JP2000294388A - 照明制御方法および照明システム - Google Patents

照明制御方法および照明システム

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JP2000294388A
JP2000294388A JP10271999A JP10271999A JP2000294388A JP 2000294388 A JP2000294388 A JP 2000294388A JP 10271999 A JP10271999 A JP 10271999A JP 10271999 A JP10271999 A JP 10271999A JP 2000294388 A JP2000294388 A JP 2000294388A
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lighting
light
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period
illumination
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JP10271999A
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Takeshi Morita
健 森田
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Sekisui House Ltd
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Sekisui House Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps
    • Y02B20/40Control techniques providing energy savings, e.g. smart controller or presence detection

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトの生体リズムに応じた適正な光環境を得
ることが可能な照明制御方法ならびに照明システムを提
供する。 【解決手段】 ヒトの生体リズムにおける沈静化期P1
には低色温度光を多く含む照明1とし、活動化期P2に
は高色温度光を多く含む照明2とするように、少なくと
も一部の操作○、×を自動的に制御するようにし、この
とき、該照明の制御を、外界条件の普遍的な日周変化と
は無関係に、個人により任意に設定されたスケジュール
に沿って行うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒトの生体リズ
ムに応じて適正な照明を行うように制御する方法、なら
びにヒトの生体リズムに応じて適正な照明がなされるよ
うにしたシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】光環境は、ヒトの心理面、生理面に大き
な影響を与えるものであり、この光環境を適正に設計す
ることは、健康で快適な生活環境を得る上で基本的な要
素のうちの一つである。
【0003】しかしながら、実際の照明計画において
は、ヒトの心理面、生理面に対する光の影響にまで十分
に配慮がなされているとは言い難いのが現状である。照
明計画の指針としては、JISの照明基準(JIS-Z-911
0)や照明学会の住宅照明基準があるが、これらは、主
として基本的生活行動および視作業における見やすさを
確保する安全性(safety)、視認性(visibility)に対
する基準である。
【0004】前記照明学会の住宅照明基準の中には、一
部、快さ、楽しさをつくる雰囲気に関する快視性が扱わ
れており、光環境の快適性を考慮する試みも部分的には
なされている。しかしながら、照明を生理面から考察し
た研究は少ない。
【0005】ところで、生体が示す自律的な内因性のリ
ズム(生体リズム)のうちの代表的なものとして、約2
4時間周期の概日リズムがある。例えば、ヒトの深部体
温は、通常約1℃の振幅をもって、深夜に最も低く、昼
から夕方にかけて最も高くなり、また、この体温の挙動
と強く関連するメラトニンホルモンの分泌は、深夜に最
も著しく、昼間は非常に少ないという概日リズムを示
す。夜間の十分な体温低下は、熟睡(感)につながり、
また、メラトニンホルモンは、免疫系などにも影響して
いることがわかっている。
【0006】上記のようなリズムは、脳内(ヒトの場合
は視交差上核)にあるとされる「時計」によって制御さ
れながら、その本来の周期である約25時間を、光の明
暗や社会的因子に基づいて24時間に調整している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】健康で快適な生活を送
る上では、ヒトの有する生体リズムの位相が、周囲の環
境の時間的な流れと一致し、さらに振幅が大きく確保さ
れることが重要であるといわれている。したがって、照
明計画においても、ヒトの生体リズムの位相に合致し、
さらには振幅が大きく確保されるように光環境を設計す
ることが望ましいと考えられる。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、ヒトの生体リズムに
応じた適正な光環境を得ることが可能な照明制御方法な
