JP2000284266A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2000284266A
JP2000284266A JP11091813A JP9181399A JP2000284266A JP 2000284266 A JP2000284266 A JP 2000284266A JP 11091813 A JP11091813 A JP 11091813A JP 9181399 A JP9181399 A JP 9181399A JP 2000284266 A JP2000284266 A JP 2000284266A
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JP
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liquid crystal
light
wave
crystal cell
display device
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JP11091813A
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English (en)
Inventor
Toshiomi Ono
俊臣 小野
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入射光の散乱による明表示を充分に明るくし、
しかもコントラストの良い表示を得ることができる散乱
型の液晶表示装置を提供する。 【解決手段】散乱/透過型液晶セル10の背面側に、互
いに直交する反射軸と透過軸とをもち、前記反射軸に沿
った偏光成分のs波光を反射し、前記透過軸に沿った偏
光成分のp波光を透過させるp−s波分離反射板20を
配置し、このp−s波分離反射板20の背面側に光吸収
部材21を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光の散乱を制御
して表示する散乱型の液晶表示装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置として、光の散乱を制御し
て表示する散乱型のものがある。図8は従来の散乱型液
晶表示装置の断面図であり、この液晶表示装置は、散乱
/透過型液晶セル1と、この液晶セル1の背面側に配置
された光吸収膜9とからなっている。
【0003】前記散乱/透過型液晶セル1は、入射光を
散乱および透過させるものであり、図示しない枠状のシ
ール材を介して接合された前面側および背面側の一対の
透明基板2,3と、これらの基板2,3の内面にそれぞ
れ設けられた透明な電極4,5と、前記一対の基板2,
3間に設けられ、前記電極4,5間に印加される電界に
よる液晶分子の配向状態の変化に応じて入射光を散乱お
よび透過させる液晶層6とからなっている。
【0004】なお、図8示した散乱/透過型液晶セル1
は高分子分散型のものであり、その液晶層6は液晶/高
分子複合層である。この液晶/高分子複合層は、透明な
高分子層7中に誘電異方性が正のネマティック液晶8を
分散させたものであり、スポンジのような断面をもつよ
うにポリマー化した高分子層7の各隙間部にそれぞれ液
晶8が閉じ込められた構造をなしている。
【0005】また、この液晶セル1は、アクティブマト
リックス方式のものであり、背面側基板3の内面に設け
られた電極5は、マトリックス状に配列する複数の画素
電極である。これらの画素電極5はそれぞれ、前記背面
側基板3の内面に各画素電極5にそれぞれ対応させて設
けられた図示しない複数のTFT(薄膜トランジスタ)
に接続されており、前記複数のTFTは、前記背面側基
板3の内面に配線された図示しないゲートラインおよび
データラインにつながっている。
【0006】一方、前面側基板2の内面に設けられた電
極4は、前記複数の画素電極5の全てに対向する一枚膜
状の対向電極であり、この対向電極4と前記複数の画素
電極5とが互いに対向する領域がそれぞれ画素領域とな
っている。
【0007】また、前記光吸収膜9は、入射光のほとん
どを吸収する黒色系のものであり、この光吸収膜9は、
前記液晶セル1の背面側に、この液晶セル1のほぼ全面
に対向させて配置されている。なお、図では光吸収膜9
を液晶セル1の背面から離間させて示しているが、この
光吸収膜9は、前記液晶セル1の背面側基板3の外面に
近接または密着させて設けられている。
【0008】この散乱型液晶表示装置は、その使用環境
の光である外光(自然光や室内照明光等)を利用し、前
記散乱/透過型液晶セル(高分子分散型液晶セル)1の
液晶層6による光の散乱を制御して表示するものであ
り、入射光を前記液晶層6により散乱させて明表示を
得、前記入射光を前記液晶層6を透過させて背面側の光
吸収膜9で吸収することにより暗表示を得る。
【0009】すなわち、前記液晶セル1の液晶層6であ
る液晶/高分子複合層の液晶8の分子8aは、電極4,
5間に電圧が印加されていない無電界状態では、図8に
示したようにランダムな方向を向いている。
【0010】この無電界状態では、液晶セル1にその前
面から入射した光が、図に実線矢印で示したように液晶
層6の散乱作用により散乱され、その散乱光のうちの液
晶セル1の前面に向かう光が前方に出射して、その領域
の表示が明表示となる。なお、前記液晶層6により散乱
された光のうちの背面側に向かう光は、この液晶セル1
の背面に出射して光吸収膜9により吸収される。
【0011】また、前記液晶セル1の電極4,5間に、
所定の値の電圧を印加すると、その電界により前記液晶
層6の液晶分子8aが基板2,3面に対してほぼ垂直に
なるように一様に配列する。
【0012】このときは、液晶セル1にその前面から入
射した光が、図に破線矢印で示したように、前記液晶層
6による散乱作用をほとんど受けずに液晶セル1を透過
し、その光が光吸収膜9により吸収されて、その領域の
