JP2000273275A - 絶縁性樹脂組成物及びそれにより形成した絶縁膜を含む回路基板 - Google Patents

絶縁性樹脂組成物及びそれにより形成した絶縁膜を含む回路基板

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JP2000273275A
JP2000273275A JP11080159A JP8015999A JP2000273275A JP 2000273275 A JP2000273275 A JP 2000273275A JP 11080159 A JP11080159 A JP 11080159A JP 8015999 A JP8015999 A JP 8015999A JP 2000273275 A JP2000273275 A JP 2000273275A
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epoxy resin
resin
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insulating film
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Takeshi Ishizuka
剛 石塚
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形成した絶縁膜の絶縁性低下の原因となるハ
ロゲン等の不純物を含まず、且つ、導体層との密着性を
確保するための絶縁膜表面の粗化に起因する絶縁膜の絶
縁性低下を招くことなく薄膜化の要求に応えることので
きる、絶縁性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 脂環式エポキシ樹脂と、この樹脂のため
のエポキシ硬化剤と、ポリブタジエン化合物、シリカ粉
末、又は加熱によってポリイミドもしくはポリエーテル
イミドを生成する単量体もしくは前駆体とを含む組成物
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチチップモジ
ュールタイプのラミネート・アンド・デポジション法で
作製された基板(MCM−L/D基板)やシグナルチッ
プパッケージ基板を含む多層回路基板分野に関し、具体
的には、そうした多層回路基板を製造するのに用いられ
る絶縁性樹脂組成物、及び当該樹脂組成物により形成し
た絶縁膜を含む多層回路基板に関する。この樹脂組成物
は、めっきによる配線形成に有効なものであり、特にビ
ルドアップ回路基板用絶縁膜として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子部品をコンパクトに電子
機器に組み込むのにプリント基板が一般的に使用されて
いる。このプリント基板は、積層板に張り合わせた銅箔
を電子回路パターンに従ってエッチングして作製される
ものであり、電子部品を高密度に実装することは困難で
あるが、コスト面で有利である。また、ハイブリッドI
C用の回路基板としては、ビルドアップ多層配線構造の
基板が古くから用いられてきた。このビルドアップ多層
配線回路基板は、セラミック基板上に導体と絶縁体の厚
膜ペーストを順次印刷して積み重ね、焼成して製造され
るものである。
【0003】一方、電子機器に対する小型化、高性能化
及び低価格化などの要求に伴い、近年、プリント基板の
電子回路の微細化、多層化、及び電子部品の高密度実装
化が急速に進み、プリント基板に対してもビルドアップ
多層配線構造の検討が活発化してきた。
【0004】ビルドアップ多層配線回路基板において
は、ビルトアップ用絶縁膜が電子回路の層間に形成され
る。この絶縁膜は、上層と下層の電子回路を接続すべき
箇所(一般に「ビアホール」と称される部分)を除いた
基板の全面に、皮膜として形成される。
【0005】従来のビルドアップ構造の多層回路基板の
作製プロセスの一例を具体的に説明すると、まず、配線
パターンと絶縁樹脂で穴埋めしたスルーホールを持つ両
面配線板をコア基板として用意する。次に、感光性樹脂
をコア基板の両面の全体に塗布し、露光、現像して、所
定パターンのビアホールを備えた絶縁膜を形成する。次
いで、この絶縁膜の上に無電解めっき・電解めっきで導
体層を形成し、これをエッチングして配線パターンを形
成する。その後、必要に応じて、絶縁膜の形成から配線
パターンの形成までの工程を繰り返して、多層配線構造
を作製する。
【0006】絶縁膜を形成するための感光性樹脂として
は、最近では希薄アルカリ水溶液で現像可能な感光性組
