JP2000288803A - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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JP2000288803A
JP2000288803A JP9276399A JP9276399A JP2000288803A JP 2000288803 A JP2000288803 A JP 2000288803A JP 9276399 A JP9276399 A JP 9276399A JP 9276399 A JP9276399 A JP 9276399A JP 2000288803 A JP2000288803 A JP 2000288803A
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JP
Japan
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cutting edge
arc
edge ridge
degrees
shaped
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Pending
Application number
JP9276399A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuji Kinukawa
達治 絹川
Takashi Matsui
高志 松井
Takashi Inayama
孝 稲山
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円弧状切れ刃稜と直線状切れ刃稜の接続点位
置の誤差により、仕上面粗度が理想面粗さより粗くなる
のを防ぎ、同面粗度を向上させる。 【解決手段】 80度の頂角をもつネガタイプひし形チ
ップ1で、すくい面上に頂角θ1の二等分線S1を引
き、円弧状切れ刃稜4aの曲率中心Оから二等分線S1
に45度で直線S2を引き、同直線S2が切れ刃稜4と
交差する点P2近傍が、厚さ方向に最低位となるように
切れ刃稜4に湾曲凹部8を設けた。チップ1の平面形状
は従来と同じだが、ホルダーに装着したときはチップ座
の逃げ角分の傾斜のため、湾曲凹部8に対応する切れ刃
稜4が、平面視、同傾斜に対応してチップの内側に引下
る。したがって従来のチップより切れ刃稜4の曲率半径
が実質的に大となり仕上げ面粗度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スローアウェイチ
ップに関し、詳しくは旋削加工に用いるひし形や三角形
などの多角形板状のスローアウェイチップ(以下、単に
チップともいう)に関する。
【0002】
【従来の技術】ISО、JIS規格品の多角形板状のス
ローアウェイチップのノーズは設計上真円弧とされてい
る。このようなチップで外周面を旋削する場合の仕上げ
面粗さ(面粗度)Hは、周知の式H=f/8Rであら
わされる。ただし、fは回転あたりの送り量 mm/r
ev、Rはノーズ半径である。この式より明らかなよう
に理論上、送り量f とノーズ半径Rのみが仕上面粗度
に影響する。したがって、ノーズが真円弧をもつISО
等の規格品のスローアウェイチップで異径円筒旋削する
場合、ワークの例えば小径部と大径部の境界(端面)の
隅角の設計値半径(R)が1mmであれば、これと同じ
かそれ以下の例えばノーズ半径が0.8mmのチップが
使用され、所望とする仕上面粗度が得られる切削条件が
選択される。
【0003】このような加工ではワークの面粗度(設計
値)が与えられると、前式よりそれに基づいて送り量f
が決まる。一方、ワークに要求される設計上の面粗度
(精度)が高いと、送り量fを小さくせざるを得ず、加
工効率が低下する。また送り量が小さいほど切り屑が薄
