JP2000312582A - シアン化合物分解微生物 - Google Patents

シアン化合物分解微生物

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JP2000312582A
JP2000312582A JP2000056151A JP2000056151A JP2000312582A JP 2000312582 A JP2000312582 A JP 2000312582A JP 2000056151 A JP2000056151 A JP 2000056151A JP 2000056151 A JP2000056151 A JP 2000056151A JP 2000312582 A JP2000312582 A JP 2000312582A
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cyanide
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JP2000056151A
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Yuko Fukuwatari
由布子 福渡
Yoshiyuki Sato
義幸 佐藤
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シアン化合物(例えば金属シアノ錯体)分解
微生物、及び該微生物のスクリーニング方法の提供、並
びに該微生物を用いてシアン化合物(例えば金属シアノ
錯体)含有土壌、排水又は地下水を処理する方法の提
供。 【解決手段】 シアン化合物(例えば金属シアノ錯体)
を分解することができるゴルドナ属若しくはバークホル
デリア属に属する微生物又はこれらの混合微生物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シアン化合物分解
微生物に関し、さらに、該微生物を用いてシアン化合物
を含有する土壌、排水又は地下水を処理する方法に関す
る。さらに、本発明は、シアン化合物分解微生物のスク
リーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シアン化合物を含有する土壌、排水及び
地下水はその毒性により生態系に悪影響を及ぼすため、
これらの土壌、排水及び地下水を環境中へ放出するに
は、その中に含まれているシアン化合物(シアンイオン
(CN-)又は金属錯体として存在する)を処理して無害化
する必要がある。
【0003】排水中のシアンイオン又は金属シアノ錯体
を処理する技術としては、物理化学的手法及び微生物に
よる生物学的手法が挙げられる。前者の方法として、難
分解性の鉄シアノ錯体を含有する排水の処理をするた
め、紫外線〜可視光線を照射して易分解性の遊離シアン
に分解したのち、酸化処理する方法(特開平10-118664
号公報)、あるいは第一鉄塩と第二鉄塩とを添加し、ア
ルカリ剤によりpHを調整することで難溶性の鉄シアノ錯
体を形成させ沈殿除去した後、活性汚泥を用いて未反応
のシアンイオンを分解除去する方法が開示されている
(特開平10-57974号公報)。また、後者の方法として、
バチリス・ズブチリス・クボタという微生物を用いてシ
アンイオンを生物的に分解除去する方法(特開平1-2931
95号公報)、あるいはニッケルシアノ錯体について、そ
の分解菌であるフザリウム・オキシスポルムを用いて処
理する方法が知られている(特開平10-262651号公
報)。
【0004】鉄シアノ錯体は難分解性であるため、土
壌、排水又は地下水から速やかに除去することが望ま
れ、さらに環境問題やコスト的な観点から、環境負荷及
び処理コストが比較的少ない生物処理技術をさらに開発
することが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シアン化合
物分解微生物を提供することを目的とし、さらに該微生
物を用いてシアン化合物を含有する土壌、排水又は地下
水を処理する方法を提供することを目的とする。さら
に、本発明は、シアン化合物分解微生物のスクリーニン
グ方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、沖縄県那覇市の土
壌からシアン化合物分解微生物を単離することに成功
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
シアン化合物を分解することができるゴルドナ属又はバ
ークホルデリア属に属する微生物である。そして、ゴル
ドナ属に属する微生物としてはゴルドナ・エスピーTM9-
1b株が挙げられ、バークホルデリア属に属する微生物と
してはバークホルデリア・エスピーTM9-2a株又はバーク
ホルデリア・エスピーTM9-2b株が挙げられる。
【0007】さらに、本発明は、シアン化合物を含有す
る土壌、排水又は地下水に、上記微生物又はこれらの混
合微生物を添加することを特徴とする土壌、排水又は地
下水の処理方法である。さらに、本発明は、上記微生物
又はこれらの混合微生物を含む、土壌、排水又は地下水
の処理剤である。
【0008】さらに、本発明は、土壌懸濁液の上清部を
シアン化合物を含有する培地で培養し、得られる培養物
をシアン化合物を含有する寒天プレートに塗布し、該寒
天プレート上に形成されるコロニーからシアン化合物分
解能を有する微生物を採取することを特徴とする該微生
物のスクリーニング方法である。
【0009】上記各発明におけるシアン化合物としては
金属シアノ錯体が挙げられ、また、金属シアノ錯体とし
ては鉄シアノ錯体、ニッケルシアノ錯体、カドミウムシ
アノ錯体又はコバルトシアノ錯体が挙げられる。さら
に、微生物としてはゴルドナ・エスピーTM9-1b株、バー
クホルデリア・エスピーTM9-2a株及びバークホルデリア
・エスピーTM9-2b株からなる群から選択される少なくと
も一つのものが挙げられる。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の微生物(菌又は菌株とも
いう)は、シアン化合物、例えば金属シアノ錯体を分解
することにより土壌、排水又は地下水を無害化すること
のできるものである。ここで、金属シアノ錯体とは、錯
体中の中心原子となる遷移金属に配位子CN-が金属の酸
化状態に応じた数や構造で配位してできる化合物を意味
し、その例としては鉄シアノ錯体、ニッケルシアノ錯
体、銅シアノ錯体、コバルトシアノ錯体等が挙げられ
る。
【0011】1.本発明の微生物を単離(スクリーニン
グ)するための概要を、シアン化合物の一つであって、
金属シアノ錯体の範疇に属する鉄シアノ錯体を例に説明
する(図11) 。日本国内の各地点から土壌を採取し、0.
