JP2000296545A - 配向管状体の連続製造方法 - Google Patents

配向管状体の連続製造方法

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JP2000296545A
JP2000296545A JP11106652A JP10665299A JP2000296545A JP 2000296545 A JP2000296545 A JP 2000296545A JP 11106652 A JP11106652 A JP 11106652A JP 10665299 A JP10665299 A JP 10665299A JP 2000296545 A JP2000296545 A JP 2000296545A
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diameter
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molding
die body
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JP11106652A
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Keisuke Shimazaki
圭介 島崎
Kotaro Tsuboi
康太郎 坪井
Takehisa Sugaya
武久 菅谷
Koichiro Iwasa
航一郎 岩佐
Naoki Ueda
直樹 植田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配向制御、および、厚肉品の成形や高速成形が
可能であるとともに、低い押出圧力で連続的に高粘度な
樹脂を用いた成形や高倍率な延伸を行うことができる熱
可塑性樹脂成形品の連続製造方法を提供することを目的
としている。 【解決手段】このダイ本体内に挿入され、ダイ本体との
間で管状の成形用通路を形成するマンドレルに、拡径コ
ア部を設けるとともに、成形用通路内に供給された原料
樹脂をダイ内で架橋させたのち、得られた架橋樹脂管状
体をこの拡径コア部で溶融状態のまま拡径するとともに
薄肉化し、冷却固化させる連続製造方法であって、前記
拡径コア部を、円錐台の側面の母線とその回転中心軸と
のなす角度が10°以上30°以下の円錐台形状にし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向管状体の連続
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高強度化を狙いとして成形中に樹脂を延
伸させるようにした熱可塑性樹脂成形品の製造方法が、
既に特公平4−55379号公報、特表平5−5019
93号公報、特公平2−58093号公報等で開示され
ている。しかしながら、上記公報に開示された製造方法
には、それぞれつぎのような問題があった。
【0003】〔特公平4−55379号公報の製造方
法〕特公平4−55379号公報の製造方法では、ダイ
の下流側から引抜くことによって延伸を行うようになっ
ており、マンドレルの拡径コア部で原料管を拡径するこ
とで付与した周方向への配向が軸方向への引抜き力によ
り緩和されるため、軸方向への優先配向となり、配向制
御の任意性に劣る。
【0004】〔特表平5−501993号公報の製造方
法〕成形品の配向状態は、周方向のみへの配向付与であ
り、配向制御の任意性が不可能な上、バッチ式の生産形
態であり生産性が低い。
【0005】〔特公平2−58093号公報の製造方
法〕押出圧力により拡径部へ押し込む方式であり、引抜
き力が不要であるため、配向制御の任意性が高く、しか
も制御の容易性や生産性に優れたものである。しかしな
がら、この製造方法の場合、ガラス転移温度以上融点以
下の温度で延伸させるようになっていて、特に結晶性熱
可塑性樹脂ではこの温度領域での弾性率変化が急激であ
る。
【0006】したがって、均一な延伸を達成しようとす
れば、樹脂温度分布を均一化させる必要であるが、厚肉
品や高速成形では温度の均一化を達成できない。すなわ