くなるため、切り屑の分断処理が円滑に行われないなど
切り屑処理性に問題がでやすい。しかも、ノーズの円弧
状切れ刃稜と辺部の直線状切れ刃稜の接続点(つなぎ
め)位置はチップの製作精度上、円弧状切れ刃稜の円弧
の曲率中心から引いた直線で設計位置に対して通常5〜
15度程度の誤差がでる。
【0004】このため、図12に示したように頂角θ1
が80度のひし形チップ1で、ノーズ2の円弧状切れ刃
稜4aと辺部7の直線状切れ刃稜4bの接続点(以下単
に接続点ともいう)P1位置に、円弧状切れ刃稜4aの
円弧の曲率中心Оから引いた直線が設計位置に対して例
えば5度の誤差がある場合には次のようである。すなわ
ち、この場合には、すくい面3上に頂角θ1に対する二
等分線S1を引き、ノーズ2の円弧状切れ刃稜4aの円
弧の曲率中心Оから同二等分線S1に対して50度で引
いた直線と交差する位置に円弧状切れ刃稜4aと直線状
切れ刃稜4bの接続点があるべきところ、接続点P1は
実際には45度で引いた直線S2と交差する位置に存在
する。したがって、円弧状切れ刃稜4aと直線状切れ刃
稜4bとの接続点は接線状ではなく緩やかだか角をなす
ことになる。
【0005】一方でこのようなひし形チップ1がクラン
プされるホルダー11の殆どは、直線状切れ刃稜4bと
ワークの回転軸が5度をなすように刃物台に取付けられ
る。したがって、前記の誤差により、切れ刃稜のうち、
円弧状切れ刃稜4aと直線状切れ刃稜4bとの接続点P
1を含む部分がワークに当たるようにして切削すること
になり、実際の仕上げ面は理想面粗さより粗くなってし
まう。
【0006】この対策としては、ノーズ2の円弧状切れ
刃稜4aと辺部7の直線状切れ刃稜4bの接続点P1付
近をワークの回転軸と平行となるように直線にすること
が考えられる。このようにすれば理論上は面粗度が0と
なるためである。しかし、実際にはチップをホルダーへ
取付ける時に発生する誤差(傾き)があるため、例えそ
のような直線状の切れ刃(以下フラット切れ刃ともい
う)としても、それが回転軸と平行になることはない。
したがって、このようにすれば実際には面粗度が不安定
となる。しかも、フラット切れ刃ではワークとの接触長
さが長くなるため、背分力が大きくなるのでビビリが生
じやすく仕上面精度が不安定となる。
【0007】そこでこのようなフラット切れ刃に代え
て、ノーズ2の円弧状切れ刃稜4aと直線状切れ刃稜4
bの接続点P1近傍をすくい面3側から見て意図的に大
きな半径の凸Rとすることが考えられる。このようにす
れば、面粗度が向上するしフラット切れ刃とした場合の
ような不安定性や前記した欠点も小さくできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
意図的に大きな半径の凸Rとすると、ISО規格品と外
周(輪郭)形状が異なるものとなってしまう。このた
め、超硬合金製やセラミック製などの焼結体からなるス
ローアウェイチップの製造のためには、規格品チップと
異なる形状のプレス金型や外周研削(研磨)機若しくは
外周研削プログラムが必要になり、規格品を製造する設
備を備えたチップ製造業者においては製造コストがアッ
プすることになる。
【0009】しかもこのような形状にするとノーズ2の
円弧状切れ刃稜4aと直線状切れ刃稜4bの接続点P1
位置が本来の切れ刃稜(刃先)位置よりノーズ先端の中
央2aから遠ざかることになる。このため、異径軸の小
径部の円筒加工において切り終わり部が大径部との境界
(端面)となる場合においては、この切り終わり部の隅
角Rが規格品チップによる旋削に比べて大きくなるとい
った問題がある。このような寸法不良は、この小径部に
別部品を嵌合し、切り終り部の端面に当接させるような
ときに嵌合不良を招いてしまう。
【0010】本発明は、チップの製作上、ノーズの円弧
状切れ刃稜と辺部の直線状切れ刃稜の接続点位置に誤差
がでることにより、仕上面粗度Hは基本的に理想面粗さ