4mM又は0.8mMの鉄シアノ錯体入りMin培地〔組成(1L
中):グルコース3.6g, KH2PO4 0.53g, Na2HPO4 0.87g,
MgSO4・7H2O 0.4g, FeSO4・7H2O 0.01g〕で懸濁したの
ち、上清を回収する。上清部に菌体が含まれているの
で、この上清部を新たに鉄シアノ錯体入りMin培地(炭
素源としてグルコース、窒素源として鉄シアノ錯体を含
む)に添加し、集積培養する(図11(a))。
【0012】次に、微生物の生育が認められた培養物
を、鉄シアノ錯体の分解試験に供する。一方、該培養物
を鉄シアノ錯体入り寒天プレートに移して培養し(図11
(b))、プレート上で単一のコロニーを形成したものの中
から、鉄シアノ錯体を分解・除去できる微生物を採取
し、培養する(図11(c)) 。但し、この段階におけるコロ
ニー中には複数の微生物が混合微生物として含まれてい
る。そこで、これらの混合微生物について鉄シアノ分解
活性を試験し(図11(c))、高分解活性を有することが確
認されたコロニーについて、以下の通り単離操作を行
う。
【0013】上記混合微生物のうち、鉄シアノ錯体の分
解活性の高いものを、さらに栄養寒天培地(nutrient a
gar 培地(Difco社製))に移し、コロニーを生育させ
る(図11(d))。そして、単一のコロニーを形成した菌を
鉄シアノ錯体入りMin培地に移して培養した後(図11
(e))、鉄シアノ錯体分解試験に供し、鉄シアノ錯体の高
分解能を有すると認められた単一菌の同定を行う(図11
(f))。
【0014】単一菌の同定は、公知の任意の手法を用い
ることにより行うことができる。例えば、市販の微生物
同定システムを用いて、95種類の炭素源の資化パターン
を酸化還元発色試薬の発色反応により読み取り、データ
ベースから検索し同定する手法(BIOLOG)、形態観察、
生理的性状及びキノン系の分析試験による手法、腸内細
菌以外のグラム陰性桿菌同定キットを用いた手法(AP
I)、あるいは16s rRNAの配列について公知微生物由来の
配列とホモロジーを比較する手法等を適宜選択して同定
する。
【0015】2.本発明の微生物の菌学的性質 本発明において単離された微生物を、BIOLOG及び形態・
性状により同定した。本発明の微生物の菌学的性質を表
1及び2に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】以上の諸性質をBergey's Manual of Syste
matic Bacteriology Vol.1(1984)及びBergey's Manual
ofDeterminative Bacteriology第9版(1994)に基づいて
検索したところ、本発明の微生物は、TM9-1b株について
はゴルドナ属に属し、TM9-2a株及びTM9-2b株については
バークホルデリア属に属することが判明した。また、上
記菌株はシアン化合物、例えば鉄シアノ錯体を分解する
性質を示した。ゴルドナ属又はバークホルデリア属に属
する微生物が金属シアノ錯体、シアン化合物を分解した
とする報告例はないことから、本発明の微生物をゴルド
ナ・エスピーTM9-1b株、バークホルデリア・エスピーTM
9-2a株及びバークホルデリア・エスピーTM9-2b株と命名
した。以上の同定結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】ゴルドナ・エスピーTM9-1b株(以下「TM9-
1b株」という)、バークホルデリア・エスピーTM9-2a株
(以下「TM9-2a株」という)及びバークホルデリア・エ
スピーTM9-2b株(以下「TM9-2b株」という)は、工業技
術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1
番3号)に平成11年2月24日付で寄託されており、その
寄託番号は、TM9-1b株についてはFERM P-17243であり、
TM9-2a株についてはFERM P-17241であり、TM9-2b株につ
いてはFERM P-17242である。
【0021】本発明においては、上記TM9-1b株、TM9-2a
株及びTM9-2b株の他、その自然的又は人工的手段によっ
て変異させて得られる変異株であっても、前記したシア
ン化合物分解能を有するものはすべて本発明に包含され
る。
【0022】2.土壌、排水又は地下水の処理方法 本発明の微生物はシアン化合物の分解活性を有するた
め、シアン化合物(例えば金属シアノ錯体)を含有する
土壌、排水又は地下水の処理(浄化)に使用することが
できる。
