JP2000282295A - アルミニウム製品の表面処理方法 - Google Patents

アルミニウム製品の表面処理方法

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JP2000282295A
JP2000282295A JP13042199A JP13042199A JP2000282295A JP 2000282295 A JP2000282295 A JP 2000282295A JP 13042199 A JP13042199 A JP 13042199A JP 13042199 A JP13042199 A JP 13042199A JP 2000282295 A JP2000282295 A JP 2000282295A
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Japan
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roller
alumite
treatment
layer
aluminum
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JP13042199A
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English (en)
Inventor
Hisaaki Yamamoto
尚秋 山本
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑らかな表面が得られ、特に摺動部材の表面
処理に好適なアルミニウム製品の表面処理方法を提供す
る。 【解決手段】 アルマイト処理したアルミニウムもしく
はアルミニウム合金材の表面にローラ掛けして、該表面
の突起を圧潰することを特徴としている。また本発明方
法では、アルマイト処理および封孔処理したアルミニウ
ムもしくはアルミニウム合金材の表面にローラ掛けし
て、該表面の突起を圧潰することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム製品の
特に摺動面の表面処理に好適なアルミニウム製品の表面
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム製品は、その耐食性、耐摩
耗性等を向上させるため、アルミニウムもしくはアルミ
ニウム合金材にアルマイト処理を施すようにしているの
が通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、より耐食
性、耐摩耗性、強度等を増すためには、アルマイトの膜
厚を厚くすることで対応している。しかしながら、アル
マイトの膜厚を厚くすればする程、表面が粗くなってし
まい、シリンダ等の摺動面を有する摺動部材には不向き
なものとなってしまう。したがって、このような摺動部
材では、必要な表面粗度を得るため、アルマイトの膜厚
は犠牲にしなければならず、十分な耐食性等の特性が得
られないという課題がある。
【0004】そこで、本発明は上記課題を解決すべくな
されたものであり、滑らかな表面が得られ、特に摺動部
材の表面処理に好適なアルミニウム製品の表面処理方法
を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、アルマイト処理
したアルミニウムもしくはアルミニウム合金材の表面に
ローラ掛けして、該表面の突起を圧潰することを特徴と
している。また本発明方法では、アルマイト処理および
封孔処理したアルミニウムもしくはアルミニウム合金材
の表面にローラ掛けして、該表面の突起を圧潰すること
を特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。まず、アルミニ
ウムもしくはアルミニウム合金材に常法によりアルマイ
ト処理を行う。アルマイトの膜厚は特に限定されない。
10μm以上の厚付けの膜厚であってもよい。アルミニ
ウム合金材としては、Al−Mg系合金材、Al−Mg
−Si系合金材等を用いることができ、特に限定はされ
ない。
【0007】次いで、封孔処理をする。封孔処理として
は、水蒸気処理、沸騰水処理、重金属塩溶液への浸漬処
理などの常法を採用し得る。前2者の封孔処理を行うこ
とによって、アルマイト層の表面に水和作用によりいわ
ゆるBoemite(Al・HO)、水和酸化
物層が形成される。
【0008】図1は、水和酸化物層10が、アルミニウ
ム16の表面に形成されたアルマイト層12に形成され
た状況を模式的に示す。なお、14はバリアー層(無孔
質層)である。また、重金属塩溶液への浸漬処理(例え
ば酢酸ニッケルの水溶液、95℃)によるときも、水和