成物が用いられている。そのようなアルカリ現像型感光
性樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂に不飽和
モノカルボン酸を反応させ、更に多塩基酸無水物を付加
させた反応生成物をベースポリマーとする感光性組成物
(特公昭56−40329号公報及び特公昭57−45
785号公報)が知られており、また、ノボラック型エ
ポキシ樹脂を用い耐熱性、耐薬品性を向上させたアルカ
リ現像型感光性組成物(特開昭61−243869号公
報)なども用いられている。
【0007】ビルドアップ法では、樹脂絶縁膜上に導体
により配線パターンを形成する際に、樹脂絶縁膜と導体
との密着性向上のため樹脂絶縁膜の表面を粗化した後、
無電解めっきを施す方法が一般的に用いられる。樹脂絶
縁膜の表面粗化のためには、従来より、絶縁膜の配線パ
ターン形成面に化学的エッチングによって微細な孔を設
ける方法が知られている。具体的には、絶縁膜中に酸あ
るいはアルカリによって可溶な粒子、すなわちフィラー
成分を添加しておき、酸又はアルカリによるエッチング
処理(表面粗化処理)によってフィラーを溶解又は脱離
して絶縁膜の表面に穴を形成するものである。このフィ
ラー成分としては、例えば、炭酸カルシウムを用いるこ
とができる。この方法によれば、絶縁膜表面に形成した
穴に導体としてめっきされる金属が入り込み、そのアン
カー効果によって導体と樹脂絶縁膜間の密着力が向上す
る。
【0008】従来は、絶縁膜の膜厚(通常40〜100
μm)を考慮し、平均粒径(累積分布の50%に相当す
る粒子径)が1〜10μm程度のフィラーを用いてき
た。これらのフィラーは通常、天然の鉱物(例えば、石
灰石)を粉砕・分級したもの(例えば、重質炭酸カルシ
ウム)である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ビルドアップ用絶縁膜
に用いられる従来のエポキシ樹脂は、合成の過程で塩素
を使用(出発物質としてエピクロロヒドリンのような塩
素含有化合物を使用)しており、塩素が最終生成物中に
不純物として残る。このため、これらのエポキシ樹脂を
用いてビルドアップ回路基板の絶縁層を形成した場合、
不純物塩素により基板の絶縁性が低下するという問題が
ある。
【0010】また、近年の電子回路の微細化、多層化、
及び電子部品の高密度実装化に伴い、ビアホールの形成
に高解像度が要求されて最近では直径50μm前後のビ
アホールも検討されている一方、多層回路基板を構成す
る膜についても薄膜化が進んでいる。絶縁膜の膜厚は通
常40〜100μm程度であるが、最近では20μm前
後の絶縁膜まで開発されつつある。このようなより薄膜
化する絶縁膜では、絶縁信頼性の確保が特に重要であ
り、そのために樹脂中の不純物の低減が重要になる。
【0011】更に、このような薄膜化の進む絶縁膜にお
いて、これまで用いてきた通常のフィラー(天然の鉱物
を粉砕・分級した、平均粒径1〜10μm程度の粒子)
を用いると、一般的に行われている銅めっきによる配線
層形成時の湿式粗化によって絶縁膜に過大な穴が開き、
絶縁性が低下してしまうという問題が生じる。
【0012】このように、天然の鉱物を粉砕・分級した
フィラーを添加する従来の技術は、薄膜(膜厚20μm
前後)の絶縁膜に対し、導体(銅めっき)密着力、絶縁
性、及び解像性を全て満足することができないという点
で問題があり、また、特に、炭酸カルシウムフィラーは
高温高湿下における絶縁信頼性の点で問題がある。
【0013】炭酸カルシウムを使用しないで絶縁膜を形
成する高耐熱性の絶縁膜材料として、特開平9−176
459号公報に記載されたもの等が提案されている。特
開平9−176459号公報においては、熱硬化性の縮
合多環多核芳香族樹脂と、各種の熱可塑性樹脂とから構
成される絶縁膜材料が提案されている。しかし、この公
報に記載された絶縁膜材料では、熱可塑性樹脂を添加剤
としているため、配線層形成時の湿式粗化時に熱可塑性
樹脂の粒径に起因する穴が形成され、穴の微細化が難し
いという問題がある。例えばポリイミド樹脂の場合で
は、これに市販の粒状熱可塑性ポリイミド(例として、
UBE社製UPI−S)を添加すると、口径が10μm
程度の過大な穴が形成されてしまう。
【0014】本発明は、形成した絶縁膜の絶縁性低下の
原因となる塩素に代表されるハロゲン等の不純物を含ま
ず、且つ、導体層との密着性を確保するための絶縁膜表
面の粗化に起因する絶縁膜の絶縁性低下を招くことなく
薄膜化の要求に応えることのできる、絶縁性樹脂組成物
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁性樹脂組成
