JP2000269738A - 補償電圧発生回路及びこれを用いた温度補償水晶発振器 - Google Patents

補償電圧発生回路及びこれを用いた温度補償水晶発振器

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JP2000269738A
JP2000269738A JP11070525A JP7052599A JP2000269738A JP 2000269738 A JP2000269738 A JP 2000269738A JP 11070525 A JP11070525 A JP 11070525A JP 7052599 A JP7052599 A JP 7052599A JP 2000269738 A JP2000269738 A JP 2000269738A
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temperature
voltage
compensation
circuit
temperature compensation
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Makoto Watanabe
渡辺  誠
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】調整を容易にして生産性を高める温度補償回路
及びこれを用いた温度補償発振器を提供する。 【解決手段】温度特性の極小値以上の温度に応答して指
数関数的な高温補償予備電圧を、温度特性の極大値以下
の温度に応答して指数関数的な低温補償予備電圧を形成
し、さらに極大値と極小値間の温度に応答して一次関数
的な中温補償電圧を形成してこれらを合成し補償電圧を
得て、調整を容易にして生産性を高める温度補償回路及
びこれを用いた温度補償発振器を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温度補償用の電圧発
生回路(以下温度補償回路とする)及びこれを用いた温
度補償水晶発振器(温度補償発振器とする)を産業上の
技術分野とし、特に小型化に適して生産性を良好とした
温度補償発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】(発明の背景)温度補償発振器は、例え
ば携帯電話に代表されるように動的環境下で使用される
移動体通信機器やデジタル制御機器等に周波数及び時間
の基準源として使用される。近年では、小型化指向に基
づき、温度補償回路を含む発振回路を集積化して1チッ
プ化を目標とした(但し水晶振動子は除く)温度補償発
振器の開発がある(参照:特開平3−29505号公
報、同10−270941号公報)。
【0003】(従来技術の一例)第4図はこの種の一従
来例を説明する温度補償発振器の図である。温度補償発
振器は電圧制御発振器1と温度補償回路2とからなる。
電圧制御発振器2は、例えばコルピッツ型の発振回路3
(略図)を構成するインダクタ成分としての水晶振動子
4に電圧可変容量ダイオード(可変容量ダイオードとす
る)5を接続してなる。水晶振動子4は例えばATカッ
トとして、発振回路3の周波数温度特性(温度特性とす
る)を、第5図の曲線イに示すように常温近傍(約25
℃)に変曲点fc、低温側(約−10℃)に極大値fm、
高温側(約60℃)に極小値fnを有する三次関数的な
曲線とする。
【0004】温度補償回路2は、第6図に示したよう
に、温度感応回路6を有して、低温及び高温補償回路
7、8及び補正回路9からなる。温度感応回路6は低温
用と高温用からなり、温度感応素子としてのダイオード
(温度感応ダイオードとする)10と抵抗R1の直列回
路に電源E1を接続し、中点からの温度感応電圧V1を共
用する。温度感応ダイオード10は、周囲温度に対して
端子間電圧が直線的に変化(減少)し、温度感応電圧V
1は右下がりの直線となる(第7図)。
【0005】そして、低温用温度感応回路6aは、演算
増幅器を非反転増幅器11aとして温度感応電圧V1を
増幅し、25℃で0.7Vとなる右下がりの低温感応電
圧VLを得る。また、高温用温度感応回路6bは演算増
幅器を反転増幅器11bとして温度感応電圧V1を反転
増幅し、25℃で0.7Vとなる右上がりの高温感応電
圧VHを得る(第8図)。なお、増幅度はいずれも帰還
分割抵抗Ra、Rbの抵抗比によって決定され、傾きが決
定される。また、反転増幅器11bのErは基準電圧源
であり、Rc、Rdは分割抵抗である。
【0006】高温及び低温補償回路7、8は、いずれも
ダイオード(補償ダイオードとする)12(ab)と抵
抗R2、R3の直列回路からなり、直列回路の中点とアー
ス電位間を出力Voとする。このようなものでは、第9
図に示したように、直列回路の印加電圧Viに対して出
力Voは、補償ダイオード12の順方向下降電圧例えば
0.7Vを立ち上がり電圧として、全体的には指数関数
的な曲線となる。
【0007】そして、特に立ち上がり部分(0.7V近
傍)では非直線性(三次曲線的、矢印Pで示す)とな
り、R2(R3)が小さくなるほど、立ち上がり部分で曲
線的になる。高温及び低温補償回路7、8は、この非直
線部分を利用する。
【0008】低温補償回路7は、補償ダイオード12a
と抵抗R2の直列回路に、右下がりとして常温時に0.
