JP2000295971A - 濃厚で風味の改良された魚醤油およびその製造方法 - Google Patents

濃厚で風味の改良された魚醤油およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃厚で風味の改良された、かつ、マスキング
機能を有する魚醤油の提供。 【解決手段】 原料としてオキアミ類を使用した、生臭
みをマスキングするのに有効な量の乳酸を含有する濃厚
で風味の改良された魚醤油。原料として乾燥オキアミ、
好ましくはオキアミの全成分を含有するオキアミ乾燥粉
粒体を用いる。もろみ仕込み時に原料としてのオキアミ
類に水、食塩および麹を加えてから、さらに乳酸菌およ
び酵母を添加し、その後、もろみを発酵熟成させる濃厚
で風味の改良された魚醤油の製造方法。乳酸菌および酵
母として耐塩性乳酸菌および耐塩性酵母を使用する。乳
酸菌の添加量を酵母の添加量の10倍以上の割合で添加
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は濃厚で風味の改良さ
れた魚醤油およびその製造法に関する。より詳細には本
発明は原料としてオキアミ、特に全成分を含有するオキ
アミ乾燥粉粒体を使用して濃厚で風味の改良された魚醤
油およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニョクマム、ナンプラーに代表される魚
醤油は魚介類原料に食塩を20〜30%程度添加して樽
などに漬け込み、1年〜2年間放置するだけで魚介類由
来の自己消化酵素の作用により蛋白質が分解されエキス
となる。このエキス分をろ過して残さを除き、さらに火
入れした後、沈殿物および浮遊物を除去する方法により
製造されている。この方法によって作られる魚醤油は独
特のうまみを持っているが、魚介類特有の生臭さや油臭
さおよび腐敗菌の作用によって生じる腐敗臭が特徴であ
る。そこで魚介類を原料として有用微生物を利用して製
麹を行い、魚介類に特有の良好な風味を有し、しかも魚
介類が持つ生臭さなどのない液体調味料を得ようとする
試みが種々行われている。
【0003】例えば特開昭53−66499号公報には
魚介類原料よりエキス分を浸出除去した浸出残さ、例え
ばフィッシュミール、カツオ節のだし浸出残さ、あるい
は煮干浸出残さなどに麦類、米類などの炭水化物原料を
加え、次いでこれにアスペルギルスソーヤ等の麹菌を接
種、培養し、酵母添加したものを加熱処理する方法が示
されている。また、特公昭60−3463号公報にはフ
ィッシュミールにデンプン粉末を混合して蒸煮し、これ
に糸状菌、例えばアスペルギルスソーヤ等の醤油麹菌を
接種して製麹し、その魚麹に食塩による防腐環境下でさ
らに酵母を添加して発酵させることにより、調味素材を
製造する方法が開示されている。さらに、特開平4−3
25084号公報には、魚粉にアスペルギルス・グラウ
カスを接種し、魚粉を水分含有量20〜28%の低水分
に調整し、その魚粉を30℃の温度に2日以上保持して
麹菌を繁殖させ魚麹を製造した後発酵、熟成して魚醤を
製造する方法が開示されている。そして、特開平7−1
63310号公報には生鮮魚介類に麦類などの炭水化物
原料を加えて、水分含量を調整した後、アスペルギル
マ、タマリ等の麹菌を接種、培養し、発酵・熟成させる
方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭53−6649
9号公報や特公昭60−3463号公報や特開平7−1
63310号公報や特開平4−325084号公報に開
示されている方法は、大豆から作られる一般的な醤油と
同様に麹菌の糸状菌を利用することにより、魚特有の不
快臭を除去しようとするものである。しかしながら、上
記の4法では、原料処理過程および/または製麹過程に