【0023】本発明の微生物を土壌、排水又は地下水の
処理に使用するには、その処理に必要とされる量まで増
殖させておくことも考えられる。本発明の微生物を増殖
させるには、通常の培養法が挙げられる。培養は、好気
的条件で行うことが好ましく、無機塩、窒素源、その他
栄養源を含む無機栄養培地、有機栄養培地等に本発明の
微生物を接種し、例えば振盪培養法、通気攪拌培養法な
どにより培養を行う。
【0024】上記培養における温度条件は、使用する微
生物の生育温度の範囲(例えば10〜50℃)、好ましくは最
適生育温度の範囲(20〜30℃)に設定することができる。
なお、培地のpHは6.0〜8.0の範囲に設定すればよい。
【0025】無機塩として培地に添加する物質として
は、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、
アンモニウム塩、リン酸塩、その他微量金属塩が挙げら
れる。また、窒素源としては、例えばヘキサシアノ鉄
(II)酸カリウム3水和物、ヘキサシアノ鉄(III)カリ
ウムやテトラシアノニッケルカリウム等の金属シアノ錯
体を始めとするシアン化合物が挙げられる。これらの窒
素源は1種でもよく、2種以上を適宜組合わせて用いて
もよい。さらに、本発明の微生物の増殖を促進するため
の栄養源として、グルコース、酵母エキス、牛肉エキ
ス、ペプトンなどを適量添加することもできる。培養時
間は、シアン化合物(例えば鉄シアノ錯体、ニッケルシ
アノ錯体)の量やグルコースの量により異なるが、通常
6〜50日、好ましくは14日間である。
【0026】本発明において分解処理の対象となる土
壌、排水又は地下水は、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム
3水和物、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム等の鉄シア
ノ錯体等を含むものである。上記金属シアノ錯体が含ま
れる土壌又は排水(めっき工場、選鉱製錬所、鉄鋼熱処
理工場、コークス製造工場からの排水等)あるいは地下
水に、本発明の微生物を添加する。土壌、排水又は地下
水への添加は、単一の微生物又は混合微生物群の適当な
量(102〜108個/g土壌又は102〜105個/ml排水又は地下
水)を土壌、排水又は地下水に散布するか、回収した土
壌、排水又は地下水に本発明の微生物を混合した後、元
に戻す方法により行う。添加量は、金属シアノ錯体の濃
度により適宜定めることができ、特に限定されるもので
はない。鉄シアノ錯体の場合は、150〜300mg/Lの鉄シア
ノ錯体濃度あたり107個以上が好ましく、108〜109個が
さらに好ましい。なお、排水又は地下水の温度は10〜30
℃であることが好ましい。
【0027】ここで、シアン化合物(例えばシアノ錯
体)が分解されたか否かの活性は、測定の対象となる排
水若しくは地下水に、又は土壌懸濁液に本発明の微生物
を添加して培養したのち、残存するシアン濃度を測定す
ることにより行うことができる。微生物は、20〜30℃の
培養条件で14〜40日、好ましくは25日以上培養する。ま
た、シアン濃度は、例えばピリジン-ピラゾロン吸光光
度等により測定する。
【0028】3.土壌、排水又は地下水の処理剤 本発明の微生物は、土壌、排水又は地下水の処理剤とし
て使用することができる。すなわち、本発明の処理剤
は、単一菌又は混合菌の状態でそのまま、あるいは適当
な液体又は固体の担体と組み合わせて使用することがで
きる。製剤に使用する液体担体としては、例えば水が挙
げられる。この場合は、純水、又は無機塩類(塩化ナト
リウム、塩化カリウム等)、糖(グルコース、ショ糖等)
若しくは有機資材(牛肉エキス、酵母エキス等)の水溶
液を用いることができる。
【0029】また、製剤に使用する固体担体としては、
例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、ア
タパルジャイト、モンモリロナイト、珪藻土等の天然鉱
物粉末、ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等の合成鉱物粉
末、高分子性天然物(結晶性セルロース、コーンスター
チ、ゼラチン、アルギン酸等)等が挙げられ、これらの1
種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0030】本発明の微生物を混合する担体の量は、微
生物1,000個あたり粉末では200〜2000mg、水和剤では1
〜10g、ゲルビーズでは10〜20gであるが、使用目的によ
