JP2000295057A - 高周波用2端子積層ノイズフィルターおよび高周波用2端子積層ノイズフィルター用フェライト材料 - Google Patents

高周波用2端子積層ノイズフィルターおよび高周波用2端子積層ノイズフィルター用フェライト材料

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JP2000295057A
JP2000295057A JP11099509A JP9950999A JP2000295057A JP 2000295057 A JP2000295057 A JP 2000295057A JP 11099509 A JP11099509 A JP 11099509A JP 9950999 A JP9950999 A JP 9950999A JP 2000295057 A JP2000295057 A JP 2000295057A
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noise filter
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Kyozo Ogawa
共三 小川
Shunichi Nishiyama
俊一 西山
Hirokazu Araki
博和 荒木
Takao Tani
恭男 谷
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 100MHz以下の信号を低損失で通過せし
め、0.5〜5GHzのノイズを能く減衰する2端子積
層ノイズフィルターを提供する。 【解決手段】 周波数500MHzにおける抵抗成分R
が100MHzにおける抵抗成分Rの100倍以上とな
るように形成する。また、このフィルターは、主成分と
してFe45〜49mol%CuO:9〜13m
ol%、ZnO:8mol%以下、CoDおよび/また
はCoO4/3:0.1〜1.5mol%、NiO:3
5〜45mol%からなり、副成分としてBi
PbO、Vの何れか1つまたは2つ以上を合計
0.7〜5wt%含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低損失の高周波伝
送回路等のノイズ対策に使用するフェライトを用いた積
層一体焼結型の2端子ノイズフィルターおよび高周波用
2端子積層ノイズフィルター用フェライト材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ノイズフィルターは、ノイズを除去した
い周波数で高い減衰効果を有するものが良いので、その
周波数で高いインピーダンスを有することが望ましい。
このようなノイズフィルターとしてはチョークコイルが
よく用いられる。チョークコイルのインピーダンスは通
常周波数に比例して大きくなる性質があるので高周波で
は大きなインピーダンスが得られる。一般にノイズの周
波数帯域は信号の周波数帯域よりも高周波であるから、
信号の周波数帯域ではインピーダンスが小さくノイズの
周波数帯域ではインピーダンスが大きいという上述のチ
ョークコイルの性質はノイズフィルターとして好都合で
ある。
【0003】しかし、信号が周波数100MHz内外の
デジタル信号で除去したいノイズの周波数帯域が500
MHz〜5GHzであるような用途が実用化されるに及
び、単純なチョークコイルでは不都合な点が表面化して
きた。
【0004】すなわち、ノイズの周波数帯と必要な信号
の周波数帯が相対的に近い場合、単純なチョークコイル
では信号の周波数帯域のインピーダンスとノイズの周波
数帯域のインピーダンスとの比が十分に確保できず、そ
の結果ノイズを十分に減衰させようとすれば必要な信号
までも減衰させてしまう、あるいは逆に必要な信号を低
損失で通過させようとすればノイズを十分に減衰できな
いという問題点があった。加えて小型化の要請に応える
事も必要であった。
【0005】ノイズの周波数帯と必要な信号の周波数帯
が相対的に近い場合にはチョークコイルよりも鋭い周波
数選択性を有する4端子フィルター、例えばπ型LPF
(LOW PASS FILTER:低域濾波器)を用
いる方法もある。しかし4端子フィルターは少なくとも
2種類以上の素子から構成されるため、サイズが大きく
製作が煩雑でかつ高価になりやすくしかも回路基板への
実装にあたっても2端子の部品に比べて手間であるとい
う欠点があるのであまり実用的ではなかった。
【0006】そこで、例えば信号の周波数が100MH
z以下であってノイズの周波数帯域が0.5〜5GHz
であるような、両周波数帯が相対的に近い場合であって
も、信号の周波数帯域では低損失でかつノイズの周波数
帯域では大きな減衰率を有する安価で使い易くかつ高性
能の2端子積層ノイズフィルターの発明が待たれてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、およそ100MHz以下の必要な信号を低
損失で通過せしめ、かつおよそ0.5GHz〜5GHz
の周波数帯のノイズを能く減衰するような高周波用2端