7Vとなる低温感応電圧VLを印加される。そして、補
償ダイオード12aの非直線性部分を利用して、第10
図に示したように常温を基準とした三次曲線的な左上が
りの低温補償予備電圧VL1を得る。
【0009】また、高温補償回路8は、補償ダイオード
12bと抵抗R3の直列回路に右上がりとした常温時に
0.7Vとなる高温温感応電圧VHを印加される。そし
て、補償ダイオード12bの非直線性部分を利用して、
常温を基準とした三次曲線的な右上がりの高温補償予備
電圧VH1を得る。
【0010】そして、低温補償予備電圧VL1は非反転増
幅器13aによりそのまま増幅されて、また高温補償予
備電圧VH1は反転増幅器13bにより反転増幅されて、
低温補償予備電圧VL2及び高温補償予備電圧VH2を得る
(前第10図参照)。なお、図では増幅率を1としてあ
るが、帰還分割抵抗Ra、Rbの抵抗比を変えることによ
り、低温及び高温補償予備電圧VL2、VH2の傾きを任意
に制御できる。これらを合成器14により加算すること
によって、全体として温度に対して単調減少となる右下
がりの三次曲線的な補償予備電圧VLHを得る。
【0011】補正回路9は、高温用温度感応回路6bに
よる右上がりの高温感応電圧VHを分割抵抗R4、R5に
印加し、傾きを制御した一次関数的な補正電圧VRを得
る。そして、単調減少となる三次曲線的な補償予備電圧
VLHに補正電圧VRを合成器14により加算し、前第5
図の曲線ロに示すように、常温近傍に変曲点Vcを低温
側に極小値Vn及び高温側に極大値Vmを有する三次曲線
的な補償電圧VSを得る。なお、図中の符号15(ab
c)増幅用の演算増幅器である。
【0012】このようなものでは、温度補償回路2によ
る三次関数的な補償電圧VSが電圧制御発振器1の可変
容量ダイオード5に印加されて端子間容量を変化する。
すなわち、水晶振動子4からみた負荷容量が発振回路の
温度特性を相殺するように変化する。したがって、発振
回路3の温度特性を平坦にして温度補償する。また、温
度感応回路6中に温度感応素子として集積化が困難なサ
ーミスタを使用することなく、温度感応ダイオード10
を使用するのでこれを集積素子中に一体的に形成でき
る。したがって、集積素子の1チップ化を促進する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の温度補償発振器では、高温及
び低温補償回路7、8が、常温を基準として低温側及び
高温側を独立分担して温度特性を補償する。すなわち、
高温及び低温補償回路7、8では、補償ダイオード13
(ab)の立ち上がり部分(0.7V)をいずれも常温
近傍(25℃)に設定して、三次曲線的な低温及び高温
補償予備電圧VL1、VH1を得て単調減少の補償予備電圧
VLHとした後、補正電圧VRを加算して、常温に変曲点
Vc及び高温側に極大値Vm、低温側に極小値Vnを有す
る三次曲線的な補償電圧VSを得る。
【0014】したがって、このようなものでは、極大値
及び極小値fn以降の高温及び低温領域の特性を独立的
にして任意には制御できない。例えば、極大値fm以降
の特性を高温補償回路7により制御すると極大値以内の
特性も変化してしまう。このようなことから、水晶振動
子4(発振回路)の温度特性にバラツキがあった場合、
例えば極大値fmあるいは極小値fnを中心として高温側
及び低温側で対称性を欠く場合には、調整の範囲に限度
があり、生産性に特に歩留まりに問題があった。
【0015】(発明の目的)本発明は、調整を容易にし
て生産性を高める温度補償回路及びこれを用いた温度補
償発振器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度特性の極
小値以上の温度に応答して指数関数的な高温補償予備電
圧を、温度特性の極大値以下の温度に応答して指数関数
的な低温補償予備電圧を形成し、さらに極大値と極小値
間の温度に応答して一次関数的な中温補償電圧を形成し
て、これらを合成したことを基本的な解決手段とする。
【0017】
【作用】本発明では、高温及び低温補償予備電圧を温度
特性の極小値及び極大値以降の温度に応答して形成す
る。したがって、温度特性の極小値及び極大値以降の温
度に応答して、高温及び低温補償予備電圧を任意に制御
できる。以下、本発明の一実施例を説明する。
【0018】
【実施例】第1図は本発明の一実施例を説明する温度補
償発振器の特に温度補償回路の図である。なお、前従来
例図と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又