って適宜変更してもよい。本発明の処理剤は、散布法、
注入法等を用いて、シアン化合物(例えば鉄シアノ錯
体)を含有する土壌、排水又は地下水に直接投与するこ
とができる。
【0031】以上の通り、本発明の微生物は、例えば鉄
シアノ錯体であるK4Fe(CN)6、K3Fe(CN)6を含んだ培地上
で該鉄シアノ錯体を窒素源として生育し、該鉄シアノ錯
体を高効率に分解する能力を発揮する。従って、安定な
化合物ある鉄シアノ錯体を含んだ排水又は地下水処理に
も安価で環境負荷の小さな生物処理を適用できる。ま
た、本発明の微生物は、土壌中でのシアンの存在形態と
される鉄シアノ錯体やニッケルシアノ錯体等の金属シア
ノ錯体を分解できる菌であることから、シアン汚染土壌
の処理にも対応可能な菌である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。 〔実施例1〕混合微生物の単離 ニッケルシアノ錯体分解菌のスクリーニングについて記
載されている文献を参考に、各種土壌から以下の方法で
スクリーニングを行った(Silva-Avalos J et.al.,Appl
Environ Microbiol,56 no.12 p3664-3670 (1990))。
【0033】沖縄県那覇市から採取した土壌サンプル
を、重量比10%でそれぞれMin培地により懸濁後静置し
た。得られた上清部(菌体含有区分)を新たに鉄シアノ
錯体入りMin培地(炭素源;0.36%グルコース、窒素
源;0.4mM鉄シアノ錯体)に添加し、25℃で21日間培養
した。なお、上記鉄シアノ錯体は、ヘキサシアノ鉄(I
I)酸カリウム3水和物(0.169g/10ml-リン酸緩衝液 pH
7.0)、及びヘキサシアノ鉄(III)カリウム(0.132g/1
0ml-リン酸緩衝液 pH7.0)をMin培地50mlあたりそれぞ
れ0.25ml添加することにより調製した。
【0034】その結果、上記調製方法により得られた土
壌由来の菌体含有区分のうち、微生物の生育(ODの上
昇)が認められた培養物をA及びBとした。ここで、上記
生育が認められた混合微生物の培養物A及びBを鉄シアノ
錯体分解活性試験に供した(実施例3及び図4を参
照)。
【0035】これらの混合微生物の培養液を鉄シアノ錯
体入り寒天プレートに塗布し、寒天プレート上における
コロニー形成を指標として、粗分離状態の混合微生物培
養物から鉄シアノ錯体を分解・除去できる菌を精製して
いった。なお、寒天プレートはMin培地(グルコース3.6
g/l, KH2PO4 0.53g/l, Na2HPO4 0.87g/l, MgSO4・7H2O0.
4g/l, FeSO4・7H2O 0.01g/l)、1.5%Agar及び鉄シアノ錯
体を含むものである。
【0036】鉄シアノ錯体入りの寒天プレートは以下の
3通り調製した。 (i) 寒天プレート1: 0.4mM鉄シアノ錯体を、寒天プレー
ト中に均一に添加した。 (ii)寒天プレート2: 0.8mM鉄シアノ錯体を、寒天プレー
ト中に均一に添加した。 (iii) 寒天プレート3: 0.4mM又は0.8mM鉄シアノ錯体
を、寒天プレート上面に塗布した。次に、上記A及びBの
菌体培養液を上記寒天プレート上に白金針で塗布し、25
℃で2〜4日静置し、数種のコロニーを得た。
【0037】上記コロニーのうち、生育の比較的早いコ
ロニーを鉄シアノ錯体の分解試験に供するとともに(実
施例2)、高い活性を示した3種類のコロニー(「SF-0
1」、「SF-02」及び「SF-03」という)から菌の分離操
作を行った(実施例5)。
【0038】〔実施例2〕鉄シアノ錯体分解活性試験 (1) 混合微生物群3種による鉄シアノ錯体分解活性試験 本実施例では、実施例1において使用した寒天プレート
1、寒天プレート2及び寒天プレート3上でコロニーとし
て得られた各1株(それぞれSF-02、SF-01及びSF-03とい
う)についてその性質及び鉄シアノ錯体の分解能力を確
認するために、それぞれの鉄シアノ錯体の資化・分解速
度、生育に必要な炭素源となるグルコース資化速度、pH
変化及び増殖速度の測定を行った。
【0039】各菌株のそれぞれの前培養液(21日間培
養)1mlをMin培地50ml(100ml容三角フラスコ中)に植菌
し、25℃で振とう培養(連続振盪:140〜150rpm)を開始
した。なお、初期培地中に含まれる炭素源(グルコー
ス)は0.36%、窒素源(鉄シアノ錯体)は0.4mM又は0.8
mMとした。7日及び25日経過時点での上清中のシアン濃
度(ピリジン−ピラゾロン吸光光度法)、グルコース濃
度(GOD-POD法)、pH、及び菌体生育量(OD650)を測定