表示が暗表示となる。
【0013】このように、上記散乱型液晶表示装置は、
光の散乱を制御して表示するものであり、この散乱型液
晶表示装置は、TN(ツイステッド・ネマティック)型
の液晶表示装置のように光の透過を制御するための偏光
板を必要としないため、外光を利用して明るい表示を得
ることができる。
【0014】なお、図8示した散乱/透過型液晶セル1
は高分子分散型のものであるが、散乱/透過型液晶セル
には、一対の透明基板間に、誘電異方性が正のコレステ
リック液晶またはコレステリック液晶とネマティック液
晶の混合液晶からなる液晶層を設けた相転移型(相遷移
型とも呼ばれる)のものもある。
【0015】この相転移型液晶セルは、液晶の相転移を
利用して光を散乱および透過させるもので、一対の基板
の内面にそれぞれ設けられた電極間に電圧が印加されて
いない無電界状態では、前記液晶がコレステリック液晶
相を呈しており、入射光を散乱させる。また、前記電極
間に所定の値の電圧を印加すると、前記液晶がホメオト
ロピック配列のネマティック液晶相に転移し、入射光を
ほとんど散乱することなく透過させる。
【0016】前記相転移型液晶セルを用いる散乱型液晶
表示装置も、前記液晶セルの背面側に光吸収膜を配置し
て構成されており、前方からの入射光を前記液晶セルの
液晶層により散乱させて明表示を得、前記入射光を前記
液晶セルを透過させて前記光吸収膜で吸収することによ
り暗表示を得る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の散乱型
液晶表示装置は、散乱/透過型液晶セル(高分子分散型
または相転移型液晶セル)にその前面から入射し、液晶
層により散乱された散乱光のうちの液晶セルの前面に向
かう光だけが前方に出射し、液晶層の背面側に向かう散
乱光は液晶セルの背面に出射して光吸収膜により吸収さ
れるため、明表示の明るさが充分でなく、コントラスト
が悪い。
【0018】この発明は、入射光の散乱による明表示を
充分に明るくし、しかもコントラストの良い表示を得る
ことができる散乱型の液晶表示装置を提供することを目
的としたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、互いに対向する一対の基板の内面にそれぞれ電極が
設けられ、前記一対の基板間に、前記電極間に印加され
る電界による液晶分子の配向状態の変化に応じて入射光
を散乱および透過させる液晶層が設けられた散乱/透過
型液晶セルの背面側に、互いに直交する方向に反射軸と
透過軸とをもち、前方から前記液晶セルに入射してその
背面に出射した光のうちの前記反射軸に沿った偏光成分
のs波光を前記液晶セルに向けて反射し、前記透過軸に
沿った偏光成分のp波光を背面側に透過させるp−s波
分離反射板を配置し、このp−s波分離反射板の背面側
に光吸収部材を設けたことを特徴とするものである。
【0020】この液晶表示装置は、その使用環境の光で
ある外光を利用し、前記散乱/透過型液晶セルの液晶層
による光の散乱を制御して表示するものであり、前記液
晶セルの液晶層の液晶分子が入射光を散乱させる配向状
態にあるときは、前方から前記液晶セルに入射した外光
が前記液晶層により散乱される。
【0021】そして、このときは、前記液晶層により散
乱された散乱光のうちの液晶セルの前面に向かう光が前
方に出射するともに、前記液晶セルの背面に出射した散
乱光のうちの前記p−s波分離反射板の反射軸に沿った
偏光成分のs波光がこのp−s波分離反射板により反射
され、その反射光が再び前記液晶セルにその背面から入
射し、前記液晶層により再び散乱されて前方に出射し、
その領域の表示が明表示となる。
【0022】なお、前記液晶セルの背面に出射した散乱
光のうち、前記p−s波分離反射板の透過軸に沿った偏
光成分のp波光は、このp−s波分離反射板を透過して
前記光吸収部材により吸収される。
【0023】すなわち、この液晶表示装置は、入射光の
散乱による明表示を、前方から入射し前記液晶セルの液
晶層により散乱された散乱光のうちの前方に出射する光
と、前記液晶セルの背面側に出射した散乱光のうちの前
記p−s波分離反射板により反射され、前記液晶層によ
り再び散乱されて前方に出射する光との両方によって表
示するものであり、したがって、明表示の明るさは充分
である。
【0024】また、前記液晶セルの液晶層の液晶分子が
入射光を透過させる状態に配向したときは、前方から液
晶セルに入射した光が前記液晶層をほとんど散乱するこ
となく透過して液晶セルの背面側に出射し、その光のう
ちの前記p−s波分離反射板の透過軸に沿った偏光成分
のp波光がこのp−s波分離反射板を透過して前記光吸
収部材により吸収され、その領域の表示が暗表示とな
る。
【0025】ただし、この暗表示のときも、前記液晶セ
ルの背面に出射した光のうちの前記p−s波分離反射板
の反射軸に沿った偏光成分のs波光が、このp−s波分
離反射板により反射され、その反射光が再び前記液晶セ
ルを透過して前方に出射するため、前記暗表示が、前記
p−s波分離反射板を備えずに液晶セルの背面に出射し
た光のほとんどを光吸収部材により吸収する場合に比べ
て明るくなる。
【0026】しかし、液晶表示装置の表示は、その正面
方向(装置前面の法線付近の方向)から観察されのが普
通であり、外光は、表示の観察方向である正面方向に対
して斜めに傾いた方向から主に入射する。
【0027】そして、前記p−s波分離反射板は、その
反射軸に沿った偏光成分のs波光のほとんどを、その入
射角と同じ反射角で反射するため、前記暗表示のときに
前記p−s波分離反射板により反射された光の出射方向
は、前記正面方向に対して斜め前方、つまり表示観察観
察者にはほとんど見えない方向であり、そのため、正面
方向から観察される暗表示は充分な暗さである。
【0028】したがって、この発明の液晶表示装置によ
れば、入射光の散乱による明表示を充分に明るくし、し
かも、前記明表示と暗表示との明るさの差が充分に大き