作用と加水分解物の沈着と金属錯塩の生成により封孔層
が形成される。
【0009】水和酸化物層10等の封孔層は、アルマイ
ト層12の小孔を塞ぐ方向に成長するが、小孔を完全に
塞ぐものとはならない。このため、単に封孔処理を施し
ても、耐食性はある程度向上するものの、小孔が完全に
塞がらないので、完全に耐食性が確保されるものではな
い。また、このようにアルマイト処理、封孔処理を施し
たアルミニウムもしくはアルミニウム合金材の表面は、
多孔質のアルマイト層の成長により、粗面であることが
知られている。
【0010】図2は、無処理時の素材表面(切削加工の
表面)の顕微鏡写真である。図3は、図2に示される素
材表面を触針式表面粗さ測定器により測定した表面状態
を表す粗さ曲線である。面粗さは、R:0.76μ
m、R:0.88μmであった。ここで、Rは、粗
さ曲線からその中心線の方向に測定長さの部分を抜き取
り、その測定長さを5等分し、5等分された各々の区間
の最大高さを平均した値のことであり、また、Rは、
粗さ曲線から基準長さだけ抜き取った部分(以下、抜き
取り部分という)の中心線に平行な2直線で抜き取り部
分を挟んだときの2直線の間隔の値のことであり、これ
らは共に、JISB 0601に規定されている。図4
は、アルマイト処理、封孔処理をした後の、素材表面の
顕微鏡写真である。また、図5は図4に示される素材を
触針式表面粗さ測定器により測定した表面状態を表す粗
さ曲線である。面粗さは、R:1.62μm、R
1.80μmであった。
【0011】図2と図4とを比較すると、目視では、無
処理時の素材表面の方が荒れている感じを受けるが、図
3と図5との比較から明らかなように、アルマイト処
理、封孔処理をした後の素材表面の方が、細かい(高さ
の低い、かつピッチが小さい)凹凸は少ないものの、大
きな(高低差のある)凹凸が生じていることがわかる。
【0012】本実施の形態では、アルマイト処理、封孔
処理後のアルミニウムもしくはアルミニウム合金材の表
面に、ローラ掛け(ローラーバニッシュ)して、該表面
の突起を圧潰することを特徴としている。ローラ掛け
は、切削加工後、あるいは圧延加工後などに素材の加工
面の表面性状の改善を行うローラレベラー(図示せず)
を用いて行うことができる。このローラ掛けは、少なく
とも摺動面側を行う。
【0013】図6は、アルマイト処理、封孔処理をした
後、ローラ掛けをした素材表面の顕微鏡写真である。ま
た、図7は図6に示される素材を触針式表面粗さ測定器
により測定した表面状態を表す粗さ曲線である。面粗さ
は、R:0.62μm、R:0.70μmであっ
た。このように、面粗さが大幅に改善され、平滑化され
ることがわかる。平滑化されることにより、摺動部材と
して、初期摩耗が減り、最終的な摩耗量も減る。
【0014】上記のように、封孔処理をして水和酸化物
等の封孔層が形成されることにより、アルマイト層表面
が軟化し、その結果素材表面の突起がローラ掛けにより
容易に圧潰され、平滑化される。図8は、ローラ掛けし
た際のアルマイト層12の状況を模式的に示す。図に示
すように、封孔層10によりほぼ完全に封孔される小孔
が増加し、これにより耐食性も改善される。
【0015】また、アルマイト層を厚付けすることも可
能となる。厚付けすることにより、表面状態は荒れる
が、ローラ掛けして平滑化できる。したがって、アルマ
イト層を厚付けして、これにより、耐食性、耐摩耗性を
向上させることができる。このことはまた、アルマイト
処理による表面粗度をそれ程気にする必要がなくなるこ
とから、アルマイト処理条件をそれ程厳密に管理するこ
とを要せず、工程の簡略化も行えることになる。
【0016】表面の平滑化の状況をさらに詳細に検討す
ると、ローラ掛けにより、アルマイト層の凹凸の凸部
(突起)側が、凹部側より多く潰され、凹部が比較的多
く残る(図7)。この凹部が残ることにより、凹部が摺
動面における油だまりとなり、摺動部材にとって好適と
なる。ローラ掛けによるアルマイト層の厚さはほとんど
変化がない。厚さ変化は最大で0.5〜1.0μm程度
である。また逆に、厚さ変化がこの程度となるようなロ
ーラ掛け処理を行うものである。
【0017】また、ローラ掛けすることにより、アルマ
イト層表面の硬度が上昇し、これによっても耐摩耗性が
向上することになる。図9は、ローラ掛けをしない場合
のアルマイト層の深さ方向の硬度変化を示す。ここで、
A、B、C、D位置は図10に示すようにアルマイト層
12の測定位置を示し、表層に近い方をA位置とし、バ
リアー層14に近い方をD位置とし、A位置とD位置と
の間にB位置とC位置の深さを等間隔に設けている。例
えばA−D間を8μmとしだ場合、A、B、C、D位置
は2μmの深さ間隔をもって設けられている。このよう
に、ローラー掛けをしない状態においては、アルマイト