子積層ノイズフィルターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め鋭意研究の結果、本発明者らは100MHz以下の周
波数帯で低損失かつ0.5〜5GHz帯で高減衰率の特
に優れた2端子積層ノイズフィルターに想到したもので
ある。すなわち本願第1の発明は、導体とフェライトと
を積層して形成したほぼ直方体状をなす2端子積層ノイ
ズフィルターであって、当該2端子積層ノイズフィルタ
ーの周波数500MHzにおける抵抗成分Rは前記10
0MHzにおける抵抗成分Rの100倍以上となるよう
に形成した高周波用2端子積層ノイズフィルターであ
る。
【0009】この発明をさらに丁寧に表現するなら上記
内容に、「2端子積層ノイズフィルターはこれに用いる
材料の透磁率の虚数項が100MHzを超えた周波数で
特に急激に立ち上がるものである」とすれば良い。
【0010】この発明の最も新規で特徴的なところは、
2端子の簡明な構造でありながら、100MHzと50
0MHzの抵抗成分の比率のみに着目しこれを100倍
以上とすることで0.5〜5GHz帯全域での高インピ
ーダンスを確保し大きなノイズの減衰効果を得るという
斬新な手法を用いることによって、理想的なノイズ対策
部品とした点である。ここに、複素インピーダンスの抵
抗成分であるRの周波数特性が100MHzを超えた周
波数で特に急激に立ち上がらなくては上記性能は達成で
きないところ、そのように急激な周波数特性を有する材
料を用いて上記性能を達成したものである。
【0011】本願第2の発明は、前記高周波用2端子積
層ノイズフィルターを特に発明の効果が顕著な積層チッ
プビーズまたはそのアレイに特定するものである。
【0012】ここにおいて、積層チップビーズとは、積
層工法によって一体に形成された(積層)、表面実装型
の(チップ)、インピーダンス素子(ビーズ)である。
なお、ビーズコアは元来ビーズのような形状のコアであ
って、これに銅線を通してノイズフィルターとしたこと
に源を発するが、積層チップビーズと纏めて呼称する場
合には上記に定義した通りの用語の使い方をするのが最
も一般的である。
【0013】さらに上記に記載のアレイとは、電気回路
的には別個の複数のインピーダンス素子を1つのチップ
に一体形成した集合インピーダンス素子のことである。
このインピーダンス素子がノイズフィルターであること
は言うまでもない。ここに例えば3個のインピーダンス
素子を一体形成したアレイの場合についていえば、個々
のインピーダンス素子は2端子であるからアレイとして
は当然、外見上6端子のチップとなる。しかし本質的に
は2端子部品の集合体である。このように、本発明にお
ける2端子積層チップビーズのアレイの端子数は当然、
当該アレイの外見上の端子数ではない。なお、アレイと
いう用語自体は集合インダクタンス素子や集合抵抗素子
や集合容量素子にも広く用いられるものである。
【0014】本願第3の発明は、上記第1または第2の
発明に用いるべき材料を限定したものである。すなわ
ち、主成分の組成がFe:45〜49mol%、
CuO:9〜13mol%、ZnO:8mol%以下
(0を含まず)、CoOおよび/またはCoO4/3
0.1〜1.5mol%、NiO:35〜45mol%
の範囲にあって、かつ副成分としてBi、Pb
O、Vの何れか1つおよび/または2つ以上を合
計0.7wt%〜5wt%含有してなるフェライト材料
を用いて形成した、本願第1または第2の発明の何れか
1つに係る高周波用2端子積層ノイズフィルターであ
る。ここでCoO4/3はCoのことであるが金
属イオン数を揃えてモル計算の合理性を図ったものであ
る。
【0015】この発明においては、一般にフェライト材
料に用いられる公知の置換成分や添加物や不純物が許容
されることは言うまでもない。そのような例としては主
成分系置換成分のAl,Cr,TiO
LiO、副成分系添加物のBやSiO、不純
物のClやCaOをはじめ、極めて多種多様である。
【0016】ただし、NiOに置換して用いるMn酸化
物やMgOは、稀少資源保護の観点や原料価格の観点か
らも有効であるから、特にその置換可能な量を特定した
のが、本願第4の発明である。さらに本願第5、第6の
発明は、それぞれ上記第3、第4の発明のカテゴリーを
材料に変えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に発明の詳細を実施例に基づ
いて説明する。図1は本発明の高周波用2端子積層ノイ
ズフィルターに係る部分透視斜視図である。チップ内部
は銀の内部電極(図示)と銀のスルーホール(図示)と
その他の部分であるフェライト層(図示せず)からなっ
ている。チップ表面には両端に外部電極が形成されてい
る。ただし図において各部の寸法比や個数あるいは形状
は本発明を限定するものではない。例えばコイル形に代
えてミアンダー形でもよい。
【0018】
【実施例】(実施例1)本発明の高周波用2端子積層ノ
イズフィルターの作成方法を実施例に従って以下に記述
する。まず所定の組成成分のフェライト粉を準備し、有
機溶剤とブレンドしドクターブレード法でグリーンシー
トを作成した。このフェライト粉は通常の積層チップ用
