JP2000279433A - 平らなインプラント、その製法および外科手術におけるその使用 - Google Patents

平らなインプラント、その製法および外科手術におけるその使用

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JP2000279433A JP2000076028A JP2000076028A JP2000279433A JP 2000279433 A JP2000279433 A JP 2000279433A JP 2000076028 A JP2000076028 A JP 2000076028A JP 2000076028 A JP2000076028 A JP 2000076028A JP 2000279433 A JP2000279433 A JP 2000279433A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ヘルニア手術において、腹壁に面する組織化側
に体細胞をよく固定化することができ、腹腔に面する実
質的に閉鎖した側では臓器及び体部分との不都合な癜痕
形成を阻止することができる平らなインプラントの提
供。 【解決手段】フレキシブルな編織生地、特に多孔性織物
支持体を含んでなる外科手術に使用するための平らなイ
ンプラントは、一つの側4に実質的に閉鎖した表面を有
し、他の側3に細胞の内増殖を可能とする三次元構造を
有する。上記インプラントは手術に起因する腹壁損傷等
の体腔内壁損傷の治療に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、平らな(フラットな)インプラ
ント、その製造方法および外科手術におけるその使用
(用途)に関するものである。
【0002】ヘルニアはよくある疾患である。それは一
般に、臓器の全体または一部が、天然の体腔から先天性
または後天性間隙を通って出ることを含む。外ヘルニア
(この場合ヘルニア嚢は常に腹膜によって包囲されてい
る)のなかで、最もよく発生する形は鼠蹊−、臍−およ
び切開ヘルニアである。ヘルニア発生の原因は特に、過
度の圧力、老人性アトニー、腹壁の先天性脆弱または体
切開後の不適切な瘢痕形成(切開ヘルニア)と関連した
筋または結合組織の脆弱である。
【0003】大部分の場合は手術による効果的治療が可
能であり、その際ヘルニア内容物はヘルニア嚢から腹部
に戻され、ヘルニア開口は閉鎖される。このヘルニア開
口の閉鎖は縫合で行われるのが普通である。
【0004】しかしこの外科的処置は、20%もの症例
にその後ヘルニアが起きる、いわゆるヘルニア再発とい
う欠点を有する。
【0005】従来のヘルニア手術後のこの不満足な再発
率のために、近代的ヘルニア手術では、腹壁の再構成の
ために人工的強化材料がよく使用されるようになった。
ポリプロピレンおよびポリエステルネットも重要な役割
を演ずる。
【0006】このようなネットの使用は再発率を明らか
に顕著に減少させたとはいえ、このようなインプラント
は、感染またはフィステル形成の可能性があるため、特
に軟組織付着のリスクのために、問題がないと言えな
い。
【0007】これまでに知られているインプラント類は
オープン織物構造からなる。これは細胞の付着を助け、
細胞の増殖も助ける。このような構造が好都合なのは、
インプラントと腹壁との間に堅固な結合が形成され、所
望の支持機能を確かなものにするからである。しかし、
この場合硬化効果を有する除去困難な瘢痕が腹腔内に形
成され、腸および内臓に対する有害作用が発生し、それ
に付随して一部の患者には不満が起きるかもしれない。
【0008】含浸剤でシールした平らな織物インプラン
トも知られている。しかしこの場合腹壁に固定する際
に、特に長期間体内に滞留する場合には幾つかの問題が
おきる。
【0009】先行技術のインプラントの困難を克服し、
製造が容易でコストが安く、従来の手術法を用いて利用
できる手術用インプラントを手に入れることが重要であ
る。
【0010】この課題は請求項1による平らなインプラ
ント、および請求項18ないし請求項20によるその製
法によって解決する。本発明によるインプラントは腹壁
に面する組織化側に体細胞をよく固定することができ、
腹腔に面する実質的に閉鎖した側では臓器および体部分
との不都合な瘢痕形成を阻止する。
【0011】手術に使用するために、本発明は、平らな
インプラントに、一つの側には実質的に閉鎖した表面を
もち、他の側には細胞を内増殖させる三次元微細構造を
有するフレキシブル織物を提供する。より詳細に述べれ
ば、実質的に閉鎖した表面は微孔質で、その微細孔は非
常に小さく、物質交換は可能であるが細胞の内増殖は実
質上阻止される。
【0012】この実質上閉鎖した表面が滑らかであるの
が好ましい。上記実質的に閉鎖した表面は、フレキシブ
ル織物に結合した表面層、特に上記織物のコーティング
によって形成されてもよい。
【0013】本発明により、三次元微細構造は細胞の内
増殖のためのバックエンゲージブル点をもつことができ
る。上記フレキシブル織物は多孔性、フレキシブル構造
物質、特にフレキシブル支持体によって形成され、上記
三次元微細構造は構造材料の露出表面構造によって形成
されるのが好ましい。多孔性、フレキシブル構造材料の
例としては連続気泡構造フォームまたは格子構造があ
る。
【0014】上記インプラントは少なくとも1種類の合
成ポリマー材料によって形成するのが都合がよい。好適
には本発明によるインプラントの織物はポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンおよび
/またはポリエステルおよびポリテトラフルオロエチレ
ンから形成される。本発明により特に好ましいとされる
ものは、平らなポリエステルおよびポリテトラフルオロ
エチレンインプラントである。吸収性または部分的吸収
性が望まれる際には、ポリラクチド類、ポリグリコリド
類およびこれらのコポリマー類等の吸収性材料の使用も
可能である。
【0015】本発明の実施態様において、フレキシブル
構造材料は織編生地、特に多孔性織物支持体である。好