した。
【0040】その結果、培地からのシアン除去率が約50
〜60%と高い分解活性を示す3群の菌(SF-01、SF-02、SF
-03)を得た(図1、-□-)。図1において、SF-02、SF-
03は鉄シアノ錯体濃度が0.4mMの場合、SF-01については
鉄シアノ錯体濃度が高濃度(0.8mM)の場合を示す。ま
た、試験終了時ではグルコースが消費されているのが特
徴的である。なお、試験期間中水分が蒸発し、培地が濃
縮されるため、シアン又はグルコースの残存率は、各時
間経過時点での対照を基準として計算している。
【0041】(2) グルコース添加による分解活性試験 Min培地50ml(100ml容三角フラスコ中)に、SF-01及びSF
-03の各微生物の培養液を添加後、25℃、150rpmで振と
うしながら21日間の前培養を行った。なお、培地中の鉄
シアノ錯体の初期濃度は、SF-03については0.4mM、SF-0
1については0.8mMとした。
【0042】2mlの前培養液をMin培地150ml(300ml容三
角フラスコ中)に植菌し、25℃、150rpmで振とうしなが
ら40日間培養した。培地中の初期鉄シアノ錯体濃度条件
は前培養のときと同様である。培養期間の途中で鉄シア
ノ錯体とグルコースの残存量を測定した。さらに、グル
コースの残存率が10%以下の時点で、初期グルコース濃
度(0.36%)に戻るようにグルコース液を添加補足し
た。
【0043】分解試験開始1日目、7日目、14日目、25日
目及び40日目に培養液をサンプリングした。サンプリン
グ液のOD650を測定したのち遠心分離し(5,000rpm, 10
分)、上清と沈殿画分とに分画した。続いて上清10ml及
び沈殿全量をそれぞれ蒸留し(100ml)、得られた蒸留
液についてピリジン・ピラゾロン法でシアン分析にかけ
た。試験中の培地水分蒸発分は重量測定により補正し
た。また、上清中の残存グルコース及び上清のpHも測定
した。上清中の鉄シアノ錯体分解、グルコース消費、菌
の増殖及びpHの経時変化の様子を図2に、40日目の上清
及び沈殿物を合わせた残存シアン量を図3に示した。
【0044】図2及び図3より、SF-01及びSF-03のいずれ
の微生物の場合でも、試験期間当初に培地中に含まれて
いた0.36%のグルコースの殆どが無くなるような、グル
コースの消費が認められた。そして、グルコースを途中
で添加することにより、菌が増殖し、鉄シアノ錯体の分
解が促進される様子が観察された。SF-03は顕著なグル
コースの添加効果を示し、添加しない場合は50%前後の
分解率(図1)であったのに対し、添加した場合は80%
もの分解率を示した(図2)。
【0045】グルコースの消費が鉄シアノ錯体の分解に
関わっている様子がうかがえた、高い鉄シアノ錯体分解
力を持つ2種類の分解菌 (SF-01 及びSF-03)の分解テス
トを、随時グルコースの補充をする条件で行った。その
結果、グルコースを途中で添加することにより、分解菌
(SF群;フェリ・フェロMin寒天培地上で分離)の鉄シ
アノ錯体分解が最大30%ほど添加しない場合よりも促進
される様子が観察された。
【0046】〔実施例3〕粗分離した混合微生物におけ
る鉄シアノ錯体分解試験 土壌から粗分離した状態での各混合菌が分解・除去でき
る鉄シアノ錯体の量、およびその時間変化を調べるため
に、各種土壌から鉄シアノ錯体分解菌としてスクリーニ
ングされた混合菌について、鉄シアノ錯体資化・分解速
度を測定した。
【0047】得られた混合菌株(図11(a)の工程におけ
る混合菌に相当)について、その前培養液(15日間培
養)2mlをMin培地(炭素源;0.36%グルコース、窒素
源;0.4mM鉄シアノ錯体)150mlで培養した。培養条件は
25℃、振とう培養で行った。培養期間途中、5日間の回
転培養を併用した。
【0048】培養終了後、遠心分離により培養液を菌体
及び固体生成物と上清とに分画し、28日経過時点での上
清のシアン濃度(ピリジン−ピラゾロン吸光光度法)、
遠心沈殿物中のシアン濃度も測定した。鉄シアノ錯体分
解率の高い混合菌について、上清のシアン濃度(ピリジ
ン−ピラゾロン吸光光度法)、遠心沈殿物中のシアン濃
度の測定結果を図4に示す。
【0049】図4において、A及びBは、実施例1におい
て得られた2種類の混合状態の菌群である。なお、実施
例1及び2における単離操作により、AからSF-01、Bから
SF-02及びSF-03という高い分解能を有する菌群を分離し
ている。
【0050】いずれの混合菌培養物においても、培養開
始後28日目の上清中のシアン残存量は30〜60%(シアン
