JP2000283140A - プロペラシャフト及びその製造方法 - Google Patents

プロペラシャフト及びその製造方法

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JP2000283140A
JP2000283140A JP2000002338A JP2000002338A JP2000283140A JP 2000283140 A JP2000283140 A JP 2000283140A JP 2000002338 A JP2000002338 A JP 2000002338A JP 2000002338 A JP2000002338 A JP 2000002338A JP 2000283140 A JP2000283140 A JP 2000283140A
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layer
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metal pipe
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Tatsuo Nakajima
達雄 中島
Yukihiro Watanabe
幸弘 渡辺
Kazuhiko Yoshida
和彦 吉田
Hitoshi Kodama
斎 児玉
Tsuneo Takano
恒男 高野
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NTN Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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NTN Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主に自動車用などに使用される動力伝達用プ
ロペラシャフトの軽量化と同時に曲げまたはねじり剛性
の制御。 【解決手段】 金属パイプ1に継手要素3を接合してな
るプロペラシャフトにおいて、プロペラシャフトに要求
される静ねじり強度を満足する金属パイプ1の外周に、
要求される危険回転数を満足する曲げ剛性になる厚みの
繊維強化樹脂層5を形成させ、かつ、繊維強化樹脂層5
の界面強度特性をマイクロドロップレット法で20〜2
00MPaの範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の駆動力
伝達軸として使用されるプロペラシャフト(推進軸)及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のプロペラシャフトは、変速機か
ら減速歯車装置に動力を伝達する推進軸であり、その両
端部にはジョイント(継手)を具備し、変速機と減速歯
車装置との相対位置の変化に起因する長さと角度の変動
に対応できる構造を有する。従来、プロペラシャフトを
構成するジョイントおよびそのジョイント間の中間軸に
は鋼製のものを使用するのが一般的であった。
【0003】プロペラシャフトは、前述のように鋼製で
あることに加えて、曲げ剛性の観点から長軸になると分
割して構成し、その中間部をサポートする軸受などが必
要になることから、重量およびコスト等の面から改善が
要求されている。そこで、これらの改善要求にこたえる
べく、繊維強化樹脂(以下、FRPと称す)の採用が提
案された(たとえば、特開昭53−71422号公報、
特開昭55−118831号公報、特開昭63−199
914号公報参照)。つまり、曲げ剛性の強いFRP製
の中空シャフトを金属製シャフトの外周に形成すること
で長軸化が図れるため、分割が不要になって中間部のサ
ポート軸受も不要になり、軽量化と低コスト化が期待で
きる、というものである。
【0004】比強度の高いFRPのみで形成されたパイ
プを採用する例も提案されているが、その継手部分は剛
性・強度の点からFRPで一体成形するのは無理であ
り、通常、金属製の継手をFRPの端部に接合してい
る。その接合方法としては、FRP製パイプの端部に金
属製継手のスリーブを圧入したり、接着剤で接合する
か、FRP製パイプに金属製継手を挿入した後、樹脂を
含浸させた連続繊維で継手ともどもFRP製パイプを巻
装するという方法や(特開昭55−118831号公
報)、金属製継手の嵌着部分を非円形とするとともに、
プロペラシャフトの端部をガラス転移点以上に加熱して
継手の嵌着部分上に加締める方法(特開昭63−199
914号公報)などが提案されている。
【0005】他の接合法として、接合部の強度を確保し
てトルク伝達を実現するために軸端部の断面形状を多角
形にしたり、中空シャフトの軸端部が重合する部分での
接合面をローレット加工等によって粗面化したり、FR
P製の中空シャフトを加締めたり、さらに、中空シャフ
トの軸芯部へ金属部品を圧入したりすることで接合して