適には、少なくとも三次元微細構造を有する側のフレキ
シブルな織物支持体は、血管インプラントと関連して知
られているオープン織物構造を有し、それはより詳細に
は、米国特許第4047252号、米国特許第3878
565号、ドイツ特許第2461370号および米国特
許第4517687号から公知のようなフィラメント加
工糸、フロートステッチおよび/またはベロアループに
よって形成される。
【0016】その他の繊維およびヤーン等から作られる
収縮可能繊維およびヤーンを一般的方法を用いて加工し
て編織物を得ることができる。その後、収縮処理の結
果、収縮性繊維は収縮する。その結果、これらから作ら
れた編織物の場合は構造の圧縮が起きる。計画的に収縮
性繊維および非収縮性繊維を組み合わせて使用する結
果、予定通り上記織物構造に改質することができる。
【0017】本発明によると、上記織物は紡織法、特に
ニッティング、製織または編組によって製造できる。こ
のような方法は熟練者には公知であり、ここに詳細に説
明する必要はない。これは公知の保証つきの方法によ
り、一般的機械および道具を用いて簡単に安価に製造す
ることができる。
【0018】上記フレキシブルな編織物、特に織物支持
体は、少なくとも三次元構造側に細胞の固定に役立つ露
出繊維またはスレッドを有する織布、または特にニット
織物であるのが好ましい。
【0019】合成モノフィラメント類、マルチフィラメ
ントスレッド、またはマルチフィラメントヤーン等の紡
織繊維材料を用いることができる。本発明により、上記
織物は少なくとも一部は、滑らかにもでき組織化もでき
るマルチフィラメントヤーンから形成できるのが好まし
い。本発明の実施態様において、ヤーンは単一繊維材料
タイプから形成できる。もう一つの実施態様において、
ヤーンは数種の繊維材料から形成できる。これらのヤー
ンは少なくとも一部は高度に収縮性の繊維材料から形成
できる。これらは非吸収性および吸収性繊維材料の混合
物でもよい。
【0020】本発明によるインプラントは特に、一面が
組織化された表面で形成されることを特徴とする。好適
一実施態様によると、上記組織化表面はベロア状であ
る。本発明の特に好適な実施態様において、上記織物は
ベロアとして、特に単ベロアとして構成される。その後
の特に好適な実施態様の展開によると、上記織物は二重
ベロアとして構成できる。特に上記二重ベロアは上記織
物の両側に異なるパイル高さで構築できる。
【0021】本発明の好適実施態様において、フレキシ
ブル織物、特に織物支持体はベロア、特に二重ベロアで
あり、インプラントの組織化側に、インプラントの実質
的に閉鎖した側に比べてより大きいパイル高さを有する
二重ベロアであるのが好ましい。
【0022】本発明により、平らなインプラントは、組
織化表面に対置する側が滑らかな面として構成されるこ
とを特徴とする。この場合、滑らかとは、その表面が、
細胞集団を固定させる構造をもたない(すなわち上記織
物構造の結果として)ことを意味する。滑らかとはま
た、使用織編生地の繊維がその表面から突出しないこと
も意味する。
【0023】本発明によると、上記インプラントは二つ
以上の異なる層の複合構造の形であるのが好ましい。一
実施態様において、実質的に閉鎖した表面は合成材料で
コーティングすることによって形成できる。本発明によ
ると、上記コーティングは噴霧コーティングとして構成
されるのが好ましい。
【0024】一実施態様において、コーティングは噴霧
コーティング、特にポリマーの噴霧ウェブ、好適には非
水性液体および特に好適には揮発性媒質に溶解または分
散するポリマーの噴霧コーティングである。この方法
で、微孔質噴霧ウェブを形成することができる。その際
まず最初に溶解した噴霧粒子が互いに、そして織物の表
面に結合する。実質的に閉鎖した表面層はポリウレタ
ン、特に非架橋ポリウレタンであるのが好都合である。
もしも吸収性または部分的吸収性が所望ならば、ポリウ
レタンまたはポリウレタン混合物の代わりに、ポリラク
チド類およびそれらのコポリマー類もクロロホルムから
噴霧することができる。
【0025】また別の実施態様において、ポリマーフィ
ルムの適用によって実質的に閉鎖した表面を形成でき
る。このようなポリマーフィルムは微孔質フィルムとし
て好都合に形成できる。本発明によるインプラントを改
質するためのポリマーフィルムの適切な材料は、外科的
インプラントとして意図的に使用するために適した生体
適合性材料であり、好適にはポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリテトラフルオロエチレンおよび/またはポリ
ウレタンである。本発明による編織物の表面を改質する
ための合成材料層の適用は例えばカレンダーコーティン
グまたは粘着などの方法によって行われる。
【0026】本発明のもう一つの実施態様において、イ
ンプラントは、実質的に閉鎖した表面と並置する側にあ
る三次元ウェブの繊維材料によって形成され、上記微細
構造を有する側にはオープン構造が形成されている。
【0027】実質的に閉鎖した表面は完全に緻密になり
得る。もしも、所望により、それが微孔質であることが
望まれる場合、織物の多孔度と比較して、それは少なく
とも10の累乗だけ低い多孔度を特徴とする。より詳細
には、本発明による好適な噴霧コーティングは高い多孔
度を有する。実質的に閉鎖した表面および特に完全なイ
ンプラントは、1.2kPascalの圧力差の場合、
5ないし100ml空気/cm2・min、特に25な
いし75ml空気/cm2・minの空気透過性を有す
るのが好適である。このような微孔質では、分子範囲の
物質の交換が可能である。これはインプラント周辺の代
謝過程を促進し、必須栄養および構造物質の供給並びに
代謝廃棄物および有害物質の排除を助ける。これは好都
合なことに良好な適合性および治癒の成功をもたらす。
しかし実質的に閉鎖した表面の微孔質は、細胞等の大き
い粒子を通過させたり、しっかりと持続的に固定するに
は適さない。
【0028】本発明による実質的に閉鎖した表面は、一
つの側のインプラント表面の組織化の減少に導く。例え
ば編織物製造法に起因する***および凹みは、実質的に