らびに照明システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされたこの発明の請求項1に記載の照明制御方法
は、ヒトの生体リズムにおいて、沈静化期には低色温度
光を多く含む照明とし、活動化期には高色温度光を多く
含む照明とするように、少なくとも一部の操作を自動的
に制御する照明制御方法であって、前記照明の制御を、
外界条件の普遍的な日周変化とは無関係に、個人により
任意に設定されたスケジュールに沿って行うことを特徴
とするものである。
【0010】また、この発明の請求項2に記載の照明制
御方法は、前記請求項1に記載の照明制御方法におい
て、前記沈静化期には低発光レベルの照明とし、活動化
期には高発光レベルの照明とするように制御することを
特徴とするものである。
【0011】また、この発明の請求項3に記載の照明シ
ステムは、ヒトの生体リズムに応じて照明を行うシステ
ムであって、色温度を調整可能に配設された照明器具
と、ヒトの生体リズムにおける沈静化期に前記照明器具
を低色温度で点灯し、活動化期に前記照明器具を高色温
度で点灯するように、少なくとも一部の操作を自動的に
制御し得る制御部と、前記制御部の動作スケジュールを
設定するためのスケジュール設定機構と、を備えること
を特徴とするものである。
【0012】また、この発明の請求項4に記載の照明シ
ステムは、前記請求項3に記載の照明システムにおい
て、前記制御部が、ヒトの生体リズムにおける沈静化期
に前記照明器具を低発光レベルで点灯し、活動化期に前
記照明器具を高発光レベルで点灯するように制御し得る
ものとなっていることを特徴とするものである。
【0013】なお、この発明において、「ヒトの生体リ
ズムにおける沈静化期」とは、ヒトの概日リズムにおい
て、ヒトの深部体温が下降しメラトニン分泌が増加する
期間にほぼ対応するものとし、「ヒトの生体リズムにお
ける活動化期」とは、ヒトの深部体温が上昇しメラトニ
ン分泌が減少する期間にほぼ対応するものとする。
【0014】また、「外界条件の普遍的な日周変化」と
は、屋外における明るさの昼夜変動などの、外部の自然
的な因子に基づく日周変化を意味するものとする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を例示
し具体的に説明する。本実施形態に係る照明制御方法
は、図1に示すように、ヒトの生体リズムにおいて、沈
静化期P1には低色温度光を多く含む照明とし、活動化
期P2には高色温度光を多く含む照明とするように、一
部の操作を図2に示す制御部C10で自動的に制御する
ものである。この照明の制御は、該照明の使用者により
設定されたスケジュールに沿って行うようにしている。
なお図1中、○、×はそれぞれ点灯、消灯を、a、mは
それぞれ自動操作、手動操作を示す。
【0016】ここに例示する方法においては、住宅内の
一室において、一日における晩期の点灯時間帯、即ち図
1に示す夜半t1から就寝時t2までの時間帯と、早期
〜中期の点灯時間帯、即ち図1に示す起床時t3から前
記夜半t1までの時間帯との2つの時間帯で照明を行う
ようにしている。上記住宅内の一室としては居間を使用
しており、該住宅の居住者、即ち照明の使用者が、睡眠
時間を除くほぼ全時間をこの居間で起居するようにして
いる。上記就寝時t2は日の出T13よりやや前の時
刻、起床時t3は正午前後の時刻となっている。
【0017】上記照明は、図2に模式的に示す照明シス
テムS1により行うようにしている。同図に示す照明シ
ステムS1は、シーリングライト(天井灯)L1と、制
御部C10とを備えるものとなっている。
【0018】上記シーリングライトL1は、第1および
第2の2本の直管形蛍光管1、2で構成されている。上
記第1の蛍光管1は電球色蛍光灯(色温度3000
K)、第2の蛍光管2は昼光色蛍光灯(色温度6500
K)となっており、該第1および第2の両蛍光管1、2
のいずれか一方を選択的に、あるいは両方を同時に点灯
することにより、シーリングライトL1による光源光の
色温度を段階的に調整し得るようになっている。また、
上記第1および第2の各蛍光管1、2は、居間内の照度
(床面上0.85mの水平面における計測値)が、それ
ぞれ低照度、高照度となるような発光レベルを有するも
のとなっており、前記したように該第1および第2の両
蛍光管1、2のいずれか一方を選択的に、あるいは両方
を同時に点灯するのに伴って、シーリングライトL1に
よる光源光の発光レベルが段階的に調整されるようにな
っている。
【0019】上記第1および第2の各蛍光管1、2は、
制御部C10に接続されており、該制御部C10でそれ
ぞれ点消灯の操作がなされるようになっている。
【0020】上記制御部C10には、操作パネルC20
が配設されている。該操作パネルC20は、図3に示す
ように、キー21および表示部22を有しており、該表
示部22を見ながらキー21を操作することにより、第
1乃至第2の蛍光管1、2の点消灯の時刻を入力するこ
とができるようになっている。制御部C10にはタイマ
(図示せず)が内蔵されており、上記操作パネルC20
で入力された所定時刻に、各蛍光管1、2の点消灯の操
作が自動的に行われるようになっている。これにより、
制御部C10の動作スケジュールを設定することが可能
なスケジュール設定機構が構成されている。
【0021】また、上記操作パネルC20には、第1お
よび第2の蛍光管1、2のそれぞれに対応するスイッチ
23、24が配設されており、各蛍光管1、2の点消灯
の操作を手動でも行うことができるようになっている。