よりも粗くなることに基づき、さらには前記した各種の
問題を発生させることなく、仕上面粗度の向上を図るこ
とのできる多角形板状のスローアウェイチップを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明は、多角形板状のスローアウェ
イチップにおいて、切れ刃稜のうち、ノーズの円弧状切
れ刃稜と辺部の直線状切れ刃稜との接続点近傍が、厚さ
方向に最低位(最下点)となるように該切れ刃稜に湾曲
凹部を形成したことを特徴とする。
【0012】また請求項2に記載の発明は、多角形板状
のスローアウェイチップにおいて、切れ刃稜のうち、ノ
ーズの円弧状切れ刃稜と辺部の直線状切れ刃稜の接続点
と、該円弧状切れ刃稜の中央との間が、厚さ方向に最低
位となるように該切れ刃稜に湾曲凹部を形成したことを
特徴とする。このものでは最低位となす位置は、チップ
をホルダーにクランプ(装着)して旋削に用いる際に、
ワークの回転軸に平行な直線が接する点近傍、或いは同
回転軸に直角な直線が接する点近傍となるように設定す
るのが好ましい。
【0013】前記手段により、湾曲凹部は逃げ面側から
見て略円弧状をなすことから、ポジタイプのチップでは
すくい面側から見て、湾曲凹部に対応する部位の切れ刃
稜が、そのような湾曲凹部がない従来のチップに比べて
チップの内側(すくい面の内方)に後退する。したがっ
て、切れ刃稜がこのように後退している分、その湾曲凹
部に対応する部位の切れ刃稜の平面視における投影曲率
半径(見かけ上の曲率半径)が規格品の設計値より実質
的に大きくなる。しかして、このようなチップでその見
かけ上の曲率半径Rが大きい切れ刃稜の部位で旋削され
るようにホルダーに装着して旋削に用いた場合には、仕
上げ面粗度は、式H=f/8RにおいてRが湾曲凹部
がない従来のチップのそれより大きくなることを意味す
ることから、仕上げ面粗度(H)が向上する。ポジタイ
プのチップではポジ角が大きいほど見かけ上の曲率半径
Rが大きくなり、その効果が大きい。
【0014】一方、ネガタイプのチップではその逃げ面
に逃げ角が存在するようにホルダーのチップ座に傾斜し
てクランプされる。このため、湾曲凹部に対応する切れ
刃稜は、ホルダー基準面(上下面)に対する垂直線(鉛
直線)に沿った方向からみると、その逃げ角(傾斜)が
ある分、そのような湾曲凹部がない場合に比べてチップ
の内側に後退する。したがって切れ刃稜の平面視におけ
る投影曲率半径が規格品の設計値より実質的に大きくな
り、このものでも同様に仕上げ面粗度(H)を向上させ
ることができる。
【0015】しかもこのような形状のチップは、旋削に
預かる切れ刃がフラット切れ刃ではなくRであるため、
フラット切れ刃とした場合におけるような上記の欠点も
ない。そして、ISО規格品と格別には外周形状を異な
らせる必要もないことから、コストアップも招かない。
すなわち、本発明にかかるチップによれば、従来の規格
品チップに比べて旋削における仕上面粗度を向上するこ
とができるし、逆に規格品による場合と同等の仕上面粗
度でよければ、送り(f)を大きくできるため、加工時
間の短縮を図ることができる。しかも、このように送り
を大きくすると、その分切り屑厚さを厚くできるため、
切り屑が分断されやすくなり、仕上面へのスクラッチも
減らすことができる。
【0016】本発明は各種の多角形板状のスローアウェ
イチップにおいて具体化できるが、略80度又は75度
の頂角をもつ多角形板状のスローアウェイチップにおい
ては、すくい面上に前記頂角に対する二等分線を引き、
ノーズの円弧状切れ刃稜の円弧の曲率中心から該二等分
線に対して45度で直線を引き、該直線が切れ刃稜と交
差する点近傍が厚さ方向に最低位となるように該切れ刃
稜に湾曲凹部を形成するとよい。ひし形チップに代表さ
れるこのような頂角をもつ多角形板状のスローアウェイ
チップは、それらがクランプされるホルダー構造(規
