JP2000290308A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP2000290308A
JP2000290308A JP11102701A JP10270199A JP2000290308A JP 2000290308 A JP2000290308 A JP 2000290308A JP 11102701 A JP11102701 A JP 11102701A JP 10270199 A JP10270199 A JP 10270199A JP 2000290308 A JP2000290308 A JP 2000290308A
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antioxidant
vinyl chloride
rotor
pump
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Makoto Oura
誠 大浦
Tadashi Amano
正 天野
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • C08F14/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合器内の圧力が高くても、酸化防止剤分散
液を、ポンプ内部での閉塞を起こさずに、定量的に安定
して添加できる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 重合器内で、塩化ビニル単量体又は塩化
ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒体中で重合
し、重合混合物に酸化防止剤を添加して、塩化ビニル系
重合体を製造する際、酸化防止剤を分散剤により水性媒
体に分散した分散液を一軸偏心ねじポンプにより添加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体の製造方法に関し、特に可塑剤吸収性のバラツキが少
なく、初期着色性、熱安定性の良好な塩化ビニル系重合
体を安定して製造できる塩化ビニル系重合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル
単量体を含む単量体混合物を水性媒体中で重合して塩化
ビニル系重合体を製造する方法においては、得られる塩
化ビニル系重合体の初期着色性、熱安定性を改良し、ま
た重合率を一定に保ち、可塑剤吸収性のバラツキを少な
くする等の目的で、酸化防止剤の添加が行われている。
この添加時期については、重合開始前、重合中、重合末
期の内圧が低下した時点、残存未反応単量体の回収前、
回収中又は回収後等であるが、特に酸化防止剤は重合禁
止作用があることから、通常は重合末期に重合停止を兼
ねて重合混合物に添加している。しかし、酸化防止剤は
通常粉末であるため、重合末期での重合器内が加圧され
た状態では定量的に酸化防止剤を圧入することは困難で
ある。そこで(1)酸化防止剤をメタノール、トルエン
等の有機溶剤に溶解してポンプにより圧入する方法や、
(2)粉末状酸化防止剤を分散剤又は乳化剤により水性
媒体に分散した水性分散液としてポンプにより添加する
方法が提案されている(特開昭60−149608号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法は、定量
性もよく、重合器内が加圧された状態でも問題なく添加
できるが、単量体を水性媒体中で重合する場合、酸化防
止剤の溶解に用いた溶剤が、重合終了後に重合器から排
出される排液中に排出され、排液中のCODが上昇する
問題がある。また用いた溶剤が、得られる塩化ビニル系
重合体中に混入し、製品及びその加工時の臭気の原因と
なったり、未反応単量体を回収する際に、回収単量体に
混入する等の問題も生じる。さらに、酸化防止剤の種類
によっては、有機溶剤への溶解性が低いものもあり、こ
の場合は、溶剤の使用量が増大し、上記問題は更に深刻
となる。
【0004】(2)の方法は、これらの問題を解決でき
るが、重合末期において重合器の圧力が0.3〜1.2
Mpaにある状態で酸化防止剤分散液をプランジャーポン
プ、ダイアフラムポンプ等により重合器内に圧入した場
合、ポンプ吐出圧力は重合圧以上の圧力が必要となり、
機械的エネルギーが増大する。この機械的エネルギーに
より、特に送液時に最も機械的エネルギーがかかるポン
プ内部のボールチャッキ部等において、酸化防止剤分散
液に含まれる粒子の崩壊、凝集等が発生し易い。その結
果、これらの部分に固形物が蓄積して送液の定量性が低
下し、更にはポンプ内部が閉塞して送液できなくなると
いう大きな問題があった。これはポンプの吐出圧力が高
い場合に特に顕著であり、重合末期での重合器内が加圧
された状態で酸化防止剤分散液を圧入、添加する際に大
きな障害となっていた。従って本発明の課題は、重合器
内の圧力が高くても、酸化防止剤分散液を、ポンプ内部
での閉塞を起こさずに、定量的に安定して添加できる塩
化ビニル系重合体の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものとして、重合器内で、塩化ビニル単量体又は
塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒体中で重
合し、重合混合物に酸化防止剤を添加して、塩化ビニル
系重合体を製造する方法であって、酸化防止剤を分散剤
により水性媒体に分散した分散液を一軸偏心ねじポンプ
により添加することを特徴とする前記方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法を工程順に説明