は省略する。温度補償発振器は、前述同様に、発振回路
3の温度特性を水晶振動子4に起因した三次関数的とし
て、可変容量ダイオード5を有する電圧制御発振器1
と、温度補償回路2とからなる。温度補償回路2は、こ
れも同様に温度感応ダイオード10を有して反転及び非
反転増幅器11(ab)からなる高低温用温度感応回路
6(ab)と、補償ダイオード12(ab)と抵抗R
2、R3からなる直列回路を有して反転及び非反転増幅器
13(ab)を有する高低温用補償回路7、8と、分割
抵抗R4、R5からなる中温補償及び補正回路9と、合成
器14とからなる。
【0019】そして、この実施例では、低温補償回路7
は、温度特性の極大値fmとなる温度点Tm(例えば−1
0℃)以下の低温領域に応答して、低温補償予備電圧V
L2を発生する。すなわち、温度上昇に伴って低下する低
温感応電圧VL(第2図)を、温度特性の極大値fmとな
る温度点Tmのとき、補償ダイオード12aの順方向降
下電圧となる0.7Vに一致させる。
【0020】これにより、低温補償回路7は極大値fm
となる温度点Tm以下の低温領域で温度下降に伴って、
指数関数的(三次曲線的)に増加する低温補償予備電圧
VL1を発生する。そして、非反転増幅器13aの帰還分
割抵抗Ra、Rbの抵抗比を制御し、低温補償予備電圧V
L1の傾斜を調整して増幅し、低温補償予備電圧VL2を発
生する。
【0021】高温補償回路8は温度特性の極小値となる
温度点Tn(例えば60℃)以上の高温領域に応答した
高温補償予備電圧VH2を発生する。すなわち、温度上昇
に伴って上昇する高温感応電圧VH(第2図)を、温度
特性の極小値fnとなる温度点Tnのとき、補償ダイオー
ド12aの順方向降下電圧となる0.7Vに一致させ
る。
【0022】これにより、高温温補償回路8は極小値f
nとなる温度点Tn以上の高温領域で温度上昇に伴って、
指数関数的(三次曲線的)に増加する高温補償予備電圧
VH1を得る。そして、反転増幅器13bの帰還分割抵抗
Ra、Rbの抵抗比を制御して高温補償予備電圧VH1の
傾斜を調整するとともに反転増幅し、高温補償予備電圧
VH2を発生する。
【0023】中温補償及び補正回路8は、温度特性の極
大値fmと極小値fnとなる温度Tm、Tn間の中温領域に
応答するとともに、低温及び高温補償予備電圧VL2、V
H2を補正する中温補償電圧VMを発生する。すなわち、
温度上昇とともに増加する高温感応電圧VHを分割抵抗
R4及びR5によって分圧し、温度に対する傾斜を制御す
るとともに低温及び高温補償予備電圧VL2、VH2を左方
向に回転させる中温補償電圧VMを発生する。
【0024】合成器14は演算増幅器(未図示)からな
り、低温及び高温補償予備電圧VL2、VH2及び中温補償
電圧VMを合成(加算)する。したがって、第3図に示
したように低温側に極小値fn及び高温側に極大値fmを
有するとともに極小値fnと極大値fmとの間を直線状と
した、三次曲線的な補償電圧VSとなる(前第 図の曲
線ロに相当)。
【0025】このような構成であれば、低温補償回路7
の帰還分割抵抗Ra、Rbの抵抗比を制御することによ
り、極大値となる温度点Tm以下の低温領域における低
温補償電圧VL2の傾斜を任意に調整できる。また、高温
補償回路8の帰還分割抵抗Ra、Rbの抵抗比を制御する
ことにより、極小値となる温度点Tn以上の高温領域に
おける高温補償電圧VH2の傾斜を任意に調整できる。
【0026】また、中温補償及び補正回路9の分割抵抗
R4、R5を制御することにより、極大値fmと極小値fn
との間の中温領域における中温補償電圧VMの傾斜を任
意に調整できる。要するに、低温、高温及び中温補償電
圧VL2、VH2、VMを互いに独立して調整できる。
【0027】したがって、水晶振動子起因した発振回路
の温度特性にバラツキがあったとしても、例えば極大値
fmあるいは極小値fnを中心として高温側及び低温側で
対称性を欠いていたとしても、これらを自由に調整でき
る。このことから、生産性を良好として特に歩留まりを
向上する。
【0028】
【発明の効果】本発明は、温度特性の極小値以上の温度
に応答して指数関数的な高温補償予備電圧を、温度特性
の極大値以下の温度に応答して指数関数的な低温補償予
備電圧を形成し、さらに極大値と極小値間の温度に応答
して一次関数的な中温補償電圧を形成してこれらを合成
し補償電圧を得るので、調整を容易にして生産性を高め
る温度補償回路及びこれを用いた温度補償発振器を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する低温及び高温補償