【0022】ここに示す例における照明の点消灯の操作
を昼から順に示すと、以下のようになる。図1に示すよ
うに、起床時t3で第2の蛍光管2を自動的に点灯し、
以降夜半t1まで該第2の蛍光管2を基本的に点灯状態
としておく。夜半t1になると、該第2の蛍光管2から
第1の蛍光管1に自動的に切り換え、以降就寝時t2ま
で該第1の蛍光管1を点灯状態としておき、就寝時t2
で該第1の蛍光管1を手動で消灯する。
【0023】なお、上記就寝時t2から起床時t3まで
の睡眠時間においては、屋外ではほぼ朝となっているた
め、ブラインドで昼光を遮断してできるだけ室内を暗く
するようにしている。
【0024】上記点消灯操作では、沈静化期P1には低
色温度・低発光レベルの第1の蛍光管1を点灯し、活動
化期P2には高色温度・高発光レベルの第2の蛍光管2
を点灯するようにしている。これにより、居間内の照明
が、沈静化期P1には低色温度光を多く含み、かつ低発
光レベルのものとなるように、活動化期P2には高色温
度光を多く含み、かつ高発光レベルのものとなるように
制御している。
【0025】上記のような照明制御方法は、ヒトの生体
リズムの位相に合致したものとなっており、したがっ
て、特に生理面で居住者にとって望ましいものとなって
いる。以下に、上記と同様の照明方法がヒトの生理面に
及ぼす影響について調べた実験の例を示す。
【0026】[実験例1]赤色光、緑色光および青色光
を、それぞれ夜間21:00〜2:00の5時間浴び、
それぞれの場合において、ほぼ1時間毎に9:00まで
深部体温を測定するとともに、21:00、23:3
0、2:00、8:00の各時刻にメラトニン分泌量を
測定した。上記3種の光の照度はいずれも1000lux
とし、Control として、照度50lux の条件下で同時間
過ごすようにした。
【0027】上記実験により、図4に示す結果が得られ
た。同図に示すように、緑色光ないし青色光を浴びた場
合には、体温の低下およびメラトニン分泌の上昇が著し
く抑制され、この現象は、睡眠中、即ち消灯後(2:0
0以降)にも継続してみられた。一方、赤色光を浴びた
場合には、体温およびメラトニン分泌は Controlの場合
とほぼ同様の挙動を示した。
【0028】[実験例2]上記実験例1において、昼光
色蛍光灯(色温度6500K)および電球色蛍光灯(色
温度3000K)により、高色温度光および低色温度光
の2種の光を用いるようにする以外は全て同様にして、
深部体温およびメラトニン分泌量を測定した。
【0029】上記実験により、図5に示す結果が得られ
た。同図に示すように、高色温度光を浴びた場合には、
体温の低下およびメラトニン分泌の上昇が著しく抑制さ
れ、この現象は睡眠中にも継続してみられた。一方、低
色温度光を浴びた場合には、高色温度光を浴びた場合に
比して、前記のような抑制の程度は小さい。
【0030】[実験例3]1000lux および2500
lux の2種類の照度に設定した赤色光、緑色光および青
色光(計6種類)を、それぞれ朝4:00〜9:00の
5時間浴び、それぞれの場合における深部体温およびメ
ラトニン分泌の挙動を調べた。Control としては、照度
50lux の条件下で同時間過ごすようにした。
【0031】上記実験により、図6乃至図8に示す結果
が得られた。同図に示すように、照度1000lux で
は、赤色光、緑色光および青色光のいずれの場合も、体
温上昇(図6)およびメラトニン分泌減少(図8)への
影響は認められないが、照度2500lux では、緑色光
の場合、体温上昇(図7)およびメラトニン分泌減少
(図8)がともに促進された。
【0032】上記実験例1乃至実験例3の結果から、人
の視認性においては同一である同じ照度条件であって
も、光の波長成分として長波長成分を多く含む光、即ち
低色温度光/赤色光は、ヒトの生体リズムに対する影響
は小さく、中〜短波長成分を多く含む光、即ち高色温度
光/緑〜青色光は、ヒトの生体リズムに対する影響が大
きいことがわかる。
【0033】具体的には、高色温度光/緑〜青色光は、
体温のリズムに対して、夜間の下降期にはその下降を抑
制するように作用し、朝の上昇期にはその上昇を促進す
るように作用する。メラトニンリズムに対しても同様
に、夜間の分泌上昇期にはその上昇を抑制するように作
用し、朝の分泌下降期にはその下降を促進するように作
用する。
【0034】ヒトのメラトニンリズムは、ヒトの体温リ
ズムと強い逆相関を有することが知られているため、前
述の内容は、換言すれば以下のようになる。即ち、高色
温度光/緑〜青色光は夜間のメラトニン分泌増加を抑
制、朝のメラトニン分泌減少を促進するように作用し、
その結果として、夜間の深部体温下降が抑制され朝の深
部体温上昇が促進されるという体温挙動が現出したので
ある。
【0035】また、上記実験例3の結果を、前記実験例
1の結果と比較しながら考察すると、朝の場合にも、夜
間の場合と同様に、長波長成分を多く含む光(ここでは
赤色光)の生体リズムに対する影響は小さく、中〜短波
長成分を多く含む光(ここでは緑色光)の生体リズムに
対する影響は大きいが、その影響が現れる光の強度(照
度)をみると、朝の場合(2500lux )は夜間の場合
(1000lux )よりも大となっていることがわかる。
【0036】[実験例4]日中に室内の照度を5000
lux および60lux の2種類に設定してそれぞれ過ご
し、それぞれの場合における深部体温の挙動を調べた。
いずれの場合も室温は同一とした。その結果、照度を5