物は、ベース樹脂の脂環式エポキシ樹脂と、このベース
樹脂のためのエポキシ硬化剤と、ポリブタジエン化合
物、シリカ粉末、又は加熱によってポリイミドもしくは
ポリエーテルイミドを生成する単量体もしくは前駆体と
を含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の組成物におけるベース樹
脂として好適な脂環式エポキシ樹脂は、シクロヘキサン
骨格の脂環式多官能エポキシ樹脂、脂環式2官能エポキ
シ樹脂、脂環式3官能エポキシ樹脂、及び脂環式4官能
エポキシ樹脂である。それらのうちの2種以上のものの
混合物を用いることも可能である。シクロヘキサン骨格
の多官能エポキシ樹脂としては、例えばダイセル化学社
から入手できるEHPE−3150等を使用することが
できる。脂環式2官能エポキシ樹脂の例としては、ER
L−4299(ユニオンカーバイド社)、セロキサイド
2021(ダイセル化学社)、CY−175(チバガイ
ギー社)、セロキサイド2080(ダイセル化学社)等
の樹脂を挙げることができる。脂環式3官能エポキシ樹
脂としては、エポリードGT300(ダイセル化学社)
等を、そして脂環式4官能エポキシ樹脂としては、エポ
リードGT400(ダイセル化学社)等を例示すること
ができる。このような脂環式エポキシ樹脂は、出発物質
としてエピクロロヒドリンのような塩素含有化合物を使
用せずに合成され、従って形成した絶縁膜の絶縁性低下
の原因となるハロゲン等の不純物を含まない。
【0017】脂環式エポキシ樹脂のためのエポキシ硬化
剤は、フェノールノボラック樹脂、酸無水物等でよく、
またシラノール含有化合物と金属含有化合物の混合物を
硬化剤としてもよい。
【0018】エポキシ硬化剤は、硬化促進剤を含んでも
よく、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、トリ
フェニルホスフィン等を使用することができる。
【0019】本発明の組成物は、エポキシ樹脂をベース
樹脂とする組成物における通常の成分である上記の硬化
剤、硬化促進剤のほかに、導体層との密着性を確保する
ための絶縁膜表面の粗化に有効な成分として、ポリブタ
ジエン化合物、シリカ粉末、又はアルカリ溶液に可溶で
あり加熱によってポリイミドもしくはポリエーテルイミ
ドを生成する単量体もしくは前駆体を含む。これらを混
合物として使用することも可能である。
【0020】ポリブタジエン化合物としては、エポキシ
化ポリブタジエンや、スチレン−ブタジエン共重合体等
を使用することができる。エポキシ化ポリブタジエンの
代表例としては、エポリードPB3600、エポリード
PB4700(ともにダイセル化学社製)等を挙げるこ
とができ、スチレン−ブタジエン共重合体の例として
は、エポフレンドA(ダイセル化学社製)等を挙げるこ
とができる。ポリブタジエン化合物を使用する場合の含
有量は、本発明の組成物の総重量の10〜50重量%と
するが好ましく、30〜50重量%とするのがより好ま
しい。ここでの組成物の総重量は、本発明の組成物が溶
媒を使用する場合、溶媒を除いた成分の合計の重量を意
味する。
【0021】シリカ粉末としては、表面粗化時のシリカ
の脱落により形成される凹凸を小さくするため、2μm
以下の径のものを使用するのが望ましい。シリカ粉末
は、充填剤として一般に使用されるもののうちから、上
記のとおりの径を持つものを選んで使用することができ
る。シリカ粉末の含有量は、本発明の組成物の総重量の
5〜30重量%とするが好ましく、10〜20重量%と
するのがより好ましい。ここでの組成物の総重量は、本
発明の組成物が溶媒を使用する場合、溶媒を除いた成分
の合計の重量を意味する。
【0022】ポリブタジエン化合物あるいはシリカ粉末
を使用する場合、上述の含有量の下限未満では絶縁膜の
表面粗化が不十分となり、一方、上限を超えると、シリ
カ粉末の場合は膜の機械的強度等の特性の低下が著しく
なるとともに、下限未満と同様にピール強度が得られな
くなり、ポリブタジエン化合物の場合も下限未満の場合
と同様にピール強度が得られなくなる。
【0023】加熱によってポリイミド又はポリエーテル
イミドを生成する単量体又は前駆体は、絶縁膜を製膜後
の表面粗化処理でアルカリ溶液に溶解し、あるいは脱離
して膜から除去可能であるポリイミド又はポリエーテル
イミドを生成する単量体又はオリゴマー等の前駆体であ
る。このような単量体又は前駆体は、例えば、PIX−
3400(日立化成社)、セミコファイン(東レ社)、
HIMAL(日立化成社)等として商業的に入手可能で
