JP2000307181A - 固体レーザ装置およびレーザ加工装置 - Google Patents

固体レーザ装置およびレーザ加工装置

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JP2000307181A
JP2000307181A JP36633299A JP36633299A JP2000307181A JP 2000307181 A JP2000307181 A JP 2000307181A JP 36633299 A JP36633299 A JP 36633299A JP 36633299 A JP36633299 A JP 36633299A JP 2000307181 A JP2000307181 A JP 2000307181A
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laser
state laser
semiconductor
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JP36633299A
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English (en)
Inventor
Kimiharu Yasui
公治 安井
Shuichi Fujikawa
周一 藤川
Tetsuo Kojima
哲夫 小島
Keisuke Furuta
啓介 古田
Masaki Seguchi
正記 瀬口
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的に安定に得られる固体素子の長さで,最
大出力が制限される上に,長い固体素子を用いるほど,
ビーム品質を低下させないと,出力の増加ができない課
題があった.発振効率を損なうことなく,さらにビーム
品質を損なうことなく,レーザ出力を任意に増大させる
ことができる固体レーザ装置を得る。 【解決手段】半導体レーザと集光器からなる励起ブロッ
クと、集光器内に配置され,半導体レーザにより励起さ
れた活性媒質である固体素子とからなる固体レーザモジ
ュールを複数個備え,上記励起ブロックの中心が固体レ
ーザ光の光軸に沿ってほぼ等間隔になるよう上記固体レ
ーザモジュールを配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、指向性が高く、
出力の大きい高出力レーザ光の発生装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図18、および19は、例えば特開平5
−259540号公報に記載された従来の固体レーザ装
置を示す側面図、および縦断面図であり、図において、
1は全反射ミラーで、例えば石英からなる基板上に誘電
体多層膜を配置して形成される。2は、部分反射ミラー
で、同じく、例えば石英からなる基板上に誘電体多層膜
を配置して形成され、反射率が50%程度である。3は
半導体レーザで、半導体レーザ基台35の上に例えばG
aAlAsを主成分とし、波長808nm程度で出力2
00W程度を発生する半導体レーザチップ30を備えた
ものである。4は、内面が拡散反射状の集光器で、たと
えばセラミックや、白色の樹脂で構成される。5は、固
体素子で、YAGレーザを例に取れば、NdやYbをド
ーピングしたYAG(Yttrium Aluminu
m Garnet)、すなわちNd:YAGやYb:Y
AGである。6は、ミラー1、2で構成されたレーザ共
振器中に発生したレーザビーム、7は、部分反射ミラー
2により外部に取り出されたレーザビームである。31
は、集光器4内に備えられた開口部である。また、8は
固体素子5を覆うように配置されたフローチューブで、
内部を固体素子を冷却する冷媒が流れる。
【0003】つぎに動作について説明する。半導体レー
ザ基台35上に配置され、この基台により冷却された半
導体レーザチップ30は、およそ800−900nm近
くで200W程度のレーザ出力を発生する。このレーザ
出力は、指向性が悪く、すなわち、短距離の伝播で大き
く広がる性格を持つ。このために、そのままでは、レン
ズ等での集光が難しく、集光してレーザ加工等に用いる
ことができない。
【0004】この半導体レーザチップ30から発せられ
た光は、半導体レーザチップ30の近傍に配置された開
口部31を通して集光器内に導かれ、フローチューブ8
を通過後に、固体素子5を励起する。一回の固体素子通
過で、およそ、50%の光が固体素子に吸収される。固
体素子に吸収されずに、固体素子を通過する残り50%
の光は、集光器内で拡散反射され、再び、固体素子の励
起を行なう。このようにして、半導体レーザチップ30
から発せられた光は、集光器内で複数回の反射を繰り返
しながら、固体素子5の励起を行ない、これをレーザ媒
質とする。
【0005】レーザ媒質となった固体素子5から発生し
た放出光は、反射ミラー1と2からなる共振器中に閉じ
こめられ、2つの反射ミラー間を往復する毎に、励起さ
れた固体素子により増幅され、出力の向上とともに、指
向性も整えられ、レーザビーム6となる。このレーザビ
ームは、ある一定以上の大きさになると、部分反射ミラ
ー2からレーザビーム7として外部に取り出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の固体レーザ装置
は以上のように構成されているが、高出力化をするため
には、長い固体素子を用いる必要があった。また、複数
の固体素子を用いるための技術が確立していなかった。
以下で詳しく説明する。
【0007】固体素子に吸収された半導体レーザ光のう
ち、30%程度が固体素子に熱として吸収される。この
吸収された熱のために、固体素子が熱変形し、著しい場
合には、その破壊に至ることがあった。その破壊限界の
指標は、長さあたりの照射パワーであらわされ、Ndを
ドープしたYAG固体素子を例に取ると、1cmあた
り、およそ200Wを超えると破壊に至るとされてい
る。このために、例えば400Wの半導体レーザ4つ、
合計1600Wの半導体レーザ出力を用いた図18の例
では、固体素子の長さは8cm以上必要であった。この
場合のレーザ出力は、640W程度となる。YAG固体
素子を例にとると、工業的に安定して製造できる長さは
250mm程度であり、従って、640Wの3倍程度、
すなわち、1920W程度の出力しか得られないという
問題があった。
【0008】さらに、熱変形した固体素子のレンズ作用
により、固体素子内でのビーム形状が図20のようにな
り、固体素子端部にレーザビームが通過しない、すなわ
ちレーザビームを取り出せないデッドゾーン50が発生
し、効率の低下を招くが、長い固体素子を用いた場合に
は、このデッドゾーンが急増し、発振効率が著しく低下
するという問題があった。この問題は、反射ミラー1、
2の間の距離を短くすることにより実現できるが、この
場合、レーザビームの集光性が悪化するという問題があ
った。
【0009】以上で説明した従来の固体レーザ装置の問
題点をまとめると、工業的に安定に得られる固体素子の
長さで、最大出力が制限される上に、長い固体素子を用
いるほど、ビーム品質を低下させないと、出力の増加が
できない。さらには、複数の固体素子を用いた場合、ビ
ーム品質を低下させずに高出力化する技術が確立してい
なかった。もちろん、ランプ励起の固体レーザにおいて
複数の固体素子を用いて高出力化する方式は良く知られ
ているが、この場合はビーム品質が極端に悪く、また効
