JP2000280400A - 塗料組成物および潤滑処理金属板 - Google Patents

塗料組成物および潤滑処理金属板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ脱膜性、塗膜乾燥性、耐ブロッキング
性、防錆性、塗料安定性、プレス加工性を改善した塗料
組成物およびこれを用いた潤滑処理金属板の提供。 【解決手段】アクリル系樹脂および中和剤を含有する塗
料組成物であって、該アクリル系樹脂が、メタクリル酸
と炭素数2以上のアルコールからなるメタクリル酸エス
テルと、スチレンと、カルボキシル基を有する単量体の
共重合体(a)、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸お
よびそれらのモノアルキルエステルから選ばれる1種以
上とスチレンとの共重合体(b)およびエーテル結合を
有する重合性化合物の重合体(c)を含有する組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料組成物および
その塗料組成物を表面に塗布して形成された塗膜を有す
る潤滑処理金属板に関し、詳しくは、主として合金化溶
融亜鉛めっき鋼板、熱延鋼板、冷延鋼板、めっき鋼板、
ステンレス鋼板、アルミニウム板に塗布した場合に、ア
ルカリ脱膜性、化成処理性、防錆性、さらに塗膜乾燥
性、耐ブロッキング性を維持しつつ、耐パウダリング
性、耐型かじり性を含むプレス成形性を改善し得る塗料
組成物およびこれを各種金属板に塗布した潤滑処理金属
板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高度な防錆性が要求される自
動車構造材や部品には亜鉛系めっき鋼板(電気系めっき
鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板)が使用されてい
た。近年は、電気系亜鉛めっき鋼板を採用している部品
の代替として、コストダウンの観点から合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の使用が増大しつつある。しかし従来より合
金化溶融亜鉛めっき鋼板は電気系めっき鋼板と比較する
と動摩擦係数が大きく、プレス成形性が劣るため、前記
用途へ合金化溶融亜鉛めっき鋼板を使用する場合には次
のような問題があった。
【0003】すなわち、プレス成形可能な範囲が狭くな
る。金型と鋼板の摺動部にめっき層の剥離、つまりパウ
ダリングが発生する。さらにひどい場合には型かじりが
発生してしまい、金型が汚染損傷するために金型補修頻
度が増加し、同時に成形品の品質が低下する。したがっ
て、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を使用するには、耐パウ
ダリング性、耐型かじり性を含むプレス成形性の改善が
必要となる。また、熱延鋼板、冷延鋼板、電気亜鉛めっ
き鋼板、電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板についても、潤
滑特性(動摩擦係数)を向上させることにより、さらに
プレス成形性を向上させることが検討されている。しか
し、これを防錆油やプレス油の使用により達成すること
は困難である。
【0004】一方、アルミニウム板についても、近年の
自動車車体軽量化の流れの中で、需要の拡大が見込まれ
ているが、現在のところアルミニウム板は本質的に伸び
が小さいため、適用部位は限られている。さらに、ステ
ンレス鋼板は、バスタブや洗濯機の洗濯槽のように深絞
り成形を施され使用されることが多い。現状では成形前
に塩化ビニルフィルムを鋼板のダイス面側へ貼付し、金
型との接触による型かじりを防止しているが、プレス成
形後に塩化ビニルフィルムを成形品から剥離する工程が
必要なことや、剥離したフィルムの処分方法次第では環
境汚染を引き起こすことが問題である。そのため各金属
板のプレス成形性を改善するために、有機樹脂被覆を施
し金属板の潤滑性を向上させることが提案されている。
【0005】これらの有機樹脂被覆金属板は、需要家に
おいてプレス成形後、前記有機樹脂塗膜をアルカリ洗浄
により除去し、すなわちアルカリ脱膜し、その後リン酸
処理等により、化成処理皮膜を形成し、その後電着塗装
やスプレー塗装等により塗装される。このような表面処
理工程を経て、外装塗膜と金属板との密着性が確保され
る。さらに需要家が前記有機樹脂被覆金属板を使用する
までの保管期間中の発錆も問題となる。また近年、コス
トダウン重視の観点から、前記有機樹脂塗膜は、低温・
短時間の焼付けで形成されることが望まれ、塗膜乾燥性
が要求されるようになった。前記有機樹脂被覆金属板は
塗膜形成直後に帯状もしくは板状にして塗膜面同士が接
触し、大荷重がかかる状態で保存されることが多いが、
この場合、使用時に、引き剥がしができなくなることを
避けなければならない。つまり、耐ブロッキング性も求
められる。
【0006】以上の特性を満足させるために、従来から
鋼板表面にアルカリ脱膜型の有機樹脂組成物等の塗膜を
形成する提案は数多く、例えば特公昭53−37817
号公報、特開昭62−84193号公報、特開平3−2
03996号公報、特開平5−194984号公報等が
ある。特開平5−194984号公報においては、特定
のスチレン−マレイン酸系共重合体を、アルキル基また
はアルケニケル基を有する水酸基含有化合物でエステル
化して得られるエステル化物を2種類含有する有機樹脂
被覆剤組成物を塗布することで、前記問題を解決しよう
としている。しかし、この共重合体は低分子量であるた
め、塗膜の破断強度が小さく、プレス成形性が劣る。特
に金型温度が上昇した場合に、著しくプレス成形性が低
下する問題点を有する。
【0007】また特公昭53−37817号公報、特開
昭62−84193号公報、特開平3−203996号
公報には、有機樹脂の特定によりプレス成形性を向上さ
せ、有機樹脂中のカルボキシル基の存在により、さらに
はこの酸価を規定することにより、アルカリ脱膜性を確
保する技術が提案されている。例えば特公昭53−37
817号公報に記載される有機樹脂は、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸メチル、スチレンおよびカルボキシ
ル基含有単量体からなる水溶性共重合体で、重量平均分
子量が1.5万〜5万、ガラス転移点Tgが60〜90
℃のものである。しかし、これらの技術におけるアルカ
リ洗浄後の化成処理皮膜の結晶形成が不十分であり、プ
レス成形性、特に温間でのプレス成形性に問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術の問
題点を整理すると下記のようになり、これらの問題点を
解決することが、本発明の課題である。 <プレス成形性(耐パウダリング性・耐かじり性)>需
要家における数百〜数千回に及ぶ連続プレス時や著しい
深絞り成形時には、摩擦熱や変形抵抗が原因で、金型温
度が少なくとも40℃、場合によっては100℃まで上
昇すると言われている。この温度上昇を緩和するため
に、オイルを金型にかけながらプレス成形することが一
般に行われているが、プレス回数の増加に従い、オイル
による冷却効果が低下し金型温度が上昇する。その結