予備電圧及び中温補償電圧の特性図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する低温及び高温用感
応電圧の特性図である。
【図3】本発明の一実施例を説明する補償電圧の特性図
である。
【図4】従来例を説明する温度補償発振器の回路図であ
る。
【図5】従来例を説明する温度特性及び補償電圧の特性
図である。
【図6】従来例を説明する温度補償回路の図である。
【図7】従来例を説明する温度感応電圧の特性図であ
る。
【図8】低温及び高温感応電圧の特性図である。
【図9】補償ダイオードの特性図である。
【図10】低温及び高温補償予備電圧並びに補正電圧の
特性図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月2日(1999.6.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】補償電圧発生回路及びこれを用いた温度
補償水晶発振器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温度補償用の電圧発
生回路(以下温度補償回路とする)及びこれを用いた温
度補償水晶発振器(温度補償発振器とする)を産業上の
技術分野とし、特に小型化に適して生産性を良好とした
温度補償発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】(発明の背景)温度補償発振器は、例え
ば携帯電話に代表されるように動的環境下で使用される
移動体通信機器やデジタル制御機器等に周波数及び時間
の基準源として使用される。近年では、小型化指向に基
づき、温度補償回路を含む発振回路を集積化して1チッ
プ化を目標とした(但し水晶振動子は除く)温度補償発
振器の開発がある(参照:特開平3−29505号公
報、同10−270941号公報)。
【0003】(従来技術の一例)第4図はこの種の一従
来例を説明する温度補償発振器の図である。温度補償発
振器は電圧制御発振器1と温度補償回路2とからなる。
電圧制御発振器1は、例えばコルピッツ型の発振回路3
(略図)を構成するインダクタ成分としての水晶振動子
4に電圧可変容量ダイオード(可変容量ダイオードとす
る)5を接続してなる。水晶振動子4は例えばATカッ
トとして、発振回路3の周波数温度特性(温度特性とす
る)を、第5図の曲線イに示すように常温近傍(約25
℃)に変曲点fc、低温側(約−10℃)に極大値fm、
高温側(約60℃)に極小値fnを有する三次関数的な
曲線とする。
【0004】温度補償回路2は、第6図に示したよう
に、温度感応回路6を有して、低温及び高温補償回路
7、8及び補正回路9からなる。温度感応回路6は低温
用と高温用からなり、温度感応素子としてのダイオード
(温度感応ダイオードとする)10と抵抗R1の直列回
路に電源E1を接続し、中点からの温度感応電圧V1を共
用する。温度感応ダイオード10は、周囲温度に対して
端子間電圧が直線的に変化(減少)し、温度感応電圧V
1は右下がりの直線となる(第7図)。
【0005】そして、低温用温度感応回路6aは、演算
増幅器を非反転増幅器11aとして温度感応電圧V1を
増幅し、25℃で0.7Vとなる右下がりの低温感応電
圧VLを得る。また、高温用温度感応回路6bは演算増
幅器を反転増幅器11bとして温度感応電圧V1を反転
増幅し、25℃で0.7Vとなる右上がりの高温感応電
圧VHを得る(第8図)。なお、増幅度はいずれも帰還
分割抵抗Ra、Rbの抵抗比によって決定され、傾きが決
定される。また、反転増幅器11bのErは基準電圧源
であり、Rc、Rdは分割抵抗である。
【0006】高温及び低温補償回路7、8は、いずれも
ダイオード(補償ダイオードとする)12(ab)と抵
抗R2、R3の直列回路からなり、直列回路の中点とアー
ス電位間を出力Voとする。このようなものでは、第9
図に示したように、直列回路の印加電圧Viに対して出
力Voは、補償ダイオード12の順方向下降電圧例えば
0.7Vを立ち上がり電圧として、全体的には指数関数
的な曲線となる。
【0007】そして、特に立ち上がり部分(0.7V近
傍)では非直線性(三次曲線的、矢印Pで示す)とな
り、R2(R3)が小さくなるほど、立ち上がり部分で曲
線的になる。高温及び低温補償回路7、8は、この非直
線部分を利用する。
【0008】低温補償回路7は、補償ダイオード12a
と抵抗R2の直列回路に、右下がりとして常温時に0.