閉鎖した、特に滑らかな表面によって補正される。その
上、編織物から突出する個々の繊維は包囲される。した
がって本発明によるインプラント表面の閉鎖は一種の表
面シーリングと考えられる。
【0029】このようにして、限られた多孔度と小さい
表面構造を有する実質的に閉鎖した表面は細胞の付着に
は不都合である。これらの細胞は、増殖に必要な適切な
固定点を見いださない。これは実質的に閉鎖したインプ
ラント表面の細胞コロニー化を実質的に阻止する。
【0030】本発明によるインプラントはほつれ防止端
または縁を有する。それはほつれを防止するように加工
されるかまたは織られ、特に融合されている。
【0031】インプラントは全厚さが約0.1ないし
1.2mmで、実質的に閉鎖した表面の厚さはその3な
いし15%であるのが好適である。その織物支持体は厚
さ0.05ないし0.4mmを有する織−またはニット
基礎組織を有し、厚さ0.05ないし0.8mmの少な
くとも一側オープン構造を有する。
【0032】本発明によると、インプラントの全コンポ
ーネントは生体適合性で長期間安定である。特に、それ
は全表面において一部吸収性でもよく、特に、実質的に
閉鎖した表面は完全に吸収性材料を含んでなることがで
きる。こうしてからだの生理学的メジウムに移植後、表
面分解はない。インプラントの実質的に閉鎖した表面は
その後その細胞拒絶特性を維持し、それは本発明によっ
てもたらされるように細胞の付着および増殖を阻止す
る。
【0033】本発明によるインプラントはフレキシブル
材料から作られるのが好ましい。好適には実質的に閉鎖
した表面は溶媒溶解性、非架橋ポリマーから形成でき
る。その後の開発により、実質的に閉鎖された表面はゴ
ム状ポリマーで形成できる。好適には本発明により、実
質的に閉鎖した表面は低沸点溶媒中の溶液の形で、特に
編織物の一つの側に適用できる。本発明の特に好適な実
施態様により、平らなインプラントの実質的に閉鎖した
表面は非架橋ポリウレタンから形成できる。
【0034】その後の開発により、インプラントは抗菌
物質、例えば抗生物質などを含むことができる。抗生物
質の投与は特に感染症の予防に役立つ。外科領域におけ
る抗生物質による予防および治療のためにはセファゾリ
ンまたはセファマンドール等のセファロスポリン類、ネ
チルマイシン、オキサシリンまたはメズロシリン等のペ
ニシリン類、テトラサイクリン、メトロニダゾールまた
は、ゲンタマイシンまたはネオマイシン等のアミノグリ
コシド類並びにリファンピシン等が使用される。特別の
要求により熟練者は1種類以上の適切な活性物質を選択
して使用できる。インプラントは成長因子も含むことが
できる。
【0035】本発明は、多孔性の特殊の編織物の片側に
細胞増殖を阻止するための一側性の実質的に閉鎖した表
面を形成することを含んでなる、外科用インプラントの
製法にも関係する。
【0036】また別の実施態様において、本発明は実質
的に閉鎖した表面層を形成し、片側に、これに結合した
三次元微細構造の積重ね構成物を形成することによる外
科用インプラントの製法に関する。
【0037】好適な本発明の方法により、実質的に閉鎖
した表面をコーティング、特に噴霧コーティングによっ
て形成することができる。本発明の方法の好適実施態様
において、ポリウレタンを低沸点有機溶媒溶液から噴霧
することができる。適切な溶媒の例は塩化メチレンおよ
びクロロホルムである。溶媒を蒸発することによってコ
ーティング層が形成される。溶媒蒸発中に、上記表面コ
ーティングに小さい孔が生成し得る。それは本発明によ
るインプラントにとって好都合である。こうして生成し
た微孔質は生理学的メジウム中における物質交換を可能
にする。しかし孔は非常に小さいので、細胞は阻止され
る。
【0038】本発明によると、平らなインプラントの一
つの側のみ、そして織物のその表面のみにおいて、細胞
の内増殖を阻止するために表面が閉鎖される。好都合な
ことに、編織物の三次元に組織化された表面はオープン
で、細胞の増殖に適している。多孔性のまたは組織化表
面は細胞の付着および増殖に適し、細胞のバックエンゲ
ージ内増殖を可能とする。
【0039】手術に使用するために本発明により改質さ
れたインプラントは適切に滅菌することができる。適切
な滅菌法は微生物を不活性化するための従来の物理的ま
たは化学的方法から選択するかまたはこのような方法の
組み合わせでもよい。一つの可能な滅菌法は、イオン化
照射による処理、例えばβ線またはγ線照射0.1ない
し10Mradの範囲、特に0.8ないし2.5Mra
dの範囲の照射を含む。
【0040】本発明は手術におけるインプラントの使
用、特に体腔内の壁損傷、特に腹壁損傷の治療のための
インプラントの使用にも関係する。
【0041】この目的のために、本発明により改質され
たインプラント材料を所望の大きさおよび形に切ること
ができる。本発明による外科用インプラントは適切に包
装され、即使用可能なものを入手し、適した大きさに切
るのが好ましい。
【0042】本発明の平らなインプラントの腹腔への挿
入は、そのインプラントの、細胞の増殖を阻止するよう
に改質されている表面が腹部の内側、すなわち腸に面す
る方に挿入されるように行われる。平らなインプラント
の反対側(ここでは細胞の内増殖が可能である)は腹壁
側に面するように挿入される。
【0043】こうして治癒過程に、腹壁から体細胞がイ
ンプラント表面に付着し、表面構造に侵入し、時間の経
過につれて腹壁と共にインプラントの瘢痕形成をおこし
得る。これは腹壁とインプラントとの間を確実に結合
し、腹壁の安定化のためになり、したがって治療の成功
を保証する。
【0044】インプラント腹部内部側の細胞増殖を阻止
するために実質的に閉鎖した表面は、腹壁側から内増殖
する細胞は透過することはできない。
【0045】本発明のその他の特徴はサブクレイムおよ
び図を参照した下記の好適実施例の説明から集めること
ができる。これら個々の特徴は発明の実施態様において
単一でも組み合わせた形でも実施することができる。し
かし実施例は本発明を説明するためのものであって、こ
れを制限するものではない。