いコントラストの良い表示を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示装置は、上記
のように、散乱/透過型液晶セルの背面側に、互いに直
交する反射軸と透過軸とをもち、前記反射軸に沿った偏
光成分のs波光を反射し、前記透過軸に沿った偏光成分
のp波光を透過させるp−s波分離反射板を配置し、こ
のp−s波分離反射板の背面側に光吸収部材を設けるこ
とにより、入射光の散乱による明表示を充分に明るく
し、しかもコントラストの良い表示を得ることができる
ようにしたものである。
【0030】この発明の液晶表示装置において、前記p
−s波分離反射板の背面側に設ける光吸収部材は、入射
光のほとんどを吸収する黒色系の吸収膜が好ましく、こ
の黒色系の吸収膜を用いることにより、前記p−s波分
離反射板を透過した光が反射されて前方に出射するのを
ほぼ完全に無くし、前記暗表示をより暗くすることがで
きる。
【0031】なお、前記光吸収部材は、吸収軸に沿った
偏光成分の光を吸収し、透過軸に沿った偏光成分の光を
透過させる偏光板でもよく、その場合は、前記偏光板
を、その透過軸を前記p−s波分離反射板の透過軸に対
して交差する方向に向けて配置することにより、前記p
−s波分離反射板を透過した光を前記偏光板で吸収する
ことができる。
【0032】このように、前記光吸収部材に偏光板を用
いる場合は、前記偏光板の背面側に光反射部材を設けて
もよく、このような構成とすることにより、前記明表示
をより明るくすることができる。
【0033】すなわち、前記p−s波分離反射板の偏光
度はあまり高くないため、前記偏光板の透過軸が前記p
−s波分離反射板の透過軸に対して交差していても、前
記p−s波分離反射板を透過して前記偏光板に入射した
光(p−s波分離反射板の透過軸に沿った偏光成分のp
波光)のうちのある程度の光が前記偏光板の背面側に透
過するが、前記偏光板の背面側に光反射部材を設け、前
記p−s波分離反射板を透過し、さらに前記偏光板を透
過した光を前記光反射部材により積極的に反射させるよ
うにすれば、この光反射部材により反射された光も前方
に出射する。
【0034】そのため、明表示を、前記液晶セルの液晶
層により散乱された光のうちの前方に出射する光と、前
記p−s波分離反射板により反射され前記液晶層により
再び散乱されて前方に出射する光と、前記光反射部材に
より反射され前記液晶層により再び散乱されて前方に出
射する光とによって表示し、前記明表示をより明るくす
ることができる。
【0035】この場合は、暗表示もある程度明るくなる
が、外光は上述したように表示の観察方向である正面方
向に対して斜めに傾いた方向から主に入射し、明表示の
ときは前記p−s波分離反射板および光反射部材により
正面方向に対して斜め前方に反射されるため、正面方向
から観察される暗表示は充分な暗さであり、したがっ
て、明表示と暗表示との明るさの差が充分に大きいコン
トラストの良い表示を得ることができる。
【0036】さらに、この発明の液晶表示装置において
は、前記液晶セルと前記p−s波分離反射板との間、も
しくは前記液晶セルの前面側に、垂直方向に対して特定
の角度範囲内の入射角で入射した光を散乱せずに出射
し、それよりも大きい入射角で入射した光を散乱して出
射する異方性散乱板を配置するのが望ましく、このよう
にすることにより、表示の観察方向である正面方向によ
り多く散乱光を出射させて明表示をさらに明るくすると
ともに、暗表示の際の前記p−s波分離反射板でのp波
光の反射による暗表示のギラつきを抑制することができ
る。
【0037】また、前記液晶セルは、一対の基板の内面
にそれぞれ設けられた電極が互いに対向する複数の画素
領域を有しており、前記一対の基板のいずれか一方に、
前記複数の画素領域にそれぞれ対応する複数の色のカラ
ーフィルタが設けられているものでもよく、このような
液晶セルを用いることにより、明るくコントラストの良
いカラー画像を表示することができる。
【0038】
【実施例】図1はこの発明の第1の実施例を示す液晶表
示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表示
装置は、散乱/透過型液晶セル10と、この液晶セル1
の背面側に配置されたp−s波分離反射板20と、この
p−s波分離反射板20の背面側に光吸収部材として設
けられた吸収膜21とからなっている。
【0039】前記散乱/透過型液晶セル10は、入射光
を散乱および透過させるものであり、図示しない枠状の
シール材を介して接合された前面側および背面側の一対
の透明基板11,12の内面にそれぞれ透明な電極1
3,14が設けられ、前記一対の基板11,12間に、
前記電極13,14間に印加される電界による液晶分子
の配向状態の変化に応じて入射光を散乱および透過させ
る液晶層15が設けられている。
【0040】なお、この実施例で用いた散乱/透過型液
晶セル10は高分子分散型のものであり、その液晶層1
5は液晶/高分子複合層である。この液晶/高分子複合
層は、透明な高分子層16中に誘電異方性が正のネマテ
ィック液晶17を分散させたものであり、スポンジのよ
うな断面をもつようにポリマー化した高分子層16の各
隙間部にそれぞれ液晶17が閉じ込められた構造をなし
ている。
【0041】また、この液晶セル10は、アクティブマ
トリックス方式のものであり、背面側基板12の内面に
設けられた電極14は、マトリックス状に配列する複数
の画素電極である。これらの画素電極14はそれぞれ、
前記背面側基板12の内面に各画素電極14にそれぞれ
対応させて設けられた図示しない複数のTFT(薄膜ト
ランジスタ)に接続されており、前記複数のTFTは、
前記背面側基板12の内面に配線された図示しないゲー
トラインおよびデータラインにつながっている。
【0042】一方、前面側基板11の内面に設けられた
電極13は、前記複数の画素電極14の全てに対向する
一枚膜状の対向電極であり、この対向電極13と前記複