格)からして、前記の二等分線に対して45度で引いた
直線が切れ刃稜と交差する点近傍が、ワークの回転軸に
平行な直線又はそれに直角な直線に接する形で旋削に使
用されるためである。
【0017】一方、頂角が略60度の三角形板状のスロ
ーアウェイチップにおいては、すくい面上に前記頂角に
対する二等分線を引き、ノーズの円弧状切れ刃稜の円弧
の曲率中心から該二等分線に対して30度で直線を引
き、該直線が切れ刃稜と交差する点近傍が厚さ方向に最
低位となるように該切れ刃稜に湾曲凹部を形成するとよ
い。このようなチップでは、その直線状切れ刃稜がワー
クの回転軸に対して例えば30度傾く形でホルダーに装
着される場合が多く、その場合において回転軸に垂直に
送りをかけて切削するときは、ノーズの円弧状切れ刃稜
の円弧の曲率中心から該二等分線に対して30度で引い
た直線が切れ刃稜と交差する点を中心として切削される
ためである。
【0018】なお本発明では、各ノーズの切れ刃稜とも
その頂角を挟む両側に湾曲凹部を形成するのが好ましい
が、片側だけとすることもできる。ただし、切れ刃稜
が、逃げ面側から見て前記湾曲凹部に連続して波形曲線
をなすようにしておくとよい。このようにしておけば、
切れ刃稜が波形となっているため、前記した仕上面粗度
の向上という効果に加えて、切り屑断面を湾曲させるこ
とができ、切り屑処理性を高めることができるためであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るスローアウェイチッ
プの実施形態について、図1〜5を参照して詳細に説明
する。図中、1はひし形で一定厚さの板状をなすネガタ
イプのチップ(ISО規格 CNMG120408)で
あり、超硬合金又はサーメットなどを素材として形成さ
れている。本形態のチップ1のノーズ2の頂角θ1は8
0度でノーズ半径Rは例えば0.8mmである。そし
て、すくい面3には円弧状切れ刃稜4aと直線状切れ刃
稜4bを含む切れ刃稜4に沿ってチップブレーカ溝5が
凹設されている。また、両すくい面3ともチップブレー
カ溝5より中央寄り部位は相対的に***しており(図3
参照)、中央にはクランプ用の取付け穴6が設けられて
いる。
【0020】図2〜4に示したように、ノーズ2の円弧
状切れ刃稜4aのうち、辺部7の直線状切れ刃稜4bと
の接続点P1寄り部位においてチップ1の厚さ方向に最
低位となるように、切れ刃稜4に湾曲凹部8を形成して
いる。この湾曲凹部8は、円弧状切れ刃稜4aと直線状
切れ刃稜4bとにまたがっており、図2に示したよう
に、逃げ面9側から見るとすくい面3側のチップブレー
カ溝5が凹となす円弧状になっており、その円弧半径R
Vは0.8mmであり円弧の深さDは0.2mmとされ
ている。ただし本形態では、図1に示したように、すく
い面3上に頂角θ1に対して二等分線S1を引き、ノー
ズ2の円弧状切れ刃稜4aの円弧の曲率中心Оから該二
等分線S1に対して45度で引いた直線S2が切れ刃稜
と交差する点P2を最低位とするように切れ刃稜を湾曲
させている。他の各ノーズ2についても同様である。
【0021】しかして、図1、5に示したようにこのチ
ップ1を所定のホルダー11に対し、直線状切れ刃稜4
bと図示しないワークの回転軸と平行な直線S3とが5
度となるとともに、例えば6度の横逃げ角、前逃げ角が
つくようにクランプして円筒加工に用いるときは次のよ
うである。すなわち、このチップ1はその平面形状は従
来のチップと同じであるが、ホルダー11のチップ座に
装着した際における傾斜のため、ノーズ2の円弧状切れ
刃稜4aのうち湾曲凹部8、つまり低位となっている切
れ刃稜部分が、平面視(ホルダー11の基準平面12に
鉛直な直線に沿ってみたとき)においては逃げ角に対応
して手前(チップの内側)に引下る(控える)形とな
る。
【0022】したがって例えば円弧状切れ刃稜4aと辺
部7の直線状切れ刃稜4bの接続点P1位置が、5度の