【0046】実施例1 編織物(1)はワープニットウェアとしてマルチフィラ
メントポリエチレンテレフタレートヤーンから単ベロア
の形で構成されフィラメント加工糸のベロアループ
(2)がある。二重ベロア形のニット織物は米国特許第
4047252号および第4193397号のニット織
物と同様な方法で製造することができる。しかし、それ
はそこに記載されているチューブラーワープニットウェ
アーとは異なり、平らである。それは単ベロアとしても
構成できる。ニット織物は多孔性、フレキシブルであ
る。ベロア側(3)にはオープン三次元構造表面があ
り、そこにはベロアループおよび繊維の紡織の結果、体
細胞の内増殖のためバックエンゲージ点(細胞と織物の
目がかみ合うところ)が多数、実質的に均一に表面に分
布している。ヤーンループまたは個々の繊維の間の開口
は、体細胞の大きさに比べて、大きくなっている。これ
は凝集細胞集団の内増殖(プラント内への増殖)を可能
にする。
【0047】ニット織物地にした結果、ニット織物
(1)の対置側(4)はより緻密でむしろ平面である。
その上ニット織物(1)はこの側に非架橋ポリウレタン
の噴霧コーティング(5)を有し、これはニット織物
(1)の表面に露出した繊維に結合し、この表面の織物
構造を閉鎖する。上記噴霧コーティングの厚さは編織物
の全厚さ、すなわち平らなインプラントの全厚さ、約
0.8mm、の約1/10ないし1/20である。
【0048】噴霧コーティングの結果、すなわちクロロ
ホルム中ポリウレタン溶液の噴霧の結果、コーティング
(5)は大体、緻密ウェブに匹敵し得る構造を有し、微
孔質で、ポリウレタンのエラストマー特性のためにフレ
キシブルでもある。適切なポリウレタンは、例えば公知
の飽和ポリエステル類およびポリウレタン類である。シ
ール層(5)の結果としてベロアニットウェアの編織物
(1)は、ベロアループ(2)の反対側の分厚いフィル
ターによって実質的に閉鎖される。おおざっぱに言って
体細胞の大きさまたはそれより小さい桁の大きさを有す
る上記微孔は、代謝を維持するための体液交換はさせる
が、細胞の内増殖は許さない。少なくとも腹腔近くの体
部分の癒着を心配せざるを得ないような形の細胞内増殖
は阻止される。
【0049】シール層(5)は織物支持体(1)の織物
表面にほんのわずか侵入するだけであり、そのため三次
元的容量の織物は腹壁からの細胞の内増殖のために利用
でき、一方実質的に閉鎖したシール層(5)は腹腔側へ
の細胞のこのような内増殖を阻止する。
【0050】ニット構成法により、織物の端はすでにほ
つれを防止してある。シール層は上記編織物の巻き込み
を防ぎ、さらにいかなるほつれ傾向も阻止する。所望な
らば、熱可塑性繊維の融合によって、端を完全にほつれ
防止することができる。手術に使用するためには、約8
×2cmないし30×30cmの片を作製する。必要な
際にはこれらの片を移植前に適切な大きさに切ることが
できる。
【0051】本発明によるインプラントで行った動物試
験は良い結果を与えた。インプラントのコーティングさ
れていないオープン側では、組織との非常に良い一体化
が起こり、インプラントメッシュへの強力な血管形成が
あり、拒絶現象はなかった。腹腔側表面をシールした結
果、この側に瘢痕形成はなかった。インプラントが長期
間腹腔内に存在した後でさえ、腹部内臓はインプラント
に対して自由に動くことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインプラントの線図部分である。
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月24日(2000.4.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 平らなインプラント、その製法および
外科手術におけるその使用
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平らな(フラット
な)インプラント、その製造方法および外科手術におけ
るその使用(用途)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘルニアはよくある疾患である。それは
一般に、臓器の全体または一部が、天然の体腔から先天
性または後天性間隙を通って出ることを含む。外ヘルニ
ア(この場合ヘルニア嚢は常に腹膜によって包囲されて
いる)のなかで、最もよく発生する形は鼠蹊−、臍−お
よび切開ヘルニアである。ヘルニア発生の原因は特に、
過度の圧力、老人性アトニー、腹壁の先天性脆弱または
体切開後の不適切な瘢痕形成(切開ヘルニア)と関連し
た筋または結合組織の脆弱である。
【0003】大部分の場合は手術による効果的治療が可
能であり、その際ヘルニア内容物はヘルニア嚢から腹部
に戻され、ヘルニア開口は閉鎖される。このヘルニア開
口の閉鎖は縫合で行われるのが普通である。
【0004】しかしこの外科的処置は、20%もの症例
にその後ヘルニアが起きる、いわゆるヘルニア再発とい
う欠点を有する。
【0005】従来のヘルニア手術後のこの不満足な再発
率のために、近代的ヘルニア手術では、腹壁の再構成の
ために人工的強化材料がよく使用されるようになった。
ポリプロピレンおよびポリエステルネットも重要な役割
を演ずる。
【0006】このようなネットの使用は再発率を明らか
に顕著に減少させたとはいえ、このようなインプラント
は、感染またはフィステル形成の可能性があるため、特
に軟組織付着のリスクのために、問題がないと言えな
い。
【0007】これまでに知られているインプラント類は
オープン織物構造からなる。これは細胞の付着を助け、
細胞の増殖も助ける。このような構造が好都合なのは、
インプラントと腹壁との間に堅固な結合が形成され、所
望の支持機能を確かなものにするからである。しかし、
この場合硬化効果を有する除去困難な瘢痕が腹腔内に形
成され、腸および内臓に対する有害作用が発生し、それ
に付随して一部の患者には不満が起きるかもしれない。
【0008】含浸剤でシールした平らな織物インプラン
トも知られている。しかしこの場合腹壁に固定する際
に、特に長期間体内に滞留する場合には幾つかの問題が