果、前記従来技術では有機樹脂塗膜が軟化し、潤滑性能
が低下してプレス割れやパウダリング、型かじりが発生
するという問題があった。
【0009】<アルカリ脱膜性(アルカリ脱膜性・化成
処理性)>需要家において、プレス成形後、アルカリ洗
浄処理し、化成処理を施し、化成処理皮膜結晶を形成さ
せ、その後の電着塗装や静電塗装等による外装塗料の塗
膜と金属板との密着性を確保する必要がある。化成処理
皮膜を形成するには、前記有機樹脂塗膜を除去しなけれ
ばならず、化成処理前のアルカリ洗浄による有機樹脂塗
膜の除去(アルカリ脱膜)が重要である。
【0010】特に亜鉛めっき鋼板においては、めっき層
の亜鉛と有機樹脂中に含まれるカルボキシル基とのイオ
ン結合によりアルカリ脱膜性が著しく低下し、有機樹脂
塗膜の完全除去が難しい。そのためアルカリ洗浄後の水
濡れ性が十分であっても、化成処理皮膜結晶の形状の問
題や付着量不足が発生する。前記従来の技術にはこのよ
うな問題が共通して存在した。
【0011】<防錆性>アルカリ脱膜性確保のために、
前記の従来技術の通りカルボシキル基を有機樹脂塗膜中
に残存させると、前記塗膜が大気中の水分を吸湿し、金
属板を出荷してから需要家が使用するまでに発錆すると
いう問題があった。
【0012】本発明は、金属板表面に有機樹脂塗膜(潤
滑処理塗膜)を有する金属板に残されていた問題点、す
なわち、アルカリ脱膜性、化成処理性、プレス成形性
(耐パウダリング性、耐型かじり性)、防錆性さらには
塗膜乾燥性、耐ブロッキング性を著しく改善し得る塗料
組成物とこれを金属板表面に塗布して形成される有機樹
脂塗膜を有する潤滑処理金属板を併せて提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的は、下記の手段
により容易に解決される。すなわち、本発明は、アクリ
ル系樹脂および中和剤を含有する塗料組成物において、
該アクリル系樹脂が、メタクリル酸と炭素数2以上のア
ルコールとからなるメタクリル酸エステル、スチレンお
よびカルボキシル基を有する単量体との共重合体
(a)、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびこれ
らのモノアルキルエステルの少なくとも1種以上とスチ
レンとからなる共重合体(b)およびエーテル結合を有
する重合性化合物の重合体(c)を含有することを特徴
とする塗料組成物である。
【0014】また本発明は、アクリル系樹脂および中和
剤を含有する塗料組成物において、該アクリル系樹脂
が、メタクリル酸と炭素数2以上のアルコールとからな
るメタクリル酸エステル、スチレン、エーテル結合を有
する重合性化合物、およびカルボキシル基を有する単量
体との共重合体(d)、および、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸およびこれらのモノアルキルエステルか
ら選ばれる1種以上とスチレンとの共重合体(b)を含
有することを特徴とする塗料組成物である。
【0015】また本発明は、アクリル系樹脂および中和
剤を含有する塗料組成物において、該アクリル系樹脂
が、メタクリル酸と炭素数2以上のアルコールとからな
るメタクリル酸エステル、スチレン、カルボキシル基を
有する単量体、および、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸およびこれらのモノアルキルエステルから選ばれる
1種以上との共重合体(e)、および、エーテル結合を
有する重合性化合物の重合体(c)を含有することを特
徴とする塗料組成物である。
【0016】また本発明は、アクリル系樹脂および中和
剤を含有する塗料組成物において、該アクリル系樹脂
が、メタクリル酸と炭素数2以上のアルコールとからな
るメタクリル酸エステル、スチレン、およびカルボキシ
ル基を有する単量体との共重合体(a)、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸およびこれらのモノアルキルエス
テルから選ばれる1種以上、スチレン、および、エーテ
ル結合を有する重合性化合物との共重合体(f)を含有
することを特徴とする塗料組成物である。
【0017】また本発明は、アクリル系樹脂および中和
剤を含有する塗料組成物において、該アクリル系樹脂
が、メタクリル酸と炭素数2以上のアルコールとからな
るメタクリル酸エステル、スチレン、エーテル結合を有
する重合性化合物、カルボキシル基を有する単量体、お
よび、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびこれら
のモノアルキルエステルから選ばれる1種以上との共重
合体(g)を含有することを特徴とする塗料組成物であ
る。
【0018】さらに本発明は、前記のいずれかの塗料組
成物を表面に塗布して形成された塗膜を有することを特
徴とする潤滑処理金属板である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塗料組成物および
潤滑処理金属板について詳細に説明する。本発明は、ア
クリル系樹脂および中和剤を含有する塗料組成物である
が、改善すべき金属板のプレス成形性(耐パウダリング
性、耐型かじり性)、防錆性および耐ブロッキング性に
ついては、アクリル系樹脂のベースに、メタクリル酸エ
ステルとスチレンを導入した共重合体とし、性能を高め
ることに重点をおいて検討した。
【0020】一方アルカリ脱膜性、化成処理性と塗膜乾
燥性の改善については、アクリル系樹脂として、カルボ
キシル基を有する単量体、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸およびこれらのアルキルエステルから選ばれる1
種以上、またはエーテル結合を有する重合性化合物を、
共重合体を構成する成分として導入または含有させるこ
とに重点を置いて検討した。また本発明の塗料組成物
は、本発明のアクリル系樹脂を中和させるためのアンモ
ニア、アミン類などの塩基である中和剤を含有する。し
たがって、本発明の塗料組成物は、後述するように界面
活性剤を使用する必要がない。また本発明の塗料組成物
は通常塗料に添加される添加剤、防錆剤、潤滑剤、着色
剤等の1種以上を含有してもよい。
【0021】水溶性共重合体(a) 本発明者らは、プレス成形性の観点からアクリル系樹脂
について検討した結果、メタクリル酸エステルとスチレ
ンとカルボキシル基を有する単量体との共重合体は、有
機樹脂塗膜の破断エネルギーを高レベルに維持すること
が可能で、プレス成形性の改善に有効であることを知得
した。またメタクリル酸とエステル化させるアルコール
を炭素数2以上のアルコールに限定すると、防錆性の確
保に有効であることを知得した。炭素数1のメチル基の
場合、極端に防錆性が低下する。これは、メチル基によ
りエステル基の分極が高まり、その結果、水との相互作
用が高まるためであると推定される。炭素数2以上のア
ルコールとしては、脂肪族1価アルコールが実用的であ
り、本発明のメタクリル酸エステルとしては、メタクリ
ル酸エチル(略称EMA:Tg65℃)、メタクリル酸
イソプロピル(略称iso−PMA:Tg81℃)、メ
タクリル酸−n−ブチル(略称n−BMA:Tg20
