JP2000306079A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

Info

Publication number
JP2000306079A
JP2000306079A JP11116086A JP11608699A JP2000306079A JP 2000306079 A JP2000306079 A JP 2000306079A JP 11116086 A JP11116086 A JP 11116086A JP 11608699 A JP11608699 A JP 11608699A JP 2000306079 A JP2000306079 A JP 2000306079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
reference value
overlapping area
overlapping
mdl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11116086A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyo Kurabayashi
和代 倉林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Data Corp filed Critical Oki Data Corp
Priority to JP11116086A priority Critical patent/JP2000306079A/ja
Publication of JP2000306079A publication Critical patent/JP2000306079A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Studio Circuits (AREA)
  • Editing Of Facsimile Originals (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つの画像の合成を行う際に、抽出した各重
複領域の大きさが異なっている場合でも、間違いなく最
も類似した最適な重複領域を選択する。 【解決手段】 重複領域の評価に情報量基準としてのM
DL基準値を用いる。即ち、重複領域算出手段1,重複
領域抽出手段2によりそれぞれ画像バッファ3,4に記
憶されている2つの画像の重複領域を可変しつつ、MD
L基準値算出手段5は、その重複領域のMDL基準値を
算出し、MDL基準値用バッファ6に記憶する。最適重
複領域選択手段7は、この中から最小のMDL基準値を
有する重複領域を最適重複領域として選択する。画像合
成処理手段8は、この最適重複状態で2つの画像を合成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの画像を合成
して撮影範囲の広い単一画像を作成することができる画
像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばデジタルカメラなどで
撮影した複数枚の画像を合成して1枚の大きな画像を作
成する画像処理装置が知られている(第4回画像センシ
ングシンポジウム講演論文集第203頁〜208頁「特
徴追跡に基づく画像間の位置合わせ−イメージモザイキ
ングによるパノラマ画像合成−」)。
【0003】画像合成を行うには、画像のどの部分が両
画像に共通に撮影された部分なのかを正確に判断するこ
とが必要である。このような重複領域の探索は、一般的
には、一方の画像を固定して、もう一方の画像を固定し
た画像に重ね、重ねた画像をずらしながら、各重複領域
を評価することにより行われる。そして、もっとも類似
している重複領域を最適重複領域と判断して2つの画像
を合成する。
【0004】従来の画像処理装置では、この重複領域の
評価基準にSSD(Sum of SquareDifference)値を用
いている。このSSD値は次式(1)によって算出され
る。 SSD=Σ(d1-d2)2/N ・・・・・・・・・(1) 但し、d1:画像1の所定の画素の値(例えば画素濃度
値) d2:画像2の対応する画素の値 N :重複領域内の画素数
【0005】この式(1)に示すように、SSD値は、
2つの画像の対応画素の画素の値の差分を算出し、各差
分の2乗平均として演算され、最も小さいSSD値を有
する重複領域を最適重複領域と判断して2つの画像を合
成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像処理装置では、SSD値を用いて重複領域の評価を
行っているので、大きさが異なる重複領域を比較するこ
とは難しい。
【0007】即ち、固定画像に重ねた画像をずらしなが
ら、各重複領域を評価する場合、各重複状態における重
複領域の大きさは異なってくる。このような重複領域の
大きさが異なる重複状態では、SSD値が同じ値になる
