JP2000280497A - アーマチュア及びその製造方法、ドットプリントヘッド - Google Patents

アーマチュア及びその製造方法、ドットプリントヘッド

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JP2000280497A
JP2000280497A JP9568899A JP9568899A JP2000280497A JP 2000280497 A JP2000280497 A JP 2000280497A JP 9568899 A JP9568899 A JP 9568899A JP 9568899 A JP9568899 A JP 9568899A JP 2000280497 A JP2000280497 A JP 2000280497A
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Yasunobu Terao
康伸 寺尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で高透磁率のアーマチュア高精度に容
易に製作できるようにする。 【解決手段】 マルエージング鋼の溶製材板を用いプレ
ス加工により作成したレバー片18と、パーメンジュー
ル粉末とバインダとを混練してなる成形材料を用いて作
成し、脱バインダ処理及び焼結処理を施した後にレバー
片18に溶接したプランジャ17とによりアーマチュア
16を形成し、その表面に窒化層を形成する。これによ
り、レバー片18の強度を高め、プランジャ17の透磁
率を高めることができる。また、脱バインダ処理後の収
縮率の極めて小さいプランジャ17と、元々バインダを
含まない収縮率の極めて小さいレバー片18とを溶接す
ることにより、両者を正確な対応関係で結合でき、さら
に両者の溶接部の強度を窒化層により高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーマチュア及び
その製造方法、ドットプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ドットプリントヘッドの基本的な構成
は、ヨークに磁気的に接続されたコアにコイルを装着
し、ワイヤを駆動するアーマチュアをコアに対して起伏
自在に設け、コイルに通電したときにコア、アーマチュ
ア、ヨークに流れる磁束によりアーマチュアを変位させ
てワイヤをプラテン上の用紙に衝突させることにより印
字を行なうものである。このドットプリントヘッドに
は、コアに対向させるために高透磁率のプランジャと、
ワイヤを駆動するために機械的強度の高いレバー片とを
別個に作成した後に両者を結合してなるアーマチュアを
用いるものがある。
【0003】上記のように、プランジャとレバー片とを
結合してなるアーマチュアを製造する方法として、特開
平3−130306号公報に記載されているように、ア
ーマチュアの支点をなす支点ピンは、カーボン材等の線
材から切削加工し、機械的強度を必要とするレバー片
は、純鉄もしくは3%珪素鋼の板材からプレス加工によ
り形成し、高透磁率を必要とするプランジャは、まず、
パーメンジュール等の高透磁率合金の粉末とバインダと
を混練した材料をもちいてプランジャ原型を射出成形
し、この射出成形時にレバー片と支点ピンとをインサー
ト法により一体化し、一体化した後にプランジャ原型に
含まれたバインダを脱バインダ処理(加熱処理)により
除去し、残る金属成分を真空或いは不活性ガスの雰囲気
中で焼結することよりプランジャとしての性能を確保す
る方法が知られている。
【0004】このような方法で形成されたアーマチュア
(特開平3−130306号公報では印字レバーと称す
る)は、プランジャの部分のみに高価な高透磁率合金を
使用し、エネルギー効率を高くすることが可能で、プラ
テンジャとレバー片と支点ピンとを正確にかつ強固に一
体化できるとされている。
【0005】なお、パーメンジュール粉末と混練するバ
インダは、成形する形状を保つために必要なもので、例
えばシリコン樹脂等の樹脂を用いている。このパーメン