000lux とした場合には、夜間の深部体温が有意に低
下することが認められた。また、照度を60lux とした
場合には、より寒く感じられることが認められた。この
結果から、日中に高照度の光環境とすることは、ヒトの
生体リズムに対し、日中だけでなく夜間にまで影響を及
ぼすことがわかる。
【0037】[まとめ1]以上の実験例1〜4から、以
下のような知見を得ることができる。夜から早朝にかけ
て、特に深夜までの生体リズムの方向は沈静化にあり、
これを現す体温の低下およびメラトニン分泌の上昇がそ
の目的となる。この目的を支援するか、あるいは少なく
とも妨害しない低色温度光を多く含む光環境とすること
が、夜間においては望ましいと考えられる。一方、早朝
から昼〜夕方にかけて、特に午前中までの生体リズムの
方向は活動化にあり、これを現す体温の上昇およびメラ
トニン分泌の速やかな減少がその目的となる。この目的
を支援する高色温度光を多く含む光環境とすることが、
朝においては望ましいと考えられる。
【0038】さらに、上記の目的を支援する上で、生体
リズムの方向が沈静化にある夜間には低照度の光環境と
し、生体リズムの方向が活動化にある朝には高照度の光
環境とすることが、より望ましいと考えられる。また、
日中に高照度の光環境下で過ごすことは、生体リズムの
振幅を確保するという意味でも重要であると考えられ
る。
【0039】上記実験例1〜4により得られた結果は、
生体リズムにかかわる受光器官の作用を考慮に入れて捉
えることも可能である。
【0040】ヒトの生体リズムにかかわる受光器として
は、網膜上にあるL、M、Sの3タイプの錐体(cone)の
うち、M−錐体が関与していると考えられる。以下、ヒ
トの生体リズムに対するM−錐体の関与について調べた
実験の例を示す。
【0041】[実験例5]前記実験例1において、先天
的にM−錐体に障害を有する第2色覚異常者を被験者と
する以外は全て同様にして、深部体温およびメラトニン
分泌量を測定した。その結果、赤色光、緑色光および青
色光のいずれの場合にも、体温リズムおよびメラトニン
リズムに影響は認められなかった。
【0042】[実験例6]夜間に各実験光条件下でL−
錐体、M−錐体およびS−錐体が色順応したとき受けた
刺激量を、CIE(国際照明委員会)の色順応方程式に
より算出し、そのときの深部体温およびメラトニン分泌
への影響の程度と比較した。その結果、M−錐体が実験
光から受けた刺激量と、深部体温およびメラトニン分泌
への影響の程度との間に、強い相関関係があることが認
められた。
【0043】上記実験例5および実験例6の結果から、
ヒトの生体リズムにかかわる受光器として、M−錐体が
関与していることが強く示唆される。
【0044】[まとめ2]以上の実験例5、6から、ヒ
トの生体リズムに対するM−錐体の関与が考えられる。
ここで、前記実験例3からは、特定の光を一定量受けた
場合に、深部体温およびメラトニン分泌への影響の程度
が朝と夜間とで差があることがわかっているが、このこ
とは、M−錐体の感度に日内変動があることによるもの
と考えられる。受光器感度に日内変動があることは、視
覚上の問題としてこれまでにも確認されている。M−錐
体は、視覚上も重要な役割を担うものであるが、前記し
たように生体リズムにかかわる受光器としても機能する
と考えられることから、視覚上の日内変動と同様の変動
が、生体リズムにおいても認められると考えられる。
【0045】上記生体リズムにかかわる受光器官につい
ての考察を踏まえると、以上の実験例により得られた結
果は、あらためて以下のように概括することもできる。
生体リズムの方向が沈静化にある夜間には、M−錐体の
分光感度分布に入る波長をあまり含まない光が好まし
く、生体リズムの方向が活動化にある朝には、M−錐体
の分光感度分布に入る波長を多く含む光が好ましいと考
えられる。M−錐体は、約540nmに感度ピークを有し
ており、これは緑色光の分光分布にほぼ対応する。
【0046】前記図1乃至図3に示した照明制御方法に
おいては、さらに、照明の点消灯の操作における一部の
操作、即ち第2の蛍光管2の点灯操作、ならびに該第2
の蛍光管2から第1の蛍光管1への切り換え操作(調整
操作)を、自動的に制御するようにしている。ここで、
例えば前者の第2の蛍光管2の点灯操作を手動で行うと
すると、他方の第1の蛍光管1が誤って選択される事
態、即ち誤操作が生じることが考えられる。また、後者
の調整操作の場合、この操作の前後ではいずれも照明を
点灯状態としているため、この操作を手動で行うとする
と、操作自体を忘れやすくなると考えられる。さらにま
た、上記のいずれの場合にも、点灯ないし調整の操作自
体が面倒である。これに対し、前記のような自動制御に
よれば、操作を手間なく、確実かつ正確に行うことがで
きる。
【0047】一方、第1の蛍光管1の消灯動作は手動で
行うようにしている。一般に、照明の消灯の場合は、そ
の時刻が一定しないことが通例であるため、スイッチ、
リモコン等により手動で操作する方が望ましい。
【0048】さらに、上記照明制御方法においては、照
明の制御を、外界条件の普遍的な日周変化とは無関係
に、個人により任意に設定されたスケジュールに沿って
行うようにしている。
【0049】ヒトの生体リズムは、前記したように、そ
の本来有している周期を、屋外における明るさの昼夜変
動などの自然的な因子によって調整されているものであ
り、基本的には、外部の自然的因子に基づく日周変化に
合致したものとなるはずのものである。ところが、実際
の人の生活パターンは、社会的な要因に大きく左右され