場合もあり、このような場合にどちらが最適な重複状態
であるかの判断を別途行わなくてはならず、これが誤っ
た判断にもつながる。
【0008】従って、正確な画像合成を行うには、各重
複状態における重複領域の大きさが異なっている場合で
も、間違いなく最適重複領域を選択できるようにするこ
とが必要となってくる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決
するため次の構成を採用する。 〈構成1〉請求項1の発明にかかる画像処理装置は、2
つの画像の重複領域を複数設定する重複領域設定手段
と、当該設定された各重複領域の評価基準に情報量基準
を用い、各重複領域毎にその情報量基準値を演算する情
報量基準値演算手段と、前記重複領域設定手段により設
定された重複領域の中から、該情報量基準値演算手段に
より演算された情報量基準値が最も小さな重複領域を最
適重複領域として選択する最適重複領域選択手段と、選
択された最適重複領域で2つの画像の合成して1つの画
像を作成する画像合成処理手段と、を備えたものであ
る。
【0010】〈構成2〉請求項2の発明にかかる画像処
理装置では、前記情報量基準値演算手段が、情報量基準
としてMDL基準を用いるように構成されている。
【0011】〈構成3〉請求項3の発明にかかる画像処
理装置では、前記情報量基準値演算手段が、情報量基準
としてWMDL基準を用いるように構成されたことを特
徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 〈具体例1〉具体例1は、重複領域の評価に情報量基準
としてのMDL(Minimum Description Length)基準値を
用い、2つの画像を合成するようにしたものである。
【0013】ここで情報量基準について説明する。偶然
を伴う現象は、ある確率分布に従う確率変数の実現値で
あると考えることができる。従って、この確率分布を近
似するモデルを考え、このモデルが真の確率分布に近似
していれば、データにこのモデルをあてはめることが、
データから真の確率分布を推定しているとみなすことに
なる。情報量基準は、このモデルを評価するときに用い
られる定式化された基準である。
【0014】ここで、真の離散分布p={p(1),p(2),
・・・,p(m)}と離散分布モデルq={q(1),q(2),・・
・,q(m)}があるときに事象w(i)が起こった場合、logp
(i)/q(i)という値をとる確率変数logp/qの期待値は次式
(2)によって表される。 I(p;q)=Σp(i)×(logp/q) =Σ(p(i)×logp)−Σ(p(i)×logq) ・・・・・・(2) 但し、Σ(p(i)×logp):(p(i)×logp)の積算値(i=1〜
m) Σ(p(i)×logq):(p(i)×logq)の積算値(i=1〜m) log:自然対数 この期待値はモデルQに関する真の分布PのKullback-L
eibler情報量(以後、「K−L情報量」と記す。)と呼
ばれるものである。
【0015】右辺の第1項の値は、真の確率分布Pだけ
に依存した定数である。従って、右辺第2項の値が大き
くなるほどK−L情報量I(p;q)は小さくなる。このよう
に、本質的に第2項の値を推定すれば、K−L情報量の
大小を比較することができる。
【0016】この情報量基準の1つにMDL基準があ
る。MDL基準は、観測シンボル系列全体に対する最適
なモデルを選択するための基準であって、主にデータの
符号化に用いられる。
【0017】MDL原理は、モデルに関する記述長をデ
ータの記述長に加えた合計の記述長を最小にするモデル
を選択し、情報源の確率分布パラメータが未知の場合で
もこのようなモデルを推定してデータを復号化しようと
する原理である。
【0018】このMDL基準値は次式(3)によって算
出される。 MDL=(−ΣlogQ+(1/2)×k×logn)/n ・・・・・・・・・(3) 但し、MDL:MDL基準値 k :パラメータ数 n :観測シンボル数 Q :k次元パラメータによって表されるモデルの確率分
布 Σ:logQの積算値(1〜n)
【0019】2つの画像を合成する際の一方を固定画
像、もう一方を移動画像として式(3)の括弧内第2項
目を固定画像の重複領域の画素集合、第1項目を移動画
像の重複領域におけるモデル化された画素集合の確率分
布と考えれば、このMDL原理を最適重複領域の探索に
利用することが可能となる。
【0020】図1は、具体例1の構成を示すブロック図
である。画像処理装置は、重複領域算出手段1と、重複
領域抽出手段2と、画像バッファ3,4と、情報量基準
としてのMDL基準値算出手段5と、最適重複領域選択
手段7と、MDL基準値用バッファ6と、画像合成処理
手段8と、を備えて構成されている。
【0021】画像バッファ3は、2つの画像のうち、一
方の固定画像を記憶し、画像バッファ4は、もう一方の
移動画像を記憶する。重複領域算出手段1は、固定画像
及び移動画像の重複領域の範囲を設定する手段であり、
最初に重複状態初期値が入力されて重複領域の初期状態
