JP2000302146A - 樹脂製キャップ - Google Patents

樹脂製キャップ

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JP2000302146A
JP2000302146A JP11111399A JP11139999A JP2000302146A JP 2000302146 A JP2000302146 A JP 2000302146A JP 11111399 A JP11111399 A JP 11111399A JP 11139999 A JP11139999 A JP 11139999A JP 2000302146 A JP2000302146 A JP 2000302146A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】確実なタンパーエビデント性(TE)が得ら
れ、しかも信頼性のある密封性能と容易且つ確実な易開
封性能とが両立しているキャップを提供する。 【解決手段】キャップ本体2のスカート部5の外面を覆
うようにキャップ本体に一体に設けられ且つ外周に開封
用タブ16を有する連続リング状部材、キャップ本体の
スカート部に軸線方向に延びるように周方向に間隔をお
いて設けられた複数個の切り欠き部12、開封用タブの
反対側に設けられた連続リング状部材とスカート部との
連結部15、スカート部とリング状部材との間に設けら
れた周状乃至円弧状の切断面13、切断面よりも下側或
いは上側においてスカート部とリング状部材とを連結す
る複数個の破断可能な橋絡部14から成るキャップ1で
あって、キャップの少なくともリング状部材3は着色さ
れており、連結部に接続する位置でリング状部材の白化
による開封明示が行われるようにした樹脂製キャップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、向上したタンパーエビ
デント性、密封信頼性及び開封性との組合せを有する樹
脂製キャップに関し、より詳細には、橋絡部の破断と共
にキャップ部材の色の変化により開封操作に付されたも
のであるか否かが一目でわかり、確実なタンパーエビデ
ント性(TE性)と、信頼性のある密封性能と容易且つ
確実な易開封性能とが両立しているキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製キャップは、一体成形が可能で、
成形性に優れると共に、可撓性にも優れているため、打
栓操作により容器口部に固定することができ、従来より
種々の形態で広く用いられている。
【0003】密封性に優れると共に、容器口部から道具
を用いずに容易に取り外すことができるようにした開封
性に優れた樹脂製キャップは、既に種々提案されてお
り、例えば特公昭51−10555号公報(公知例1)
には、スカート壁の外面に把手を備えた合成樹脂製の不
正防止蓋が開示されている。この蓋の上記把手は、スカ
ート壁の外周面とは間隔をおいて且つこれを取り囲む様
に形成されているが、完全なリングではなく円弧状であ
り、その両端部は、スカート壁の外面に強固に固定され
ている。更に、この把手の内面は、周方向に適当な間隔
をおいて形成された切断容易な複数の連結片によってス
カート壁の外面に接続されている。従って、容器に装着
されている蓋の把手を手で引っ張り上げると、上記連結
片は切断し、この把手は、その両端部でのみスカート壁
に結合した状態となり、更に把手を引っ張り上げること
により、把手が形成されていない部分(把手の両端部
間)からスカート壁がめくれ、蓋が容器から取り除かれ
るというものである。
【0004】また、本発明者らの提案にかかる特開平9
−221155号公報(公知例2)には、頂板部及びス
カート部から成り且つスカート部内面には容器口部と係
合する突起(アンダーカット部)が設けられているキャ
ップ本体、及び該キャップ本体のスカート部の外面を覆
うように該キャップ本体に一体に設けられた連続リング
状部材から成る樹脂製キャップにおいて、前記キャップ
本体のスカート部には軸線方向に延びる複数個の切り欠
きが周方向に間隔をおいて設けられ、該キャップ本体の
スカート部と該リング状部材とは切断面を介して分離し
ているが、切断面よりも上側或いは下側の複数個の破断
可能な橋絡部或いは更に連結部を介して一体に形成され
ていると共に、キャップ本体スカート部外面とリング状
部材内面とは前記切断面の部分で密着しており、該リン
グ状部材の一部には開封用タブが形成されていることを
特徴とするキャップが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公知例1は、栓抜
等の格別の道具を必要とせずに、手による開封を可能に
し、且つ不正防止機能をも付与したプラスチックキャッ
プを提供したものとして意義深いものではあるが、密封
信頼性と易開栓性との両立の点で問題がある。即ち、上
記の把手はスカート壁の外周面と間隔をおいて且つこれ
を取り囲むように形成されているため、この把手は上記
突条によるシール効果を補強することができない。その
ため、上記突条はそれ自体で開栓のし易さと密封性の両
方を備える必要があるが、実際には、開栓性をよくする
と、密封信頼性が不満足なものとなってしまうのであ
る。
【0006】公知例2は、リング状部材が橋絡部を保護
して打栓操作が容易に行われると共に、橋絡部を破断し
てリング状部材をはずすことにより、切り欠き部を設け
たスカート部が外方に広がり、手による開封も容易に行
われ、またタンパーエビデント機能も有しているが、未
だ密封保持性と易開栓性との両立の点で、またタンパー
エビデント機能の点でも改善の余地が残されている。
【0007】すなわち、リング状部材を上方に引張って
橋絡部を破断して開封操作を行った後、再びキャップを
