JP2000273387A - 表面紙質向上剤 - Google Patents
表面紙質向上剤Info
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Abstract
ド系ポリマー水溶液からなる表面塗工剤を得ること。 【解決手段】 アクリルアミド類40モル%以上、アニ
オン性モノマー0.1〜30モル%及びメタクリロニト
リル0.05〜10モル%を含む混合水溶液を重合反応
に付して得られるアクリルアミド系ポリマー水溶液を適
用する。
Description
ことにより表面強度、内部強度、耐水性の向上等、優れ
た効果を発揮し得る表面塗工剤に関する。
が進み、印刷用紙においても微細繊維の含有量が増加す
る傾向にあり、そのため繊維間結合が弱まり紙の強度が
得られ難くなっている。一方、印刷工程では高速化、高
品質化が進み、印刷用紙に対してより高いレベルの表面
強度、内部強度、耐水性等の特性が要求されるようにな
ってきた。これらの要求に対応するため、薬剤を内添及
び外添(塗工)することが多くなった。特に、内添薬剤
の場合、使用量が多いと、薬剤の歩留まりが低くなり、
マシン汚れ等の操業上のトラブルが発生しやすくなる
が、外添薬剤の場合は、歩留まりがほぼ100%である
ことからも操業上有利となる。
させる目的で塗工される表面塗工剤として、酸化澱粉等
の澱粉系、カルボキシメチルセルロース等のセルロース
系、ポリビニルアルコール(以下PVAと略す)系やア
クリルアミド系ポリマー等のものがある。最も多く使用
されている澱粉系やPVA系の薬剤は、使用に際しクッ
キング工程が必要であり、作業性が悪いうえ、塗工時の
発泡、マシン汚れ等の種々の問題がある。さらに、澱粉
系の薬剤の場合は腐敗や老化といった問題もある。
は、アニオン基を導入したアクリルアミド系ポリマーが
表面強度を改善する目的で提案されている( 特公昭43
−27529)が、表面強度の改善効果は十分でなかっ
た。
物、架橋性モノマーおよび不飽和ジカルボン酸を含有す
るアクリルアミド系ポリマーの使用が提案されている
(特開平9−169946)が、これらの架橋剤を用い
た場合、製品は低粘度化または高粘度・ゲル化しやす
く、粘度コントロールが困難である。また、尿素類の存
在下でアクリルアミド系ポリマーを重合して表面紙質向
上剤を得ることが提案されている(特開平5−3022
98、8−260384)が、重合の際の昇温時や加水
分解時の高pH化により尿素が分解し、粘調ポリマーの
発泡現象が発生し、製造上問題となる。
同様の高分子量を有しながら低粘度である分岐状のアク
リルアミド系重合体を得るに際し、より安定に重合をコ
ントロールして分岐構造を均一に導入し、かくして得ら
れるポリマーを有効成分とし、優れた表面強度の改善効
果を発揮する表面塗工剤を提供するものである。
高い性能を有する表面塗工剤をを開発するため、鋭意研
究を重ねた結果、連鎖移動効果及び架橋効果を示すメタ
クリロニトリルを必須成分として含む単量体混合物を共
重合して得られる、アクリルアミド系共重合体を用いる
ことにより、その目的を達成することを見出し、本発明
を完成するに至った。即ち、本発明は、アクリルアミド
類40モル%以上、アニオン性モノマー0.1〜30モ
ル%及びメタクリロニトリル0.05〜10モル%を含
む混合水溶液を重合反応に付して得られるアクリルアミ
ド系ポリマー水溶液からなる表面塗工剤である。
は、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドが
用いられ、これらは単独で使用してもよいし両者を併用
してもよい。
ル酸,メタクリル酸,クロトン酸等のモノカルボン酸
系、マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,シトラコン酸
等のジカルボン酸系、ビニルスルホン酸,スチレンスル
ホン酸,2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸等のビニル基を有するスルホン酸系の有機酸が挙
げられる。これらの有機酸はそのナトリウム塩,カリウ
ム塩等の塩でもよい。また、これらのアニオン性モノモ
ーは単独で用いてもよいし、2種類以上を用いてもよ
い。
アミドは、40モル%以上、好ましくは60モル%以
上、アニオン性モノマーは、0.1〜30モル%、好ま
しくは0.5〜20モル%、メタクリロニトリルは、
0.05〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%の