を設定し、また、MDL基準値算出手段5から重複状態
値として横移動フラグ信号、縦移動フラグ信号が入力さ
れて次の重複領域を設定する。
【0022】重複領域抽出手段2は、それぞれ画像バッ
ファ3,4に記憶された固定画像、移動画像から、重複
領域算出手段1により設定された重複領域の画素集合を
抽出する手段である。尚、重複領域算出手段1と重複領
域抽出手段2とが重複領域設定手段に相当する。
【0023】MDL基準値算出手段5は、重複領域抽出
手段2によって抽出された重複領域のMDL基準値を算
出する情報量基準値演算手段である。MDL基準値用バ
ッファ6は、MDL基準値算出手段5によって算出され
たMDL基準値及びそのときの重複状態値を記憶するバ
ッファである。
【0024】最適重複領域選択手段7は、最適重複領域
として、MDL基準値用バッファ6に記憶されたMDL
基準値のうち、最小のMDL基準値を有する重複領域を
選択する手段である。画像合成処理手段8は、最適重複
領域選択手段7により選択された最適重複領域に基づい
て2つの画像を合成し、1つの画像を作成する手段であ
る。
【0025】〈動作〉次に具体例1の動作を説明する。
図2は具体例1の重複領域の探索方法を説明するための
説明図である。2つの画像を重ね合わせたときに最も類
似している重複領域を探索するには、この図2に示すよ
うに一方の画像を固定画像11、もう一方の画像を移動
画像12として固定画像11上に重ね、この移動画像1
2を固定画像11の左上端から右下端まで移動させる。
そして固定画像11と移動画像12との重複領域の類似
性を評価する。
【0026】図3は、その重複状態を規定するため、具
体例1の初期状態での重複領域における座標設定例を示
す説明図である。初期状態では、固定画像の左上隅に移
動画像12の右下隅を重ねる。重複領域は、最初、固定
画像11の大きさの例えば10%程度に設定される。
【0027】10%程度に設定するのは、この程度であ
れば、通常は重複領域に特徴が含まれ、対応関係を誤る
ことがないと考えられるからである。但し、この重複状
態は重ね合わせる画像によっても異なり、この初期状態
に限られるものではない。
【0028】この移動画像12の右下端を重複基準点P
とし、この重複基準点Pの初期値を以下のように設定す
る。 P(x,y)=(x0,y0) 破線で示す範囲Aは、この重複基準点Pが位置し得る範
囲である。この範囲Aの大きさは固定画像の縦横2倍で
あり、範囲Aの右上端、左下端、右下端の座標を、それ
ぞれ(xn,y0)、(x0,yn)、(xn,yn)とする。
【0029】図4はその動作を示すフローチャートであ
る。ステップ(図中、ステップを「S」と記す。)1で
は、重複基準点Pの初期値(x0,y0)を入力して重複
状態を初期化する。ステップ2では、この重複基準点P
に基づいてこの重複領域内の座標を設定する。尚、ステ
ップ1,2及び後述するステップ5〜8は重複領域算出
手段1によって実行される。
【0030】ステップ3では、それぞれ画像バッファ
3,4に記憶されている固定画像11、移動画像12の
重複領域を抽出する。このステップ3は重複領域抽出手
段2によって実行される。
【0031】図5は、具体例1の画素集合の抽出動作を
示す説明図であり、図5(B)は、固定画像11と移動
画像12とが図5(A)に示すように重なっているとき
の重複領域における対応画素を示す。この場合、重複領
域における画素の数は3×4(=12)個であり、画素
a1〜a12が固定画像11の各画素、画素b1〜b1
2が移動画像12の画素である。そして、画素a1とb
1、画素a2とb2、・・・、画素a12とb12がそ
れぞれ対応している。
【0032】ステップ4では、抽出した重複領域におけ
るMDL基準値を算出する。具体例1のMDL基準値
は、次式(4)によって算出される。 MDL=(−Σlogq(i,j)+(1/2)×K×logN)/N ・・・・・・・・・(4) 但し、MDL:MDL基準値 K:定数(例えば3) N:重複領域内の画素集合(画素数) Σ:logq(i,j) の積算値(重複領域内の全画素の値) i,j:重複領域内の座標 q(i,j):モデルqの確率分布
【0033】尚、モデルqの確率分布は次式(5)によ
って表される。 q=1/(2πσ2)(1/2)×exp(-(εt) 2/(2×σ2)) ・・・(5) 但し、εt:対応する固定画像11及び移動画像12の
画素の値の差分 σ :分散 この算出式の{ }内の第1項(−Σlogq(i,j))は、モ
デルの確率分布の対数尤度を示し、第2項((1/2)×K×l
ogN)は、画素集合Nのときに1つのパラメータを記述す
るのに必要な情報量を示し、重複領域の大きさを表すこ
とになる。尚、MDL基準値は画素集合Nによって正規
化されている。
【0034】この算出されたMDL基準値及びこのとき
の重複基準点Pの座標値はMDL基準値用バッファ6に
記憶される。尚、このステップ4はMDL基準値算出手
段5によって実行され、MDL基準値を算出する毎に、
横移動フラグ信号及び縦移動フラグ信号がMDL基準値
