ゲート
バルブ3112直前に異物モニタ3101を配し、膜生
成前後の異物を比較しても良い。
【0160】次に、異物モニタ3101(図1に概略構
成を示す。)の構成について図33より説明する。ま
ず、異物モニタ3101の異物検査開始側に設けたウェ
ハ回転方向検出器3121(162)で製品ウェハ31
11(1)のオリフラの方向を検出し、製品ウェハ31
11(1)の回転方向を検出する。その後、異物検出光
学系3122(101)で製品ウェハ3111(1)上
の異物検査を全面において行う。次に異物モニタ310
1より得られた異物情報を異物情報処理系3123で処
理し、異物の異常発生があれば、アラーム等で知らせ
る、あるいは装置停止機能3124により装置本体31
25を停止することができる。また、キーボード312
6とCRT3127(230)により異物表示を行な
う。さらに、異物解析システム3128と連動されてお
り、データのやり取りが可能である。例えば、システム
3128より製品ウェハ3111(1)の名前、場所、
サンプリング等ほしいデータの命令を送信することによ
り、異物情報処理系3123よりそれらのデータを得る
ことができる。ここで、本異物モニタ3101では、異
物検出光学系3122(101)は異物情報処理系31
23(202、203、206−211、212−21
3、229、230、232)とは別体に成っており、
さらに、ステージ系を有しておらず、処理装置の搬送系
を利用する構成と成っている。しかし、もちろんステー
ジ系を有する構成も可能である。したがって、本異物モ
ニタ3101の外形寸法は、幅W、奥行きL、高さHが
それぞれ1m以内、あるいは、本異物モニタ3101の
幅Wがウェハの幅Wwより短く、小型を可能にしてい
る。また、本異物モニタ3101は、自動較正機能を有
しており、製造装置間及び工程間で製品ウェハ表面の反
射率が異なるので、反射率を自動計測し、異物検出光学
系の照明光量にフィードバックすることにより対処で
き、めんどうな較正を必要としない。さらに、異物検出
光学系3122(103)の検出レンズの焦点深度dは
次式から算出され、0.1〜0.5mmと深いため自動焦
点を必要としない。
【0161】
【数16】 d=0.5λ/(N.A.)2 (数16) ここで、λは光の波長、N.A.は検出レンズの開口数
である。さらに、小型なので、ユニット交換が可能であ
り、装置への搭載及びセッティングが容易な構造に成っ
ており、メンテナンスが楽である。
【0162】図34よりウェハ回転方向検出器3121
(162)の検出方法について説明する。数個以上の発
光点3131を有する照明系の下を製品ウェハ3111
(1)がウェハ移動方向3133に沿って通過し、31
32の位置から3134の位置に移動する。図にウェハ
回転方向検出器3121の照明系の発光点から出た照明
光の製品ウェハ3111(1)上の軌跡3135を示
す。発光点Aの場合、照明光が製品ウェハ3111
(1)に当たる時間Asと製品ウェハ3111からはず
れる時間Aeを測定し、これを他の発光点B〜Gについ
ても行う。以上のデータと製品ウェハ3111の移動時
間により製品ウェハ3111のオリフラの方向を求め、
製品ウェハ3111の回転方向を計算する。また、製品
ウェハ3111の回転方向の検出方法として、スクライ
ブエリア検出、チップ検出、アライメントマーク等特殊
マーク検出がある。
【0163】従って、本異物モニタ3101(図1に概
略構成を示す。)は、ウェハ回転方向検出器3121
(162)で得られた製品ウェハ3111(1)の回転
方向と、図5に示すように、オリフラの延長線X軸とそ
れと直交し製品ウェハ3111(1)の外周と接するY
軸の交点を仮想原点3141とするオリフラ基準の座標
あるいは回路パターン3142の延長線の交点を仮想原
点143とする回路パターン3142基準の座標によ
り、製品ウェハ3111(1)上の検出した異物の位置
の情報を得ることができる異物座標管理が可能である。
【0164】また、装置内の発塵分布を知るため、図3
6に示すように、各製品ウェハ3111(1)の回転方
向が様々な方向3142、3143、3144、314
5で搬送されてきても、3145のように、搬送方向3
150と製品ウェハ3111(1)の外周が接するx軸
とそれと直行し製品ウェハ3111(1)の外周が接す
るy軸から成る製品ウェハ3111(1)の回転方向に
よらない装置基準の異物座標管理も有している。装置内
に発塵があれば、3146のように規則的な異物分布を
示す。
【0165】更に、本異物モニタ3101(図1に概略
構成を示す。)のウェハ回転方向検出器3121(16
2)は、製品ウェハ3111(1)の回転方向を検出す
ると同時に製品ウェハ3111の搬送速度を求めること
ができるので、製品ウェハ3111の搬送速度に同期し
て検出器、例えば、CCDリニアセンサのスキャンスピ
ードが変えられるように成っている。したがって、製品
ウェハ3111(1)の搬送速度によらず、安定した検
出性能が得られる。
【0166】図37に製品ウェハ3111(1)上の異
物検査が高速でかつ構造が小型である空間フィルタを用
いた異物検出光学系3122(101)の構成図の一実
施例を示す。斜方照明光学系3151と検出光学系31
52から成る。斜方照明光学系3151は図に示すよう
に1個以上の照明アレイに成っている。検出光学系31
52は検出レンズとしてレンズアレイ3153、レンズ
アレイのフーリエ変換面に空間フィルタ3154(10
6)、レンズアレイの結像位置に検出器3155(10
7)から成っている。
【0167】図38に斜方照明光学系3151の構成図
を示す。ここで、斜方照明とは製品ウェハ3111
(1)の法線3163からθ傾けた方向3164より照
明することを意味する。照明光源として小型で高出力の
半導体レーザ3161を用い、アナモルフィックプリズ
ム3162で高輝度コヒーレント光照明を可能にしてい
る。製品ウェハ3111(1)上をコヒーレント光照明
することにより検出レンズ3153のフーリエ変換面に
おいて製品ウェハ3111(1)のパターンのシャープ
なフーリエ変換像が得られるためである。さらに、アナ
モルフィックプリズム3162は照明アレイの隣接照明
成分が影響しない広領域照明を可能にしている。隣接照
明光の影響があると、検出レンズ3153のフーリエ変
換面において、隣接照明によるパターンのフーリエ変換
像がずれて重なりフーリエ変換像の面積が増え、空間フ
ィルターのフィルタ部分の面積も増えることになり、空
間フィルター3154(106)を通過する異物からの
散乱光量が少なくなり、異物検出性能が低下するからで
ある。
【0168】図39に検出光学系3152の検出幅を示
す。検出光学系3152の検出幅3170は製品ウェハ
3111(1)の幅と同一であり、製品ウェハ3111
の送り3156の1スキャン3156のみで製品ウェハ
3111の全面を一括で検査することができ、高速検査
が可能となる。
【0169】図40に検出器3155(107)として
CCDリニアセンサを用いた場合を示す。製品ウェハ3
111(1)の幅を一括で検出するため、図のようにC
CDリニアセンサ3171をちどり状に配置する。ま
た、センサの重なり部分となる3172についてはB列
を削除し、A列のデータを有効とする。
【0170】図41に空間フィルタ3154(106)
の構成図を示す。レンズアレイ3153(107)の各
レンズ素子3181にそれぞれの空間フィルター318
2が対応する。
【0171】図42に空間フィルタ3154の詳細図を
示す。製品ウェハ3111の規則性のある繰返しパター
ンからの回折光3191はレンズアレイ3153のフー
リエ変換面上の空間フィルタ3154位置では規則的な
像3192となる。したがって、図に示すような空間フ
ィルタ3154で製品ウェハ3111の規則性のある繰
返しパターンを遮光することができ、検出器であるCC
Dリニアセンサ3155には取り込まれない。
【0172】空間フィルター3154には、製品ウェハ
3111の繰返しパターンのフーリエ変換像を乾板に焼
き付けて作成する乾板方式の空間フィルターを用いる。
したがって、空間フィルター3154の焼き付けた部分
は製品ウェハ3111の規則性のある繰返しパターンか
らの光は通過しない。または、液晶を用いた液晶方式の
空間フィルターがある。まず、製品ウェハ3111の規
則性のある繰返しパターンからの回折光3191のレン
ズアレイ3153のフーリエ変換面上の空間フィルタ3
154位置での規則的な像3192をTVモニタ等によ
り検出し、像3192に対応した液晶素子の位置を記憶
させる。次に、記憶された液晶素子部分に電圧を加える
ことにより、その部分に当った光を遮蔽することができ
る。したがって、各工程の製品ウェハ毎の像に対応した
駆動液晶素子を記憶し、フォーマット化することによ
り、各工程の製品ウェハ毎の液晶のオンオフによる空間
フィルタが可能となる。
【0173】図43に各工程の製品ウェハ3111に対
応した乾板方式による空間フィルター群3201を示
す。各工程の製品ウェハ111に対応した空間フィルタ
を乾板方式により作成し、図のようにリニアガイドステ
ージ等の移動機構により交換し、検出レンズ3153に
対して位置決めすることにより、全ての工程の製品ウェ
ハ3111に対応することができる。
【0174】図44に乾板方式によるアンド空間フィル
ター3221を示す。数種類の工程の空間フィルターの
アンドを取ることにより、空間フィルターの数を減らす
ことができ、一つのアンド空間フィルター3222、3
223で数種類の工程の製品ウェハ3111の繰返しパ
ターンからの光を遮蔽することができる。従って、アン
ド空間フィルター3221を用いることにより、工程の
多い場合でも空間フィルターの数を減らすことができ、
装置構成を簡単化することができる。また、この方法
は、液晶方式の空間フィルターにも利用でき記憶するフ
ォーマットの数を減らすことができる。しかし、全ての
工程の空間フィルターのアンドを取り、1個のアンド空
間フィルターも可能であるが、アンド空間フィルターを
通過する異物からの散乱光量が少なくなり、異物検出性
能が低下する。
【0175】次に、図45に部分検査による異物検出光
学系3122の構成図の一実施例を示す。検出レンズと
してマイクロレンズ群3231を用い、各マイクロレン
ズ3231のフーリエ変換面に空間フィルタ3232
(106)を配置し、さらに、検出器としてCCDリニ
アセンサ3233(107)を配置する。したがって、
解像度の高いマイクロレンズ3231を用いることによ
り、レンズアレイ3153を用いるより、さらに微小の
異物を検出することができる。ただし、この方式におい
ては、検出レンズとしてマイクロレンズ3231ではな
く、もちろん従来のレンズを用いた場合でも検査が可能
である。部分検査の一実施例としてマイクロレンズ群3