おきる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、先行
技術のインプラントの困難を克服し、製造が容易でコス
トが安く、従来の手術法を用いても利用できる手術用イ
ンプラントを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、請求項1に
よる平らなインプラント、および請求項18ないし請求
項20によるその製法によって解決する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明によるインプラントは腹壁
に面する組織化側に体細胞をよく固定することができ、
腹腔に面する実質的に閉鎖した側では臓器および体部分
との不都合な瘢痕形成を阻止する。
【0012】手術に使用するために、本発明は、平らな
インプラントに、一つの側には実質的に閉鎖した表面を
もち、他の側には細胞を内増殖させる三次元微細構造を
有するフレキシブル織物を提供する。より詳細に述べれ
ば、実質的に閉鎖した表面は微孔質で、その微細孔は非
常に小さく、物質交換は可能であるが細胞の内増殖は実
質上阻止される。
【0013】この実質上閉鎖した表面が滑らかであるの
が好ましい。上記実質的に閉鎖した表面は、フレキシブ
ル織物に結合した表面層、特に上記織物のコーティング
によって形成されてもよい。
【0014】本発明により、三次元微細構造は細胞の内
増殖のためのバックエンゲージブル点をもつことができ
る。上記フレキシブル織物は多孔性、フレキシブル構造
物質、特にフレキシブル支持体によって形成され、上記
三次元微細構造は構造材料の露出表面構造によって形成
されるのが好ましい。多孔性、フレキシブル構造材料の
例としては連続気泡構造フォームまたは格子構造があ
る。
【0015】上記インプラントは少なくとも1種類の合
成ポリマー材料によって形成するのが都合がよい。好適
には本発明によるインプラントの織物はポリプロピレ
ン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンおよび
/またはポリエステルおよびポリテトラフルオロエチレ
ンから形成される。本発明により特に好ましいとされる
ものは、平らなポリエステルおよびポリテトラフルオロ
エチレンインプラントである。吸収性または部分的吸収
性が望まれる際には、ポリラクチド類、ポリグリコリド
類およびこれらのコポリマー類等の吸収性材料の使用も
可能である。
【0016】本発明の実施態様において、フレキシブル
構造材料は織編生地、特に多孔性織物支持体である。好
適には、少なくとも三次元微細構造を有する側のフレキ
シブルな織物支持体は、血管インプラントと関連して知
られているオープン織物構造を有し、それはより詳細に
は、米国特許第4047252号、米国特許第3878
565号、ドイツ特許第2461370号および米国特
許第4517687号から公知のようなフィラメント加
工糸、フロートステッチおよび/またはベロアループに
よって形成される。
【0017】その他の繊維およびヤーン等から作られる
収縮可能繊維およびヤーンを一般的方法を用いて加工し
て編織物を得ることができる。その後、収縮処理の結
果、収縮性繊維は収縮する。その結果、これらから作ら
れた編織物の場合は構造の圧縮が起きる。計画的に収縮
性繊維および非収縮性繊維を組み合わせて使用する結
果、予定通り上記織物構造に改質することができる。
【0018】本発明によると、上記織物は紡織法、特に
ニッティング、製織または編組によって製造できる。こ
のような方法は熟練者には公知であり、ここに詳細に説
明する必要はない。これは公知の保証つきの方法によ
り、一般的機械および道具を用いて簡単に安価に製造す
ることができる。
【0019】上記フレキシブルな編織物、特に織物支持
体は、少なくとも三次元構造側に細胞の固定に役立つ露
出繊維またはスレッドを有する織布、または特にニット
織物であるのが好ましい。
【0020】合成モノフィラメント類、マルチフィラメ
ントスレッド、またはマルチフィラメントヤーン等の紡
織繊維材料を用いることができる。本発明により、上記
織物は少なくとも一部は、滑らかにもでき組織化もでき
るマルチフィラメントヤーンから形成できるのが好まし
い。本発明の実施態様において、ヤーンは単一繊維材料
タイプから形成できる。もう一つの実施態様において、
ヤーンは数種の繊維材料から形成できる。これらのヤー
ンは少なくとも一部は高度に収縮性の繊維材料から形成
できる。これらは非吸収性および吸収性繊維材料の混合
物でもよい。
【0021】本発明によるインプラントは特に、一面が
組織化された表面で形成されることを特徴とする。好適
一実施態様によると、上記組織化表面はベロア状であ
る。本発明の特に好適な実施態様において、上記織物は
ベロアとして、特に単ベロアとして構成される。その後
の特に好適な実施態様の展開によると、上記織物は二重
ベロアとして構成できる。特に上記二重ベロアは上記織
物の両側に異なるパイル高さで構築できる。
【0022】本発明の好適実施態様において、フレキシ
ブル織物、特に織物支持体はベロア、特に二重ベロアで
あり、インプラントの組織化側に、インプラントの実質
的に閉鎖した側に比べてより大きいパイル高さを有する
二重ベロアであるのが好ましい。
【0023】本発明により、平らなインプラントは、組
織化表面に対置する側が滑らかな面として構成されるこ
とを特徴とする。この場合、滑らかとは、その表面が、
細胞集団を固定させる構造をもたない(すなわち上記織
物構造の結果として)ことを意味する。滑らかとはま
た、使用織編生地の繊維がその表面から突出しないこと
も意味する。
【0024】本発明によると、上記インプラントは二つ
以上の異なる層の複合構造の形であるのが好ましい。一
実施態様において、実質的に閉鎖した表面は合成材料で
コーティングすることによって形成できる。本発明によ
ると、上記コーティングは噴霧コーティングとして構成
されるのが好ましい。
【0025】一実施態様において、コーティングは噴霧
コーティング、特にポリマーの噴霧ウェブ、好適には非