算出手段5から重複領域算出手段1に出力される。
【0035】ステップ5では、横移動フラグ信号に基づ
いてx方向の探索ラインの終端(xn,y0)までの処理
を行ったか否かを判定し、処理が行われていないとき
は、ステップ6に進み、重複基準点Pの座標xの値を1
つインクリメントしてステップ2に戻る。
【0036】重複基準点Pの座標xの値を1つインクリ
メントすることにより、重複基準点Pが右に移動し、固
定画像11と移動画像12との重複領域が大きくなる。
そして、その重複領域に対してステップ2〜4が実行さ
れる。
【0037】このようにして重複基準点Pが探索ライン
の終端(xn,y0)まで移動してその処理が終了したと
きは、横移動フラグ信号をリセットしてステップ7に進
む。ステップ7では、縦移動フラグ信号に基づいて最終
の探索ライン(x0,yn)〜(xn,yn)まで処理を行っ
たか否かを判定する。
【0038】処理が最終の探索ライン(x0,yn)〜
(xn,yn)まで行われていないときは、ステップ8に
進み、重複基準点Pの座標yの値を1つインクリメント
して次に探索ラインに移動させてステップ2に戻る。重
複基準点Pの座標yの値を1つインクリメントすること
により、重複基準点Pが下に下がる。そして、その探索
ラインに対してステップ2〜5が実行される。
【0039】重複基準点Pが座標(xn,yn)まで移動
してその処理が終了したときは、ステップ9に進む。ス
テップ9では、MDL基準値用バッファ6に記憶された
MDL基準値のうち、最小の値を調べ、その最小値を有
する重複領域を最適重複領域として選択する。このステ
ップ9は、最適重複領域選択手段7によって実行され
る。
【0040】ステップ10では、選択された最適重複状
態で画像の合成処理を行う。具体例1では、画像境界か
らの距離に基づいて合成比率を算出し、この合成比率に
基づいて画像の合成処理を行う。
【0041】図6はその画像合成処理の動作を示すフロ
ーチャートである。ステップ11では、重複領域内の画
素位置を初期化する。ステップ12では、各画像から画
素までの距離を求める。具体例1では、各画像の境界か
らの水平距離、垂直距離のうち、最小値を各画像から画
素までの距離とする。
【0042】図7は、その距離算出方法の説明図であ
る。この図7に示すように、固定画像11の境界をLh
1、Lv1、移動画像12の境界をLh2、Lv2とし、画素
の座標を(i,j)すると、その距離は、それぞれ次式
(6)、(7)によって算出される。 R1(i,j)=min(Rx1(i),Ry1(j)) ・・・・・・・・・(6) 但し、R1(i,j):固定画像11の境界Lh1、Lv1からの
距離 Rx1(i) :境界Lv1からの水平距離 Ry1(j) :境界Lh1からの垂直距離 R2(i,j)=min(Rx2(i),Ry2(j)) ・・・・・・・・・(7) 但し、R2(i,j):移動画像12の境界Lh2、Lv2からの
距離 Rx2(i) :境界Lv2からの水平距離 Ry2(j) :境界Lh2からの垂直距離
【0043】ステップ13では、合成比率を求める。具
体例1では、合成比率を、画像の境界からの距離が大き
くなるほど小さくなるように設定される。合成比率は、
それぞれ次式(8)、(9)によって算出される。 a1=R2(i,j)/(R1(i,j)+ R2(i,j)) ・・・・・・・・・(8) a2=R1(i,j)/(R1(i,j)+ R2(i,j)) ・・・・・・・・・(9) 但し、a1:固定画像11の合成比率 a2:移動画像12の合成比率
【0044】ステップ14では、合成後の画素値を算出
する。合成後の画素値は次式(10)によって算出され
る。 D(i,j)=D1(i,j)×a1+D2(i,j)×a2 ・・・・・・・・・(10 ) 但し、D(i,j) :合成後の画素値 D1(i,j):固定画像の画素値 D2(i,j):移動画像の画素値
【0045】ステップ15では、重複領域内の最後の画
素かどうかを判定する。最後の画素ではないときは、ま
だ算出すべきものがあるので、ステップ16に進み、画
素位置の更新を行ってから、ステップ12に戻る。
【0046】そして、ステップ12〜14を実行し、最
後の画素についての算出が終了したときは、画像合成の
処理を終了する。尚、このステップ10(ステップ11
〜15)は画像合成処理手段8によって実行される。
【0047】〈具体例1の効果〉以上、説明したように
具体例1によれば、MDL基準値を用いて重複領域の類
似性を評価するようにしたので、各重複状態における重
複領域の大きさが異なっている場合でも各重複領域を比
較することができ、最適重複領域の探索を精度よく行う
ことができる。従って、パノラマ合成処理も精度よく行
うことができる。
【0048】特に、例えばデジタルカメラ等で撮影する
場合のように、低解像度で重複部分を有するように小さ
い画像を複数枚撮影し、これらの画像を合成して高解像
度の大きい画像を生成するような場合に有効である。
【0049】尚、具体例1では、画像合成を行うのに、
画像境界からの距離に基づいて合成比率を算出するよう
