JP2000297627A - 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化システム - Google Patents

排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化システム

Info

Publication number
JP2000297627A
JP2000297627A JP11107511A JP10751199A JP2000297627A JP 2000297627 A JP2000297627 A JP 2000297627A JP 11107511 A JP11107511 A JP 11107511A JP 10751199 A JP10751199 A JP 10751199A JP 2000297627 A JP2000297627 A JP 2000297627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nox
exhaust gas
reduction catalyst
catalyst
adsorption
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11107511A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Akama
弘 赤間
Junji Ito
淳二 伊藤
Motohisa Kamijo
元久 上條
Masanori Kamikubo
真紀 上久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP11107511A priority Critical patent/JP2000297627A/ja
Publication of JP2000297627A publication Critical patent/JP2000297627A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低排ガス温度及び低HC/NOx比条件に係
るリーンバーン排ガスに対して優れた浄化性能を有し、
NOx還元浄化効率を大幅に向上させた排ガス浄化用N
Ox吸着還元触媒、及びこれを用いた排ガス浄化システ
ムを提供すること。 【解決手段】 白金と、硝酸塩の標準生成ギブスエネル
ギーが−40〜−700kJ/molであるNOx吸着
性向上成分を含有し、上記酸素過剰排ガス中で、次式
:2NO+O→2NOで表される反応が進行し、
生成したNOが安定であるNO2生成安定温度域にお
いて、NOxを吸着でき、且つNOxを還元できるNO
x吸着還元触媒である。NOx吸着還元触媒を酸素過剰
排ガスの通路に設置して成る排ガス浄化システムであ
る。NO2生成安定温度域において、NOx吸着還元触
媒の入口における炭化水素類及び/又は一酸化炭素の濃
度を変動させるHC・CO濃度変動手段を、上記NOx
吸着還元触媒の通路上流側に設置して成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスを浄化する
ための触媒及びシステムに係り、更に詳細には、内燃機
関や燃焼器等からの排ガスを浄化する触媒及びシステム
であって、特に酸素を過剰に含むリーンバーン排ガス中
の窒素酸化物を高効率で浄化するシステムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車エンジン排気ガスのように
酸化成分と還元成分がほぼ等しく含まれる排ガスを浄化
するための触媒としては、三元触媒が広く用いられてい
る。この三元触媒は、白金(Pt)、パラジウム(P
d)及びロジウム(Rh)等の貴金属成分並びにセリア
(Ce)成分をはじめとする各種成分を担持した活性ア
ルミナを主成分とする触媒であり、排気ガス中の有害成
分である炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒
素酸化物(NOx)を高効率で浄化することができる。
【0003】一方、近年は、燃費向上及び二酸化炭素排
出量の削減の観点から、理論空燃比より高い空燃比でも
運転するリーンバーンエンジンが普及してきている。こ
のリーンバーンエンジンの排ガス(以下、「リーンバー
ン排ガス」という)は、理論空燃比近傍で運転する従来
のエンジンの排ガス(以下、「ストイキ排ガス」とい
う)に比較して、酸素含有率が高く、上記三元触媒では
NOxの浄化が不十分となる。かかる状況から、リーン
バーン排ガス中のNOxを高効率で浄化できる新触媒が
望まれており、各種のNOx還元触媒の開発が試みられ
ている。
【0004】このような要望に応じて、Y型、L型、モ
ルデナイト、MFIゼオライト等のゼオライトに各種の
金属成分を担持したゼオライト系触媒が提案されてお
り、このものは、リーンバーン排ガス中において、HC
の共存下でNOxを比較的効率良く浄化できる能力を有
していることが知られている。また、担持する金属成分
としては、銅(Cu)、コバルト(Co)、銀(A
g)、ニッケル(Ni)及び鉄(Fe)等の遷移金属成
分が有効であり、貴金属成分では白金も有効であること
が認められているが、中でも銅を担持したCu−ゼオラ
イト系触媒は、高流速ガス条件下でも比較的優れたNO
x浄化能を示し、自動車のような小型移動発生源や定置
型の自家発電用エンジン等の排気ガス浄化への適用に期
待が掛けられている。
【0005】しかし、上記ゼオライト系触媒には、次の
問題点があるため、リーン条件で運転される自動車排気
ガス浄化用触媒としては実用化に至っていない。まず、
NOxを比較的効率良く浄化できる温度範囲が狭く、特
に150〜300℃の比較的低い温度領域では、十分な