7Vとなる低温感応電圧VLを印加される。そして、補
償ダイオード12aの非直線性部分を利用して、第10
図に示したように常温を基準とした三次曲線的な左上が
りの低温補償予備電圧VL1を得る。
【0009】また、高温補償回路8は、補償ダイオード
12bと抵抗R3の直列回路に右上がりとした常温時に
0.7Vとなる高温温感応電圧VHを印加される。そし
て、補償ダイオード12bの非直線性部分を利用して、
常温を基準とした三次曲線的な右上がりの高温補償予備
電圧VH1を得る。
【0010】そして、低温補償予備電圧VL1は非反転増
幅器13aによりそのまま増幅されて、また高温補償予
備電圧VH1は反転増幅器13bにより反転増幅されて、
低温補償予備電圧VL2及び高温補償予備電圧VH2を得る
(前第10図参照)。なお、図では増幅率を1としてあ
るが、帰還分割抵抗Ra、Rbの抵抗比を変えることによ
り、低温及び高温補償予備電圧VL2、VH2の傾きを任意
に制御できる。これらを合成器14により加算すること
によって、全体として温度に対して単調減少となる右下
がりの三次曲線的な補償予備電圧VLHを得る。
【0011】補正回路9は、高温用温度感応回路6bに
よる右上がりの高温感応電圧VHを分割抵抗R4、R5に
印加し、傾きを制御した一次関数的な補正電圧VRを得
る。そして、単調減少となる三次曲線的な補償予備電圧
VLHに補正電圧VRを合成器14により加算し、前第5
図の曲線ロに示すように、常温近傍に変曲点Vcを低温
側に極小値Vn及び高温側に極大値Vmを有する三次曲線
的な補償電圧VSを得る。なお、図中の符号15(ab
c)は増幅用の演算増幅器である。
【0012】このようなものでは、温度補償回路2によ
る三次関数的な補償電圧VSが電圧制御発振器1の可変
容量ダイオード5に印加されて端子間容量を変化する。
すなわち、水晶振動子4からみた負荷容量が発振回路の
温度特性を相殺するように変化する。したがって、発振
回路3の温度特性を平坦にして温度補償する。また、温
度感応回路6中に温度感応素子として集積化が困難なサ
ーミスタを使用することなく、温度感応ダイオード10
を使用するのでこれを集積素子中に一体的に形成でき
る。したがって、集積素子の1チップ化を促進する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の温度補償発振器では、高温及
び低温補償回路7、8が、常温を基準として低温側及び
高温側を独立分担して温度特性を補償する。すなわち、
高温及び低温補償回路7、8では、補償ダイオード13
(ab)の立ち上がり部分(0.7V)をいずれも常温
近傍(25℃)に設定して、三次曲線的な低温及び高温
補償予備電圧VL1、VH1を得て単調減少の補償予備電圧
VLHとした後、補正電圧VRを加算して、常温に変曲点
Vc及び高温側に極大値Vm、低温側に極小値Vnを有す
る三次曲線的な補償電圧VSを得る。
【0014】したがって、このようなものでは、極大値
fm及び極小値fn以降の高温及び低温領域の特性を独立
的にして任意には制御できない。例えば、極大値fm以
降の特性を高温補償回路7により制御すると極大値以内
の特性も変化してしまう。このようなことから、水晶振
動子4(発振回路)の温度特性にバラツキがあった場
合、例えば極大値fmあるいは極小値fnを中心として高
温側及び低温側で対称性を欠く場合には、調整の範囲に
限度があり、生産性に特に歩留まりに問題があった。
【0015】(発明の目的)本発明は、調整を容易にし
て生産性を高める温度補償回路及びこれを用いた温度補
償発振器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度特性の極
小値以上の温度に応答して指数関数的な高温補償予備電
圧を、温度特性の極大値以下の温度に応答して指数関数
的な低温補償予備電圧を形成し、さらに極大値と極小値
間の温度に応答して一次関数的な中温補償電圧を形成し
て、これらを合成したことを基本的な解決手段とする。
【0017】
【作用】本発明では、高温及び低温補償予備電圧を温度
特性の極小値及び極大値以降の温度に応答して形成す