容器に装着してリング状部材を元の状態に戻した場合に
は、必ずしも明確に開封されたものであることを示すこ
とができないという問題がある。また、リング状部材の
厚みには、密封保持性と成形性との両立に関して一定の
範囲があり、この厚みが厚すぎるとスカート部内面の突
起部(アンダーカット部)を型抜きすることが困難とな
り、一方リング状部材の厚みが薄すぎると、前記突起部
で容器口部を保持する力が不十分となって、密封保持性
が不十分となりやすい。このようにして、リング状部材
の厚みは一定の範囲に定められるわけであるが、この場
合、スカートの切り欠き部では、突起部も切り欠かれて
いるため、この切り欠き部乃至その近傍での容器口部の
保持力が不十分となりやすいという問題がある。
【0008】従って本発明の目的は、上記従来技術の問
題が解消され、向上したタンパーエビデント性、密封信
頼性及び開封性との組合せを有する樹脂製キャップ、特
に従来の金属製王冠に代わって容器口部への打栓に用い
ることができ、橋絡部の破断と共にキャップ部材の色の
変化によってキャップが開封操作に付されたものである
ことが一目でわかり、確実なタンパーエビデント性(T
E)が得られ、しかも信頼性のある密封性能と容易且つ
確実な易開封性能とが両立しているキャップを提供する
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、頂板部
及びスカート部から成り、スカート部内面には容器口部
と係合する突起部が形成され、且つ頂板部内面には容器
口部との密封係合部が設けられているキャップ本体、該
キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャッ
プ本体に一体に設けられ且つ外周に開封用タブを有する
連続リング状部材、前記キャップ本体のスカート部に軸
線方向に延びるように周方向に間隔をおいて設けられた
複数個の切り欠き部、開封用タブの反対側に設けられた
連続リング状部材とスカート部との連結部、スカート部
とリング状部材との間に設けられた周状乃至円弧状の切
断面、切断面よりも下側或いは上側においてスカート部
とリング状部材とを連結する複数個の破断可能な橋絡部
から成るキャップであって、キャップの少なくともリン
グ状部材は着色されており、連結部に接続する位置でリ
ング状部材の白化による開封明示が行われるようにした
ことを特徴とする樹脂製キャップが提供される。
【0010】
【発明の実施形態】本発明のキャップは、 A.頂板部及びスカート部から成り、スカート部内面に
は容器口部と係合する突起部が形成され、且つ頂板部内
面には容器口部との密封係合部が設けられているキャッ
プ本体、 B.キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キ
ャップ本体に一体に設けられ且つ外周に開封用タブを有
する連続リング状部材、 C.前記キャップ本体のスカート部に軸線方向に延びる
ように周方向に間隔をおいて設けられた複数個の切り欠
き部、 D.開封用タブの反対側に設けられた連続リング状部材
とスカート部との連結部、 E.スカート部とリング状部材との間に設けられた周状
乃至円弧状の切断面、切断面よりも下側或いは上側にお
いてスカート部とリング状部材とを連結する複数個の破
断可能な橋絡部、から構成されるという構造的な特徴を
有し、また、少なくともリング状部材が着色されて、開
封操作に付されると、リング状部材の連結部に接続する
位置が白化するという機能的な特徴を有する点に重要な
特徴を有するものである。
【0011】更に、本発明のキャップにおいては、 F.頂板部内面の密封係合部が、容器口部内に挿入され
るインナープラグであること、 G.リング状部材には、スカート部に設けられた切り欠
き部に対応する位置に、径外方向に突出した突起部が設
けられていること、が特に好ましい。
【0012】本発明のキャップ本体では、頂板部内面に
設けられる容器口部との密封係合部として、容器口部の
内周側と係合するインナープラグを形成することによ
り、容器口部内周側で密封が行われ、一方スカート内面
には、容器口部の外周と係合する突起部(アンダーカッ
ト部)が形成されており、これらの組合せで、容器口部
へのキャップの確実な保持と密封保持とが可能となる。
【0013】キャップ本体のスカート部に、軸線方向に
延びる複数個の切り欠きを周方向に間隔をおいて設けた
ことにより、開栓に際してはスカート部が径外方向に広
がることが可能となり、これによりキャップ本体の容器
口部からの取り外しが容易に行われる。
【0014】このキャップでは、キャップ本体のスカー
ト部と該リング状部材とは周状乃至円弧状の切断面を介
して分離しているが、これらを切断面よりも下側或いは
上側の複数個の破断可能な橋絡部及び連結部を介して一
体に形成すると共に、キャップ本体スカート部外面とリ
ング状部材内面とは前記切断面の部分で密着可能とす
る。
【0015】スカート部とリング状部材とを切断面の部
分で密着させることにより、少なくとも閉栓状態でキャ
ップ本体スカート部がリング状部材によりタガ締めさ
れ、スカート部が外方に広がるのが防止され、容器口部
に対する確実な密封性が維持される。これは、スカート
部に軸方向に延びる切り欠きが設けられている本件キャ
ップの場合特に重要である。即ち、スカート部の切り欠
きは、容器口部外周とスカート部の突起部(アンダーカ
ット部)との係合状態を弱めるように作用するが、これ
にリング状部材によるタガ締め力が作用することによ
り、係合状態を強固且つ確実のものとできる訳である。
【0016】また、切断面よりも下側或いは上側に、キ
ャップ本体のスカート部とリング状部材とを連結する複
数個の破断可能な橋絡部及び連結部を設けたので、切断
面の刻設が橋絡部或いは更に連結部に悪影響を及ぼすの
が防止され、更に打栓時にも、キャップ本体スカート部