231のピッチを製品ウェハ3111のチップの間隔に
合わせることにより、検査領域を有効にすることができ
る。
【0176】しかし、図46の斜線部に示すように、マ
イクロレンズ群3231一列だけでは製品ウェハ311
1上の部分検査となり、異物のモニタリング機能は果た
せるが、製品ウェハ3111の全面を検査することはで
きない。ここで、3236はマイクロレンズ3231が
1個の検出幅である。しかし、製品ウェハ3111を数
スキャンすることにより、製品ウェハ3111の全面検
査が可能となる。または、図47に示すようにマイクロ
レンズ3241を2列あるいは数列のちどり状に配置す
ることにより、製品ウェハ3111の1スキャン315
6のみで全面検査が可能となる。尚、マイクロレンズ3
241のフーリエ変換面に空間フィルター3242を配
置し、さらに、検出器としてCCDリニアセンサ324
3を配置している。
【0177】また、図45において、他の実施例とし
て、斜方照明系3151にパルス発光レーザを用いて製
品ウェハ3111上を広領域かつ高照度で照明する。さ
らに、検出器として2次元CCDセンサあるいはTVカ
メラ3233を用いれば広領域で検出することができ
る。ここで、斜方照明系3151において、パルス発光
を行う場合は、検出器もそれに同期させて検出する。
【0178】以上において、空間フィルターを用いる場
合は、各製品ウェハ3111の回転方向が一定で搬送さ
れてくる場合は、例えば、装置の搬送系途中にオリフラ
位置合せ機構を設置し、空間フィルタの方向に製品ウェ
ハ3111の方向を合せることにより、空間フィルター
検出が可能となる。しかし、各製品ウェハ3111の回
転方向が様々な方向で搬送されてくる場合は、製品ウェ
ハ3111の繰返しパターンの方向も変わるため、製品
ウェハ3111の回転方向に合せ空間フィルターも回転
する必要がある。図45、図47に示すマイクロレンズ
を用いると、隣接する空間フィルタは独立しているた
め、個々の空間フィルターを製品ウェハ3111の回転
方向に合せ回転すれば良い。しかし、レンズアレイを用
いる場合は、隣接する空間フィルタは連なっているた
め、図48に示すように製品ウェハ3111の回転方向
(オリフラの回転位置)3251に合せ異物検出光学系
3122(3253)を3254のように回転し、32
52の方向にする必要がある。
【0179】もちろんマイクロレンズを用いる場合で
も、製品ウェハ3111の回転方向3251に合せ異物
検出光学系3122を回転しても良い。ここで、325
1の方向と3252の方向は同一である。回転角は最大
45°であり、図48の場合、回転する分、検出幅が長
くなる。
【0180】また、空間フィルターを用いる場合は、製
品ウェハ3111上の規則的な繰返しパターン部の検査
を行うことはできるが、それ以外の部分は検査できな
い。したがって、製品ウェハ3111上の規則的な繰返
しパターン部以外は、ソフト等で無効データあるいは検
出禁止エリアとする。しかし、この場合、製品ウェハ3
111上の全ての点を異物をモニタするのではなく、あ
る特定の比率で製品ウェハ3111上を監視している
が、繰り返しパターンの多いメモリの製造では、このメ
モリの繰り返し部だけをモニタするだけでも効果は大き
い。
【0181】次に、図49に白色光照明による異物検出
光学系3122の構成図の一実施例を示す。白色光によ
る斜方照明系3261と検出光学系3262としてレン
ズアレイ3153と検出器3155から成っている。こ
の方式を用いると、空間フィルタ方式に比べ異物の検出
性能は低下する。しかし、図50に示すように白色光照
明検出3271は空間フィルターを用いないレーザ照明
検出3272に比べて検出性能は高く、また、製品ウェ
ハ3111上の規則的な繰返しパターン部に限定せず、
全面を検査することができる。ここで、異物からの検出
出力は製品ウェハ3111上の全てのパターンのピーク
値を基準3273にとっている。
【0182】次に、図51にウェハ比較検査による異物
検出光学系の構成図の一実施例を示す。斜方照明光学系
3151と検出光学系3152から成る。斜方照明光学
系3151は図に示すように1個以上の照明アレイに成
っている。検出光学系3152は検出レンズとしてレン
ズアレイ3153あるいはマイクロレンズ群、検出レン
ズ3153のフーリエ変換面に空間フィルター315
4、検出レンズ3153の結像位置に検出器3155、
さらに、検出器からの検出信号を画像処理する画像処理
系3280から成っている。まず、製品ウェハ3111
の1枚目を検出し画像としてメモリ3282に記憶す
る。次に、2枚目の製品ウェハ3111を検出した検出
画像3281と1枚目の記憶画像3282を比較回路3
283により比較することにより、異物の顕在化を行な
う。3枚目以降の製品ウェハ3111検出画像3281
は、1枚目もしくは直前の2枚目の記憶画像3282と
比較する。本実施例では、空間フィルター3154を用
いてパターンの情報を少なくしている。したがって、本
異物検出光学系で検出する前にオリフラ位置合せ機構等
を設置し、全ての製品ウェハ3111の回転方向を空間
フィルタの回転方向に合わせる。
【0183】図52に異物モニタ3101(図1に概略
構成を示す。)を用いた半導体FA(Factory Automati
on)のシステム図を示す。製品ウェハ3111(1)を
一貫処理可能な一貫処理ステーション3291、各種特
殊処理に対応した各種ジョブステーション3292、検
査ステーション3293、解析ステーション3294か
ら構成されており、各ステーションはクリーントンネル
中の搬送系により結合されている。一貫処理ステーショ
ン3291と各種ジョブステーション3292におい
て、特に大量不良の可能性の高いCVD装置やエッチン
グ装置などには異物モニタ3101を搭載して、装置内
の異物監視を行なう。また、3296、3297のよう
にステーションの出入口の搬送系に異物モニタ3101
を搭載して、ステーション全体における異物監視を行な
う。
【0184】なお、本発明は量産立上げ時においても、
量産ラインの監視に有効であることは当然である。
【0185】次に本発明に係る小型異物モニタの他の具
体的実施例を図53から図62を用いて説明する。
【0186】以下、本実施例の構成を図53を用いて説
明する。本実施例は、半導体レーザ1111、コリメー
タレンズ1112、x拡散レンズ1113、集光レンズ
1114、y拡散レンズ1115、ミラー1116より
構成される照明光学系1110と、結像レンズ121
1,1221、空間フィルター1212,1222、偏
光板1213,1223、1次元検出器1214,12
24より構成される検出光学系1210と、ウエハ搬送
手段1301、自動焦点検出器1312、自動焦点位置
決め機構1313より構成されるステージ系1300
と、A/D変換器1411、閾値回路1412、2次元
画像切り出し回路1413、パターン異物判断回路14
14、パターン情報メモリ1418,1416、異物情
報メモリ1417,1415より構成される信号処理系
1401と、FFT回路1511、繰り返し部除去回路
1512、データメモリ1513、マイクロコンピュー
タ1515、データ表示系1516、異常表示アラーム
1517より構成されるデータ処理系1501とにより
構成される。
【0187】照明光学系1110では、半導体レーザ1
111から射出した光が、コリメータレンズ1112に
より平面波になりx拡散レンズ1113によりx方向の
み広げられる。x拡散レンズ1113より射出した光は
集光レンズ1114によりx方向は平行な光束つまり平
面波に、y方向は集光される。その後y拡散レンズ11
15によりy方向のみ平行光束まで拡散される。結果的
に、x,y方向とも平行光束つまり平面波でありy方向
に長い直線上のビームとなり、ウエハ(半導体基板)1
001上を照明する。
【0188】図54に照明光学系1110をx方向から
見た構成を示し、図55にy方向から見た構成を示す。
y方向には、ウエハ(半導体基板)1001上の照明エ
リアを十分照明できるだけ広がり、x方向には十分な照
度になるよう絞り込んでいる。ただし、照明は平面波す
なわちx方向にもy方向にも平行な光束になっている。
【0189】ここで、本実施例では、x,y方向とも平
行光束つまり平面波にして照明しているが、近似的に平
面波になる光学系であればよい。また、ここでは、磁界
ベクトルが照明の入射面に垂直になるような直線偏光を
照射している。これにより、異物からの散乱光をパター
ンからの散乱光に対して相対的に向上する効果がある。
但し、必ずしもs偏光である必要はなく、その他の直線
偏光あるいは楕円、円偏光であっても本発明の目的を達
成する上では差し支えない。
【0190】検出光学系1210では、ウエハ1001
上の検査位置1002から射出した光束を結像レンズ1
211,1221により、空間フィルター1212,1
222、偏光板1213,1223を通して、1次元検
出器1214,1224上に結像する。偏光板121
3,1223は、磁界ベクトルが照明の入射面に垂直な
光(S偏光)を遮光している。この偏光板は、異物から
の散乱光をパターンからの散乱光に対して相対的に向上
する効果がある。但し、必ずしも必要ではなく、省いて
も本発明の目的を達成する上では差し支えない。
【0191】また、検出光学系の結像レンズ1211
は、図56に示したような通常のレンズを用いても、あ
るいは、図57に示したような屈折率変化型のレンズア
レイを用いてもよい。いずれの場合も、照明光学系11
10として、図54及び図55に示したような平面波を
照明できるような光学系を用いる場合、空間フィルター
1212,1222をはじめとした構成上の相違点はな
い。
【0192】図58に照明光学系及び検出光学系の平面
図を示す。検出光学系1210,1220,1230,
1240,1250,1260および1次元検出器12
14,1224,1234,1244,1264を複数
配置し、ウエハの直径L全域をカバーできるようにして
いる。また、各照明光学系1110,1120,113
0,1140,1150,1160はそれぞれ1次元検
出器1214〜1264の検出エリアを照明するように
配置している。この構成で、ウエハ全域を平行光束すな
わち平面波で照明できる。この構成では、一つの検査領
域にたいして一つの照明方向から照明している。この構
成により、空間フィルタ−の効果が十分に発揮される。
仮に一つの照明領域が複数の方向から照明された場合、
空間フィルタ−上でこれら複数の照明による回折パタ−
ンが重複するため空間フィルタ−による遮光領域を大き
くする必要がある。このように遮光領域を大きくした場
合、この遮光領域により検出すべき光信号をも遮光して
しまうことになる。一つの方向から照明することにより
これを防ぐことができる。
【0193】図53に示すように、ステージ系1300