℃)、メタクリル酸イソブチル(略称iso−BMA:
Tg67℃)等が挙げられる。
【0022】またアクリル酸エステルは、通常ガラス転
移点Tgが0℃未満であり、プレス成形性が劣る傾向に
ある。本発明ではメタクリル酸エステルが不可欠であ
り、Tgが0℃以上であるメタクリル酸エステルは、プ
レス成形性に優れるので好ましい。一般に、需要家によ
る実プレス成形は、連続でしかも高速であるため、摩擦
熱や金属板の変形抵抗による熱で、金属板または金型の
温度は100℃に達する例もある。したがって、Tgが
0℃未満のメタクリル酸エステルを成分とする共重合体
を含有する場合、この軟質成分が熱により、金属板から
離脱、または溶融し、塗膜全体の潤滑性能を低下させる
ことになる。メタクリル酸エステルのTgは、好ましく
は10℃〜90℃の範囲である。
【0023】共重合体(a)の第二共重合成分であるス
チレンは耐湿性が高く、ガラス転移点Tgが高いため、
防錆性、プレス成形性を両立させるために必須である。
前記したメタクリル酸エステルとスチレンとの共重合比
は、重量比で10:90〜90:10とするのが好まし
い。この両者の合計量においてメタクリル酸エステルの
比率が10重量%未満であると、スチレンの含有割合が
増すため、プレス成形性および防錆性は向上するが、後
記する所定の酸価にした場合もアルカリ脱膜性が低下
し、さらに塗料の貯蔵安定性が低下する傾向にある。逆
に90重量%を超えた場合は、塗膜の破断強度が低下
し、プレス成形性が低下すると同時に、塗膜の疎水性が
低下するため防錆性が低下する。メタクリル酸エステ
ル:スチレンのより好ましい重量比は30:70〜8
5:15であり、さらに好ましいのは50:50〜8
0:20である。
【0024】共重合体(a)の第三共重合成分はカルボ
キシル基を有する単量体であり、例えばアクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル
基を1個または2個有するエチレン性不飽和カルボン酸
が挙げられる。これにより、共重合体はカルボキシル基
を分子中に有することになり、例えばアンモニア、アミ
ンなどの塩基で中和することにより水溶化が可能とな
る。その結果、共重合体(a)は、塗料の重要な性能の
一つであるアルカリ脱膜性を具有することになる。
【0025】共重合体(a)を、中和前の酸価が20〜
300mg−KOH/gになるように調整することが好
ましい。酸価が20mg−KOH/g未満の場合、アル
カリ洗浄液による当該塗膜のアルカリ脱膜性が極端に低
下する。また、共重合体(a)自身の水溶性が低く、水
溶化による塗料化が困難となる。一方、酸価が300m
g−KOH/gを超えた場合は、塗膜の防錆性が極端に
低下し、スチレンやその他添加される防錆剤の効果が発
現されない。より好ましい酸価は25〜250mg−K
OH/g、さらには、100〜230mg−KOH/g
である。前記の好ましい酸価を確保するためには、例え
ばメタクリル酸の場合、メタクリル酸とスチレンとメタ
クリル酸エステルとの共重合体(a)100重量部に対
しメタクリル酸を4〜50重量部にするとよい。
【0026】また共重合体(a)の好ましい分子量は、
重量平均分子量で1万〜6万である。この範囲であると
塗膜の潤滑性能が効果的に発現し、プレス成形性には好
ましい。さらに共重合体(a)においては、カルボキシ
ル基をアンモニア、アミンなどの塩基である中和剤によ
り水溶化する。したがってエマルション化等に使用され
る界面活性剤を使用する必要はない。そのため界面活性
剤が乾燥後の塗膜に残存し、塗膜の防錆性およびプレス
成形性を低下させる問題がない。加えて、界面活性剤を
含むエマルション塗料の本質として、乾燥焼付温度を
(Tg+20℃)以上とする必要があり、より高温での
乾燥によってのみ成膜が可能になる。これは、界面活性
剤を含む場合は塗膜乾燥性が劣ることを意味するが、共
重合体(a)の場合は、この問題も回避される。
【0027】共重合体(a)は水性溶剤中における公知
の溶液重合によって得ることができる。例えば窒素雰囲
気下で、80〜140℃に調整した水性溶剤(例えばブ
チルセロソルブ)中に、メタクリル酸エステルとスチレ
ンを、メタクリル酸エステル:スチレンの重量比を好ま
しくは10:90〜90:10に調整して加え、さらに
カルボキシル基を有する単量体を、好ましくは酸価が2
0〜300mg−KOH/gになるように重合開始剤と
ともに4〜5時間かけて滴下しながら共重合させ、さら
に同温度で2〜8時間加熱攪拌を行い共重合を完結さ
せ、所定の共重合体(a)を得る。その後、溶液を55
〜60℃に冷却し、アンモニア、アミンなどの塩基で中
和し、水溶化する。
【0028】好ましい中和剤 前記の塗料組成物の適用対象である金属板が合金化溶融
亜鉛めっき鋼板である場合は、前記の通り、めっき層の
亜鉛と塗料組成物のカルボキシル基との相互作用により
アルカリ脱膜性が低下する傾向にある。塗料組成物に
は、金属板の防錆性、プレス成形性の向上の観点から、
有機樹脂塗膜の破断強度の向上が求められ、そのため
に、共重合体(a)のTg、分子量を増大させると、有
機樹脂塗膜のアルカリ脱膜性が低下する。これに対して
はさらに中和剤の特定、共重合体(b)、さらには、エ
ーテル結合を有する重合性化合物の重合体(c)の添加
により改善することができる。
【0029】また需要家におけるアルカリ洗浄が、共重
合体(a)のTgより低温で行なわれ、かつ比較的短時
間の場合、中和剤により中和されていないカルボキシル
基をいくら増加させても、アルカリ脱膜性が不良とな
る。したがって、有機樹脂被覆後も、カルボキシル基を
中和させたままの状態で保持できれば、アルカリ脱膜性
が改善できる。このため、有機樹脂塗膜中のカルボキシ
ル基の一部を有機樹脂被覆時に蒸散しにくい塩基、すな
わち沸点の高いアミンまたは水酸化物で中和させること
により、有機樹脂塗膜中に親水性物質を導入させること
ができるので、好ましい。これらの中和剤の使用によ
り、アルカリ洗浄の際に、有機樹脂塗膜内部へのアルカ
リの浸透を助け、低温、短時間でのアルカリ脱膜が可能
になる。
【0030】中和剤としてのアミンの沸点が30℃未満
であると、有機樹脂塗膜の常温乾燥においてもアミンが
揮発し、アルカリ脱膜性が劣化する。より好ましいのは
沸点100℃以上のアミン、さらに好ましいのは160
℃以上のアミンである。沸点30℃以上のアミン類とし
ては、イソプロピルアミン(沸点32℃)、ジエチルア
ミン(沸点56℃)、N,Nージメチルエタノールアミ
ン(沸点130℃)、モノエタノールアミン(沸点17
0℃)、トリイソプロパノールアミン(沸点305
℃)、トリエタノールアミン(沸点360℃)等が挙げ
られるが、アルカノールアミン、アルキルアミンが特に
好ましい。水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムが挙げられる。
【0031】中和剤の添加量は共重合体(a)の樹脂固
形分に含まれる酸1当量に対して、アンモニアが0.6
〜4.0当量および沸点30℃以上のアミンまたは水酸
化物が0.05〜0.5当量であるのが好ましい。沸点
30℃以上のアミンまたは水酸化物の添加量が0.05
当量未満であると、短時間でのアルカリ洗浄下における
アルカリ脱膜性を確保することが困難であり、逆に0.