る。したがって、温度特性の極小値及び極大値以降の温
度に応答して、高温及び低温補償予備電圧を任意に制御
できる。以下、本発明の一実施例を説明する。
【0018】
【実施例】第1図は本発明の一実施例を説明する低温及
び高温補償予備電圧及び中温補償電圧の特性図である。
なお、前従来例図と同一部分には同番号を付与してその
説明は簡略又は省略する。温度補償発振器は、前述同様
に、発振回路3の温度特性を水晶振動子4に起因した三
次関数的として、可変容量ダイオード5を有する電圧制
御発振器1と、温度補償回路2とからなる。温度補償回
路2は、これも同様に温度感応ダイオード10を有して
反転及び非反転増幅器11(ab)からなる高低温用温
度感応回路6(ab)と、補償ダイオード12(ab)
と抵抗R2、R3からなる直列回路を有して反転及び非反
転増幅器13(ab)を有する高低温用補償回路7、8
と、分割抵抗R4、R5からなる中温補償及び補正回路9
と、合成器14とからなる。
【0019】そして、この実施例では、低温補償回路7
は、温度特性の極大値fmとなる温度点Tm(例えば−1
0℃)以下の低温領域に応答して、低温補償予備電圧V
L2を発生する。すなわち、温度上昇に伴って低下する低
温感応電圧VL(第2図)を、温度特性の極大値fmとな
る温度点Tmのとき、補償ダイオード12aの順方向降
下電圧となる0.7Vに一致させる。
【0020】これにより、低温補償回路7は極大値fm
となる温度点Tm以下の低温領域で温度下降に伴って、
指数関数的(三次曲線的)に増加する低温補償予備電圧
VL1を発生する。そして、非反転増幅器13aの帰還分
割抵抗Ra、Rbの抵抗比を制御し、低温補償予備電圧V
L1の傾斜を調整して増幅し、低温補償予備電圧VL2を発
生する。
【0021】高温補償回路8は温度特性の極小値となる
温度点Tn(例えば60℃)以上の高温領域に応答した
高温補償予備電圧VH2を発生する。すなわち、温度上昇
に伴って上昇する高温感応電圧VH(第2図)を、温度
特性の極小値fnとなる温度点Tnのとき、補償ダイオー
ド12aの順方向降下電圧となる0.7Vに一致させ
る。
【0022】これにより、高温補償回路8は極小値fn
となる温度点Tn以上の高温領域で温度上昇に伴って、
指数関数的(三次曲線的)に増加する高温補償予備電圧
VH1を得る。そして、反転増幅器13bの帰還分割抵抗
Ra、Rbの抵抗比を制御して高温補償予備電圧VH1の
傾斜を調整するとともに反転増幅し、高温補償予備電圧
VH2を発生する。
【0023】中温補償及び補正回路9は、温度特性の極
大値fmと極小値fnとなる温度Tm、Tn間の中温領域に
応答するとともに、低温及び高温補償予備電圧VL2、V
H2を補正する中温補償電圧VMを発生する。すなわち、
温度上昇とともに増加する高温感応電圧VHを分割抵抗
R4及びR5によって分圧し、温度に対する傾斜を制御す
るとともに低温及び高温補償予備電圧VL2、VH2を左方
向に回転させる中温補償電圧VMを発生する。
【0024】合成器14は演算増幅器(未図示)からな
り、低温及び高温補償予備電圧VL2、VH2及び中温補償
電圧VMを合成(加算)する。したがって、第3図に示
したように低温側に極小値fn及び高温側に極大値fmを
有するとともに極小値fnと極大値fmとの間を直線状と
した、三次曲線的な補償電圧VSとなる(前第5図の曲
線ロに相当)。
【0025】このような構成であれば、低温補償回路7
の帰還分割抵抗Ra、Rbの抵抗比を制御することによ
り、極大値となる温度点Tm以下の低温領域における低
温補償電圧VL2の傾斜を任意に調整できる。また、高温
補償回路8の帰還分割抵抗Ra、Rbの抵抗比を制御する
ことにより、極小値となる温度点Tn以上の高温領域に
おける高温補償電圧VH2の傾斜を任意に調整できる。
【0026】また、中温補償及び補正回路9の分割抵抗
R4、R5を制御することにより、極大値fmと極小値fn
との間の中温領域における中温補償電圧VMの傾斜を任
意に調整できる。要するに、低温、高温及び中温補償電
圧VL2、VH2、VMを互いに独立して調整できる。