割合である。
アン化ビニル化合物、架橋剤及び連鎖移動剤の少なくと
も一つを含有させてもよい。シアン化ビニル化合物とし
ては、メタクリロニトリルと類似した構造を有するアク
リロニトリル等のエチレン系ニトリル化合物で挙げられ
る。これらシアン化ビニル化合物の量は、アクリルアミ
ド系ポリマーを構成する全モノマーに対して、0.1〜
45モル%、好ましくは0.1〜35モル%である。
(メタ)アクリルアミド,エチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド,エチレングリコールジ(メタ)アクリルアミ
ド,ジエチレングリコールジ(メタ)アクリルアミド,
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリルアミド,ジ
ビニルベンゼン,ジアリルアクリルアミドなどの2官能
性架橋剤、あるいは1,3,5−トリアクリロイルヘキ
サヒドロ−S−トリアジン,トリアリルイソシアヌレー
ト,トリアクリル酸ペンタエリスリトール,トリメチロ
ールプロパンアクリレート,ジアクリロイルイミド等の
多官能性架橋剤、ジメチルアクリルアミド,ダイアセト
ンアクリルアミド,イソプロピルアクリルアミド等のN
−置換アクリルアミド系モノマーが挙げられる。なお架
橋剤は、本発明の重合コントロールの安定化の目的をそ
こなわない範囲で,必要に応じて併用することが可能で
ある。
くは2種以上を併用することができるが、メタクリロニ
トリル自体による架橋効果も働くため、その使用量は通
常の架橋条件より少量でよく、全モノマーの総量に対し
て0.005〜3モル%、好ましくは0.01〜1モル
%である。
ロールの安定化の目的をそこなわない範囲で使用するこ
とが可能である。連鎖移動剤の例としては、イソプロピ
ルアルコールのほか、メルカプトエタノール,チオ尿
素,チオグリコール酸,メルカプトプロピオン酸,チオ
サリチル酸,チオ乳酸,アミノエタンチオール,チオグ
リセロール,チオリンゴ酸等のメルカプト系、アリルア
ルコール,アリルスルホン酸ソーダ,メタアリルスルホ
ン酸ソーダ等のアリル系のものが挙げられる。
上を使用することができるが、必須成分であるメタクリ
ロニトリル自体が連鎖移動効果を奏するため、その使用
量は通常の場合より少量でよく、全モノマーの総量に対
して0.01〜8モル%、好ましくは0.03〜4モル
%である。
た成分のほかに、本発明の表面強度向上の目的をそこな
わない範囲で、他のモノマー成分を含有させることもで
きる。そのようなモノマー成分としてはカチオン性モノ
マーとノニオン性モノマーが挙げられる。
ノ基を有するモノマーであるジアルキルアミノエチル
(メタ)アクリレート,ジアルキルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導
体,ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリルアミド,
ジアルキルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド,
(メタ)アクリルアミド−3−メチルブチルジメチルア
ミン等の(メタ)アクリルアミド誘導体を挙げることが
できる。なお、カチオン性モノマーとしては、上記第三
級アミノ基を有するモノマーの塩を用いることができ
る。塩としては、塩酸,硫酸のような無機酸との塩でも
よいし、ギ酸,酢酸のような有機酸との塩でもよい。さ
らに、メチルクロリド,メチルブロミド、ベンジルクロ
リド,ベンジルブロミド、ジメチル硫酸,エピクロルヒ
ドリンなどで第三級アミノ基を四級化した第四級塩でも
よい。また、カチオン性モノマーは単独で用いてもよい
し、2種類以上を用いてもよい。
アセトンアクリルアミド,アルキルアクリレート,ヒド
ロキシアクリレート,酢酸ビニル,スチレン,α−メチ
ルスチレンなどが挙げられる。
類を添加してもよく、そのような尿素類としては、尿
素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられるが、尿素が
好ましい。尿素/モノマー類の重量比は2〜50%/9
8〜50%、好ましくは10〜40%/90〜60%で
ある。尿素類の添加は、重合が終了し反応系が冷却によ
り少なくとも90℃以下まで温度が下がれば可能であ
り、好ましくは85〜60℃である。なお、特開平5−
302298において、尿素の存在下で重合反応を行う
ことが示されているが、この方法では、熱やpH変化で