除去率40%〜70%)であった。培養液は、時間が経過す
るにしたがって元の培地(無菌培地)とは異なる色を呈
するようになり、固体物の生成が見られた。一方、沈殿
中のシアン濃度を測定した結果、沈殿物(菌体・固体生
成物)中のシアン含量も相当量存在することが確認され
た。上清と合計したシアン残存量は50%〜70%(シアン
分解率30%〜50%)であった。
【0051】以上のことから、本発明の微生物が混合し
た状態でも、25℃、28日間の培養により、上述と同じ濃
度の鉄シアノ錯体を約30〜50%分解することが分かっ
た。そして、沈殿生成も含めた溶液中からの鉄シアノ錯
体除去率は約40%以上である(図4)。
【0052】〔実施例4〕鉄シアノ錯体のモデル分解試
験 本実施例では、鉄シアノ錯体の分解能が確認された菌に
よる実際の汚染土壌の浄化効果を検討した。使用菌には
SF-02及びSF-03(モデル試験25日分解率は、それぞれ5
0、65%)を用い、被検土壌として170μg/g土のシアン
が含有されたものを用いた。土壌からの溶出シアン値は
1.52mg/Lであった。また、土壌のpHは8.06であり、水
分含量は13.7%であった。
【0053】Min培地で32日間前培養した上記各菌を鉄
シアノ錯体を含まないMin培地で遠心洗浄後、初期菌体
量がOD=1となるように土壌に接種し(100ml三角フラス
コ/10g土壌+50ml Min培地)、スラリー法で振とう培養
を行った(25℃、150rpm)。培養開始14日後にサンプル
を回収した(n=2)。15000rpm、4℃、20分で遠心分離を
行い、上清と土壌画分とに分画した。
【0054】上清については、pHを測定した後、上清シ
アンを測定した(10ml上清→100ml蒸留)。土壌につい
ては、25℃で乾燥後、含有シアン(1g→100ml蒸留)及
び溶出シアン(5gから45mlの蒸留水で溶出試験をし、溶
出液10ml→100ml蒸留)を測定した。
【0055】結果を図5に示す。対照(Control)土壌の溶
出シアンは初期値とほぼ同じであったのに対し、菌を接
種した土壌の溶出シアンはいずれも初期値を下回る量で
あった。さらに、対照サンプルの上清シアンは2.3mg/L
であったのに対し、菌を接種した土壌サンプルの上清シ
アンは1mg/L前後であり、対照値と比較して半分近くま
で減少していた。よって、溶出シアンと上清シアンとを
合わせた可溶シアン量は、対照値と比較して、菌を接種
することにより顕著に減少することが観察された。
【0056】〔実施例5〕単一菌の分離及び同定 実施例1において得られた混合微生物SF-01、SF-02及びS
F-03をそれぞれNutrient Agar 培地(Difco社製)に塗
布し、30℃で2〜3日培養した。その結果、SF-02及びS
F-03からそれぞれ2つのコロニーが得られた。SF-02から
得られたコロニーをTM9-1a及びTM9-1bと称する。また、
SF-03から得られたコロニーをTM9-2a及びTM9-2bと称す
る。
【0057】これらの菌は富栄養培地上で大きなコロニ
ーを形成するため、肉眼により単一であることを確認す
るのは容易である。従って、これらの菌は混合菌ではな
いと判断し、以下の同定試験に供した。 (1)形態及び性状による同定 形態観察及び生理的性状試験で種々の菌学的性質を調べ
た。 (2)バイオログシステムによる同定
【0058】バイオログシステムによる同定試験は、以
下の方法により行った。 (i) 同定対象菌株をBUGM寒天培地(BiOLOG Universal G
rowth Media)に接種後、16〜48時間、30℃で培養す
る。 (ii) 培地表面のコロニーを綿棒でとり、生理食塩水に
懸濁する。 (iii) 濁度計で上記試料濃度を調整する。 (iv) マイクロプレートの各ウェルに試料液を150μlづ
つ分注後、30℃で培養する。
【0059】(v) 培養4〜6時間後、16〜24時間後、48時
間後に、試料であるコロニーの懸濁液を接種したマイク
ロプレート上に現われる発色をBIOLOGマイクロステーシ
ョンシステムに入力する。 (vi) データベースから発色パターンが一致、又は近い
微生物種名を検索し、出力する。 (4)結果 単離した菌の同定結果は、前記表1〜3の通りである。
【0060】〔実施例6〕単離された菌による鉄シアノ
錯体分解活性試験 Nutrient Agar上で単離した菌が単独で鉄シアノ錯体分
解能を有することを調べるため、以下の試験を行った。 (1) 方法 菌株;TM9-1a及び1b(SF-02の構成菌株)、並びにTM9-2