にしたが、画像の合成処理は、このような方法に限られ
るものではない。例えば、重複領域内の各画素の値を2
枚の画像の画素平均値とする方法、各画像からの距離に
よって合成する比率を制御する方法等を用いることもで
きる。
【0050】〈具体例2〉具体例2は、2つの画像のレ
ンズ歪みに対する信頼性も考慮して情報量基準として、
観測系を一般化したWMDL(Weighted Minimum Descri
ption Length)基準値を用い、WMDL基準値に基づい
て重複領域の類似性を判定して2つの画像を合成するよ
うにしたものである。
【0051】ここでWMDL基準について説明する。W
MDL基準は、MDL基準がその出発点としているモデ
ルの確率分布の対数尤度の代わりに、観測シンボル系列
の局所性を考慮するための重み付き対数尤度を用いた基
準であり、WMDL基準値は次式(11)によって演算
される。 WMDL=min[−Σ(wt×logQ)+(1/2)×k×logW] ・・・・・・(11 ) 但し、WMDL:WMDL基準値 k :パラメータ数 n :観測シンボル数 Q :k次元パラメータによって表されるモデルの確率分
布 Σ: (wt×logQ)の積算値(t=1〜n) wt:重み係数 w:重み係数wtの積算値(t=1〜n) このWMDL基準を利用して2つの画像のレンズ歪みに
対する信頼性に対する重み付けを行えば、レンズ歪みに
対する信頼性も考慮した最適重複領域の選択が可能とな
る。
【0052】図8は、具体例2の構成を示すブロック図
である。信頼値用バッファ21,22は、それぞれ固定
画像11、移動画像12の各画素毎に算出された信頼値
を記憶したバッファである。
【0053】重み係数算出手段23は、レンズ歪みモデ
ルの画素位置の信頼度に基づいて重複領域内の画素の重
み係数を算出する手段である。WMDL基準値算出手段
25は、重複領域抽出手段2によって抽出された画素集
合及び重み係数算出手段23によって算出された重み係
数に基づいて重複領域内のWMDL基準値を算出する情
報量基準値演算手段である。尚、具体例1と同一要素に
ついては同一符号を付して説明を省略する。
【0054】〈動作〉次に具体例2の動作を説明する。
図9は具体例2の動作を示すフローチャートである。ス
テップ20では、固定画像11及び移動画像12のレン
ズ歪みに対する信頼値を設定する。このステップ20
は、重み係数算出手段23によって実行される。
【0055】具体例2では、予め固定画像11及び移動
画像12のレンズ歪みを距離の二乗に反比例する関数と
してモデル化し、このレンズ歪みモデルに基づいて全画
素分の信頼値を画素毎に設定する。但し、モデル化はこ
のようなものに限られるものではなく、画素位置の信頼
値を画像の中心からの距離に基づいて関数化したもので
あれば他のモデルを用いることもできる。
【0056】図10は、具体例2のレンズ歪みモデルの
説明図である。図10に示すように、そのレンズ歪みは
レンズの中心から離れるに従って大きくなる。従って、
画像の中心からの距離が大きくなるほどその画素位置の
信頼性は低くなる。特に広角レンズにおけるレンズ歪み
は、他のレンズに比べて大きい。また、同じカメラで撮
影した画像であっても、画像は一般的に長方形であるた
め、縦方向、横方向の歪みにも差が出てくる。このた
め、横長に移した場合と縦長に移した場合では、レンズ
歪みモデルも異なってくる。
【0057】この各画素のレンズ歪みに対する信頼値を
次式(12)、(13)によって算出する。 w1(m1,n1)=f(R1) ・・・・・・・・・(12 ) 但し、m1 :固定画像11の座標(m1=0〜M1) n1 :固定画像11の座標(n1=0〜N1) w1(m1,n1):固定画像11の座標(m1,n1)における信頼値 R1 :固定画像11の画像中心からの距離 f(R1) :固定画像11の歪み関数 w2(m2,n2)=f(R2) ・・・・・・・・・(13 ) 但し、m1 :移動画像12の座標(m2=0〜M2) n1 :移動画像12の座標(n2=0〜N2) w2(m2,n2):移動画像12の座標(m2,n2)における信頼値 R2 :移動画像12の画像中心からの距離 f(R2) :移動画像12の歪み関数
【0058】そして、具体例1の図3に示すステップ1
〜3と同様に、重複状態を初期化し(ステップ21)、
重複領域の範囲を設定し(ステップ22)、それぞれ画
像バッファ3,4から、固定画像、移動画像の画素集合
を抽出する(ステップ23)。
【0059】ステップ24では、画素に対する重み付け
係数を設定し、WMDL基準値を算出する。このステッ
プ24はWMDL基準値算出手段25によって実行され
る。画素に対する重み付け係数は次式(14)に従って
設定される。 w(i,j)=w1(i1,j1)×w2(i2,j2) ・・・・・・・・・(14) 但し、w(i,j):固定画像及び移動画像の各画素のレンズ
歪みに対する信頼値の重み係数 即ち、各画素の重み付けは、重複領域内において、対応
する固定画像11、移動画像12の各画素でのレンズ歪
