JP2000307455A - 衛星放送受信チューナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＩＦ信号が第二及び第三の増幅器おいて増幅
されるときに歪んだり異常発振を起こさないようにす
る。 【解決手段】 それぞれが異なる帯域幅を有する複数の
衛星放送信号が入力されるとともに複数の衛星放送信号
を周波数変換して中間周波信号を出力する周波数変換部
１と、中間周波信号を増幅して出力する第一の増幅器２
と、それぞれが異なる通過特性を有する複数のＳＡＷフ
ィルタ３、４と、ＩＦ信号が入力され、複数のＳＡＷフ
ィルタによるＩＦ信号のレベルの減衰分を増幅する複数
の増幅器５、６とを備え、第一の増幅器２を周波数変換
部１の出力端と複数のＳＡＷフィルタ３、４の入力端と
の間に設けるとともに複数の増幅器５、６の各々を複数
のＳＡＷフィルタ３、４の出力端に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は帯域幅の異なる複数
の衛星放送が受信可能な衛星放送受信チューナーに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の衛星放送受信チューナーを図２に
従って説明する。衛星放送受信チューナーは、帯域幅の
異なる第一及び第二の衛星放送信号（例えば、帯域幅が
３６ＭＨｚと１８ＭＨｚ）を中間周波信号（以下、ＩＦ
信号と略す）に周波数変換して出力する周波数変換部２
１と、周波数変換部２１から出力されたＩＦ信号が入力
され、そのレベルを増幅して出力する第一乃至第三の増
幅器２２、２３、２４と、ＩＦ信号が入力され、このＩ
Ｆ信号のうちの所望のチャンネルの周波数帯のみが通過
して出力される第一及び第二のＳＡＷフィルタ２５、２
６とを有している。

【０００３】ここで、第一の増幅器２２は、入力された
ＩＦ信号を所望の信号のレベルに増幅し、第二及び第三
の増幅器２３、２４は第一及び第二のＳＡＷフィルタ２
５、２６をＩＦ信号が通過するときに生じるＩＦ信号の
レベルの減衰分だけＩＦ信号を増幅するようになってい
る。

【０００４】放送衛星から送信される衛星放送信号はパ
ラボラアンテナ（図示せず）で受信されて周波数変換部
２１に入力される。ここで、周波数変換部２１は一定の
周波数の局部発振信号を出力するＰＬＬ回路２７と、受
信した衛星放送信号を周波数変換してＩＦ信号を出力す
る混合器２８とから構成されている。

【０００５】ＰＬＬ回路２７は発振信号を出力する電圧
制御発振器２９と、可変分周器３０と、電圧制御発振器
２９に供給する電圧を制御する位相比較器３１とを有し
ている。電圧制御発振器２９は、位相比較器３１と混合
器２８とに接続されており、さらに、電圧制御発振器２
９と混合器２８との接続点が可変分周器３０を介して位
相比較器３１に接続されており、電圧制御発振器２９か
ら出力された発振信号は混合器２８に入力されるととも
に可変分周器３０に入力される。

【０００６】ここで、可変分周器３０は、電圧制御発振
器２９から出力された発振信号を後述する位相比較器３
１において基準信号と比較できる周波数の信号に分周す
るためのもので、図示はしないが、例えば、衛星放送受
信チューナーに備えられたマイコンから制御信号が入力
されるようになっており、この制御信号に応じて、例え
ば、第一の衛星放送信号を受信する時には分周比が１／
Ｎ１（Ｎ１：正数）となり、第二の衛星放送信号を受信
するときには、分周比が１／Ｎ２（Ｎ２：正数）となる
ように切り替えられるようになっている。そして、可変
分周器３０に入力された発振信号は可変分周器３０で分
周されて位相比較器３１に入力される。