数の画素電極14とが互いに対向する領域がそれぞれ画
素領域となっている。
【0043】次に、前記散乱/透過型液晶セル10の背
面側に配置されたp−s波分離反射板20について説明
する。
【0044】図2は前記p−s波分離反射板20の斜視
図であり、このp−s波分離反射板20は、互いにほぼ
直交する方向に反射軸20sと透過軸20pとをもって
おり、入射光のうちの前記反射軸20sに沿った偏光成
分のs波光を反射させ、前記透過軸20pに沿った偏光
成分のp波光を透過させる特性を有している。
【0045】すなわち、図2に示したように、このp−
s波分離反射板20に、その反射軸20sに沿った偏光
成分のs波光Sと、前記透過軸20pに沿った偏光成分
のp波光Pとの両方を含む光を入射させると、その入射
光のうちの前記反射軸20sに沿ったs波光Sはp−s
波分離反射板20で反射され、前記透過軸20pに沿っ
たp波光Pはp−s波分離反射板20を透過する。
【0046】なお、図2には、p−s波分離反射板20
にその一方の面から光を入射させた例を示したが、前記
p−s波分離反射板20は、他方の面からの入射光に対
しても同じ特性を示す。
【0047】このp−s波分離反射板20は、その反射
特性および透過特性が波長依存性の無い特性である無着
色シートであり、その反射光は、鏡面反射光である。
【0048】そして、前記p−s波分離反射板20は、
その反射軸20sおよび透過軸20pを任意の方向に向
けて、前記液晶セル10の背面側に、この液晶セル10
のほぼ全面に対向させて配置されている。
【0049】また、前記吸収膜21は、入射光のほとん
どを吸収する黒色系のものであり、この吸収膜21は、
前記p−s波分離反射板20の背面側に、このp−s波
分離反射板20のほぼ全面に対向させて配置されてい
る。
【0050】なお、図1では、液晶セル10とp−s波
分離反射板20と吸収膜21とを互いに離間させて示し
ているが、p−s波分離反射板20は液晶セル10の背
面側基板12の外面に近接または密着させて設けられ、
吸収膜21はp−s波分離反射板20の背面に近接また
は密着させて設けられている。
【0051】この液晶表示装置は、その使用環境の光で
ある外光を利用し、前記散乱/透過型液晶セル(この実
施例では高分子分散型液晶セル)10の液晶層15によ
る光の散乱を制御して表示するものであり、前記液晶セ
ル10の液晶層15である液晶/高分子複合層の液晶1
7の分子17aは、電極13,14間に電圧が印加され
ていない無電界状態では、図1に示したように、ランダ
ムな方向を向いた配向状態、つまり入射光を散乱させる
配向状態にある。
【0052】このように液晶セル10の液晶層15の液
晶分子17aが入射光を散乱させる配向状態にあるとき
は、前方から液晶セル10に入射した光が、図1に実線
矢印で示したように液晶層15の散乱作用により散乱さ
れる。
【0053】そして、このときは、前記液晶層15によ
り散乱された散乱光のうちの液晶セル10の前面に向か
う光が前方に出射するともに、前記液晶セル10の背面
に出射した散乱光のうちの前記p−s波分離反射板20
の反射軸20sに沿った偏光成分のs波光Sがこのp−
s波分離反射板20により反射され、その反射光が再び
液晶セル10にその背面から入射し、前記液晶層15に
より再び散乱されて前方に出射し、その領域の表示が明
表示となる。
【0054】なお、前記液晶セル10の背面に出射した
散乱光のうち、前記p−s波分離反射板20の透過軸2
0pに沿った偏光成分のp波光Pは、このp−s波分離
反射板20を透過して前記吸収膜21により吸収され
る。
【0055】すなわち、この液晶表示装置は、入射光の
散乱による明表示を、前方から入射し前記液晶セル10
の液晶層15により散乱された散乱光のうちの前方に出
射する光と、前記液晶セル10の背面側に出射した散乱
光のうちの前記p−s波分離反射板20により反射さ
れ、前記液晶層15により再び散乱されて前方に出射す
る光との両方によって表示するものであり、したがっ
て、明表示の明るさは充分である。
【0056】また、前記液晶セル10の電極13,14
間に、所定の値の電圧を印加すると、その電界により前
記液晶層15の液晶分子17aが基板11,12面に対
してほぼ垂直になるように一様に配列し、入射光を透過
させる配向状態になる。
【0057】このように液晶セル10の液晶層15の液
晶分子17aが入射光を透過させる状態に配向したとき
は、前方から液晶セル10に入射した光が、図1に破線
矢印で示したように前記液晶層15をほとんど散乱する
ことなく透過して液晶セルの背面側に出射し、その光の
うちの前記p−s波分離反射板20の透過軸20pに沿
った偏光成分のp波光Pがこのp−s波分離反射板20
を透過して前記吸収膜21により吸収され、その領域の
表示が暗表示となる。
【0058】ただし、この暗表示のときも、前記液晶セ
ル10の背面に出射した光のうちの前記p−s波分離反
射板20の反射軸に沿った偏光成分のs波光Sが、この
p−s波分離反射板20により反射され、その反射光が
再び液晶セル10を透過して前方に出射するため、前記
暗表示が、前記p−s波分離反射板20を備えずに液晶
セル10の背面に出射した光のほとんどを吸収膜21に
より吸収する場合に比べて明るくなる。
【0059】しかし、液晶表示装置の表示は、その正面
方向(装置前面の法線付近の方向)から観察されのが普
通であり、外光は、表示の観察方向である正面方向に対
して斜めに傾いた方向から主に入射する。
【0060】すなわち、外光を利用して表示する表示装
置は、表示の観察方向である正面方向に対して画面の上
縁側に斜めに傾いた方向を明るい外光が得られる方向に
向けて使用されるのが普通であり、この実施例の液晶表
示装置も、同様にして使用される。
【0061】そして、前記p−s波分離反射板20は、
その反射軸22sに沿った偏光成分のs波光Sのほとん
どを、その入射角と同じ反射角で反射するため、前記暗
表示のときに前記p−s波分離反射板20により反射さ