では、ウエハ1001をウエハ搬送手段1301上に載
置した後、ウエハ搬送手段1301はx方向に移動す
る。ここで、ウエハ搬送手段1301は、他の処理装
置、具体的には、成膜装置、エッチング装置、露光装置
などの半導体製造検査装置のもつ搬送系である。もちろ
ん、本発明の異物検査装置が、この搬送手段を持ち合わ
せていてもよい。また、自動焦点検出系1312によ
り、ウエハ1001と本発明による装置との距離が測定
され、その結果を基に自動焦点制御系1313によりウ
エハ1001と本発明による装置との距離が最適になる
よう制御される。この制御は検査開始前に1度だけされ
れば十分であるが、ウエハ搬送手段1301の精度によ
っては、検査中に実時間で制御される必要がある場合も
ある。
【0194】信号処理系1410では、1次元検出器1
214からの検出信号をA/D変換器1411、閾値回
路1412を通過し、2値化された1ビットの信号が5
×5の2次元画像切り出し回路1413に送られ、図に
示した論理式によるパターン異物判定回路1414によ
りパターンと異物が判定される。すなわち、中央の点の
論理値をP(0、0)とすると、以下の式(数17)が
成立するときp(0,0)の信号を異物と判断し、以下
の式(数18)が成立するときパターンと判断する。
【0195】
【数17】
【0196】
【数18】
【0197】判断された結果は、1次元検出器1214
の基本クロックから求められる座標信号によりパターン
メモリ1415および異物メモリ1416に格納され
る。ここで、閾値回路1412から異物メモリ1416
までの回路は、3系統等の複数用意してあり、閾値回路
1412の閾値を段階的に変えておく。このような回路
構成により必要十分な機能を有しながら回路規模が小型
になるという効果を持つ。
【0198】ここで、この信号処理系は各検出光学系1
210〜1260の信号を処理するため、信号処理系1
410〜1460が設けられている。
【0199】データ処理系1501では、異物メモリ1
416のデータからFFT回路1511により異物マッ
プデータがフーリエ変換され、繰り返し部除去回路15
12によりチップ間の繰り返し部が除去される。こうし
て得られた異物データは異物メモリ1513に座標及び
閾値が格納されると共に、この異物数が許容範囲より大
きい場合、アラーム1517より警報信号が出される。
この警報信号が出された場合、作業者は、ラインの動作
を止めると共に、異物の発生原因を追求し、対策を施
す。また、マイクロコンピュータ1515より指令する
ことにより、異物のマップデータ、座標データ等が表示
系1516に出力される。また、本発明では、パターン
のデータもメモリ1416に格納されている。このデー
タは、このパターン部では異物検査を実施していないこ
とを意味する。従って、パターンデータの全体面積に対
する比率は、検査面積比率を意味する。この検査面積比
率が、所定の値より小さい場合は、検査装置のエラーあ
るいは、ウエハプロセスのエラーの可能性がある。従っ
て、この場合も、アラーム1517より警報を出す。
【0200】図81に、信号処理系1410とデータ処
理系1501の機能を兼ねた異物パターン判断系を示
す。データ処理系1501では、ウエハ内のチップの繰
り返し性を利用してチップ周辺の非繰り返しパターンを
識別除去している。この機能は、図81に示した回路に
よっても達成される。
【0201】この実施例は、2次元画像切り出し回路1
413に替えて画像切り出し回路1420をもつ。画像
切り出し回路1420(オペレータ処理系203の21
6、217)は切り出し部1421(219)、142
2(231)及び被判断部1423(218)より構成
される。この切り出し部1421(219)、1422
(231)は、被判断部1423(218)に対して試
料上でのチップピッチp離れた位置の画像を切り出せる
ように配置されている。ここで、ウエハは、回転誤差Δ
α、チップ転写誤差、結像倍率誤差、2値化による誤差
などによるチップ間隔誤差Δpを持っているため、画像
切り出し部1421、1422は被判断部1423に対
して概ね±Δα、±Δpの余裕を持っている。この値
は、実験的に、あるいは装置の製作精度を基に設計され
ればよい値であるが、本実施例の場合画素サイズを7μ
mとして、Δpを1.5画素、Δαを0.5度とし、ピ
ッチが10mm程度として、Δw(=Δα・p)を1
2.5画素としている。この画像切り出し回路1420
から切り出された信号は、図53に示した信号処理系に
準じて処理される。2次元切り出し回路1413では切
り出された正方形の周辺部を式1に従ってロの字形に論
理積を取るのに対し、切り出し部1421、1422の
全域にわたって論理積が取られる。すなわち、2次元切
り出し回路1413では切り出された正方形の周辺部を
P(i,j)としているのに対し、切り出し部142
1、1422では切り出された全域をP(i,j)とし
ている。このP(i,j)の形状が異なるだけでパター
ンの判断は式1で、異物の判断は前記式(数17)で示
される。
【0202】この構成では、FFT回路1511および
繰り返し部除去回路1512を省略することができる。
【0203】以下、動作を図53ないし図62により説
明する。
【0204】本発明では、超微細パターンの形成された
超LSI上の異物を高速高精度でしかも小型の装置で検
査するため、パターンの繰り返し性に着目している。従
来の装置では、ウエハの全面積を高速高精度で検査する
ため、高性能の大型の装置が用いられていた。ところ
が、半導体生産の歩留りを向上するためには、必ずし
も、全面積に付いて異物検査をするよりも、むしろ、全
面積検査を犠牲にして、全ウエハ検査を実施した方が良
いという結果が判明した。従来装置を用いる限り、ウエ
ハを適当な頻度でサンプリングして検査するしかなく、
この検査方法では、一度、不良が発生したとき大量の不
良をつくり込んでしまう可能性がある。このような、全
ウエハ検査をする場合、ウエハの全面積を検査しなくて
も、装置発塵、プロセス発塵等の不良を発見できる。
【0205】そこで、メモリーに代表されるLSIに
は、繰り返しのパターンが大きな比率で存在することに
着目した。DRAM,SRAM等では、80%以上、マ
イクロコンピュータ、カスタムLSI等でも多くの場
合、30%以上である。このような比率で有れば、この
繰り返し部だけの検査で十分である。繰り返し部の欠
陥、異物の検査では、光学的なフィルターリングを用い
た非繰り返し部の強調検出技術が有効である。そこで、
この技術を適した。この方法は、空間フィルターの作成
方法が課題である。
【0206】図59に示したような基本パターン101
0の繰り返しパターンに図53に示した装置で光を照明
した場合、図60に示したような規則的な回折パターン
1011が空間フィルター1212,1222で観察さ
れる。この回折パターン1011は図59に示したパタ
ーンからの回折にによるものである。ここで、図29上
に異物1012が存在した場合、この異物1012から
の回折光は、規則的な回折パターン1011とは異なっ
た不規則な形状になり、例えば図60上のパターン10
13のように観察される。そこで、この空間フィルター
1212,1222上で回折パターン1011を遮光す
るようなフィルターを設ければ、パターン1014の情
報は削除され1次元検出器1214,1224上では、
異物1012の情報のみが図41のように観測される。
すなわち本発明により、異物1012のみが選択的に検
出されたことになる。
【0207】ここで、パターン1014のピッチpと回
折パターン1011のピッチθ(観測点2から結像レン
ズ1211,1221へ入射する回折パターンの角度で
示している。)との関係は、照明光学系1110の射出
する光の波長λとして以下の(数19)式で示される。
【0208】
【数19】sinθ=λ/p (数19) 従って、pが小さいほどθは大きくなる。すなわち、L
SIがより微細化し、pが小さくなるほど回折パターン
のθは大きくなり結像レンズ3211に入射する回折パ
ターンは減少し空間フィルターの形状は簡単になるとい
う利点がある。
【0209】また、同じ製品の場合、基本パターン10
10の形状は変わっても位置ピッチは変わらないため回
折パターンの基本的な形状は変わらない。つまり、同じ
製品を検査する限り、回折パターンの形状はほぼ変わら
ず、従ってこれを遮光する空間フィルターの形状もほぼ
変わらないという特徴を有する。この特徴を利用し、各
製品毎に各工程の回折パターンの形状を測定しそれら全
ての回折パターンを遮光するような空間フィルターを作
成しても、そのフィルターが結像レンズの開口全てを遮
光するようなことはないことに着目した。このように各
工程毎の回折パターンをすべて遮光するようなフィルタ
ーを用いることにより空間フィルターの交換を省くこと
ができる。また、特にメモリの製造ラインでは製品が少
なく製品の変更も少ないため効果的である。
【0210】ここで、本発明では、結像レンズ121
2,1222に屈折率変化型のレンズアレイを用いると
装置をさらに小型に構成できる。屈折率変化型レンズア
レイは、小型の光学系が構成できるためファクシミリ、
電子複写機等に用いられている。光学系を小型にすると
いう目的を達成する為にはこの屈折率変化型のレンズア
レイは効果的である。しかしながら本発明では空間フィ
ルターを用いる必要がある。従来、屈折率変化型のレン
ズアレイにもフーリエ変換面があり空間フィルターを用
いることができることは着目されていなかった。本発明
では、この屈折率変化型のレンズアレイに空間フィルタ
ーを用いることができることに着目して、屈折率変化型
のレンズアレイを用いた小型の異物モニターを実現し
た。空間フィルターの構成、作用は上述したものと同一
であり、各レンズ1つ1つに上述の空間フィルターを設
置すればよい。またこの屈折率変化型のレンズアレイの
空間フィルターの位置は図61に示すようにレンズの射
出側の端面になる。
【0211】図62に空間フィルターの形状を示す。特
に、最も簡便にかつ任意のパターンに対し効果を出すに
は図62(a)に示した直線上のものがよい。また、こ
の直線上の空間フィルターよりパターンとの弁別性能を
出すには図62(b)に示した様な形状のものが必要に
なる。さらに、製品内の各工程全てで使用できる形状の
1例を図62(c)に示す。
【0212】図63に異物の検出例を示す。
【0213】ここで高速小型の異物検査装置を実現する
上で、この空間フィルターを用いた方法は従来技術(特
許公開昭和62−89336号)に示した偏光検出法よ
り適している。この理由を図64、65、66を用いて
説明する。
【0214】試料に光を照明し異物からの散乱光を検出
する方法では、試料表面に形成されたパターンからの散
乱光がノイズになる。このノイズは、図64(c)に示
したように検出器2006の画素(1つの信号として検