誤差があるために実際には図2中の点P2にある場合に
は次のようである。この場合、湾曲凹部8を設けてない
ときは円弧状切れ刃稜4aと直線状切れ刃稜4bの接続
点P2が接点となるようにして切削するため、仕上げ面
は理想面粗さより粗くなる。これに対し、本形態では切
れ刃稜4は、湾曲凹部8を設けてあるため、従来チップ
における切れ刃稜よりも平面投影上において後退した位
置にある。したがって実質的に大きな半径でもって加工
されることになる。
【0023】すなわち、このようなノーズ2をもつ切れ
刃稜4にて旋削された場合には、面粗度は式H=f
8RにおいてRが大きいため、送り量fが一定のとき
は、Hが小さくなるので仕上面粗度が向上する。逆に同
一面粗度Hでよければ送り量を大きくできるので加工効
率を高められるし、このように送りを高めると、その分
切り屑厚さを大きくできるため、切り屑が分断されやす
くなり、仕上面へのスクラッチも減らすことができる。
なお、図4中に示したように、逃げ面9側からみて切れ
刃稜4を湾曲凹部8に連続して波形曲線をなすように
し、チップブレーカー溝も同様に波形曲線をなすように
形成してもよい。このようにしておけば、切り屑断面も
波形となるため、切り屑の剛性が増し、分断されやすく
なるので切り屑処理性を一層向上させることができる。
【0024】しかも本形態のチップ1は、接続点をフラ
ット切れ刃としたものでないから、仕上面粗度を不安定
とするなどの欠点もない。そして、ISО規格品と外周
形状を異ならせる必要もなく、同規格品に対して湾曲凹
部8を研削加工することで形成できるから、コストアッ
プも僅かですむ。なお、図示はしないが前記形態におい
て、切れ刃稜に沿ってランドを設けたものとして具体化
すれば、切れ刃稜(刃先)精度が向上するため、さらに
加工精度の向上が図られる。
【0025】図6〜9は本発明に係る別の形態のチップ
(CNMT09T308)21を示したものであるが、
ポジタイプとした点を除けば前記形態のひし形の板状チ
ップと本質的相違はないことから同一部位には同一の符
号を付し、相違点のみ説明する。すなわち、このもので
は図6、7中破線で示した従来のチップの切れ刃稜にお
ける円弧状切れ刃稜4aと直線状切れ刃稜4bとの接続
点P1よりも円弧状切れ刃稜4aの中央2a寄り部位が
最低位となるように湾曲凹部8を設けたため、この湾曲
凹部8に対応する切れ刃稜4は、平面視において従来の
チップの切れ刃稜よりも後退した位置にある(図6中の
拡大図及び図7参照)。したがって、ホルダーの基準面
に水平に装着して用いる場合においても実質的に円弧状
切れ刃稜4aの半径が大となり、前記形態と同様の効果
がある。
【0026】さらに本発明に係る別の形態のスローアウ
ェイチップ31について、図10、11を参照して詳細
に説明する。ただしこのものは三角のネガタイプのチッ
プ(TNMG160412)31であり、頂角θ1が6
0度のものとして具体化した点が前記ネガタイプのひし
形チップ1と異なるだけであるので、相違点のみ説明す
る。すなわち、このものは、三角形板状のスローアウェ
イチップであり、ノーズの円弧状切れ刃稜4aと辺部7
の直線状切れ刃稜4bの接続点P1と、円弧状切れ刃稜
4aの中央2aとの間が厚さ方向に最低位となるように
湾曲凹部8を形成したものである。ただし、湾曲凹部8
の位置は次のようである。すなわち、すくい面3上に頂
角θ1に対する二等分線S1を引き、ノーズ2の円弧状
切れ刃稜4aの円弧の曲率中心Оからその二等分線S1
に対して30度で直線S2を引き、直線S2が切れ刃稜
4と交差する点P3の位置が、厚さ方向に最低位となる
ように湾曲凹部8を形成したものである。
【0027】このものでは、例えばチップ31の直線状
切れ刃稜4bが図示しないワークの回転軸に対して29
度となり、例えば6度の逃げ角がつくようにクランプさ
れて外径加工に用いるときは前記したネガタイプのひし
形チップと同様に、湾曲凹部8に対応する切れ刃稜にお