尿素が分解し、発泡して作業性が悪い、反応中の尿素の
ロスにより、仕込んだ尿素の全量を製品中に存在させる
ことができない、といった問題がある。本発明では重合
後に尿素を添加することにより、重合時の尿素の分解に
よるロスや発泡現象が生じることなく、操作が容易とな
る。
付すに際しては、従来公知の各種重合方法が適用し得
る。例えば、所定の反応容器に前記必須モノマー及び
水,必要に応じその他モノマー,架橋剤,連鎖移動剤を
仕込み、触媒を加え、攪拌下、加温することにより目的
のアクリルアミド系ポリマー水溶液(以下、共重合体水
溶液と称することもある)を得ることができる。また、
モノマーの一部もしくは全部を反応容器中に滴下しなが
ら反応させてもよい。触媒投入は1回でも可能である
が、1段目の反応によりプレポリマーを形成させた後、
触媒を追加して、さらに重合を完結することにより、分
岐度の高い高分子量の重合体を含む共重合体水溶液を得
るようにしてもよい。反応温度は通常40〜100℃程
度、反応時間は0.5〜8時間程度である。
反応に通常使用されるラジカル重合開始剤であれば、特
に制限されるものではなく、例えば過酸化水素,過酸化
ベンゾイル,t−ブチルパーオキシドのような過酸化物
触媒、過硫酸アンモニウム,過硫酸ナトリウム,過硫酸
カリウムのような過硫酸塩触媒、臭素酸ナトリウム,臭
素酸カリウムのような臭素酸塩触媒、過ホウ素酸ナトリ
ウムのような過ホウ素酸塩触媒が挙げられる。また、こ
れらと、還元剤である、亜硫酸塩,亜硫酸水素塩,遷移
金属塩,有機アミンなどとを組み合わせたレドックス系
触媒やアゾ系触媒も使用することができる。これらは単
独で用いてもよいし、また2種類以上を組み合わせて用
いてもよい。これらの触媒の使用量は、モノマーの総重
量に対し0.01〜10wt%、好ましくは0.05〜
4wt%である。
能であるが、触媒効率,コスト面から過硫酸塩が最も適
当である。もちろん、プレポリマー生成後も触媒が多量
に残存する場合は、特に触媒を追加する必要はない。追
加の重合反応の温度は40℃以上で、好ましくは70〜
95℃であり、1段目の反応温度よりも高温とするのが
よい。使用量は0.01〜10wt%、好ましくは0.
05〜4wt%である。この触媒追加の際、必要に応じ
モノマーを追加することもできる。この場合のモノマー
組成は、1段目の反応での初期仕込みモノマー組成と同
一であっても異なってもよい。
必須成分とすることによって、ラジカル触媒により発生
したラジカルがメタクリロニトリルのニトリル基で共鳴
安定化され、連鎖移動剤的な働きをすると共に、メチル
基からの引き抜き反応による架橋点を形成する。このよ
うに、メタクリロニトリル単独で架橋剤/連鎖移動剤の
働きなすものであり、これにより急激な粘度上昇もなく
重合反応のコントロールが容易となる。
ら低粘度を示す共重合体水溶液を容易に得ることがで
き、この共重合体水溶液を表面紙質向上剤として使用す
ることにより、紙の表面強度だけでなく内分強度面でも
高い改善効果が得られる。本発明の表面塗工剤は、澱粉
系、PVA系、セルロース系、ポリアクリルアミド系等
の表面塗工剤のほか、表面サイズ剤、耐水化剤、防滑
剤、防腐剤、消泡剤、離型剤、染料等の種々の薬剤と組
み合わせて使用することができる。
は、塗工液濃度0.1〜10%、粘度3〜350cps
とするのが塗工する上で好ましい。塗工方法としては、
一般に行われている方法、サイズプレス、ゲートロール
コーター、キャレンダー、ブレードコーター、スプレー
等が挙げられる。また、本発明の塗工剤はライナー、コ
ートボール等の板紙、コート原紙(酸性,中性)、PP
C用紙、フォーム用紙、印刷用紙、新聞用紙、インクジ
ェット用紙等の各種原紙に適用することができ、毛羽立
ち、ベッセルピック、紙粉、表面磨耗性その他紙表面の
強度を改善するだけでなく、紙の内部強度の向上にも極
めて有効である。
て本発明をより具体的に説明する。なお、部及び%はい
ずれも特記ない限り重量基準である。
た四つ口フラスコに,50%アクリルアミド水溶液33
8部、アクリル酸20部、メタクリロニトリル9.4部
および水500部を仕込み、アルカリにて液性をpH
3.5に調節し、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除
去した。系内を40℃にし、攪拌下に重合開始剤として
10%過硫酸アンモニウム水溶液40部および10%亜
硫酸水素ナトリウム水溶液24部を投入した。反応系が
90℃まで昇温した後、更に10%過硫酸アンモニウム