おいて微生物管理の問題、原料特有の風味の保持におい
て問題がある。その解決のためには高度な設備と管理が
要求される。そこで、本発明は簡単に生臭みを除去する
技術を提供すると同時に、オキアミから、特に全成分を
含有するオキアミ乾燥粉粒体から濃厚で風味の改良され
た、かつ、マスキング機能を有する魚醤油を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、原料としてオ
キアミ類、好ましくはオキアミの全成分を含有するオキ
アミ乾燥粉粒体を使用した、生臭みをマスキングするの
に有効な量の乳酸を含有する濃厚で風味の改良された魚
醤油を要旨としている。
【0006】原料としてのオキアミ類が乾燥オキアミで
あり、その場合、本発明は原料として乾燥オキアミ、好
ましくはオキアミの全成分を含有するオキアミ乾燥粉粒
体を使用した、生臭みをマスキングするのに有効な量の
乳酸を含有する濃厚で風味の改良された魚醤油である。
また、本発明は、原料としてオキアミ類、好ましくは乾
燥オキアミ、より好ましくはオキアミの全成分を含有す
るオキアミ乾燥粉粒体を使用した、生臭みをマスキング
するのに有効な量の乳酸を含有する濃厚で風味の改良さ
れた魚醤油の製造方法であって、もろみ仕込み時に原料
としてのオキアミ類、好ましくは乾燥オキアミ、より好
ましくはオキアミの全成分を含有するオキアミ乾燥粉粒
体に水、食塩および麹を加えてから、さらに乳酸菌およ
び酵母を添加し、その後、もろみを発酵熟成させる製造
方法である。
【0007】乳酸菌および酵母として耐塩性乳酸菌およ
び耐塩性酵母を使用しており、その場合、本発明は、原
料としてオキアミ類、好ましくは乾燥オキアミ、より好
ましくはオキアミの全成分を含有するオキアミ乾燥粉粒
体を使用した、生臭みをマスキングするのに有効な量の
乳酸を含有する濃厚で風味の改良された魚醤油の製造方
法であって、もろみ仕込み時に原料としてのオキアミ
類、好ましくは乾燥オキアミ、より好ましくはオキアミ
の全成分を含有するオキアミ乾燥粉粒体に水、食塩およ
び麹を加えてから、さらに耐塩性乳酸菌および耐塩性酵
母を添加し、その後、もろみを発酵熟成させる製造方法
である。
【0008】乳酸菌の添加量を酵母の添加量の10倍以
上の割合で添加しており、その場合、本発明は、原料と
してオキアミ類、好ましくは乾燥オキアミ、より好まし
くはオキアミの全成分を含有するオキアミ乾燥粉粒体を
使用した、生臭みをマスキングするのに有効な量の乳酸
を含有する濃厚で風味の改良された魚醤油の製造方法で
あって、もろみ仕込み時に原料としてのオキアミ類、好
ましくは乾燥オキアミ、より好ましくはオキアミの全成
分を含有するオキアミ乾燥粉粒体に水、食塩および麹を
加えてから、さらに乳酸菌および酵母、好ましくは耐塩
性乳酸菌および耐塩性酵母を、乳酸菌の添加量を酵母の
添加量の10倍以上の割合で添加し、その後、もろみを
発酵熟成させる製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いる魚醤油の製造原料
オキアミ類は、未利用資源として有望なオキアミ、近海
アミを使用することができる。上記オキアミ(節足動物
門甲殻綱軟甲亜綱ホンエビ上目オキアミ目)としては、
南極オキアミが好ましいが、これに限定されない。日本
近海などで漁獲されるアミ類(節足動物門甲殻綱軟甲亜
綱フクロエビ上目アミ目)に属する動物も利用可能であ
る。乾燥オキアミは乾燥されたオキアミであれば何でも
よいが、オキアミの成分がなるべく保持される方法によ
り乾燥されたオキアミ乾燥粉粒体が好ましく、高蛋白質
含量であることを特徴とする。
【0010】本発明に用いる乾燥オキアミは、例えば、
以下のような製法で製造できる。漁獲したオキアミの体
表に付着している海水などを除去するためにオキアミを
脱水機に供する。脱水されたオキアミは加熱乾燥に際し