の粉末ではあるが、その他の例えばフェライトコア製作
用のフェライト粉よりも粒度が小さい。
【0019】上記グリーンシートに所定のスルーホール
孔を形成し、そのグリーンシートの1つの面上に銀ペー
ストでコイル形の線路をスクリーン印刷法によって形成
し、同様に他の面上に他のコイル形の線路を形成した。
上記スルーホールの位置は上記2つの線路をスルーホー
ル中に延出した銀ペーストによって電気的に接続せしめ
るような位置である。この操作を繰返して得た複数のグ
リーンシートは、位置を合わせながら所定枚数積み重
ね、加熱圧着し、切断し、900℃で20分焼成し、外
部電極を焼き付けて積層チップ部品として完成した。こ
こまでの実施例1についての説明内容は、一般的な積層
チップ部品の製造方法と特に変わるところはない。
【0020】実施例1の具体的な作成条件は次の通りで
ある。すなわち、フェライト粉末は表1、表2の組成に
示すもので、仮焼後粉砕して粉砕粉の50%平均粒度は
0.87μmに揃えた原料を用いた。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】グリーンシートは前記焼成した後の1枚あ
たりの厚さが50μmとなるように形成した。内部電極
すなわちコイル型の線路とスルーホールの構造は図1に
示す構造で、ここでは各部の寸法比や個数あるいは形状
を図1に示した通りのものとした。なお、外部電極の寸
法については正確ではない。総積層数は16枚とした。
完成部品の外形寸法は1.6mm×0.8mm×0.8
mmである。内部電極の厚さはおよそ15μmである。
【0024】表3、表4はこれらの材料と部品の特性を
測定した結果である。ここで、表1、表2と同じ番号で
示す試料は同じ組成の試料である。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】また、材料の特性はそれぞれ上記組成のフ
ェライト粉末で作成したグリーンシートを10枚積層
し、加熱圧着し、リング状に打ち抜いた後900℃で2
0分焼成しインピーダンスアナライザーを用いて測定し
た。部品の特性はインピーダンスアナライザーとネット
ワークアナライザーを用いて測定した。
【0028】表3、表4で用いた略号は次の通りであ
る。すなわち、μ’100MHzとμ”100MHzと
はそれぞれ複素比透磁率の実数部と虚数部であって、い
ずれも100MHzにおける値である。RとRとは
いずれも作成した部品のインピーダンスの抵抗分であっ
て、それぞれ100MHz、500MHzでの値であ
る。倍数R/Rは上記RとRとの比である。損
失P100は100MHzにおける挿入損失で上記部品
を挿入したことによる損失の増分をdB表示したもので
ある。減衰D0.5、D、Dはいずれも上記部品の
挿入前後の負荷両端の電圧の比をdB表示したもので、
それぞれ0.5、1.0、5.0GHzでの値である。
なお、負荷および伝送線路の特性インピーダンスはいず
れも50Ωである。
【0029】次に、この実施例1の測定の結果を詳細に
説明する。表3および表4の結果をつぶさに見ると、倍
数R/Rが100より大の試料はいずれも、100
MHzでの損失P100は0.1dBより小すなわち極
めて低損失であり、かつ0.5GHz、1GHz、5G
Hzのすべての周波数において減衰が10dB以上と良
好な減衰となっていることが分かる。この事は、倍数R
/Rの指標を100より大とさえすれば、伝送した
い信号の周波数が100MHz以下であって、減衰させ
たいノイズの周波数が0.5〜5GHzであるような2
端子のノイズフィルターとして極めて有用な部品が作成
できることを示している。
【0030】一方上記指標P100が100より小の場
合は、100MHzでの挿入損失の大小を問わず0.5
〜5GHzの少なくともいずれかの周波数で減衰が10
dBに満たないことが分かる。
【0031】次に表1〜表4から、フェライト材料の組
成と部品の特性との関係について詳細に照合した結果に
ついて説明すると以下の通りである。試料No1〜5は
表1に示す通り、Feの比率を44.5mol%
から50mol%まで変化したものである。表3に示す
通り、Feの比率が45〜49mol%の範囲で
はいずれも倍数R/Rが100より大であり、極め
て低損失でかつ減衰は0.5〜5GHzの全域で良好で
ある。一方Feの比率が44.5mol%の場
合、倍数R/Rが100より小で、損失は低いが減
衰は0.5GHzでは10dBに満たない。さらに、F
の比率が50mol%の場合、倍数R/R
が100より小で、損失は低いが減衰は0.5〜5GH
zの全域で10dBに満たない。従って、低損失でかつ
0.5〜5GHzの全域で高減衰となるようなFe
の組成範囲は45〜49mol%であることが分か
る。
【0032】試料No6〜9は表1に示す通り、ZnO
の比率を9mol%から0.5mol%まで変化したも
のである。表3に示す通り、ZnOの比率が8mol%
以下の場合はいずれも倍数R/Rが100より大で
あり、極めて低損失でかつ減衰は0.5〜5GHzの全
域で良好である。一方ZnOが9mol%になると、倍
数R/Rは100より小である。結局、損失は0.