みに対する信頼値の積によって表される。
【0060】具体例2のWMDL基準値は次式(15)
によって算出される。 WMDL={-Σ(w(i,j)×logq(i,j))+(1/2)×K×log(Σw(i,j))}/Σw(i,j) ・・・(15) 但し、Σ{w(i,j)×logq(i,j)}:{w(i,j)×logq(i,j)}の
重複領域内の積算値 Σ(w(i,j)): w(i,j)の重複領域内の積算値 尚、モデルqの確率分布は前述の式(5)によって算出
される。
【0061】そして、具体例1と同様に、重複基準点P
を範囲Aの中でずらしながらそのWMDL基準値を算出
し(ステップ22〜27)、算出されたWMDL基準値
の中から最適重複状態としての重複領域を選択し(ステ
ップ28)、この最適重複状態で画像の合成処理を行う
(ステップ30)。
【0062】〈具体例2の効果〉以上、説明したように
具体例2によれば、情報量基準であるWMDL基準値を
重複領域の評価基準に用い、重複領域内の各画素の値に
レンズ歪みに基づく重み付けをするようにしたので、具
体例1の効果に加え、レンズ歪みの影響を抑制すること
ができる。従って、レンズ歪みの大きなレンズを用いた
場合でも、精度よく重複領域の探索を行うことができ、
パノラマ合成処理を精度よく行うことができる。
【0063】また、レンズ歪みを距離の二乗に反比例す
る関数を用いてモデル化したので、算出された信頼値の
精度が向上する。尚、具体例2では、画素位置の信頼値
の設定方法として、画素毎に値を与えて全画素分の信頼
値を設定するようにしたが、これに限られるものではな
く、画素位置からその都度計算するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例1の構成を示すブロック図である。
【図2】具体例1の重複領域の探索方法を説明するため
の説明図である。
【図3】具体例1の初期状態での重複領域における座標
設定例を示す説明図である。
【図4】具体例1の動作を示すフローチャートである。
【図5】具体例1の画素集合の抽出動作を示す説明図で
ある。
【図6】具体例1の画像合成処理の動作を示すフローチ
ャートである。
【図7】具体例1の各画像から画素までの距離算出方法
の説明図である。
【図8】具体例2の構成を示すブロック図である。
【図9】具体例2の動作を示すフローチャートである。
【図10】具体例2のレンズ歪みモデルの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 重複領域算出手段 2 重複領域抽出手段 3,4 画像バッファ 5 MDL基準値算出手段 6 MDL基準値用バッファ 7 最適重複領域選択手段 8 画像合成処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA20 BA02 CA08 CA12 CA16 CD12 CE08 CE10 DA07 DB02 DB09 5C023 AA11 AA14 AA37 BA01 BA02 BA11 BA12 CA01 CA03 CA08 DA04 DA08 5C076 AA19 CA10 5L096 AA06 BA08 CA02 CA14 FA39 GA08 GA30 HA01 JA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通に撮影した領域を一部に有する2つ
    の画像から、最も類似した最適な重複領域を探索し、該
    最適重複領域で2つの画像を合成して1つの画像を作成
    する画像処理装置において、 2つの画像の重複領域を複数設定する重複領域設定手段
    と、 当該設定された各重複領域の評価基準に情報量基準を用
    い、各重複領域毎にその情報量基準値を演算する情報量
    基準値演算手段と、 前記重複領域設定手段により設定された重複領域の中か
    ら、該情報量基準値演算手段により演算された情報量基
    準値が最も小さな重複領域を最適重複領域として選択す
    る最適重複領域選択手段と、 選択された最適重複領域で2つの画像の合成して1つの
    画像を作成する画像合成処理手段と、を備えたことを特
    徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記情報量基準値演算手段は、情報量基
    準としてMDL基準を用いるように構成されたことを特
    徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記情報量基準値演算手段は、情報量基
    準としてWMDL基準を用いるように構成されたことを
    特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