て熱効率を改善するために粉砕処理に供する。粉砕され
たオキアミは加熱乾燥に供する。例えば蒸気式ディスク
ドライヤー等の公知の加熱乾燥機を使用する。乾燥後の
オキアミは粉砕機により任意の粒度容易に粉砕可能であ
る。
【0011】本発明に係る魚醤油の製造方法を、オキア
ミ類として上記のオキアミ乾燥粉粒体を用いる態様で説
明する。オキアミ乾燥粉粒体、麹および食塩水を混合
し、発酵、熟成させ、魚醤油を製造する。オキアミ乾燥
粉粒体と麹と食塩水さらに乳酸菌、酵母を添加してもろ
みとし、充分撹拌した後もろみの温度コントロールを行
い、発酵熟成させた後、搾汁、火入れ、ろ過等の処理を
行って魚醤油とする。すなわち、本発明は魚醤油製造に
使用するオキアミ乾燥粉粒体と麹および食塩水をもろみ
仕込み時に混合してからさらに乳酸菌および酵母を添加
し発酵、熟成させ、濃厚で風味の改良した魚醤油を製造
する方法である。
【0012】本発明で使用する麹は特に限定されない。
麹は蛋白質分解酵素などの酵素および炭水化物の補給に
あるから、種麹は醤油麹菌(Aspergillus sojae)、黄
麹菌(Aspergillus oryzae)などが使用可能である。ま
た、炭水化物の補給の面から、澱粉質に富む小麦、米、
トウモロコシなどがよい。
【0013】食塩は酵素分解中の防腐および耐塩性微生
物の選択的増殖のために添加するが、その量は基質全体
の20〜30重量%であり、その食塩濃度が約12%〜
25%(W/V)になるように調整することが望まし
い。
【0014】本発明において、酵素、熟成のために使用
する耐塩性微生物は特に限定されない。例えば、耐塩性
酵母(Zygosaccharomyces rouxxii, Torulopsis magnol
iae,Torulopsis nodaensis, Torulopsis etchellsii, T
orulopsis halonitratophila, Torulopsis halophila,
Torulopsis mannitofaciens)などが使用される。
【0015】このようにして、オキアミ乾燥粉粒体、
麹、食塩水、乳酸菌、酵母などを混合してもろみとし、
充分撹拌した後、もろみを発酵タンクの中で、発酵、熟
成させる。乳酸菌の添加量を酵母の添加量の10倍以上
の割合で添加することが好ましい。この間、原料蛋白質
および炭水化物の酵素分解と耐塩性微生物による発酵、
熟成作用が進行する。その際の発酵条件は通常の発酵と
同じでかまわないが、特に乳酸発酵が行われる温度帯、
すなわち40℃以下がのぞましい。通常の醤油、魚醤油
の乳酸量は1%より少ないものであり、それゆえ有効な
乳酸量は1%以上、好ましくは2%以上である。マスキ
ング効果を有効に発揮させるために、乳酸を外添して乳
酸量を補ったり増量したりすることができる。発酵、熟
成終了後、搾汁処理により液状部分が採取される。得ら
れた濾液は、放置することにより、不溶性蛋白質などが
析出し沈殿物となるので、その上清をとって生魚醤油と
して使ってもよい。さらに生魚醤油を加熱殺菌し、それ
によって出る不溶物を除いて液汁部を濾過することで、
清澄な魚醤油が得られる。
【0016】上記製造方法により本発明は風味、香り、
性状において、生臭みをマスキングるのに有効な量の乳
酸の機能に基ずく従来の魚醤油の独特の不快臭を改善し
た濃厚な味の魚醤油を製造することができる。ここでい
う濃厚感とは基本的には客観的指標となる総窒素量が高
い場合に濃厚感があるとするが、それだけではなく魚醤
油の各成分のバランスも重要な判断基準となる。
【0017】
【作用】マスキング機能は乳酸によるアルカリ物質の中
和がアミノ酸、ペプチドなどの存在によって促進され
る。マスキング機能は原料由来のタンパク質の発酵によ
る分解物と乳酸との組み合わせで発揮される。オキアミ
を原料とする醤油は原料由来のタンパク質の発酵による