ジュールを用いた金属成形製品は、金属材料の性能を確
保するために、一般には成形後に850℃近辺の温度で
磁気焼鈍を行なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のアーマチュアに
おいて、プランジャはパーメンジュール等の高透磁率合
金の粉末とバインダとを混練して射出成形、脱バインダ
処理、焼結処理により形成しているが、機械的強度を必
要とするレバー片は、機械的強度が高いマルエージング
鋼(Ni−Ti−Al合金)のような特殊材料の金属粉
末材料が流通してないため射出成形ができず、板材から
プレス加工により形成しているものと考えられる。
【0007】しかし、加熱による脱バインダ処理に際
し、プランジャ原型の収縮率は約30%と高いのに対
し、バインダを含まないレバー片及び支点ピンは殆ど収
縮しないため、プランジャ原型はレバー片や支点ピンを
囲繞する部分が収縮し難く、他の部分が大きく収縮す
る。これにより、コアとの対向部分の寸法形状が目的値
に対して変ってしまう。コアとプランジャとの関係が少
しでも変化すると、個々のアーマチュアの間で、コアの
吸引力、印字エネルギーに大きなバラツキが発生し、印
字品質が低下する問題がある。プランジャの寸法形状を
二次加工により整えることも考えられるが、脱バインダ
処理後の加工は困難である。
【0008】本発明はこのような点に鑑みなされたもの
で、機械的強度を必要とするレバー片と高透磁率を必要
とするプランジャとを備えたアーマチュアを高精度に容
易に製作できるアーマチュア及びその製造方法、ドット
プリントヘッドを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のアーマチ
ュアは、マルエージング鋼の溶製材板をプレス加工する
ことにより形成されたレバー片と、パーメンジュール粉
末とバインダとを混練してなる成形材料を用いて作成さ
れ、脱バインダ処理及び焼結処理が施された後に前記レ
バー片に溶接されたプランジャとを備え、前記レバー片
と前記プランジャとの溶接部には窒化層が形成されてい
る。
【0010】したがって、レバー片の機械的強度を高
め、プランジャの透磁率を高めることが可能となる。ま
た、脱バインダ処理後の収縮率の極めて小さいプランジ
ャと、元々バインダを含まない収縮率の極めて小さいレ
バー片とを溶接することにより、両者を正確な対応関係
で結合することが可能となる。さらに、プランジャとレ
バー片との溶接強度を窒化層により高めることが可能と
なる。
【0011】請求項2記載のドットプリントヘッドは、
コイルが装着された複数のコアと、前記コアに対して起
伏可能に支持された複数の請求項1記載のアーマチュア
と、前記コアと前記アーマチュアとにより閉磁路を形成
するヨークと、前記アーマチュアの起伏動作に連動して
プラテンに衝突する複数のワイヤとを備える。
【0012】したがって、個々のアーマチュアと個々の
コアとの関係を一定にすることが可能であるため、印字
ドットの濃淡差が防止される。
【0013】請求項3記載のアーマチュアの製造方法
は、マルエージング鋼の溶製材板をプレス加工すること
によりレバー片を作成するプレス工程と、パーメンジュ
ール粉末とバインダとを混練してなる材料を用い、求め
るプランジャの寸法形状に対して脱バインダ処理による
収縮率を見込んだ寸法形状のプランジャ原型を作成する
プランジャ原型作成工程と、前記プランジャ原型に脱バ
インダ処理を施した後に前記パーメンジュール粉末を焼
結する焼結処理を施すことにより前記プランジャを作成
するプランジャ作成工程と、前記レバー片と前記プラン
ジャとを溶接する溶接工程と、前記レバー片と前記プラ
ンジャとの材料に含まれる金属結晶を加熱によりなじま
せる溶態化処理工程と、前記レバー片と前記プラテンジ
ャとの表面に窒化処理を施す窒化処理工程とよりなる。
【0014】したがって、レバー片の機械的強度を高
め、プランジャの透磁率を高めることが可能となる。ま
た、脱バインダ処理後の収縮率の極めて小さいプランジ
ャと、元々バインダを含まない収縮率の極めて小さいレ