いた。また、FRP製中空シャフト軸端部と金属部品の
接触界面に接着剤を介在させて接合する場合、粗面化、
加締め、もしくは圧入などの加工と接着剤を併用したり
して接合部の強度保持の様々な工夫がなされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
の接合方法では軸端部の加工方法が困難になったり、接
合部の強度を確保するために外径を太くしないといけな
かったり、また、軸方向の抜け止め対策も信頼性確保の
ために別に施さないといけない等の成形上の問題があっ
た。
【0007】FRP製の中空シャフトを加締めたり、中
空シャフトの軸芯部への金属部品を圧入したりする方法
では、FRP部のクリープや応力緩和によって圧入緊縛
力の低下があるために、周方向にすべりを生じたり、軸
方向に抜け出したりすることがあり、製品機能上での長
期の信頼性に欠けるなどの重大な短所があった。
【0008】また、接合部をみたとき、FRPと金属部
品の接触面積だけで、圧入時に生じる緊縛力を抗力にす
る摩擦力や、接触界面に介在する接着剤による化学的お
よび物理的接着によってトルク伝達が行われている。こ
の場合、衝撃的に生ずる過大なトルクに対応しようとす
ると、圧入量を深くして接触界面の面積をなるべく大き
くしたり、FRPの圧入による弾性変形量を大きくした
りするが、製造加工時にFRP部にクラックを生じた
り、使用時のクリープや応力緩和が避けられないため接
合上の問題が生じていた。
【0009】一方、動力伝達軸であるプロペラシャフト
の中間軸に、軽量化、低燃費化、低コスト化、振動・騒
音特性の向上等を図るためにFRP製の中空シャフトを
使用する場合、自動車内でのスペース上の制約から中空
シャフトの外径を細くしなければならないといった要請
もある。
【0010】本発明の目的は、前述した改善要求にこた
えるべく、接合の信頼性が高く、高剛性すなわち曲げの
共振周波数の高い、軽量で低コストなプロペラシャフト
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の技術的手段として本発明は、金属パイプに継手要素を
接合してなるプロペラシャフトにおいて、金属パイプの
外周に繊維強化樹脂を巻き付けて繊維強化樹脂層を形成
し、前記繊維強化樹脂層の強化繊維とマトリクス樹脂の
界面強度特性をマイクロドロップレット法で20〜20
0MPaの範囲としたことを特徴とする(請求項1)。
金属パイプの外周にFRP製パイプを貼り合わせて複合
中空シャフトとすることで、シャフト端部の接合に関わ
る部位がFRP単体でないため、たとえ大きなせん断が
生じても十分な耐久強度をもって力を伝えることができ
る。つまり、金属パイプと金属継手部品との溶接または
摩擦圧接のような信頼性のある完全な接合法が可能とな
るため、周方向のすべりや軸方向の抜け出しといった不
具合は全く生じず、接合部の長期の信頼性を得ることが
できる。
【0012】また、特開昭53−71422号公報に記
載されているように、材料上、金属パイプとFRP製パ
イプを併用するだけでは、複合中空シャフト部が周方向
トルク負荷に伴う変形時においてFRP層内部の強化繊
維とマトリクス樹脂界面で界面剥離を生じる不具合があ
り、実用上、車両等に搭載するプロペラシャフトの中間
軸に適用できなかった。この問題を解決するために鋭意
研究した結果、FRP材の強化繊維とマトリクス樹脂の
界面強度特性がマイクロドロップレット法で20MPa
以上200MPa以下の範囲であれば車両等に搭載する
プロペラシャフトの中間軸として好都合であることを見
出したものである。界面強度が20MPaより小さい
と、複合中空シャフト部が通常車両等に作用する30k
gf・m程度の周方向トルク負荷に伴う変形時において
FRP層内部の強化繊維とマトリクス樹脂界面で界面剥
離を生じる。つまり、通常車両等のように繰返しトルク
が負荷されながら使用される場合、金属パイプとFRP
層で構成される複合中空シャフト部の所期の剛性を維持
できない。また、界面強度を200MPaより大きくし
ようとすると、繊維表面の特殊な表面処理と特殊なマト
リクス樹脂を組み合わせなければならず、製造上困難な
ものとなる。マイクロドロップレット法の測定法を図4
に示す。マイクロドロップレット法による測定は、たと
えば、東栄産業株式会社製の複合材界面特性評価装置H
M−410型で測定される。
【0013】金属パイプとFRP層で構成される複合中
空シャフト部の内径と肉厚は、プロペラシャフトに要求
される危険回転数で決められる。つまり、金属パイプの
みで要求される危険回転数を満足しようとすると、大径
になり、かつ、重量は重い。これに対し、予め用意され
る金属パイプの内径、肉厚および長さをプロペラシャフ
トに要求される静ねじり強度のみを満足するように設計
しておき、この金属パイプの外周部に要求される危険回
転数を満足する曲げ剛性になる厚みまで比弾性率の大き
いFRP層を巻き付けることによってプロペラシャフト
を製造すれば(請求項10)、最外径寸法は小さくな