ける見かけ上のRが大となるため、仕上面粗度がこのよ
うな湾曲凹部8のない従来の三角チップによる場合に比
べて向上する。
【0028】前記各形態では頂角が80度のひし形また
は頂角が60度の三角チップで具体化したが、本発明は
このようなチップに限定されることなく各種の多角形板
状のスローアウェイチップにおいて具体化できる。ただ
し、頂角が80度(又は75度)のチップのように規格
品ホルダーにクランプして使用されるもので、ワークの
回転軸に対する直線状切れ刃の角度が定まっているよう
なチップ(CNMG、ENMG、WNMGなど)におい
て具体化すると、とくにその効果が大きい。
【0029】なお、湾曲凹部の形状やその深さ及び切れ
刃稜に沿う長さはノーズの切れ刃稜のRが円滑でその半
径Rが効果的に大きくなるように設定する。湾曲凹部の
深さが小さすぎると見かけのRを大きくする効果が小さ
いし、逆に深さを大きくしすぎると、切り屑の断面の波
形状が大きくなりすぎて切り屑のスムースな排出を阻害
する。これらを考慮すると、湾曲凹部の深さは0.05
mm〜0.2mmとするのが適切であり、その切れ刃稜
に沿う長さ(湾曲凹部の幅)は0.3〜1.0mmとす
るのが適切である。
【0030】さて次に切削試験(加工)をして仕上面粗
度Rz(H)を確認した。ただし、試料は試料No.1、
2が本発明品であり、試料No.3、4が比較例である。
試料No.1は湾曲凹部の深さが0.15mmで幅が0.
8mm、試料No.2は湾曲凹部の深さが0.08mmで
幅が0.4mmある。そして、試料No.3は従来の規格
品であり、試料No.4は試料No.3の従来の規格品の円弧
状切れ刃稜と直線状切れ刃稜の接続点部位に0.5mm
のフラット切れ刃を設けたものである。
【0031】結果は表1に示したとおりである。ただし
条件は次のようである。チップ:形状 ISО CNMG
120408、材質ISО HT−P10(サーメッ
ト)、ホルダー11:形状 ISО PCLNR252
5、ワーク:材質JIS SCM415(HB16
0)、形状φ50mm×長さ200mm、切削条件:外
径乾式切削、切削速度200mm/min、切込み0.
5mm、送り可変。
【0032】
【表1】
【0033】表1より、本発明範囲の試料No.1及びNo.
2のチップでは、送り量fが適切範囲(0.1〜0.3
mm/rev)で、比較例(試料No.3)に比べ、いず
れも仕上面粗度が向上した。また 比較例(試料No.4)
では送り量fが0.1でビビリが大きくなり切削できな
かった。そして、比較例(試料No.4)では送り量fが
0.2と0.3で面粗度が不安定となり所望とする光沢
が得られなかった。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
スローアウェイチップによれば、その製作上においてノ
ーズの円弧状切れ刃稜と直線状切れ刃稜との接続点位置
に誤差があっても、従来のチップのように仕上面粗度が
低下するのを防ぎ、仕上面粗度の向上を図ることができ
る。そしてこのような形状のチップは接続点部位がフラ
ット切れ刃ではなく、あくまで凸Rなため、フラット切
れ刃に起因する上記のような欠点もない。しかも従来の
チップによる仕上げ面粗度でよければ、送り(f)を大
きくできるため、加工時間の短縮を図ることも可能とな
る。さらに、このように送りを大きくすると、その分切
り屑厚さを厚くできるため、切り屑が分断されやすくな
り、仕上面へのスクラッチも減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスローアウェイチップを具体化した実
施形態の平面図及びその要部拡大図。
【図2】図1の拡大図における矢印A(逃げ面側)から
見た中間省略部分図。
【図3】図1のスローアウェイチップの拡大斜視図。
【図4】図1のスローアウェイチップを逃げ面側から見
た中間省略部分図。