ているものであり、上記のような外界条件の普遍的な日
周変化と必ずしも一致するとは限らず、むしろ大きなズ
レがあるような場合も少なくない。ヒトの生体リズム
は、自然的因子だけでなく社会的因子にも基づいて調整
されるものであるから、変則的な生活パターンが恒常化
していった場合には、生体リズムの位相も、これに影響
を受けて多少なりとも変動を生じてくることが考えられ
る。したがって、照明計画においても、人の生活パター
ンといった社会的因子を考慮することが重要であると考
えられる。
【0050】図1に示す例では、生活パターンが全体と
してやや変則的なものとなっている。この生活パターン
は、前記したように、就寝時t2が日の出T13付近の
時刻(即ち通常の生活パターンにおける起床時刻付近)
となっている。即ち、屋外における明るさの昼夜変動の
リズムよりも、ほぼ睡眠時間の分だけ遅い時間帯へ移行
した生活パターンとなっている。このような生活パター
ンが恒常化してくると、生体リズムにおける沈静化期P
1および活動化期P2も、この生活パターンに影響され
て、外部の明暗の変動のリズムとの間に多少のズレが生
じてくることが考えられる。特に、活動化期P2に関し
て、屋外における明暗の昼夜変動との間のズレが大きく
なっていると考えられる。
【0051】ここに示す例における晩期の点灯時間帯t
1−t2および早期〜中期の点灯時間帯t3−t1は、
上記変則的な生活パターンに沿って設定されている。即
ち、照明の制御を、外界条件の普遍的な日周変化ではな
く、照明の使用者により任意に設定されたスケジュール
に沿って行うようにしている。これにより、多少の変動
が考えられる沈静化期P1および活動化期P2のそれぞ
れに合わせて、適正な照明がなされるようになってい
る。
【0052】また、前記図2に示した照明システムS1
は、色温度を調整可能に配設されたシーリングライトL
1と、前記沈静化期P1に該シーリングライトL1を低
色温度で点灯し、活動化期P2に該シーリングライトL
1を高色温度で点灯するように、少なくとも一部の操作
を自動的に制御し得る制御部C10とを備えるものとな
っており、該照明システムS1を用いることにより、ヒ
トの生体リズムに応じた適正な光環境を得ることがで
き、また照明の点消灯ないし調整の操作を手間なく、確
実かつ正確に行うことができる。
【0053】さらに、上記照明システムS1は、制御部
C10の動作スケジュールを設定するためのスケジュー
ル設定機構を備えるものとなっており、該照明システム
S1を用いることにより、個人的な任意のスケジュール
に沿った照明の制御を、容易に、確実かつ正確に行うこ
とができる。
【0054】さらに、上記照明システムS1は、制御部
C10が、沈静化期P1にシーリングライトL1を低発
光レベルで点灯し、活動化期P2にシーリングライトL
1を高色温度で点灯するように制御し得るものとなって
おり、該照明システムS1を用いることにより、生体リ
ズムの振幅を確保する上でもより望ましく、したがって
生理的にさらに好適な光環境を得ることができる。
【0055】前記図1乃至図3に示した照明制御方法お
よび照明システムは、言うまでもなく本発明の実施形態
の一例であって、本発明はこれに限定されるものではな
い。以下、本発明において可能な実施形態の例につい
て、さらに広汎に説明する。
【0056】本発明において、低色温度光を多く含む照
明とするための光源としては、例えば、電球色蛍光灯
(色温度3000K程度)、温白色蛍光灯(色温度35
00K程度)、ハロゲンランプ(色温度3000K程
度)、白熱電球(色温度2850K程度)等が挙げられ
る。一方、高色温度光を多く含む照明とするための光源
としては、例えば、昼光色蛍光灯(色温度6500K程
度)、昼白色蛍光灯(色温度5000K程度)等が挙げ
られる。また、例えば、高圧水銀ランプ(色温度570
0〜5800K程度)による光は、M−錐体の分光感度
分布に入る波長を含む割合が高いと考えられる。
【0057】さらに、上に列挙した光源以外にも、これ
らと同等の色温度を有する各種の光源を用いることがで
き、また、所望の色温度を有する光源を調製するように
してもよい。これにより、任意の色温度を有する光源を
得ることができる。
【0058】本発明において、照明を制御するスケジュ
ール(照明スケジュール)としては、例えば図9に示す
ように、晩期の点灯時間帯t1−t2ないし早期〜中期
の点灯時間帯t3−t4を部分的に限定して設定するよ
うにすることもできる。同図に示す例では、晩期の点灯
時間帯t1−t2は前記図1に示す例の場合とほぼ同様
であるが、早期〜中期の点灯時間帯t3−t4は夕刻t
4で終了するようにしている。この例では、早期〜中期
の消灯時刻(夕刻)t4から晩期の点灯時刻(夜半)t
1までの間は外出のため消灯するようにしており、また
このため、晩期の点灯時刻t1における点灯操作は手動
で行うようにしている。
【0059】ここで、照明スケジュールにおいては、通
常の生活パターンの場合であれば、前記実験例から、夜
間においては特に遅い時間帯(例えば21:00以降)
における光環境が重要であると考えられ、一方、朝/昼
間においては特に早い時間帯(例えば4:00〜9:0
0)における光環境が重要であると考えられる。したが
って、例えば夜間の点灯時間帯および昼間の点灯時間帯
を、少なくとも上記のような遅い時間帯および早い時間
帯(以下、コア時間帯と称す)をそれぞれ含むように設
定することが挙げられる。このとき、変則的な生活パタ
ーンの場合には、該生活パターンの変動の度合いに応じ