れた光の出射方向は、前記正面方向に対して斜め前方、
つまり表示観察観察者にはほとんど見えない方向であ
り、そのため、正面方向から観察される暗表示は充分な
暗さである。
【0062】しかも、この実施例では、前記p−s波分
離反射板20の背面側に設ける光吸収部材を、入射光の
ほとんどを吸収する黒色系の吸収膜21としているた
め、前記p−s波分離反射板20を透過した光が反射さ
れて前方に出射するのをほぼ完全に無くし、前記暗表示
をより暗くすることができる。
【0063】したがって、この液晶表示装置によれば、
入射光の散乱による明表示を充分に明るくし、しかも、
前記明表示と暗表示との明るさの差が充分に大きいコン
トラストの良い表示を得ることができる。
【0064】上記実施例の液晶表示装置と、この液晶表
示装置から前記p−s波分離反射板20を省略した比較
装置との表示特性を比較すると、これらの装置にその前
面の法線を中心とする円周の全周方向から前記法線に対
して20度の入射角で光を入射させ、出射光を正面方向
(前記法線に沿った方向)から測定したときの、それぞ
れ装置の明表示および暗表示のときの光の反射率(入射
光に対する出射光の比率)Rと、出射光の色度x,y
と、コントラストCは、次の通りである。
【0065】なお、前記反射率Rは、Al(アル
ミナ)からなる白色反射板の単体での反射率を基準と
し、この白色反射板の反射率を100%とした値であ
り、また前記出射光の色度は、CIE色度図上における
xコーディネイト値とyコーディネイト値である。
【0066】[比較装置] 明表示 反射率R=5.7%、色度x=0.27,y=
0.27 暗表示 反射率R=1.5%、色度x=0.28,y=
0.30 コントラストC=3.9 [実施例装置] 明表示 反射率R=88.1%、色度x=0.32,y
=0.33 暗表示 反射率R=10.0%、色度x=0.30,y
=0.32 コントラストC=8.9 このように、上記実施例の液晶表示装置は、p−s波分
離反射板20を省略して液晶セル10の背面に出射した
光のほとんどを吸収膜21により吸収するようにした比
較装置に比べて、暗表示のときの反射率が高いため、暗
レベルが若干浮き上がるが、明表示のときの反射率が格
段に高く、前記比較装置に比べて高いコントラストが得
られる。
【0067】しかも、上記実施例の液晶表示装置は、明
表示および暗表示のときの出射光の色度がいずれもCI
E色度図上における白(無彩色)点(x=0.31,y
=0.32)に極く近い値であり、したがって、前記比
較装置に比べて良好な白黒表示を得ることができる。
【0068】なお、上記第1の実施例では、前記p−s
波分離反射板20の背面側に、光吸収部材として黒色系
の吸収膜21を設けているが、前記光吸収部材は、吸収
軸に沿った偏光成分の光を吸収し、透過軸に沿った偏光
成分の光を透過させる偏光板でもよい。
【0069】図3はこの発明の第2の実施例を示す液晶
表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表
示装置は、散乱/透過型液晶セル10と、この液晶セル
1の背面側に配置されたp−s波分離反射板20と、こ
のp−s波分離反射板20の背面側に光吸収部材として
設けられた偏光板22と、この偏光板22の背面側に設
けられた光反射部材23とからなっている。
【0070】なお、散乱/透過型液晶セル10は高分子
分散型のものであり、この液晶セル10とp−s波分離
反射板20は上記第1の実施例のものと同じであるか
ら、重複する説明は図に同符号を付して省略する。
【0071】この実施例において、前記偏光板22は、
その透過軸を前記p−s波分離反射板20の透過軸20
p(図2参照)に対して交差する方向に向けて配置され
ている。
【0072】また、前記偏光板22の背面側に配置され
た光反射部材23は、例えば銀からなる鏡面反射膜であ
り、この光反射部材23は前記偏光板22の背面に近接
または密着させて設けられている。
【0073】この実施例の液晶表示装置は、前記p−s
波分離反射板20の背面側に設ける光吸収部材を、吸収
軸に沿った偏光成分の光を吸収し、透過軸に沿った偏光
成分の光を透過させる偏光板22としたものであるが、
前記偏光板22を、その透過軸を前記p−s波分離反射
板20の透過軸20pに対して交差する方向に向けて配
置しているため、前記p−s波分離反射板20を透過し
た光(p−s波分離反射板20の透過軸20pに沿った
偏光成分のp波光)を前記偏光板22で吸収することが
できる。
【0074】なお、前記偏光板22の透過軸と前記p−
s波分離反射板20の透過軸20pとの交差角度は任意
に設定すればよいが、好ましい交差角度は、90度また
はそれに近い角度であり、前記偏光板22の透過軸を前
記p−s波分離反射板20の透過軸20pに対してほぼ
直交させることにより、前記p−s波分離反射板20を
透過した光を前記偏光板22により効率良く吸収するこ
とができる。
【0075】しかも、この実施例では、前記偏光板22
の背面側に光反射部材23を設けているため、前記明表
示をより明るくすることができる。
【0076】すなわち、前記p−s波分離反射板20の
偏光度はあまり高くないため、前記偏光板22の透過軸
が前記p−s波分離反射板20の透過軸20pに対して
交差していても、前記p−s波分離反射板20を透過し
て前記偏光板22に入射した光(p−s波分離反射板2
0の透過軸20pに沿った偏光成分のp波光)Pのうち
のある程度の光が、図3に矢印で示したように前記偏光
板22の背面側に透過する。
【0077】そして、この実施例では、前記偏光板22
の背面側に光反射部材23を設けることにより、前記p
−s波分離反射板20を透過し、さらに前記偏光板22
を透過した光を前記光反射部材23により積極的に反射
させるようにしているため、この光反射部材23により
反射された光も前方に出射する。
【0078】そのため、この実施例によれば、明表示
を、前記液晶セル10の液晶層15により散乱された光