外面とリング状部材内面とが切断面の部分で密着するの
で、破断しやすい橋絡部に外力が作用するのが防止さ
れ、打栓時における橋絡部の保護が万全であるという利
点が達成される。
【0017】更に、リング状部材の一部には径外方向に
突出した開封用タブを形成すると共に、開封用タブの反
対側に、スカート部と連続リング状部材との連結部を設
けたので、開封用タブを押し上げることにより、前記切
断面で、リング状部材とスカート部との間でずれを生
じ、キャップ本体とリング状部材を連結する橋絡部が剪
断力により切断される。次いで、リング状部材を更に上
に持ち上げることにより、連結部が支点となって、連結
部側に開栓力が加わり、後に詳述する操作により、開栓
が進行する。即ち、キャップ本体スカート部には切り欠
きが設けられているため、リング状部材がこのスカート
部から取り外されて持ち上げられた状態では、スカート
部の径外方向への拡がりが自由となり、連結部側のキャ
ップ本体は容易に容器口部から離脱可能となり、道具を
用いることなく容易に開封することができる。
【0018】また、開封が既に行われている場合には、
橋絡部が破断されており、リング状部材を自由に上下で
きるので、これにより既に開封されていることを知るこ
とができるが、本発明においては、更にタンパーエビデ
ント性を向上するため、以下に述べる通り、着色された
リング状部材が開封操作に付された場合には白化するこ
とにより、一目で既に開封されたものであることを明示
することによって、確実なタンパーエビデント性(TE
性)が得られるようにする。
【0019】すなわち、本発明では、開封用タブの反対
側に、スカート部と連続リング状部材との連結部を設け
ているので、リング状部材を上に持ち上げることによ
り、連結部が支点となって、連結部側に開栓力が加わ
り、かかる開栓力によりリング状部材の連結部に接続す
る位置には応力によりひずみが発生する。この応力が降
伏点以上に達することにより塑性変形が生じ、歪みは永
久歪みとなって白化する。従って、少なくともリング状
部材が着色されていることにより、かかる白化された部
分は顕著に目立つようになり、橋絡部の破断と共にキャ
ップのタンパーエビデント性が向上するのである。
【0020】本発明においては、開栓力により永久歪み
の生じるリング状部材が着色されていればその目的を達
成することができるが、キャップ全体が着色されていて
も勿論良く、キャップを形成すべき樹脂に後述する着色
顔料を配合することによって容易に作成することができ
る。かくして、リング状部材の把持による持ち上げを続
行することにより、連結部に接続する位置でリング状部
材が白化して、開封操作が行われたことが一見して明瞭
となり、タンパーエビデント性が顕著に向上する。
【0021】本発明のキャップの頂板部の内面には、イ
ンナープラグの外側に容器口部の頂面、外周側コーナ部
或いは外周面と係合するリング状の小突起部が形成され
ていることが密封性の点で好ましい。本発明のキャップ
では、既に指摘したとおり、頂板部に容器口部に挿入さ
れるインナープラグが形成され、一方スカート部には容
器口部の外周と係合する突起部を設けることにより、キ
ャップの容器口部への保持と密封性維持とが可能とな
る。
【0022】しかしながら、インナープラグと容器口部
との密封係合は、インナープラグの外周面と容器口部の
内周面とが径方向に圧接する係合であるが、インナープ
ラグの外側に設けたリング状の小突起部では、容器口部
の頂面、外周側コーナ部或いは外周面と、リング状の小
突起部とが容器の軸方向に圧接する密封係合が可能とな
っている。本発明のこのタイプのキャップでは、かくし
て方向性の異なる2種類の密封係合が可能となってお
り、密封信頼性が向上している。更に、容器口部の頂面
或いはそれよりも外周側での密封が行われるため、容器
口部頂面が優れた衛生状態に維持されるという付加的な
利点もある。
【0023】上記のリング状小突起付きキャップでは、
前記小突起部の内側及び/又は外側にはリング状の溝部
が形成されていることが好ましい。このリング状小突起
と容器口部とは軸方向に圧接されるため、リング状突起
は当然圧縮変形されるが、その内側及び/又は外側の溝
はこの圧縮変形を許容し、リング状突起にクッション性
を付与する作用がある。また、リング状小突起とインナ
ープラグとの間に形成されたリング状溝は、それらの一
方の変形が他方に悪い影響を及ぼすのを防止し、夫々の
密封機能を独立のものに維持する作用もある。
【0024】本発明では、リング状部材に対して、スカ
ート部の切り欠き部に対応する位置に径外方向への突起
部を形成することが好ましい。即ち、リング状部材の厚
みには、密封保持性と成形性との両立に関して一定の範
囲があり、この厚みが厚すぎるとスカート部内面の突起
部(アンダーカット部)を型抜きすることが困難とな
り、一方リング状部材の厚みが薄すぎると、前記突起部
(アンダーカット部)で容器口部を保持する力が不十分
となって、密封保持性が不十分となりやすいという問題
がある。リング状部材の厚みを、型抜きが容易に行われ
る範囲で全体として一定の厚みにした場合、スカートの
切り欠き部では、突起部も切り欠かれているため、この
切り欠き部乃至その近傍での容器口部の保持力が不十分
となりやすい傾向がある。
【0025】本発明のこの態様によれば、リング状部材
のスカート切り欠き部に対応する位置に、径外方向への
突起部を形成したので、この突起部に対応する部分が厚
肉となり、スカートの切り欠き部乃至その近傍での容器
口部の保持力を十分なレベルに保持できるという利点が
達成される。即ち、スカートの突起部は切り欠き部によ
り分断されており、分断された突起部の周方向端部が径
外方向に最も拡がりやすいが、リング状部材の厚肉部
(外方突起部)によるタガ締め力が、この周方向端部に
作用するので、閉栓時において満足すべき保持力が達成