水性液体および特に好適には揮発性媒質に溶解または分
散するポリマーの噴霧コーティングである。この方法
で、微孔質噴霧ウェブを形成することができる。その際
まず最初に溶解した噴霧粒子が互いに、そして織物の表
面に結合する。実質的に閉鎖した表面層はポリウレタ
ン、特に非架橋ポリウレタンであるのが好都合である。
もしも吸収性または部分的吸収性が所望ならば、ポリウ
レタンまたはポリウレタン混合物の代わりに、ポリラク
チド類およびそれらのコポリマー類もクロロホルムから
噴霧することができる。
【0026】また別の実施態様において、ポリマーフィ
ルムの適用によって実質的に閉鎖した表面を形成でき
る。このようなポリマーフィルムは微孔質フィルムとし
て好都合に形成できる。本発明によるインプラントを改
質するためのポリマーフィルムの適切な材料は、外科的
インプラントとして意図的に使用するために適した生体
適合性材料であり、好適にはポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリテトラフルオロエチレンおよび/またはポリ
ウレタンである。本発明による編織物の表面を改質する
ための合成材料層の適用は例えばカレンダーコーティン
グまたは粘着などの方法によって行われる。
【0027】本発明のもう一つの実施態様において、イ
ンプラントは、実質的に閉鎖した表面と並置する側にあ
る三次元ウェブの繊維材料によって形成され、上記微細
構造を有する側にはオープン構造が形成されている。
【0028】実質的に閉鎖した表面は完全に緻密になり
得る。もしも、所望により、それが微孔質であることが
望まれる場合、織物の多孔度と比較して、それは少なく
とも10の累乗だけ低い多孔度を特徴とする。より詳細
には、本発明による好適な噴霧コーティングは高い多孔
度を有する。実質的に閉鎖した表面および特に完全なイ
ンプラントは、1.2kPascalの圧力差の場合、
5ないし100ml空気/cm2・min、特に25な
いし75ml空気/cm2・minの空気透過性を有す
るのが好適である。このような微孔質では、分子範囲の
物質の交換が可能である。これはインプラント周辺の代
謝過程を促進し、必須栄養および構造物質の供給並びに
代謝廃棄物および有害物質の排除を助ける。これは好都
合なことに良好な適合性および治癒の成功をもたらす。
しかし実質的に閉鎖した表面の微孔質は、細胞等の大き
い粒子を通過させたり、しっかりと持続的に固定するに
は適さない。
【0029】本発明による実質的に閉鎖した表面は、一
つの側のインプラント表面の組織化の減少に導く。例え
ば編織物製造法に起因する***および凹みは、実質的に
閉鎖した、特に滑らかな表面によって補正される。その
上、編織物から突出する個々の繊維は包囲される。した
がって本発明によるインプラント表面の閉鎖は一種の表
面シーリングと考えられる。
【0030】このようにして、限られた多孔度と小さい
表面構造を有する実質的に閉鎖した表面は細胞の付着に
は不都合である。これらの細胞は、増殖に必要な適切な
固定点を見いださない。これは実質的に閉鎖したインプ
ラント表面の細胞コロニー化を実質的に阻止する。
【0031】本発明によるインプラントはほつれ防止端
または縁を有する。それはほつれを防止するように加工
されるかまたは織られ、特に融合されている。
【0032】インプラントは全厚さが約0.1ないし
1.2mmで、実質的に閉鎖した表面の厚さはその3な
いし15%であるのが好適である。その織物支持体は厚
さ0.05ないし0.4mmを有する織−またはニット
基礎組織を有し、厚さ0.05ないし0.8mmの少な
くとも一側オープン構造を有する。
【0033】本発明によると、インプラントの全コンポ
ーネントは生体適合性で長期間安定である。特に、それ
は全表面において一部吸収性でもよく、特に、実質的に
閉鎖した表面は完全に吸収性材料を含んでなることがで
きる。こうしてからだの生理学的メジウムに移植後、表
面分解はない。インプラントの実質的に閉鎖した表面は
その後その細胞拒絶特性を維持し、それは本発明によっ
てもたらされるように細胞の付着および増殖を阻止す
る。
【0034】本発明によるインプラントはフレキシブル
材料から作られるのが好ましい。好適には実質的に閉鎖
した表面は溶媒溶解性、非架橋ポリマーから形成でき
る。その後の開発により、実質的に閉鎖された表面はゴ
ム状ポリマーで形成できる。好適には本発明により、実
質的に閉鎖した表面は低沸点溶媒中の溶液の形で、特に
編織物の一つの側に適用できる。本発明の特に好適な実
施態様により、平らなインプラントの実質的に閉鎖した
表面は非架橋ポリウレタンから形成できる。
【0035】その後の開発により、インプラントは抗菌
物質、例えば抗生物質などを含むことができる。抗生物
質の投与は特に感染症の予防に役立つ。外科領域におけ
る抗生物質による予防および治療のためにはセファゾリ
ンまたはセファマンドール等のセファロスポリン類、ネ
チルマイシン、オキサシリンまたはメズロシリン等のペ
ニシリン類、テトラサイクリン、メトロニダゾールまた
は、ゲンタマイシンまたはネオマイシン等のアミノグリ
コシド類並びにリファンピシン等が使用される。特別の
要求により熟練者は1種類以上の適切な活性物質を選択
して使用できる。インプラントは成長因子も含むことが
できる。
【0036】本発明は、多孔性の特殊の編織物の片側に
細胞増殖を阻止するための一側性の実質的に閉鎖した表
面を形成することを含んでなる、外科用インプラントの
製法にも関係する。
【0037】また別の実施態様において、本発明は実質
的に閉鎖した表面層を形成し、片側に、これに結合した
三次元微細構造の積重ね構成物を形成することによる外
科用インプラントの製法に関する。
【0038】好適な本発明の方法により、実質的に閉鎖
した表面をコーティング、特に噴霧コーティングによっ
て形成することができる。本発明の方法の好適実施態様
において、ポリウレタンを低沸点有機溶媒溶液から噴霧
することができる。適切な溶媒の例は塩化メチレンおよ
びクロロホルムである。溶媒を蒸発することによってコ
ーティング層が形成される。溶媒蒸発中に、上記表面コ