【０００７】また、位相比較器３１は、図示はしない
が、水晶発振子から出力された基準信号が入力されるよ
うになっており、前述の分周された発振信号と基準信号
とを比較して、発振信号が一定の周波数で出力されるよ
うに電圧制御発振器２９に供給する電圧を制御してい
る。なお、位相比較器３１は後述する第二及び第三の増
幅器２３、２４にも接続されており、第一の衛星放送信
号を受信するときには第二の増幅器２３に、第二の衛星
放送信号を受信するときには第三の増幅器２４にベース
電圧を供給するようになっている。

【０００８】そして、周波数変換部２１に入力された衛
星放送信号は混合器２８において発振信号と混合され、
周波数変換されてＩＦ信号となって出力される。なお、
電圧制御発振器２９からは衛星放送信号を受信するとき
には、その衛星放送信号よりもＩＦ信号の周波数分高い
局部発振信号が出力される。そして、周波数変換部２１
から出力されたＩＦ信号は、第一の増幅器２２に入力さ
れ、そのレベルが増幅されて出力される。そして、レベ
ルが増幅されたＩＦ信号は、第二又は第三の増幅器２
３、２４に入力される。

【０００９】第二及び第三の増幅器２３、２４は、ＩＦ
信号が第一及び第二のＳＡＷフィルタ２５、２６（後
述）を通過するときのレベルの減衰分を予め増幅してお
くために設けられており、第二及び第三の増幅器２３、
２４のそれぞれの入力端が第一の増幅器２２の出力端に
接続されており、第二の増幅器２３の出力端は第一のＳ
ＡＷフィルタ２５の入力端に、第三の増幅器２４の出力
端は第二のＳＡＷフィルタ２６の入力端にそれぞれ接続
されている。そして、第二及び第三の増幅器２３、２４
は上述のＰＬＬ回路部２７からベース電圧が、第一の衛
星放送信号を受信するときには第二の増幅器２３に、第
二の衛星放送信号を受信するときには第三の増幅器２４
に供給されるようになっている。

【００１０】そして、ＩＦ信号は第二又は第三の増幅器
２３、２４で増幅された後に第一又は第二のＳＡＷフィ
ルタ２５、２６に入力される。ここで、第一及び第二の
ＳＡＷフィルタ２５、２６は、それぞれが異なる通過特
性を有している。また、第一及び第二のＳＡＷフィルタ
２５、２６の通過特性はそれぞれが第一及び第二の衛星
放送信号の帯域幅とほぼ同じ通過特性となっており、入
力されるＩＦ信号のうち所望のチャンネルのみが通過し
て出力されるようになっている。

【００１１】また、第一及び第二のＳＡＷフィルタ２
５、２６は、その出力端がＩＦ信号出力端３２に接続さ
れており、第一又は第二のＳＡＷフィルタ２５、２６か
ら出力されたＩＦ信号は、図示はしないが、ＩＦ信号出
力端３２に接続された復調器に入力されるようになって
いる。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の衛星
放送受信チューナーにおいては、上述のように、受信し
た衛星放送信号をＩＦ信号に変換した後に、第一の増幅
器２２で増幅し、さらに後段に接続された第二又は第三
の増幅器２３、２４で第一又は第二のＳＡＷフィルタ２
５、２６で減衰される分だけ増幅した後に第一又は第二
のＳＡＷフィルタ２５、２６で所望のチャンネルのみを
通過させて出力している。このため、第二及び第三の増
幅器２３、２４に入力される際にはすでにＩＦ信号のレ
ベルが高くなっているので、ＩＦ信号が第二及び第三の
増幅器２３、２４において増幅されるときに歪みを起こ
したり、異常発振を起こすという問題があった。