率も悪いため多大な電源入力を必要とするという決定的
な問題点があった。
【0010】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、発振効率を損なうことなく、
さらにビーム品質を損なうことなく、レーザ出力を任意
に増大させても安定に動作する固体レーザ装置を得るこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
に記載の固体レーザ装置は、活性媒質を含む固体素子
と、この固体素子を励起するための半導体レーザからの
励起光を上記固体素子の周囲から照射するように構成さ
れた励起ブロックと、からなる固体レーザモジュールを
複数個備え、上記励起ブロックの中心が固体レーザビー
ムの光軸に沿ってほぼ等間隔になるよう上記固体レーザ
モジュールを配置したものである。
【0012】この発明に係る請求項2に記載の固体レー
ザ装置は、固体素子間の距離を500(cm)/√M2
以下としたものである。
【0013】この発明に係る請求項3に記載の固体レー
ザ装置は、固体素子の直径が、0.1(cm)×√M2
以下としたものである。
【0014】この発明に係る請求項4に記載の固体レー
ザ装置は、単位長さあたりの励起密度を100W/cm
以上にしたものである
【0015】この発明に係る請求項5に記載の固体レー
ザ装置は、固体素子の直径を5.5mm以下としたもの
である。
【0016】この発明に係る請求項6に記載の固体レー
ザ装置は、固体素子がYttrium Aluminu
m Garnet(YAG)であり、ビーム品質がM2
<100としたものである
【0017】この発明に係る請求項7に記載の固体レー
ザ装置は、複数個の固体レーザモジュールのうち少なく
とも2個は上記レーザ光学系の間に配置し、上記固体レ
ーザモジュールのうち少なくとも1個は上記レーザ光学
系の外部に配置したものにおいて、励起ブロックの中心
が固体レーザビームの光軸に沿って光学的にほぼ等間隔
になるよう固体レーザモジュールを配置したである。
【0018】この発明に係る請求項8に記載の固体レー
ザ装置は、複数個の固体レーザモジュールと、固体素子
からレーザ光を取り出すレーザ光学系と、複数の半導体
レーザを駆動する電源と、この電源を制御する制御手段
を備え、この制御手段は複数の半導体レーザに通電を開
始する時間を制御するものである。
【0019】この発明に係る請求項9に記載の固体レー
ザ装置は、請求項8の固体レーザ装置において、電源か
ら複数の上記半導体レーザに通電を開始する時間のずれ
を1ミリ秒以下としたものである。
【0020】この発明に係る請求項10に記載の固体レ
ーザ装置は、請求項8の固体レーザ装置において、少な
くとも2個の上記固体レーザモジュールを上記レーザ光
学系の間に配置し、少なくとも1個の上記固体レーザモ
ジュールを上記レーザ光学系の外部に配置したものであ
る。
【0021】この発明に係る請求項11に記載の固体レ
ーザ装置は、請求項10の固体レーザ装置において、電
源から複数の半導体レーザに通電を開始する順番が、レ
ーザ光学系の間に配置された固体レーザモジュールに含
まれる半導体レーザから、レーザ光学系の外部に配置さ
れた固体レーザモジュールに含まれる半導体レーザへ、
との順番になるよう半導体レーザに通電を開始する時間
を制御するものである。
【0022】この発明に係る請求項12に記載の固体レ
ーザ装置は、レーザ光学系の間に配置された複数の固体
レーザモジュールは、それぞれに光軸方向に複数の半導
体レーザを並べて設けるとともに、励起ブロックの中心
が固体レーザビームの光軸に沿ってほぼ等間隔になるよ
う配置され、複数の半導体レーザに通電を開始する時間
のずれを1ミリ秒以上とし、この通電を開始する順番
を、それぞれの固体素子への入熱が上記励起ブロックの
列の中央に対してほぼ対称となるよう制御するものであ
る。
【0023】この発明に係る請求項13に記載の固体レ
ーザ装置は、レーザ光学系の間に2個の固体レーザモジ
ュールを配置し、これら2個の固体レーザモジュールの
それぞれに光軸方向にそれぞれ2個の半導体レーザを並
べて設け、制御手段は、上記4個の半導体レーザに通電
を開始する順番を、最初に通電開始した半導体レーザの
次に、この最初に通電開始した半導体レーザの固体レー
ザモジュールの列の中央に対して対称な位置にある半導
体レーザに通電開始し、その次に2番目に通電開始した
半導体レーザと同じ固体レーザモジュールの他方の半導
体レーザに通電開始し、その次に最初に通電開始した半
導体レーザと同じ固体レーザモジュールの他方の半導体
レーザに通電開始するよう制御するものである。
【0024】この発明に係る請求項14に記載の固体レ
ーザ装置は、励起ブロックは、半導体レーザと、内面が
拡散反射状に形成され、上記半導体レーザからの光を内
部に導入する開口部を有する集光器とからなるものであ
る。
【0025】この発明に係る請求項15に記載の固体レ
ーザ装置は、半導体レーザと、内面が拡散反射状に形成
され、上記半導体レーザからの光を内部に導入する開口
部を有し、かつ冷却手段を備えた集光器と、上記集光器
内に配置され、上記半導体レーザの光により励起された
活性媒質を含む固体素子と、この励起された固体素子か
らレーザ光を取り出すレーザ光学系とを備えたものであ
る。
【0026】この発明に係る請求項16に記載の固体レ
ーザ装置は、集光器の開口部に、半導体レーザの光を伝
送する光学素子を備えたものである。
【0027】この発明に係る請求項17に記載の固体レ
ーザ装置は、集光器に冷却媒体通路を設けたものであ
る。
【0028】この発明に係る請求項18に記載の固体レ
ーザ装置は、固体素子の周囲を囲むように円筒状のフロ
ーチューブを設けこのフローチューブ内に冷却媒体を流
すとともに、集光器内面の断面形状を円形に形成し、上
記フローチューブの外面と集光器内面の隙間を0.2m
m以下として、集光器の熱の一部を冷却媒体に伝えるよ
うにしたものである。
【0029】この発明に係る請求項19に記載の固体レ
ーザ装置は、固体レーザモジュールを固体素子の軸がほ
ぼ一致するよう複数個直列に並べ、固体素子の軸上でか
つ固体レーザモジュールの列の片側に全反射ミラーを配
置し、固体レーザモジュールの列の全反射ミラーとは反
対の端に位置する固体素子の端面からレーザ光を取り出
すものである。
【0030】この発明に係る請求項20に記載の固体レ
ーザ装置は、以上のいずれかの固体レーザ装置におい
て、出力を1kW以上としたものである。
【0031】この発明の請求項21に記載のレーザ加工
装置は、以上のいずれかの固体レーザ装置を備えたもの
である。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1は本発明の実
施の形態1を示す側面図、図2は断面図である。図1お
よび図2において、1は全反射ミラー、2は部分反射ミ
ラー、3は半導体レーザで、半導体レーザ基台35に、
例えば出力200W程度を発生する半導体レーザチップ
30がマウントされたものである。4は内面が拡散反射
状の集光器で、例えば白色のセラミックや樹脂で構成さ
れ、半導体レーザチップ30からのレーザ光を集光器内
に導入する開口部31を有する。5は固体素子で、例え
ばNd:YAGである。6はレーザ光学系であるミラー
1,2で構成されたレーザ共振器中に発生したレーザビ
ーム、7は部分反射ミラー2により外部に取り出された
レーザビームである。8は固体素子5を覆うように配置
されたフローチューブで、内部に固体素子を冷却するた
めの水等の冷媒を流す。100は基台である。ここで、