a及び2b(SF-03の構成菌株)(いずれも沖縄土壌由来) 植菌源;Nutrient Agar上コロニー 培地;Min培地50ml 容器;100ml三角フラスコ 培養条件;25℃、150rpm、41日間 添加シアノ鉄錯体濃度; 0.4mM グルコース濃度;0.36%
【0061】(2) 結果(図6) シアン分解能はTM9-1bに認められた(60%)。TM9-1aは
グルコースを30%資化したもののほとんど生育しなかっ
たのに対して、TM9-1bはグルコースを70%資化し、生育
も良好であった。
【0062】TM9-2a及びTM9-2bはグルコースを100%資
化し、どちらも生育は良好であった。シアン分解能はTM
9-2aが60%、TM9-2bが75%であり、いずれの菌も非常に
高い分解能を示した。特に、TM9-2bは単一でも混合微生
物であるSF群に匹敵するの分解力(65〜78%)を発揮し
た。以上の結果をまとめると、表4の通りである。
【0063】
【表4】
【0064】〔実施例7〕単離された菌によるニッケル
シアノ錯体分解活性試験 (1) 方法 〔試験菌〕ゴルドナ. エスピー(Gordona sp)TM 9-1
b、バークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp) T
M 9-2a 及びバークホルデリア・エスピーTM 9-2b(Bu
rkholderia sp) 〔試験培地〕ニッケルシアノ錯体入りMin 培地(CN濃
度90ppm) 〔実験方法〕
【0065】(i) 鉄シアン錯体入りMin 培地中で3週間
培養した各菌株培養液を遠心し、滅菌水で洗浄する操作
を2回繰り返し、菌体ペレットをMin 培地に懸濁した。 (ii)50mlのニッケルシアノ錯体入りMin 培地に、上
記菌体をOD650nm=0.01になるように植菌し
て、25℃で振とう培養を開始した。 (iii) 菌の生育を確認するためにOD650nmの経時
変化を追い、3週間目に培養液中の残存シアン量を測定
した。
【0066】(2) 結果 唯一の窒素源としてニッケルシアノ錯体を加えた培地中
での各菌株の生育状態を図7に示す。この図から3株全
て生育したが、その様子は菌株ごとに異なる。さらに、
各菌株のニッケルシアノ錯体分解能を培養液中の残存シ
アン量を測定することにより算出した(図8)。ニッケ
ルシアノ錯体を3株とも分解する能力を持つことが確認
できた(シアン濃度で30〜50ppm除去)。なかで
も、TM9-1b株は生育は遅いが、菌体当たりのニッケ
ルシアノ錯体除去能力は高かった。
【0067】〔実施例8〕単離された菌によるカドミウ
ムシアノ錯体及びコバルトシアノ錯体分解活性試験 (1) 方法 〔試験菌〕ゴルドナ. エスピー(Gordona sp)TM 9-1
b、バークホルデリア・エスピー(Burkholderia sp) T
M 9-2a 及びバークホルデリア・エスピーTM 9-2b(Bu
rkholderia sp)
【0068】〔試験培地〕 (a) カドミウムシアノ錯体入りMin 培地(CN濃度10
0ppm) (b) コバルトシアノ錯体入りMin 培地(CN濃度100
ppm) 〔実験方法B、C〕 (i) 鉄シアン錯体入りMin 培地中で3週間培養した各菌
株培養液を遠心し、滅菌水で洗浄する操作を2回繰り返
し、菌体ペレットをMin 培地に懸濁した。 (ii)50mlの各金属シアノ錯体入りMin 培地(a,
b)に、上記菌体をOD650nm=0.5になるよう
に植菌して、25℃で振とう培養を開始した。菌の生育
を確認するために培養6日後のOD650nmを測定し
た。
【0069】(2) 結果 唯一の窒素源としてカドミウムシアノ錯体、またはコバ
ルトシアノ錯体を培地に加えた条件での各菌株の生育結
果を図9、図10にそれぞれ示す。3菌株ともにカドミウ
ムシアノ錯体及びコバルトシアノ錯体の何れでも生育す
る様子が観察された。
【0070】
【発明の効果】本発明によりシアン化合物(例えば金属
シアン錯体等)分解微生物、及び該微生物のスクリーニ
ング方法が提供される。さらに、本発明により該微生物
を用いてシアン化合物(例えば金属シアン錯体等)を含
有する土壌、排水又は地下水を処理する方法が提供され
る。本発明の微生物は、シアン汚染土壌、排水又は地下
水の浄化処理に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混合微生物による鉄シアノ錯体分解活
性試験結果を示す図。
【図2】本発明の混合微生物による鉄シアノ錯体分解活
性試験結果を示す図。
【図3】本発明の混合微生物による鉄シアノ錯体分解活
性試験結果を示す図。
【図4】本発明の混合微生物による鉄シアノ錯体分解活