ち、厚肉品の成形や高速成形時の成形性に問題がある。
また、この温度領域では弾性率も高いレベルにあるため
に、必要な押出圧力が高く、高粘度な樹脂や高倍率な延
伸を押出機で連続的に達成するのも不可能である。
【0007】そこで、本発明の発明者らは、押出機内で
原料樹脂と熱架橋剤とを混練し、この混練物を押出機か
ら熱架橋ゾーン、延伸ゾーン、冷却ゾーンを有するダイ
へ供給し、熱架橋ゾーンで押出機から押し出された混練
物中の原料樹脂を熱架橋させる架橋工程と、架橋工程で
得られた架橋樹脂を延伸ゾーンにおいて、樹脂の融点以
上で少なくとも1軸以上の配向方向に配向させながら、
成形品形状に賦形する延伸工程と、延伸ゾーンで賦形し
た賦形物を冷却ゾーンで配向緩和温度以下に冷却する冷
却工程とを備えている樹脂成形品の連続製造方法を先に
提案している。
【0008】すなわち、この製造方法によれば、溶融状
態で延伸を行うようにしたので、樹脂変形力が大幅に低
減できる。しかも、熱可塑性樹脂を架橋させてまず分子
鎖間に編目構造を作るようにしたので、溶融時でも延伸
によって分子配向が確保できる。したがって、配向制
御、および、厚肉品の成形や高速成形が可能であるとと
もに、連続的に高粘度な樹脂を用いた成形や高倍率な延
伸を行うことができる。
【0009】ところが、この連続製造方法を用いて配向
管状体を製造しようとした場合、ダイの形状によって
は、押出圧力が高くなりすぎてうまく配向管状体を製造
できない場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて、配向制御、および、厚肉品の成形や高速
成形が可能であるとともに、低い押出圧力で連続的に高
粘度な樹脂を用いた成形や高倍率な延伸を行うことがで
きる熱可塑性樹脂成形品の連続製造方法を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明にかかる配向
管状体の連続製造方法(以下、「請求項1の製造方法」
と記す)は、ダイ本体と、このダイ本体内に挿入され、
ダイ本体との間に管状の成形用通路を形成するマンドレ
ルとを備え、ダイ本体が成形用通路の出口側に向かって
拡径する拡径筒部を有し、前記マンドレルがダイ本体の
拡径筒部に対応する部分に円錐台形状の拡径コア部を有
し、成形用通路が前記拡径筒部と拡径コア部によって形
成され入口側から出口側に向かって徐々に拡径する延伸
ゾーンを備えているダイ内に、前記成形用通路の入口か
ら原料樹脂を連続的に供給し、ダイ内で原料樹脂を架橋
させたのち、架橋樹脂を前記延伸ゾーンで拡径しつつ肉
厚を減少させながら延伸する工程を備えた配向管状体の
連続製造方法であって、前記拡径コア部は、円錐台の側
面の母線とその回転中心軸とのなす角度が10°以上3
0°以下である構成とした。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明にかかる配
向管状体の連続製造方法(以下、「請求項2の製造方
法」と記す)は、請求項1の製造方法において、成形用
通路の延伸ゾーン後方に冷却ゾーンを設け、押出機内で
原料樹脂と熱架橋剤とを混練し、この混練状態で原料樹
脂を押出機から成形用通路内に押し出す供給し、延伸ゾ
ーンの手前で原料樹脂を熱架橋させたのち、延伸ゾーン
で、樹脂の融点以上で少なくとも1軸以上の配向方向に
配向させながら、成形品形状に延伸賦形し、冷却ゾーン
で、延伸賦形された賦形物を配向緩和温度以下に冷却す
るようにした。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明にかかる配
向管状体の連続製造方法(以下、「請求項3の製造方
法」と記す)は、請求項1または請求項2の製造方法に
おいて、成形用通路の壁面と樹脂との間に潤滑剤を介在
させるようにした。
【0014】本発明において、拡径コア部の円錐台の側
面の母線とその回転中心軸とのなす角度(以下、「半頂
角」と記す)が10°以上30°以下に限定されるが、
好ましくは15°以上20°以下である。
【0015】半頂角が上記のように限定される理由は、
以下のとおりである。すなわち、半頂角が10°を下回