半導体レーザ3と集光器4から構成された励起ブロック
50と、1個の固体素子5との集合体である固体レーザ
モジュール55を4個、基台100の上に励起ブロック
の中心の間隔がLとなるように等間隔に配置している。
ここで励起ブロックの中心とは、固体素子5の軸方向に
拡がる半導体レーザ励起光分布の重心を意味する。ま
た、励起密度が100W/cm以上となるよう高励起密
度になるようにしている。
【0033】ここで、励起ブロックの中心の間隔が等間
隔に配置されているため、固体素子間でのビームの振る
舞いを考慮することで、効率を低下させずに出力を増大
させるよう固体レーザモジュールの数を増加させるとき
の設計が容易になる。また、複数の固体素子を用いた場
合、各固体素子の方向を微調整する必要があるが、これ
は、図1に示す固体素子間の距離Dが短いほどに容易で
あり、従って安定に動作させることができる。しかしな
がら、固体素子間の距離が短い場合には、ビーム品質を
高めることがむつかしい。
【0034】ここでは、ビーム品質の指標値として一般
に用いられているM2値を用いる。M2=40を発生する
固体素子間の距離Dを、固体素子としてNd:YAGロ
ッドを用いた場合を例に取り、ロッドの直径の関数とし
て計算して図3に示す。直径0.4cmロッドの場合に
は、固体素子間の距離は18cm以上となるが、ロッド
の直径が増大するほどに、必要な固体素子間の距離は増
大し、直径0.8cmロッドでは、72cm以上となっ
た。固体素子1本当たり640Wのレーザ出力が得られる
ことから、例えば、2kW以上の出力を得るには、4本
以上の固体素子を用いる必要があり、直径0.8cmの
ロッドを用いた場合には、共振器ミラー間の距離が32
8cm以上となった。
【0035】固体素子間の距離が増大すると、固体素子
間でビームが拡散し、効率が低下するという問題があっ
た。このために、固体素子間の距離が75cmを超える
条件では、レーザ出力の変動が急増し、安定な動作の実
現が難しかった。このことから、M2=40以下のビー
ムを発生する場合には、直径0.8cm以下の固体素子
を用いる必要があった。
【0036】工業的な用途では、M2=100程度の少
し低品質のビームでも実用的なことがある。この場合に
は、固体素子の直径に対する固体素子間の距離は、同じ
く図3に示すようになった。この場合においては、ビー
ム品質が悪いことにより、さらにビームの発散性が強
く、固体素子間の距離を、おおむね50cm以下に設定
しないと安定な発振が難しかった。
【0037】このことから、固体素子間の距離が、以下
の式を満たすときに、ほぼ効率的な安定発振が可能であ
ることがわかった。 固体素子間の距離<500(cm)/√M2 (1) ただし、これを満たす固体素子間の距離で、同じビーム
品質、すなわちM2を同じとするには、図3に示すよう
に、固体素子間の距離を短くするほど固体素子の直径は
小さくする必要がある。
【0038】さらに、固体素子の振動を考えると、ビー
ム品質によらず、固体素子間の距離を、おおむね40c
m以下にする必要があった。図3を参照すれば、M2
40では固体素子の直径0.55cm以下、M2=60
では0.7cm以下、M2=100では0.97cm以
下にする必要がある。このことから、固体素子の直径と
しては、近似式として、以下の式が導出された。 固体素子の直径<0.1(cm)×√M2 (2)
【0039】すなわち、固体素子間の距離を40cm以
下でM2=40以下の高品質のレーザビームを得ようと
すると固体素子の直径は5.5mm以下にすればよい。
さらにコンパクトな構成にするためには固体素子の直径
は5mm以下、さらに好ましくは4.5mm以下にすれ
ば良い。また、固体素子の直径が細くなれば、熱レンズ
値が大きくなり、共振器設計が難しくなるため、励起密
度が100W/cm以上となるような高励起密度にする
ためには、固体素子の直径はおおよそ0.5mm以上、
好ましくは1mm以上とする必要がある。
【0040】次に、本発明における、固体素子を内面が
拡散反射状の集光器内で励起した構成の複数の固体素子
の配置での効果を確認するために、市販の固体レーザに
用いられている、光源をランプ、または半導体レーザと
し、集光器が、金属の反射板で構成されたものの結果を
説明する。
【0041】この場合、ランプ励起では光が時間的な揺
らぎが多い上に、光源を半導体レーザにしても、集光器
が金属の反射板で構成されているので固体素子を均一に
励起できないことから、固体素子が収差を持った光学系
として作用した。このために、1つの固体素子を用いた
場合には、安定した出力が得られたが、高出力化を図っ
て、複数の固体素子を用いて1kW以上の出力を得よう
とした場合には、ビーム品質をM2>100としなけれ
ば安定に動作しなかった。すなわち式(1)、(2)
は、均一に励起できる拡散反射の集光器、かつ光の時間
的揺らぎが少なく固体素子の熱発生も少なくなる半導体
レーザ励起を用いた場合で、出力1kW以上で、またM
2<100の場合に特に有効であることがわかった。
【0042】実施の形態2.図4は本発明の実施の形態
2を示す横側面図である。実施の形態1では励起ブロッ
ク50には固体素子5の軸方向に半導体レーザ3を1個
だけ配置した例を説明したが、一つの半導体レーザ3の
出力が数10Wといったようにやや小さい場合は、図4
に示すように、励起ブロック50には、半導体レーザ3
を固体素子5の軸方向に複数個並べてもよい。この場
合、励起ブロックの中心は、複数個並んだ半導体レーザ
から発せられる励起光における、固体素子の軸方向励起
光分布の重心で定義される。
【0043】実施の形態3.通常は、半導体レーザから
出射されたレーザ出力のうち、ほとんどが固体素子に吸
収されるために、集光器の温度が極端に上昇することは
ないが、例えば非常に細い固体素子を用いたり、励起分
布の均一化のため、内径の大きな集光器を用いた場合、
半導体レーザから出された出力の数10%程度が集光器
に吸収されることもある。また、半導体レーザの出力が
大きい場合にも集光器に吸収される熱量は多くなる。実
施の形態3では、図5に示すように、集光器4中に冷却
媒体通路40を配置し、この中に例えば水を流し、集光
器4を冷却して集光器の温度上昇を防ぐ。
【0044】実施の形態4.図6は本発明の実施の形態
4を示す縦断面図である。図5に示す実施例では、集光
器に冷却媒体通路を設けて集光器を冷却する構成を示し
たが、図6に示すように、アルミやステンレス等の金属
でできた、例えば水冷された冷却板41を集光器に押し
つけて、集光器を冷却するようにしてもよい。
【0045】実施の形態5.さらに、集光器表面の熱を
廃熱するためには、図7に示すように、フローチューブ
と集光器の間の距離を狭く、好ましくは0.2mm以下にす
ることで、集光器表面とフローチューブ間の空気層によ
る断熱の影響が小さくなり、集光器表面の熱をフローチ
ューブ内のロッド冷却水へ廃熱することができる。
【0046】本実施の形態を実現するためには、LDに
よる励起光31が照射される領域において、集光器表面
とフローチューブの間隔を精密にあわせる必要がある。
通常フローチューブ8は冷却水のシールのために、Oリ
ング等で支持されているので、精度よく位置あわせする
ことが難しい。そこで、例えばフローチューブの形状を
図8に示すような両端に段を持つ形状にし、集光器とフ
ローチューブの位置関係はフローチューブの段の部分8
1で集光器内面と接触させれば、両者の位置関係を機械
的に再現できるので、フローチューブの部分82と集光
器内面との隙間を制御することができる。