されるのである。しかも、径外方向への突起部はスカー
ト切り欠き部に対応する位置に設けられているので、ス
カート部内面の突起部(アンダーカット部)を型抜きす
ることが容易であるという利点も達成されるものであ
る。
【0026】本発明のキャップでは、既に指摘したとお
り、リング状部材が把持片となり、橋絡部が破断された
後は連結部を作用点としてキャップを容器口部から取り
外すため、リング状部材は連結部に接続する位置におい
て白化が生じることを条件とするが、橋絡部が破断され
た状態では開栓力に負けない機械的強度を有することが
要求される。一方、上記キャップを射出成形又は圧縮成
形等で形成する場合、リング状部材の部分では、スカー
ト切り欠き部に対応する部分が樹脂のウエルド部分とな
り、この部分の機械的強度が不十分となりやすいという
傾向も認められる。本発明のこのタイプのキャップで
は、前述した通り、リング状部材のスカート切り欠き部
に対応する位置に、径外方向への突起部を形成したの
で、この突起部に対応する部分が厚肉となり、ウエルド
部分の補強も行われており、開封操作が失敗なしに確実
に行われるという付加的な利点もある。
【0027】本発明では、リング状部材の外周に開封用
タブを設けるが、開封用タブが設けられたリング状部材
の部分には、タブより内側でしかもリング状部材の下側
に、リング状部材内面側からの切り欠き部が設けられて
いることが、成形性の見地から、即ち型抜きを容易に行
うために好ましい。即ち、指との掛かりをよくするた
め、開封用タブはリング状部材から径外方向に突出させ
て設けるが、このタブの部分が厚くなると、開封用タブ
の内側に位置するスカート突起部(アンダーカット部)
の型抜きが困難となる。本発明では、タブより内側でし
かもリング状部材の下側に、リング状部材内面側からの
切り欠き部を設けたため、この切り欠き部が、型抜きの
際、スカート突起部(アンダーカット部)の逃がしとな
り、型抜きを容易に行うことが可能となる。また、開封
用タブの外面に複数のリブを形成しておくことにより、
開封用タブの強度を補強し、またその位置を明示するこ
とができる。
【0028】本発明のキャップでは、前記リング状部材
の下端をキャップ本体スカート部の下端より下側に位置
するようにすることができ、こうすることにより、キャ
ップ本体のスカート部下端がリング状部材で隠蔽され、
スカート部に器具等を挿入して、橋絡部を破断すること
なく開栓することを防止でき、これによりタンパーエビ
デント性を向上させることができる。
【0029】また、リング状部材の下端とキャップ本体
スカート部の下端とを同一水平面に位置するように設け
ることもでき、この場合には、空キャップの積載時に橋
絡部に荷重等が加わり破断するのを防止することができ
る。
【0030】更にまた、前記連結部の上部或いは下部に
は、部分的な弱化部を形成しておくことができ、連結部
に器具等を挿入して不正な開封を行おうとしたとき、リ
ング状部材が外側に開き、器具の係りが外れやすくなっ
たり、弱化部の変形又は破断、もしくは白化により、一
目で不正に扱われたものであることを明示して、タンパ
ーエビデント性が向上する。
【0031】本発明のキャップでは、インナープラグを
タブ側で相対的に長く、連結部側で相対的に短く、イン
ナープラグが傾斜した端縁を有するようにすることがで
きる。即ち、キャップ本体の開封は、リング状部材の持
ち上げにより連結部側から行われることは既に指摘した
とおりであるが、この連結部側からの開封に際して、短
い方のインナープラグからのリーク(ガス抜き)が有効
に行われるので、内容物の吹き出し、即ちブローオフが
有効に防止される。
【0032】更に、本発明のキャップでは、前記頂板部
の外周部分に上方に突出した全周或いは間欠的なプラグ
を形成しておくことができ、これにより、キャップを打
栓した容器を相互に積載したとき、特に、内容物が炭酸
ガス飲料のような場合に、内圧によりドーミングした頂
板部が押されて、スカート部の係合用突起が径外方向に
広がるのを防止して、密封信頼性を高めることができ
る。
【0033】本発明のキャップでは、例えば後述する実
施例では、キャップ頂板部の密封係合部としてインナー
プラグがキャップ本体と一体に成形されているが、この
密封係合部は、キャップ本体とは別個に施されたライナ
ーで形成されていてもよい。この場合、低密度ポリエチ
レン、エチレン系共重合体、各種ゴム乃至熱可塑性エラ
ストマー等を圧縮乃至射出成形により適宜の形状に形成
できる。また、アクリル樹脂プラスチゾル、塩化ビニル
樹脂プラスチゾル等を既存のスピンライニング法等を用
いることにより成形することができる。
【0034】また、インナープラグの内面側の頂板部に
は、ガスバリアー性材料をインサート成形等により設け
ておくことができ、これによりプラスチックキャップ壁
を通してのガスの透過を防止し、内容物の保存性を向上
させることができる。ガスバリアー性材料としては、ア
ルミ箔等の金属箔、エチレン−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ナイロン
樹脂、ガスバリアー性ポリエステル等のガスバリアー性
樹脂を挙げることができる。
【0035】ガスバリアー性材料の代わりに、或いはガ
スバリアー性材料と共に、上記頂板部に酸素吸収性の層
を設けることもできる。酸素吸収性の層としては、例え
ば鉄系酸素吸収剤を樹脂中に分散させたものなどを用い
ることができる。
【0036】キャップの成形に用いる樹脂としては、各
種プラスチック、例えば、低−、中−又は高−密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、
ABS樹脂等が挙げられる。
【0037】本発明においては、上記樹脂に着色顔料を
配合してキャップを成形する。着色顔料は、リング状部