水溶液20部を追加して2時間、同温度を保持した。重
合終了後、水50部を投入し、pH4.7、固形分2
0.4%、粘度(25℃)8400cps、重量平均分
子量165万の共重合体水溶液を得た。
合を表1及び表2に示すように変え、適当な粘性になる
ように触媒量を調節したほかは実施例1と同様な操作を
行い、各種共重合体水溶液を得た。実施例6以降の尿素
添加品は、重合終了後85℃〜80℃程度まで冷却した
後、総モノマー重量に対して表2に記載の所定量の尿素
含有量と成るように尿素を添加して得た。実施例7、8
は、モノマー/架橋剤混合液と触媒/連鎖移動剤混合水
溶液を別々に120分かけて80℃の温水中に滴下して
重合を行い、その後、実施例1と同様に触媒を追加して
反応を行った。得られた各種共重合体水溶液の性状値を
表3を示す。
MAN:メタクリロニトリルアニオン性モノマーして、
AA:アクリル酸、IA:イタコン酸、FA:フマル
酸、NSS:スチレンスルホン酸ソーダ、架橋剤とし
て、MBAM:メチレンビスアクリルアミド、DMA
M:ジメチルアクリルアミド、連鎖移動剤として、IP
A:イソプロピルアルコール,MAS:メタアリルスル
ホン酸ソーダ、AS:アリルスルホン酸ソーダ、その他
モノマーとして、DM:ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、St:スチレンをそれぞれ示す。
合を表1及び表2に示すように変えたほかは実施例1と
同様な操作を行い各種共重合体水溶液を得た。比較例3
〜5においては、製品粘度が5000cps以上のもの
を得ようとしたが、重合反応後半に急激な増粘・ゲル化
を起こし易くなるため、連鎖移動剤、触媒量等で粘度コ
ントロールを行って低粘度の製品を得た。得られた各種
共重合体水溶液の性状値を表3を示す。
m、横24cmに裁断し、フラットなガラス板上に紙の
上部をセロテープで固定した。合成したポリマーを3%
および2%に水で希釈し、No.3のコーティングロー
ルバーを用いて片面に塗工した。塗工液の吸液量を測定
したところ8.2g/m2 であり、3%希釈液では0.
25g/m2 、2%希釈液では0.16g/m2 の塗工
量であった。塗工後すぐに105℃に調整したドラムド
ライヤーで90秒間乾燥し、サンプル紙を得た。得られ
たサンプル紙を恒温恒湿室(温度20℃、湿度65%)
で1昼夜調湿後、評価を実施した。
東洋インキ、インキタック15,インキ量2ml、回転
数60rpm、印刷後の紙剥け状態を肉眼で観察し、5
を良とし、1を劣とした表示にて評価した。数値は5枚
の印刷評価の平均値にて表示した。 ・内部強度:インターナルボンドテスター(熊谷理機工
業社製) ・裂断長:JIS P 8113
重合体水溶液の粘度を広い範囲でコントロールすること
が可能で、ゲル化等の問題が起こりにくくなるととも
に、表4に示すように表面紙質向上剤として表面強度を
向上させるという優れた効果を発揮する。
Claims (5)
- 【請求項1】 アクリルアミド類40モル%以上、アニ
オン性モノマー0.1〜30モル%及びメタクリロニト
リル0.05〜10モル%を含む混合水溶液を重合反応
に付して得られるアクリルアミド系ポリマー水溶液から
なる表面塗工剤。 - 【請求項2】 混合水溶液が、シアン化ビニル化合物、
架橋剤及び連鎖移動剤の少なくとも一つを、シアン化ビ
ニル化合物の場合はアクリルアミド系ポリマーを構成す
る全モノマー総量に対して0.1〜45モル%、架橋剤
の場合は全モノマー総量に対して0.005〜3モル
%、連鎖移動剤に場合は全モノマー総量に対して0.0
1〜8モル%、さらに含有してなる請求項1記載の表面
塗工剤。 - 【請求項3】 重合反応が、一段目でプレポリマーを形
成させた後さらに重合を完結させるものである請求項1
又は2記載の表面塗工剤。 - 【請求項4】 重合反応に付した後に、生成物に尿素類
を添加してなる請求項1ないし3のいずれかに記載の表
面塗工剤。 - 【請求項5】 重合触媒として過硫酸塩を使用する請求
項1ないし4のいずれかに記載の表面塗工剤。
Priority Applications (1)
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JP08279899A JP4370020B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 表面紙質向上剤 |
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