【0047】半導体レーザの光により励起された固体素
子はレンズとして作用しているため、これを通過するレ
ーザビームの出射方向は、固体素子の位置ずれにより大
きく変動する。以上の実施の形態3から実施の形態5の
ように、固体素子周囲の構成部品である集光器を冷却す
ることにより、その熱変形による固体素子の位置ずれを
防ぐことが可能となり、レーザの発振軸のずれ、発振不
安定さの発生を防ぎ、より安定な発振を実現することが
できる。
【0048】また、上記で説明した、集光器冷却の効果
は、固体素子が一つの場合にも発揮されるが、複数の固
体素子を備えた場合には、特に各固体素子の位置精度が
要求されるため、本発明の効果が増す。さらに、実施の
形態3から実施の形態5の2つあるいは全てを併用すれ
ば、さらに冷却効果が上がるのは言うまでもない。
【0049】実施の形態6.図9は本発明の実施の形態
6を示す縦断面図である。図9では、半導体レーザの光
を、集光器の開口部に挿入された、例えば、サファイア
や活性媒質をドープしていないYAG(Yttrium
Aluminum Garnet)やガラスを材質と
する薄いガラス板よりなる光学素子32により伝送して
いる。半導体レーザの光は薄い板の上下面で全反射しな
がら伝送される。実験的に得られた伝送効率は97%以
上であった。この光学素子の配置により、開口部での損
失が減少し、より効率的な動作をさせることができる。
【0050】半導体レーザへ反射光が入射すると、著し
い場合には半導体レーザの発振が不安定になったり、波
長が変動することがある。集光器からの反射光の程度
は、開口部の設置精度のために必ずしも均一にはならな
いために、その影響にアンバランスが発生し、各半導体
レーザの出力にアンバランスが発生し、極端な場合に
は、固体素子内の励起分布が断面内で偏りを持つことが
ある。この偏りがあると、複数の固体素子の位置ずれが
発生したことと等価となり、出力の低下や変動を招くこ
とがある。
【0051】この実施例での光学素子は、全反射を利用
しているために、一定の入射角以上の光を通過させな
い。このために、出射角が半角で40度程度の半導体レ
ーザから発散される光は、そのほとんどが光学素子を通
過する。しかしながら、集光器内から反射する光は、そ
の出射角が180度あり、ほとんど光学素子を通過しな
い。このために、半導体レーザへの集光器からの反射光
の入射を軽減することができる。反射光の影響が軽減で
き、安定に複数の固体素子を配置することができる。
【0052】実施の形態7.図10は本発明の実施の形
態7を示す縦断面図である。実施の形態7では、光学素
子として、上下面にテーパのついたウエッジ形状のガラ
ス33を用いている。この場合、発光面積の大きな、例
えば2次元アレイのような一個当たりの出力の大きな半
導体レーザチップ330を用いて、単位長さ当たりの励
起密度を上げることが可能となり、より短い固体素子を
用いることができる。このことにより装置が安価になる
ばかりでなく、従来の動作例で図20を用いて説明した
デッドゾーン50を減少させ、効率的なレーザ発振をさ
せることができる。
【0053】実施の形態8.また、実施の形態6と同
様、光学素子として薄板状のガラスを用い、さらに、図
11に示すように、半導体レーザの光をレンズ34で集
光して、この薄いガラス板32により伝送しても良い。
この場合も、図10の実施例と同様に、発光面の大きな
半導体レーザを用いて、単位長さ当たりの励起密度を上
げることが可能となり、従ってより短い固体素子を用い
ることができる。このことにより装置が安価になるばか
りでなく、従来の動作例で図20を用いて説明したデッ
ドゾーン50を減少させ、効率的なレーザ発振をさせる
ことができる。
【0054】実施の形態9.上記実施の形態では、いず
れもレーザ共振器により、励起された固体素子からレー
ザビームを取り出す実施の形態を示したが、励起された
固体素子を増幅器として用いても良い。図12に実施の
形態9を示す。図1で示した、複数個の固体レーザモジ
ュール55と全反射ミラー1および部分反射ミラー2か
らなる発振器からのレーザビーム7を、励起ブロックの
中心が等間隔になるよう配置された複数個の固体レーザ
モジュール55の列に入射して増幅させる構成にしてい
る。この実施の形態9では発振器からのレーザビーム7
を2つの折り返しミラー20で折り曲げているが、折り
返しミラー20を用いずにすべての固体レーザモジュー
ル55を一直線上に配置してもよい。このような増幅器
構成においては、共振器構成を取る場合にくらべて、固
体素子の位置ずれによる発振光軸の変動を減少させるこ
とができる。しかし、増幅器構成で十分な出力を固体素
子から取り出すには、固体素子へ入射させるレーザ出力
がある一定以上の大きさである必要がある。例えば、直
径6mmの固体素子を用いると、発振器からのレーザ出
力が2kW程度あれば、増幅器から出力が十分取り出せ
る。従って、4つの固体素子を発振器に、4つの固体素
子を増幅器に用いても、8つの固体素子を発振器に用い
ても、ほぼ同等の出力が得られ、増幅器構成のほうが安
定に動作できる。さらに直径の小さな固体素子を用いれ
ば、発振器の出力は小さくてもよく、2つの固体素子、
すなわち2つの固体レーザモジュールで発振器を構成
し、その後増幅器に入力する構成でも良い。
【0055】実施の形態10.図13にこの発明の実施
の形態10の固体レーザ装置を示す。図13では発振器
に2個の固体レーザモジュール55を配置し、増幅器に
2個の固体レーザモジュール55を発振器とレーザ光軸
が直線状になるよう配置したものである。77は共振器
外部の固体レーザモジュールにより増幅されたレーザビ
ームである。また、dは表裏両面が平面に形成された部
分反射ミラー2のレーザビーム7の伝搬方向の厚み、n
は部分反射ミラー2のレーザビーム7の波長における屈
折率を表す。
【0056】図13において、全反射ミラー1と部分反
射ミラー2で構成された共振器間には、半導体レーザ3
と集光器4から構成された励起ブロック50と、1個の
固体素子5との集合体である固体レーザモジュール55
を2個配置しており、共振器外部にも固体レーザモジュ
ール55を2個配置している。共振器間の2個の固体レ
ーザモジュール55、および、共振器外部の2個の固体
レーザモジュール55は、それぞれ励起ブロックの中心
の間隔がLとなるように配置している。また、部分反射
ミラー2を間にはさむ2個の励起ブロック55は、励起
ブロックの中心の間隔がL+d(n−1)/nとなるよ
うに配置している。このような配置間隔にすることによ
り、4個の固体レーザモジュール55は、光学的に等間
隔に配置されていることになる。
【0057】部分反射ミラー2から共振器外部に取り出
されたレーザービーム7は、共振器外部の2個の固体レ
ーザモジュール55内の固体素子5を通過するうちに増
幅されレーザビーム77となり、固体レーザ装置外部に
取り出される。
【0058】以上のような固体レーザ装置においては、
共振器間に2個の固体レーザモジュール55を配置して
いることから、固体素子1本当たりの出力が例えば50
0W以上の場合、レーザビーム7の出力は1kW以上と
なることから、固体素子の直径を例えば4mmとすれ
ば、レーザビーム7が共振器外部の2個の固体レーザモ
ジュール55内の固体素子5を通過するときの抽出効率
が50〜100%の高い値となり、また、固体レーザモ
ジュール55を各励起ブロックの中心の間隔が光学的に
ほぼ等間隔になるように配置していることから、複数の
固体素子の出力をほとんどロスなく確実に結合できるた