出される最小単位)サイズが大きいほど大きくなる。ノ
イズ源になるパターンは試料上ほぼ全面に形成されてい
るため、ノイズは画素サイズに比例して大きくなる。
【0215】一方で、画素数が多いほど検査時間がかか
るため、高速検査を実現するためには画素サイズを大き
くする必要がある。したがって、画素サイズを大きくし
て、ノイズレベルも小さくする必要がある。このノイズ
レベルを小さくする方法として、小泉他、「LSIウエ
ハパターンからの反射光の解析」、計測自動制御学会論
文集、17−2、77/82(1981)に、偏光を利
用した方法が解析されている。これによれば、偏光を利
用することによって、パターンからの散乱光(ノイズ)
を減衰させることができる。ところがこの方法による散
乱光の減衰率は、上記論文に解析されている通り、検出
器の方向に依存する。このため、結像光学系を用いたよ
うに様々な方向に射出した光を集光する場合、それぞれ
の減衰率を積分すると減衰率は0.1%から0.01%
程度になる。
【0216】これに対し、本出願の空間フィルターを用
いた方法では、減衰率を0.001%から0.0001
%にできる。この理由を図65、66を用いて説明す
る。繰り返しパターンの形成されたウエハ2001を照
明光2002で照明し、照明した領域をレンズ系200
3、2005を用いて検出器2006に結像する。ここ
で、空間フィルター2004を載置したフーリエ変換面
でのパターンからの射出光の強度分布を図66に示す。
繰り返しパターンからの射出光はパターンのピッチに応
じた位置に集中する。この集中の比率を算出した例とし
て、複スリットの場合の回折光強度分布が久保田宏著、
「応用光学」(岩波)に説明されている。
【0217】これによれば、スリットの数(本出願では
同時に照明される繰り返しパターンの数)が多くなれ
ば、集中の比率が大きくなる。この比率はフーリエ変換
F[]を用いても算出できる。照明されたパターンの形
状をa(x,y)とすると、空間フィルターの位置の光
強度分布はF[a(x,y)]となる。空間フィルター
の形状をp(u,v)とすると、p(u,v)*F[a
(x,y)]が、空間フィルターを通過する光となる。
また空間フィルターに相補的な図形の形状を ̄p(u,
v)とすると、 ̄p(u,v)*F[a(x,y)]
は、空間フィルターによって遮光される光成分である。
この2つの成分の比率が先の減衰率になる。パターンの
繰り返し数が3の時のこの減衰率を算出すると0.00
1%程度である。繰り返し数が5の時0.0001%程
度になり、さらに繰り返し数を多くすれば減衰率は低下
する。従って、偏光を用いるよりも減衰率を低くでき、
パターンノイズを低減できることになる。
【0218】以上の計算は、パターン形状及びその他の
条件が理想的な場合であって、現実の実験結果とは必ず
しも一致しない可能性がある。しかしながら、偏光方式
よりも1桁から3桁減衰率が低下し、パターンノイズを
低減できるという実験結果を得ている。
【0219】次に本発明の小型異物モニタの他の実施例
を図64から図77を用いて説明する。図64に異物検
出器の検出画素サイズとノイズレベルの関係を示す。小
型異物モニタの課題として高速・小型化がある。同図
(a)に異物検出光学系を示す。ウェハ2001上のパ
ターンと異物からの散乱光を検出レンズ2003を通し
て、検出器2006で検出する。検出器2006からの
検出信号は検出器2006の1画素毎に出力される。同
図(b)に検出器2006の1画素に相当するウェハ上
の大きさが小画素の場合と大画素の場合を示す。検出時
間Tはウェハの面積S、検出器のデータ取り込み時間
t、検出器の画素サイズw、検出器の画素数nとして以
下の(数20)式で示される。
【0220】
【数20】 T=(S・t)/(w・n) (数20) 式(数20)より、高速・小型を実現するためには、w
を大きくすることと、nを増やして並列処理を行うこと
が最も有効である。しかし、同図(c)に示すように、
wを大きくすると、wに比例してウェハ2001上のパ
ターンからのノイズレベルも増加する。したがって、w
を大きくして、異物検出性能を維持するためには、パタ
ーンからのノイズレベルを低減する必要がある。
【0221】そこで、次に、パターンからのノイズレベ
ルを低減するために、空間フィルタ法によるノイズ低減
の効果について説明する。図65は空間フィルタを用い
た異物検出光学系の構成図を示す。検出レンズ2003
のフーリエ変換面に空間フィルタ2004を設置してい
る。ノイズであるウェハ2001上の繰返し性のあるメ
モリパターンからの回折光2007は、検出レンズ20
03を通過後、空間フィルタ2004で遮光する。ま
た、ウェハ2001上の異物からの散乱光2008は検
出レンズ2003、空間フィルタ2004、結像レンズ
2005を通過して検出器2006で検出される。
【0222】ここで、図65の空間フィルタ2004面
におけるパターン回折光2007のx方向の光強度分布
を図66に示す。同図において、空間フィルタ2004
の透過部分(A)と遮光部分(B)に相当するパターン
回折光2007の光強度の比、即ちA:Bは1:105
となり、空間フィルタ2004を設置することにより、
パターンノイズを1/105に低減することができる。
従来の異物検査装置に用いられた偏光フィルタ法では、
パターンノイズ低減は1/102であるため、検出器の
画素サイズが同一であれば、ノイズ低減レベルは103
向上し、異物検出感度も向上する。したがって、異物検
出感度の目標設定を従来の異物検査装置の性能以下にす
ることにより、検出器の画素サイズの大画素化を行うこ
とができ、異物検出光学系の高速・小型化が可能とな
る。
【0223】なお、空間フィルタで遮光できるパターン
は繰返し性のあるメモリパターンであり、メモリパター
ン部以外はソフト等で無効データあるいは検出禁止エリ
アとする。
【0224】図67に空間フィルタ法を適応した場合の
異物検出光学系における弁別比を示す。ここで、異物検
出系光学系における検出レンズ2003は結像レンズも
兼ねているため、結像レンズを必要としない。検出器2
006からの検出信号分布より、異物の検出信号をS、
パターンノイズをNとすると弁別比をS/Nで表す。
【0225】次に、図68に検出器の画素サイズと弁別
比の関係を示す。ここでは、異物として2μm標準粒子
の例を示す。異物をパターンから安定して弁別するため
には、弁別比1以上を必要とする。したがって、同図よ
り、2μm標準粒子をパターンから弁別して検出するた
めには、検出器の画素サイズは20μm以下であれば良い
ことがわかる。
【0226】次に、図69に照明領域と検出領域を示
す。検査時間Tは、検査幅Lx、Ly、検出器の画素サ
イズw、検出器の読みだしクロック周波数fとして以下
の(数21)式で示される。
【0227】
【数21】 T=(Lx・Ly/w2)・(1/f) (数21) また、有効照明光強度Pは、照明パワーP0、照明幅W
x、Wyとして以下の(数22)式で示される。
【0228】
【数22】 P=P0・(w・Lx)/(Wx・Wy) (数22) ここで、Wx≒Lxであるため、(数22)式は(数2
3)式で示される。
【0229】
【数23】 P=P0・(w/Wy) (数23) 総照明光量Ptは(数21)式と(数23)式より、
(数24)式で示される。
【0230】
【数24】 Pt=T・P =P0・(Lx・Ly/Wy)・(1/(w・f)) =K1・(1/(w・f)) (数24) したがって、検出信号強度Iは、異物信号係数K2
(数24)式より、(数25)式で示される。
【0231】
【数25】 I=K2・Pt =K1・K2・(1/(w・f)) (数25) 式(数25)より、Iはw・fの関数となる。
【0232】以上の結果を基に、図70に装置仕様を決
定するための性能図を示す。画素サイズと検査時間の関
係、画素サイズと弁別比の関係、画素サイズ・検出器の
クロック周波数と検出信号の関係の3つの図により装置
仕様を決定する。例えば、20秒の検査時間を実現する
ために、画素サイズと検査時間の関係より、検出器のク
ロック周波数を2MHzに設定すれば、検出器の画素サ
イズは13μmで良い。
【0233】その時、画素サイズと弁別比の関係より、
2μm異物のパターンからの弁別比は2であり、パター
ンから弁別することができる。最後に、画素サイズ・検
出器のクロック周波数と検出信号の関係より、2μm異
物の検出信号は、画素サイズ・クロック周波数で決ま
り、60mVであり、検出器で検出可能である。以上の様
に、3つの性能図により、装置の検出異物寸法と検査時
間の仕様を任意に決定することができる。
【0234】図71は空間フィルタ法を用いた異物検出
光学系の装置構成を示す図である。
【0235】異物検出光学系は、製品ウェハ2001の
一軸走査2010で製品ウェハ2001全面が検査可能
な構成に成っている。そのため、異物検出光学系は照明
光学系2011と検出光学系2013に分け、それぞれ
ユニット構成に成っている。検査対象ウェハがφ200
mmの場合について以下に説明する。例えば、8ユニッ
トでウェハ2001全幅を検査するためには、1ユニッ
トの照明領域及び検出領域2012は、25mmにすれ
ば良い。したがって、検査対象ウェハがφ150mmの
場合は、8ユニットのうち6ユニットを用いれば良い。
1ユニットの検出光学系2013は、検出レンズ201
4、検出レンズ2014のフーリエ変換面に設置された
空間フィルタ2015、検出器としてリニアセンサ20
16で構成されている。検出レンズ2014の外形寸法
が検出幅より大きい場合は、本実施例の同図に示すよう
にちどり状に配置することによりウェハ2001全幅を
確保することができる。また、検出レンズ2014の外
形寸法が検出幅以下の場合、あるいは、ウェハ上を限定
する検査すなわち部分検査の場合には直線状に配置する
ことができる。ここで用いている空間フィルタ2015
は検出光学系2013がちどり状の場合は4ユニット構
成を2組使用し、検出光学系2013が直線状の場合は
8ユニット構成を1組使用する。リニアセンサ2016
からの検出信号は異物検出処理(別体)2017で処理
され、異物データとして出力する。
【0236】なお、検出光学系2013がちどり状の場
合は2組、検出光学系2013が直線状の場合は1組の
空間フィルタ2015の交換は、ウェハ2001の品種
間により行う必要があるが、工程にはほとんど依存せ
ず、1品種ウェハを1種類の空間フィルタ2015で対
応可能である。
【0237】次に本実施例のうちの仕様の一例を示す。
照明光学系は、照明光源として波長780nm、出力2
00mWの半導体レーザを用い、照明光入射角度は上方
から60°でウェハ上の26×1mm2の領域を照明す
る。検出光学系は、検出レンズとして投影レンズ(50
mmF2.8を用い、検出倍率1倍(検出NA=0.