材の白化を顕著に目立たせるためには、使用する樹脂当
たり、2乃至10重量%の割合で配合されていることが
望ましい。配合し得る着色顔料としては、これに限定さ
れるものではないが、次のものを挙げることができる。
【0038】黒色顔料:カーボンブラック、アセチレン
ブラック、ランプブラック、アニリンブラック。 黄色顔料:黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸
化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエ
ロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイ
エローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエロー
レーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレ
ーキ。 橙色顔料:赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレ
ンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジ
ジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジG
K。 赤色顔料:ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水
銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッ
ド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム
塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオ
シンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、
ブリリアントカーミン3B。 紫色顔料:マンガン紫、ファストバイオレットB、メチ
ルバイオレットレーキ。 青色顔料:紺青、コバルトブルー、アルカリレーキ、ビ
クトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属
フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素
化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料:クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグ
リーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエ
ローグリーンG。
【0039】本発明のプラスチックキャップは、上記の
着色顔料が配合された樹脂を用い、通常、射出成形、圧
縮成形等によりキャップ本体及びリング状部材が一体化
した状態で製造される。スカート部とリング状部材との
間の切断面(分離面)の成形は、キャップ本体を成形す
る時に行ってもよいが、通常キャップ本体の成形後にカ
ッター等で切り込みを入れる、カッティング加工を施す
ことによって形成される。このため、本発明のキャップ
は、通常のコアとキャビテイとから成る金型を用いて、
能率よく短時間で製造でき、またキャップ各部の精度も
高く、不良品の発生も少ないという利点を与える。
【0040】
【実施例】以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説
明する。 (実施例1)図1は、本発明のキャップの一実施例を示
し、(A)は一部断面側面図、(B)は底面図、(C)
は、(A)の矢印A方向から見た開封用タブの正面図で
ある。図2は、図1(B)のB−B線断面図であり、図
3は、図2の一部拡大断面図である。また図4は、図1
のキャップを容器口部に嵌合した状態の図1(B)のB
−B線断面図であり、同様に図5は、図1(B)のC−
C線断面図である。図6は、リング状部材の突起部とス
カート部の切欠き部における開き角度の関係を説明する
ための図であり、また図7は、図1のキャップを開封す
る操作を説明するための図である。
【0041】図1乃至5において、全体を1で示す本発
明のキャップは、概略的に言って、キャップ本体2と連
続したリング状部材3とからなる。キャップ本体2は、
頂板部4とその外周から垂下しているスカート部5とか
ら成る。
【0042】図5及び図6から明らかなように、スカー
ト部5の内周には、容器口部6の外周側の突部7下面と
係合する突起8が形成されており、容器口部6を頂板部
4の内面に密接させ、密封を行わせるようになってい
る。また、頂板部4には、容器口部6の内周面10と係
合するインナープラグ9が形成されている。この具体例
では、インナープラグ9の外周面には径外方向への突起
部11が形成されており、容器口部6の内周面10と圧
接係合して密封が一層確実なものとなるようになってい
る。
【0043】リング状部材3は、スカート部5の外面を
連続したリングの形で覆うように設けられている。この
リング状部材3で覆われたキャップ本体2のスカート部
5には、下端からスカート部の途中まで軸線方向に延び
る複数個の切り欠き12が周方向に間隔をおいて設けら
れている。切り欠き部12は、その上方端縁がスカート
部の突起部8よりも上方に位置するように設けられてい
ることが、リング状部材3が引き上げられたとき、突起
部8の径外方向への拡がりを容易にして、易開栓性を向
上させるために好ましい。このキャップでは、内容物充
填時に口部外周に付着した内容物を、切り欠き部12を
通して通水して、洗浄除去できるという利点や、滅菌工