する。 重合工程:本発明においては、重合器内で、塩化ビニル
単量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性
媒体中で常法に従って重合開始剤及び分散剤の存在下に
重合する。重合される単量体原料は、塩化ビニル単量
体、又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物である。
単量体混合物は、少なくとも50重量%の塩化ビニル
と、塩化ビニルと共重合可能な単量体との混合物であ
る。共重合可能な単量体としては、例えば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、
またはメタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等
のオレイン類;無水マレイン酸;アクリロニトリル;ス
チレン;塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらは1
種単独で又は2種以上を組合せて使用できる。
【0007】重合工程で使用される分散剤は、特に限定
されず、従来の塩化ビニル系重合体の製造に使用されて
いるものでよい。この分散剤としては、例えばメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス等の水溶性セルロースエーテル;水溶性部分ケン化ポ
リビニルアルコール、アクリル酸重合体、ゼラチン等の
水溶性ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ントリオレエート、グリセリントリステアレ−ト、エチ
レンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体等
の油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレエート、
ラウリン酸ナトリウム等の水溶性乳化剤などが挙げられ
る。これらは1種単独で又は2種以上を組合せて使用で
きる。これらの分散剤は、単量体100重量部に対し
て、通常0.02〜0.2重量部使用される。
【0008】重合開始剤も特に制限されず、従来の塩化
ビニル系重合体の製造に用いられているものでよい。こ
の重合開始剤としては、例えばジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボ
ネートなどのパーカーボネート化合物;t−ブチルパー
オキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミ
ルパーオキシネオデカノエート等のパーエステル化合
物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、
2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキ
シアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオ
キシド等の過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸カリウム;過硫
酸アンモニウム;過酸化水素などが挙げられる。これら
は1種単独で又は2種以上を組合せて使用できる。これ
らの重合開始剤は、単量体100重量部に対して、通常
0.01〜0.3重量部使用される。
【0009】水性媒体としては、通常、脱イオン水が使
用される。重合工程での水性媒体の使用量は、単量体1
重量部当たり、通常1.0〜3.0重量部である。重合
温度は、30〜75℃の範囲が適当である。重合におけ
る他の条件、例えば重合器への水性媒体、塩化ビニル単
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物、分散
剤、重合開始剤等の仕込み方法も従来と同様でよい。
【0010】酸化防止剤の添加工程:本発明方法はこの
酸化防止剤の添加工程に特徴を有し、酸化防止剤を水性
媒体に分散した分散液を回転式ポンプにより添加する。
ここで使用される酸化防止剤は、塩化ビニル系重合体の
製造において一般に用いられる油溶性の酸化防止剤でよ
い。この酸化防止剤としては、例えば2,2−ジ(4'−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ハイドロキノン、p−メ
トキシフェノール、t−ブチルヒドロキシアニソール、
n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
−ブチルフェニル)プロピオネート、2,5−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノン、4,4−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシトルエン、2,2'−メチレン−ビス(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレング
リコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリ
スリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、t−ブチルカテコー
ル、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、トコフェロール、ノルジヒドログアイアレチン酸
等のフェノール化合物;セミカルバジド、及び1−アセ
チルセミカルバジド、1−クロロアセチルセミカルバジ
ド、1−ジクロロアセチルセミカルバジド、1−ベンゾ
イルセミカルバジド、セミカルバゾン等のセミカルバジ