て、上記コア時間帯を調整するようにする。
【0060】あるいは逆に、例えば晩期の点灯時間帯な
いし早期〜中期の点灯時間帯を、より長く設定すること
もできる。即ち、晩期においては、例えば睡眠時間中に
もごく低い照度で低色温度の照明を続行するようにして
もよく、一方、早期〜中期においては、例えば起床時以
前から高色温度の照明を開始するようにしてもよい。
【0061】図10には、変則的な生活パターンに沿っ
て設定された照明スケジュールの他の例が示されてい
る。同図に示す例では、12時間程度の時差がある国へ
渡航することにより、それまでの生活パターンにおける
昼夜と、渡航先における外界の昼夜とが、ほぼ完全に逆
転している。即ち、同図に示す渡航先での日没T11お
よび日の出T13が、それぞれ、渡航前の日の出および
日没にほぼ相当する時刻となっている。
【0062】この場合、渡航直後においては、生体リズ
ムの位相も外界の昼夜変動に対してほぼ完全に逆転した
状態となっており、同図に示すように、沈静化期P1は
昼間T13−T11に現れ、活動化期P2は夜間T11
−T13に現れる。生体リズムは、直ちには外界の日周
変化に同調し得ないため、時差ぼけが発現することにな
るが、これを解消するのには、時差1時間につき1日を
要するといわれている。このため、ここに示す例では、
時差ぼけを緩和するために、渡航前の生活パターンを、
渡航先における外界の昼夜変動に漸次合わせていくよう
にしている。
【0063】同図に示す照明スケジュールは、渡航直後
のものとなっており、照明の点消灯の操作を順に示す
と、以下の通りである。日没T11の前後にあたる起床
時t23で、前記図1に示す例の場合と同様の第2の蛍
光管2を自動的に点灯し、以降日の出T13まで該第2
の蛍光管2を基本的に点灯状態としておく。日の出T1
3になると、該第2の蛍光管2から第1の蛍光管1に自
動的に切り換え、数時間後の就寝時t22まで該第1の
蛍光管1を点灯状態としておき、就寝時t22で該第1
の蛍光管1を手動で消灯する。このとき、昼光は遮断し
ておくようにする。次回のサイクルからは、上記各点消
灯の時刻を漸次ずらしていき、最終的に外界の昼夜変動
に沿った照明スケジュールとなるようにする。
【0064】本発明において、同一の照明を複数の使用
者が使用し、かつ該複数の使用者の生活パターンが互い
に異なるような場合には、例えばその複数種類の生活パ
ターンの平均となるような生活パターンを想定し、この
平均的な生活パターンに沿って照明スケジュールを設定
するようにすればよい。
【0065】本発明においては、例えば照明の制御を、
他の機器、設備等の動作と連動させて行うようにするこ
ともできる。例えば、昼間の点灯操作を目覚し時計の
動作と連動させて行うこと、夜間の点灯ないし調整の
操作を、帰宅時におけるドアの開閉ないし解錠動作や深
夜における防犯設備の稼働開始ないしドア、窓の施錠動
作と連動させて行うこと等が挙げられる。このような方
法によれば、照明の制御を、使用者の生活パターンに合
わせて、より手間なく、確実かつ正確に行うことがで
き、例えばホテル等の公共性の強いスペースのように、
照明の使用者の生活パターンが一定しないような場合に
特に有利である。
【0066】本発明において、晩期の点灯時間帯の照度
としては、例えば1000lux 程度以下に設定すること
が挙げられる。前記実験例から、夜間においては、低色
温度光を多く含む照明としていれば、1000lux 程度
の照度条件であっても生体リズムの沈静化の傾向は大き
くは阻害されないことがわかっている。さらに、例えば
500lux 程度以下、好ましくは100lux 程度以下、
さらに好ましくは50lux 程度以下とすると、生体リズ
ムの沈静化に対する抑制傾向はさらに小さくなり、ま
た、心理的にもより落ち着いた温かみのある光環境とす
ることができる。
【0067】一方、早期〜中期の点灯時間帯の照度とし
ては、例えば1000lux 程度より大、好ましくは25
00lux 程度以上に設定することが挙げられる。前記実
験例3から、朝においては、高色温度光を多く含む照明
としていれば、2500lux程度の照度条件で生体リズ
ムの活動化の傾向が促進されることがわかっている。さ
らに、前記実験例4から、例えば5000lux 程度以上
の照度条件下で過ごすと、生体リズムの振幅を確保する
上で望ましいことがわかっている。
【0068】なお、例えば晩期においても早期〜中期の
場合と同程度に高照度とすることも可能である。この場
合でも、低色温度光を多く含む照明としていれば、ヒト
の生体リズムに対して好ましくない影響が及ぼされるこ
とは比較的少ないと考えられる。
【0069】本発明において使用する照明の方式として
は、直接照明、半直接照明、半間接照明および間接照明
のいずれを採用することも可能である。
【0070】間接照明の場合、例えば図11に示すよう
に、壁面4に沿って光源(蛍光管)5を配設し該光源5
を幕板6で覆う構造とすることによって室内を間接光に
より照明し、これにより拡がり感が得られる照明とする
ことが従来提案されているが(特開平10−32101
9号公報参照)、本発明の方法をこのような間接照明構
造に適用するようにしてもよい。この場合、例えば、上
記光源5にかえて、低色温度の第1の光源および高色温
度の第2の光源を並置して配設するようにすればよい。
さらにこの場合、上記第1および第2の光源を壁面4で
はなく幕板6に取り付けるようにすると、該光源および
幕板6を予め一体的に作製しておくことができ、現場で