ある。
【0024】これらの単量体又は前駆体は、本発明の組
成物中に5〜50重量%存在することが好ましく、特に
は10〜30重量%存在することが好ましい。本発明の
組成物が溶媒を含有している場合には、上記の重量割合
は溶媒を除いた成分の総重量を基にした重量割合に相当
する。
【0025】一般に、エポキシ樹脂とポリイミド(ある
いはポリエーテルイミド)を生成する単量体又は前駆体
とを含む組成物を加熱すると、加熱硬化したエポキシ樹
脂と加熱で生成したポリイミドは、どちらかがある粒径
を持つ粒状物となって分離した状態になると考えられ
る。この粒状の熱硬化エポキシ樹脂又はポリイミドの粒
径は、もとの組成物中のエポキシ樹脂とポリイミドを生
成する単量体又は前駆体の種類、組成比等により変化す
る。本発明の組成物においては、ポリイミド生成成分を
50重量%以下、特に好ましくは30重量%以下とする
ことで、加熱後に得られた樹脂絶縁膜を過マンガン酸溶
液等のアルカリ性溶液に浸漬した時に表層のポリイミド
のみが樹脂膜から分離・脱落し、それによって樹脂絶縁
膜の表層に微細な凹凸が形成される。後続の導体層形成
工程として、無電解銅めっき、電解銅めっきを行う場合
には、この微細な凹凸がめっき銅のアンカーとして作用
し、樹脂膜とめっき銅を密着させることができる。一
方、組成物中のポリイミド又はポリエーテルイミド生成
成分が5重量%に満たない場合には、アルカリ性溶液で
の処理時にポリイミド又はポリエーテルイミドの脱落が
少なくなるため、後に形成する導体層との密着性の向上
が見込めなくなる。
【0026】表面粗化用のフィラーとして、耐熱性に優
れたポリイミド又はポリエーテルイミドを使用した場合
には、形成した絶縁層は従来のものに比べ耐熱性が向上
したものとなる。
【0027】本発明の組成物は、一般にワニス状のもの
として処理基板上へ塗布される。ワニス状組成物とする
のに、本発明の組成物は上記の成分以外に、適当な溶媒
を含むことができる。溶媒の例としては、エチレングリ
コールモノエーテル類、アセテート類、シクロヘキサノ
ン、ジオキサン、トルエン、キシレン、N−メチルピロ
リドンなどの有機溶媒を挙げることができる。
【0028】塗布の方法としては、スクリーン印刷、カ
ーテンコート、ロールコート、スピンコート等の一般的
な方法を採用することができるが、塗布方法はこれらに
限定されるものではない。
【0029】また、本発明の組成物には、必要に応じて
種々の添加剤を添加することができる。添加剤の例とし
ては、絶縁膜の膨張率の調整に有効なアルミナ、スクリ
ーン印刷性の向上に有効なエアロジルなどの無機フィラ
ーを始めとして、フタロシアニンなどの着色顔料、シリ
コーン又はフッ素系化合物からなる消泡剤、レベリング
剤、酸化防止剤などを挙げることができる。
【0030】次に、本発明の樹脂組成物を用いて多層回
路基板のビルトアップ用絶縁膜を形成する方法を説明す
ることにする。なお、以下の説明はこの方法を例示する
ものに過ぎず、本発明の樹脂組成物によって多層回路基
板の絶縁膜を形成する方法がそれに限定されるものでな
いことは、言うまでもなく明らかである。
【0031】まず、本発明の樹脂組成物を、適当な塗布
方法により電子回路基板上に所望の厚さ(例えば20μ
m)で塗布し、皮膜形成する。次いで、適当な温度、例
えば50〜150℃で加熱し、皮膜を乾燥させる。次
に、例えば150〜250℃で加熱してエポキシ樹脂成
分を加熱硬化させ、その際、フィラー成分としてポリイ
ミド又はポリエーテルイミド成分を使用している場合に
はそれも加熱硬化させて、絶縁膜を形成する。その後、
この絶縁膜上に形成する上層の電子回路と接続すべき箇
所(ビアホール部分)を、例えば炭酸ガスレーザ、エキ
シマレーザ、YAGレーザ等を用いたレーザー加工処理
して、ビアホールを形成する。
【0032】続いて、基板を過マンガン酸水溶液等のア
ルカリ性溶液に浸漬し、表面を粗化する。絶縁膜中のポ
リブタジエン化合物、シリカ粉末、又は熱硬化で得られ
たポリイミドもしくはポリエーテルイミドは、アルカリ
性溶液への溶解や、アルカリ性溶液による膨潤作用等に
よる脱離によって、絶縁膜表面に微細な穴を残し、それ
により絶縁膜表面の粗化に寄与する。次いで、表面を粗
化した絶縁膜に無電解めっき、電解めっきを施し、導体
配線層を形成してこれをパターニングする。その後、樹
脂組成物の塗布から導体配線パターンの形成までの工程
を所定の回数繰り返して、多層回路基板を作製する。
【0033】このように、本発明の組成物を使って作製
された多層回路基板は、所定の回路基板上に形成した複
数の絶縁層と配線層を含む多層回路基板であって、絶縁