1)で検出する。検出器には画素サイズ13μm、画素
数2048、駆動周波数4MHzのCCDリニアセン
サ、あるいは、異物弁別性能の高い画素サイズ7μm、
画素数4096、駆動周波数4MHzのCCDリニアセ
ンサを用いる。
【0238】次に、図72はパターンノイズ光のウェハ
回転角度による影響を示す一例図である。ウェハ200
1が回転すると、ウェハ2001のパターンからの回折
光もウェハ2001に応じて回転する。したがって、異
物検出光学系2021に対してウェハ2001が回転し
ていると、異物検出光学系2021の空間フィルタの遮
光部分からウェハ2001のパターンからの回折光が漏
れてくる。したがって、パターンからの回折光の漏れ光
すなわちパターンノイズ光は、空間フィルタの遮光幅と
ウェハの回転角度の関数となる。ここで、ウェハの回転
角度θは、異物検出光学系2021の中心線2020と
ウェハ2001の中心線2000の角度を表す。しか
し、空間フィルタの遮光幅を広げると異物からの散乱光
も減光するため、最適幅を求める必要がある。そこで、
従来のプリアライメント装置ではウェハの回転角度を±
2°以内に抑えることができるので、異物検出性能、例
えば、2μm異物をパターンから弁別して検出できる空
間フィルタの遮光幅を最適幅とした場合のウェハの回転
によるパターンノイズ光の変化の一例を同図に示す。
【0239】異物検査のモニタとしての機能を有するた
めには、できるだけ焦点深度の深い異物検出系が必要で
ある。
【0240】焦点深度は、検出画素サイズの大きさによ
り、検出レンズのNAから計算される焦点深度より大き
い値を得ることができる。
【0241】検出画素サイズが検出異物サイズより十分
小さければ、焦点深度dは、検出レンズの開口数に依存
し、光の波長λ、検出レンズの開口数NAとして以下の
(数26)式で示される。
【0242】
【数26】 d=0.5・λ/(NA)2 (数26) (数11)式において、例えば、λ=780nm、NA=0.1
の場合はd=39μmとなる。また、検出画素サイズが検
出異物サイズより十分大きければ、焦点深度は、検出画
素サイズに依存する。この場合、検出画素サイズを相当
解像度a’とすると、相当開口数NA’との関係は以下
の(数27)式で示される。
【0243】
【数27】 a’=0.61・λ/NA’ (数27) さらに、(数27)式におけるNA’を(数26)式の
NAに代入すると、実際の焦点深度dが得られる。例え
ば、a’=13μmとすると、NA’=0.037となり、d
=285μmとなる。
【0244】従って、検出器の大画素化により、異物検
出系の焦点深度を深くする効果がある。
【0245】図73はウェハステージの高さによる異物
検出出力の変化を示す一例図である。λ=780nm、NA
=0.1、検出画素サイズ13μmを用いた場合の5μm異
物の検出出力の変化を示している。同図より、焦点深度
は±70μmである。この値は検出レンズの開口数から得
られる値(39μm)と検出画素サイズから得られる値
(285μm)の間の値に成っている。したがって、13μ
mの検出画素サイズは5μm異物に対して十分大きくな
いが、焦点深度を深くしている。
【0246】以上のように、検出レンズの開口数を小さ
くすることと、検出画素サイズを大きくすることによ
り、焦点深度を深くすることができ、ウェハの搬送系の
高さ方向の位置制御をラフにすることが可能である。
【0247】次に、本小形異物モニタリング装置に用い
る照明光学系の1ユニットの構成を示す。ウェハ上を片
側は検査領域を十分照明できるように広げ、片側は十分
な照度になるように絞り込み、線状照明が可能な構成と
なっている。照明光源が点光源であれば、両側とも平面
波すなわち平行な光束ができる。ここで、照明光を平行
光にすると、検出光学系の空間フィルタ位置の像をシャ
ープにすることができ、空間フィルタによるパターンの
遮光性能を高くし、異物検出性能も高くすることができ
る。しかし、例えば、照明光源として小形の半導体レー
ザを用いる場合、高出力になるにしたがって、発光点の
片側の長さが長くなる。したがって、片側は平面波すな
わち平行な光束はできない。そこで、それに対応した照
明光学系の実施例を2種類示す。ただし、ウェハ上の線
状照明のうち、ビームの長い方向をy方向、ビームの短
い方向をx方向とする。
【0248】1つ目の方式の構成を図74に示し、同図
(a)にx方向から見た構成を示し、同図(b)にy方
向から見た構成を示す。ここで、半導体レーザ2101
の発光点2100の長い方向がx方向、発光点2100
の短い(点光源に近い)方向がy方向である。ただし、
ウェハ上においてP偏光照明であればS偏光照明になる
ようにλ/2板を挿入する。
【0249】同図(a)のx方向は、半導体レーザ21
01から射出した光はレンズ2102〜レンズ2106
を用い、光束を絞ってウェハ2001上を照明する。同
図(b)のy方向は、半導体レーザ2101から射出し
た光はレンズ2102〜レンズ2106を用い、光束を
広げ平行光にする。この方式はx方向の光束を容易に絞
り込むことができるので、照明の高照度化が可能であ
る。この方法では、x方向の光束を平行光ではなくある
角度をもって絞り込むため検出光学系の空間フィルタ面
におけるx方向の回折パターンは長くなるが、図62に
示すような直線状の空間フィルタ−を用いることによっ
てパタ−ンからの回折光を遮光することができる。図7
5は図74の照明光学系を用いた場合の検出検出光学系
の空間フィルタ面におけるウェハ上の回折パターンの平
面図の一例を示す。ウェハ上のパターンからの回折パタ
ーンの1点の大きさは、x方向は照明の開口数に依存し
x1=数mm、y方向は平行光であるためy1=数μm
になり、y方向のみシャープな光となる。ウェハの向き
により同図(a)に示すようにy方向のピッチpyがx
方向のピッチpxより短い場合には空間フィルタの遮光
率が高くなり、異物からの検出出力も低下する。そこ
で、ウェハを90°回転することにより、ウェハ上のパ
ターンからの回折パターンは同図(b)に示すようにな
り、y方向のピッチは同図(a)におけるpxと同一で
あり、空間フィルタの遮光性能を向上することができ
る。このように、y方向に回折パターンのピッチの長い
方がくるようにウェハの向きを予め設定することによ
り、異物からの検出出力を更に向上することができる。
このウエハの最適な向きは、予めデ−タとして入力する
ことができる。また、一度回折パターンの向きを見てウ
ェハの最適な向きを検出し、以後はその最適な向きの上
方を用いる。
【0250】2つ目の方式の構成を図76に示し、同図
(a)にx方向から見た構成を示し、同図(b)にy方
向から見た構成を示す。ここで、半導体レーザ2101
の発光点2100の短い(点光源に近い)方向がx方
向、発光点2100の長い方向がy方向である。ただ
し、ウェハ上においてP偏光照明であればS偏光照明に
なるようにλ/2板を挿入する。
【0251】同図(a)のx方向は、半導体レーザ21
01から射出した光はレンズ2202〜レンズ2207
を用い、光束を絞って平行光にする。同図(b)のy方
向は、半導体レーザ2101から射出した光はレンズ2
202〜レンズ2207を用い、光束を広げウェハ20
01上を照明する。しかし、x方向の発光点2100の
長さが数十μmと長いため、平行光にすることができな
い。ここで光源2100は、レンズ2202〜レンズ2
207、結像レンズ2014を通して空間フィルタ20
15の位置に結像する。この総合結像倍率は空間フィル
タの遮光性能より数十μm以下が最適であるため、1倍
前後になるようにする。
【0252】図77に図76の照明光学系を用いた場合
の検出検出光学系の空間フィルタ面におけるウェハ上の
パターンからの回折パターンの平面図の一例を示す。空
間フィルタ面におけるウェハ上のパターンからの回折パ
ターンの1点の大きさは、x方向は平行光であるためx
2=100μm程度、y方向は照明光源の大きさに比例
するのでy2=数十μmになり、ウェハの向きに依ら
ず、x方向、y方向とも比較的シャープな光が得られ、
空間フィルタの遮光性能を高くすることができる。
【0253】次に本発明の小型異物モニタの偏光検出法
による異物検出光学系の他の実施例を図78から図79
を用いて説明する。
【0254】偏光検出法はメモリパターンに限定しない
でウェハ全面の全てのパターンから異物を弁別して検出
することが可能である。
【0255】図78は検出レンズとして屈折率変化型の
レンズアレイを用いた異物検出光学系の構成図を示す。
斜方照明光学系3002と検出光学系3003から成
る。斜方照明光学系3002は図に示すように1個以上
の照明アレイに成っている。検出光学系3003は検出
レンズとして屈折率変化型のレンズアレイ3004、偏
光素子として偏光板3005、屈折率変化型のレンズア
レイ3004の結像位置に検出器3006から成ってい
る。照明アレイによりウェハ全幅を照明する線状照明に
し、ウェハ全幅を検出する。したがって、ウェハ300
1の一軸走査3010でウェハ3001全面を検査でき
る。照明アレイ3002の照明角度は水平方向から数度
上方より行い、磁界ベクトルが照明の入射面に垂直にな
るような直線偏光(S偏光)でウェハ3001上を照射
する。また、ウェハ3001上のパターン及び異物から
の散乱光は、屈折率変化型のレンズアレイ3004を通
過後、偏光板3005でP偏光(磁界ベクトルが照明の
入射面に平行な成分の直線偏光)のみを通過させ、パタ
ーンからの散乱光を減じ異物からの散乱光を強調させ
て、検出器3006で検出する。
【0256】図79は検出レンズとして通常のレンズを