り、かつ、軽量化できる。たとえば、金属パイプの静ね
じり強度を100kgf・m以上とし、プロペラシャフ
トのモーダル解析における曲げ一次の危険回転数を40
00rpm以上とする(請求項2)。
【0014】金属パイプ上に巻き付けられた軸方向のF
RP層の長さは、金属パイプの長さをPL、軸方向のF
RP層の長さをFLとしたとき、FL/PLの値が、
0.1以上1.0以下がよい(請求項3)。FL/PL
の値が0.1より小さい場合、たとえ比弾性率の大きい
FRP層を巻き付けても要求される危険回転数を満足す
る曲げ剛性にすることは困難である。FL/PLの値が
1.0より大きい場合、曲げ剛性の向上を期待するFR
P層が金属パイプより長くなる、すなわち、金属パイプ
の曲げ剛性の向上に対し無駄なFRP層を形成すること
になり、好ましくない。ここで、金属パイプはプロペラ
シャフトの中間軸を構成するため、長さは10mm以上
3000mm以下がよいが、望ましくは100mm以上
3000mm以下がよい。長さが10mmより短いと、
金属パイプ上に0°層を構成するプリプレグがうまく巻
き付かない等の不具合があり、3000mmより長い
と、たとえトラック自動車等に使用する場合でも車両へ
の組付け施工が困難になる。
【0015】金属パイプの外径は、10mm以上250
mm以下がよいが、望ましくは15mm以上230mm
以下、さらに望ましくは20mm以上200mm以下が
よい。外径が10mmより小さいと、たとえ外周部にF
RP層を形成しても乗用車に使用するプロペラシャフト
として伝達トルクが満足できず、250mmより大きい
と車両内で他の部品との干渉などスペース上の問題が生
じる。
【0016】金属パイプの肉厚は、1mm以上10mm
以下がよい。金属パイプの肉厚が1mmより薄いと、金
属パイプの運搬時やFRP層の成形時に金属パイプを破
損する虞がある。また、金属パイプの内径、肉厚を車両
用プロペラシャフトに要求される静ねじり強度のみを満
足するように設計することが困難になり、たとえ設計で
きても管径が太くなる。金属パイプの肉厚が10mmよ
り大きい場合、乗用車に使用するプロペラシャフトとし
て重すぎて軽量化の目的を達成することはできない。
【0017】また、金属パイプの肉厚をt 1 、FRP層
の肉厚をt 2 としたとき、t 2 /t 1 の値は0.01以
上10以下が好適である(請求項4)。t 2 /t 1 の値
が0.01より小さい場合、たとえ比弾性率の大きいF
RP層を巻き付けても要求される危険回転数を満足する
曲げ剛性にすることは困難である。t 2 /t 1 の値が1
0より大きい場合、FRP層を巻き付けにより曲げ剛性
の向上を期待できるものの製造加工時にマトリクス熱硬
化樹脂の硬化時間が長くなり、製造コストが多大にな
り、また、量産性の面などで問題が生じる。
【0018】金属パイプの外周部に積層を構成するFR
Pの繊維配向角を金属パイプの軸方向に対し0°、90
°、±45°、または、これらの組み合わせとすること
により、曲げ剛性やねじり剛性の制御および径方向の変
形(座屈)を抑制できる点で望ましい。このとき、プロ
ペラシャフトに作用する回転数やトルクに応じ、適宜お
のおののFRP層を組み合わせることで曲げおよびねじ
りの剛性を制御することもできる。繊維に熱硬化性樹脂
を含浸させた半硬化状態のシート状プリプレグを使用し
て、糸の配列を一方向に一定に保ちながら安定して積層
加工を行い、また、任意の繊維配向角で巻き付けること
も可能である。プリプレグを巻き付けて積層され、その
後加熱硬化させて得られるFRP層の厚みまたは金属パ
イプとFRP層の肉厚比、FRP層の幅、使用するプリ
プレグの弾性率(繊維種や繊維含有量、プリプレグ厚
み)で軸の曲げおよびねじり剛性および耐座屈性を制御
してもよい。
【0019】外周部に巻き付けるプリプレグの厚みは5
μm以上600μm以下が好適である。プリプレグの厚
みが5μmより薄い場合、巻き付け加工時に皺を生じや
すく、硬化後の複合中空シャフトにトルクが負荷された
とき、この皺部がクラックの起点となることがある。ま
た、プリプレグの厚みが600μmより厚い場合、その
厚みのために捲きにくく、たとえ巻けたとしても、硬化
後、複合中空シャフトの外観上、比較的大きな段差を生
じる。プロペラシャフトの中間軸に使用する場合、この
段差のためにバランス取りが困難になることがある。
【0020】積層部を構成する繊維は、プロペラシャフ
トの危険回転数を高めるために密度が小さく弾性率の高
い材料が望ましい。このような繊維として、PAN系お
よびピッチ系炭素繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊
維、ボロン繊維、ガラス繊維、パラ系アラミド(たとえ
ばデュポン社製ケブラー)繊維、金属(鋼、アルミ合
金、チタン合金、銅、タングステン)繊維等が挙げられ
る。強化繊維の引張り弾性率は、20000kgf/m
2 (196GPa)以上がよく(請求項5)、さらに
望ましくは25000kgf/mm2 (245GPa)