ドの誘導体;カルボヒドラジド、チオセミカルバジド、
チオセミカルバゾン等のチオセミカルバジドの誘導体;
チオカルバジド、及び1,5-ジアセチルチオカルバジド、
1-フェニルチオカルバジド、1,5-ジフェニルチオカルバ
ジド、1-メチル-1-フェニルジチオカルバジド等のチオ
カルバジドの誘導体;フェニルナフチルアミン、N,
N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、4,4−ビス
(ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン化
合物;ニトロアニソール、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、ニトロアニリン、N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミンアルミニウム塩等のニトロ又はニトロソ化合
物;トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,
4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネ
オペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイ
ト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト等のリン化合物;ス
チレン、1,3−ヘキサジエン、メチルスチレン等の不飽
和炭化水素化合物;ジラウリルチオジプロピオネート、
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオ
ジプロピオネート、ドデシルメルカプタン、1,3−ジフ
ェニル−2−チオ尿素等のイオウ化合物などが挙げられ
る。これらは1種単独で又は2種以上を組合せて使用で
きる。これらの中で、得られる重合体の初期着色性が良
好で、重合容器へのスケールの付着が少ない点で、3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、トリエチ
レングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
t−ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルハイドロ
キノン、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
【0011】これらの酸化防止剤は、分散剤及び必要な
らば乳化剤により水性媒体中に均一且つ安定に分散さ
れ、水性分散液として使用される。ここで使用される分
散剤としては、水溶性部分ケン化ポリビニルアルコー
ル、水溶性のセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース)、ゼラチン、多価アルコールの脂肪酸部分エス
テル(例えば、グリセリンモノステアレート、ソルビッ
トモノラウレート等)、多価アルコールのポリオキシエ
チルエステル等が挙げられる。乳化剤としては、高級脂
肪酸(例えば、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン
酸等)、パラフィンスルホン酸、アルキルアルコール硫
酸エステル、アルキルアリールスルホン酸等のアルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニウム等の塩であるア
ニオン系乳化剤等が挙げられる。これらの分散剤及び乳
化剤は、各々1種単独で又は2種以上を組合せて使用で
きる。分散剤及び乳化剤の配合割合は、得られる塩化ビ
ニル系重合体の体積電気抵抗率や初期着色性への影響を
低く抑える点から、分散剤/乳化剤(重量比)で10/
0〜3/7、好ましくは10/0〜5/5の範囲であ
る。
【0012】酸化防止剤の平均粒度は0.5〜50μm
であることが好ましく、1〜10μmであることがより
好ましい。粒径が大きすぎると、貯蔵安定性が低下し、
粒子が沈降又は浮上して分離し、ポンプ内部、タンク、
配管等での閉塞の原因になることがある。また、粒径が
小さすぎると、分散液の安定性は向上するが、微細粒径
に粉砕する時間、動力等が多くかかるためコストアップ
となることがある。水性分散液中の酸化防止剤の濃度
は、通常10〜70重量%、好ましくは20〜70重量
%、更に好ましくは30〜60重量%の範囲である。酸
化防止剤の濃度が高すぎると流動性が低下することがあ
り、また濃度が低すぎると分散液の添加量が多くなるこ
とがある。
【0013】水性分散液中の分散剤の濃度は特に限定さ
れないが、分散液中の酸化防止剤の分散状態を良好に
し、また液の粘度を適度な範囲に保つ点から0.01〜
10重量%の範囲が好ましい。
【0014】酸化防止剤分散液の添加時期は、重合前、
重合中又は重合末期、或いは残存未反応単量体の回収
前、回収中又は回収後のいずれでもよいが、特に重合器
内の圧力が降下する重合末期が好ましく、重合末期にお
いて重合器内の圧力が0.3〜1.2Mpa(好ましく
は、0.3〜1.0Mpa)に降下した時点で添加するこ
とにより、本発明の効果を著しく発揮することができ
る。
【0015】酸化防止剤分散液の添加量は、通常、重合
器に仕込んだ塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を
含む単量体混合物100重量部当り、酸化防止剤の量で
0.0001〜0.5重量部である。特に重合器内の圧
力が0.3〜1.2 MPaとなった時点で添加する場合、
重合反応を有効に停止させることができ、初期着色性が
良好な重合体が得られる点から、酸化防止剤の量で0.