JP11116086A 1999-04-23 1999-04-23 画像処理装置 Pending JP2000306079A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116086A JP2000306079A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 画像処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116086A JP2000306079A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 画像処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000306079A true JP2000306079A (ja) 2000-11-02

Family

ID=14678375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11116086A Pending JP2000306079A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000306079A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013058931A (ja) * 2011-09-08 2013-03-28 Casio Comput Co Ltd 画像処理装置及び画像処理方法、並びにプログラム
JP2014131159A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Furyu Kk 画像編集装置、画像編集方法、およびプログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013058931A (ja) * 2011-09-08 2013-03-28 Casio Comput Co Ltd 画像処理装置及び画像処理方法、並びにプログラム
JP2014131159A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Furyu Kk 画像編集装置、画像編集方法、およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180181816A1 (en) Handling Perspective Magnification in Optical Flow Proessing
JP6338021B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
US11182908B2 (en) Dense optical flow processing in a computer vision system
JP5263694B2 (ja) 物***置推定用情報作成装置、物***置推定用情報作成方法およびプログラム
CN113808253A (zh) 场景三维重建的动态对象处理方法、***、设备及介质
US20220414908A1 (en) Image processing method
CN111737518A (zh) 基于三维场景模型的图像展示方法、装置及电子设备
CN110390685B (zh) 一种基于事件相机的特征点跟踪方法
CN112083403B (zh) 用于虚拟场景的定位追踪误差校正方法及***
JP6922348B2 (ja) 情報処理装置、方法、及びプログラム
JP2010258897A (ja) 判定プログラムおよびキャリブレーション装置
CN110651475B (zh) 用于致密光学流的阶层式数据组织
JP2022087822A (ja) レーダー追跡方法、ノイズ除去方法、装置及び機器
JP2002163647A (ja) レンズ歪み係数算出装置および算出方法、レンズ歪み係数算出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
CN113160270A (zh) 视觉地图生成方法、装置、终端及存储介质
JP2000306079A (ja) 画像処理装置
US20140009493A1 (en) Parallax image generating device and parallax image generating method
CN116630442A (zh) 一种视觉slam位姿估计精度评估方法及装置
JP3524826B2 (ja) 三次元画像処理方法、装置、および三次元画像処理プログラムを記録した記録媒体
CN112506182B (zh) 扫地机器人定位方法、装置、计算机设备和存储介质
JP2021131377A (ja) 生成装置、生成方法およびプログラム
JP2002170111A (ja) 画像合成装置、画像合成方法および画像合成プログラムを記録した記録媒体
CN112197747B (zh) 利用无线定位辅助目标检测的方法和装置
WO2021100681A1 (ja) 三次元モデル生成方法及び三次元モデル生成装置
JP7074694B2 (ja) 情報端末装置及びプログラム