以上である。20000kgf/mm2 (196GP
a)未満では、FRPの繊維配向角をどのように構成し
てもプロペラシャフトの危険回転数を高くすることがで
きない。
【0021】PAN系炭素繊維を使用する場合、その線
径は、1μm以上20μm以下(請求項6)、望ましく
は5μm以上8μm以下がよい。PAN系炭素繊維の線
径が1μm未満の場合、原料となるアクリル繊維のコス
トが高く、かつ、焼成して炭素繊維に加工するときの制
御が難しくなり、繊維の価格が高くなって低コストなシ
ャフトを成立させることができない。また、PAN系炭
素繊維の線径が20μmを越えるとシートラップ法で使
用するプリプレグを製造することができない。
【0022】また、さらなる低コスト化のために、異種
の繊維を2種以上組み合わせて用いてもよい。比弾性率
が大きい繊維が軽量化の効果が大きく、プロペラシャフ
トへの使用は好ましい。つまり、比強度の面ではPAN
系炭素繊維が、比弾性率の面ではピッチ系炭素繊維が好
適である。しかし、コスト低減の観点からこれらの炭素
繊維どうし、もしくはこれらの炭素繊維とガラス繊維の
ハイブリッドで用いることも可能である。
【0023】これらの繊維は、トウ状であってもプリプ
レグ状であってもよいが、トウ状の場合、未硬化のマト
リクス樹脂に含浸しながらフィラメントワインディング
法または引抜き法により薄肉太径に成形される。プリプ
レグ状の場合、シートラップ(筒巻)法により薄肉太径
に成形される。シートラップ法による場合、テーブルロ
ーリングを用いて増し締めを行うテーブルローリングシ
ートラップ装置や心棒をローラー上に設置して心棒にプ
リプレグを巻き付けるローラー型シートラップ装置を用
いてもよい。また、形状と量産性により引抜き成形など
の成形法も採用することができる。また、これらの成形
法を2種以上組み合わせて成形してもよい。
【0024】FRPの繊維配向角を軸方向に対し0°、
90°および±45°のFRP層の組合せで積層しよう
とすると、プリプレグを使用したシートラップ法が適し
ており、フィラメントワインディング法では0°の繊維
配向角を有する層を形成することは比較的困難である。
また、引抜き成形では90°の繊維配向角を有する層を
形成することは比較的困難である。シートラップ法で用
いるプリプレグを構成する繊維シートは、一方向以外に
あらかじめ直交して織り込んだ状態のクロスを用いても
よい。
【0025】マトリクスとして含浸する熱硬化性樹脂
は、特に制限されるものではない。一般に、熱硬化性を
示すエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッ
ド樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、シ
リコン樹脂、ポリイミド樹脂等が使用できるが、強度面
からエポキシ樹脂が好適である。マトリクスにエポキシ
樹脂を用いる場合、エポキシ硬化後の耐熱性はガラス転
移点で60°以上がよいが、さらに望ましくは80°以
上がよい。自動車の動力伝達軸として使用されるプロペ
ラシャフトの雰囲気温度は60°程度になるため、エポ
キシ硬化後の耐熱性が60°未満では破損などの重大な
問題を起こすことがあり、マトリクスに使用できない。
【0026】また、エポキシ樹脂中にゴム粒子を介在さ
せ海島構造を形成して耐衝撃性を付与した改質エポキシ
樹脂や、主鎖または側鎖を化学構造的に変成した変成エ
ポキシ樹脂を用いることもできる。その場合、得られた
プロペラシャフト構造体に減衰性を付与することができ
る。また、エポキシ樹脂中に導電性のカーボンブラック
のような充填材や金属粉を分散させて導電性を付与した
エポキシ樹脂を用いることもできる。
【0027】さらに、含浸する繊維表面をオゾン酸化処
理や紫外線の照射で表面活性化したり、シランカップリ
ング剤またはチタンカップリング剤等で湿式処理を行っ
て親和性を向上させたり、反応性の高い官能基サイトを
繊維表面に形成し、熱硬化性マトリクス樹脂との硬化後
化学結合を有する強固な接着を付与することで、マトリ
クスと繊維間の界面強度を向上させることもできる。
【0028】また、たとえば特開昭55−15801号
公報にはアルミ管に炭素繊維プリプレグとガラス繊維布
を巻き付けて硬化成形する例が記載されているが、この
場合、金属管との一体化のためには必ず構造用金属接着
層が必要になる。本発明のように、FRP層は周方向の
線膨張率を金属製の管以下として常用時に締まる方向で
あれば構造用金属接着層が不要になるため一体化にさら
に好都合である。また、このとき同時に過度な締付け力
によるFRP層の破壊を防ぐために周方向層の強度以内
である必要がある。この点についてさらに鋭意研究した
ところ、金属管に鋼管を使用した場合、FRP層のシャ
フト周方向線膨張率においてサーマルメカニカルアナラ
イザ(TMA)法による数値が1mm/mm/℃以上、
11mm/mm/℃以下の範囲が好適であることを見出
した(請求項7)。つまり、シャフト周方向線膨張率の