25dBに増大し減衰は1GHz以上では10dBに満
たない。従って、低損失でかつ0.5〜5GHzの全域
で高減衰となるようなZnOの組成範囲は8mol%以
下であることが分かる。
【0033】試料No10〜13は表1に示す通り、C
uOの比率を8mol%から14mol%まで変化した
ものである。CuOの比率が9〜13mol%の範囲で
は表3に示す通り、倍数R/Rが100より大であ
り、極めて低損失でかつ減衰は0.5〜5GHzの全域
で良好である。一方CuOの比率が8mol%の場合、
倍数R/Rが100より小で、損失は低いが減衰は
1GHz以下では10dBに満たない。さらに、CuO
の比率が14mol%の場合、倍数R/Rが100
より小で、損失が0.27dBと大きくなるとともに減
衰は0.5〜5GHzの全域で10dBに満たない。従
って、低損失でかつ0.5〜5GHzの全域で高減衰と
なるようなCuOの組成範囲は9〜13mol%である
ことが分かる。
【0034】試料No14〜17は表1に示す通り、N
iOの比率を34mol%から45.5mol%まで変
化したものである。NiOの比率が35〜45mol%
の範囲では表3に示す通り、倍数R/Rが100よ
り大であり、極めて低損失でかつ減衰は0.5〜5GH
zの全域で良好である。一方NiOの比率が34mol
%の場合、倍数R/Rが100より小で、損失は
0.29dBと大きく、減衰は1GHz以上では10d
Bに満たない。さらに、NiOの比率が45.5mol
%の場合、倍数R/Rが100より小で、損失は低
いが減衰は1GHz以下で10dBに満たない。従っ
て、低損失でかつ0.5〜5GHzの全域で高減衰とな
るようなNiOの適性量は35〜45mol%の範囲で
あることが分かる。
【0035】試料No18〜22は表2に示す通り、C
oO4/3の比率を0mol%から1.7mol%まで
変化したものである。なお、CoO4/3はCo
であるが、モル比の計算上金属イオン数に着目して3倍
のモル勘定として計算したことを示すものである。Co
4/3の比率が0.1〜1.5mol%の範囲では表
4に示す通り、倍数R/Rが100より大であり、
極めて低損失でかつ減衰は0.5〜5GHzの全域で良
好である。一方CoO4/3の比率が0mol%の場
合、倍数R/Rが100より小で、損失は0.2d
Bとなり減衰は0.5〜5GHzの全域で10dBに満
たない。さらに、CoO4/3の比率が1.7mol%
に至ると、倍数R/Rが100より小で、損失は低
いが減衰は0.5GHz以下で10dBに満たない。従
って、低損失でかつ0.5〜5GHzの全域で高減衰と
なるようなCoO /3の組成範囲は0.1〜1.5m
ol%であることが分かる。
【0036】試料No23〜27は表2に示す通り、副
成分Biの比率を0.6wt%から6wt%まで
変化したものである。の比率が0.7〜5wt%の範囲
では表4に示す通り、倍数R/Rが100より大で
あり、極めて低損失でかつ減衰は0.5〜5GHzの全
域で良好である。一方Biの比率が0.6wt%
の場合、倍数R/Rが100より小で、損失は小さ
いが減衰は1GHz以下で10dBに満たない。さら
に、Biの比率が6wt%に至ると倍数R/R
が100より小で、損失は0.1dBだが減衰は0.