ると、延伸ゾーンが長くなるため、マンドレル自体の重
量がどうしても大きくなってマンドレルに撓みが発生
し、得られる配向管状体の寸法精度が悪くなる。しか
も、成形用通路も長くなって樹脂にかかる抵抗も増え、
押出圧力も高くなる。一方。半頂角が30°を越えると
押出圧力が高くなり過ぎて巧く延伸できなくなる。ま
た、半頂角が15°以上20°以下の範囲がマンドレル
の撓みからくる寸法精度と、押出圧力の低減の最もよい
バランスとなる。
【0016】本発明において用いられる原料樹脂として
は、特に限定されないが、たとえば、ポリオレフィン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、ポリエステルが挙げられ、こ
れらが単独であるいは混合して用いられるが、特に、結
晶性熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。結晶性熱可
塑性樹脂としては、L−LDPE(直鎖状低密度ポリエ
チレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、MDPE
(中密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレ
ン)等のポリエチレン、ランダムPP(ポリプロピレ
ン)、ホモPP(ポリプロビレン)、ブロックPP(ポ
リプロビレン)等のポリプロピレン等が挙げられる。
【0017】本発明の連続製造方法において、原料樹脂
の架橋方法は、特に限定されないが、たとえば、電子
線、紫外線、熱水架橋、熱架橋等の汎用の手段を利用す
ればよい。ただし、厚肉品の場合には電子線や紫外線の
場合、線源の透過能力が低いこと、熱水架橋の場合も熱
水の浸透速度が遅いこと、から請求項2の製造方法のよ
うに熱架橋が最も効果的である。熱架橋に使用する熱架
橋剤としては、特に限定されないが、有機過酸化物の使
用が可能であり、使用する熱可塑性樹脂の成形温度や相
溶性の観点から適宜選択することができ、具体的には、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、メチルエチルケトンパーオキサイド等が挙げられ
る。
【0018】また、架橋樹脂の架橋度は、5%以上50
%以下が好ましい。すなわち、架橋度が5%未満の場
合、融点以上での延伸で分子鎖のすり抜けが起こり、5
0%を越えると、樹脂の伸度が低下するため、高倍率延
伸ができなくなる恐れがある。なお、本発明で架橋度
は、以下の式で示されるゲル分率(%)で表すことがで
きる。
【0019】
【数1】
【0020】なお、上記式において、溶剤抽出後の試料
重量とは、選択した未架橋状態の熱可塑性樹脂を溶解可
能な溶剤を用いて試料中に残った未架橋状態の樹脂分を
溶解させて、残った不溶分のみの重量である。
【0021】ダイ内へ樹脂を供給する方法としては、連
続的に熱を樹脂へ付与できる圧力ポンプを用いて圧送す
る方法が挙げられる。このような圧力ポンプとしては、
請求項2の製造方法のように、押出機を用いる方法が最
も効率的で好ましい。
【0022】押出機としては、単軸押出機、2軸押出
機、多軸押出機等が可能であるが、請求項2の製造方法
のように押出機中で熱可塑性樹脂と熱架橋剤とを混練す
る場合には、これらの中でも熱可塑性樹脂を溶融させ、
熱架橋剤との混合能力に優れる2軸同方向回転押出機が
好ましい。
【0023】請求項2の製造方法において、配向緩和温
度以下とは、非晶性熱可塑性樹脂の場合、ガラス転移温
度以下を意味し、結晶性熱可塑性樹脂の場合、結晶化開
始温度以下を意味する。すなわち、冷却は、延伸された
賦形物を冷却して配向を凍結させるために行われる。
【0024】また、本発明の製造方法においては、より
スムーズに延伸が可能なように、成形用通路の壁面、す
なわち、ダイの樹脂接触面が潤滑性を備えていることが
好ましい。成形用通路の壁面に潤滑性を付与する方法と
しては、特に限定されないが、請求項3の製造方法のよ
うに、成形用通路の壁面と樹脂との間に潤滑剤を介在さ
せることが好ましい。
【0025】潤滑剤を介在させる方法としては、特に限
定されないが、たとえば、(1)熱可塑性樹脂中へ低分