値が1mm/mm/℃より小さいとプロペラシャフトと
して使用される環境下での温度変化で鋼管との相対的な
周方向線膨張率差により過度な締付け力が生じるためF
RP層の破壊が生起する。また、11mm/mm/℃よ
り大きいと、プロペラシャフトとして使用される環境下
での温度変化での鋼管との相対的な周方向線膨張率差に
より、鋼管とFRP層の界面内で部分的に剥離を生ずる
場合がある。
【0029】TMA法による測定は、たとえば、デュポ
ン社製メカニカルサーマルアナライザー943型で測定
される。
【0030】また、金属パイプにアルミ管を使用した場
合、FRP層のシャフト周方向線膨張率においてTMA
法による数値が1mm/mm/℃以上、29mm/mm
/℃以下の範囲が好適であることを見出した(請求項
7)。つまり、シャフト周方向線膨張率の値が1mm/
mm/℃より小さいとプロペラシャフトとして使用され
る環境下での温度変化でアルミ管との相対的な周方向線
膨張率差により過度な締付け力が生じるためFRP層の
破壊が生起する。また、29mm/mm/℃より大きい
と、プロペラシャフトとして使用される環境下での温度
変化で相対的な周方向線膨張率差により、アルミ管とF
RP層の界面内で部分的に剥離を生ずる場合がある。
【0031】なお、これらの場合、FRP層の強化繊維
がPAN系もしくはピッチ系炭素繊維、ガラス繊維、炭
化けい素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、パラ系アラ
ミド(たとえばデュポン社製ケブラー)繊維、金属
(鋼、アルミ合金、チタン合金、銅、タングステン)繊
維等の単体であっても、これらの2種以上組み合わされ
たものであってもFRP層と金属管の一体化が可能とな
ることは言うまでもない。
【0032】また、文献:Durk Hyun Cho and Dai Gil
Lee, Composite Structures, Vol.38, No. 1-4, pp. 30
9 - 319, 1997 (Elsevier Science Ltd.)に記載される
ように、アルミ管に炭素繊維プリプレグを巻き付けて硬
化処理を行う時、冷却時にアルミ管と炭素繊維プリプレ
グの熱膨張係数の差のために硬化後の炭素繊維層中に軸
方向で圧縮応力が残留し、実用上問題となることがあ
る。同文献では、この問題解決に炭素繊維プリプレグを
巻き付ける前に、治具を使用して予めアルミ管を軸方向
に圧縮しておき、冷却後治具をはずした時の圧縮方向の
弾性変形の戻り量と熱収縮による軸方向の寸法変化量が
相殺されることで硬化後の炭素繊維中に生ずる圧縮応力
の残留を緩和する手法が報告されている。本発明におい
ては、硬化処理後のFRP層中の軸方向の残留応力の緩
和のための、FRP材の積層構成において、金属パイプ
の軸方向に対して0°層と90°層の2層構造からな
り、周方向層(90°層)の比率が1%以上20%以下
の範囲が好適であることを見出した(請求項8)。周方
向層(90°層)の比率が1%より小さい場合、シャフ
ト周方向線膨張率の値を11mm/mm/℃以下に抑え
ることができない。また、周方向層(90°層)の比率
が20%より大きい場合、0°層と90°層の2層構造
からなるFRP材の繊維構成において曲げ剛性を付与す
るために積層部の膜厚が厚くなり、経済性および軽量化
の観点から合理性を欠くことになる。
【0033】また、FRP層を1層で形成する場合は金
属パイプの軸方向に対して繊維配向角度が+5°以上+
30°以下または−30°以上−5°以下の範囲であれ
ば本発明を合理的に実施することができる(請求項
9)。つまり、金属パイプの軸方向に対して繊維配向角
度が±5°以上ではシャフト周方向線膨張率の値を11
mm/mm/℃以下に抑えることができず、かつ、成形
加工時においてFRP材の積層部で軸方向の残留応力の
ために亀裂を生じやすい。また、繊維配向角度が±30
°より大きい場合、金属パイプとFRP層で構成される
複合中空シャフト部において所期の剛性を成立させよう
とすると、FRP層部の膜厚が厚くなり経済性および軽
量化の観点から合理性を欠くことになる。なお、FRP
層部のシャフト周方向線膨張率の値が11mm/mm/
℃以下であれば鋼管はもちろんアルミ管でもFRP層と
の界面で剥離などの不具合を生起しないことは言うまで
もない。
【0034】このようなFRP材の繊維構造は、たとえ
ばシートラップ法で成形する場合、予め所定形状に裁断
された複数のプリプレグシートを、巻き付け硬化後計画
された繊維配向角度の層が積層構造中に形成されるよう
にシリーズに並べてシートラップすることで成形するこ
とができる。また、フィラメントワインディング法や引
抜き法の場合、巻き付け硬化後計画された繊維配向角度
の層が積層構造中に形成されるようにシリーズに未硬化
のマトリクス樹脂に含浸したトウを巻き付け硬化成形す
ることができる。また、シートラップ法、フィラメント
ワインディング法および引抜き法を適宜組み合わせて成
形することも可能である。
【0035】プリプレグを巻き付ける金属パイプの金属