5〜5GHzの全域で10dBに満たない。従って、低
損失でかつ0.5〜5GHzの全域で高減衰となるよう
なBiの組成範囲は0.7〜5wt%である。
【0037】試料No28〜30は表2に示す通り、副
成分の種類と比率を変えたものである。PbO3wt%
添加、V3wt%添加、およびBi、Pb
O、Vをそれぞれ1wt%合計3wt%添加の3
種の試料は表4に示す通り、倍数R/Rが100よ
り大かつほぼ同等であり、極めて低損失でかつ減衰は
0.5〜5GHzの全域でほぼ同等に良好である。従っ
て、添加物はBi、PbO、Vの何れか1
つまたは2つ以上で良い。
【0038】試料No31〜34は表2に示す通り、N
iOの一部をMnOやMgOに置換したものである。
表4に示す通り、NiOの4mol%、8mol%をM
nO に置換しても、倍数R/Rは100より大か
つほぼ同等であり、極めて低損失でかつ減衰は0.5〜
5GHzの全域でほぼ同等に良好である。またNiOの
8mol%をMgOに置換しても、倍数R/Rは1
00より大かつほぼ同等であり、極めて低損失でかつ減
衰は0.5〜5GHzの全域でほぼ同等に良好である。
さらにまたNiOの8mol%を4mol%のMnO
および4mol%のMgOに置換しても、倍数R/R
は100より大かつほぼ同等であり、極めて低損失で
かつ減衰は0.5〜5GHzの全域でほぼ同等に良好で
ある。従って、少なくとも8mol%以下のNiOをM
nOおよびまたはMgOに置換しても良い。
【0039】(実施例2)実施例1と同じ要領で内部導
体の積層数(コイル巻数に相当)を少なくして、他の条
件は変えずにノイズフィルターを試作したところ、表
3、表4と同様の傾向を得た。すなわち実施例1での結
果と材質特性は当然同じであるが、R、R 、P
100は比例的に小さくなり、R/Rは実施例1と
変わらず、減衰の値は全体にやや小さめでかつ僅かに高
周波側に移動するという差は見られたものの倍率R
が100以上の場合に限り好特性という状況は何ら
変わるところがなかった。
【0040】(実施例3)実施例1と同じ要領で内部導
体の積層数(コイル巻数に相当)を多くして、他の条件
は変えずにノイズフィルターを試作したところ、表3、
表4と同様の傾向を得た。すなわち実施例1での結果と
材質特性は当然同じであるが、R、R、P100
比例的に大きくなり、R/Rは実施例1と変わら
ず、減衰の値は全体にやや大きめでかつ僅かに低周波側
に移動するという差は見られたものの倍率R/R
100以上の場合に限り好特性という状況は何ら変わる
ところがなかった。
【0041】(実施例4)実施例1と同じ要領で相似的
に全体の寸法を小さくし他の条件は変えずにサイズ1.
0mm×0.5mm×0.5mmのノイズフィルターを
作成したところ、表3、表4と同様の傾向を得た。すな
わち実施例1での結果と材質特性は当然同じであるが、
、R、P100は比例的に小さくなり、R/R
は実施例1と変わらず、減衰の値は全体にやや小さめ
の結果となったものの倍率R/R が100以上の場
合に限り好特性という状況は何ら変わるところがなかっ
た。
【0042】(実施例5)実施例1と同じ要領で内部導
体の形状を変えてミアンダー形状とし他の条件は実施例
と同じにしてノイズフィルターを試作した。ただし内部
導体の全長は実施例1の内部導体の全長に合わせた。そ
の結果は、実施例1とほぼ同じでバラツキの範囲内と判
断できる結果であった。すなわち実施例1での結果と比
較すると、材質特性は当然として、R、R、P
100、R/R、D0.5、D、Dのいずれも
同等であった。
【0043】(実施例6)実施例1の内部導体の構造と
チップサイズを変更して外形が幅3.2mmで高さ0.