程の温水シャワー液を効果的に通液して、容器口部への
熱伝導性を高めるという利点が得られる。
【0044】キャップ本体2のスカート部5とリング状
部材3とは、円弧状乃至周状の切断面13を介して分離
されていると共に、スカート部5とリング状部材3と
は、上記切断面13よりも下側の複数個の破断可能な橋
絡部14と、破断不能な連結部15を介して一体に形成
されている。
【0045】キャップ本体スカート部5の外面とリング
状部材3の内面とは、キャップ本体2が容器口部6に打
栓されている状態(図2及び図3)において、前記切断
面13の部分で相互に密着されている。
【0046】更に、リング状部材3の一部には径外方向
に突出した開封用タブ16が形成されており、開栓に際
して、この部分を把持してリング状部材3の押し上げが
できるようになっている。一方、スカート部5とリング
状部材3との連結部15は、開封用タブ16の反対側に
設けられている。切断面13は円弧状のものでも、周状
(円周状)のものでもよく、この具体例においては、切
断面13は円周状であり、図2に示されるように、連結
部15においては、橋絡部14の下端縁よりも下方まで
樹脂が充填され、破断不能な連結部を形成している。一
方、切断面13を連結部15を除いて円弧状に形成する
場合には、前述した場合のように、樹脂を深く充填する
ような配慮は不必要になる。勿論、切断面13を円弧状
に形成する場合には、カッティング加工に際してキャッ
プの位置決めが必要であり、一方切断面を円周状に形成
する場合には、カッティングに際して位置決めが不要で
あり、これらの得失を勘案して加工法が選択される。
【0047】開封操作を説明するための図7において、
開栓に際しては、リング状部材3を持ち上げることによ
り、まず橋絡部が破断され、橋絡部が破断された後は、
連結部15に接続する位置(以下、連結部周方向両端部
という)17に開栓力が加わる。この開栓力により連結
部側でのスカート部突起部8と容器口部外周6との係合
が解除され、連結部15が上方に持ち上げられ、同時に
連結部側のインナープラグ9の引き抜きも開始され、開
封操作は完了する。本発明においては、開封に寄与する
開栓力は連結部周方向両端部17を支点としてリング状
部材を曲げるものであるため、リング状部材3の持ち上
げを続行することにより、連結部周方向両端部17には
塑性変形が生じ白化するが、少なくともリング状部材3
は着色されているため、かかる白化が顕著に目立って、
開封されたものであることが、一目瞭然となり、タンパ
ーエビデント性が顕著に向上する。
【0048】本実施例のキャップの頂板部4の内面に
は、インナープラグ9の外側に容器口部の頂面と係合す
るリング状の小突起部18と、容器口部の外周面と係合
するリング状の小突起部19とが形成されている。最も
外方の小突起部19は、容器口部の外周面と係合して容
器口部の頂面20を正しく位置決めするものであるが、
勿論この小突起部19は密封機能を有していてもよい。
一方、この小突起部19よりも内側に設けられた他方の
小突起部18は下方向に延びており、容器口部の頂面2
0とキャップの軸方向に係合して、頂面での密封を行
う。図3によく示されるように、この小突起部18とイ
ンナープラグ9との間には、密封時に小突起部18の圧
縮変形を許容し、また小突起部18とインナープラグ9
とを独立に維持するための溝21が周状に形成されてい
る。
【0049】本発明では、図1乃至図5に明瞭に示され
る通り、リング状部材3の外周面で、スカート部の切り
欠き部12に対応する位置に径外方向への突起部22を
形成しておくことが好ましい。この突起部22をリング
状部材3に形成することにより、密封保持性と成形性
(型抜き性)とを両立させること、即ち、スカート部内
面の突起部(アンダーカット部)8を型抜きすることを
容易にしながら、前記突起部(アンダーカット部)8で
容器口部6を保持する力を十分なレベルとして、密封保
持性を高めることができる。
【0050】リング状部材3の径外方への突起部22
は、スカート切り欠き部12に対応する位置に正確に形
成されていることが好ましく、この突起部22の先端
(稜線)23は、図1(B)に示されるように、スカー
ト切り欠き部12の中心を通る径方向の線上に位置して
いることが好ましい。
【0051】図面に示す具体例においては、リング状部
材3に設ける径外方への突起部22は、等辺三角形に近
い水平断面形状を有しており、これが最もシンプルな形
状であるが、突起部の断面形状は、勿論これに限定され
ず、台形、矩形、半円形、半楕円形、サインウエーブ形
などの任意の断面形状を有していてもよい。
【0052】突起部22におけるリング状部材の厚みd
は、突起部以外のリング状部材の厚みdに対して、
/dの比は一般に1.2乃至1.8、特に1.3
乃至1.5の範囲にあるのがよい。一方、上記厚みd
は、キャップを構成する樹脂材料の種類、キャップ
の大きさ、スカート部突起部の寸法等によっても相違す
るが、一般に0.7乃至1.7mm、特に0.9乃至
1.3mmの範囲にあることが好ましい。
【0053】上記厚み比d/dが上記範囲よりも小
さい場合、或いは大きい場合の何れも、密封保持性と成
形性(型抜き性)とを両立させることが困難となる傾向
があるのに対して、上記範囲内にあればこれらの特性を
両立させることが可能となる。また、厚みdが上記範
囲よりも小さいと、キャップの容器口部への保持力が不
十分となる傾向があり、一方上記範囲よりも大きいと型
抜きが困難となる傾向がある。
【0054】また図6に示すように、リング状部材にお
ける突起部22の一方の裾24aから他方の裾24bへ
の開き角度(中心からの角度)θは、スカート部の切
り欠き部12における一方の端縁25aから他方の端縁
25bへの最外部での開き角度θに対して、θ/θ
の比は一般に1.5乃至3.0、特に1.8乃至2.