001〜0.05重量部となる量が好ましい。
【0016】本発明においては、酸化防止剤分散液を重
合混合物に添加するに際し、一軸偏心ねじポンプを用い
て添加することが必須である。この一軸偏心ねじポンプ
は、二条の雌ネジであるステータ(弾性材質、断面は長
円形)の内部に一条雄ネジであるローター(金属製、断
面は真円)を回転可能に係合させて嵌挿してステータ内
でロータを偏心回転させることにより液体を連続的に送
液するポンプである。図1に本発明で用いられる一軸偏
心ねじポンプの1例を示す。
【0017】円筒状の金属製ステータハウジング1内に
合成ゴム製弾性体ステータ2が固着され、このステータ
2に形成した雌ネジ状孔(長円二条ねじの空間)3に雄
ネジロータ(金属製の一軸偏心一条ねじ)4を回転可能
に係合させて嵌挿してある。ドライブシャフト6は駆動
機5の回転をポンプ本体に伝達し、またユニバーサルジ
ョイント7、8は駆動機5の回転を雄ねじロータ4に伝
達する。ベアリング9はドライブシャフト6を支えるも
のである。ユニバーサルジョイント7、8はカップリン
グロッド10により連結されている。また、軸封装置12は
ポンプケーシング11内にある吸込まれる液体がドライブ
シャフト6を伝わって外部に漏れるのを防ぐ。
【0018】エンドスタッド13は吐出口14を形成し、吐
出口14から吐出される液体を輸送する配管(図示せず)
に接続され、またポンプケーシング11の上部には液体の
吸込口15が形成されている。
【0019】駆動機5の回転はドライブシャフト6に伝
達され、ユニバーサルジョイント7、カップリングロッ
ド10及びユニバーサルジョイント8を通して雄ねじロー
タ4に伝達され、この雄ねじロータ4は偏心軸センター
において回転する。雄ねじロータ4は弾性体ステータ2
の内部を回転しながら往復運動する。雄ねじロータ4と
弾性体ステータ2の間にできる空間は、雄ねじロータ4
と弾性体ステータ2の接線により厳密にシールされてお
り、このシールラインは吸込側から吐出側まで連続して
いる。駆動機5の回転により液体はポンプケーシング11
内に吸込まれ、このポンプケーシング11内に吸込まれた
液体は、雄ねじロータ4の回転により雄ねじロータ4と
弾性体ステータ2の間にできる空間内に送られて、吐出
口14から吐出される。
【0020】本発明の添加工程に従って、一軸偏心ねじ
ポンプを用いれば、従来のプランジャーポンプ、ダイア
フラムポンプ等を用いた場合のような固形物の発生を抑
えることができるので、ポンプ内部において閉塞した
り、定量性が低下することがない。また、たとえポンプ
内部に固形物が発生したとしても、固形物ごと押し出さ
れるように送液されるため、ポンプ内部が閉塞すること
はない。
【0021】本発明方法においては、必要に応じて塩化
ビニル系重合体の製造に一般的に使用される重合度調整
剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤
などを重合開始前、重合中あるいは重合終了後に重合混
合物に適宜添加することができる。また、本発明の効果
を阻害しない限り、上記以外の酸化防止剤を、重合反応
の抑制、生成重合体の劣化防止などの目的で重合開始
前、重合中あるいは重合終了後に重合混合物に添加する
こともできる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例を参照して
説明する。 〔実施例1〕内容量2m3のステンレス製重合器に脱イ
オン水980kg、ケン化度80.5モル%の部分ケン化
ポリビニルアルコール382g、及びメトキシ置換度2
8.5重量%及びヒドロキシプロポキシ置換度8.9重
量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース143gを
仕込んだ。重合器内を内圧が60mmHgとなるまで脱気
した後、塩化ビニル単量体700kgを仕込んだ。撹拌し
ながら、重合開始剤としてジ−2−エチルヘキシルパー
オキシジカーボネート350gを仕込み、同時にジャケ
ットに熱水を通して昇温を開始し、重合器内が57.0
℃まで昇温したところで、その温度を保ち重合を行っ
た。
【0023】重合器内の圧力が0.588MPaに降下し
た時点(この時の重合率は86%)で、重合器内に表1
に記載の酸化防止剤分散液Aを一軸偏心ねじポンプ(商
品名:モーノポンプ、図1に示す一軸偏心ねじポンプ、
兵神装備社製 6NE−08型)を用いてポンプ回転数1
40rpmで2分間圧入、添加した。重合器内の重合混合
物に添加した酸化防止剤分散液Aの量は420gであっ
た。未反応の単量体を回収し、得られた重合体スラリー
を脱水、乾燥して塩化ビニル重合体を得た。
【0024】上記操作を1バッチとして10バッチ繰返
した。10バッチ目の酸化防止剤分散液の添加量は42
0gであり、1バッチ目と変化がなかった。また10バ
ッチ終了後、ポンプ内部を点検したが、固形物の付着は
なかった。10バッチ終了後に得られた重合体の可塑剤
吸収性、初期着色性、熱安定性および嵩比重を下記の方
法で測定すると共に、製造工程から排出される重合排
のCOD値を、JIS K0102に準拠して測定した。結
果を表2に示す。
【0025】〔比較例1〕一軸偏心ねじポンプの代わり
にダイアフラムポンプ(商品名:IS2AZ-02-20DIDSP、日
機装株式会社 製)を用い、ポンプストロークを37.