5当量を越えると、塗膜の破断強度が低下し、プレス成
形性が低下して、生産性が落ちる。さらに耐ブロッキン
グ性も低下する。沸点30℃以上のアミンまたは水酸化
物のさらに好ましい添加量は0.1〜0.4当量であ
る。またアンモニアの添加量が0.6当量未満である
と、中和による水溶化が困難となり、逆に4.0当量を
越えると、塗膜の破断強度が劣化し、潤滑性が損なわれ
る傾向になる。
【0032】共重合体(b) 本発明においてはアクリル系樹脂として、共重合体
(a)に加えて、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸お
よびこれらのモノアルキルエステルの少なくとも1種以
上(以後マレイン酸等と略記することがある)とスチレ
ンとの共重合体(b)を含有させる。モノアルキルエス
テルは、炭素数1〜4のアルコールに基づくのが好まし
い。これにより、高度のアルカリ脱膜性が達成される。
これは、共重合体(b)のカルボキシル基が、中和剤と
して含有される塩基の残留サイトとして機能するためで
ある。スチレンとマレイン酸等とのモル比は、75:2
5〜1:99であることが好ましい。スチレンが1モル
%未満では有機樹脂塗膜の破断強度が低下するため、プ
レス成形性、特に金型温度上昇時のプレス成形性(耐パ
ウダリング性)が劣化する。一方スチレンが75モル%
を超えると、カルボキシル基が著しく減少し、アルカリ
脱膜性が劣化する。より好ましい共重合体(b)は、ス
チレンとマレイン酸等とのモル比が75:25〜20:
80の場合である。
【0033】また共重合体(b)は、アルカリ脱膜性を
良好に確保するために、マレイン酸等のカルボキシル基
を1分子中に少なくとも1個有するように調整すること
が好ましい。そのために、溶液重合等により共重合体
(b)を製造する際に、マレイン酸等のモル当量に対し
て、それと同モル当量未満のアルコールでエステル化さ
せる。また分子量は重量平均分子量として500〜10
000であるのが好ましい。分子量が500未満の場
合、有機樹脂塗膜の破断強度が著しく低下し、プレス成
形性に悪影響を及ぼし、一方、10000を越えると、
アルカリ脱膜性の改善効果が期待できなくなるからであ
る。より好ましい共重合体(b)は、カルボキシル基が
1分子中に平均1〜7個残留し、重量平均分子量が50
0〜1000の場合である。
【0034】共重合体(b)は水溶性溶剤中における公
知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、気相重合により得
ることができる。溶液重合の場合は、公知の方法、すな
わち、80〜140℃に加熱したブチルセロソルブ等の
水溶性溶剤中に、窒素雰囲気下、重合開始剤を用いて、
スチレンとマレイン酸類を4〜5時間かけて重合させた
後、同温度で2〜3時間加熱攪拌して製造する方法が例
示される。気相重合の場合は、100〜300℃に加熱
した耐高圧反応容器内に、重合成分を気相で導入し、重
合触媒の存在下または不存在下で重合させ、比較的低分
子量の共重合体を製造する方法が例示される。
【0035】共重合体(b)はアンモニアによって中和
し、水溶化することが好ましい。アンモニアの添加量は
共重合体(b)の樹脂固形分中の酸1当量に対して0.
6〜4当量の範囲が望ましい。アンモニアの添加量が
0.6当量未満であると塗料安定性が低下するし、4当
量を超えると、有機樹脂塗膜の破断強度が低下し、プレ
ス成形性が低下する。アンモニアの添加量は0.8〜
2.5当量であるとより好ましい。
【0036】エーテル結合を有する重合性化合物の重合
体(c) 本発明においては共重合体(a)および(b)の他に、
エーテル結合を有する重合性化合物の重合体(c)を含
有させ、さらに高度のアルカリ脱膜性を付与する。共重
合体(a)および(b)は、塗膜の焼付けやその後の放
置により、中和が壊れ、カルボキシル基が増加する傾向
があり、それに伴いアルカリ脱膜性が低下する。エーテ
ル結合を有する重合性化合物の重合体(c)は、共重合
体(a)および(b)と異なり、中和、未中和に係わら
ず、水溶性を確保できるので、中和された共重合体
(a)および(b)が、カルボキシル化することに起因
するアルカリ脱膜性の低下を防止できる。エーテル結合
を有する重合性化合物の重合体(c)は、共重合体
(a)および(b)と混合され、組成物を形成する。
【0037】エーテル結合を有する重合性化合物の重合
体(c)は、共重合体(a)および(b)の場合と異な
り、塩基により中和されていなくとも、水との相溶性が
よいので、重合体(c)を含む塗料組成物はアルカリ脱
膜性に有効である。エーテル結合を有する重合性化合物
は、下記の構造式を有する不飽和カルボン酸エステルが
代表的であり、エチレン性不飽和カルボン酸のポリアル
キレン(炭素原子数2〜3)グリコールモノアルキル
(炭素原子数1〜3)エーテルのエステルであることが
好ましい。
【0038】
【化1】
【0039】エチレン性不飽和カルボン酸としては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、フマール酸等が例示できる。これに、アルキレン
(炭素原子数2以上)オキサイドを1〜20モル付加
し、さらに、末端をアルキル(炭素原子数1〜3)エー
テルとしたものである。ポリアルキレングリコールの重
合度(m)は1〜20が好ましい。重合度が20を超え
ると、防錆性が劣化する。
【0040】エーテル結合を有する重合性化合物の重合
体(c)は、共重合体(a)および(b)と共存し、組
成物を構成することにより、相応の効果を発揮する。ま
たエーテル結合を有する重合性化合物の重合体(c)に
おいて、前記ポリアルキレングリコールエーテルのエス
テルの末端基は、水酸基であるのが一般的であるが、塗
料組成物を長期保存した時に、組成物の成分同士が脱水
反応を起こし、三次元化し、ゲル化することがある。こ
れに対しては、末端の水酸基をアルコ−ル(メチルアル
コール、エチルアルコールなどのアルキルアルコール)
でエーテル化、または脂環族カルボン酸でエステル化す
ることにより、長期保存時の塗料安定性を確保すること
ができる。
【0041】共重合体(a)、共重合体(b)およびエ
ーテル結合を有する重合性化合物の重合体(c)は、そ
れぞれ3者の固形樹脂分の合計量を100重量%とした
時、共重合体(a)は90〜40重量%、好ましくは8
5〜50重量%の割合で、共重合体(b)は5〜40重
量%、好ましくは10〜35重量%の割合で、エーテル