5の範囲にあるのがよい。一方、上記θは、キャップ
を構成する樹脂材料の種類、キャップの大きさ、スカー
ト部突起部の周方向寸法等によっても相違するが、一般
に2乃至10゜、特に3乃至8゜の範囲にあることが好
ましい。
【0055】上記開き角度比θ/θが上記範囲より
も小さい場合、或いは大きい場合の何れも、密封保持性
と成形性(型抜き性)とを両立させることが困難となる
傾向があるのに対して、上記範囲内にあればこれらの特
性を両立させることが可能となる。また、開き角度θ
が上記範囲よりも小さいと、容器口部への保持力が
過大となって易開封性能が低下したり、或いは型抜きが
困難となる傾向があり、一方上記範囲よりも大きいと容
器口部への保持力が低下して、密封性能が低下する傾向
がある。
【0056】本発明では、リング状部材3の外周に開封
用タブ16を設けるが、図2に示すように、開封用タブ
16が設けられたリング状部材3の部分には、開封用タ
ブ16より内側でしかもリング状部材3の下側に、リン
グ状部材3内面側からの切り欠き部26が設けられてい
ることが、スカート突起部(アンダーカット部)8の型
抜きを容易に行うために好ましい。指との掛かりをよく
するため、開封用タブ16はリング状部材3から径外方
向に突出させて設けるが、このタブの部分が厚くなる
と、開封用タブの内側に位置するスカート突起部(アン
ダーカット部)8の型抜きが困難となる。開封用タブ1
6が設けられたリング状部材3の部分には、開封用タブ
16より内側でしかもリング状部材3の下側に、リング
状部材3内面側からの切り欠き部26を設けたため、こ
の切り欠き部26が、型抜きの際、スカート突起部(ア
ンダーカット部)8の逃がしとなり、型抜きを容易に行
うことが可能となる。
【0057】また、本実施例のキャップでは、図1
(C)より明らかなように、開封用タブ16の外周に、
下側の水平リブ27と、この水平リブより上方に、周方
向に小間隔をおいて多数の垂直リブ28を設けて、開封
用タブ16の強度を補強し、またその位置を明示すると
共に、開封に際して指の掛かりをよくし、指による把持
が容易に行えるようにしている。
【0058】キャップ本体2のスカート部5に設けた軸
線方向に延びる複数個の切り欠き部12の存在により、
橋絡部14が破断され、リング状部材3が連結部15の
みでキャップ本体2と接続している状態において、スカ
ート部5が径外方向に拡がることが可能となり、これに
より容器口部の外周突部7下面とスカート部内向き突起
8との係合が解除されて、キャップ本体2の容器口部6
からの取り外しが容易に行われるものであるため、切り
欠き部12の設置個数や周方向間隔はこれらの観点から
適宜決定される。
【0059】本発明のキャップにおいて、スカート部5
に設ける切り欠き12の数は、キャップの口径等によっ
ても相違するが、一般に切り欠き12の個数は2乃至2
0個、特に8乃至12個の範囲となるものが好ましい。
【0060】キャップ本体スカート部5と、リング状部
材3との間に設ける橋絡部14の数は、隣り合った切り
欠き12、12間のスカート片5aとリング状部材3と
が少なくとも1個の橋絡部14を介して連結されるよう
なものであることが好ましい。また、橋絡部14を設け
る位置も種々変化させることができ、例えば図1(B)
に示す具体例では、スカート片5aの中間位置に1個設
けているが、勿論これに限定されず、スカート片5aの
両端に2個設けることもできる。要するに、打栓時にお
いて、橋絡部の破損が防止され且つ開栓時にその破断が
容易に行われるものであればよく、その位置及び個数は
特に制限を受けない。橋絡部14の切断面13方向の断
面積は、1個当たり0.1乃至0.8mm、特に0.
2乃至0.4mmの範囲にあることが好ましい。
【0061】本発明のキャップでは、図2及び図3に示
す通り、キャップ本体の頂板部4の外面の中央に小さい
円状の凹部29を形成させておくことが望ましい。キャ
ップを射出成形で製造する場合、頂板部の外面中央にゲ
ート残部が残留し、これがキャップの円滑な流れの妨害
になったり、キャップの移動攪拌時のダスト発生の原因
となったり、キャップに指を触れたときに不快感を与え
る原因となったりするが、上記小凹部29を天面外面の
中央に設けておくと、ゲート残部の先端を凹部29内に
止めておくことができるので、上記の欠点を防止するこ
とができる。
【0062】(実施例2)図8乃至図11は、本発明の
他の実施例について説明するための図である。すなわ
ち、図8は、図1(B)のB−B線断面に対応する断面
の一部拡大断面図であり、図9は、同様に図1(B)の
C−C線断面に対応する断面の一部拡大断面である。ま
た図10は、図1(B)のB−B線断面に対応する断面
において、容器口部に適用された状態の断面図であり、
図11は、同様に図1(B)のC−C線断面に対応する
断面において、容器口部に適用された状態の断面図であ
る。
【0063】図8乃至11に示すキャップは、実施例1
に示したキャップと基本的な構成はほぼ同じであるが、
このキャップは適用すべき容器の口部形状が異なり、ま
た実施例1においては頂板部3の内面にインナープラグ
9の外側に突起18及び溝21が設けられているが、こ
の突起及び溝が省略されており、頂板部内面に直接容器
口部天面20が当接する態様である点において実施例1
と相違するものである。このキャップは、容器口部6の
外周上部にストレートな短い筒部30とその下の径外方
向への膨出部31とを有する容器に使用され、リング状
小突起部19が、容器口部の短い筒部30から膨出部3
1の付け根乃至コーナにかけて係合することにより、密
封が行われる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、頂板部及びスカート部