NOx浄化能力が得られない。また、排ガス中に炭化水
素が比較的少ない場合、特にHC/NOx比が5以下と
なる条件では、NOx浄化能力が急激に低下する。更に
は、水蒸気を含む600℃以上の高温条件下(水熱条件
下)では、極めて劣化が大きいという問題点がある。
【0006】以上の問題点に関し、まず、低温領域での
NOx浄化能力の向上については、例えば、Cu−ゼオ
ライト系触媒層の下層に貴金属触媒層を設け、この貴金
属触媒層での反応熱を利用することにより、上層のCu
−ゼオライト系触媒をより低温から作動させることが既
に提案されている(特開平1−127044号公報及び
特開平5−68888号公報)。しかし、この場合は、
下層の貴金属触媒層における酸化反応熱のために劣化が
大きくなったり、更には、貴金属触媒層の持つ強い酸化
活性のためにHC類が優先的に酸化消費されてしまうの
で、NOx還元浄化率の低下を招くことが懸念される。
なお、この影響は、Cu−ゼオライト系触媒層と貴金属
成分を同一触媒層内に共存させる場合(特開平1−31
074号公報、特開平5−168939号公報)に特に
大きくなることが予想される。
【0007】また、Pt系触媒を用いれば、200〜2
50℃の比較的低温域でもNOxを転化できるが、N2
への転化のみではなく、N2Oへも転化するため、地球
環境への悪影響から、そのままでは使用できない状況に
ある。このように、Cu−ゼオライト系触媒、Pt系触
媒のいずれの触媒でも、低HC/NOx比の排ガス条件
では、NOx浄化能が不十分となっていた。
【0008】また、Cu−ゼオライト系触媒、Pt系触
媒以外の触媒系として、リン酸塩を用いた触媒も提案さ
れている。例えば、リン酸コバルトとリン酸ガリウムが
NOx還元活性を示すことが知られている(第80回触
媒討論会、大分大工、木村秀治他)が、これは空間速度
(SV)が小さく、排ガスの処理量が極めて少ない条件
下でのNOx還元活性であり、実際のエンジン排ガスへ
適用できるか否かは不明である。また、特定のリン酸塩
に貴金属成分を担持することにより、浄化性能が改善で
きることも知られている(木村、西口、石原、滝田、平
成9年度触媒研究発表会講演予稿集3A01)。しか
し、水が共存したり、酸素濃度が高い場合には活性が低
く、この手法でも実エンジン排ガスで十分な性能が得ら
れるか否かは不明である。
【0009】また、特開平6−55075号公報には、
リン酸塩を担体として、白金、パラジウム、ロジウム及
び金等の活性金属を担持した触媒が記載されているが、
該提案では、ディーゼルへの適用の記載があるものの、
具体的なデータを記載すべき実施例には、ストイキ排ガ
スでの性能が示されているに過ぎず、酸素濃度の高いリ
ーン排ガスでの性能は全く不明である。
【0010】特開平4−83516号公報には、前段に
シリカ、チタニア、ゼオライト及びアルミナから成る群
より選ばれた少なくとも1種の無機酸化物をHC改質材
として配置させ、後段に銅(Cu)、コバルト(C
o)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)及びパラジウム
(Pd)から成る群より選ばれた少なくとも1種のNO
x還元触媒を含むリーンNOx還元触媒を配置すること
が提案されている。本提案は前段触媒によりHC成分を
改質させ、後段触媒がNOx還元に利用しやすい形態の
HCを供給するという提案であるが、例えば150〜3
00℃程度の低排気温度条件では必ずしも前段HC改質
材が働くかどうかは疑問であり、その場合には、白金、
パラジウムのような比較的低温域でNOx還元活性を発
揮する触媒には効果が期待できず、且つ該温度域では、
銅、コバルト、ニッケルのような比較的高温域で働くN
Ox還元触媒では還元能が作用しないことが懸念され
る。
【0011】また、特開平6−146869号公報に
は、HC吸着作用とNOx還元作用とをあわせ持つ触媒
が提案されているが、排ガス上流側にNOx還元触媒
を、下流側にHCを吸着して除去する吸着剤を備える触
媒構成であり、上流側にHC吸着剤を、下流側にNOx
還元触媒を配置すると、NOx還元触媒が活性温度域に
ある場合にHCが吸着され、NOx還元触媒にHCが供
給されなくなるとしている。即ち、HC吸着効果を生か
すには、HCの放出、供給のタイミングが重要であり、
単純に組み合わせるだけでは逆効果となる場合もある。
上記特開平4−83516号公報の場合も、前段HC改
質材がチタニア、シリカ及びアルミナといった比較的H
C吸着能が低い材料の場合には、このようなHC吸着作
用による逆効果は考慮する必要はないと思われるが、ゼ
オライトはHC吸着能が高いため、後段触媒のNOx還
元能を阻害する可能性がある。
【0012】特開平10−57763号公報には、HC
吸着層の上に触媒担持層を形成することにより、触媒担
持層の触媒作用を促進させることが提案されている。本
提案は、低HC/NO比排ガスに対する1つの改善策だ
が、リーンNOx還元触媒の低排温対策にはならない。
【0013】特開平5−321655号公報には、特定
のHC及びCOのライトオフ特性を有するCu−結晶性
シリケートと3元触媒を組み合わせた排気浄化方法が提
案されている。本提案ではHCのライトオフ性能が重要
な因子とされているものの、HC吸着放出効果には言及
されておらず、実施例として排気中にHCを添加する例
が述べられていることから、本触媒による低HC/NO
x比対応は難しいことが懸念される。
【0014】特開平7−19031号公報には、前段に
HC吸着材(ゼオライト)、後段にNOx還元触媒(C
u−ゼオライト系)を配置する排気ガス浄化装置が提案
されている。本提案では、更にHCを排気中に供給でき
るようになっているが、結局HC/NOx比の改善によ
るNOx還元触媒の性能向上を狙いとしており、低排温