め、結果として、2kW以上の出力を持つレーザビーム
77を安定に効率良く発生させることができる。
【0059】なお、ここでは、発振器、増幅器共にも固
体レーザモジュール55が2個配置されたものについて
説明したが、発振器に3個、増幅器に2個、あるいは発
振器に2個、増幅器に3個の固体レーザモジュールを配
置してもよいし、発振器、増幅器それぞれにさらに多数
の固体レーザモジュールを配置してもよい。この場合も
全ての励起ブロックの中心の間隔が光学的にほぼ等間隔
になるよう配置する。
【0060】実施の形態11.図14にこの発明の実施
の形態11の固体レーザ装置を示す。図において、5
A、5Cは共振器内にある固体素子、5E、5Gは増幅
器の固体素子を示す。また固体素子5Aを励起する半導
体レーザを3a、3b、5Cを励起する半導体レーザを
3c、3d、5Eを励起する半導体レーザを3e、3
f、5Gを励起する半導体レーザを3g、3hとする。
9は半導体レーザ3a〜3hを駆動するための電源、9
1は電源9を制御するための制御装置(制御手段)であ
り、92は半導体レーザ3を駆動する電流を流すための
電線、93は制御装置91から電源9に制御信号を伝送
するための電線である。電源9は各半導体レーザ3a〜
3hにそれぞれ別々に電流を供給するように多出力にな
っている。また、半導体レーザ毎に個別の電源を用いて
も良い。
【0061】図15は、例えば半導体レーザ3aの部分
を光軸方向から見た断面図であり、図15において、9
01は電源9の+端子、902は電源9の―端子であ
り、301は半導体レーザ3a1〜3a4のアノード端
子、302は半導体レーザ3a1〜3a4のカソード端
子である。このように、半導体レーザ3aは、固体素子
5の光軸方向にほぼ同位置で固体素子を囲むように4個
の半導体レーザ3a1〜3a4を配置し、これら4個の
半導体レーザを直列に配線接続したものである。すなわ
ち、電源9の+端子901から半導体レーザ3a1のア
ノード端子301、半導体レーザ3a1のカソード端子
302から次の半導体レーザ3a2のアノード端子30
1へと電線92により配線され、最後の半導体レーザ3
a4のカソード端子301と電源9の―端子902が電
線92により接続されている。その他の半導体レーザ3
b〜3hも同様の構造になっている。
【0062】制御装置91は、電源9から各半導体レー
ザ3a〜3hに通電し始める時間を制御している。複数
の固体素子を有する固体レーザにおいては、各固体素子
の励起の立ちあがりのずれが問題となることを本発明者
らは見出した。各固体素子の励起の立ちあがりのずれ、
すなわち半導体レーザの発光開始のずれが1ms(ミリ
秒)以下では安定に発振するが、ずれが1ms以上程度
になると発振が不安定になる現象が生じる場合があるこ
とがわかった。半導体レーザの発光開始のずれを1ms
以下、すなわち半導体レーザへの通電開始のずれを1m
s以下にすることが電源によっては難しいことがある。
この場合には発振が不安定になる場合があるが、以下に
説明するように、半導体レーザの通電開始の順番を制御
すれば、半導体レーザの通電開始にずれがあっても発振
が安定になることがわかった。
【0063】すなわち、共振器内に複数の固体素子が配
置され、固体素子1個当たり光軸方向に複数の半導体レ
ーザが並んで配置されているものにおいて、それぞれの
固体素子への入熱位置が上記励起ブロックの列の中央に
対してほぼ対称となるような順番で通電開始すればよ
い。
【0064】それぞれの固体素子への入熱位置が上記固
体レーザモジュールの列の中央に対してほぼ対称となる
ように、とは、最初に通電開始した(発光させた)半導
体レーザの次に、最初に通電開始した半導体レーザと、
励起ブロックの中央に対して対称な位置にある半導体レ
ーザを通電開始し、しかも励起ブロックの中央に対して
対称な位置にある固体素子への入熱の積分値が等しくな
るように各半導体レーザの通電開始の順番を制御するこ
とである。
【0065】具体的には、図14において、まず固体素
子5Aの片方の半導体レーザ3aに通電開始し、次にΔ
t秒遅れて固体素子5Cの2個の半導体レーザのうち、
固体レーザモジュールの列の中央CCに対して3aの対
称な位置にある3dに通電開始する。さらにΔt秒遅れ
て半導体レーザ3cに通電開始する。さらにΔt秒遅れ
て半導体レーザ3bに通電開始する。このようにするこ
とで、1個の半導体レーザの出力が500Wとすると、
最初に点灯する半導体レーザ3aが点灯してから、最後
に点灯する3bが点灯するまでの間に固体レーザ素子5
Aには500Wx3Δtの励起エネルギーが投入され、固体
レーザ素子5Cにも500Wx(2+1)Δt=500Wx3Δtの励
起エネルギーが投入される。このように、この間に固体
素子5Aおよび5Cに投入される励起エネルギーが等し
くなるため、固体素子5Aおよび5Cの熱履歴が略等し
くなって2つの固体素子の熱レンズの時間変化もほぼ同
じとなる。しかも、励起ブロックの列の中央に対して対
称な位置にある半導体レーザを大きな時間遅れなく点灯
するため、スイッチオン時の過渡的な熱レンズ変化時で
も、各固体素子の熱レンズは時間的に変化するが、励起
ブロックの列の中央に対して対称に時間変化するので、
固体素子を等間隔に配置して設計した共振器設計が生
き、安定な動作が確保できる。
【0066】なお、半導体レーザを通電開始する順番は
上記したものに限らず、3b→3c→3d→3a、ある
いは3c→3b→3a→3d、あるいは3d→3a→3
b→3cの順であっても良い。
【0067】増幅器の固体レーザモジュールの半導体レ
ーザ3e、3f、3g、3hについては、共振器内の固
体レーザモジュールの全ての半導体レーザへの通電開始
後に通電開始するのが好ましい。これは、増幅器を発振
器段よりも前に励起すると、増幅器で寄生発振を起こす
恐れがあるからである。このように、増幅器の半導体レ
ーザを発振器段の半導体レーザの後に通電開始するよう
制御することで、安定な高出力レーザビーム77が得ら
れる。
【0068】実施の形態12.本実施の形態12では、
図16のように共振器段の固体レーザモジュールが3個
ある場合の半導体レーザの通電開始の順番について述べ
る。それぞれの固体レーザモジュールの光軸方向に2個
の半導体レーザが配置されている場合において、半導体
レーザを全反射ミラー1側から3a、3b、3c、3
d、3e、3f、固体素子を全反射ミラー1側から5
A、5C、5Eとする。まず3bに通電開始すれば、そ
れと全反射ミラー1と部分反射ミラー2との間、すなわ
ち発振器にある励起ブロックの列の中央CCに対して対
称な位置にある3eに通電開始し、次にまだ入熱のない
中央の固体レーザモジュールの半導体レーザ3d、その
次は3dとCCに対して対称な位置にある3c、次に2
番目に通電開始した半導体レーザ3eがある固体レーザ
モジュールにあるもう一方の半導体レーザ3f、最後に
3aを通電開始する。このような順番で通電開始するこ
とで、それぞれの固体素子への入熱位置が上記固体レー
ザモジュールの列の中央CCに対してほぼ対称となり、
しかも各固体素子への入熱の積分値が等しくなる。以上
の場合は3cと3dの順番は逆であってもよい。さら
に、次のような順番でも良い。まず中央の固体レーザモ
ジュールにある3cに通電開始し、次に3cの対称位置
の3d、次に3a、その次に3aと対称位置の3f、次
に3e、最後に3bという順番に通電開始してもよい。
この場合は、中央の固体素子5Cに入熱量が他の2個の
入熱量より多くなるが、この固体素子5Cは共振器の中
央に位置し、この固体素子の熱レンズが他の固体素子の