8%に設定して2分間、酸化防止剤分散液Aを重合器内
に圧入した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合
混合物に添加した酸化防止剤分散液Aの量は422gで
あった。未反応の単量体を回収し、重合体スラリーを脱
水、乾燥して塩化ビニル重合体を得た。この操作を8バ
ッチ繰返したが、8バッチ目には酸化防止剤分散液を圧
入することができなかった。ポンプ内部を点検したとこ
ろ、ボールチャッキ部が白色の固形物で完全に閉塞して
いた。8バッチ終了後に得られた重合体の可塑剤吸収
性、初期着色性、熱安定性、嵩比重、重合排液のCOD
を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
【0026】〔比較例2〕酸化防止剤分散液Aの代わり
に、表2に記載の酸化防止剤溶液Bを用い、ポンプの回
転数を350rpmに変えた以外は実施例1と同様に重合
を行った。重合混合物に添加した酸化防止剤液の量は
1,050gであった。得られた重合体の可塑剤吸収
性、初期着色性、熱安定性、嵩比重、重合排液のCOD
を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
【0027】〔比較例3〕酸化防止剤分散液Aの代わり
に表2に記載の酸化防止剤溶液Cを用い、ポンプの回転
数を200rpmに変えた以外は実施例1と同様に重合を
行った。重合混合物に添加した酸化防止剤液の量は60
0gであった。得られた重合体の可塑剤吸収性、初期着
色性、熱安定性、嵩比重、重合排液のCODを実施例1
と同様に測定した。結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 *:仕込み単量体100重量部に対する、重合混合物に
添加した酸化防止剤の重量部
【0030】可塑剤吸収性 重合体400gを、ジャケット温度を80℃に調節した
撹拌器付のブラベンダープラストグラフに投入し、撹拌
しながら4分間予熱した後、ジオクチルフタレート20
0gを加え、乾固するまでの時間を測定した。初期着色性 重合体100重量部に、ラウリル酸すず1重量部、カド
ミウム系安定剤0.5重量部およびジオクチルフタレー
ト50重量部を配合し、ロールを用いて160℃で5分
間混練した後、プレス成形してシート状の試料を作製し
た。実施例1で得られた重合体から作製した試料を基準
とし、これと同等の着色性の試料を○とし、それよりや
や劣る試料を△、著しく劣る試料を×と評価した。熱安定性 上記の初期着色性の測定試料として作製したシート状の
試料を、温度185℃に維持したギヤオーブン中に入
れ、試料が黒化するまでの時間を測定した。嵩比重 重合体1kgをプラネタリーミキサーに入れ、10分間撹
拌した後、JIS K6721に準拠して嵩比重を測定した。重合排液のCODの測定 JIS K0102の100℃における過マンガン酸カリウムに
よる酸素消費量(CODMn)の測定方法に従って、重合
排液中のCODを測定した。
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、重合器内の圧力が
高くても、酸化防止剤分散液を、ポンプ内部での閉塞を
起こさずに、定量的に安定して添加できるので、可塑剤
吸収性のバラツキが少なく、初期着色性、熱安定性の良
好な塩化ビニル系重合体を安定して製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される一軸偏心ねじポンプの一例
の概略図である。
【符号の説明】
1‥‥ステータハウジング 2‥‥弾性体ステータ 3‥‥雌ねじ孔 4‥‥雄ねじロータ 5‥‥駆動機 6‥‥ドライブシャフト 7‥‥ユニバーサルジョイント 8‥‥ユニバーサルジョイント 9‥‥ベアリング 10‥‥カップリングロッド 11‥‥ポンプケーシング 12‥‥軸封装置 13‥‥エンドスタッド 14‥‥吐出口 15‥‥吸込口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 DB21 JA07 JA08 JA14 JB11 JB26 4J100 AA02Q AA03Q AB02Q AC03P AC04Q AG02Q AG04Q AK32Q AL03Q AM02Q CA01 CA04 DA16 DA22 FA02 FA03 FA20 FA29 FA47 GD04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合器内で、塩化ビニル単量体又は塩化
    ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒体中で重合
    し、重合混合物に酸化防止剤を添加して、塩化ビニル系
    重合体を製造する方法であって、酸化防止剤を分散剤に
    より水性媒体に分散した分散液を一軸偏心ねじポンプに
    より添加することを特徴とする前記方法。
  2. 【請求項2】 前記分散液を、重合器内の圧力が0.3
    〜1.2 MPa の範囲で添加することを特徴とする請求
    項1記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分散液中の酸化防止剤の濃度が10
    〜70重量%の範囲である請求項1記載の塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
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