時のNOx浄化に対しては有効とは言えない。
【0015】特開平7−124479号公報及び特開平
7−144134号公報には、リンと銅の化合物をゼオ
ライトに担持して、耐久性能の高いNOx還元触媒を得
ることが記載されているが、低温且つHC/NOx比の
低い実エンジン排ガス条件でのNOx転化率に関して
は、必ずしも高いとは言い難く、よりいっそうの改善が
必要である。
【0016】上述の如く、Cu−ゼオライト系触媒、P
t系触媒、その他いずれの触媒でも、低HC/NOx比
の排ガス条件では、NOx浄化能が不十分となる。そこ
で、還元剤となるHC類、アルコール類等を触媒層の入
口に2次的に供給する浄化方法も提案されている。この
場合、還元剤のタンクを車載する方法、あるいは燃料を
還元剤に直接利用する方法等が提案されているが、前者
の場合にはタンク搭載場所の確保や重量増という問題が
あり、後者の場合にはエンジンの燃費が犠牲になるとい
う問題が生ずる。
【0017】更に、特許掲載第2600492号公報に
は、リーンバーン排ガス中の窒素酸化物を高効率で浄化
するための浄化装置として、流入する排気ガスの空燃比
がリーンであるときにNOxを吸収し、流入する排気ガ
スの酸素濃度を低下させるとNOxを放出する、NOx
吸収剤を使った装置が記載されている。しかしながら、
この装置では、吸収したNOxを放出し、還元浄化する
ために、エンジンを理論空燃比又はリッチで運転した
り、炭化水素を還元剤として排気通路に供給することが
必要であり、上記同様、エンジンの燃費が犠牲になった
り、還元剤を貯えるタンク搭載場所の確保や重量の増加
から、結局、エンジンの燃費が犠牲になるという問題が
生ずる。
【0018】また、特願平6−524106号にも、貴
金属系触媒を、排ガスと酸化雰囲気(リーン)下に接触
させて該排ガス中の窒素酸化物を該触媒に吸着させ、次
いで該排ガス中に還元物質を間欠的に導入することによ
り排ガス中の窒素酸化物を除去する方法が提案されてい
る。本法も特許掲載第2600492号公報と同様に、
還元剤を排気通路に供給することが必要であり、還元剤
として燃料を用いる場合はエンジンの燃費が犠牲になっ
たり、燃料以外の還元剤を用いる場合は、それを貯える
タンク搭載場所の確保や重量の増加からも結局、エンジ
ンの燃費が犠牲になるという問題が生ずる。更に、上記
の提案では、いずれも200℃あるいはそれ以下の低温
の排気ガスに対しての有効性は不明である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のCu−ゼオライト系触媒、Pt系触媒その他いずれの
触媒においても、低HC/NOx比の排ガス条件では、
NOx浄化能が不十分となるという課題があった。一
方、従来の排ガス浄化用触媒装置では、低排ガス温度及
び低HC/NOx比条件のリーンバーン排ガスにおいて
NOxの還元浄化が進み難く、また、NOx還元浄化率
を高めるために、還元剤を供給したり、エンジンを理論
空燃比又はリッチ条件で運転する必要があり、この結
果、燃費悪化が避けられないという課題があった。
【0020】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、特に、低排ガス温度及び低HC/NOx比条件に係
るリーンバーン排ガスに対して優れた浄化性能を有し、
NOx還元浄化効率を大幅に向上させた排ガス浄化用N
Ox吸着還元触媒、及びこれを用いた排ガス浄化システ
ムを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、リーンバーン排ガ
スの浄化に関し、NO2の生成とその触媒表面への吸
着、更に吸着NOxの還元浄化特性に対して、還元ガス
成分(HC及び/又はCO)の濃度変動が重要な要因と
なることを知見し、このNO2の生成安定温度域に着目
した触媒機能の調整などにより、上記課題が解決できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0022】即ち、本発明の排ガス浄化用NOx吸着還
元触媒は、酸素過剰排ガスを浄化し得るNOx吸着還元
触媒であって、白金と、硝酸塩の標準生成ギブスエネル
ギーが−40〜−700kJ/molであるNOx吸着
性向上成分を含有し、上記酸素過剰排ガス中で、次式 2NO+O→2NO… で表される反応が進行し、生成したNOが安定である
NO2生成安定温度域において、NOxを吸着でき、且
つNOxを還元できることを特徴とする。
【0023】また、本発明のNOx吸着還元触媒の好適
形態は、上記NOx吸着性向上成分が、アルカリ、アル
カリ土類、希土類、VIIA族、VIII族、IB族及びIIB族
から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であるこ
とを特徴とする。
【0024】更に、本発明のNOx吸着還元触媒の他の
好適形態は、白金及び上記NOx吸着性向上成分が、比
表面積が60m/g以上の耐火性無機担体、例えばア
ルミナ、シリカ、ゼオライト、マグネシア、チタニア及
びジルコニアから成る群より選ばれた少なくとも1種の
無機酸化物に、担持されて成ることを特徴とする。
【0025】また、本発明の排ガス浄化システムは、上
述の如きNOx吸着還元触媒を酸素過剰排ガスの通路に
設置して成る排ガス浄化システムであって、上記NO2
生成安定温度域において、上記NOx吸着還元触媒の入
口における炭化水素類及び/又は一酸化炭素の濃度を変
動させるHC・CO濃度変動手段を、上記NOx吸着還
元触媒の通路上流側に設置して成ることを特徴とする。
【0026】更に、本発明の排ガス浄化システムの好適
形態は、上記HC・CO濃度変動手段が、上記NO2生
成安定温度域にある特定温度T℃未満でHCを吸着し、