分解物であるアミノ酸、ペプチドが多いのでマスキング
効果が高い。本発明の魚醤油は、生臭みをマスキングす
るのに有効な量の乳酸を含有していること、ならびに、
乾燥粉粒体を使用することにより、従来の魚醤油が持つ
不快臭の全くない、濃厚で芳醇な魚醤油となっている。
製造方法においては、乳酸を多く発生させる製造条件が
必要である。それによって、マスキング効果が高まる。
長期間の熟成によって麹、乳酸菌のマスキング作用と酵
母の香りの純化作用によって製品の生臭さが除去され
る。さらに、本発明の濃厚で芳醇な魚醤油は、生臭みを
マスキングするだけでなく、この魚醤油を使用した食品
の不快な香りをマスキングする機能、例えば、おでんな
どの長時間加熱する調理食品の調味料として使用したと
き、おでん種に存在する植蛋由来の不快臭などをマスキ
ングする機能を有している。
【0018】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 オキアミ乾燥粉粒体3kg、麹3kg、15%食塩水7
kgを混合後、耐塩性乳酸菌と酵母を20:1の割合で
添加し、15℃未満で1カ月以上静置した。その後20
℃未満の温度で4カ月程度発酵、熟成させた後、もろみ
を搾汁、火入れ、濾過することにより全窒素が2.6〜
3.0%を示し、芳醇な香りと濃厚な旨みを合わせ持つ
魚醤油9.0kgが得られた。得られた魚醤油の乳酸量
は4.0%であった。従来の魚醤油の不快臭は全くない
ものであった。
【0020】実施例2 オキアミ7.5kgをサイレントカッターで微粉砕した
後沸騰するまで加熱して20分間ボイルした。冷却後、
食塩1.5kgを添加して混合し7日間5℃に保管し塩
とオキアミを馴染ませた後、小麦麹3kgを添加し混合
した。この混合物に耐塩性乳酸菌と酵母を20:1の割
合で添加し、15℃未満の低温で1カ月以上静置した。
その後20℃未満の温度で4カ月程度発酵、熟成した
後、もろみを搾汁、火入れ、濾過することにより、全窒
素が1.5〜1.9%の清澄な濾液、10.5kgを得
た。得られた魚醤油の乳酸量は3.8%であった。従来
の魚醤油の不快臭は全くないものであった。
【0021】実施例1および実施例2で得られたNaC
l濃度16%の魚醤油を4倍に希釈し、よく訓練された
官能検査パネル15名を用い、実施例2のサンプルの評
価を0点とした時の実施例1のサンプルを−4〜+4点
の順位法により評価した。また、濃厚感の指標となる両
サンプルの総窒素量も測定した。その結果を表1に示
す。
【0022】
【表1】 ───────────────────────────────── 評 価 項 目 実施例1 実施例2 ───────────────────────────────── 不快臭 0 0 甲殻類特有の生臭い香りの強さ 0 0 甲殻類特有の甘い香りの強さ 3.0 3.0 味の甘さ 2.5 0 味の濃厚感 4.0 0 総合評価 3.5 0 総窒素量 2.58% 1.81% ─────────────────────────────────
【0023】表1から判るようにオキアミ乾燥粉粒体を
使用した実施例1では、単にボイルしただけの実施例2
に比べて明らかに高い評価がなされている。その原因と
して、香りの点では、原料の加熱処理が高温、短時間に
行われたことが上げられる。また味の点では、オキアミ
乾燥粉粒体の場合、生のオキアミに比較して水分が約1
0分の1と少ないために、原料のオキアミの使用量を多
くすることができるために、濃厚で甘い評価となってい
る。実施例1および実施例2はいずれも従来の魚醤油の
不快臭が全くないものであったが、あえて二つを比較す
れば、濃厚感を示す客観的指標となる総窒素量も実施例
2に比べ実施例1で有意に増加している。実施例1は、
従来の魚醤油の不快臭が全くない甘い香りと濃厚な味を