熱レンズと少し異なっていても、発振に及ぼす影響は小
さい。固体素子5Aと5Eのように固体レーザモジュー
ルの中央に対して対称な位置にある固体素子の熱レン
ズ、すなわち入熱量の積分値が等しくなるような順番で
あればよい。
【0069】ここで、電源9から各半導体レーザ3に通
電し始める時間のずれΔtを例えば1秒以下となるよう
に制御することにより、熱変形した各固体素子5A,5
C、5Eのレンズの強さの時間的な差が小さくなり、高
出力のレーザビーム7を安定に発生することができる。
【0070】増幅器の固体レーザモジュールの半導体レ
ーザ3g、3h、3i、3jについては、実施の形態1
1と同様、共振器内の固体レーザモジュールの全ての半
導体レーザへの通電開始後に通電開始するのが好まし
い。このように、増幅器の半導体レーザを発振器段の半
導体レーザの後に通電開始するよう制御することで、安
定な高出力レーザビーム77が得られる。
【0071】実施の形態13.図17はこの発明の実施
の形態13の固体レーザ装置を示す概略図である。これ
までの実施の形態では、いずれもレーザ光学系が2枚の
対向する共振器ミラーによりレーザ共振器を構成する実
施の形態を示したが、本実施の形態では片側の全反射ミ
ラー1のみを配置して、その反対側の固体素子の端面か
らレーザビーム777を取り出す構成になっている。多
段に配置した活性媒質を含む固体素子の端面からの微小
な反射光により、全反射ミラー1と固体素子端面との間
でレーザ発振が生じ、部分透過ミラーを配置することな
くレーザ出力が得られる。また、レーザ媒質の内部側面
のガイド効果により、ある一定のビーム品質以上の共振
モードのみが発振し、結果としてビーム品質の良いレー
ザ光が得られる。実際の実験結果により、本構成におい
て、1kW以上の出力をM2=50程度のビーム品質で取り出
すことができた。
【0072】なお、上記のすべての実施の形態では、光
学部品のレーザビーム入射、出射面の光学コーティング
については触れなかったが、光学素子や、フローチュー
ブなど、レーザビームの通過箇所の任意の箇所に無反射
コーティングを施せば発振効率の向上が計れる。
【0073】また、固体素子の回りに、半導体レーザが
4つのものを示したが、これに限るものでなく、複数で
あれば同様の効果が得られる。さらに、内面が拡散反射
面の集光器により均一に励起するものを示したが、実施
の形態3、4および5以外の実施の形態では、拡散反射
面の集光器を用いずに均一に励起するものであってもよ
く、例えば、半導体レーザを固体素子の周りに6個とか
多数配置し、集光器を用いないものであるとか、半導体
レーザのレーザ光をファイバーで導き均一に励起する
等、ほぼ均一に励起できるものであれば同様の効果が発
揮できる。
【0074】実施の形態14.以上の実施の形態1ない
し13の固体レーザ装置をレーザ加工装置に適用すれ
ば、高ビーム品質で安定なレーザ加工装置が得られ、安
定で高品質な加工ができる。また、ファイバー伝送によ
るレーザ加工装置にあっては、ビーム位置が安定なた
め、ファイバーへの入射位置がずれず、安定にファイバ
ー入射できる。
【0075】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明で
は、活性媒質を含む固体素子と、この固体素子を励起す
るための半導体レーザからの励起光を上記固体素子の周
囲から照射するように構成された励起ブロックと、から
なる固体レーザモジュールを複数個備え、上記励起ブロ
ックの中心が固体レーザビームの光軸に沿ってほぼ等間
隔になるよう上記固体レーザモジュールを配置したこと
により、複数の固体素子の出力を確実に結合して、安定
に高出力なレーザビームを発生させることができる。
【0076】請求項2に記載の発明では、固体素子間の
距離を500(cm)/√M2以下としたことにより、
安定なレーザ出力を得ることができ、これにより、安定
なレーザ加工を実現できる。
【0077】請求項3に記載の固体レーザ装置は、固体
素子の直径が、0.1(cm)×√M2以下としたの
で、安定なレーザ出力を得ることができ、これにより、
安定なレーザ加工を実現できる。
【0078】請求項4に記載の発明では、単位長さあた
りの励起密度を100W/cm以上にしたため、短い長
さの固体素子で、高出力を得ることができる。
【0079】請求項5に記載の発明では、固体素子が円
柱形状で直径が5.5mm以下としたので、コンパクト
な構成で、高出力かつビーム品質が良いレーザビームを
得ることができる。
【0080】請求項6に記載の発明では、固体素子がY
ttrium AluminumGarnet(YA
G)であり、ビーム品質がM2<100としたため、安
定なレーザビームが得られ、このレーザビームを用い
て、効率的なレーザ加工が実現できる。
【0081】請求項7に記載の発明では、活性媒質を含
む固体素子と、この固体素子を励起するための半導体レ
ーザからの励起光を固体素子の周囲から照射するように
構成された励起ブロックと、からなる固体レーザモジュ
ールを複数個と、固体素子からレーザ光を取り出すレー
ザ光学系を備え、複数個の固体レーザモジュールのうち
少なくとも2個はレーザ光学系の間に配置し、固体レー
ザモジュールのうち少なくとも1個はレーザ光学系の外
部に配置したものにおいて、複数個の固体レーザモジュ
ールのそれぞれの励起ブロックの中心が固体レーザビー
ムの中心に沿って光学的にほぼ等間隔になるよう固体レ
ーザモジュールを配置したので、安定により高出力なレ
ーザビームを発生させることができる。
【0082】請求項8に記載の発明では、複数個の固体
レーザモジュールと、固体素子からレーザ光を取り出す
レーザ光学系と、複数の半導体レーザを駆動する電源
と、この電源を制御する制御手段を備え、この制御手段
は複数の半導体レーザに通電を開始する時間を制御する
ようにしたので、発振開始直後から安定に高出力なレー
ザビームを発生させるよう制御することができる。
【0083】請求項9に記載の発明では、請求項8の固
体レーザ装置において、電源から複数の上記半導体レー
ザに通電を開始する時間のずれを1ミリ秒以下としたの
で、発振開始直後から安定に高出力なレーザビームを発
生させることができる。
【0084】請求項10に記載の発明では、請求項8の
固体レーザ装置において、少なくとも2個の固体レーザ
モジュールをレーザ光学系の間に配置し、少なくとも1
個の固体レーザモジュールをレーザ光学系の外部に配置
したので、安定により高出力なレーザビームを発生させ
ることができる。
【0085】請求項11に記載の発明では、請求項10
の固体レーザ装置において、複数の半導体レーザに通電
を開始する順番が、レーザ光学系の間に配置された固体
レーザモジュールに含まれる半導体レーザから、レーザ
光学系の外部に配置された固体レーザモジュールに含ま
れる半導体レーザへ、との順番になるよう半導体レーザ
に通電を開始する時間を制御するようにしたので、発振
開始直後から安定に高出力なレーザビームを発生させる
ことができる。
【0086】請求項12に記載の発明では、請求項11
の固体レーザ装置において、レーザ光学系の間に配置さ
れた複数の固体レーザモジュールは、それぞれに光軸方
向に複数の半導体レーザを並べて設けるとともに、励起
ブロックの中心が固体レーザビームの光軸に沿ってほぼ
等間隔になるよう配置され、複数の半導体レーザに通電
を開始する時間のずれを1ミリ秒以上とし、この通電を
開始する順番を、それぞれの固体素子への入熱が上記励
起ブロックの列の中央に対してほぼ対称となるよう制御