性試験結果を示す図。
【図5】本発明の混合微生物による鉄シアノ錯体分解活
性試験結果を示す図。
【図6】本発明の微生物(単離菌)による鉄シアノ錯体
分解活性試験結果を示す図。
【図7】ニッケルシアノ錯体を窒素源とした本発明の微
生物(単離菌)の生育状態を示す図。
【図8】本発明の微生物(単離菌)のニッケルシアノ錯
体除去能を示す図。
【図9】カドミウムシアノ錯体を窒素源とした本発明の
微生物(単離菌)の生育状態を示す図。
【図10】コバルトシアノ錯体を窒素源とした本発明の
微生物(単離菌)の生育状態を示す図。
【図11】本発明の微生物の分離工程の概要を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/02 B09B 3/00 E

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアン化合物分解能を有するゴルドナ属
    又はバークホルデリア属に属する微生物。
  2. 【請求項2】 シアン化合物が金属シアノ錯体である請
    求項1記載の微生物。
  3. 【請求項3】 金属シアノ錯体が鉄シアノ錯体、ニッケ
    ルシアノ錯体、カドミウムシアノ錯体又はコバルトシア
    ノ錯体である請求項1記載の微生物。
  4. 【請求項4】 ゴルドナ属に属する微生物がゴルドナ・
    エスピーTM9-1b株である請求項1乃至3のいずれかの項
    記載の微生物。
  5. 【請求項5】 バークホルデリア属に属する微生物がバ
    ークホルデリア・エスピーTM9-2a株又はバークホルデリ
    ア・エスピーTM9-2b株である請求項1乃至3のいずれか
    の項記載の微生物。
  6. 【請求項6】 シアン化合物を含有する土壌、排水又は
    地下水に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物又
    はこれらの混合微生物を添加することを特徴とする土
    壌、排水又は地下水の処理方法。
  7. 【請求項7】 シアン化合物が金属シアノ錯体である請
    求項6記載の処理方法。
  8. 【請求項8】 金属シアノ錯体が鉄シアノ錯体、ニッケ
    ルシアノ錯体、カドミウムシアノ錯体又はコバルトシア
    ノ錯体である請求項7記載の処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至5のいずれか項記載の微生
    物又はこれらの混合微生物を含む、土壌、排水又は地下
    水用の処理剤。
  10. 【請求項10】 土壌懸濁液の上清部をシアン化合物を
    含有する培地で培養し、得られる培養物をシアン化合物
    を含有する寒天プレートに塗布し、該寒天プレート上に
    形成されるコロニーからシアン化合物分解能を有する微
    生物を採取することを特徴とする該微生物のスクリーニ
    ング方法。
  11. 【請求項11】 シアン化合物が金属シアノ錯体である
    請求項10記載のスクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 金属シアノ錯体が鉄シアノ錯体、ニッ
    ケルシアノ錯体、カドミウムシアノ錯体又はコバルトシ
    アノ錯体である請求項11記載のスクリーニング方法。
  13. 【請求項13】 微生物が、ゴルドナ・エスピーTM9-1b
    株、バークホルデリア・エスピーTM9-2a株及びバークホ
    ルデリア・エスピーTM9-2b株からなる群から選択される
    少なくとも一つである請求項10記載のスクリーニング
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010064017A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Taisei Corp 微生物によるシアン浄化方法
CN101684452A (zh) * 2009-06-24 2010-03-31 广东省微生物研究所 大宝山伯克霍尔德菌及其应用
US11306012B2 (en) 2018-01-02 2022-04-19 Reed Scientific Services Ltd. Soil-based flow-through rhizosphere system for treatment of contaminated water and soil

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