子量の潤滑剤を予め混合しておく方法、(2)ダイの樹
脂接触面に潤滑剤を供給する方法が挙げられるが、
(2)の方法が潤滑効果の安定性や成形品の長期性能の
観点からより好ましい。
【0026】(1)の方法に用いられる潤滑剤として
は、ワックス、オリゴマー等が挙げられる。(2)の方
法に用いられる潤滑剤としては、エチレンオリゴマー、
シリコーンオイル、ステアリン酸、ポリエチレングリコ
ール、流動パラフィン、低融点ポリマー等が挙げられ、
潤滑膜形成の安定性や潤滑剤の耐熱性からポリエチレン
グリコールがより好ましい。
【0027】潤滑剤を成形用通路壁面に供給する方法と
しては、ダイの成形用通路の壁となる部分を少なくとも
多孔質材料で形成し、潤滑剤に圧力をかけて多孔質材料
の背面側から成形用通路の壁の表面側に向かって滲み出
させる方法、マニホールドで潤滑剤を展開し成形品形状
に供給する方法等が挙げられる。潤滑剤を供給する装置
としては、ダイ内の圧力に抗して潤滑剤を供給できれば
特に限定されないが、たとえば、プランジャーポンプや
ダイヤフラムポンプが挙げられる。
【0028】また、本発明の製造方法において、延伸
は、内径を拡大し厚みを減少させることでどちらかひと
つ以上の作用により1軸以上の延伸が達成できる。これ
らの作用の大小により延伸倍率は任意に制御可能であ
り、延伸効果の発現する面積減少率で5倍以上50倍以
下の範囲で選択される。
【0029】本発明の原料樹脂には、酸化防止剤、耐光
剤、紫外線吸収剤、滑剤等、難燃剤、帯電防止剤等の添
加剤を所望の物性を得るために適宜添加するようにして
も構わない。また、結晶核剤となりうるものを少量添加
して、結晶を微細化して、物性を均一化する補助とする
ことも可能である。また、フィラー、顔料を物性の低下
をきたさない範囲で用いることが可能である。例えば、
ガラス繊維、カーボン繊維、アスベスト等の繊維状フィ
ラーや、クルク、マイカ、モンモリナイト、酸化アルミ
ニウム、等が例示される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明の配向
管状体の連続製造方法に使用する本発明のダイをあらわ
している
【0031】図1に示すように、このダイ1は、ダイ本
体2と、マンドレル3とを備えている。ダイ本体2は、
押出機(図示せず)から押し出される溶融樹脂を供給す
る樹脂供給口21と、潤滑剤供給口22とを備え、樹脂
供給口21側の端部から中央部に向かって小径筒部23
が設けられ、ダイ本体2の出口側から中央部に向かって
大径筒部24が設けられているとともに、小径筒部23
と大径筒部24との間に小径筒部23から大径筒部24
に向かって徐々に拡径する拡径筒部25が設けられてい
る。
【0032】マンドレル3は、ダイ本体2の小径筒部2
3の端部から小径筒部23の略中央部に掛けて、小径筒
部23に水密に嵌合し、ダイ本体2とマンドレル3とを
一体化した状態にする嵌合部31と、小径筒部23の残
部との間に小径厚肉の管状をした熱架橋ゾーン4を形成
する小径コア部32と、ダイ本体2の大径筒部24との
間にほぼ成形しようとする管の断面形2と同じ断面形状
をした冷却ゾーン5を形成する大径コア部33と、小径
コア部32から大径コア部33に向かって徐々に拡径
し、拡径筒部25との間に延伸ゾーンを形成する拡径コ
ア部34とを備えている。
【0033】拡径コア部34は、円錐台形状をしてい
て、半頂角αが10°以上30°以下に形成されてい
る。嵌合部31は、樹脂供給口21に臨む部分から小径
コア部32との境界に到る部分の外周面に、樹脂供給口
21から供給される樹脂を熱架橋ゾーン4へ導く螺旋溝
31aが穿設されている。
【0034】また、マンドレル3は、嵌合部31から小
径コア部32に向かって潤滑剤供給路37が穿設されて
いて、この潤滑剤供給路35が小径コア部32の外周面
および拡径コア部34の外周面にかけて螺旋状に設けら
れた潤滑剤供給溝36に連通している。
【0035】すなわち、加圧ポンプ等で潤滑剤供給路3
5に供給された潤滑剤が潤滑剤供給溝36を介して樹脂
接触面である小径コア部32および拡径コア部35の外
周面に供給されるようになっている。なお、図1中、L
は母線、Cは回転中心軸である。