するようにしたので、発振開始直後から確実に高出力か
つ安定なレーザビームを発生させることができる。
【0087】請求項13に記載の発明では、レーザ光学
系の間に2個の固体レーザモジュールを配置し、これら
2個の固体レーザモジュールのそれぞれに光軸方向にそ
れぞれ2個の半導体レーザを並べて設け、上記制御手段
は、上記4個の半導体レーザに通電を開始する順番を、
最初に通電開始した半導体レーザの次に、この最初に通
電開始した半導体レーザの上記固体レーザモジュールの
列の中央に対して対称な位置にある半導体レーザに通電
開始し、その次に2番目に通電開始した半導体レーザと
同じ固体レーザモジュールのもう一方の半導体レーザに
通電開始し、その次に最初に通電開始した半導体レーザ
と同じ固体レーザモジュールの他方の半導体レーザに通
電開始するよう制御するようにしたので、発振開始直後
から確実に高出力かつ安定なレーザビームを発生させる
ことができる。
【0088】請求項14に記載の発明では、励起ブロッ
クは、上記半導体レーザと、内面が拡散反射状に形成さ
れ、上記半導体レーザからの光を内部に導入する開口部
を有する集光器とから構成したので、高効率かつ安定に
高出力なレーザビームを発生させることができる。
【0089】請求項15に記載の発明では、半導体レー
ザと、内面が拡散反射状に形成され、半導体レーザから
の光を内部に導入する開口部を有し、かつ冷却手段を備
えた集光器と、集光器内に配置され、半導体レーザの光
により励起された活性媒質を含む固体素子と、この励起
された固体素子からレーザ光を取り出すレーザ光学系と
を備えるようにしたので、高出力化による固体素子近傍
の部材の熱変形を防止することができ、安定に複数の固
体素子を連結して、高出力化することができる。
【0090】請求項16に記載の発明では、集光器の開
口部に、上記半導体レーザの光を伝送する光学素子を備
えたので、単純な構成で半導体レーザの光を確実に、効
率良く集光器内に導くことができ、効率の良いものが得
られる。
【0091】請求項17に記載の発明では、集光器に冷
却媒体通路を設けたので、高出力化による固体素子近傍
の部材の熱変形を確実に防止することができる。
【0092】請求項18に記載の発明では、固体素子の
周囲を囲むように円筒状のフローチューブを設けこのフ
ローチューブ内に冷却媒体を流すとともに、集光器内面
の断面形状を円形に形成し、フローチューブの外面と集
光器内面の隙間を0.2mm以下として、集光器の熱の
一部を冷却媒体に伝えるようにしたので、高出力化によ
る固体素子近傍の部材の熱変形をより確実に防止するこ
とができる。
【0093】請求項19に記載の発明では、活性媒質を
含む固体素子と、この固体素子を励起するための半導体
レーザからの励起光を上記固体素子の周囲から照射する
ように構成された励起ブロックと、からなる固体レーザ
モジュールを固体素子の軸がほぼ一致するよう複数個直
列に並べ、固体素子の軸上でかつ固体レーザモジュール
の列の片側に全反射ミラーを配置し、固体レーザモジュ
ールの列の全反射ミラーとは反対の端に位置する固体素
子の端面からレーザ光を取り出すようにしたので、非常
に簡単な構成で高出力のレーザビームを得ることができ
る。
【0094】請求項20に記載の発明では、以上の固体
レーザ装置において出力が1kW以上としたため、コン
パクトな構成で、高出力のレーザビームを得ることがで
きる。
【0095】請求項21に記載の発明では、レーザ加工
装置において、以上の固体レーザ装置を備えたので、安
定に高品質のレーザ加工を行うものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の固体レーザ装置を示
す横側面図。
【図2】 本発明の実施の形態1の固体レーザ装置を示
す縦断面図。
【図3】 本発明の固体レーザ装置の動作を説明する
図。
【図4】 本発明の実施の形態2の固体レーザ装置を示
す横側面図。
【図5】 本発明の実施の形態3の固体レーザ装置を示
す縦断面図。
【図6】 本発明の実施の形態4の固体レーザ装置を示
す縦断面図。
【図7】 本発明の実施の形態5の固体レーザ装置を示
す縦断面図。
【図8】 本発明の実施の形態5の固体レーザ装置のフ
ローチューブを示す概略斜視図。
【図9】 本発明の実施の形態6の固体レーザ装置を示
す縦断面図。
【図10】 本発明の実施の形態7の固体レーザ装置を
示す縦断面図。
【図11】 本発明の実施の形態8の固体レーザ装置を
示す縦断面図。
【図12】 本発明の実施の形態9の固体レーザ装置を
示す横側面図。
【図13】 本発明の実施の形態10の固体レーザ装置
を示す横側面図。
【図14】 本発明の実施の形態11の固体レーザ装置
を示す横側面図。
【図15】 本発明の実施の形態11の固体レーザ装置
を示す縦断面図。
【図16】 本発明の実施の形態12の固体レーザ装置
を示す横側面図。
【図17】 本発明の実施の形態13の固体レーザ装置
を示す横側面図。
【図18】 従来の固体レーザ装置を示す横側面図。
【図19】 従来の固体レーザ装置を示す縦断面図。
【図20】 従来の固体レーザ装置の動作を説明する
図。
【符号の説明】
1 全反射ミラー 3、3a〜3j、3a1〜3a4 半導体レーザ 4 集光器 40 冷却媒体通路 5、5A、5C、5E、5G、5I 固体素子 31 開口部 32、33 光学素子 50 励起ブロック 55 固体レーザモジュール 9 電源 91 制御手段 L 励起ブロックの中心の間隔 D 固体素子間の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 哲夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 古田 啓介 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 瀬口 正記 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5F072 AB01 AB02 AK01 FF09 HH09 JJ04 JJ05 JJ06 KK30 PP07 TT01 TT14 TT22 YY06

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性媒質を含む固体素子と、この固体素
    子を励起するための半導体レーザからの励起光を上記固
    体素子の周囲から照射するように構成された励起ブロッ
    クと、からなる固体レーザモジュールを複数個備え、上
    記励起ブロックの中心が固体レーザビームの光軸に沿っ
    てほぼ等間隔になるよう上記固体レーザモジュールを配
    置したことを特徴とする固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 上記固体素子間の距離が、上記固体レー
    ザ装置から発生されるレーザビームの品質指標値M
    2と、以下の式で結ばれることを特徴とする請求項1記
    載の固体レーザ装置。 固体素子間の距離<500(cm)/√M2
  3. 【請求項3】 上記固体素子の直径が、上記固体レーザ
    装置から発生されるレーザビームの品質指標値M2と、
    以下の式で結ばれることを特徴とする請求項1記載の固
    体レーザ装置。 固体素子の直径<0.1(cm)×√M2
  4. 【請求項4】 単位長さあたりの励起密度を100W/