結合を有する重合性化合物の重合体(c)は5〜20重
量%、好ましくは5〜15重量%の割合で使用される。
共重合体(a)が90重量%を超えた場合はアルカリ脱
膜性が低下し、40重量%未満では防錆性が低下する傾
向がある。また共重合体(b)が5重量%未満の場合
は、アルカリ脱膜性が低下し、40重量%を超えた場合
は、防錆性が低下する傾向がある。さらに、エーテル結
合を有する重合性化合物の重合体(c)が5重量%未満
の場合は、十分なアルカリ脱膜性が得られず、20重量
%を越えた場合は、防錆性が低下する傾向がある。
【0042】本発明の塗料組成物は、例えば下記のよう
に調整される。共重合体(a)、共重合体(b)および
エーテル結合を有する重合性化合物の重合体(c)を、
所定量の水に分散し、60〜70℃に加温し、所定量の
アンモニアを添加して中和する。さらに、共重合体
(a)1当量に対し0.25当量に相当する、例えばト
リエタノールアミンを添加し、中和する。必要ならばさ
らに、固形潤滑剤、ワックス、ラウリン酸等の脂肪酸ま
たはリン酸や金属セッケンに加え、後記する沈降防止剤
としてのリン系有機物を添加する。
【0043】本発明においては、共重合体(a)、共重
合体(b)およびエーテル結合を有する重合性化合物の
重合体(c)が単に混合され、組成物を構成していれば
十分であるが、前記の組成比を維持し、共重合体(a)
を構成する成分と、エーテル結合を有する重合性化合物
を共重合させ、一体化した共重合体(d)を得、これを
共重合体(a)、エーテル結合を有する重合性化合物の
重合体(c)に替えて使用することができる。また、共
重合体(a)を構成する成分と、共重合体(b)を構成
する成分を共重合させ、一体化した共重合体(e)を
得、これを共重合体(a)、共重合体(b)に替えて使
用することができる。
【0044】またエーテル結合を有する重合性化合物
を、共重合体(b)を構成する成分、あるいは共重合体
(a)および共重合体(b)を構成する成分と共重合さ
せて、それぞれ一体化した共重合体(f)または共重合
体(g)を得、これらをそれぞれ、共重合体(b)、エ
ーテル結合を有する重合性化合物の重合体(c)に替え
て,あるいは、共重合体(a)、共重合体(b)および
エーテル結合を有する重合性化合物の重合体(c)に替
えて使用することができる。エーテル結合を有する重合
性化合物を共重合させることにより、塗料組成物中の低
分子量成分が減少し、プレス成形性が一段と向上する。
【0045】ここで、共重合体(b)は、これを構成す
る成分を、他の共重合体または重合体を構成する成分と
共重合し、一体化させるよりも、混合させる方がより高
度なアルカリ脱膜性を達成することができる。したがっ
て、共重合体(a)、共重合体(b)、重合体(c)を
構成する成分より得られる共重合体または混合物に、共
重合体(b)をさらに混合させることによって、アルカ
リ脱膜性がさらに向上する。
【0046】共重合体(a)を構成する成分とエーテル
結合を有する重合性化合物との共重合体、すなわちメタ
クリル酸と炭素原子数2以上のアルコールとからなるメ
タクリル酸エステル、スチレン、カルボキシル基を有す
る単量体、エーテル結合を有する重合性化合物との共重
合体(d)と、共重合体(b)の混合物からなる塗料組
成物は、例えば下記の方法で製造される。
【0047】溶液重合の場合は、80〜140℃に調整
した水溶性溶剤(ブチルセロソルブなど)に、窒素雰囲
気下において、例えばスチレン23部、メタクリル酸ブ
チル24部、メタクリル酸23部、および、メタクリル
酸のポリエチレングリコールモノメチルエーテルエステ
ル10部を加え、予備混合した後、重合開始剤とともに
4〜5時間かけて滴下しながら共重合させ、さらに共重
合体(b)(例えばスチレン10部とマレイン酸メチル
ハーフエステル10部の重合で得る)20部を加え、2
〜8時間加熱攪拌して製造される。
【0048】得られた塗料組成物を、クロロホルムで抽
出し、孔径0.45μmのフィルタ−で濾過し、GPC
で測定した。スペクトルは、ピ−ク数が2個あり、これ
が2種の混合物であることが確認された。この場合の共
重合体(a)を構成する成分:共重合体(b)を構成す
る成分:重合体(c)を構成する成分の割合は70:2
0:10である。その後、塗料組成物を55〜60℃に
冷却し、共重合体に含まれる酸1当量に対し、アンモニ
ア0.5〜4当量または、さらに高沸点アミンまたは水
酸化物0.1〜0.5当量を加え、中和・水溶化を行な
った。
【0049】本発明の塗料組成物が、共重合体(a)、
共重合体(b)およびエーテル結合を有する重合性化合
物の重合体(c)の混合物からなるときは、酸価は中和
前の共重合体(a)および(b)のそれぞれの酸価に、
それらの組成比を乗じて得られる酸価の和である。また
本発明の塗料組成物が、共重合体(a)を構成する成分
と、エーテル結合を有する重合性化合物を共重合させ、
一体化した共重合体(d)と共重合体(b)の混合物か
らなるときは、酸価は中和前の共重合体(d)および共
重合体(b)のそれぞれの酸価に、それらの組成比を乗
じて得られる酸価の和である。
【0050】また本発明の塗料組成物が、共重合体
(a)を構成する成分と、共重合体(b)を構成する成
分とを共重合させ、一体化した共重合体(e)とエーテ
ル結合を有する重合性化合物の重合体(c)の混合物か
らなるときは、酸価は中和前の共重合体(e)の酸価で
ある。さらに本発明の塗料組成物が、共重合体(b)を
構成する成分と、エーテル結合を有する重合性化合物を
共重合させ、一体化した共重合体(f)と共重合体
(a)の混合物からなるときは、酸価は中和前の共重合
体(f)および共重合体(a)のそれぞれの酸価に、そ
れらの組成比を乗じて得られる酸価の和である。さらに
また、本発明の塗料組成物が、共重合体(a)を構成す
る成分と、共重合体(b)を構成する成分とエーテル結
合を有する重合性化合物を共重合させ、一体化した共重
合体(g)であるときは、酸価は中和前の共重合体
(g)の酸価である。
【0051】塗料組成物の酸価は、20〜300mg−
KOH/gとなるように調整されることが好ましい。さ
らに好ましくは、25〜250mg−KOH/g、より
好ましくは100〜230mg−KOH/gである。例
えば共重合体(g)の酸価が20mg−KOH/g未満
の場合は、アルカリ脱膜性が極端に低下する。また共重
合体(g)自身の水溶化による塗料化が困難になる。逆
に共重合体(g)の酸価が300mg−KOH/gを超
える場合は、防錆性が極端に低下し、スチレンや添加さ