T℃以上の高温域でHCを放出するHC吸着放出材を備
え、この特定温度Tが、300℃未満であることを特徴
とする。
【0027】また、本発明の排ガス浄化システムの他の
好適形態は、上記HC吸着放出材が、MFIゼオライ
ト、Y型ゼオライト、モルデナイト及びβゼオライトか
ら成る群より選ばれた少なくとも1種のゼオライトを含
有することを特徴とする。
【0028】更にまた、本発明の排ガス浄化システムの
更に他の好適形態は、上記HC吸着放出材に、銅、コバ
ルト、銀、インジウム、イリジウム及びロジウムから成
る群より選ばれた少なくとも1種のNOx還元成分と、
リン酸塩を含有させて成り、望ましくは、このHC吸着
放出材が、上記リン酸塩を含む層に上記NOx還元成分
を含む層を積層して成る多層構造を採ることを特徴とす
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排ガス浄化用NO
x吸着還元触媒について詳細に説明する。上述の如く、
本発明のNOx吸着還元触媒は、白金と、所定のNOx
吸着性向上成分を含有し、酸素過剰排ガスを浄化し得る
ものである。
【0030】ここで、NOx吸着還元触媒の構成成分で
あるPtは、NOxの還元浄化を担う成分である。一
方、NOx吸着性向上成分は、当該元素の硝酸塩の標準
生成ギブスエネルギーが−40〜−700kJ/mol
のものであり、この成分がNOxの吸着効率を高めるこ
とにより、本発明のNOx吸着還元触媒の高い還元効率
が実現される。硝酸塩の標準生成ギブスエネルギーが上
述の範囲を逸脱すると、期待した還元能が得られない。
即ち、エネルギー値が低い(<700KJ/mol)場
合には、NOx吸着力が強すぎてNOx還元が不十分と
なり、また、エネルギー値が高い(>−40KJ/mo
l)場合には、NOx吸着が困難となるため、所望のN
Ox還元ができなくなる。かかるNOx吸着性向上成分
の具体例としては、アルカリ、アルカリ土類、希土類、
VIIA族、VIII族、IB族又はIIB族の元素、及びこれら
の任意の混合物を挙げることができるが、特にNa、C
e、K、Mg及びLaが好適である。
【0031】なお、これらPt及びNOx吸着性向上成
分は、比表面積が60m/g以上の耐火性無機担体に
担持して用いることが好ましく、これにより、各成分の
分散性を向上できるので、各成分の機能をいっそう有効
に発揮させることが可能になる。かかる耐火性無機担体
としては、アルミナ、シリカ、ゼオライト、マグネシ
ア、チタニア又はジルコニア及びこれらの任意の混合物
に係る無機酸化物を挙げることができるが、2元化した
無機酸化物として、シリカ−アルミナ、アルミナ−ジル
コニア又はアルミナ−マグネシアを用いるのも効果的で
ある。
【0032】また、このNOx吸着還元触媒は、次式 2NO+O→2NO… で表される反応が進行し、生成したNOが安定である
NO2生成安定温度域において、酸素過剰排ガス中のN
Oxを吸着し、且つNOxを還元する機能を有し、後述
する本発明の排ガス浄化システムに好適に用いられる。
本発明の触媒において、かかるNOx吸着還元特性が重
要である理由については、以下の排ガス浄化システムと
の関係で説明する。
【0033】次に、本発明の排ガス浄化システムについ
て説明する。上述の如く、この排ガス浄化システムは、
上記NOx吸着還元触媒を酸素過剰排ガスの通路に設置
し、その通路上流側に、所定のHC・CO濃度変動手段
を設置して成る。
【0034】ここで、酸素過剰排ガスは、文字通り酸素
が過剰に含まれている排ガスを意味し、HC、CO及び
NOx等を含み空燃比(A/F)が理論空燃比14.7
より大きい運転条件でのエンジン排ガスがこれに該当す
るが、本発明の排ガス浄化システムでは、特にA/F=
18以上で、排ガス温度が100〜450℃程度の低排
気温度を含むリーンバーン排ガスを浄化することが可能
である。
【0035】なお、本発明の排ガス浄化システムにおい
ては、リーンバーン排ガスを一時的とは言え意図的に理
論空燃比又はリッチに雰囲気調整したり、炭化水素を還
元剤として該リーンバーン排ガスに付加することは不要
であり、更には、HC・CO濃度変動手段(代表的に
は、HC吸着及び放出機能を有する材料)を設けること
などにより、炭化水素濃度を一旦減少させた後に増加さ
せる点においても、上記特許掲載2600492号公報
や特願平6−524106号公報等に記載の装置や浄化
方法とは構成が全く異なる。
【0036】換言すれば、本発明の排ガス浄化システム
は、具体的には、A/Fが常時18以上のリーン域にあ
り、且つ排気温度が200℃程度あるいはそれ以下の温
度を含む排ガスを有効に浄化し得るシステムであり、か
かる浄化特性のために、強制的なストイキ〜リッチへの
雰囲気制御や還元剤の添加を必要とせず、利便性に優
れ、且つ低コスト化及び省スペース化を図れるシステム
である。但し、自動車排ガスに適用した場合、急加速運
転時などに排ガスがストイキ〜リッチ、400℃以上の
温度になることも考えられ、このような排ガスにも本発
明のシステムを適用でき、浄化できるのは勿論である
が、本発明はかかる運転等を必須条件としないのは言う
までもない。
【0037】上記HC・CO濃度変動手段は、NOx吸
着還元触媒の入口における炭化水素類及び/又は一酸化
炭素の濃度を、上記式に関するNO2生成安定温度域
において変動させる機能を果たす。この濃度変動手段の
一例としては、次式 2NO+O→2NO… で表される反応が進行し、生成したNO2が安定である
温度域(NO2生成安定温度域)に存在する特定温度T
℃未満でHCを吸着し、これよりも高温域でHCを放出
する機能を果たす、HC吸着放出材を挙げることができ
る。
【0038】一方、上述したNOx吸着還元触媒は、上
記特定温度T℃未満でNOxを吸着し、これより高温域