【0036】そして、このダイ1を用いた本発明の配向
管状体の連続製造方法は、工程順に説明すると以下のよ
うになる。 押出機(図示せず)で原料樹脂と熱架橋剤とを混合
混練し、得られた混合物を押出機の先端から樹脂供給口
21に連続的に供給する。
【0037】 樹脂供給口21に供給された混合物を
螺旋溝31aを介して熱架橋ゾーン4に送り、厚肉筒状
に展開するとともに、混合物中の原料樹脂を熱架橋剤に
よって5%以上50%以下の架橋度となるように熱架橋
させる。 熱架橋させた管状の架橋樹脂を延伸ゾーン6に送り
拡径コア部34のテーパによって拡径するとともに、厚
みを減少させて1軸以上の延伸を達成する。
【0038】 延伸ゾーン6での延伸によって大径コ
ア部33と大径筒部24との隙間形状に賦形されたた管
状賦形物を冷却ゾーン5で、配向緩和温度以下、すなわ
ち、結晶化開始温度以下まで形状を保持したままで冷却
し、配向管状体を連続的に得る。 なお、上記のようにして配向管状体を製造するにあた
り、常に潤滑剤供給口22および潤滑剤供給路37を介
して樹脂接触面であるダイ本体2内周面およびマンドレ
ル3外周面に滲み出させて、架橋樹脂および延伸樹脂
と、樹脂接触面であるダイ本体2内周面およびマンドレ
ル3外周面との間に介在させて摩擦抵抗が小さくなるよ
うにしている。
【0039】この連続製造方法によれば、原料樹脂をま
ず架橋させて分子鎖間に編目構造を作るようにするとと
もに、溶融状態で延伸を行うようにしたので、溶融時で
も延伸によって分子配向が確保できるようになり、樹脂
変形力が大幅に低減できる。
【0040】さらに、5%以上50%以下の架橋度とな
るように熱架橋させるようにしたので、分子鎖のすり抜
けが起こらず、配向性に優れている。しかも、ダイ1
は、そのマンドレル3の拡径コア部34の半頂角αが1
0°以上30°以下になっているので、押出圧力を低く
抑えることができる。すなわち、押出機等へかかる負荷
が低減でき、製造コストを下げることができる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例をより詳しく説明す
る。
【0042】(実施例1)各部の寸法が以下のようにな
っている図1に示すような樹脂接触面がクロムめっき処
理されたダイと、押出機を用意した。 〔ダイ寸法〕 ・小径コア部32の外径:20mm ・小径筒部23の内径:70mm ・大径コア部33の外径:123mm ・大径筒部24の内径:132mm ・半頂角α:15°
【0043】〔押出機〕 ・日本製鋼所社製TEX30α、L/D=51、口径3
2mm
【0044】そして、原料樹脂としての高密度ポリエチ
レン(密度0.953、メルトフローレート(MFR)
0.03、重量平均分子量268000、融点132
℃)を押出機に投入するとともに、L/D=35の位置
から熱架橋剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(日本油脂社製
パーヘキシン25B、194℃半減期時間60秒)を押
出機に高密度ポリエチレン100重量部に対して0.1
5重量部の割合で添加し、押出機内で170℃の樹脂温
度で高密度ポリエチレンと2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3とを混合混練
したのち、得られた混合物を、ダイ本体2の樹脂供給口
21から熱架橋ゾーン4が220℃、延伸ゾーン6が1
50℃、冷却ゾーン5が80℃に設定されたダイ1内に
連続的に供給し、外径132mm、内径123mmの配向ポ
リエチレン管を連続的に得た。このとき、高密度ポリエ
チレンの押出圧力は、50kgf/cm2 であった。
【0045】(実施例2)半頂角が25°のマンドレル
を用いた以外は、実施例1と同様にして配向ポリエチレ
ン管を連続的に得た。このとき、高密度ポリエチレンの
押出圧力は、52kgf/cm2 であった。
【0046】(比較例1)半頂角が5°のマンドレルを
用いた以外は、実施例1と同様にして配向ポリエチレン
管を連続的に得た。このとき、高密度ポリエチレンの押
出圧力は、150kgf/cm2 であった。
【0047】(比較例2)半頂角が35°のマンドレル