【００１３】本発明はこの問題を解決するためのもの
で、その目的は、ＩＦ信号が第二及び第三の増幅器２
３、２４において増幅されるときに歪んだり異常発振を
起こさないようにすることにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の衛星放送受信チューナーは、それぞれが異
なる帯域幅を有する複数の衛星放送信号が入力されると
ともに複数の衛星放送信号を周波数変換して中間周波信
号を出力する周波数変換部と、中間周波信号を増幅して
出力する第一の増幅器と、それぞれが異なる通過特性を
有する複数のＳＡＷフィルタと、ＩＦ信号が入力され、
複数のＳＡＷフィルタによるＩＦ信号のレベルの減衰分
を増幅する複数の増幅器とを備え、第一の増幅器を周波
数変換部の出力端と複数のＳＡＷフィルタの入力端との
間に設けるとともに複数の増幅器の各々を複数のＳＡＷ
フィルタの出力端に設けた。

【００１５】また、本発明の衛星放送受信チューナー
は、複数の衛星放送信号は帯域幅の異なる第一及び第二
の衛星放送信号であり、複数の増幅器は第二及び至第三
の増幅器を備え、複数のＳＡＷフィルタは第一及び第二
のＳＡＷフィルタを備えた。

【００１６】また、本発明の衛星放送受信チューナー
は、周波数変換部と前記第一の増幅器とを同一のＩＣに
内蔵した。

【００１７】

【発明の実施の形態】

【００１８】本発明の衛星放送受信チューナーを図１に
従って説明する。衛星放送受信チューナーは、帯域幅の
異なる第一及び第二の衛星放送信号（例えば、帯域幅が
３６ＭＨｚと１８ＭＨｚ）を中間周波信号（以下、ＩＦ
信号と略す）に周波数変換して出力する周波数変換部１
と、周波数変換部１から出力されたＩＦ信号が入力さ
れ、そのレベルを増幅して出力する第一の増幅器２と、
ＩＦ信号が入力され、このＩＦ信号のうちの所望のチャ
ンネルの周波数帯のみが通過して出力される第一及び第
二のＳＡＷフィルタ３、４と、ＩＦ信号が第一及び第二
のＳＡＷフィルタ３、４を通過したときに生じるＩＦ信
号のレベルの減衰分だけＩＦ信号のレベルを増幅する複
数の増幅器である第二及び第三の増幅器５、６とを有し
ている。

【００１９】放送衛星から送信される衛星放送信号はパ
ラボラアンテナ（図示せず）で受信されて周波数変換部
１に入力される。ここで、周波数変換部１は一定の周波
数の局部発振信号を出力するＰＬＬ回路７と、受信した
衛星放送信号を周波数変換してＩＦ信号を出力する混合
器８とから構成されている。

【００２０】ＰＬＬ回路７は発振信号を出力する電圧制
御発振器９と、可変分周器１０と、電圧制御発振器９に
供給する電圧を制御する位相比較器１１とを有してい
る。電圧制御発振器９は、位相比較器１１と混合器８と
に接続されており、さらに、電圧制御発振器９と混合器
８との接続点が可変分周器１０を介して位相比較器１１
に接続されており、電圧制御発振器９から出力された発
振信号は混合器８に入力されるとともに可変分周器１０
に入力される。

【００２１】ここで、可変分周器１０は、電圧制御発振
器９から出力された発振信号を後述する位相比較器１１
において基準信号と比較できる周波数の信号に分周する
ためのもので、図示はしないが、例えば、衛星放送受信
チューナーに備えられたマイコンから制御信号が入力さ
れるようになっており、この制御信号に応じて、例え
ば、第一の衛星放送信号を受信するときには分周比が１
／Ｎ１（Ｎ１：正数）となり、第二の衛星放送信号を受
信するときには、分周比が１／Ｎ２（Ｎ２：正数）とな
るように切り替えられるようになっている。そして、可
変分周器１０に入力された発振信号は可変分周器１０で
分周されて位相比較器１１に入力される。

【００２２】位相比較器１１は、図示はしないが、水晶
発振子から出力された基準信号が入力されるようになっ
ており、前述の分周された発振信号と基準信号とを比較
して、発振信号が一定の周波数で出力されるように電圧
制御発振器９に供給する電圧を制御している。なお、位
相比較器１１は後述する第二及び第三の増幅器５、６に
も接続されており、第一の衛星放送信号を受信するとき
には第二の増幅器５に、第二の衛星放送信号を受信する
ときには第三の増幅器６にベース電圧を供給するように
なっている。