れるその他の防錆剤の効果が発現されない。
【0052】塗料組成物の重量平均分子量は10,00
0〜70,000であるのが好ましく、10,000〜
50,000であるのがより好ましい。10,000未
満ではプレス成形性が劣化し、70,000を超えると
塗料組成物の粘度が上昇し、塗装が困難になる傾向があ
る。また塗料組成物のガラス転移点Tgは、0℃以上で
あるのが好ましい。0℃未満であると、プレス成形時の
発熱により、塗料組成物を、金属板表面に塗布して形成
された塗膜が、金属板から離脱または溶融し、塗膜の潤
滑性能を低下させるからである。好ましいTgは30〜
100℃である。
【0053】好ましい添加剤 前記アクリル系樹脂にさらに防錆性、プレス成形性を向
上させる等の目的のために、潤滑剤、防錆剤、着色剤等
が配合されるのが好ましい。好ましい防錆剤としては、
ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸
等の高級脂肪酸のカルシウム、バリウム等のアルカリ土
類金属との塩である金属セッケン、およびリン酸やモリ
ブデン酸の亜鉛、カルシウムもしくはアンモニウム塩で
ある。防錆剤の好ましい添加量は、塗料組成物の全樹脂
固形分に対して3〜30重量%、好ましくは5〜20重
量%である。この範囲であると塗料の安定性を極端に損
なわずに、防錆性に優れる。
【0054】塗料組成物には、さらに潤滑剤として、固
形潤滑剤やワックスを配合してもよく、固形潤滑剤とし
ては、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、タル
ク、フッ素含有樹脂、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、メ
ラミン、イソシアヌル酸付加物などが挙げられる。ワッ
クスは、ポリエチレンワックス、石油パラフィンワック
ス、動植物油脂、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂
肪酸と高級アルコールのエステル、高級脂肪酸アマイ
ド、高級脂肪酸のアミン塩などが挙げられ、潤滑剤皮膜
を固化させておくために融点が45℃以上のものを用い
るのが好ましい。融点を上げるには、水素添加により二
重結合をなくす方法がある。潤滑剤の好ましい添加量
は、塗料組成物の全樹脂固形分に対して3〜50重量
%、好ましくは5〜30重量%である。この範囲である
とアルカリ脱膜性を損わず、プレス成形性に優れ、塗料
の安定性を極端に損わずに、防錆性にも優れる。
【0055】特に添加剤として金属セッケンやリン酸お
よびモリブデン酸の亜鉛、カルシウムまたはアンモニウ
ム塩を使用する場合は、これらの比重が溶媒より大き
く、沈降しやすくなる。したがって沈降防止剤としても
機能する、下記のアルキルホスホン酸モノアルキルエス
テル(リン系有機物A)およびアルキルホスホン酸ジア
ルキルエステル(リン系有機物B)を配合するのが好ま
しい。例えば、リン系有機物は、塗料組成物の全樹脂固
形分に対して、重量比で好ましくは1:99〜20:8
0、より好ましくは5:95〜15:85となるように
添加される。リン系有機物が1重量%未満であると、沈
降防止効果が発現せず、20重量%を超えると塗膜の凝
集力が低下し、加工時に塗膜剥離、いわゆるパウダリン
グが発生しやすくなる。
【0056】またリン系有機物を混合使用する場合、リ
ン系有機物A(アルキルホスホン酸モノアルキルエステ
ル)とリン系有機物B(アルキルホスホン酸ジアルキル
エステル)の重量比は、10:90〜90:10である
とその効果が顕著である。リン系有機物Aを10重量%
未満とすると著しく塗料安定性が劣化し、90重量%を
超えると水酸基による鋼板表面への吸着量が増加するた
め、アルカリ脱膜性が劣化する。
【0057】
【化2】
【0058】ここでR1 は炭素原子数10〜50の飽和
炭化水素基または不飽和炭化水素基であって、直鎖でも
分岐鎖であってもよく、具体的には炭素原子数40のα
−オレフィンが例示される。R2 は炭素原子数1〜8の
飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基であって、CH
3 、C3 7 、C5 11、C8 17で例示され、好まし
くは炭素原子数5または炭素原子数8のα−オレフィン
である。R2 が2箇所の場合は、同一でも異なってもよ
い。
【0059】塗料組成物には、前記成分以外にも、炭化
水素等の溶剤、着色剤、顔料、染料等を添加してもよ
く、また、油性剤、極圧剤、防錆剤などの通常の塗料組
成物に添加される添加剤を加えることもできる。
【0060】塗料組成物を、熱延鋼板、冷延鋼板、ステ
ンレス鋼板、各種表面処理鋼板およびアルミニウム板な
どの金属板に塗装する場合、付着量は片面当たり、乾燥
重量で0.5〜5g/m2 とすることが好ましい。0.
5g/m2 未満の場合、金属板表面の凹凸を埋めること
ができず、プレス成形性、防錆性に対する本発明の効果
が発現しない。また、5g/m2 を超えた場合、プレス
成形時にパウダリングが発生する。より好ましい範囲
は、0.5〜3g/m2 である。
【0061】塗装は、ロール塗布、スプレー塗布、浸漬
塗布、刷毛塗り塗布等公知の方法で実施できる。乾燥条
件は、温度40℃〜200℃、乾燥時間1〜90秒間程
度である。なお、本発明における金属板は、帯状の金属
板である金属帯を含み、特に限定されるものではない
が、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、
熱延鋼板、冷延鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−
Niめっき鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板が例
示できる。
【0062】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに具体的に説明する。 <試験片作製方法>アルカリ洗浄により脱脂した下記の
7種の金属板A〜Gの表面に、下記の13種のアクリル
系樹脂A〜Mに、下記の7種の中和剤A〜Gおよび下記
の添加剤を添加して調製した、表1に示す塗料組成物
を、乾燥塗膜重量で片面当たり1.5g/m2 になるよ
うに両面に塗布し、10秒後の到達板温が60℃になる
ように熱風乾燥機を用いて乾燥した。その後、さらに両
面に防錆油(16.0cSt/40℃)を0.5〜1.