種は、穴あけ加工等の機械加工または溶接加工または摩
擦圧接加工または圧入加工ができる金属であれば特に制
限されないが、好ましいものとして、鉄、アルミ、銅、
チタン、タングステン、ニッケルなどが挙げられる。ま
た、これらのいずれの金属の合金でもよい。
【0036】あらかじめ金属パイプの両端に金属製の継
手要素をピン止め、溶接加工、摩擦圧接加工または圧入
加工などの方法により接合しておき、これをマンドレル
としてシートラップ法によりプリプレグを巻き付けて成
形することができる。この場合、フィラメントワインデ
ィング法を用いても成形することができる。逆に、あら
かじめ金属パイプ上にシートラップ法によりプリプレグ
を巻き付けて成形しておき、その後金属製の継手要素を
ピン止め、溶接加工、摩擦圧接加工または圧入加工など
の方法により接合して中間軸部を製作してもよい。ま
た、あらかじめ継手要素のスタブ(ヨーク)部のセレー
ション側を金属で製作し、中空シャフトとの接合側をア
ルミ製とするために摩擦圧接でスタブを製作しておき、
アルミ製の中空シャフトとスタブのアルミ側を溶接して
より軽量な中間軸部を製作してもよい。
【0037】本発明のプロペラシャフトの製造方法は、
請求項12に記載のように、プロペラシャフトに要求さ
れる静ねじり強度を満足する金属パイプの外周に、要求
される危険回転数を満足する曲げ剛性になる厚みの繊維
強化樹脂層を形成させることを特徴とする。より具体的
には、金属パイプをマンドレルとして用い、サンディン
グ・脱脂後、外周部に繊維強化樹脂層を形成させ、その
上からシュリンクテープ(熱収縮フィルムまたはテー
プ)を巻き付けて仮止めを行い、加熱硬化処理を施して
複合中空シャフトを得る。シュリンクテープを剥がして
から使用してもよいし、そのまま最外層に残してもよい
(請求項10)。また、シュリンクテープの有無に拘ら
ず、外表面に塗装処理を施してもよい(請求項11)。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に示す実施例に従って詳細に説明するが、本発明はこれ
らの実施例に何ら限定されるものではない。
【0039】図1は、両端にジョイントを取り付けた状
態の自動車のプロペラシャフトを例示したもので、FR
P層を符号5で指してある。図2は芯材となる金属製中
空シャフトを示す。これは、図示するように両端を絞っ
た鋼管(STKM13B材)(1)の両端に、金属製の
継手要素ここではスタブ(3)を接合部(2)にて溶接
したものである。この場合の金属製中空シャフトの寸法
諸元は次のとおりである。
【0040】 全長:PL=1600mm FRP巻付け部の幅:FL=1240mm(図3参照) 肉厚:t 1 =1.6mm 外径:d=65mm まず、金属製中空シャフトについて静ねじり試験機によ
る強度測定を行った。合格水準は静ねじり強度で100
kgf・m以上とした。用いた静ねじり試験機は、株式
会社東京衡機製造所製静ねじり試験機RTE−1000
である。その後、この金属製中空シャフトをマンドレル
として用い、サンディング・脱脂後、図3に示すよう
に、外周部にエポキシ樹脂マトリクスのPAN系炭素繊
維プリプレグ(4)を予め2枚を重ねて所定の厚み(2
±0.1mm)までシートラップ法で巻き付けた。ここ
に、上記プリプレグは、厚み250μmの0°層プリプ
レグと、厚み5μmの90°層プリプレグであり、いず
れも樹脂含有率35wt%、PAN系炭素繊維の弾性率
26×103kg/mm2 のパイロフィルプリプレグ
(三菱レイヨン株式会社の登録商標)を使用した。炭素
繊維の配向角は軸方向に対し0°および90°となるよ
うにし、積層構造は0°/0°/[90°/0°]
n (nは所定厚みになるまでの巻数)とし、シャフト周
方向における線膨張率がTMA法で1mm/mm/℃以
上11mm/mm/℃以下の範囲となるようにした。そ
して、その上からシュリンクテープ(熱収縮フィルムま
たはテープ)を巻き付けて仮止めを行い、150℃で2
時間の加熱硬化処理を施し、複合中空シャフト(図1参
照)を得た。
【0041】得られた複合中空シャフトについて、亀裂
の有無による外観評価、モーダル解析による曲げ一次の
共振周波数測定を行った。合格水準は曲げの一次共振周
波数の値で83.3Hz以上(=危険回転数で4000
rpm以上)とした。
【0042】表1は、金属管の諸元(金属管の材質、管
径、肉厚)およびFRP層の諸元(肉厚、積層構成)を
変えた実施例1〜16のそれぞれについて、金属パイプ
の静ねじり強度および複合中空シャフトの危険回転数に
関する試験結果を示している。試験結果は合否を○×で
表わしてあるが、実施例1〜16はすべて合格であっ
た。いずれの供試体も亀裂など外観上の問題はなかっ
た。
【0043】
【表1】
【0044】なお、表1において、「金属種」の欄のF
eは具体的にはSTKM13B材を意味し、AlはAL
6061材を意味する。FRP層の積層構成の欄のA〜
Fは次の内容を意味する。なお、nは所定厚みになるま