でNOxを還元する機能を果たすが、かかるNOx還元
能は、NO2生成安定温度域に依存するものではなく、
NO2生成安定温度域内やそれ以上の温度域でも発揮さ
れる。
【0039】なお、本発明においては、上述のNO2生
成温度域における特定温度Tが300℃以下となるよう
に、HC吸着放出材を選定・調整することが好ましい
が、かかる選定・調整は、排ガス中のHC種に応じて行
うことができる。このように、本発明の排ガス浄化シス
テムの好適形態としては、排ガス通路の上流側に、流入
するリーンバーン排ガスが300℃未満の温度域でHC
を吸着し、300℃以上の温度域でHCを放出するHC
吸着放出材を設置し、排ガス通路内の下流側に、流入す
るリーンバーン排ガスが300℃未満の温度域でNOx
を吸着し、300℃以上の温度域でNOxを還元浄化す
るNOx吸着還元触媒を設置して成る構成を挙げること
ができる。
【0040】かかる構成において、流入する排ガスが3
00℃未満である温度域では、HC吸着材によるHC吸
着除去効果により、下流側触媒へのHC流入量が減少す
る。そして、このようなHCの少ない条件下では、下流
に設けたNOx吸着還元触媒のNOx吸着効果が大幅に
強化され、低排気温度のエンジン運転条件時に排出され
るNOxを極めて高い効率で除去できることになる。次
いで、排ガスが300℃以上の温度域になると、上流側
のHC吸着放出材から脱離したHCが、下流のNOx吸
着還元触媒に流入して濃縮され、吸着されたNOxに接
触してNOxを還元浄化するが、この際、NOx吸着還
元触媒の表面において高いHC/NOx比が確保される
ため、効率の良いNOx還元浄化率を実現できる。
【0041】ここで、高い還元浄化率を実現するために
は、触媒表面上の吸着NOxの反応性が重要である。本
発明は、この吸着NOxの反応性を高めるのに有効な添
加物を探索し、該添加元素の硝酸塩の標準生成ギブスエ
ネルギーが−40〜−700kJ/molである場合
に、特に反応性が向上することに注目したものある。触
媒表面上にNOxが吸着される場合、非常に安定な硝酸
塩が形成されると、HCとの反応性は大幅に低下する。
一方、NOxを触媒表面に吸着保持できない場合にも浄
化率は不十分になり、且つNO生成が避けられない。
即ち、硝酸塩の標準生成自由エネルギーが上述の範囲内
の場合に最適なNOx吸着状態となり、低排温条件でN
Ox吸着除去、高排温条件でNOx還元除去が高効率で
可能になると考えられる。
【0042】上述のように、本発明の排ガス浄化システ
ムでは、300℃未満の比較的低温域の条件下では、専
らNOx吸着によって排ガスを浄化するため、Pt系触
媒を用いた場合の問題点となる地球温暖化ガスの1つで
あるNOの生成を抑えることができる。
【0043】また、本発明の浄化システムにおいて、上
記HC吸着放出材及びNOx吸着還元触媒の排ガス通路
における設置態様は、特に限定されるものではないが、
HC吸着放出材及びNOx吸着還元触媒を、後述する一
体構造型の担体、例えばハニカム状モノリス型担体にコ
ートし、HC吸着放出材を排ガスの上流側、NOx吸着
還元材をその下流側に配置し、両者を排ガスの流れに直
列に配置して行うことが好ましい。なお、かかるHC吸
着放出材及びNOx吸着還元触媒の個数は、特に限定さ
れるものではなく、各1個以上の合計2個(1対)以上
とすればよく、HC吸着放出材1個に対しNOx吸着還
元材2個としてもよく、更には、2対以上としてもよ
い。
【0044】上述のように、本発明の排ガス浄化システ
ムの好適形態及び構成は、排ガス上流側にHC吸着放出
材を、下流側にNOx吸着還元材を配置するものであ
り、見掛け上は、従来例(例えば、特開平4−8351
6号公報、特開平6−146869号公報及び特開平7
−19031号公報等)と類似している。しかしなが
ら、HC吸着放出機能によるHC(還元剤)濃度の変動
とNOx吸着機能とを組み合わせて、NOx還元反応を
促進させるという発想、特に300℃未満の低排気温度
条件でHC濃度を減少させることにより、触媒表面上に
NOxを吸着させておき、300℃以上の排気温度条件
で該吸着NOxにHCを接触させることにより、A/F
が18以上で且つ200℃程度あるいはそれ以下の低排
気温度条件を含む酸素過剰条件下でも、NOの生成を
殆ど起こさずにNOx還元反応が大幅に促進されるとい
う現象は、従来知られていなかったものであり、この現
象を利用したのが本発明の特徴である。また、触媒とし
ては、排ガス下流側のNOx還元触媒に対して、特に3
00℃未満の低排気温度でのNOx吸着能を付与したこ
とが特徴となる。
【0045】次に、上述したHC吸着放出材の材質等に
ついて説明する。HC吸着放出材としては、MFIゼオ
ライト、Y型ゼオライト、モルデナイト又はβゼオライ
ト及びこれらの任意の混合物を含む材料を用いることが
でき、これらがHCを高い効率で吸着する機能を果た
す。
【0046】また、かかるHC吸着放出材には、銅(C
u)、コバルト(Co)、銀(Ag)、インジウム(I
n)、イリジウム(Ir)又はロジウム(Rh)及びこ
れらの任意の混合物を添加することができ、これらのN
Ox還元成分を添加することにより、HC吸着放出材に
NOx還元浄化能をも付加し、排ガスの浄化効率をより
一層高めることができる。
【0047】更に、HC吸着放出材には、リン酸塩を添
加することが可能であり、これにより、HC放出能の強
化及びNOx還元浄化の促進を可能にする。かかるリン
酸塩としては、銅(Cu)、銀(Ag)、マグネシウム
(Mg)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、クロム(C
r)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マン