の取付作業を簡略化することができる。さらにまた、上
記図11に示す間接照明構造では、幕板6を壁面4に取
り付けるための金具7を利用してカーテンレール8が配
設されているので、該間接照明構造を採用することによ
り、幕板6をカーテンレールボックスとしても機能させ
ることができる。
【0071】間接照明構造としては、上記のようなもの
以外にも、例えば、壁内に光源を埋設し、該壁の適宜位
置に設けたスリット等から間接光を室内に導入する構造
とすること等も可能である。さらに、照明を壁だけでな
く天井に配設したり、また水平方向だけでなく垂直方向
に沿って配設したりすることもできる。
【0072】本発明において使用する照明器具のタイプ
としては、例えば、天井(または壁)に直付けされるも
の(シーリングライト等)、埋め込み式のもの(ダウン
ライト等)、半埋め込み式のもの、天井吊下げ式のもの
(ペンダント等)等のいずれのものも使用することがで
きる。また、光源として蛍光管を用いる場合、環形、直
管等がいずれも使用でき、さらに、蛍光管以外にも、白
熱電球、ハロゲン電球等の当該分野で既知の任意の光源
を用いることができる。
【0073】図12および図13には、光源の他の例が
示されている。同図に示す光源9は、低色温度の第1の
蛍光管1と、高色温度の第2の蛍光管2とを重ね合わせ
捩じるようにして複合・一体化させることにより、全体
として1本のロッド形状の光源としたものであり、該第
1および第2の蛍光管1、2の一方または両方を点灯さ
せることで、異なる色温度の光が得られるようになって
いる。このように色温度の異なる複数の光源を複合・一
体化してなる光源によれば、低色温度光および高色温度
光をそれぞれほぼ全方向に均一に放射させることがで
き、また光源をコンパクト化して占有スペースを少なく
することができる。
【0074】本発明において、照明の色温度の調整方法
としては、2種類の光源を選択的に点灯するようにする
以外にも、種々の方法が可能である。例えば、単一の光
源と、1種または複数種の色温度変換フィルタとを組み
合わせ、該光源を露出させて点灯させるか、またはいず
れか1つのフィルタで該光源を覆った状態で点灯させる
ことによって、異なる色温度の光を得るようにしてもよ
い。あるいは、例えば、色温度の異なる3種類以上の光
源を用い、これらのうちから2種類以上の光源を選択し
同時に点灯して混光するようにし、この光源の組み合わ
せを変えることにより、得られる光の分布が異なるよう
にすることもできる。3種類の光源を用いる場合に、い
ずれか1種類のみを用いる場合ならびに3種類すべてを
用いる場合も含めると、光源の組み合わせは計7通りと
なる。さらにこの場合、3種類の光源を赤色光、緑色光
および青色光にそれぞれ対応させておくと、可視光領域
内で広範に光色を変化させることができる。
【0075】また、光源を点消灯することにより光を調
整する以外にも、連続的に光を調整し得るようにしても
よい。例えば、図14に示すように、低色温度の第1の
直管形蛍光管1と高色温度の第2の直管形蛍光管2との
各々を、インバータによる周波数制御で連続的に発光レ
ベルを調整し得るように構成し、第1の蛍光管1の発光
レベルを100%〜0%まで連続的に下降させると、こ
れにともなって第2の蛍光管2の発光レベルが0%〜1
00%まで連続的に上昇する構成とすることが挙げられ
る。これにより、低色温度光から高色温度光へ(あるい
はこれとは逆に)漸次切り換えることができ、したがっ
て、低色温度光を多く含む状態と高色温度光を多く含む
状態との間で連続的に照明を調整することができる。こ
のような連続的な調整方法によれば、視覚の順応特性に
合わせて光環境を穏やかに変化させることができ、快適
性をより向上させることができる。
【0076】本発明において、照明の発光レベルの調整
方法としても、光源の構成により種々の方法が可能であ
り、また、段階的な調整と連続的な調整とがいずれも可
能である。例えば、図15に示すように、色温度の異な
る複数種類の光源1、2から構成される照明器具L3に
おいて、それぞれの種類の光源1/2を、同一色温度の
複数の光源1、1、1/2、2、2で構成しておき、こ
れらのうちで点灯する光源の数を増減することにより、
発光レベルのみを段階的に調整するようにすることもで
きる。また、例えば、白熱灯と色温度変換フィルタとを
組み合わせて色温度の調整が可能な光源を構成すると
(図示せず)、単一の白熱灯で容易に発光レベルを段階
的または連続的に調整することができる。
【0077】本発明の照明制御方法および照明システム
は、照明がなされるスペースであれば任意のスペースに
適用することができるが、特に、一日の大半の時間を人
が起居することが多いようなスペース、例えば、戸建住
宅、集合住宅等の住居、ホテル、旅館等の宿泊施設、病
院、療養所等の医療施設、長距離運行用の交通機関(自
動車、鉄道車両、航空機、船舶等)等のスペースに好適
に適用することができる。
【0078】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に記
載の照明制御方法によれば、ヒトの生体リズムにおい
て、沈静化期には低色温度光を多く含む照明とし、活動
化期には高色温度光を多く含む照明とするので、ヒトの
生体リズムに応じた適正な光環境を得ることができる。
【0079】さらに、照明の点消灯ないし調整の操作に
おける少なくとも一部の操作を自動的に制御するので、
該操作を手間なく、確実かつ正確に行うことができる。
【0080】さらに、照明の制御を、外界条件の普遍的