持つ優れた品質の魚醤油であり、よりすぐれたものであ
ることが裏付けられた。
【0024】実施例3 オキアミ7.5kgをサイレントカッターで微粉砕した
後沸騰するまで加熱して20分間ボイルした。冷却後、
食塩1.5kgを添加して混合し7日間5℃に保管し塩
とオキアミを馴染ませた後、小麦麹3kgを添加し混合
した。この混合物に耐塩性乳酸菌を添加し、25℃で1
カ月静置した。その後、耐塩性酵母を添加して、25℃
で4カ月発酵・熟成した後、もろみを圧搾、火入れ、ろ
過し、清澄なろ液10.5kgを得た。得られた魚醤油
の乳酸量は2.5%であった。
【0025】実施例4 実施例1の魚醤油、実施例3の魚醤油、および比較とし
て濃口醤油(乳酸量0.9%)でおでん汁を作成し、
卵、大根、竹輪、厚揚げを煮込み、その香り、汁の風味
について前記パネラー15名を用いて、濃口醤油で作成
したおでんのサンプルの評価を0とした時の実施例1お
よび実施例3のサンプルを−3〜+3の順位法により評
価した。その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】 ─────────────────────────────── 評 価 項 目 実施例1 実施例3 濃口醤油 の魚醤油 の魚醤油 ─────────────────────────────── 油焼け臭 −0.6 −0.5 0 醤油焼け臭 −0.4 −0.3 0 具材の匂い −1.2 −1.2 0 もわっとこもる感じ −1.4 −1.4 0 すっと匂い立つ感じ −1.0 −1.0 0 ───────────────────────────────
【0027】表2からわかるように本発明の魚醤油で作
成したおでんは、おでんを長時間煮込んだときに発生す
る、油焼け臭、醤油焼け臭やおでん種の匂いの混在した
おでん特有の臭さを軽減し、さらに、おでん特有のもわ
っとこもる感じをなくし、すっと匂い立つ感じを強くし
ているという評価となっている。これらのことから、本
発明の魚醤油には生臭みをマスキングするだけでなく、
この魚醤油を使用した食品の不快な香りをマスキングす
る機能を有することが裏付けられた。
【0028】
【発明の効果】従来の魚醤油が持つ不快臭の全くない、
濃厚で芳醇な魚醤油であって、不快臭をマスキングする
機能をもった魚醤油を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料としてオキアミ類を使用した、生臭
    みをマスキングするのに有効な量の乳酸を含有する濃厚
    で風味の改良された魚醤油。
  2. 【請求項2】 原料として乾燥オキアミを使用する請求
    項1の濃厚で風味の改良された魚醤油。
  3. 【請求項3】 乾燥オキアミが、オキアミの全成分を含
    有するオキアミ乾燥粉粒体である請求項2の濃厚で風味
    の改良された魚醤油。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3の濃厚で風味の改
    良された魚醤油の製造方法であって、もろみ仕込み時に
    原料としてのオキアミ類に水、食塩および麹を加えてか
    ら、さらに乳酸菌および酵母を添加し、その後、もろみ
    を発酵熟成させる製造方法。
  5. 【請求項5】 乳酸菌および酵母として耐塩性乳酸菌お
    よび耐塩性酵母を使用する請求項4の濃厚で風味の改良
    された魚醤油の製造方法。
  6. 【請求項6】 乳酸菌の添加量を酵母の添加量の10倍
    以上の割合で添加する請求項4または5の濃厚で風味の
    改良された魚醤油の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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