ガン(Mn)、コバルト(Co)又はニッケル(Ni)
及びこれらの任意の組合せに係る元素のリン酸塩を例示
できる。なお、上記リン酸塩は、吸着したHC、特にカ
ーボン数の多い重質HCに対しては部分酸化反応、又は
酸化的脱水素反応のような改質反応を起こし、これらを
NOx還元反応に対して利用し易いHC種に変換する機
能をも果たすものと考えられる。
【0048】また、上述したCu及びCo等のNOx還
元成分やリン酸塩は、比表面積が60m2/g以上の耐
火性無機担体に担持して用いることが好ましく、これに
より、各成分の分散性を向上できるので、各成分の機能
をいっそう有効に発揮させることが可能になる。かかる
耐火性無機担体としては、アルミナ、シリカ、ゼオライ
ト、マグネシア、チタニア又はジルコニア及びこれらの
任意の混合物に係る無機酸化物を挙げることができる
が、2元化した無機酸化物として、シリカ−アルミナ、
アルミナ−ジルコニア又はアルミナ−マグネシアを用い
るのも効果的である。なお、上記NOx還元成分用の無
機酸化物としては、ゼオライトが特に有効であり、特に
好ましいゼオライト種としては、MFIゼオライト又は
モルデナイトが挙げられる。
【0049】上述したHC吸着放出材の好適形態として
は、上記リン酸塩を担持した耐火性無機酸化物層を形成
し、この上に、上記NOx還元成分を担持した耐火性無
機酸化物層を積層した構成を挙げることができ、かかる
構成を採用することにより、各成分の機能を効果的に働
かせることができる。即ち、リン酸塩を含有する下層に
吸着されたHCは、改質されながら下層を脱離し、上層
を通過する際にNOxを還元浄化するのである。層の構
成を逆にし、リン酸塩の層を上層に設けると、改質され
たHCが、上記NOx還元成分を担持した耐火性無機酸
化物層を通過せずに、そのまま気相に流出するため、N
Ox還元に利用される確率が向上せず、HC改質の効果
が得られなくなる。
【0050】本発明の浄化システムにおいては、以上に
説明したHC吸着放出材及びNOx吸着還元触媒は、一
体構造型の担体にコートして使用することが好ましい。
かかる一体構造型担体としては、通常、ハニカム状の担
体が広く用いられており、上述した各種成分はこのハニ
カム担体に被覆して用いることが好ましく、このような
被覆使用により、異なる機能を有する各種成分層を簡易
に多層化することが可能となる。
【0051】上記ハニカム担体としては、一般にコージ
ェライト質のものが広く用いられているが、これに限定
されるものではなく、金属材料から成るハニカム担体も
有効である。なお、触媒の形状、即ちHC吸着放出材及
びNOx吸着還元触媒の形状をハニカム状とすることに
より、触媒と排ガスとの接触面積が大きくなり、圧力損
失も抑えられるため、振動があり、且つ限られた空間内
で多量の排ガスを処理することが要求される自動車用触
媒として用いる場合に有利となる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれに実施例に限定される
ものではない。
【0053】(実施例1) (1)上流側(前段)HC吸着放出触媒の製造 ピロリン酸銅を含むアンモニア塩基性水溶液を調製し、
比表面積が約220m /gのベーマイトアルミナを添
加して良く撹拌した後、120℃で24時間以上乾燥し
た。次いで、500℃で2時間焼成してピロリン酸銅を
10wt%担持したアルミナ粉を得た。
【0054】このピロリン酸銅/アルミナ粉末をSiO
/Al比が約30のH型βゼオライトの粉末と
1:1で混合し、更にアルミナゾル及び水と混合し、磁
性ボールミルポットに入れてから、約30分間混合・粉
砕してスラリーを得た。この際、アルミナゾルの添加量
は、Alとしてピロリン酸銅/アルミナ粉末とH
型βゼオライトの粉末の混合粉に対して10wt%とし
た。このスラリーを、1平方インチ断面当たり約400
個の流路を持つコージェライト質ハニカム担体1.0L
上にコーティングし、次いで、150℃で熱風乾燥し、
500℃で1時間焼成して該混合粉末のコート量が約1
00g/Lのハニカム触媒体Aを得た。
【0055】濃度0.2Mの硝酸銅水溶液の中に、Si
/Al比が約35のNH 型MFIゼオライ
トの粉末を添加して良く撹拌し、次いで、濾過すること
により固液を分離した。上記の撹拌・濾過操作を4回繰
り返すことにより、Cuをイオン交換担持したMFIゼ
オライトの触媒ケーキを得た。このケーキを、乾燥器を
用いて120℃で24時間以上乾燥し、次いで、電気で
大気雰囲気下550℃で4時間焼成することにより、C
uが3.3wt%担持されたCu−MFIゼオライト触
媒粉を得た。
【0056】このCu−MFIゼオライト触媒粉をアル
ミナゾル及び水と混合し、磁性ボールミルポットに入
れ、約20分間混合・粉砕してスラリーを得た。この
際、アルミナゾルの添加量は、AlとしてCu−
MFIゼオライト触媒粉末の混合粉に対して10wt%
とした。このスラリーを上記ハニカム触媒体1Aにコー
ティングし、次いで、150℃熱風乾燥し、500℃で
1時間焼成して該Cu−MFIゼオライト触媒粉末のコ
ート量が約180g/Lのハニカム触媒体HCを得た。
【0057】(2)下流側(後段)NOx吸着還元触媒
の製造 Pt濃度が約4wt%のジニトロジアンミンPt水溶液
に、比表面積が約220m/gのベーマイトアルミナ
を添加して良く撹拌した後、120℃で24時間以上乾
燥した。次いで、500℃で4時間焼成してPtを3w
t%担持したアルミナ粉を得た。次に、このPt/Al
粉を硝酸酸性アルミナゾル及び水と混合し、磁性
ボールミルポットで30分間粉砕してスラリーとした。
この際、硝酸酸性アルミナゾルの添加量はPt/Al
粉に対して、1wt%とした。このスラリーを約4
00個の流路を持つコージェライト質ハニカム担体1.