【0027】したがって、水晶振動子に起因した発振回
路の温度特性にバラツキがあったとしても、例えば極大
値fmあるいは極小値fnを中心として高温側及び低温側
で対称性を欠いていたとしても、これらを自由に調整で
きる。このことから、生産性を良好として特に歩留まり
を向上する。
【0028】
【発明の効果】本発明は、温度特性の極小値以上の温度
に応答して指数関数的な高温補償予備電圧を、温度特性
の極大値以下の温度に応答して指数関数的な低温補償予
備電圧を形成し、さらに極大値と極小値間の温度に応答
して一次関数的な中温補償電圧を形成してこれらを合成
し補償電圧を得るので、調整を容易にして生産性を高め
る温度補償回路及びこれを用いた温度補償発振器を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する低温及び高温補償
予備電圧及び中温補償電圧の特性図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する低温及び高温用感
応電圧の特性図である。
【図3】本発明の一実施例を説明する補償電圧の特性図
である。
【図4】従来例を説明する温度補償発振器の回路図であ
る。
【図5】従来例を説明する温度特性及び補償電圧の特性
図である。
【図6】従来例を説明する温度補償回路の図である。
【図7】従来例を説明する温度感応電圧の特性図であ
る。
【図8】低温及び高温感応電圧の特性図である。
【図9】補償ダイオードの特性図である。
【図10】低温及び高温補償予備電圧並びに補正電圧の
特性図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温近傍に変曲点を有して、高温側に極小
    値を低温側に極大値を有する発振回路の周波数温度特性
    を補償する温度補償水晶発振器の補償電圧発生回路であ
    って、 周囲温度に応答して一次関数的に増加する温度感応回路
    からの出力電圧をダイオードと抵抗の直列回路に印加
    し、前記直列回路の中点から指数関数的に変化する電圧
    を反転増幅器の増幅度を制御して、前記周波数温度特性
    の極小値以上となる温度に応答して高温補償予備電圧を
    得る高温補償回路と、 前記温度感応回路からの一次関数的に増加する出力電圧
    を反転した反転出力をダイオードと抵抗の直列回路に印
    加し、前記直列回路の中点から指数関数的に変化する電
    圧を非反転増幅器の増幅度を制御して、前記周波数温度
    特性の極大値以下となる低温補償予備電圧を得る低温補
    償回路と、 前記温度感応回路からの一次関数的に増加する出力電圧
    の傾斜を制御した補正電圧を前記高温補償予備電圧と前
    記低温補償予備電圧に加算して高温補償電圧と低温補償
    電圧とするとともに、前記周波数温度特性の極小値と極
    大値との間となる中温補償電圧を得る中温補償回路とを
    具備してなる補償電圧発生回路。
  2. 【請求項2】請求項1の補償電圧発生回路による低温補
    償電圧、中温補償電圧及び高温補償電圧からなる補償電
    圧を水晶振動子に接続した電圧可変容量素子に印加して
    発振周波数の温度特性を補償してなる温度補償水晶発振
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6434454B1 (en) 2001-01-11 2002-08-13 Kabushiki Kaisha Meidensha Testing system and method for automotive component using dynamometer
JP2013098860A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Kyocera Crystal Device Corp 温度補償型発振器および温度補償型発振器の温度補償方法

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