ーティングに小さい孔が生成し得る。それは本発明によ
るインプラントにとって好都合である。こうして生成し
た微孔質は生理学的メジウム中における物質交換を可能
にする。しかし孔は非常に小さいので、細胞は阻止され
る。
【0039】本発明によると、平らなインプラントの一
つの側のみ、そして織物のその表面のみにおいて、細胞
の内増殖を阻止するために表面が閉鎖される。好都合な
ことに、編織物の三次元に組織化された表面はオープン
で、細胞の増殖に適している。多孔性のまたは組織化表
面は細胞の付着および増殖に適し、細胞のバックエンゲ
ージ内増殖を可能とする。
【0040】手術に使用するために本発明により改質さ
れたインプラントは適切に滅菌することができる。適切
な滅菌法は微生物を不活性化するための従来の物理的ま
たは化学的方法から選択するかまたはこのような方法の
組み合わせでもよい。一つの可能な滅菌法は、イオン化
照射による処理、例えばβ線またはγ線照射0.1ない
し10Mradの範囲、特に0.8ないし2.5Mra
dの範囲の照射を含む。
【0041】本発明は手術におけるインプラントの使
用、特に体腔内の壁損傷、特に腹壁損傷の治療のための
インプラントの使用にも関係する。
【0042】この目的のために、本発明により改質され
たインプラント材料を所望の大きさおよび形に切ること
ができる。本発明による外科用インプラントは適切に包
装され、即使用可能なものを入手し、適した大きさに切
るのが好ましい。
【0043】本発明の平らなインプラントの腹腔への挿
入は、そのインプラントの、細胞の増殖を阻止するよう
に改質されている表面が腹部の内側、すなわち腸に面す
る方に挿入されるように行われる。平らなインプラント
の反対側(ここでは細胞の内増殖が可能である)は腹壁
側に面するように挿入される。
【0044】こうして治癒過程に、腹壁から体細胞がイ
ンプラント表面に付着し、表面構造に侵入し、時間の経
過につれて腹壁と共にインプラントの瘢痕形成をおこし
得る。これは腹壁とインプラントとの間を確実に結合
し、腹壁の安定化のためになり、したがって治療の成功
を保証する。
【0045】インプラント腹部内部側の細胞増殖を阻止
するために実質的に閉鎖した表面は、腹壁側から内増殖
する細胞は透過することはできない。
【0046】本発明のその他の特徴はサブクレイムおよ
び図を参照した下記の好適実施例の説明から集めること
ができる。これら個々の特徴は発明の実施態様において
単一でも組み合わせた形でも実施することができる。前
述の実施態様は本発明を説明するためのものであって、
本発明を制限するものではない。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0048】以下の実施例は本発明を説明するためのも
のであって、これを制限するものではない。
【0049】実施例1 編織物(1)はワープニットウェアとしてマルチフィラ
メントポリエチレンテレフタレートヤーンから単ベロア
の形で構成されフィラメント加工糸のベロアループ
(2)がある。二重ベロア形のニット織物は米国特許第
4047252号および第4193397号のニット織
物と同様な方法で製造することができる。しかし、それ
はそこに記載されているチューブラーワープニットウェ
アーとは異なり、平らである。それは単ベロアとしても
構成できる。ニット織物は多孔性、フレキシブルであ
る。ベロア側(3)にはオープン三次元構造表面があ
り、そこにはベロアループおよび繊維の紡織の結果、体
細胞の内増殖のためバックエンゲージ点(細胞と織物の
目がかみ合うところ)が多数、実質的に均一に表面に分
布している。ヤーンループまたは個々の繊維の間の開口
は、体細胞の大きさに比べて、大きくなっている。これ
は凝集細胞集団の内増殖(プラント内への増殖)を可能
にする。
【0050】ニット織物地にした結果、ニット織物
(1)の対置側(4)はより緻密でむしろ平面である。
その上ニット織物(1)はこの側に非架橋ポリウレタン
の噴霧コーティング(5)を有し、これはニット織物
(1)の表面に露出した繊維に結合し、この表面の織物
構造を閉鎖する。上記噴霧コーティングの厚さは編織物
の全厚さ、すなわち平らなインプラントの全厚さ、約
0.8mm、の約1/10ないし1/20である。
【0051】噴霧コーティングの結果、すなわちクロロ
ホルム中ポリウレタン溶液の噴霧の結果、コーティング
(5)は大体、緻密ウェブに匹敵し得る構造を有し、微
孔質で、ポリウレタンのエラストマー特性のためにフレ
キシブルでもある。適切なポリウレタンは、例えば公知
の飽和ポリエステル類およびポリウレタン類である。シ
ール層(5)の結果としてベロアニットウェアの編織物
(1)は、ベロアループ(2)の反対側の分厚いフィル
ターによって実質的に閉鎖される。おおざっぱに言って
体細胞の大きさまたはそれより小さい桁の大きさを有す
る上記微孔は、代謝を維持するための体液交換はさせる
が、細胞の内増殖は許さない。少なくとも腹腔近くの体
部分の癒着を心配せざるを得ないような形の細胞内増殖
は阻止される。
【0052】シール層(5)は織物支持体(1)の織物
表面にほんのわずか侵入するだけであり、そのため三次
元的容量の織物は腹壁からの細胞の内増殖のために利用
でき、一方実質的に閉鎖したシール層(5)は腹腔側へ
の細胞のこのような内増殖を阻止する。
【0053】ニット構成法により、織物の端はすでにほ
つれを防止してある。シール層は上記編織物の巻き込み
を防ぎ、さらにいかなるほつれ傾向も阻止する。所望な
らば、熱可塑性繊維の融合によって、端を完全にほつれ
防止することができる。手術に使用するためには、約8
×2cmないし30×30cmの片を作製する。必要な
際にはこれらの片を移植前に適切な大きさに切ることが
できる。
【0054】本発明によるインプラントで行った動物試
験は良い結果を与えた。インプラントのコーティングさ
れていないオープン側では、組織との非常に良い一体化
が起こり、インプラントメッシュへの強力な血管形成が
あり、拒絶現象はなかった。腹腔側表面をシールした結
果、この側に瘢痕形成はなかった。インプラントが長期
間腹腔内に存在した後でさえ、腹部内臓はインプラント