2L上にコーティングし、次いで、150℃で熱風乾燥
し、500℃で1時間焼成して該混合粉末のコート量が
約120g/Lのハニカム触媒体Bを得た。
【0058】次に、硝酸マグネシウム水和物を用いて水
溶液とし、上記ハニカム触媒体Bを含浸し、Pt/Al
にMgをMg:Alのモル比で約3:97となる
ように担持し、120℃で2時間以上乾燥した後、60
0℃で4時間焼成してハニカム触媒体1を得た。
【0059】(3)排ガス浄化装置の製造 触媒コンバーターに、上記ハニカム触媒体HCとハニカ
ム触媒体1を直列に組み込み、触媒容量2.2Lの排ガ
ス浄化装置1を得た。
【0060】(実施例2及び3) 下流側(後段)NOx吸着還元触媒の製造 硝酸マグネシウム水和物を硝酸ナトリウム及び硝酸カリ
ウムに代えた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
し、実施例2及び3のハニカム触媒体2及び3を得、更
に排ガス浄化装置2及び3を得た。
【0061】(比較例1〜4) 下流側(後段)NOx吸着還元触媒の製造 硝酸マグネシウム水和物を酢酸バリウム、硝酸カルシウ
ム、硝酸ストロンチウム及び硝酸銀に代えた以外は、実
施例1と同様の操作を繰り返し、比較例1〜4のハニカ
ム触媒体Ref1〜4を得、更に排ガス浄化装置Ref
1〜4を得た。
【0062】[触媒性能試験例]4気筒2.0L直噴型
ディーゼルエンジンを備えたエンジンダイナモ装置を用
いて、上述のようにして得られた各種排ガス浄化装置の
排ガス浄化性能を評価した。なお、本排ガス浄化装置に
おける触媒入り口温度は、エンジンの負荷を変えること
により制御できるようになっている。排ガス浄化装置性
能評価では、触媒入り口温度を180℃で3分間保持し
た後、約5分間で470℃まで昇温した。この間の排ガ
ス浄化装置の入り口及び出口のNOx濃度をディーゼル
排ガス用NOxモニターで測定し、昇温過程での平均N
Ox浄化率を算出した。
【0063】上記排ガス浄化装置の性能評価中の排ガス
中の平均HC/NOx比は、180℃で約3.4、昇温
過程では約1.1であった。排ガスの触媒への流入量
(空間速度)は約32000h−1であった。同時にN
Oモニターを用いてNO生成量も測定した。実施例
及び比較例の浄化装置によるNOx浄化性能を表1に示
し、各触媒装置における触媒の構成も併記した。
【0064】
【表1】
【0065】表1より、本発明の範囲に属する実施例1
〜4の浄化装置では、極めて高い効率でNOxを浄化し
ていることが分かる。また、Pt系触媒を用いた場合の
難点とされてきたNO生成量は極めて少なく、地球温
暖化防止にも効果的であることが分かる。また、このと
き、Pt/Al触媒に含浸担持した元素の硝酸塩
の標準生成ギブスエネルギーが、−40〜−700kJ
/molであると、特にNOx吸着還元効果が高く、本
発明の有効性が実証された。
【0066】以上、本発明を好適実施例により詳細に説
明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
なく、本発明の開示の範囲内において種々の変形が可能
である。例えば、実施例において、HC吸着触媒とNO
x吸着還元触媒は、各種成分をそれぞれ別個のハニカム
状担体にコートすることにより作製したが、各種成分を
1個のハニカム状担体にコートし、その際、当該ハニカ
ム担体の上流側部分にHC吸着触媒成分をコートし、残
りの下流側にNOx吸着還元触媒成分をコートすること
により、1個のハニカム状担体にHC吸着放出触媒とN
Ox吸着還元触媒を形成することも可能である。
【0067】また、NOx吸着還元触媒はPtを含むも
のであるが、NOxの還元浄化能を有し、且つ本発明の
所期の効果を得られるようであれば、Pt以外の他の元
素を用いることも可能である。更に、HC・CO濃度変
動手段の具体例として、上記HC吸着放出材を用いた
が、これに限定されるものではなく、上述したNO2生
成安定温度域において、同様の機能を果たすような材
料、部材及び要素であれば使用可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
NO2の生成温度域に着目して触媒機能を調整すること
などとしたため、特に、低排ガス温度及び低HC/NO
x比条件に係るリーンバーン排ガスに対して優れた浄化
性能を有し、NOx還元浄化効率を大幅に向上させた排
ガス浄化システム、及びNOx吸着還元触媒を提供する
ことができる。即ち、本発明によれば、200℃程度あ
るいはそれ以下の低温を含み且つ平均HC/NOx比が
2以下の条件の排ガス浄化が高効率で浄化可能となるた
め、地球温暖化問題を含めて環境汚染が少ない、経済性
(燃費)に優れた自動車を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/08 F01N 3/28 301C 3/28 301 B01D 53/36 102H 103B (72)発明者 上條 元久 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 上久保 真紀 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AB06 AB09 AB10 BA03 BA04 BA14 BA15 BA39 FA02 FA04 FB02 FB03 FB10 FC07 GA06 GA18 GB01W GB01X GB01Y GB02Y GB03Y GB05W GB05Y GB06W GB09X GB09Y GB10X GB10Y GB12Y GB16X GB16Y HA08 HA18 HA20 HA47 4D048 AA06 AB02 AB03 BA01X BA03X BA06Y BA08Y BA11Y BA14X BA15X BA30X BA41X BA41Y BB02 CC38 CD01 DA01 DA09 EA04 4G069 AA03 BA01A BA01B BA02A BA05A BA06A BA06B BA07A BC02A BC02B BC03A BC03B BC75A BC75B CA03 CA08 CA10 CA13 DA06 EA18 EC02X

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素過剰排ガスを浄化し得るNOx吸着
    還元触媒であって、 白金と、硝酸塩の標準生成ギブスエネルギーが−40〜
    −700kJ/molであるNOx吸着性向上成分を含
    有し、 上記酸素過剰排ガス中で、次式 2NO+O→2NO… で表される反応が進行し、生成したNOが安定である
    NO2生成安定温度域において、NOxを吸着でき、且
    つNOxを還元できることを特徴とする排ガス浄化用N
    Ox吸着還元触媒。
  2. 【請求項2】 上記NOx吸着性向上成分が、アルカ
    リ、アルカリ土類、希土類、VIIA族、VIII族、IB族及
    びIIB族から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素
    であることを特徴とする請求項1記載のNOx吸着還元
    触媒。
  3. 【請求項3】 白金及び上記NOx吸着性向上成分は、
    比表面積が60m/g以上の耐火性無機担体に担持さ
    れて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のNOx
    吸着還元触媒。
  4. 【請求項4】 上記耐火性無機担体が、アルミナ、シリ
    カ、ゼオライト、マグネシア、チタニア及びジルコニア
    から成る群より選ばれた少なくとも1種の無機酸化物で
    あることを特徴とする請求項3記載のNOx吸着還元触
    媒。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載
    のNOx吸着還元触媒を酸素過剰排ガスの通路に設置し
    て成る排ガス浄化システムであって、 上記NO2生成安定温度域において、上記NOx吸着還
    元触媒の入口における炭化水素類及び/又は一酸化炭素
    の濃度を変動させるHC・CO濃度変動手段を、上記N
    Ox吸着還元触媒の通路上流側に設置して成ることを特
    徴とする排ガス浄化システム。
  6. 【請求項6】 上記HC・CO濃度変動手段が、上記N
    O2生成安定温度域にある特定温度T℃未満でHCを吸
    着し、T℃以上の高温域でHCを放出するHC吸着放出
    材を備えることを特徴とする請求項5記載の排ガス浄化
    システム。
  7. 【請求項7】 上記特定温度Tが、300℃未満である
    ことを特徴とする請求項6記載の排ガス浄化システム。
  8. 【請求項8】 上記HC吸着放出材が、MFIゼオライ
    ト、Y型ゼオライト、モルデナイト及びβゼオライトか
    ら成る群より選ばれた少なくとも1種のゼオライトを含
    有することを特徴とする請求項6又は7記載の排ガス浄
    化システム。