0g/m2 になるように塗布し試験片とした。
【0063】 金属板: A: 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 B: 熱延鋼板 C: 冷延鋼板 D: ステンレス鋼板 E: アルミニウム板 F: 電気亜鉛めっき鋼板 G: 溶融亜鉛めっき鋼板
【0064】アクリル系樹脂: A:(a),(b),(c)の混合物 共重合体(a):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−メタクリル酸共重合体 共重合体(b):スチレン−イタコン酸共重合体 重合体(c) :メタクリル酸とポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルのエステル化物重合体
【0065】B:(a),(b),(c)の混合物 共重合体(a):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−アクリル酸共重合体 共重合体(b):スチレン−マレイン酸共重合体 重合体(c) :メタクリル酸とポリエチレングリコー
ルエステル化物の重合体
【0066】C:(b),(d)の混合物 共重合体(b):スチレン−マレイン酸メチルハーフエ
ステル共重合体 共重合体(d):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−アクリル酸とポリエチレングリコールモノメチルエー
テルから得られるエステル化物−メタクリル酸共重合体
【0067】D:(b),(d)の混合物 共重合体(b):スチレン−イタコン酸共重合体 共重合体(d):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−アクリル酸とポリエチレングリコールから得られるエ
ステル化物−メタクリル酸共重合体
【0068】E:(b),(d)の混合物 共重合体(b):スチレン−マレイン酸エチルハーフエ
ステル共重合体 共重合体(d):メタクリル酸エチル−スチレン−アク
リル酸とポリエチレングリコールモノプロピルエーテル
から得られるエステル化物−アクリル酸共重合体
【0069】F:(b),(d)の混合物 共重合体(b):スチレン−イタコン酸共重合体 共重合体(d):メタクリル酸イソプロピル−スチレン
−アクリル酸とポリエチレングリコールから得られるエ
ステル化物−アクリル酸共重合体
【0070】G:(c),(e)の混合物 重合体(c) :メタクリル酸とポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルから得られるエステル化物の重合
体 共重合体(e):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−メタクリル酸−マレイン酸共重合体
【0071】H:(c),(e)の混合物 重合体(c) :メタクリル酸とポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルから得られるエステル化物重合体 共重合体(e):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−アクリル酸−マレイン酸共重合体
【0072】I:(c),(e)の混合物 重合体(c) :メタクリル酸とポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルから得られるエステル化物の重合
体 共重合体(e):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−メタクリル−イタコン酸共重合体
【0073】J:(a),(f)の混合物 共重合体(a):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−アクリル酸共重合体 共重合体(f):マレイン酸−スチレン−メタクリル酸
とポリエチレングリコールモノメチルエ−テルから得ら
れるエステル化物の共重合体
【0074】K:(g)単独 共重合体(g):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−メタクリル酸とポリエチレングリコールモノメチルエ
ーテルから得られるエステル化物−メタクリル酸−マレ
イン酸共重合体
【0075】L:(g)単独 共重合体(g):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−メタクリル酸とポリエチレングリコールから得られる
エステル化物−アクリル酸−マレイン酸共重合体
【0076】M:(g),(b)の混合物 共重合体(g):メタクリル酸−n−ブチル−スチレン
−メタクリル酸とポリエチレングリコールモノメチルエ
ーテルから得られるエステル化物−メタクリル酸−マレ
イン酸共重合体 共重合体(b):スチレン−マレイン酸共重合体
【0077】添加剤(塗料組成物の全樹脂固形分に対す
る重量%) ステアリン酸カルシウム 5% リン酸亜鉛 5% ポリエチレンワックス 10% リン系有機物A:式中のR1 は炭素数40のα−オレフ
ィン リン系有機物B:式中のR2 は炭素数5のα−オレフィ
【0078】中和剤 A:アンモニア(沸点−33℃) B:イソプロピルアミン(沸点32℃) C:ジエチルアミン(沸点56℃) D:N,N−ジメチルエタノールアミン(沸点130
℃) E:モノエタノールアミン(沸点170℃) F:トリイソプロパノールアミン(沸点305℃) G:トリエタノールアミン(沸点360℃)
【0079】かくして得られた試験片について、プレス
成形性、防錆性、アルカリ脱膜性、化成処理性、耐ブロ
ッキング性、塗膜乾燥性、塗料安定性を調査した。その
結果を表2に示す。なお、試験片の各特性の評価は次の
通りに行った。 <評価方法> (1)プレス成形性 常温プレス成形性(限界しわ押さえ荷重、耐かじり
性、耐パウダリング性) エリクセンカップ絞り試験機を用いて、下記のプレス条
件で、かつ金型温度を常温(25℃)に保ち、円筒深絞
り成形を行い、試験片を得た。 ポンチ径 33mmφ(円筒、ビ−ド付き円筒) 絞りダイス肩曲率 2mmR ブランク径 円筒68mmφ、ビ−ド付き円筒 68mmφ 限界しわ押さえ荷重 破断せずに成形可能な最大t数で評価
【0080】(耐型かじり性評価基準)前記試験片の側
壁部を観察し、型かじりの有無を4段階評価した。 ◎=型かじりなし 〇=型かじり若干あり △=型かじりやや多め ×=型かじり多い
【0081】(耐パウダリング性評価基準)前記試験片
の側壁部を観察し、パウダリングの有無を4段階評価し
た。 ◎=パウダリング発生なし 〇=パウダリング発生若干あり △=パウダリング発生やや多め ×=パウダリング発生多い
【0082】温間プレス成形性(限界しわ押さえ荷
重、耐かじり性、耐パウダリング性) エリクセンカップ絞り試験機を用いて、下記のプレス条
件で、かつ金型温度を80℃に保ち、円筒深絞り成形を
行い、試験片を得た。 ポンチ径 33mmφ(円筒) 絞りダイス肩曲率 2mmR ブランク径 円筒68mmφ 絞り速度 60mm/sec 限界しわ押さえ荷重 破断せずに成形可能な最大t数で評価
【0083】(耐かじり性評価基準) 前記試験片の側壁部を観察し、型かじりの有無を4段階
評価した。 ◎=型かじりなし 〇=型かじり若干あり △=型かじりやや多め ×=型かじり多い
【0084】(耐パウダリング性評価基準)前記試験片
の側壁部を観察し、パウダリングの有無を4段階評価し
た。 ◎=パウダリング発生なし 〇=パウダリング発生若干あり △=パウダリング発生やや多め ×=パウダリング発生多い
【0085】(2)防錆性 試験片にさらに、防錆油(ノンラストR Z5:出光興産
(株)製)を2g/m 2 塗油し、JIS Z2371に
準じて、濃度3重量%の食塩水を噴霧し、17時間後の
白錆発生状況(冷延鋼板と熱延鋼板については赤錆)を
面積率として評価した。