での繰り返し数(=巻数)を意味する。
【0045】 A:管側より0°/0°/[90°/0°]n B:管側より[0°/90°/0°]n C:管側より[0°/G]n D:管側より[0°/CC]n E:1層構造で+30°層のみ F:1層構造で0°層のみ(表2) 各層のプリプレグの詳細は次のとおりである。
【0046】 0°層:CFRPプリプレグ(厚み250μm) 30°層:CFRPプリプレグ(厚み250μm) 90°層:CFRPプリプレグ(厚み50μm) G層:ガラスクロスプリプレグ(厚み50μm) CC層:CFRPクロスプリプレグ(厚み50μm) 既述のとおり、実施例1〜16はすべて、シュリンクテ
ープを巻き付けて仮止めした状態で加熱硬化処理を施し
たものであるため、得られた複合中空シャフトの最外層
には当該シュリンクテープが存在している。また、FR
P層が防錆や耐腐食性の塗装被膜の役割を果たすため、
表面塗装は施してない。しかしながら、シュリンクテー
プを剥がして使用することも勿論可能であり、シュリン
クテープの有無に拘らず塗装を施すことも可能であるこ
とを明らかにするため追加の実施例を挙げるならば次の
とおりである。
【0047】実施例4の複合FRP中間シャフトについ
てシュリンクテープを剥がして実施例17のシャフトと
した。この実施例17につき危険回転数を調べたとこ
ろ、合格水準の4000rpm以上であった。
【0048】実施例4の複合FRP中間シャフトについ
てシュリンクテープの上から水溶性塗料エマルタ−20
00(アイシン化工株式会社製)を塗装し、実施例18
のシャフトとした。この実施例18につき危険回転数を
調べたところ、合格水準の4000rpm以上であっ
た。
【0049】実施例4の複合FRP中間シャフトについ
てシュリンクテープを剥がし、その後水溶性塗料エマル
タ−2000(アイシン化工株式会社製)を塗装し、実
施例19のシャフトとした。この実施例19につき危険
回転数を調べたところ、合格水準の4000rpm以上
であった。
【0050】次に、表2に比較例1〜10についての試
験結果を示す。比較例1,2,7,8は金属パイプのみ
で構成された金属性中空シャフトであり、比較例3〜
6,9,10は肉厚2mmのFRP層を備えた複合中空
シャフトである。後者のFRP層は0°層のみの1層構
造で、いずれもシートラップ法により成形したものであ
る。表2より明らかなように、比較例1〜10について
の試験結果はすべて不合格であった。すなわち、比較例
1,7,8は静ねじり強度が不合格であった。比較例2
は、複合中空シャフトについて設定した合格水準(曲げ
の1次共振周波数の値で83.3Hz)を満足しなかっ
た。比較例3〜6,9,10は、金属パイプの静ねじり
強度に関しては合格したが、危険回転数の合否を判定す
るまでもなく、FRP層に成形後亀裂が発生した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明のプロペラシャフトは、複合中空シャフトと
継手要素との接合に、強固かつ長期の使用においても信
頼性の高い溶接加工を利用できるため、自動車用等速ジ
ョイントのシャフトとしても使用でき、かつ、自動車用
途のみならず船舶用途、産業機械用途および航空機用途
等の動力伝達用シャフトとして好適に用いることができ
る。
【0053】本発明のプロペラシャフトの製造方法によ
れば、車両用としてねじり強度および接合強度の信頼性
を有し、軽量かつコンパクトなプロペラシャフトが得ら
れることは言うまでもなく、また、芯材となる金属パイ
プがマンドレルとなるため成形後のマンドレル引抜き作
業および金属継手要素との接合加工が不要となる。
【0054】さらに、通常FRPプリプレグを巻き付け
て成形する場合、加熱硬化時のプリプレグ仮止めのため
に熱収縮フィルムまたはテープを最外層に巻き付け、硬
化後、その熱収縮フィルムまたはテープを剥がして最終
製品にする場合が多いが、本発明の適用においては、プ
ロペラシャフトに対する飛び石の保護膜としての機能を
果たすため、剥がさずに使用することもでき、その場合
には加工工数が省け、かつ、材料の無駄がない。
【0055】また、鋼性パイプを用いる場合、防錆や耐
飛び石性のために塗装が必要になるが、本発明の場合で
はFRP層が防錆や耐腐食性の塗装被膜の役割を果たす
ため、成形後その部分の塗装を省略することも可能で、
そうすることによって低コストに製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジョイントを取り付けた状態のプロペラシャフ
トの半断面図である。
【図2】金属製中空シャフトの半断面図である。
【図3】プリプレグの巻き付け過程を示す斜視図であ
る。
【図4】マイクロドロップレット法の測定法を示す略図
である。
【符号の説明】