用いた異物検出光学系の装置構成図を示す。異物検出光
学系は、製品ウェハ3001の一軸走査3110で製品
ウェハ3001全面が検査可能な構成に成っている。そ
のため、異物検出光学系は照明光学系3111と検出光
学系3113に分け、それぞれユニット構成に成ってい
る。検査対象ウェハがφ200mmの場合について以下
に説明する。例えば、8ユニットでウェハ3001全幅
を検査するためには、1ユニットの照明領域及び検出領
域3112は、25mmにすれば良い。したがって、検
査対象ウェハがφ150mmの場合は、8ユニットのう
ち6ユニットを用いれば良い。1ユニットの検出光学系
3113は、検出レンズ3114、偏光板3115、検
出器としてリニアセンサ3116で構成されている。検
出レンズ3114の外形寸法が検出幅より大きい場合
は、本実施例の同図に示すようにちどり状に配置するこ
とによりウェハ3001全幅を確保することができる。
また、検出レンズ3114の外形寸法が検出幅以下の場
合、あるいは、ウェハ上を限定する検査すなわち部分検
査の場合には直線状に配置することができる。照明ユニ
ット3111の照明角度は水平方向から数度上方より行
い、磁界ベクトルが照明の入射面に垂直になるような直
線偏光(S偏光)でウェハ3001上を照射する。ま
た、ウェハ3001上のパターン及び異物からの散乱光
は、検出レンズ3114を通過後、偏光板3115でP
偏光(磁界ベクトルが照明の入射面に平行な成分の直線
偏光)のみを通過させ、パターンからの散乱光を減じ異
物からの散乱光を強調させて、リニアセンサ3116で
検出する。リニアセンサ3116からの検出信号は異物
検出処理(別体)3117で処理され、異物データとし
て出力する。
【0257】図80に本発明の位置付けと機能を示す。
LSIの量産立上げの主要作業のうちの1つに、異物の
発生原因を究明して対策を施す作業があり、それには発
生異物を検出して元素種などを分析することが発生原因
探求の大きな手がかりになる。一方、量産ラインでは、
これらの異物をいち早く感知し対策を施す必要がある。
異物発生からその感知までの時間が経過した場合、不良
の発生数は大きくなり歩留まりは下がる。したがって、
高い歩留まりを維持するためには異物発生からその感知
までの経過時間を短縮することが欠かせない。また、ウ
ェハ上の異物個数の厳密な検出実験により、異物個数は
徐々に増減するものではなく、突発的に増減することが
新たに判明した。同図(a)にCVD等の処理装置内で
発生する製品ウェハ上の異物数の時間推移を示す。同図
(b)に従来方式を示す。従来装置はスタンドアローン
型であり、量産ラインで処理したウェハを検査装置の個
所に持ち込んで異物の検査をする抜取り検査であった。
したがって、ウェハの搬送、異物検査に時間を要したた
め、検査の頻度すなわちサンプリングは、同図(a)に
示すように、1ロット、あるいは数ロット、あるいは1
日毎に1枚であり、検査枚数に限界があった。このよう
なサンプリングでは突発的な異物の増加が見落とされた
り、増加したまましばらく経ってから検出されたりする
ことになり、相当数の不良(ドカ不良)が発生すること
になる。すなわち、このようなサンプリングでは、異物
の発生を十分に早く感知したとはいえない。そこで、同
図(c)に示すように、異物モニタリング装置を小型に
した小形異物モニタを処理装置の入出力口あるいは処理
装置間の搬送系中に載置し、小形異物モニタからの異物
データを異物管理システムに取り込むことにより、異物
管理を枚葉で行うことができる。したがって、本小形異
物モニタを用いることにより、同図(a)に示すよう
に、モニタのサンプリングタイムを短くでき、枚葉の実
時間サンプリングが可能で、異物検査の効果を最大限に
出すことができる。
【0258】本発明の機能としては次の5項目があ
る。、処理装置の搬送系に取付け可能な大きさ、すなわ
ち、小形であり、ウェハの枚葉検査ができる高速検査が
可能であり、処理装置毎の異物管理ができるように処理
装置のオプションになりうる安価な価格である。また、
モニタであるためセッティングが容易でメンテナンスフ
リーになっている。
【0259】以下、空間フィルターの実施例を図82か
ら図85を用いて説明する。この空間フィルターは、液
晶表示素子を用いて構成しても良いが、液晶素子の場
合、特定の偏光方向の光だけしか使用できない。また、
光の減衰率が小さいためパターンからの回折光を十分に
遮光できない問題がある。そこで、空間フィルターを金
属板等を用い機械的に構成するのが良い。
【0260】空間フィルターは、図74、75で説明し
たように直線状のパターンの集合で構成される。(もち
ろん空間フィルターは図75(a)に示したような点の
集合を遮光するように一回り大きい点の集合であるのが
望ましいが、ここで示したような直線の集合であっても
十分その機能は果たし、かつ構成が単純であるという効
果もある。)この直線状パターンのピッチと位相を合わ
せればよい。図82にこの金属板を用いたピッチ可変空
間フィルター1270の一実施例を示す。
【0261】この実施例は、照明光学系1110、検出
光学系1210、ステージ系1300、信号処理系14
01、データ処理系1501より構成される点は、図5
3に示した実施例と同じである。
【0262】ここで半導体レーザ1111の射出口10
21が図82に示すように縦長に配置された場合、図7
4の照明系を用いると、空間フィルターの直線方向は、
図82に示したように照明光束の入射面に平行になる。
この場合、空間フィルターの位置合わせとして、空間フ
ィルターの中心にある直線状パターンを基準にして直線
状パターンのピッチを合わせるだけでよい。この場合、
空間フィルターのピッチ可変機構は単純に構成できる。
【0263】図82のピッチ可変空間フィルター127
0の構成を図83に示す。ピッチ可変空間フィルター1
270は、金属あるいは金属酸化物あるいはプラスチッ
ク等の遮光率の高い材料で形成された複数の直線上パタ
ーン1271、ばね状支持具1272、支持具127
3、固定手段1274、ねじ1275、ネジ駆動手段1
276、より構成される。ここで、ネジ1235には、
1277部に右ネジ、1278部に左ネジが形成されて
いる。ここで、ネジ駆動手段1276によりねじ127
5を回転させることにより直線状パターン1271間の
ピッチを変えることができる。この、ネジ駆動手段12
76の駆動は、ウエハ搬入時に、ウエハ上のチップピッ
チpと同時にチップ内のセルピッチdを受け取ることに
より、直線上パターン1271間のピッチが算出された
値に従って制御される。ここで、ばね状支持具1272
はゴムであってもよい。
【0264】またここで、この空間フィルター1270
のピッチは広いダイナミックレンジで変えることは難し
い。例えば、ピッチを1/10にする場合、ねじ127
5は空間フィルターとして必要な長さの10倍の長さが
必要になるからである。そこで、空間フィルター127
0を複数個重ねて設置しておき、ピッチを小さく変化さ
せる場合は、重ねたまま先の可変機構で可変し、大きく
変化させる場合は重ねたそれぞれの空間フィルターをず
らすことによって小さなピッチを実現できる。
【0265】もちろん必要に応じ、可変機構とずらすこ
とを同時にもできる。
【0266】ここで、空間フィルター1270の中央部
の直線状パターン1279は、他の直線状パターンより
太く構成されるのが望ましい。これは、中央部の回折光
すなわち0次回折光は光強度が強く回折光の強度分布の
幅がひろいため、十分に回折光を遮光するためには幅の
広い直線状パターンを必要とするためである。
【0267】また、ここでは、駆動機構の一実施例を示
したが、本発明を実施するに当たって、ここに示した実
施例である必要はなく、遮光性の高い直線状パターン1
271を駆動する構成であれば他の駆動機構であっても
良い。具体的には、図84に示すような構成であっても
よい。この実施例では、直線状パターン1271はリン
ク1291で支持されており、リンク駆動機構1292
でリンク1291の傾きを変えることによりピッチを変
える構成である。
【0268】また、空間フィルターのピッチが大きくで
きる方向、すなわちウエハ上のパターンのピッチdが小
さい方向にウエハの向きを設定すれば尚良い。
【0269】図85、86に示すように、照明光学系1
110として、図75に示した光学系を用いた場合、空
間フィルターの中央部にやや大きめの直線状空間フィル
ター1279を照明の入射面に平行に配置し、これに垂
直に直線状パターンを配置する必要がある。この場合、
空間フィルターの位置合わせとしてピッチと位相を調整
する必要がある。照明の入射角をα、直線状回折パター
ンの射出角をθn、照明光の波長をλ、ウエハ上のパタ
ーンの基本ピッチをdとすると、以下の(数28)式が
成り立つ。
【0270】
【数28】 sin(α−θn)=n・λ/d (数28) 従って、この式(数28)を成立するような可変機構を
構成する必要がある。
【0271】具体的には、図85に示したピッチ可変空
間フィルター1270を90度回転した方向に配置し、
ピッチの調整の他に、ピッチ可変空間フィルター127
0全体を直線状パターン1271に垂直な方向に移動す
ることによって、位相を調整する。この位相の調整は位
相調整手段1281により行う。また、この構成では、
空間フィルターの中心位置に照明の入射面に平行にやや
太め具体的には、直線状パターンの1から3倍程度の遮
光板を配置するとよい。
【0272】直線状パターンの太さは、実験的に求める
のがよいが、設計的には、照明系の光源1111の空間