【００２３】そして、周波数変換部１に入力された衛星
放送信号は混合器８において発振信号と混合され、周波
数変換されてＩＦ信号となって出力される。なお、電圧
制御発振器９からは衛星放送信号を受信するときには、
その衛星放送信号よりもＩＦ信号の周波数分高い局部発
振信号が出力される。。そして、周波数変換部１から出
力されたＩＦ信号は、第一の増幅器２に入力され、その
レベルが増幅されて出力される。そして、レベルが増幅
されたＩＦ信号は第一及び第二のＳＡＷフィルタ３、４
に入力される。

【００２４】第一及び第二のＳＡＷフィルタ３、４は、
それぞれが異なる通過特性を有している。そして、第一
及び第二のＳＡＷフィルタ３、４の通過特性はそれぞれ
第一及び第二の衛星放送信号の帯域幅とほぼ同じ帯域幅
となっており、入力されるＩＦ信号のうち所望のチャン
ネルの周波数帯のみが第一又は第二のＳＡＷフィルタ
３、４を通過して第二及び第三の増幅器５、６に入力さ
れる。

【００２５】第二及び第三の増幅器５、６は、ＩＦ信号
が第一及び第二のＳＡＷフィルタ３、４を通過するとき
のレベルの減衰分を増幅するためのもので、その増幅度
は、第一及び第二のＳＡＷフィルタを設けたことによる
ＩＦ信号の減衰分（例えば、２０ｄＢ）とほぼ同じ程度
の増幅度を有している。そして、第二及び第三の増幅器
５、６のそれぞれの入力端が第一及び第二のＳＡＷフィ
ルタ３、４の出力端に接続されており、第二及び第三の
増幅器５、６の出力端がＩＦ信号出力端１２に接続され
ている。そして、第二及び第三の増幅器５、６は前述の
位相比較器１１からベース電圧が、第一の衛星放送信号
を受信するときには第二の増幅器５に、第二の衛星放送
信号を受信するときには第三の増幅器６に供給されるよ
うになっている。

【００２６】このように、第一及び第二のＳＡＷフィル
タ３、４にＩＦ信号を通過させることによるＩＦ信号の
レベルの減衰分を増幅する第二及び第三の増幅器５、６
を第一及び第二のＳＡＷフィルタ３、４の後段に設けた
ので、第一の増幅器２においてＩＦ信号のレベルは増幅
されているが、第一及び第二のＳＡＷフィルタ３、４に
よって減衰されてから第二及び第三の増幅器５、６に入
力されるようになっているので、第二及び第三の増幅器
５、６にＩＦ信号が入力されるときにはＩＦ信号のレベ
ルが低くなっているので、第二及び第三の増幅器５、６
において歪みを生じたり、異常発振を起こすことがなく
なる。

【００２７】そして、第一及び第二のＳＡＷフィルタ
３、４から出力されたＩＦ信号は、図示はしないが、Ｉ
Ｆ信号出力端１２に接続された復調器に入力されるよう
になっている。

【００２８】ここで、上述の例においては、二種類の帯
域幅の異なる衛星放送信号が入力される場合を例示した
が、さらに、三種類以上の帯域幅の異なる衛星放送信号
を受信する場合には、第一の増幅器２の後段に設けたＳ
ＡＷフィルタ及び増幅器を衛星放送信号の数だけ設ける
ことによって、一つの衛星放送受信チューナーで複数の
衛星放送信号を受信することが出来る。また、上述の周
波数変換部１は、周波数変換部１と第一の増幅器２とが
別々になっているが、これらを一つのＩＣにしても良
く、周波数変換部１と第一の増幅器２とを一つのＩＣ化
することでより小型の衛星放送受信チューナーを提供す
ることが出来る。