バー片とを溶接することにより、両者を正確な対応関係
で結合することが可能となる。さらに、プランジャとレ
バー片との金属結晶を溶態化処理によりなじませること
で両者の結合強度をさらに高め、かつ、両者の溶接強度
を窒化処理によりさらに高めることができる。
【0015】請求項4記載のアーマチュアの製造方法
は、請求項3記載の発明において、前記溶態化処理工程
の処理温度が、約820℃に定められている。
【0016】したがって、溶態化処理の温度はパーメン
ジュールの磁気焼鈍温度に近いため、溶態化処理を、プ
ランジャの材料の性能を維持するための磁気焼鈍処理と
合わせて行なうことが可能となる。
【0017】請求項5記載のアーマチュアの製造方法
は、請求項3記載の発明において、前記窒化処理工程の
処理温度が、約480℃ないし570℃に定められてい
る。
【0018】したがって、窒化処理工程の温度はマルエ
ージング鋼の時効硬化処理温度に近いため、窒化処理
を、レバー片の材料の性能を維持するための時効硬化処
理と合わせて行なうことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。まず、図1を参照してドットプリント
ヘッドPHの構造について説明する。図中、1はハウジ
ングである。このハウジング1には、複数のワイヤ2の
先端及び中間を摺動自在に支持するワイヤガイド3,4
が設けられている。また、ハウジング1の中間部にはフ
ランジ5が形成され、ハウジング1の後端部にはボス6
が形成され、このボス6の基部側の周囲にはワイヤ2の
後端部を摺動自在に支持する複数のガイド孔7が形成さ
れている。ハウジング1のフランジ5には、コネクタ8
を介して外部回路に接続される配線基板9と、それぞれ
磁性体により形成されたヨーク10及び天板11と、フ
ィルム12とが積層されている。
【0020】ヨーク10には複数のコア13が一体に形
成され、これらのコア13にはコイル14を保持する絶
縁性のボビンケース15が装着されている。各コア13
に対向する複数のアーマチュア16は円柱状のプランジ
ャ17とレバー片18とを有し、プランジャ17は天板
11及びフィルム12の一部を貫通してコア13に対向
配置されている。各アーマチュア16はボス6の中心軸
に対して放射状に配列され、その一端がゴム等の弾性部
材によって形成された環状の支点押え19によりフィル
ム12の一面に押えられている。各ワイヤ2はスプリン
グ20により後方に付勢されてフイルム12を介してア
ーマチュア16のレバー片18の自由端側を押圧する。
アーマチュア16の自由端側の背面に当接されてアーマ
チュア16の復帰位置を定める環状のストッパ21はリ
アカバー22に支持されている。そして、花弁型の板ば
ね23の中心がねじ24とナット25とによりハウジン
グ1のボス6に固定されている。これにより、配線基板
9、ヨーク10、支点押え19、リアカバー22が、ハ
ウジング1のフランジ5と板ばね23との間で挾持され
ている。
【0021】なお、ボビンケース15にはアーマチュア
16のレバー片18を案内するガイドピン26が形成さ
れ、天板11の外周部にはガイドピン26を逃がすため
の複数の切欠27が形成されている。これらの切欠27
の縁(エッジ)はアーマチュア16を支える支点部とし
て機能する。
【0022】次に、動作について説明する。非駆動時
は、アーマチュア16はスプリング20の付勢力により
退避状態に維持されるワイヤ2に押されてコア13から
離反する状態に維持される。この離反位置はストッパ2
1により定められる。そして、特定のコイル14に電流
を流すと、コア13、プランジャ17、天板11、ヨー
ク10、コア13を磁束が通るため、アーマチュア16
はガイドピン26により案内されながら切欠27の縁を
支点としてコア13に吸引される。これにより、ワイヤ
2がスプリング20を圧縮方向に撓ませながらプラテン
(図示せず)方向に移動し、その先端がプラテン上の用
紙にインクリボンを介して衝突する。これにより、印字
がなされる。コイル14への通電は瞬時で直ぐに通電が
遮断されるため、ワイヤ2はプラテンからの反力とスプ