のうちの前方に出射する光と、前記p−s波分離反射板
20により反射され前記液晶層15により再び散乱され
て前方に出射する光と、前記光反射部材23により反射
され前記液晶層15により再び散乱されて前方に出射す
る光とによって表示し、前記明表示をより明るくするこ
とができる。
【0079】この場合は、暗表示もある程度明るくなる
が、外光は上述したように表示の観察方向である正面方
向に対して斜めに傾いた方向から主に入射し、明表示の
ときは前記p−s波分離反射板20および光反射部材2
3により正面方向に対して斜め前方に反射されるため、
正面方向から観察される暗表示は充分な暗さであり、し
たがって、明表示と暗表示との明るさの差が充分に大き
いコントラストの良い表示を得ることができる。
【0080】この実施例の液晶表示装置において、前記
偏光板22の透過軸と前記p−s波分離反射板20の透
過軸20pとの交差角度は、上述したように90度また
はそれに近い角度に設定するのが好ましく、このように
することより、前記p−s波分離反射板20を透過した
光を前記偏光板22により効率良く吸収して、前記明表
示と暗表示との明るさの差を大きくし、コントラストの
良い表示を得ることができる。
【0081】すなわち、前記偏光板22をその透過軸を
前記p−s波分離反射板20の透過軸20pと平行にし
て配置した液晶表示装置と、前記偏光板22をその透過
軸を前記p−s波分離反射板20の透過軸20pと直交
させて配置した液晶表示装置との表示特性を比較する
と、これらの装置にその前面の法線を中心とする円周の
全周方向から前記法線に対して20度の入射角で光を入
射させ、出射光を正面方向(前記法線に沿った方向)か
ら測定したときの、明表示および暗表示のときの光の反
射率(入射光に対する出射光の比率)Rと、出射光の色
度x,yと、コントラストCは、次の通りである。
【0082】なお、前記反射率Rは、Alからな
る白色反射板の単体での反射率を基準とし、この白色反
射板の反射率を100%とした値であり、また前記出射
光の色度は、CIE色度図上におけるxコーディネイト
値とyコーディネイト値である。
【0083】[偏光板とp−s波分離反射板の透過軸平
行] 明表示 反射率R=146.9%、色度x=0.31,
y=0.32 暗表示 反射率R= 82.3%、色度x=0.32,
y=0.34 コントラストC=1.8 [偏光板とp−s波分離反射板の透過軸直交] 明表示 反射率R=88.4%、色度x=0.32,y
=0.33 暗表示 反射率R=11.2%、色度x=0.32,y
=0.34 コントラストC=7.9 このように、この実施例の液晶表示装置は、偏光板22
の透過軸とp−s波分離反射板20の透過軸20pとの
交差角度を90度(直交)にしたときに、コントラスト
が最も高くなり、前記透過軸の交差角度を小さく(平行
に近く)するのにともなってコントラストが低下する。
【0084】したがって、前記偏光板22の透過軸と前
記p−s波分離反射板20の透過軸20pとの望ましい
交差角度は、90度またはそれに近い角度であり、この
ように前記透過軸の交差角度を設定することより、高い
コントラストを得ることができる。
【0085】なお、前記偏光板22の透過軸と前記p−
s波分離反射板20の透過軸20pとの望ましい交差角
度は、90度以下で0度よりも大きい範囲で任意に選ぶ
ことができ、この交差角度を選択することにより、明表
示および暗表示の明るさとコントラストを任意に設定す
ることができる。
【0086】図4はこの発明の第3の実施例を示す液晶
表示装置の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表
示装置は、散乱/透過型液晶セル10と、この液晶セル
1の背面側に配置されたp−s波分離反射板20と、前
記液晶セル10と前記p−s波分離反射板20との間に
配置された異方性散乱板24と、前記p−s波分離反射
板20の背面側に光吸収部材として設けられた黒色系の
吸収膜21とからなっている。
【0087】なお、散乱/透過型液晶セル10は高分子
分散型のものであり、この液晶セル10とp−s波分離
反射板20および光吸収部材として設けられた吸収膜2
1は上記第1の実施例のものと同じであるから、重複す
る説明は図に同符号を付して省略する。
【0088】図5は前記異方性散乱板24の側面図であ
り、この異方性散乱板24は、図に一点鎖線で示した垂
直方向Hに対して特定の角度範囲θ内の入射角で入射し
た光を図に実線矢印で示すように散乱せずに出射し、そ
れよりも大きい入射角で入射した光を図に破線矢印で示
すように散乱して出射する特性を有している。なお、こ
の異方性散乱板24の散乱せずに出射する光の角度範囲
θは例えば30度(垂直方向Hに対して15度)であ
る。
【0089】この実施例の液晶表示装置によれば、液晶
セル10とp−s波分離反射板20との間に前記異方性
散乱板24を配置しているため、前方から前記液晶セル
10に入射して液晶層15により散乱された光のうちの
前記液晶セル10の背面側に出射した光を、図5に実線
矢印で示したように、前記異方性散乱板24により垂直
方向Hに向かう光が多くなるように集光し、さらにp−
s波分離反射板20により反射された光(s波光)を、
再び前記異方性散乱板24により垂直方向Hに向かう光
が多くなるように集光して前記液晶層15にその背面側
から入射させることができ、したがって、表示の観察方
向である正面方向により多くの散乱光を出射させ、明表
示をさらに明るくすることができる。
【0090】また、この液晶表示装置では、暗表示のと
きも、前方から入射し前記液晶セル10の液晶層15を
透過して背面側に出射した光が前記異方性散乱板24に
より垂直方向Hに向かう光が多くなるように集光し、さ
らに前記p−s波分離反射板20により反射された光が
再び前記異方性散乱板24により垂直方向Hに向かう光
が多くなるように集光するため、正面方向に出射する光
が多くなり、暗表示がある程度明るくなるが、その反