【００２９】

【発明の効果】以上のように、本発明の衛星放送受信チ
ューナーは、それぞれが異なる帯域幅を有する複数の衛
星放送信号が入力されるとともに複数の衛星放送信号を
周波数変換して中間周波信号を出力する周波数変換部
と、中間周波信号を増幅して出力する第一の増幅器と、
それぞれが異なる通過特性を有する複数のＳＡＷフィル
タと、ＩＦ信号が入力され、複数のＳＡＷフィルタによ
るＩＦ信号のレベルの減衰分を増幅する複数の増幅器と
を備え、第一の増幅器を周波数変換部の出力端と複数の
ＳＡＷフィルタの入力端との間に設けるとともに複数の
増幅器の各々を複数のＳＡＷフィルタの出力端に設けた
ことで、第一の増幅器においてＩＦ信号のレベルが増幅
されているが、第一及び第二のＳＡＷフィルタによって
減衰されているので、第二及び第三の増幅器にＩＦ信号
が入力されるときにはＩＦ信号のレベルが低くなってい
るので、第二及び第三の増幅器において歪みを生じた
り、異常発振を起こすことがなくなる。

【００３０】また、本発明の衛星放送受信チューナー
は、複数の衛星放送信号は帯域幅の異なる第一及び第二
の衛星放送信号であり、複数の増幅器は第一乃至第三の
増幅器を備え、複数のＳＡＷフィルタは第一及び第二の
ＳＡＷフィルタを備えたことで、fp第一の増幅器におい
てＩＦ信号のレベルが増幅されているが、第一及び第二
のＳＡＷフィルタによって減衰されているので、第二及
び第三の増幅器にＩＦ信号が入力されるときにはＩＦ信
号のレベルが低くなっているので、第二及び第三の増幅
器において歪みを生じたり、異常発振を起こすことがな
くなる。

【００３１】また、本発明の衛星放送受信チューナー
は、周波数変換部と前記第一の増幅器とを同一のＩＣに
内蔵したことで、複数の衛星放送信号が受信可能な衛星
放送受信チューナーを提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の衛星放送受信チューナーの要部を示す
ブロック図である。

【図２】従来の衛星放送受信チューナーの要部を示すブ
ロック図である。

【符号の説明】

１ 周波数変換部 ２ 第一の増幅器 ３ 第一のＳＡＷフィルタ ４ 第二のＳＡＷフィルタ ５ 第二の増幅器 ６ 第三の増幅器 ７ ＰＬＬ回路 ８ 混合器 ９ 電圧制御発振器 １０ 可変分周器 １１ 位相比較器 １２ ＩＦ信号出力端

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれが異なる帯域幅を有する複数の
   衛星放送信号が入力されるとともに該複数の衛星放送信
   号を周波数変換して中間周波信号を出力する周波数変換
   部と、前記中間周波信号を増幅して出力する第一の増幅
   器と、それぞれが異なる通過特性を有する複数のＳＡＷ
   フィルタと、前記ＩＦ信号が入力され、前記複数のＳＡ
   ＷフィルタによるＩＦ信号のレベルの減衰分を増幅する
   複数の増幅器とを備え、前記第一の増幅器を前記周波数
   変換部の出力端と前記複数のＳＡＷフィルタの入力端と
   の間に設けるとともに前記複数の増幅器の各々を前記複
   数のＳＡＷフィルタの出力端に設けたことを特徴とする
   衛星放送受信チューナー。
2. 【請求項２】 前記複数の衛星放送信号は帯域幅の異な
   る第一及び第二の衛星放送信号であり、前記複数の増幅
   器は第二及び第三の増幅器を備え、前記複数のＳＡＷフ
   ィルタは第一及び第二のＳＡＷフィルタを備えたことを
   特徴とする請求項１記載の衛星放送受信チューナー。
3. 【請求項３】 前記周波数変換部と前記第一の増幅器と
   を同一のＩＣに内蔵したことを特徴とする請求項１また
   は請求項２記載の衛星放送受信チューナー。