リング20の付勢力とにより後方に復帰し、アーマチュ
ア16のレバー片18をコア13から離反させる。
【0023】ここで、本発明のアーマチュア16の構成
について説明する。アーマチュア16は、前述のように
プランジャ17とレバー片18とよりなる。コア13に
吸引されるプランジャ17は、コア13及び天板11と
の間で磁束を通すので透磁率の高いパーメンジュール
(Fe−Co−V合金)の粉末とシリコン樹脂等のバイ
ンダとを混練してなる成形材料を用いて作成され、脱バ
インダ処理後に焼結されることによって作成されてい
る。
【0024】ワイヤ2をプラテンに衝突させるレバー片
18は機械的強度を必要とするため、マルエージング鋼
(Ni−Ti−Al合金)の溶製材板をプレス加工する
ことにより形成されている。
【0025】図2に示すように、レバー片18には、ボ
ビンケース15のガイドピン26(図1参照)を突出さ
せるガイド孔28と、プランジャ17の真上に位置する
テーパー状の結合孔29とが形成され、プランジャ17
の端面の中心には突起30が形成されている。そして、
この突起30をレバー片18の結合孔29に嵌合し、結
合孔29と突起30との間を溶接することによりプラン
ジャ17とレバー片18とが一体に結合されている。3
1は溶接部である。この溶接の後にアーマチュア16の
表面には窒化層(図示せず)が形成されている。したがっ
て、レバー片18の機械的強度を高め、プランジャ17
の透磁率を高めることができる。
【0026】次に、前述のアーマチュア16の製造方法
について説明する。本実施の形態におけるアーマチュア
16の製造方法は、プレス工程A、プランジャ原型作成
工程B、プランジャ作成工程C、無電解メッキ処理工程
D、溶接工程E、溶態化処理工程F、窒化処理工程Gよ
りなる。この場合、工程B,C,Dは、工程Aの前或い
は後に行なっても平行して行なってもよい。ただし、工
程B,C,Dについては図4に示す順序で行なう。
【0027】プレス工程Aでは、前述のように、マルエ
ージング鋼(Ni−Ti−Al合金)の溶製材板をプレ
ス加工することにより、図2に示すレバー片18を作成
する。なお、結合孔29のテーパー部分は二次加工によ
って形成してもよい。
【0028】プランジャ原型作成工程Bでは、パーメン
ジュール(Fe−Co−V合金)の粉末とシリコン樹脂
等のバインダとを混練してなる成形材料を用いてプラン
ジャ原型(図示せず)を作成する。具体的には、パーメン
ジュールの粉末とシリコン樹脂等のバインダとを混練し
てなる材料を押し出し成形により成形した丸棒を準備
し、この丸棒を切削加工してプランジャ原型を作成す
る。この場合の切削は脱バインダ処理前であるため困難
は伴わない。もちろん、パーメンジュールの粉末とシリ
コン樹脂等のバインダとを混練してなる材料を用いて射
出成形によりプランジャ原型を作成してもよい。ただ
し、何れの方法を採用しても、求めるプランジャ17の
寸法形状に対して脱バインダ処理による収縮率を見込ん
だ寸法形状のプランジャ原型を作成する。
【0029】プランジャ作成工程Cでは、脱バインダ処
理によりバインダを除去し、残ったパーメンジュール粉
末を真空或いは不活性ガスの雰囲気中で焼結する。この
場合、プランジャ原型が脱バインダ処理により収縮する
が、その収縮率を見込んで作成したプランジャ原型を脱
バインダするため、寸法形状の性格なプランジャ17を
得ることができる。
【0030】無電解メッキ工程Dでは、プランジャ17
に無電解メッキ(カニボロンNi−P−B)を施す。た
だし、この工程Dは必要不可欠なものではない。
【0031】溶接工程Eでは、プランジャ17の突起3
0をレバー片18の結合孔29に嵌合し、結合孔29と
突起30との間を溶接することによりプランジャ17と
レバー片18とを一体に結合する。溶接はこの例では真
空アーク溶接である。
【0032】溶態化処理工程Fでは、レバー片18とプ
ランジャ17との材料に含まれる金属結晶を加熱により
なじませる溶態化処理を行なう。この例では、レバー片
18とプランジャ17とを約820℃の温度で約1時間
加熱し、その後空冷する。