層の表層付近の硬度は低く、耐摩耗性に劣るものであっ
た。
【0018】これに対して、図11はローラ掛けをした
場合のアルマイト層の深さ方向の硬度変化を示す。図か
ら明らかなように、ローラ掛けをすることにより、アル
マイト層の表層付近(A、B位置)の硬度が上昇し、深
い位置の硬度とそれ程変わりはなくなる。例えばこの場
合、A位置は257Hv、B位置は332Hvの硬さで
あったが、ローラー掛けを行うことによって、A位置の
硬さは346Hv、B位置の硬さは341Hvに向上
し、かつ、C位置、D位置の硬さの数値とほぼ近似した
値となっている。すなわち、アルマイト層全体の硬度が
平均化、かつ上昇し、耐摩耗性に優れるものとなるので
ある。
【0019】なお、上記実施の形態では、アルマイト処
理後、さらに封孔処理を行ったものにローラ掛け処理を
行ったが、封孔処理は必ずしも行う必要はなく、アルマ
イト処理後、ローラ掛け処理を行うようにしてもよい。
この場合にも、アルマイト層の小孔がローラ掛けにより
閉塞されるものが多くなり、耐蝕性が向上するし、表面
の平滑化、硬度が上昇することにより耐摩耗性も向上す
る。
【0020】以上本発明につき好適な実施例を挙げて種
々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を
施し得るのはもちろんである。
【0021】
【発明の効果】請求項1によれば、アルマイト処理後の
素材表面にローラ掛けを行うことによって、表面粗度を
向上させることができ(平滑化)、したがってアルマイ
ト層の厚付けも可能であり、またアルマイト層の硬度も
上昇するので、耐食性、耐摩耗性に優れるアルミニウム
製品を提供できる。請求項2によれば、封孔処理後の素
材表面にローラ掛けを行うことにより、封孔層により閉
塞される小孔が多くなり、さらに耐食性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水和酸化物層がアルマイト層に形成された状況
を模式的に示す説明図である。
【図2】無処理時の素材表面(切削加工の表面)の顕微
鏡写真である。
【図3】図2に示される素材表面を触針式表面粗さ測定
器により測定した表面状態を表す粗さ曲線である。
【図4】アルマイト処理、封孔処理をした後の素材表面
の顕微鏡写真である。
【図5】図4に示される素材の触針式表面粗さ測定器に
より測定した表面状態を表す粗さ曲線である。
【図6】アルマイト処理、封孔処理をした後、ローラ掛
けをした素材表面の顕微鏡写真である。
【図7】図6に示される素材を触針式表面粗さ測定器に
より測定した表面状態を表す粗さ曲線である。
【図8】ローラ掛けした際のアルマイト層の状況を模式
的に示す説明図である。
【図9】ローラ掛けをしない場合のアルマイト層の深さ
方向の硬度変化を示すグラフである。
【図10】硬さの測定位置を示す説明図である。
【図11】ローラ掛けをした場合のアルマイト層の深さ
方向の硬度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 水和酸化物層 12 アルマイト層 14 バリアー層 16 アルミニウム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルマイト処理したアルミニウムもしく
    はアルミニウム合金材の表面にローラ掛けして、該表面
    の突起を圧潰することを特徴とするアルミニウム製品の
    表面処理方法。
  2. 【請求項2】 アルマイト処理および封孔処理したアル
    ミニウムもしくはアルミニウム合金材の表面にローラ掛
    けして、該表面の突起を圧潰することを特徴とするアル
    ミニウム製品の表面処理方法。
JP13042199A 1999-03-31 1999-03-31 アルミニウム製品の表面処理方法 Pending JP2000282295A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132297A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Sanden Corp スクロール型流体機械
JP2015209804A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 トヨタ自動車株式会社 ピストン頂面皮膜方法

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JP2007132297A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Sanden Corp スクロール型流体機械
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