層が本発明の組成物から形成されていることを特徴とす
るものであり、本発明はこの多層回路基板をも包含する
ものである。
【0034】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に説明する。
言うまでもなく、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0035】〔実施例1〕シクロヘキサン骨格の脂環式
エポキシ樹脂のEHPE−3150(ダイセル化学社
製)60重量部、同じく脂環式エポキシ樹脂のセロキサ
イド2080(ダイセル化学社製)40重量部、フェノ
ールノボラック樹脂(群栄化学社製PSM−4300)
60重量部、2−メチル−4−エチル−イミダゾール
(四国化成社製)4重量部、及びシリカ粉末(平均粒径
4μm、電気化学工業社製)30重量部を、ジオキサン
60重量部に加えて、シリカ粉末の分散した塗液を調製
した。
【0036】この塗液を、ドクターブレード法により銅
箔基板上に乾燥後の厚さ20μmに塗布し、次いで12
0℃で20分間加熱乾燥し、更に170℃で60分間加
熱した後、室温まで放冷して、絶縁層を形成した。
【0037】次に、こうして絶縁層を形成した基板を前
処理剤(シプレー社製コンディショナー、60℃、10
分)、酸化剤(過マンガン酸水溶液)(シプレー社製プ
ロモーター、70℃、10分、pH11)、そして中和
剤(シプレー社製ニュートライザー、60℃、10分)
に順次浸漬し、絶縁層表面に露出しているシリカ粉末を
脱離させて、絶縁層の表面を粗化した。
【0038】粗化した絶縁層表面を洗浄後、無電解銅め
っきと電解銅めっきを続けて施して、絶縁層上に30μ
m厚の導体層を形成した。JIS C 6481に規定
された試験方法に準拠して測定したこの導体層のピール
強度は、500g/cmであった。
【0039】〔実施例2〕実施例1で調製した塗液を、
間隔が126μmの配線を有するビスマレイミド/トリ
アジン(BT)基板上に塗布し、実施例1と同様にして
配線上に絶縁層を形成した。こうして絶縁層を形成した
基板について、120℃、相対湿度85%、1.7at
m(172kPa)、20Vの条件で、50時間の電食
試験(USPCBT試験)を行った。試験の前後で測定
した配線間の抵抗は、試験前が1×1013Ωのオーダー
であり、試験後も1×1013のオーダーを維持してい
た。
【0040】〔実施例3〕シクロヘキサン骨格の脂環式
エポキシ樹脂のEHPE−3150(ダイセル化学社
製)60重量部、同じく脂環式エポキシ樹脂のセロキサ
イド2080(ダイセル化学社製)40重量部、フェノ
ールノボラック樹脂(群栄化学社製PSM−4300)
60重量部、2−メチル−4−エチル−イミダゾール
(四国化成社製)4重量部、及びエポキシ化ポリブタジ
エン(ダイセル化学社製PB3700)90重量部を、
ジオキサン60重量部に溶解し、絶縁層形成用の塗液を
調製した。
【0041】これを実施例1と同様に銅箔基板上に塗布
し、加熱により絶縁層を形成後、アルカリ溶液処理(表
面粗化処理)し、続いて無電解銅めっき、電解銅めっき
を施して銅膜を形成した。この銅膜のピール強度は、7
00g/cmであった。
【0042】また、実施例2と同様にして間隔126μ
mの配線を備えた基板に絶縁層を形成し、電食試験を行
った。試験前の配線間の抵抗は1×1012Ωのオーダー
であり、試験後の抵抗も1×1012Ωのオーダーを維持
していた。
【0043】〔実施例4〕シクロヘキサン骨格の脂環式
エポキシ樹脂のEHPE−3150(ダイセル化学社
製)60重量部、同じく脂環式エポキシ樹脂のセロキサ
イド2080(ダイセル化学社製)40重量部、フェノ
ールノボラック樹脂(群栄化学社製PSM−4300)
60重量部、2−メチル−4−エチル−イミダゾール
(四国化成社製)4重量部、及びポリイミドモノマワニ
ス(日立化成社製PIX−3400)70重量部を、N
−メチルピロリドンに溶解し、絶縁層形成用の塗液を調
製した。
【0044】調製した塗液を、銅箔基板上に20μmの
厚さに塗布し、次いで120℃で20分間加熱乾燥し、
更に170℃で60分間加熱した後、室温まで放冷し
て、絶縁層を形成した。
【0045】この絶縁層に対して、実施例1と同様にア
ルカリ溶液処理(表面粗化処理)を施し、続いて絶縁層
上に銅めっき膜を形成した。この銅めっき膜のピール強
度は、800g/cmであった。
【0046】また、実施例2と同様にして電食試験を行
った。試験前の配線間の抵抗は1×1013Ωのオーダー
であり、試験後の抵抗も1×1013Ωのオーダーを維持