【0033】窒化処理工程Gでは、レバー片18とプラ
テンジャ17とを溶接してなるアーマチュア16に対し
て、約480℃の温度で約3時間窒化処理を施す。な
お、窒化処理を施す温度は、約480℃ないし570℃
の任意の温度であればよい。
【0034】このような工程を経て製造されたアーマチ
ュア16は、ワイヤ2をプラテンに衝突させるレバー片
18の機械的強度を高めることができる。因みに、硬度
はHv500、耐力200kg/mm2 、抗張力205
kg/mm2 を得ることができた。プランジャ17は高
透磁率を維持する。また、脱バインダ処理後の収縮率の
極めて小さいプランジャ17と、元々バインダを含まな
い収縮率の極めて小さいレバー片18とを溶接すること
により、両者を正確な対応関係で結合することができ
る。さらに、プランジャ17とレバー片18との金属結
晶を溶態化処理によりなじませることで両者の結合強度
をさらに高めることができる。かつ、両者の溶接部31
の強度を、窒化処理によって形成された窒化層によりさ
らに高めることが可能となる。
【0035】さらに、溶態化処理工程Fの処理温度を約
820℃に定めたが、この温度はパーメンジュールの磁
気焼鈍温度に近いため、プランジャ17の材料の性能を
維持するための磁気焼鈍処理と合わせて行なうことがで
きる。これにより、別の工程で磁気焼鈍処理を行なう必
要はない。
【0036】さらに、窒化処理工程Gの温度条件を約4
80℃ないし570℃に定めたが、この温度はマルエー
ジング鋼の時効硬化処理温度に近いため、レバー片18
の材料の性能を維持するための時効硬化処理と合わせて
行なうことができる。これにより、別の工程で時効硬化
処理を行なう必要がない。
【0037】上記のように、溶態化処理が磁気焼鈍処理
を兼ね、窒化処理が時効硬化処理を兼ねるのは、特性の
似ているマルエージングとパーメンジュールとの組み合
わせによる利点である。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載のアーマチュアは、マルエ
ージング鋼の溶製材板をプレス加工することにより形成
されたレバー片と、パーメンジュール粉末とバインダと
を混練してなる成形材料を用いて作成され、脱バインダ
処理及び焼結処理が施された後にレバー片に溶接された
プランジャとを備えているので、レバー片の機械的強度
を高め、プランジャの透磁率を高めることができる。ま
た、脱バインダ処理後の収縮率の極めて小さいプランジ
ャと、元々バインダを含まない収縮率の極めて小さいレ
バー片とを溶接することにより、両者を正確な対応関係
で結合することができる。さらに、プランジャとレバー
片とを溶接した後に窒化処理を施したので、両者の溶接
部の強度を窒化層により高めることができる。
【0039】請求項2記載のドットプリントヘッドは、
請求項1記載のアーマチュアを備えているので、個々の
アーマチュアと個々のコアとの関係を一定にすることが
できる。これにより、印字ドットの濃淡差の発生を防止
することができる。
【0040】請求項3記載のアーマチュアの製造方法
は、マルエージング鋼の溶製材板をプレス加工すること
によりレバー片を作成し、パーメンジュール粉末とバイ
ンダとを混練してなる成形材料を用い、求めるプランジ
ャの寸法形状に対して脱バインダ処理による収縮率を見
込んだ寸法形状のプランジャ原型を作成し、プランジャ
原型に脱バインダ処理を施した後にパーメンジュール粉
末を焼結してプランジャを作成した後に、レバー片とプ
ランジャとを溶接し、レバー片とプランジャとの材料に
含まれる金属結晶を溶態化処理によりなじませ、レバー
片とプラテンジャとの表面に窒化処理を施すようにした
ので、レバー片の機械的強度を高め、プランジャの透磁
率を高めることができる。また、脱バインダ処理後の収
縮率の極めて小さいプランジャと、元々バインダを含ま
ない収縮率の極めて小さいレバー片とを溶接することに
より、両者を正確な対応関係で結合することができる。
さらに、プランジャとレバー片との金属結晶を溶態化処
理によりなじませることで両者の結合強度をさらに高