面、出射光が前記異方性散乱板24により散乱された光
であるため、暗表示の際の前記p−s波分離反射板での
p波光の反射による暗表示のギラつきを抑制することが
できる。
【0091】この液晶表示装置に、その前面の法線を中
心とする円周の全周方向から前記法線に対して20度の
入射角で光を入射させ、出射光を正面方向(前記法線に
沿った方向)から測定したときの、それぞれ装置の明表
示および暗表示のときの光の反射率(入射光に対する出
射光の比率)Rと、出射光の色度x,yと、コントラス
トCは、次の通りである。
【0092】なお、ここで用いた異方性散乱板24は、
「MFX1515」の商品名で市販されている住友化学
社製の異方性散乱板であり、前記反射率Rは、Al
からなる白色反射板の単体での反射率を基準とし、こ
の白色反射板の反射率を100%とした値であり、また
前記出射光の色度は、CIE色度図上におけるxコーデ
ィネイト値とyコーディネイト値である。
【0093】明表示 反射率R=92.1%、色度x=
0.32,y=0.33 暗表示 反射率R=25.4%、色度x=0.30,y
=0.31 コントラストC=3.6 このように、この実施例の液晶表示装置は、上述した第
1の実施例の液晶表示装置に比べればコントラストがあ
る程度低下するが、表示の観察方向である正面方向によ
り多く散乱光を出射させることができるため、表示をさ
らに明るくするとともに、暗表示の際のp−s波分離反
射板20でのp波光の反射による暗表示のギラつきを抑
制することができる。
【0094】なお、上記第3の実施例では、前記液晶セ
ル10とp−s波分離反射板20との間に異方性散乱板
24を配置しているが、この異方性散乱板24は、図6
に示した第4の実施例のように、液晶セル10の前面側
に配置してもよく、この実施例によっても、表示の観察
方向である正面方向により多く散乱光を出射させ、表示
をさらに明るくするとともに、暗表示の際のp−s波分
離反射板20でのp波光の反射による暗表示のギラつき
を抑制することができる。
【0095】この実施例のように液晶セル10の前面側
に異方性散乱板24を配置した液晶表示装置の明表示お
よび暗表示のときの光の反射率Rと、出射光の色度x,
yと、コントラストCは、次の通りである。
【0096】明表示 反射率R=93.4%、色度x=
0.32,y=0.33 暗表示 反射率R=30.3%、色度x=0.30,y
=0.30 コントラストC=2.7 図7は、この発明の第5の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図であり、この実施例の液晶表示装置は、
散乱/透過型液晶セル10に、その複数の画素領域にそ
れぞれ対応する複数の色のカラーフィルタ、例えば赤、
緑、青の3色のカラーフィルタ18R,18G,18B
を備えさせたものである。
【0097】すなわち、この実施例で用いた散乱/透過
型液晶セル10は、一対の基板11,12の内面にそれ
ぞれ設けられた電極13,14が互いに対向する複数の
画素領域を有しており、前記一対の基板11,12のい
ずれか一方、例えば前面側基板11の内面に、前記複数
の画素領域にそれぞれ対応させて、赤、緑、青の3色の
カラーフィルタ18R,18G,18Bを設けたもので
ある。
【0098】なお、前記散乱/透過型液晶セル10は高
分子分散型のものであり、この液晶セル10は、前記カ
ラーフィルタ18R,18G,18Bを備えた点を除け
ば上述した第1の実施例のものと同じである。またp−
s波分離反射板20および光吸収部材として設けられた
吸収膜21も第1の実施例のものと同じである。
【0099】この実施例の液晶表示装置によれば、散乱
/透過型液晶セル10として、その複数の画素領域にそ
れぞれ対応する赤、緑、青の3色のカラーフィルタ18
R,18G,18Bを備えたものを用いているため、明
るくコントラストの良いフルカラー画像を表示すること
ができる。
【0100】上記実施例では、液晶セル10の前面側基
板11の内面にカラーフィルタ18R,18G,18B
を設けているが、前記カラーフィルタ18R,18G,
18Bは背面側基板12の内面に設けてもよく、このよ
うにすることにより、光の散乱による明表示を、前記液
晶セル10の液晶層15により散乱された散乱光のうち
の前方に出射する非着色の光と、前記前記カラーフィル
タ18R,18G,18Bの色に着色して液晶セル10
の背面側に出射し、p−s波分離反射板20により反射
されて前記液晶層15により再び散乱された散乱光のう
ちの前方に出射する光との両方によって表示し、さらに
明るいフルカラー画像を表示することができる。
【0101】なお、前記カラーフィルタ18R,18
G,18Bを備えた散乱/透過型液晶セル10は、上述
した第1〜第4の実施例の液晶表示装置のいずれに用い
てもよい。
【0102】また、前記散乱/透過型液晶セル10は、
高分子分散型のものに限らず、一対の透明基板間に、誘
電異方性が正のコレステリック液晶またはコレステリッ
ク液晶とネマティック液晶の混合液晶からなる液晶層を
設けた相転移型のものでもよい。
【0103】さらに、前記散乱/透過型液晶セル10
は、アクティブマトリックス方式のものに限らず、単純
マトリックス方式のものでもよく、また、白黒表示の液
晶表示装置の場合は、セグメント方式のものでもよい。
【0104】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、散乱/透過
型液晶セルの背面側に、互いに直交する反射軸と透過軸
とをもち、前記反射軸に沿った偏光成分のs波光を反射
し、前記透過軸に沿った偏光成分のp波光を透過させる
p−s波分離反射板を配置し、このp−s波分離反射板
の背面側に光吸収部材を設けたものであるため、入射光
の散乱による明表示を充分に明るくし、しかもコントラ
ストの良い表示を得ることができる。
【0105】この発明の液晶表示装置において、前記p
−s波分離反射板の背面側に設ける光吸収部材は、入射
光のほとんどを吸収する黒色系の吸収膜が好ましく、こ