フィルター上での像の大きさの1割から2割増しに設定
されるべきである。但し、空間フィルターの調整機構の
精度を考慮する場合、さらに大きな余裕を設ける必要が
ある。
【0273】また、図53の構成は6チャンネルの並列
で説明しているが、6チャンネルでなくても良く、ウエ
ハのサイズ、検査時間等の仕様により決定されるもので
ある。
【0274】ここでは、図74、75に示した光学系で
照明光学系を構成した場合の空間フィルター機構を説明
したが、ここに、説明しない他の照明系を用いた場合で
あっても機械的な空間フィルターを用いることによっ
て、遮光率を向上できるため、パターンからの回折光を
効率的に遮光でき、異物の検出感度を向上することがで
きる。
【0275】また、空間フィルターのピッチ及び幅をさ
らに細かくしたい場合、ここに示した機械構成では精度
が不足することになる。この場合、「マイクロメカニズ
ム」として紹介されている方法を用いて可変空間フィル
ターを作ることができる。
【0276】以上の構成は、製品のチップ間ピッチ、セ
ルピッチ等のデータを受け取ることにより、自動的に空
間フィルターのピッチを変えることができるため、空間
フィルターを製品毎に交換する手間が省けるという効果
を有する。
【0277】空間フィルターを製品毎に作成しておき、
この空間フィルターを自動的に交換してもよい。その一
例を図43に示す。この方法は、図58に示した検出器
1254、1234、1214の3つのフィルターを一
つの基板上に設置し、これを交換するものである。
【0278】
【発明の効果】本発明によれば、繰り返し情報を高速に
省くことができるので、非繰り返し情報として存在する
異物等の欠陥を繰り返しパターンの中から高速に検出で
き、その結果小形異物モニタをラインに導入すること
で、ラインを通過するウェハ全てを検査することがで
き、異物の増加を実時間で検出できる。これにより、異
物発生による大量の不良品の生産を未然に防止すること
ができ歩留りを向上できる。
【0279】即ち、本発明によれば、半導体製造工程の
量産ラインにおいて簡便な小形モニタリング装置だけで
異物をモニタリングすることにより、生産ラインを軽量
化して製造コストの低減を可能にすると共に、該モニタ
リング装置は異物検査を実時間で実施できるため、不良
の作り込みを最小限にでき、製品の歩留り向上に大きく
寄与できる。更に、本発明によれば、半導体製造工程の
量産立上げ時と量産ラインでの異物検査システムを分け
ることにより、また、高精度の異物検査装置を用いるこ
とにより、量産立上げ時に必要な異物の検出・分析・評
価の機能を最大限にできるため、量産ラインへのフィー
ドバックを円滑に進め、量産立上げ期間を短縮でき、量
産ラインでは、必要最小限の小形異物モニタを用いて全
数検査に近い高頻度サンプリングを実現でき、製品の高
品質、高歩留り生産を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の一実施例を示す構成ブロッ
ク図である。
【図2】図1に示す検出ヘッド例を示す構成ブロック図
である。
【図3】図1に示す空間フィルター機構を示す斜視図で
ある。
【図4】図1に示すオペレータ処理部を示す構成ブロッ
ク図である。
【図5】図1に示すパラメータ検出系を示す構成ブロッ
ク図である。
【図6】図1に示す回転合わせ機構を示す斜視図であ
る。
【図7】従来の方法を示す構成ブロック図である。
【図8】本発明の基本概念を示す構成ブロック図であ
る。
【図9】本発明のパターン除去方法を示す構成ブロック
図である。
【図10】本発明に係るパラメータ検出系の他の実施例
を示す構成ブロック図である。
【図11】本発明に係る検出レンズの構成ブロック図で
ある。
【図12】本発明に係る回転ずれ検出系を示す構成ブロ
ック図である。
【図13】本発明に係る回転ずれ検出系の他の実施例を
示す構成ブロック図である。
【図14】本発明に係る光学的フィルターリングによる
比較検査の効果を示す模式図である。
【図15】本発明に係る空間フィルターによる遮光時の
様子を示す斜視図である。
【図16】本発明に係るオペレータ処理を説明する模式
図である。
【図17】本発明に係る空間フィルターの形状を説明す
る模式図である。
【図18】本発明に係るパターン消去の条件を説明する
模式図である。
【図19】本発明に係る空間フィルター機構の製作方法
を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る空間フィルター機構においてコ
イルばねの調整方法を説明する斜視図である。
【図21】本発明に係る空間フィルター機構における回
折の影響を除去する方法を説明するための構成ブロック
図である。
【図22】本発明に係るセンサの走査方向を説明する模
式図である。
【図23】本発明に係る垂直照明を実現する構成の構成
ブロック図である。
【図24】本発明に係る検出ヘッドの利用法を示す斜視
図である。
【図25】本発明に係る検出ヘッドの利用法を示す斜視
図である。
【図26】本発明に係る検出ヘッドの利用法を示す斜視
図である。
【図27】本発明に係るステージの走査方法を示す模式
図である。
【図28】本発明に係るパターンピッチの測定手段を示
す構成ブロック図である。
【図29】本発明に係る干渉を用いたパターン除去方法
を示す構成ブロック図である。
【図30】本発明の信号処理方法を説明する図である。
【図31】本発明の一実施例を示す半導体製造工程の量
産立上げ及び量産ラインの異物検査方法及びその装置の
構成ブロック図である。
【図32】本発明の一実施例を示す異物モニタを搭載し
た枚葉式CVD装置の平面図である。
【図33】本発明に係る異物モニタの構成図である。
【図34】本発明に係るウェハ回転方向検出器の検出方
法を示す図である。
【図35】本発明に係る異物座標管理のための製品ウェ
ハ基準の座標を示す図である。
【図36】本発明に係る異物座標管理のための装置基準
の座標を示す図である。
【図37】本発明に係る異物検出光学系の構成図であ
る。
【図38】本発明に係る斜方照明光学系の構成図であ
る。
【図39】本発明に係る検出光学系の検出幅を示す図で
ある。
【図40】本発明に係る検出器の構成図である。
【図41】本発明に係る空間フィルタの構成図である。
【図42】本発明に係る空間フィルタの詳細図である。
【図43】本発明に係る各工程の製品ウェハに対応した
乾板方式による空間フィルタ群の構成図である。
【図44】本発明に係る乾板方式によるアンド空間フィ
ルタの構成図である。
【図45】本発明に係る部分検査による異物検出光学系
の構成図である。
【図46】本発明に係る部分検査による異物検出光学系
の検出エリアを示す図である。
【図47】本発明に係る2列に配置したマイクロレンズ
方式による異物検出光学系の構成図である。
【図48】本発明に係るレンズアレイを用いた場合のウ
ェハ回転による空間フィルタ検出方法を示す図である。
【図49】本発明に係る白色光照明による異物検出光学
系の構成図である。
【図50】本発明に係る白色光照明による異物検出性能
を示す図である。
【図51】本発明に係るウェハ比較検査による異物検出
光学系の構成図である。
【図52】本発明に係る異物モニタを用いた半導体FA
のシステム図である。
【図53】本発明に係る異物検査装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図54】図53においてx方向からみた照明光学系の
側面図である。
【図55】図53においてy方向からみた照明光学系の
側面図である。
【図56】図53における結像レンズの一実施例を示す
図である。
【図57】図53における結像レンズの一実施例を示す
図である。
【図58】図53に示す光学系の配列を示す平面図であ
る。
【図59】本発明に係るウエハ上パターンを示す平面図
である。
【図60】本発明に係る回折パターンを示す平面図であ
る。
【図61】本発明に係る屈折率変化型レンズを示す図で
ある。
【図62】本発明に係る空間フィルターを示す平面図で
ある。
【図63】本発明に係る異物の検出例を示す図である。
【図64】本発明に係る検出画素サイズとノイズレベル
の関係を示す図である。
【図65】本発明に係る空間フィルタを用いた異物検出
光学系の構成図である。
【図66】本発明に係る空間フィルタ面における光強度
分布を示す図である。
【図67】本発明に係る異物検出光学系における弁別比
を示す図である。
【図68】本発明に係る検出画素サイズと弁別比の関係
を示す図である。
【図69】本発明に係る照明領域と検出領域を示す図で
ある。
【図70】本発明に係る装置仕様を決定するための性能
図である。
【図71】本発明に係る異物検出光学系の装置構成を示
す図である。
【図72】本発明に係るパターンノイズ光のウェハ回転
角度による影響を示す一例図である。
【図73】本発明に係るウェハステージ高さによる異物
検出出力の変化を示す一例図である。
【図74】本発明に係る照明ユニットの側面図である。
【図75】本発明に係る空間フィルター面における回折
パターンの平面図である。
【図76】本発明に係る照明ユニットの側面図である。
【図77】本発明に係る空間フィルター面における回折
パターンの平面図である。
【図78】本発明に係る偏光検出による異物検出光学系
の構成図である。
【図79】本発明に係る偏光検出による異物検出光学系
の装置構成図である。
【図80】本発明の位置付けと機能を示す図である。
【図81】本発明に係る信号処理系の実施例を示すブロ
ック図である。
【図82】本発明に係る可変空間フィルターを用いた本
発明の一実施例を示す構成図である。