していた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ハロゲン不純物を含まない脂環式エポキシ樹脂と絶縁性
の低下を招くことなく導体層との密着性向上に有効なフ
ィラー成分を使用することで、従来のものに比べて絶縁
性に優れ、また導体層との密着性に優れた樹脂絶縁膜の
利用が可能になる。また、表面粗化用のフィラーとし
て、耐熱性の良好なポリイミド又はポリエーテルイミド
を使用すれば、樹脂絶縁膜の耐熱性の向上も可能にな
る。こうして、本発明は、絶縁膜一般、特に多層回路基
板のビルドアップ用絶縁膜の形成に大いに貢献すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/08 C08L 79/08 A C09D 163/00 C09D 163/00 179/08 179/08 Z H01B 3/40 H01B 3/40 D C Fターム(参考) 4J002 AC083 CC04X CD02W CD183 CM044 DJ017 EF126 EL136 EX046 FD14X FD146 GQ01 4J036 AB07 DA01 DB15 FB07 JA08 4J038 CA021 CA022 DA042 DB261 DJ021 DJ022 HA446 JA75 JC33 KA03 NA21 PB09 5G305 AA06 AA11 AB01 BA09 BA18 CA08 CA15 CA21 CA23 CA27 CB13 CB15 CB26 CB27 CC02 CD08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式エポキシ樹脂と、この樹脂のため
    のエポキシ硬化剤と、ポリブタジエン化合物、シリカ粉
    末、又は加熱によってポリイミドもしくはポリエーテル
    イミドを生成する単量体もしくは前駆体とを含むことを
    特徴とする絶縁性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記脂環式エポキシ樹脂がシクロヘキサ
    ン骨格を有するエポキシ樹脂である、請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記シクロヘキサン骨格を有するエポキ
    シ樹脂が、2官能エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂又
    は4官能エポキシ樹脂であり、あるいはそれらのうちの
    2種以上のものの混合物である、請求項2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記エポキシ硬化剤がフェノールノボラ
    ック樹脂又は酸無水物であり、あるいはシラノール含有
    化合物と金属含有化合物との混合物である、請求項1か
    ら3までのいずれか一つに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 所定の回路基板上に形成した複数の絶縁
    層と配線層を含む多層回路基板であって、絶縁層が、脂
    環式エポキシ樹脂と、この樹脂のためのエポキシ硬化剤
    と、ポリブタジエン化合物、シリカ粉末、又は加熱によ
    ってポリイミドもしくはポリエーテルイミドを生成する
    単量体もしくは前駆体とを含む絶縁性樹脂組成物から形
    成されていることを特徴とする多層回路基板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163210A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 New Japan Chem Co Ltd 新規なポリイミド樹脂組成物及びそのワニス
JP2010155980A (ja) * 2008-12-02 2010-07-15 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd エポキシ樹脂組成物並びにプリプレグ、積層板
KR101027303B1 (ko) * 2003-06-27 2011-04-06 아지노모토 가부시키가이샤 다층 프린트 배선판용 수지 조성물 및 접착 필름
JP2017178990A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 日本ゼオン株式会社 樹脂組成物及び電子部品

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