を用いた以外は、実施例1と同様の条件で押し出した。
このとき、高密度ポリエチレンの押出圧力は、高すぎて
押出不能であった。
【0048】上記実施例1,2および比較例1,2か
ら、半頂角を10°以上30°以下の範囲内に収めれ
ば、押出圧力を低く抑えられることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明にかかる配向管状体の連続製造方
法は、以上のように構成されているので、配向制御、お
よび、厚肉品の成形や高速成形が可能であるとともに、
連続的に高粘度な樹脂を用いた成形や高倍率な延伸を均
一に行うことができる。すなわち、連続的に任意に配向
を制御して高強度な成形品を安定して製造することがで
きる。しかも、本発明のダイは、拡径コア部の半頂角α
を10°以上30°以下にしたので、押出圧力を低く抑
えることができる。すなわち、より精度よく、配向管状
体を連続的に製造できるとともに、押出機等へかかる負
荷が低減でき、押出機の小型化など整備コストや製造コ
ストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱可塑性樹脂成形品の連続製造
方法に用いるダイの1例をあらわす断面図である。
【符号の説明】
1 ダイ 2 ダイ本体 25 拡径筒部 3 マンドレル 34 拡径コア部 4 熱架橋ゾーン 5 延伸ゾーン 6 冷却ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 23:00 (72)発明者 岩佐 航一郎 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 植田 直樹 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F207 AA05 AB03 AG08 KA01 KA17 KF02 KK01 KK45 KK52 KL57 KL74 KL83 KL88

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイ本体と、このダイ本体内に挿入され、
    ダイ本体との間に管状の成形用通路を形成するマンドレ
    ルとを備え、ダイ本体が成形用通路の出口側に向かって
    拡径する拡径筒部を有し、前記マンドレルがダイ本体の
    拡径筒部に対応する部分に円錐台形状の拡径コア部を有
    し、成形用通路が前記拡径筒部と拡径コア部によって形
    成され入口側から出口側に向かって徐々に拡径する延伸
    ゾーンを備えているダイ内に、前記成形用通路の入口か
    ら原料樹脂を連続的に供給し、ダイ内で原料樹脂を架橋
    させたのち、架橋樹脂を前記延伸ゾーンで拡径しつつ肉
    厚を減少させながら延伸する工程を備えた配向管状体の
    連続製造方法であって、前記拡径コア部は、円錐台の側
    面の母線とその回転中心軸とのなす角度が10°以上3
    0°以下であることを特徴とする配向管状体の連続製造
    方法。
  2. 【請求項2】成形用通路の延伸ゾーン後方に冷却ゾーン
    を設け、押出機内で原料樹脂と熱架橋剤とを混練し、こ
    の混練状態で原料樹脂を押出機から成形用通路内に連続
    的に供給し、延伸ゾーンの手前で原料樹脂を熱架橋させ
    たのち、延伸ゾーンで、樹脂の融点以上で少なくとも1
    軸以上の配向方向に配向させながら、成形品形状に延伸
    賦形し、冷却ゾーンで、延伸賦形された賦形物を配向緩
    和温度以下に冷却する請求項1に記載の配向管状体の連
    続製造方法。
  3. 【請求項3】成形用通路の壁面と樹脂との間に潤滑剤を
    介在させる請求項1または請求項2に記載の配向管状体
    の連続製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112743795A (zh) * 2020-12-22 2021-05-04 中国兵器装备集团自动化研究所 一种防残留挤出机

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