【図5】図1のスローアウェイチップをホルダーに装着
して逃げ面側から見た図。
【図6】本発明の別の実施形態の平面図及びその要部拡
大図。
【図7】図6のK部拡大図。
【図8】図6における矢印B(逃げ面側)から見た図。
【図9】図6のスローアウェイチップのノーズの拡大斜
視図。
【図10】本発明の別の実施形態の平面図及びその要部
拡大図。
【図11】図11の拡大図における矢印C(逃げ面側)
から見た図。
【図12】従来のひし形のスローアウェイチップの平面
図及びその要部拡大図。
【符号の説明】
1、21、31 スローアウェイチップ 2 ノーズ 3 すくい面 4 切れ刃稜 4a 円弧状切れ刃稜 4b 直線状切れ刃稜 7 辺部 8 湾曲凹部 9 逃げ面 θ1 頂角 S1 頂角に対する二等分線 S2 二等分線(S1)に対して45度又は30度で引
いた直線 О 円弧状切れ刃稜の円弧の曲率中心 P1 接続点 P2 S1に対して45度で引いた直線が切れ刃稜と交
差する点 P3 S1に対して30度で引いた直線が切れ刃稜と交
差する点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲山 孝 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 3C022 LL02 3C046 CC01 JJ04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多角形板状のスローアウェイチップにお
    いて、切れ刃稜のうち、ノーズの円弧状切れ刃稜と辺部
    の直線状切れ刃稜との接続点近傍が、厚さ方向に最低位
    となるように該切れ刃稜に湾曲凹部を形成したことを特
    徴とするスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 多角形板状のスローアウェイチップにお
    いて、切れ刃稜のうち、ノーズの円弧状切れ刃稜と辺部
    の直線状切れ刃稜の接続点と、該円弧状切れ刃稜の中央
    との間が、厚さ方向に最低位となるように該切れ刃稜に
    湾曲凹部を形成したことを特徴とするスローアウェイチ
    ップ。
  3. 【請求項3】 略80度の頂角をもつ多角形板状のスロ
    ーアウェイチップにおいて、すくい面上に前記頂角に対
    する二等分線を引き、ノーズの円弧状切れ刃稜の円弧の
    曲率中心から該二等分線に対して45度で直線を引き、
    該直線が切れ刃稜と交差する点近傍が、厚さ方向に最低
    位となるように該切れ刃稜に湾曲凹部を形成したことを
    特徴とするスローアウェイチップ。
  4. 【請求項4】 略75度の頂角をもつ多角形板状のスロ
    ーアウェイチップにおいて、すくい面上に前記頂角に対
    する二等分線を引き、ノーズの円弧状切れ刃稜の円弧の
    曲率中心から該二等分線に対して45度で直線を引き、
    該直線が切れ刃稜と交差する点近傍が、厚さ方向に最低
    位となるように該切れ刃稜に湾曲凹部を形成したことを
    特徴とするスローアウェイチップ。
  5. 【請求項5】 頂角が略60度の三角形板状のスローア
    ウェイチップにおいて、すくい面上に前記頂角に対する
    二等分線を引き、ノーズの円弧状切れ刃稜の円弧の曲率
    中心から該二等分線に対して30度で直線を引き、該直
    線が切れ刃稜と交差する点近傍が、厚さ方向に最低位と
    なるように該切れ刃稜に湾曲凹部を形成したことを特徴
    とするスローアウェイチップ。
  6. 【請求項6】 切れ刃稜が、逃げ面側から見て前記湾曲
    凹部に連続して波形曲線をなしている請求項1、2、
    3、4又は5記載のスローアウェイチップ。
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