1 鋼管(金属パイプ) 2 接合部 3 スタブ(金属製継手要素) 4 プリプレグ 5 FRP層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 幸弘 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 吉田 和彦 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 児玉 斎 愛知県豊橋市牛川通り3丁目1番2号 三 菱レイヨン株式会社内 (72)発明者 高野 恒男 愛知県豊橋市牛川通り3丁目1番2号 三 菱レイヨン株式会社内 Fターム(参考) 3D042 AA06 AA07 AA08 AA10 AB01 DA05 DA08 DA09 DA14 3J033 AA01 AB01 AB02 AB03 AC01 BA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属パイプに継手要素を接合してなるプ
    ロペラシャフトにおいて、金属パイプの外周に繊維強化
    樹脂を巻き付けて繊維強化樹脂層を形成し、前記繊維強
    化樹脂層の強化繊維とマトリクス樹脂の界面強度特性を
    マイクロドロップレット法で20〜200MPaの範囲
    としたことを特徴とするプロペラシャフト。
  2. 【請求項2】 金属パイプの静ねじり強度が100kg
    f・m以上であり、プロペラシャフトのモーダル解析に
    おける曲げ一次の危険回転数が4000rpm以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフ
    ト。
  3. 【請求項3】 金属パイプの長さをPL、軸方向の繊維
    強化樹脂層の長さをFLとしたとき、FL/PLの値が
    0.1以上1.0以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のプロペラシャフト。
  4. 【請求項4】 金属パイプの肉厚をt 1 、繊維強化樹脂
    層の肉厚をt 2 としたとき、t 2 /t 1 の値が0.01
    以上10以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    プロペラシャフト。
  5. 【請求項5】 繊維強化樹脂の強化繊維の引張り弾性率
    が20000kgf/mm2 以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載のプロペラシャフト。
  6. 【請求項6】 繊維強化樹脂の強化繊維が線径1μm以
    上20μm以下のPAN系炭素繊維であることを特徴と
    する請求項1に記載のプロペラシャフト。
  7. 【請求項7】 繊維強化樹脂層のTMA法によるシャフ
    ト周方向線膨張率が1〜29mm/mm/℃の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフ
    ト。
  8. 【請求項8】 繊維強化樹脂層が、金属パイプの軸方向
    に対する繊維配向角度に関して0°層と90°層の2層
    からなり、90°層の比率が1〜20%の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフト。
  9. 【請求項9】 繊維強化樹脂層が1層で形成され、か
    つ、金属パイプの軸方向に対する繊維配向角度が±5〜
    30°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の
    プロペラシャフト。
  10. 【請求項10】 最外層に熱収縮フィルムまたはテープ
    が存在することを特徴とする請求項1ないし9のいずれ
    かに記載のプロペラシャフト。
  11. 【請求項11】 外表面に塗装処理を施したことを特徴
    とする請求項1ないし10のいずれかに記載のプロペラ
    シャフト。
  12. 【請求項12】 プロペラシャフトに要求される静ねじ
    り強度を満足する金属パイプの外周に、要求される危険
    回転数を満足する曲げ剛性になる厚みの繊維強化樹脂層
    を形成させることを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    かに記載のプロペラシャフトの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110894849A (zh) * 2018-09-12 2020-03-20 巴南区聚丰光学元件加工厂 一种铝立轴及其制备工艺
CN112638689A (zh) * 2019-02-27 2021-04-09 日立安斯泰莫株式会社 用于传动轴的管体和传动轴

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CN110894849A (zh) * 2018-09-12 2020-03-20 巴南区聚丰光学元件加工厂 一种铝立轴及其制备工艺
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