  9. 【請求項9】 上記HC吸着放出材に、銅、コバルト、
    銀、インジウム、イリジウム及びロジウムから成る群よ
    り選ばれた少なくとも1種のNOx還元成分を添加して
    成ることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つの項
    に記載の排ガス浄化システム。
  10. 【請求項10】 上記HC吸着放出材に、リン酸塩を含
    有させて成ることを特徴とする請求項6〜9のいずれか
    1つの項に記載の排ガス浄化システム。
  11. 【請求項11】 上記HC吸着放出材が、上記リン酸塩
    を含む層に上記NOx還元成分を含む層を積層して成る
    多層構造を採ることを特徴とする請求項10記載の排ガ
    ス浄化システム。
  12. 【請求項12】 上記リン酸塩が、銅、銀、マグネシウ
    ム、亜鉛、錫、モリブデン、タングステン、マンガン、
    コバルト及びニッケルから成る群より選ばれた少なくと
    も1種の元素のリン酸塩であることを特徴とする請求項
    10又は11記載の排ガス浄化システム。
  13. 【請求項13】 上記NOx還元成分及び/又はリン酸
    塩は、比表面積が60m2/g以上の耐火性無機担体に
    担持されていることを特徴とする請求項9〜12のいず
    れか1つの項に記載の排ガス浄化システム。
  14. 【請求項14】 上記耐火性無機担体が、アルミナ、シ
    リカ、ゼオライト、マグネシア、チタニア及びジルコニ
    アから成る群より選ばれた少なくとも1種の無機酸化物
    であることを特徴とする請求項13記載の排ガス浄化シ
    ステム。
JP11107511A 1999-04-15 1999-04-15 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化システム Pending JP2000297627A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11107511A JP2000297627A (ja) 1999-04-15 1999-04-15 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11107511A JP2000297627A (ja) 1999-04-15 1999-04-15 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000297627A true JP2000297627A (ja) 2000-10-24

Family

ID=14461067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11107511A Pending JP2000297627A (ja) 1999-04-15 1999-04-15 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000297627A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004513280A (ja) * 2000-10-31 2004-04-30 エミテク・ゲゼルシャフト・フュール・エミシオーンテクノロギー・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 小体積Nox吸着体
US7399729B2 (en) 2003-12-22 2008-07-15 General Electric Company Catalyst system for the reduction of NOx
JP2008291672A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Nissan Diesel Motor Co Ltd エンジンの排気浄化装置
JP2009082776A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hitachi Ltd 触媒材料の探索方法と探索装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004513280A (ja) * 2000-10-31 2004-04-30 エミテク・ゲゼルシャフト・フュール・エミシオーンテクノロギー・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 小体積Nox吸着体
JP2008115866A (ja) * 2000-10-31 2008-05-22 Emitec Ges Fuer Emissionstechnologie Mbh 小体積Nox吸着体
US7399729B2 (en) 2003-12-22 2008-07-15 General Electric Company Catalyst system for the reduction of NOx
JP2008291672A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Nissan Diesel Motor Co Ltd エンジンの排気浄化装置
JP2009082776A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hitachi Ltd 触媒材料の探索方法と探索装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4757027B2 (ja) 窒素酸化物素酸化物を接触還元するための触媒
KR102010602B1 (ko) 촉매화 기질 및 내연기관용 배기 시스템
USRE39553E1 (en) SOx tolerant NOx trap catalysts and methods of making and using the same
JP4740217B2 (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法
EP0935055A2 (en) Device for purifying oxygen rich exhaust gas
JP4901129B2 (ja) 窒素酸化物接触還元用触媒
US20030039597A1 (en) Close coupled catalyst with a SOx trap and methods of making and using the same
US6489259B2 (en) Mixed zeolite NOx catalyst
JPH11221466A (ja) 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化方法
JP3407901B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒、該触媒の製造方法、および排気ガス浄化方法
JP4501166B2 (ja) 排ガス浄化システム
JP2005111436A (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP2000297627A (ja) 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化システム
EP2141333B1 (en) Exhaust gas purifying apparatus
JPH10165819A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその使用方法
JP3695394B2 (ja) 排気ガス浄化装置および製造方法
JP4290391B2 (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP3721112B2 (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒
JP2000042415A (ja) 炭化水素改質材を用いた排気ガス浄化用触媒
JPH07328448A (ja) 排気ガス浄化触媒および排気ガス浄化装置
JPH1147605A (ja) 排ガス浄化用触媒及び浄化方法
JP2005023895A (ja) 希薄燃焼方式内燃機関の排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置
JPH08141405A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化用触媒
JPH11138005A (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2000015104A (ja) 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化方法