から成り、スカート部内面には容器口部と係合する突起
部が形成され、且つ頂板部内面には容器口部に挿入され
るインナープラグが設けられているキャップ本体、該キ
ャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャップ
本体に一体に設けられ且つ外周に開封用タブを有する連
続リング状部材、前記キャップ本体のスカート部に軸線
方向に延びるように周方向に間隔をおいて設けられた複
数個の切り欠き部、開封用タブの反対側に設けられた連
続リング状部材とスカート部との連結部、スカート部と
リング状部材との間に設けられた周状乃至円弧状の切断
面、切断面よりも下側或いは上側においてスカート部と
リング状部材とを連結する複数個の破断可能な橋絡部か
ら成るキャップであって、キャップの少なくともリング
状部材は着色されており、連結部に接続する位置でリン
グ状部材の白化による開封明示が行われるようにしたこ
とにより、確実でしかも一見明白なタンパーエビデント
性(TE)が得られる。しかも、このキャップでは、信
頼性のある密封性能と容易且つ確実な易開封性能とが両
立しているという利点があり、従来の金属製王冠に代わ
って、容器の打栓による密封に広く使用することができ
る。また、本発明では、リング状部材の前記切り欠き部
に対応する位置に径外方向への突起部を設けることによ
り、スカート部内面の突起部(アンダーカット部)を型
抜きすることが容易であり、しかもスカートの切り欠き
部乃至その近傍での容器口部の保持力も十分なレベルに
維持され、更に開封片としても使用されるリング状部材
に開封力に負けない強度が付与されているという作用効
果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャップの一実施例を示す図であり、
(A)は一部断面側面図、(B)は下面図、(C)は開
封用タブの正面図である。
【図2】図1(B)におけるB−B線断面図である。
【図3】図2の一部拡大断面図である。
【図4】図1に示すキャップにおいて、容器口部に嵌合
された状態における図1(B)のB−B線断面図であ
る。
【図5】図1に示すのキャップにおいて、容器口部に嵌
合された状態における図1(B)のC−C線断面図であ
る。
【図6】リング状部材の突起部とスカート部の切欠き部
における開き角度の関係を説明するための図である。
【図7】本発明のキャップの開栓操作を説明するための
図である。
【図8】本発明の他の実施例の図1(B)のB−B線断
面に対応する断面の一部拡大断面図である。
【図9】本発明の他の実施例の図1(B)のC−C線断
面に対応する断面の一部拡大断面図である。
【図10】本発明の他の実施例の図1(B)のB−B線
断面に対応する断面において、容器口部に適用された状
態の断面図である。
【図11】本発明の他の実施例の図1(B)のC−C線
断面に対応する断面において、容器口部に適用された状
態の断面図である。
【符号の説明】
1 キャップ 2 キャップ本体 3 リング状部材 4 頂板(天面)部 5 スカート部 6 容器口部 7 容器外周凹部 8 突起部 9 インナーリング 10 容器口部内周面 11 インナーリング突起部 12 切り欠き 13 切断面 14 橋絡部 15 連結部 16 開封用タブ 17 連結部周方向両端部 18 容器口部頂面 19 頂面係合用小突起部 20 容器口部天面 21 溝部 22 リング状部材突起部
フロントページの続き (72)発明者 熊田 光雄 神奈川県平塚市長瀞2番12号 日本クラウ ンコルク株式会社平塚工場内 Fターム(参考) 3E084 AA04 AA12 AB01 BA01 CA01 CC03 DA01 DB05 DB09 DB13 DC03 EA04 EB03 EC03 FA09 FC07 FC08 GA08 GB08 GB12 GB13 GB17 HA03 HB02 HC03 HD01 KA13 KA15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂板部及びスカート部から成り、スカー
    ト部内面には容器口部と係合する突起部が形成され、且
    つ頂板部内面には容器口部との密封係合部が設けられて
    いるキャップ本体、該キャップ本体のスカート部の外面
    を覆うように該キャップ本体に一体に設けられ且つ外周
    に開封用タブを有する連続リング状部材、前記キャップ
    本体のスカート部に軸線方向に延びるように周方向に間
    隔をおいて設けられた複数個の切り欠き部、開封用タブ
    の反対側に設けられた連続リング状部材とスカート部と
    の連結部、スカート部とリング状部材との間に設けられ
    た周状乃至円弧状の切断面、切断面よりも下側或いは上
    側においてスカート部とリング状部材とを連結する複数
    個の破断可能な橋絡部から成るキャップであって、キャ
    ップの少なくともリング状部材は着色されており、連結
    部に接続する位置でリング状部材の白化による開封明示
    が行われるようにしたことを特徴とする樹脂製キャッ
    プ。
  2. 【請求項2】 前記密封係合部が、容器口部内に挿入さ
    れるインナープラグからなることを特徴とする請求項1
    記載の樹脂製キャップ。
  3. 【請求項3】 前記リング状部材には、前記切り欠き部
    に対応する位置に径外方向への突起部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂製キャッ
    プ。
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