な日周変化とは無関係に、個人により任意に設定された
スケジュールに沿って行うので、例えば何らかの理由に
より生体リズムの変動が考えられる場合にも、この変動
に適合して照明を行うことができ、したがって生理的に
さらに適正な光環境を得ることができる。
【0081】上記方法は、あらゆる人々に対し、生理学
的に好適な光環境を提供し得るものであるが、なかで
も、例えば高齢者や身障者のように行動に制約を受けて
いる人々、あるいは生活上の利便性を優先させている都
市生活者等のように、従来は光環境への配慮がとりわけ
不十分となりがちであった人々に対して、特に有用なも
のである。
【0082】さらに加えて、この発明の請求項2に記載
の照明制御方法によれば、前記沈静化期には低発光レベ
ルの照明とし、活動化期には高発光レベルの照明とする
ように制御するので、生体リズムの振幅を確保する上で
もより望ましく、したがって生理的にさらに好適な光環
境を得ることができる。
【0083】また、この発明の請求項3に記載の照明シ
ステムによれば、色温度を調整可能に配設された照明器
具と、ヒトの生体リズムにおける沈静化期に前記照明器
具を低色温度で点灯し、活動化期に前記照明器具を高色
温度で点灯するように、少なくとも一部の操作を自動的
に制御し得る制御部と、を備えるものであるので、該照
明システムを用いることにより、ヒトの生体リズムに応
じた適正な光環境を得ることができる。さらに、照明の
点消灯ないし調整の操作における少なくとも一部の操作
を自動的に制御することができるので、該操作を手間な
く、確実かつ正確に行うことができる。
【0084】さらに、前記制御部の動作スケジュールを
設定するためのスケジュール設定機構を備えるものであ
るので、該照明システムを用いることにより、個人的な
任意のスケジュールに沿った照明の制御を、容易に、確
実かつ正確に行うことができる。
【0085】さらに加えて、この発明の請求項4に記載
の照明システムによれば、前記制御部が、ヒトの生体リ
ズムにおける沈静化期に前記照明器具を低発光レベルで
点灯し、活動化期に前記照明器具を高発光レベルで点灯
するように制御し得るものとなっているので、該照明シ
ステムを用いることにより、生体リズムの振幅を確保す
る上でもより望ましく、したがって生理的にさらに好適
な光環境を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る照明制御方法を示す模式図。
【図2】図1の照明制御方法で使用する照明システムを
示す模式図。
【図3】図2の照明システムにおける操作パネルを示す
正面図。
【図4】夜間の体温リズムおよびメラトニンリズムに対
する赤色光、緑色光および青色光の影響を示すグラフ
図。
【図5】夜間の体温リズムおよびメラトニンリズムに対
する高色温度光および低色温度光の影響を示すグラフ
図。
【図6】朝の体温リズムに対する赤色光、緑色光および
青色光(1000lx)の影響を示すグラフ図。
【図7】朝の体温リズムに対する赤色光、緑色光および
青色光(2500lx)の影響を示すグラフ図。
【図8】朝のメラトニンリズムに対する赤色光、緑色光
および青色光の影響を示すグラフ図。
【図9】照明スケジュールの他の例を示す模式図。
【図10】照明スケジュールの他の例を示す模式図。
【図11】間接照明構造の一例を示す概略側面図。
【図12】光源の他の例を示す側面図。
【図13】図12のA−A線断面図。
【図14】第1および第2の各蛍光管の発光レベルを連
続的に変化させたときの様態を示す模式図。
【図15】照明器具の他の例を示す概略平面図。
【符号の説明】
1 第1の蛍光管(低色温度光を多く含む照明) 2 第2の蛍光管(高色温度光を多く含む照明) ○ 点灯 × 消灯 P1 ヒトの生体リズムにおける沈静化期 P2 ヒトの生体リズムにおける活動化期

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトの生体リズムにおいて、沈静化期に
    は低色温度光を多く含む照明とし、活動化期には高色温
    度光を多く含む照明とするように、少なくとも一部の操
    作を自動的に制御する照明制御方法であって、 前記照明の制御を、外界条件の普遍的な日周変化とは無
    関係に、個人により任意に設定されたスケジュールに沿
    って行うことを特徴とする照明制御方法。
  2. 【請求項2】 前記沈静化期には低発光レベルの照明と
    し、活動化期には高発光レベルの照明とするように制御
    することを特徴とする請求項1に記載の照明制御方法。
  3. 【請求項3】 ヒトの生体リズムに応じて照明を行うシ
    ステムであって、 色温度を調整可能に配設された照明器具と、 ヒトの生体リズムにおける沈静化期に前記照明器具を低
    色温度で点灯し、活動化期に前記照明器具を高色温度で
    点灯するように、少なくとも一部の操作を自動的に制御
    し得る制御部と、 前記制御部の動作スケジュールを設定するためのスケジ
    ュール設定機構と、を備えることを特徴とする照明シス
    テム。
  4. 【請求項4】 前記制御部が、ヒトの生体リズムにおけ
    る沈静化期に前記照明器具を低発光レベルで点灯し、活
    動化期に前記照明器具を高発光レベルで点灯するように
    制御し得るものとなっていることを特徴とする請求項3
    に記載の照明システム。
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