    cm以上にしたことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の固体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 上記固体素子が円柱形状で直径が5.5
    mm以下であることを特徴とする請求項4記載の固体レ
    ーザ装置。
  6. 【請求項6】 上記固体素子はYttrium Alu
    minum Garnet(YAG)であり、ビーム品
    質がM2<100であることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の固体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 活性媒質を含む固体素子と、この固体素
    子を励起するための半導体レーザからの励起光を上記固
    体素子の周囲から照射するように構成された励起ブロッ
    クと、からなる固体レーザモジュールを複数個と、上記
    固体素子からレーザ光を取り出すレーザ光学系を備え、
    上記複数個の固体レーザモジュールのうち少なくとも2
    個は上記レーザ光学系の間に配置し、上記固体レーザモ
    ジュールのうち少なくとも1個は上記レーザ光学系の外
    部に配置したものにおいて、上記複数個の固体レーザモ
    ジュールのそれぞれの励起ブロックの中心が固体レーザ
    ビームの光軸に沿って光学的にほぼ等間隔になるよう上
    記固体レーザモジュールを配置したことを特徴とする固
    体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 活性媒質を含む固体素子と、この固体素
    子を励起するための半導体レーザからの励起光を上記固
    体素子の周囲から照射するように構成された励起ブロッ
    クと、からなる固体レーザモジュールを複数個と、上記
    固体素子からレーザ光を取り出すレーザ光学系と、上記
    半導体レーザを駆動する電源と、この電源を制御する制
    御手段を備え、この制御手段は複数の上記半導体レーザ
    に通電を開始する時間を制御することを特徴とする固体
    レーザ装置。
  9. 【請求項9】 上記電源から複数の上記半導体レーザに
    通電を開始する時間のずれを1ミリ秒以下としたことを
    特徴とする請求項8記載の固体レーザ装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも2個の上記固体レーザモジ
    ュールを上記レーザ光学系の間に配置し、少なくとも1
    個の上記固体レーザモジュールを上記レーザ光学系の外
    部に配置したことを特徴とする請求項8記載の固体レー
    ザ装置。
  11. 【請求項11】 上記複数の半導体レーザに通電を開始
    する順番が、上記レーザ光学系の間に配置された上記固
    体レーザモジュールに含まれる上記半導体レーザから、
    上記レーザ光学系の外部に配置された上記固体レーザモ
    ジュールに含まれる上記半導体レーザへ、との順番にな
    るよう上記半導体レーザに通電を開始する時間を制御す
    ることを特徴とする請求項10記載の固体レーザ装置。
  12. 【請求項12】 上記レーザ光学系の間に配置された複
    数の固体レーザモジュールは、それぞれに光軸方向に複
    数の半導体レーザを並べて設けるとともに、上記励起ブ
    ロックの中心が固体レーザビームの光軸に沿ってほぼ等
    間隔になるよう配置され、上記複数の半導体レーザに通
    電を開始する時間のずれを1ミリ秒以上とし、この通電
    を開始する順番を、上記それぞれの固体素子への入熱が
    上記レーザ光学系の間に配置された上記励起ブロックの
    列の中央に対してほぼ対称となるよう制御することを特
    徴とする請求項8または11記載の固体レーザ装置。
  13. 【請求項13】 上記レーザ光学系の間に2個の固体レ
    ーザモジュールを配置し、これら2個の固体レーザモジ
    ュールのそれぞれに光軸方向にそれぞれ2個の半導体レ
    ーザを並べて設け、上記制御手段は、上記4個の半導体
    レーザに通電を開始する順番を、最初に通電開始した半
    導体レーザの次に、この最初に通電開始した半導体レー
    ザの上記固体レーザモジュールの列の中央に対して対称
    な位置にある半導体レーザに通電開始し、その次に2番
    目に通電開始した半導体レーザと同じ固体レーザモジュ
    ールの他方の半導体レーザに通電開始し、その次に最初
    に通電開始した半導体レーザと同じ固体レーザモジュー
    ルの他方の半導体レーザに通電開始するよう制御するこ
    とを特徴とする請求項12記載の固体レーザ装置。
  14. 【請求項14】 上記励起ブロックは、上記半導体レー
    ザと、内面が拡散反射状に形成され、上記半導体レーザ
    からの光を内部に導入する開口部を有する集光器とから
    なることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに
    記載の固体レーザ装置。
  15. 【請求項15】 半導体レーザと、内面が拡散反射状に
    形成され、上記半導体レーザからの光を内部に導入する
    開口部を有し、かつ冷却手段を備えた集光器と、上記集
    光器内に配置され、上記半導体レーザの光により励起さ
    れた活性媒質を含む固体素子と、この励起された固体素
    子からレーザ光を取り出すレーザ光学系とを備えた固体
    レーザ装置。
  16. 【請求項16】 上記集光器の開口部に、上記半導体レ
    ーザの光を伝送する光学素子を備えたことを特徴とする
    請求項14または15記載の固体レーザ装置。
  17. 【請求項17】 上記集光器に冷却媒体通路を設けたこ
    とを特徴とする請求項15記載の固体レーザ装置。
  18. 【請求項18】 上記固体素子の周囲を囲むように円筒
    状のフローチューブを設けこのフローチューブ内に冷却
    媒体を流すとともに、上記集光器内面の断面形状を円形
    に形成し、上記フローチューブの外面と上記集光器内面
    の隙間を0.2mm以下として、上記集光器の熱の一部
    を上記冷却媒体に伝えるようにしたことを特徴とする請
    求項15記載の固体レーザ装置。
  19. 【請求項19】 活性媒質を含む固体素子と、この固体
    素子を励起するための半導体レーザからの励起光を上記
    固体素子の周囲から照射するように構成された励起ブロ
    ックと、からなる固体レーザモジュールを上記固体素子
    の軸がほぼ一致するよう複数個直列に並べ、上記固体素
    子の軸上でかつ上記固体レーザモジュールの列の片側に
    全反射ミラーを配置し、上記固体レーザモジュールの列
    の上記全反射ミラーとは反対の端に位置する固体素子の
    端面からレーザ光を取り出すことを特徴とする固体レー
    ザ装置。
  20. 【請求項20】 出力が1kW以上であることを特徴と
    する請求項1ないし19のいずれかに記載の固体レーザ
    装置。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし20のいずれかに記載
    の固体レーザ装置を備えたことを特徴とするレーザ加工
    装置。
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