【図83】図82に示す場合の可変空間フィルターの具
体的構成図である。
【図84】図82に示す場合の可変空間フィルターの他
の具体的構成図である。
【図85】本発明に係る可変空間フィルターを用いた他
の一実施例を示す構成図である。
【図86】図85に示す場合の可変空間フィルターの具
体的構成図である。
【符号の説明】
1…基板(ウエハ)、 101…検出ヘッド(検出光学
系)、 102…照明手段、 103…検出光学系、
105…回転合わせ機構、 106…空間フィルターユ
ニット、 107…検出器、 108…回転検出手段、
110、111…フーリエ変換レンズ、 112…半導
体レーザ、 113…コリメータレンズ、114…凹レ
ンズ、 115…レシーバレンズ、 116…シリンド
リカルレンズ、 118…ミラー、 119、120…
コイルばね支え、 121、122…コイルばね、 1
23、124…回転検出用の検出器、 125…ガイ
ド、126…ねじ、 127…右ねじ部、 128…左
ねじ部、 129、130…ウオームギア、 140…
モータ、 141…複数の直線状空間フィルター、15
1…回転ガイド、 152…回転バー、 153…ば
ね、 154…ピエゾ素子、 155…ピエゾ素子コン
トローラー、 156…架台、 201…オペアンプ、
202…A/D変換器、 212…ピッチ検出手段、
203…オペレータ処理系、 204…切り出し手
段、 206…異物データメモリ、 208…パターン
メモリ、 209…パラメータ伝達手段、 210…ソ
フト処理系、 211…異物メモリ、 214…4画素
加算手段、 215…8値化手段、 216…複数のラ
インメモリ、217…バッファメモリ、 218…判定
画素切り出し手段、 219、231…オペレータ切り
出し手段、 220…異物比較回路、 221…閾値設
定回路、 224…OR回路、 226…AND回路、
212…ピッチ検出手段、 241…オペレータピッ
チ算出手段、 242…FFT回路、 243…空間フィ
ルター制御系、244…フィルターピッチ算出手段、
232…座標データ作成手段、 229…マイクロコン
ピュータ、230…表示手段、 510…半導体製造装
置群、 520…センシング部、524…真空内異物モ
ニタ、 530…ユーティリティ群、540…サンプリ
ング部、 550…検出部、 560…分析部、 56
3…STM/STS、 570…対応システム、 58
0…半導体製造工程の量産立上げおよび量産ライン異物
検査システム、 581…オンライン異物検査装置シス
テム、 582…オフライン異物検査システム、 31
01…異物モニタ、 3111…製品ウェハ、 312
1…ウェハ回転方向検出器、 3122…異物検出光学
系、 3123…異物情報処理系、 3124…装置停
止機能、 3128…異物解析システム、 3151…
斜方照明光学系、 3152…検出光学系、 3153
…レンズアレイ、 3154…空間フィルタ、 315
5…検出器、 3201…空間フィルタ群、 3221
…アンド空間フィルタ、 3231…マイクロレンズ
群、 3280…画像処理系、 1110…照明光学
系、 1210…検出光学系、 1410…信号処理
系、 1211,1221…結像レンズ、 1212、
1222…空間フィルター
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月7日(2000.4.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】以上、角度検出、基板搬送は、本発明の実
施例では、直線状に搬送される場合を示しているが、か
ならずしもこれに限定されるものではなく、回転機構、
回転のアーム等にも適用可能である。但し、このような
回転アームの場合は、検出光学系101の検出エリアの
長て方向が回転アームの中心軸を通るように設定されて
いるのが望ましい。このように構成することで、本発明
を回転系の搬送機構にも全く意識なしに適用できるもの
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/02 G01B 11/24 D (72)発明者 西山 英利 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 見坊 行雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 大島 良正 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 松岡 一彦 群馬県高崎市西横手町111番地株式会社日 立製作所高崎工場内 (72)発明者 執行 義春 群馬県高崎市西横手町111番地株式会社日 立製作所高崎工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板に対して処理を施す処理手段を
    複数備えて構成した半導体デバイスの製造ラインによる
    半導体デバイスの生産方法であって、前記半導体デバイ
    ス製造ラインは、前記複数備えた処理手段の内の第1の
    処理手段から第2の処理手段へ半導体基板を搬送する搬
    送経路の途中に異物検出手段を設け、該異物検出手段を
    用いて前記第1の処理手段により処理された基板上の所
    定の領域の異物の状態を前記第1の処理手段で半導体基
    板に対して所定の処理を施すのに要する時間以内の時間
    で検出し、該検出した前記異物の状態のデータを用いて
    前記第1の処理手段の異物の発生の状態を監視しながら
    前記半導体デバイスを生産することを特徴とする半導体
    デバイスの生産方法。
  2. 【請求項2】前記異物の状態を検出する基板上の所定の
    領域が、規則的な繰返しパターンが形成されている領域
    であることを特徴とする請求項1記載の半導体デバイス
    の生産方法。
  3. 【請求項3】前記異物検出手段による前記半導体基板上
    の異物の検出を、前記第1の処理手段の内部で行うこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体デバイスの生産方
    法。
  4. 【請求項4】半導体基板に対して処理を施す処理手段を
    複数備えて構成した半導体デバイスの製造ラインによる
    半導体デバイスの生産方法であって、前記半導体デバイ
    ス製造ラインは、前記複数備えた処理手段の内の一つの
    処理手段で処理した半導体基板上の異物を検出する異物
    検出手段を備え、該異物検出手段で前記半導体基板上の
    所定の領域の異物の状態を前記一つの処理手段で1枚の
    半導体基板の処理に要する時間以内の時間で検出し、該
    検出した前記異物に関するデータを用いて前記一つの処
    理手段の異物の発生の状態を監視し、前記一つの処理手
    段の異物の発生の状態の異常を検出したときには警告を
    発することを特徴とする半導体デバイスの生産方法。
  5. 【請求項5】前記異物の状態を検出する基板上の所定の
    領域が、規則的な繰返しパターンが形成されている領域
    であることを特徴とする請求項4記載の半導体デバイス
    の生産方法。
  6. 【請求項6】半導体基板に対して処理を施す処理手段を
    複数備えて構成した半導体デバイスの製造ラインによる
    半導体デバイスの生産方法であって、前記半導体デバイ
    ス製造ラインは、前記複数備えた処理手段の内の一つの
    処理手段で処理した半導体基板上の異物を検出する異物
    検出手段を備え、該異物検出手段で前記半導体基板上の
    所定の領域にライン状の光を照射し、該照射による前記
    半導体基板からの反射光をラインセンサで受光して前記
    所定の領域の異物を検出し、該検出した前記異物の状態
    のデータを用いて前記一つの処理手段の異物の発生の状
    態を監視しながら前記半導体デバイスを生産することを
    特徴とする半導体デバイスの生産方法。
  7. 【請求項7】前記異物の状態を検出する基板上の所定の
    領域が、規則的な繰返しパターンが形成されている領域
    であることを特徴とする請求項6記載の半導体デバイス
    の生産方法。
  8. 【請求項8】半導体基板に対して処理を施す処理手段を
    複数備えて構成した半導体デバイスの製造ラインによる
    半導体デバイスの生産方法であって、前記半導体デバイ
    ス製造ラインは、前記複数備えた処理手段の内の第1の
    処理手段で処理した半導体基板上の異物を検出する異物
    検出手段を備え、該異物検出手段で前記半導体基板上の
    繰返しパターンが形成された所定の領域に光を照射し、
    該照射による前記半導体基板からの反射光を空間フィル
    タを介して受光素子で受光し、該受光した前記反射光の
    情報から前記所定の領域の異物を検出し、該検出した前
    記異物のデータを用いて前記第1の処理手段の異物の発
    生の状態を監視しながら前記半導体デバイスを生産する
    ことを特徴とする半導体デバイスの生産方法。
  9. 【請求項9】前記第1の処理手段の異物の発生の状態の
    異常を検出しなかったときには、前記異物検出手段で異
    物の検出を行った半導体基板を、前記複数備えた処理手
    段の内の第2の処理手段で次の処理を施すことを特徴と
    する請求項8記載の半導体デバイスの生産方法。
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