【0086】(3)アルカリ脱膜性 試験片に、濃度3重量%、液温40℃に調整したアルカ
リ洗浄液(脱脂液:ファインクリーナー4460:日本
パーカライジング(株)製)を、噴霧圧1kg/cm2
で10秒間噴霧して脱脂し、脱脂後の試験片を水中に浸
漬し、引き上げた後の水濡れ面積を目視観察し、下記の
基準でアルカリ脱膜性を3段階評価した。 〇=水濡れ部位:金属板表面積の100% △=水濡れ部位:金属板表面積の95%以上 ×=水濡れ部位:金属板表面積の95%未満
【0087】(4)化成処理性 試験片に、濃度3重量%、液温40℃に調整したアルカ
リ洗浄液(脱脂液:ファインクリ−ナ−4460:日本
パーカライジング(株)製)を、噴霧圧1kg/cm2
で30秒間噴霧して脱脂し、その後43℃に調整した化
成処理液(PB−L3020M:日本パーカライジング
(株)製)に120秒間浸漬して化成処理を実施し、走
査型電子顕微鏡(1000倍)にて化成処理皮膜の結晶
形態を観察した。本発明の塗料組成物以外の塗料組成物
を塗装した各金属板を同一条件で化成処理した化成処理
皮膜との比較を行った。 〇=未塗装鋼板の化成処理皮膜となんら変わらない良好
な化成処理皮膜 △=未塗装鋼板の化成処理皮膜と比較して若干の結晶微
小化・粗大化が発生した化成処理皮膜 ×=化成処理皮膜はほとんど生成していない
【0088】(5)耐ブロッキング性 塗膜面同士を内側にして重ね合せた2枚の試験片を30
0kg・cmのトルクで締め付けた状態で、60℃の恒
温槽に6時間放置した。その後、重ねた試験片を引き剥
がし、引き剥がした時の粘着状況により、耐ブロッキン
グ性を4段階評価した。 ◎=粘着なし 〇=若干粘着あり △=粘着あり ×=粘着大
【0089】(6)塗膜乾燥性 本発明の塗料組成物を塗装・焼き付け直後の塗膜を指触
によりべとつきを確認すると同時に、塗装・焼き付け直
後の塗膜面同士を内側にして重ね合せた2枚の試験片を
300kg・cmのトルクで締め付けた状態で、室温で
6時間放置した。その後、トルクを解放した時の剥離状
況および外観変化を4段階評価した。 ◎=べた付きなし・重ねた試験片のトルク解放時に自重
にて剥離、外観変化なし ○=べた付きなし・重ねた試験片のトルク解放時に自重
にて剥離、外観変化あり △=若干べた付きあり・重ねた試験片のトルク解放時に
自重にて剥離しない ×=べた付きあり・重ねた試験片のトルク解放時に自重
にて剥離しない
【0090】(7)塗料安定性 50℃のオ−ブン中に200mlメスシリンダーに入れ
た本発明の塗料組成物を1ヶ月間放置し、放置後の塗料
分離状況を目視観察するとともに、粘度を測定し、放置
前の粘度と比較して、4段階評価した。塗料組成物中の
固形分は20重量%とした。 ◎=塗料組成物の分離なく、かつ粘度変化なし ○=塗料組成物の分離ないが、粘度上昇傾向あり △=若干の沈降物もしくは浮遊物あり、かつ粘度上昇あ
り ×=沈降物もしくは浮遊物が著しく発生かつ粘度上昇あ
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】
【表8】
【0099】
【表9】
【0100】
【表10】
【0101】
【表11】
【0102】
【表12】
【0103】
【発明の効果】本発明の塗料組成物および本発明の塗料
を表面に塗布することにより形成された塗膜を有する潤
滑処理金属板は、アルカリ脱膜性、化成処理性、防錆
性、塗膜乾燥性、耐ブロッキング性、塗料安定性に優
れ、耐型かじり性、耐パウダリング性を含むプレス成形
性が格段に改善される。本発明により、従来問題となっ
ていた難成形プレス成形が可能となり、自動車部品等の
材料として好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾形 浩行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 海野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4F100 AB01A AB03 AB04 AB10 AK09 AK09J AK12 AK12B AK12J AK24B AK25 AK25B AK25J AK54B AL01 AL01B AL05B BA02 CA30B CC00B GB32 JB02 JK16 JL00 JL01 4J038 CC021 CC022 CC061 CC062 CG062 CG122 CG141 CG142 CH031 CH142 CJ031 CJ131 GA06 MA14 NA03 NA23 PB06 PC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系樹脂および中和剤を含有する塗
    料組成物において、該アクリル系樹脂が、メタクリル酸
    と炭素数2以上のアルコールとからなるメタクリル酸エ
    ステル、スチレンおよびカルボキシル基を有する単量体
    との共重合体(a)、マレイン酸、フマル酸、イタコン
    酸およびこれらのモノアルキルエステルから選ばれる1
    種以上とスチレンとの共重合体(b)、および、エーテ
    ル結合を有する重合性化合物の重合体(c)を含有する
    ことを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】アクリル系樹脂および中和剤を含有する塗
    料組成物において、該アクリル系樹脂が、メタクリル酸
    と炭素数2以上のアルコールとからなるメタクリル酸エ
    ステル、スチレン、エーテル結合を有する重合性化合
    物、およびカルボキシル基を有する単量体との共重合体
    (d)、および、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸お
    よびこれらのモノアルキルエステルから選ばれる1種以
    上とスチレンとの共重合体(b)を含有することを特徴
    とする塗料組成物。
  3. 【請求項3】アクリル系樹脂および中和剤を含有する塗
    料組成物において、該アクリル系樹脂が、メタクリル酸
    と炭素数2以上のアルコールとからなるメタクリル酸エ
    ステル、スチレン、カルボキシル基を有する単量体、お
    よび、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびこれら
    のモノアルキルエステルから選ばれる1種以上との共重
    合体(e)、および、エーテル結合を有する重合性化合
    物の重合体(c)を含有することを特徴とする塗料組成
    物。
  4. 【請求項4】アクリル系樹脂および中和剤を含有する塗
    料組成物において、該アクリル系樹脂が、メタクリル酸
    と炭素数2以上のアルコールとからなるメタクリル酸エ
    ステル、スチレン、およびカルボキシル基を有する単量
    体との共重合体(a)、マレイン酸、フマル酸、イタコ
    ン酸およびこれらのモノアルキルエステルから選ばれる
    1種以上、スチレン、および、エーテル結合を有する重
    合性化合物との共重合体(f)を含有することを特徴と
    する塗料組成物。
  5. 【請求項5】アクリル系樹脂および中和剤を含有する塗
    料組成物において、該アクリル系樹脂が、メタクリル酸
    と炭素数2以上のアルコールとからなるメタクリル酸エ
    ステル、スチレン、エーテル結合を有する重合性化合
    物、カルボキシル基を有する単量体、および、マレイン
    酸、フマル酸、イタコン酸およびこれらのモノアルキル
    エステルから選ばれる1種以上との共重合体(g)を含
    有することを特徴とする塗料組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の塗
    料組成物を表面に塗布して形成された塗膜を有すること
    を特徴とする潤滑処理金属板。
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