め、かつ、両者の溶接強度を窒化処理によりさらに高め
ることができる。
【0041】請求項4記載のアーマチュアの製造方法
は、溶態化処理工程の温度条件が、パーメンジュールの
磁気焼鈍温度に近い約820℃に定められているので、
溶態化処理を、プランジャの材料の性能を維持するため
の磁気焼鈍処理と合わせて行なうことができる。したが
って、別の工程で磁気焼鈍処理を行なう必要がない。
【0042】請求項5記載のアーマチュアの製造方法
は、窒化処理工程の温度条件が、マルエージング鋼の時
効硬化処理温度に近い約480℃ないし570℃に定め
られているので、窒化処理を、レバー片の材料の性能を
維持するための時効硬化処理と合わせて行なうことがで
きる。したがって、別の工程で時効硬化処理を行なう必
要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるドットプリント
ヘッドの縦断側面図である。
【図2】アーマチュアの分解斜視図である。
【図3】アーマチュアの縦断側面図である。
【図4】アーマチュアの製造工程図である。
【符号の説明】
2 ワイヤ 13 コア 14 コイル 16 アーマチュア 17 プランジャ 18 レバー片 31 溶接部 A プレス工程 B プランジャ原型作成工程 C プランジャ作成工程 E 溶接工程 F 溶態化処理工程 G 窒化処理工程

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルエージング鋼の溶製材板をプレス加
    工することにより形成されたレバー片と、 パーメンジュール粉末とバインダとを混練してなる成形
    材料を用いて作成され、脱バインダ処理及び焼結処理が
    施された後に前記レバー片に溶接されたプランジャと、 を備え、少なくとも前記レバー片と前記プランジャとの
    溶接部には窒化層が形成されていることを特徴とするア
    ーマチュア。
  2. 【請求項2】 コイルが装着された複数のコアと、 前記コアに対して起伏可能に支持された複数の請求項1
    記載のアーマチュアと、 前記コアと前記アーマチュアとにより閉磁路を形成する
    ヨークと、 前記アーマチュアの起伏動作に連動してプラテンに衝突
    する複数のワイヤと、を備えるドットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 マルエージング鋼の溶製材板をプレス加
    工することによりレバー片を作成するプレス工程と、 パーメンジュール粉末とバインダとを混練してなる材料
    を用い、求めるプランジャの寸法形状に対して脱バイン
    ダ処理による収縮率を見込んだ寸法形状のプランジャ原
    型を作成するプランジャ原型作成工程と、 前記プランジャ原型に脱バインダ処理を施した後に前記
    パーメンジュール粉末を焼結する焼結処理を施すことに
    より前記プランジャを作成するプランジャ作成工程と、 前記レバー片と前記プランジャとを溶接する溶接工程
    と、 前記レバー片と前記プランジャとの材料に含まれる金属
    結晶を加熱によりなじませる溶態化処理工程と、 前記レバー片と前記プラテンジャとの表面に窒化処理を
    施す窒化処理工程と、よりなるアーマチュアの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記溶態化処理工程の処理温度が、約8
    20℃に定められている請求項3記載のアーマチュアの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記窒化処理工程の処理温度が、約48
    0℃ないし570℃に定められている請求項3記載のア
    ーマチュア製造方法。
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Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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