の黒色系の吸収膜を用いることにより、前記p−s波分
離反射板を透過した光が反射されて前方に出射するのを
ほぼ完全に無くし、前記暗表示をより暗くすることがで
きる。
【0106】なお、前記光吸収部材は、吸収軸に沿った
偏光成分の光を吸収し、透過軸に沿った偏光成分の光を
透過させる偏光板でもよく、その場合は、前記偏光板
を、その透過軸を前記p−s波分離反射板の透過軸に対
して交差する方向に向けて配置することにより、前記p
−s波分離反射板を透過した光を前記偏光板で吸収する
ことができる。
【0107】このように、前記光吸収部材に偏光板を用
いる場合は、前記偏光板の背面側に光反射部材を設けて
もよく、このような構成とすることにより、前記明表示
をより明るくすることができる。
【0108】この場合は、暗表示もある程度明るくなる
が、外光は表示の観察方向である正面方向に対して斜め
に傾いた方向から主に入射し、明表示のときは前記p−
s波分離反射板および光反射部材により正面方向に対し
て斜め前方に反射されるため、正面方向から観察される
暗表示は充分な暗さであり、したがって、明表示と暗表
示との明るさの差が充分に大きいコントラストの良い表
示を得ることができる。
【0109】さらに、この発明の液晶表示装置において
は、前記液晶セルと前記p−s波分離反射板との間、も
しくは前記液晶セルの前面側に、垂直方向に対して特定
の角度範囲内の入射角で入射した光を散乱せずに出射
し、それよりも大きい入射角で入射した光を散乱して出
射する異方性散乱板を配置するのが望ましく、このよう
にすることにより、表示の観察方向である正面方向によ
り多く散乱光を出射させて、表示をさらに明るくすると
ともに、暗表示の際の前記p−s波分離反射板でのp波
光の反射による暗表示のギラつきを抑制することができ
る。
【0110】また、前記液晶セルは、一対の基板の内面
にそれぞれ設けられた電極が互いに対向する複数の画素
領域を有しており、前記一対の基板のいずれか一方に、
前記複数の画素領域にそれぞれ対応する複数の色のカラ
ーフィルタが設けられているものでもよく、このような
液晶セルを用いることにより、明るくコントラストの良
い多色カラー画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図2】p−s波分離反射板20の斜視図。
【図3】この発明の第2の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図4】この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図5】異方性散乱板の側面図。
【図6】この発明の第4の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図7】この発明の第5の実施例を示す液晶表示装置の
一部分の断面図。
【図8】従来の散乱型液晶表示装置の一部分の断面図。
【符号の説明】
10…散乱/透過型液晶セル(高分子分散型液晶セル) 11,12…基板 13,14…電極 15…液晶層(液晶/高分子複合層) 18R,18G,18B…カラーフィルタ 20…p−s波分離反射板20 21…吸収膜(光吸収部材) 22…偏光板(光吸収部材) 23…光反射部材 24…異方性散乱板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向する一対の基板の内面にそれぞ
    れ電極が設けられ、前記一対の基板間に、前記電極間に
    印加される電界による液晶分子の配向状態の変化に応じ
    て入射光を散乱および透過させる液晶層が設けられた散
    乱/透過型液晶セルの背面側に、互いに直交する方向に
    反射軸と透過軸とをもち、前方から前記液晶セルに入射
    してその背面に出射した光のうちの前記反射軸に沿った
    偏光成分のs波光を前記液晶セルに向けて反射し、前記
    透過軸に沿った偏光成分のp波光を背面側に透過させる
    p−s波分離反射板を配置し、このp−s波分離反射板
    の背面側に光吸収部材を設けたことを特徴とする液晶表
    示装置。
  2. 【請求項2】前記光吸収部材は、入射光のほとんどを吸
    収する黒色系の吸収膜であることを特徴とする請求項1
    に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記光吸収部材は、吸収軸に沿った偏光成
    分の光を吸収し、透過軸に沿った偏光成分の光を透過さ
    せる偏光板であり、この偏光板が、その透過軸を前記p
    −s波分離反射板の透過軸に対して交差する方向に向け
    て配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記偏光板の背面側に光反射部材が設けら
    れていることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】前記液晶セルと前記p−s波分離反射板と
    の間、もしくは前記液晶セルの前面側に、垂直方向に対
    して特定の角度範囲内の入射角で入射した光を散乱せず
    に出射し、それよりも大きい入射角で入射した光を散乱
    して出射する異方性散乱板が配置されていることを特徴
    とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記液晶セルは、前記一対の基板の内面に
    それぞれ設けられた前記電極が互いに対向する複数の画
    素領域を有しており、前記一対の基板のいずれか一方
    に、前記複数の画素領域にそれぞれ対応する複数の色の
    カラーフィルタが設けられていることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置。
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