に対して自由に動くことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインプラントの線図部分を示す。
【符号の説明】 1 編織物 2 ベロアループ 3 ベロア側 4 対置側 5 コーティング又はシール層

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの側に実質的に閉鎖した表面を有
    し、他側に細胞の内増殖を可能にする三次元微細構造を
    有するフレキシブル織物を含んでなる外科的使用のため
    の平らなインプラント。
  2. 【請求項2】 実質的に閉鎖した表面が微孔質であり、
    前記微孔は物質交換はさせるが細胞の内増殖は実質的に
    阻止する程小さいことを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンプラント。
  3. 【請求項3】 実質的に閉鎖した表面が実質上滑らかで
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    インプラント。
  4. 【請求項4】 実質的に閉鎖した表面が、フレキシブル
    織物に結合した表面層、特に前記織物のコーティングに
    よって形成されることを特徴とする先行請求項のいずれ
    かの項に記載のインプラント。
  5. 【請求項5】 三次元微細構造が、細胞が内増殖するた
    めのバックエンゲージブル点を有することを特徴とする
    先行請求項のいずれかの項に記載のインプラント。
  6. 【請求項6】 前記フレキシブル織物が多孔性のフレキ
    シブル構造材料、特にフレキシブル支持体によって形成
    され、前記三次元微細構造が前記構造材料の露出表面構
    造によって形成されることを特徴とする先行請求項のい
    ずれかの項に記載のインプラント。
  7. 【請求項7】 前記フレキシブル構造材料が織編生地、
    特に多孔性織物支持体であることを特徴とする請求項6
    に記載のインプラント。
  8. 【請求項8】 フレキシブルな編織生地、特に織物支持
    体が少なくとも三次元微細構造を有する側に、血管イン
    プラントと関連して知られる、フィラメント加工糸、フ
    ロートステッチおよび/またはベロアループによって形
    成されるオープン織物構造を有することを特徴とする請
    求項7に記載のインプラント。
  9. 【請求項9】 フレキシブル織物、特に編織物が、少な
    くとも三次元構造側に細胞固定に役立つ露出した繊維ま
    たはスレッドを有する織布または特にメリヤス生地であ
    ることを特徴とする先行請求項のいずれかの項に記載の
    インプラント。
  10. 【請求項10】 フレキシブル織物、特に織物支持体が
    ベロア、特に二重ベロアであり、前記二重ベロアがイン
    プラントの実質的に閉鎖された側に比べて組織化側によ
    り高いパイル高さを有することを特徴とする先行請求項
    のいずれかの項に記載のインプラント。
  11. 【請求項11】 前記コーティングが噴霧コーティン
    グ、特にポリマーの噴霧ウェブ、特に非水性、液体およ
    び好適には揮発性媒質中に可溶性または分散性であるポ
    リマーの噴霧ウェブであることを特徴とする先行請求項
    のいずれかの項に記載のインプラント。
  12. 【請求項12】 前記実質的に閉鎖した表面層がポリウ
    レタン、特に非架橋ポリウレタンからなることを特徴と
    する先行請求項のいずれかの項に記載のインプラント。
  13. 【請求項13】 前記実質的に閉鎖した表面および特に
    完成したインプラントが1.2kPascalの圧力差
    において5ないし100ml空気/cm2、特に25な
    いし75ml空気/cm2の通気性を有することを特徴
    とする先行請求項のいずれかの項に記載のインプラン
    ト。
  14. 【請求項14】 加工および/または接着され、特にほ
    つれ防止のために融合されているほつれ防止端を有する
    ことを特徴とする先行請求項のいずれかの項に記載のイ
    ンプラント。
  15. 【請求項15】 全厚さが約0.1ないし1.2mm
    で、実質的に閉鎖した表面の厚さがその3ないし15%
    であることを特徴とする先行請求項のいずれかの項に記
    載のインプラント。
  16. 【請求項16】 前記織物支持体が、厚さ0.05ない
    し0.4mmを有する織物または編物の基礎組織、およ
    び厚さ0.05ないし0.8mmの少なくとも一側性オ
    ープン構造を有することを特徴とする先行請求項のいず
    れかの項に記載のインプラント。
  17. 【請求項17】 全表面が一部吸収性であり、特に実質
    的に閉鎖された表面は完全に吸収性の材料からなること
    を特徴とする先行請求項のいずれかの項に記載のインプ
    ラント。
  18. 【請求項18】 外科手術に使用するためのインプラン
    トの製法であって、一つの側に、細胞の内増殖を阻止す
    るための多孔質織物、特に編織物からなる一側性実質的
    閉鎖表面を形成することを含む製法。
  19. 【請求項19】 実質的に閉鎖した表面層と、それに結
    合した一側性、三次元微細構造の積上げ構成物とを形成
    することによるインプラントの製法。
  20. 【請求項20】 実質的に閉鎖した表面が層形成によっ
    て、好適にはコーティング、特に好適には噴霧コーティ
    ングによって構成されることを特徴とする請求項18ま
    たは請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし請求項17のいずれか
    の項に記載のインプラントの、外科手術、特に体腔の壁
    損傷、特に腹壁損傷の治療のための使用。
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