8mm、長さ1.6mmの4回路2端子積層チップビー
ズアレイを作成した。図2はその外形である。内部導体
の構造は、実施例1の内部電極の構造と同じにして1回
路分の内部導体を形成し、これを幅方向に4個すなわち
4回路配列して1個のアレイとなるようにした。
【0044】その内部導体構造となるように銀ペースト
をフェライトグリーンシートに印刷したものを、実施例
1と同様に積層し、熱圧着した。これを焼成後の外形寸
法が幅3.2mmで長さ1.6mm(高さは0.8m
m)となるように切断した後焼成し8個のはんだメッキ
Ag素地の外部電極を形成して、8端子4回路の積層チ
ップビーズアレイを作成した。以下実施例1と同様にフ
ェライト材料の組成を変えて評価したところ、アレイ中
の個々のインピーダンス素子については実施例1と同じ
結果となった。
【0045】以上に実施例1〜6を挙げて説明したとお
り、2端子積層ノイズフィルターは周波数500MHz
における抵抗成分Rが100MHzにおける抵抗成分
の100倍以上であれば0.5〜5GHzにおいて
優れた減衰を奏することが明らかである。
【0046】さらにこの発明は次のように一般化しても
よい。すなわち、周波数fにおける複素透磁率の虚数
項μ”が周波数5・fにおける複素透磁率の虚数項
μ” の100分の1以下であるようなフェライト材料
を用いて作成したインピーダンス素子は、周波数f
下においては低損失であるとともに周波数5・f〜5
0・fの全域で高インピーダンスを有するというもの
である。
【0047】ここで、より低損失かつ高インピーダンス
とするためには、フェライト材料としてf以下の低周
波fにおける相対損失係数(tanδ/μ=μ”/
μ’)のより小さいものを用いることが有効である。
ただし、fはおよそf以下であれば例えば0.01
・fのような十分に低い周波数でもよい。
【0048】本願発明はさらに、高周波デジタル伝送線
路用のノイズ対策にも有効である。すなわち、矩形のデ
ジタル波は、基本波の1桁以上もの高周波におよぶ奇数
高調波を波形成分として持つが、同時にこの高調波の周
波数は除去したいノイズの周波数帯と重なる場合が多
い。このような場合に高周波デジタル伝送線路用の最良
のノイズフィルターを設計しようとすると従来有効な手
段がなかったところ、本発明を適用すればデジタル波形
変化は少なくしかもノイズは有効に除去できる。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば100MHzの信号を低損失で通過せしめ、かつ
0.5GHz〜5GHzの周波数帯のノイズを能く減衰
するような高周波用2端子積層ノイズフィルターを得る
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に関る2端子積層ノイズフィルターの
透視斜視図。
【図2】他の一実施例に関る2端子積層ノイズフィルタ
ーの斜視図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 恭男 鳥取県鳥取市南栄町33番地12号日立金属株 式会社鳥取工場内 Fターム(参考) 5E041 AB01 AB19 CA02 NN02 NN15 5E070 AA01 AB08 BA12 BB01 CB02 CB13 5J024 AA01 DA22 DA26 DA28 DA32 EA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体とフェライトとを積層して形成した
    ほぼ直方体状をなす2端子積層ノイズフィルターであっ
    て、前記2端子積層ノイズフィルターは周波数500M
    Hzにおける抵抗成分Rが前記100MHzにおける抵
    抗成分Rの100倍以上であることを特徴とする高周波
    用2端子積層ノイズフィルター。
  2. 【請求項2】 前記高周波用2端子積層ノイズフィルタ
    ーは0.5〜5GHz帯で用いる2端子積層チップビー
    ズまたは2端子積層チップビーズのアレイであることを
    特徴とする請求項1に記載の高周波用2端子積層ノイズ
    フィルター。
  3. 【請求項3】 主成分の組成がFe:45〜49
    mol%、CuO:9〜13mol%、ZnO:8mo
    l%以下(0を含まず)、CoOおよび/またはCoO
    4/3:0.1〜1.5mol%、NiO:35〜45
    mol%の範囲にあって、かつ副成分としてBi
    、PbO、Vの何れか1つまたは2つ以上
    を合計0.7wt%〜5wt%含有してなるフェライト
    材料を用いて形成したことを特徴とする請求項1または
    2に記載の高周波用2端子積層ノイズフィルター。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の主成分の組成における
    NiOの内0.1〜8mol%をMnOおよび/また
    はMgOに置換したことを特徴とする、高周波用2端子
    積層ノイズフィルター。
  5. 【請求項5】 主成分の組成がFe:45〜49
    mol%、CuO:9〜13mol%、ZnO:8mo
    l%以下(0を含まず)、CoOおよび/またはCoO
    4/3:0.1〜1.5mol%、NiO:34〜45
    mol%の範囲にあって、かつ副成分としてBi
    、PbO、Vの何れか1つおよび/または
    2つ以上を合計0.7wt%〜5wt%含有してなるこ
    とを特徴とする、高周波用2端子積層ノイズフィルター
    用フェライト材料。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の主成分の組成における
    NiOの内0.1〜8mol%をMnOおよび/また
    はMgOに置換したことを特徴とする、高周波用2端子
    積層ノイズフィルター用フェライト材料。
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